JP2003224157A - 電子部品の製造方法およびはんだボール - Google Patents

電子部品の製造方法およびはんだボール

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JP2003224157A
JP2003224157A JP2002018588A JP2002018588A JP2003224157A JP 2003224157 A JP2003224157 A JP 2003224157A JP 2002018588 A JP2002018588 A JP 2002018588A JP 2002018588 A JP2002018588 A JP 2002018588A JP 2003224157 A JP2003224157 A JP 2003224157A
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Masayoshi Date
正芳 伊達
Koji Sato
光司 佐藤
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  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 SnとZnを主とするはんだを用いて、接合部の
界面での剥離を抑制した健全なはんだ接合部を形成する
ことが可能な電子部品の製造方法、およびそれに適した
はんだボールを提供する。 【解決手段】 SnとZnを主とするはんだにより端子部を
はんだ付けした後、80℃以上、該はんだの溶融温度以下
の温度で熱処理を行い、はんだ接合部と電子部品の端子
部との界面にZn層を析出させる電子部品の製造方法。お
よびSnとZnを主とし表面に不連続なZn相を有するはんだ
ボール

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SnとZnを主とする
はんだの接合部を有する電子部品の製造方法、およびそ
れに適したはんだボールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品と回路を構成するための配線板
を電気的に接続する手法として、はんだ接合が用いられ
ており、はんだ合金としてSnとPbを主とするSn-Pb系合
金が長年に渡り使用されてきた。近年、Sn-Pb系合金に
含まれるPbの環境への影響が問題とされており、Sn-Pb
系合金の代わりにPbを含まないはんだの使用が検討され
ている。このようなはんだはPbフリーはんだと呼ばれて
おり、Pbに代わる合金元素としてAg、Cu、Bi、In、Ge等
のうち1種あるいは複数種をSnに添加した合金等が提案
されている。
【0003】はんだ接合の際に接合部に形成される反応
層は、はんだ中のSnと電子部品の端子部を構成する元素
とが反応した金属間化合物である場合が多い。この金属
間化合物は、はんだ接合終了後にも電子部品の製造工程
で受ける熱や、電子部品を作動させたときに生じる熱に
より成長するが、この金属間化合物は通常の合金と比べ
て非常に脆い性質を示す。このため過度に成長した場
合、はんだ接合部と電子部品の端子部との界面で剥離が
生じやすいという問題を包含している。
【0004】この金属間化合物の成長に起因した問題に
対し、特開2001−156207号公報では、3〜1
5wt%のZnを含み残部が実質的にSnのはんだ合金を用い
ることで、はんだ接合後の金属間化合物の成長を抑制で
きることを開示している。これは、上記のはんだ合金を
鋳造した場合、合金の表面に亜鉛が濃縮したZn層を形成
し、これがはんだ接合時にSnと電子部品の端子部を構成
する元素との反応を抑制するため、はんだ接合部の剥離
を抑制できることを開示するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、SnとZn
を主とするはんだを用いたはんだ接合部の信頼性につい
て検討を行った。その結果、全ての接合方法においては
んだ接合部にZn層を形成するのではないことが分かっ
た。またZn層を形成した場合でも信頼性の付与に十分で
ないことが判明した。
【0006】本発明の目的は、SnとZnを主とするはんだ
を用いて、接合部の界面での剥離を抑制した健全なはん
だ接合部を形成することが可能な電子部品の製造方法、
およびそれに適したはんだボールを提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、SnとZnを
主とするはんだ接合部を高温に保持して、Znをはんだ接
合部と電子部品の端子部との界面に積極的に析出させる
ことで、はんだ接合部の剥離を抑制できることを見出し
た。
【0008】すなわち本発明は、SnとZnを主とするはん
だにより端子部をはんだ付けした後、80℃以上、該はん
だの溶融温度以下の温度で熱処理を行い、はんだ接合部
と電子部品の端子部との界面にZn層を析出させる電子部
品の製造方法である。本発明は個々のボールを凝固単位
としてガス中で凝固されてなるはんだボールにより端子
部をはんだ付けする場合に適用することが好ましい。ま
た、Zn層の平均厚さを0.1μm以上とすることが好まし
い。さらに端子部はめっき層を具備し、該めっき層はNi
を主とすることが好ましい。加えて本発明はSnとZnを主
とし表面に不連続なZn相を有するはんだボールである。
【0009】
【発明の実施の形態】上述したように、本発明の重要な
特徴は、はんだ接合部がSnとZnを主とするはんだを用
い、はんだ接合部の界面に積極的にZn層を析出させるこ
とである。このZn層の析出は熱処理により行うことがで
きる。この方法により接合界面に靭性を有するZn層を積
極的に析出させることで、界面の接合強度、靭性を向上
することができ、はんだ接合部の剥離を抑制することが
できる。また、すでにZn層を形成しているはんだ接合部
であっても、本発明の熱処理によりさらにZn層を析出さ
せることができ、接合界面の接合強度を一層向上するこ
とが出来る。
【0010】なお、本発明でZn層とは、Znの靭性を低下
させない程度にその他の元素が固溶したものや、接合界
面の強度を低下しない程度に部分的に金属間化合物が析
出したものも含む。
【0011】SnとZnを主とするはんだとは具体的には、
例えばSnとZnとを主成分とする合金からなるはんだを対
象とし、さらにAg、Cu、Bi、In、Ge等の元素を含む合金
も対象とする。なおZnの含有量は質量%で5%〜15%
とすることが好ましい。Zn層の形成に要する熱処理時間
を短縮するため5%以上含有することが好ましいが、含
有量が多すぎると共晶組成から外れてはんだの融点が高
くなるので15%以下含有することが好ましい。実際の
使用形態としては、これら合金のインゴットを線、棒、
箔、粉末、ボールなどの形状に加工したものである。ま
た、はんだの溶融および端子部との反応を促進させるた
めに、はんだ粉末に活性剤であるフラックスを添加して
混錬したペースト状のものでもよい。さらに、フローは
んだ付けのようにこれらを予め溶融させたものでもよ
い。
【0012】本発明において熱処理を80℃以上はんだの
溶融温度以下の温度で行うのは、加熱温度が80℃より低
い場合、十分にZn層を析出させることが困難であり、ま
た析出する場合でも析出に要する時間が長くなり、製造
コストの上昇に繋がるためである。一方、該はんだの溶
融温度より高い温度まで加熱した場合、はんだが再溶解
するため、Zn層の厚みを増すことが困難である。よっ
て、熱処理の温度は、80℃以上該はんだの溶融温度以下
の温度で行う。
【0013】本発明の熱処理を、Zn層を形成するための
みに設けた工程ではなく、例えば電子部品をはんだ接合
した後、別の電子部品をはんだ接合するために加熱する
工程などで併せて行うことも可能であるが、電子部品組
立時の不良を低減するためには、はんだ接合の直後に本
発明の熱処理を行いZn層を形成することが好ましい。
【0014】また本発明者らは、SnとZnを主とするはん
だボールの量産方法を検討した。そして、溶融はんだを
ガス中でノズルから滴下して、落下中に液滴自身の表面
張力により球状化、凝固すること、すなわち個々のはん
だボールを凝固単位としてガス中で凝固することにより
極めて効率的な量産が可能であることを見出した。この
はんだボールを製造する装置の一例を図4、図5に示
す。
【0015】図4において均一液滴発生部12により体
積のそろった均一液滴が形成され、チャンバー8を落下
する過程で表面張力により球形となった後、凝固し連続
回収缶13上に堆積する。図5に均一液滴発生部12を
拡大した図を示す。溶湯1は伝達部材5及び加振ロッド
6を介して振動子4により振動を付与された状態で、溶
湯1にはチャンバー7に対して正の差圧が加えられ、こ
の差圧が溶湯1を流れとしてオリフィス2を通して押出
す。振動と、溶湯1の表面張力とにより、溶湯1がオリ
フィス2から流出するにつれて、溶湯1の流れは連続し
た滴下溶滴8から、破砕して均一な直径で真球度の高い
の独立した溶滴9を形成する。その後、溶滴は、チャン
バー内を移動し、ガス中で凝固する。
【0016】また、粒径のバラツキを低減するため、溶
湯1の液面にかかるるつぼ3内の圧力とチャンバー7内
部の圧力とを制御してオリフィス2での溶湯圧力を一定
とすることが好ましい。
【0017】図4、図5の装置では、溶湯を押し出す
際、独立した溶滴9を、高電圧プレート11を通過させ
て荷電し、溶滴同士の電気的な反発力により溶滴同士の
合体をより効果的に阻止することが好ましい。これによ
り溶滴は同じ極性の電荷が与えられるので、相互に反発
して弾き合い再合体せずに個別の独立した状態に留ま
り、そのため元の直径と球形を保つ。
【0018】この方法で得られたはんだボールの表面に
はZnの濃縮層であるZn層は形成せず、凝固組織としては
んだボールの内部に析出したZn相が部分的にボールの表
面に露出しているのみである。Zn層を形成しない理由は
明らかではないが、個々のボールを凝固単位としてガス
中で凝固すると、従来の製造方法と比べてはんだボール
の冷却速度が著しく大きいため、はんだボール表面での
元素の移動によりZnの濃化を生じる前にはんだボールの
温度が下がるためと推測される。このはんだボールを用
いて端子部を接合した場合、接合後もZn層は形成せず、
そのままでは接合界面の剥離の抑制、接合強度の向上を
達成することができないが、本発明の方法によれば、こ
のようなZn層を形成しないはんだ接合部にもZn層を形成
して接合強度を付与することができる。
【0019】本発明を適用することで接合部の界面での
剥離を抑制した健全なはんだ接合部を形成することが可
能となるはんだ付けの例として、上記の個々のボールを
凝固単位としてガス中で凝固されてなるはんだボールに
よるはんだ付けの他、例えば、個々の粉末を凝固単位と
してガス中で凝固されてなるはんだ粉末を含むはんだペ
ーストによるはんだ付けや、フローはんだ付けが挙げら
れる。
【0020】はんだペーストとは、はんだの溶融および
濡れ広がりを促進させるために、はんだ粉末に活性剤で
あるフラックスを添加して混錬したものである。はんだ
ペーストに含まれるはんだ粉末は、窒素雰囲気のように
はんだが酸化しない雰囲気ガス中で回転ディスク上に溶
融はんだを滴下し、回転ディスクの遠心力により細分
化、凝固させて行う方法により製造されることが多い。
これらの方法では凝固時の冷却速度が速く、SnとZnを主
とするはんだ粉末の表面にはZn層が形成され難く、この
ペーストを用いたはんだ接合部もZn層を形成され難い。
【0021】フローはんだ付けとは、予め溶融させてお
いたはんだを、はんだ付けを行う電子部品の端子部や配
線板の電極に接触させ付着させるはんだ付け方法である
が、フローはんだ付けを行った場合もはんだ表面にZn層
を形成し難い。本発明によればこれらのZn層を形成し難
いはんだ接合部にも、Zn層を形成することができ、接合
部の界面での剥離を抑制した健全なはんだ接合部を形成
することができる。
【0022】本発明では熱処理によって形成するZn層の
平均厚さを0.1μm以上とすることが好ましい。Zn層の厚
さを0.1μmよりも厚くすることで、はんだ接合部と端子
部との界面での剥離を抑制し、さらには接合強度をより
高めることができ、健全な接合を達成することが出来
る。この要因としては、Zn層は金属間化合物よりも靭性
が高いため、接合界面における応力集中を和らげる働き
があることが挙げられる。本発明で平均厚さ0.1μm以上
とは、はんだ接合した電子部品の断面の走査型電子顕微
鏡像において、Zn層の面積を接合界面の長さで割って算
出される平均のZn層の厚さが0.1μm以上であることを言
う。
【0023】本発明でははんだ接合部と接合界面を形成
する端子部はめっき層を具備し、該めっき層はNiを主と
することが好ましい。これにより安定したZn層を形成す
ることが可能となる。例えば、電子部品の端子部には主
にCuが使用されることが多いが、CuはZnと容易に反応
し、接合界面にZn層を形成しにくい。そこで、端子部に
Znとの反応を抑制するためのめっき層を具備すること
で、CuとZnとの反応を抑制し、かつ安定したZn層を形成
することが可能である。該めっき層としては、電子部品
の電極処理として広く用いられているNiを主とするめっ
きが好ましい。Niめっきの方法としては、電解めっきや
無電解めっきがあるが、本発明のNiを主とするめっき層
には、めっきの際にめっき液に含まれるB、P、Coなどが
含有されためっき層も含む。
【0024】さらに、Niめっき層の上に、はんだの濡れ
広がり性を向上させるためのAu、Snを主とするめっき層
を形成したり、NiとAuの置換反応を抑制するために両者
の間にPd層を形成してもよい。以上に述べたように、Zn
層ははんだ接合後に接合部に形成させることで接合部の
界面での剥離を抑制し、接合強度を向上することができ
る。
【0025】次にもう一つの本発明は、SnとZnを主とし
表面に不連続なZn相を有するはんだボールである。Znは
Snと比べて酸化し易く表面に露出するとはんだボールの
酸化の原因となる。表面に形成した酸化物は、はんだボ
ール同士の摩擦等により酸化物紛となり、ボール汚染の
原因となる。またはんだボールの表面の酸化は、はんだ
接合時にはんだの濡れ性を低下して接合不良の原因とな
るため、はんだボールの表面にはZnが露出していないこ
とが好ましい。本発明のはんだボールでは、従来の表面
がZn層で覆われているはんだボールに比べてZnの露出し
ている面積が小さくZnより酸化し難いSnが露出している
ため、はんだボールの表面の酸化を抑制することができ
る。これにより、本発明のはんだボールでは上述のボー
ル汚染、接合不良を低減することが出来る。
【0026】本発明のはんだボールにおいて、不連続な
Zn相とは、はんだボールの表面を覆うZn層がほとんど形
成せず、凝固組織としてはんだボールの内部で析出した
Zn相が部分的にボールの表面に露出し、Zn相以外では主
にSn相が露出している状態である。
【0027】例えば、質量%でSn-15Znのはんだボール
で、はんだボールに含まれるZnが全てZn相として析出し
ている場合でも、表面に露出するZn相の面積は全表面の
24%程度(SnおよびZnの密度をそれぞれDSn:7.3g/cm3、D
Zn:7.1g/cm3とした場合)となり、全面にZn層が形成す
る場合と比べZnの露出が大幅に少なくなり、酸化を抑制
できる。そして、このはんだボールをはんだ接合に用い
た際には、はんだ接合時の濡れ性の低下、ボール汚染、
接合不良を抑制することができる。
【0028】本発明のはんだボールを用いた場合、はん
だ接合後もほとんどZn層を形成せず、そのため接合強度
が低く、そのままでは振動により剥離を生じる場合もあ
る。しかし、上述の本発明の電子部品の製造方法により
Zn層を別の工程で形成することができる。すなわち、本
発明のはんだボールは、鋳造後にはボール表面にはZn層
を形成していないため表面酸化が僅かで、はんだ接合時
の接合不良を低減でき、はんだ接合後には本発明の電子
部品の製造方法によりZn層を形成し接合部の剥離の抑
制、接合強度の向上を図ることができるので、本発明の
はんだボールは工業的に利用価値が高い。
【0029】本発明のはんだボールは、たとえばSnとZn
とを主成分とする合金からなるはんだからなり、さらに
Ag、Cu、Bi、In、Ge等の元素を含む合金であっても良
い。なおZnの含有量は質量%で5%〜15%とすること
が好ましい。Zn層の形成に要する熱処理時間を短縮する
ため5%以上含有することが好ましいが、含有量が多す
ぎると共晶組成から外れてはんだの融点が高くなるので
15%以下含有することが好ましい。
【0030】本発明のSnとZnを主とし表面に不連続なZn
相を有するはんだボールは、溶融はんだをノズルから滴
下して、落下中に液滴自身の表面張力により球状化、空
冷凝固すること、すなわち個々のはんだボールを凝固単
位として空冷凝固することにより製造することができ
る。この方法によれば、鋳造後のはんだボールの表面に
はZnの濃縮層であるZn層が形成されず、凝固組織として
はんだボールの内部で析出したZn相が部分的にボールの
表面に露出しているはんだボールの極めて効率的な量産
が可能となる。
【0031】本発明のはんだボールは具体的には既述の
図4、図5に一例を示す装置により製造することができ
る。図4、図5に示す装置により本発明のはんだボール
を製造する場合、チャンバー7内雰囲気の圧力をゲージ
圧で0.01〜0.3MPaに加圧すると良い。このよ
うに、チャンバー7内の圧力を調整することにより溶滴
の冷却速度を調整することが出来る。具体的にはチャン
バー内を加圧すると、気密性の向上したチャンバー内で
の溶滴の凝固速度をさらに向上することができる。これ
により5%以上のZnを含有するはんだを用いた場合も、
ボールの表面でのZnの濃化を抑制し、凝固組織としては
んだボールの内部で析出したZn相が部分的にボールの表
面に露出しているはんだボール、すなわち表面に不連続
なZn相を有するはんだボールを製造することができる。
なおチャンバー内雰囲気の圧力をゲージ圧で0.01〜
0.3MPaとするのは、0.01MPa未満の場合に
は、外部に対するチャンバー内の雰囲気保持が不十分で
あり、0.3MPaを超える場合は圧力容器の安全設計
がコスト高になるからである。
【0032】
【実施例】端子部として、直径0.25mmのCu電極を17行17
列、計289個有するエリアアレイタイプのICパッケージ
を用意し、Cu電極の上にNiめっき層を電解めっきにより
形成し、さらにはんだの濡れ広がりをよくするためにAu
フラッシュめっきを施した。また、電解めっきの代わり
に、Pを不純物として含有する無電解Ni-Pめっきを施し
たICパッケージも作製した。NiめっきおよびAuめっきの
厚みはそれぞれ5μm、0.05μmである。また、無電解Ni-
Pめっき中にはPが8質量%含まれる。
【0033】質量%でSn-9ZnおよびSn-8Zn-3Biからな
り、図4の装置を用いN2ガス中で個々のボールを凝固単
位として凝固した直径0.3mmのはんだボールを用意し、
それを前記ICパッケージの端子部の上に載せた後、はん
だが溶融する温度以上に加熱して、はんだと端子部を反
応させることによりはんだバンプを形成した。なお、は
んだ付け温度は230℃とした。さらに、前記ICパッケー
ジを60℃、80℃、100℃、150℃で1、10、100時間加熱
保持した。
【0034】それぞれのICパッケージに関して、Niめっ
き層の上に形成されたZn層の厚さを測定するため、ICパ
ッケージを樹脂埋めして断面切断し、その後研磨を行っ
た。ここで、Zn層の厚さは端子部上に析出したZn層の平
均厚さとして定義し、走査型電子顕微鏡像をもとに測定
した。次に、超音波洗浄を10分間行うことでICパッケー
ジに振動を与え、はんだバンプの剥離・欠落する割合を
測定した。
【0035】その後、はんだバンプとICパッケージの端
子部との接合強度を評価するため、超音波洗浄で剥離し
なかったはんだバンプの引き剥がし試験を実施した。こ
の手法では、ICパッケージを固定した状態で、はんだバ
ンプをツイーザーで挟んで掴み、はんだバンプを引き剥
がすことにより接合強度を測定する。引き剥がし速度は
500μm/sとした。以上の測定結果を表1に、Zn層厚さに
対する欠落割合、接合強度の関係をそれぞれ図1、図2
に示す。また、Sn-8Zn-3Biを用いたはんだバンプの熱処
理前後の接合界面の走査電子顕微鏡像を図3に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1に示すように、熱処理を行っていない
a-1、a-2、b-1では十分なZn層は形成しておらず、欠落
割合は何れも70%以上となり接合界面で非常に剥離を生
じやすい。一方、熱処理によって図3に一例を示すよう
なZn層(図3(b)中矢印で示す黒色部分)をNiめっき層
とはんだとの接合界面に形成したものは、超音波洗浄後
にバンプが剥離・欠落している割合が低下する。加熱温
度60℃では剥離が見られたが、80℃以上ではZn層が0.1
μm以上となり、剥離がなくなった。また、図1から、
バンプが剥離・欠落する割合はZn層の厚さが0.1μm以上
で著しく低下していることが分かる。さらに、超音波洗
浄で欠落しなかったものについて接合強度を測定した結
果、図2に示すようにZn層の厚さが1μm以上では引き
剥がしに対する接合強度も増加している。また、Pを不
純物として含有する無電解Ni-Pめっきを行った試料でも
熱処理によりZn層が形成し、欠落割合が低下している。
【0038】以上の結果から、はんだと電子部品の端子
部との接合界面で発生する剥離はZn層の厚みを増すこと
で抑制可能であり、特に0.1μm以上のZn層を接合界面に
存在させることがはんだ接合部と電子部品の端子部との
界面での剥離の抑制に有効であることが分かる。
【0039】図6に実施例で用いたSn-9Znからなるはん
だボールの表面組織の一例を示す。図6(a)はボールの
全体像、図6(b)はその一部を拡大したものである。本
発明のはんだボールではボール表面を覆うZn層の形成は
形成しておらず、Sn相(明るい部分)中に、凝固組織と
して析出したZn相が部分的に見られるのみであった。こ
れらの露出したZn相の面積率を測定した結果、いずれも
10%以下であった。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、Sn-Zn系合金を用いて
電子部品をはんだ付けする際に発生する、はんだと電子
部品の端子部との接合界面で発生する剥離の問題を解決
でき、Sn-Zn系合金を用いてはんだ付けする電子部品の
実用化にとって欠くことのできない技術となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】接合界面のZn層の厚さに対するはんだ接合部の
超音波洗浄による欠落割合を示す図である。
【図2】接合界面のZn層の厚さに対するはんだ接合部の
接合強度を示す図である。
【図3】Sn-8Zn-3Biのはんだ接合部の熱処理前後の走査
電子顕微鏡像を示す図である。
【図4】本発明のはんだボールを製造する装置の一例を
示す断面模式図である。
【図5】本発明のはんだボールを製造する装置の均一液
滴発生部の一例を示す断面模式図である。
【図6】本発明のはんだボールの表面組織の走査電子顕
微鏡像を示す図である。
【符号の説明】
1 溶湯、2 オリフィス、3 るつぼ、4 振動子、
5 伝達部材、6 加振ロッド、7 チャンバー、8
連続した溶滴、9 独立した溶滴、10 ダミーボー
ル、11 高電圧プレート、12 均一液滴発生部、1
3 連続回収缶、14 冷却管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23K 35/26 310 H05K 3/34 505A H05K 3/34 505 507K 507 512C 512 C22C 13/00 // C22C 13/00 H01L 21/92 604H

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SnとZnを主とするはんだにより端子部を
    はんだ付けした後、80℃以上、該はんだの溶融温度以下
    の温度で熱処理を行い、はんだ接合部と電子部品の端子
    部との界面にZn層を析出させることを特徴とする電子部
    品の製造方法。
  2. 【請求項2】 個々のボールを凝固単位としてガス中で
    凝固されてなるはんだボールにより端子部をはんだ付け
    することを特徴とする請求項1に記載の電子部品の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記Zn層の平均厚さを0.1μm以上とする
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子部品の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記端子部はめっき層を具備し、該めっ
    き層はNiを主とすることを特徴とする請求項1乃至3の
    何れかに記載の電子部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 SnとZnを主とし表面に不連続なZn相を有
    することを特徴とするはんだボール。
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