JP2003223901A - 燃料電池用セパレータの製造方法、燃料電池セパレータおよび燃料電池 - Google Patents
燃料電池用セパレータの製造方法、燃料電池セパレータおよび燃料電池Info
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Abstract
れる燃料電池セパレータを簡易で且つ成形性、量産性に
優れ経済的な製造方法により提供する。更には、該製造
方法により得られる該セパレータを用いた高性能な燃料
電池を提供する。 【解決手段】 樹脂と導電性材料を主成分とする粉末状
原料を燃料電池セパレータ形状の型を用いて成形し燃料
電池セパレータを製造する方法において、該粉末状原料
を雌型全面に該原料の充填高さが式1で得られる理想充
填高さの0.5〜1.5倍の範囲に均一に充填させなが
ら、又は充填させた後に、成形することを特徴とする。
燃料電池セパレータが該燃料電池用セパレータの製造方
法で製造されたことを特徴とする。また、燃料電池が該
燃料電池セパレータを用いてなることを特徴とする。 h=w/(S×ρ) …式1 (式中、hは理想充填高さ、wはセパレータ重量、Sは
型開口部方向のセパレータ投影面積、ρは粉末状原料の
嵩比重である。)
Description
ータの製造方法と、該製造方法により得られる燃料電池
セパレータ、およびそれを用いた燃料電池に関する。更
に詳しくは、本発明は、導電性、ガス不透過性、機械的
強度に優れ、反りや割れ、厚みムラ等の発生がなく、寸
法精度にも優れ、成形品の内部状態も良好な燃料電池用
セパレータの簡易な製造方法であり、また信頼性の高い
燃料電池セパレータに関してであり、更には高性能な燃
料電池に関する。
気化学反応を利用して、電気および熱エネルギーを取り
出す装置を云い、その構造は一般的には、電解質を介し
てその両側に設けた2つの電極を水素ガスなどの燃料、
あるいは酸素ガスまたは空気などの酸化剤を供給するた
めの供給路を設けた2つの「セパレータ」で挟持された
単セルを基本構造とする。高出力を必要とする場合に
は、単セルを直列に複数積層した「スタック構造」とし
スタックの両端に設けた集電板で集電する。
種類により種々の型があり、中でも、電解質に固体高分
子電解質膜、燃料に水素ガス、酸化剤に空気を用いる固
体高分子型燃料電池や、燃料電池内部で直接メタノール
から水素を取り出し燃料とするメタノール直接型燃料電
池は、発電時の作動温度が200℃以下の比較的低温で
効率的発電が可能である。
には、燃料と酸化剤ガスを分離した状態で安定的に電極
に供給するためにガス不透過性、また発電効率を高める
べく導電性が、更に、燃料電池作動環境下での耐久性な
どの性能が必要とされる。中でも燃料電池の発電効率に
影響を及ぼす燃料電池セパレータは燃料電池の内部抵抗
を低減するために面接触する電極との接触面積をできる
だけ大きくすることが望ましく、従って燃料電池セパレ
ータには高度な面精度が必要とされる。
パレータとして、例えば、炭素質粉末に結合材を加え加
熱混練後成形し、焼成黒鉛化して得られた黒鉛材を切削
加工してセパレータ形状とする方法がある。しかしなが
らこの方法は、焼成黒鉛化工程で揮発物が発生するため
に多孔質となり、セパレータのガス不透過性に問題があ
った。このような焼成黒鉛材の問題を解決する方法とし
て、黒鉛材の細孔に熱硬化性樹脂を含浸して、硬化させ
てセパレータ基材を得る方法(特開平8−222241
号)が提案されているが、この方法は、黒鉛化工程、成
形工程、樹脂含浸硬化工程、更にセパレータ形状機械加
工工程を要し、工程が煩雑であり、量産性、経済性に問
題がある。
を成形硬化してセパレータを作製する方法(特公昭64
−340号)では、燃料電池の内部抵抗を低減して高性
能の燃料電池となる高度な導電性能を保持する燃料電池
セパレータを得るためには、高濃度の黒鉛粉末を含む混
練物を成形硬化することが必要となり、該混練物が殆ど
流動性を示さないため、所定形状の燃料電池セパレータ
を成形することが非常に困難であった。
は、これらの問題に鑑み、ガス不透過性、導電性、耐久
性と面精度に優れる燃料電池セパレータを、簡易で且つ
成形性、量産性に優れ経済的なセパレータの製造方法に
より提供するものあり、更には、ガス不透過性、導電
性、耐久性、面精度に優れる該セパレータを用いた高性
能な燃料電池を提供するものである。
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、樹脂と導電性材料
を主成分とする粉末状原料を燃料電池セパレータ形状の
型を用いて、特定の成形条件にて成形することにより、
上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成する
に至った。
分とする粉末状原料を燃料電池セパレータ形状の型を用
いて成形し燃料電池セパレータを製造する方法におい
て、該粉末状原料を雌型全面に該原料の充填高さが式1
で得られる理想充填高さの0.5〜1.5倍の範囲に均
一に充填させながら、又は充填させた後に、成形するこ
とを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法であ
る。 h=w/(S×ρ) …式1 (式中、hは理想充填高さ、wはセパレータ重量、Sは
型開口部方向のセパレータ投影面積、ρは粉末状原料の
嵩比重である。)
分とする粉末状原料を燃料電池セパレータ形状の型を用
いて成形し燃料電池セパレータを製造する方法におい
て、セパレータ用の雌型擦り切り面に密着させた粉末状
原料搬送装置をスライドさせながら該粉末状原料を雌型
内に擦り切り投入することにより、該粉末状原料を雌型
全面に該原料の充填高さが式1で得られる理想充填高さ
の0.5〜1.5倍の範囲に均一に充填させた後に、成
形することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方
法である。
分とする粉末状原料を燃料電池セパレータ形状の型を用
いて成形し燃料電池セパレータを製造する方法におい
て、雌型の上方に位置する粉末状原料搬送装置をスライ
ドさせながら該粉末状原料を雌型内に定量投入すること
により、該粉末状原料を雌型全面に該原料の充填高さが
式1で得られる理想充填高さの0.5〜1.5倍の範囲
に均一に充填させた後に、成形することを特徴とする燃
料電池用セパレータの製造方法である。
分とする粉末状原料を燃料電池セパレータ形状の型を用
いて成形し燃料電池セパレータを製造する方法におい
て、セパレータ用の雌型内に投入された粉末状原料を振
動板にて上方より押圧することにより、該粉末状原料を
雌型全面に該原料の充填高さが式1で得られる理想充填
高さの0.5〜1.5倍の範囲に均一に充填させた後
に、成形することを特徴とする燃料電池用セパレータの
製造方法である。
分とする粉末状原料を燃料電池セパレータ形状の型を用
いて成形し燃料電池セパレータを製造する方法におい
て、振動発生装置が具備されたセパレータ用の雌型内に
投入された粉末状原料を、該振動発生装置にて振動する
ことにより、該粉末状原料を雌型全面に該原料の充填高
さが式1で得られる理想充填高さの0.5〜1.5倍の
範囲に均一に充填させた後に、成形することを特徴とす
る燃料電池用セパレータの製造方法である。
分とする粉末状原料を燃料電池セパレータ形状の型を用
いて成形し燃料電池セパレータを製造する方法におい
て、振動発生装置が具備されたプレス機にて該粉末状原
料を硬化前に振動することにより、該粉末状原料を雌型
全面に該原料の充填高さが式1で得られる理想充填高さ
の0.5〜1.5倍の範囲に均一に充填させながら、又
は充填させた後に、成形することを特徴とする燃料電池
用セパレータの製造方法である。
の製造方法で製造されたことを特徴とする燃料電池セパ
レータである。
用いてなることを特徴とする燃料電池である。
な事項を具体的に以下に述べる。
とは、樹脂と導電性材料を主成分とする粉末状原料を燃
料電池セパレータ形状の型を用いて成形する燃料電池用
セパレータの製造方法である。
電性材料(即ち、導電性粉末および/又は導電性繊維)
を繋ぎ止める所謂バインダーとして作用する必要がある
だけでなく、燃料電池の運転温度および燃料電池に供給
する燃料、酸化剤および水などの生成物に対して安定で
あることが望まれる。本発明で使用する樹脂は、特に限
定はないが、耐熱性や耐酸性を有する熱硬化性樹脂が好
ましい。かかる熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノ
ール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタ
レート樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂等より選
ばれた1種類或いは2種類以上の混合物を挙げることが
できる。
記導電性材料と混合、分散しうるものであれば特に制限
はない。樹脂が液体である場合には、粘度はなるべく低
い方が導電性材料との混合、分散が容易であるため、好
ましい。樹脂が固体である場合には、樹脂が導電性材料
と均一に混合、分散できることが望ましいことから、使
用する固体の樹脂は粉末状であり、粒子径が1000μ
m以下であることが好ましい。
繊維は、特に限定されるものではないが、好ましくは、
炭素材料、金属、金属化合物などであり、これらの導電
性材料の1種または2種以上を組み合わせて使用でき
る。また、不導体材料と導電性材料の複合材料を使用し
てもよい。
鉛、天然黒鉛、ガラス状カーボン、カーボンブラック、
アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどの粒子
状、粉末状物が使用できる。粒子、粉末の形状に特に制
限はなく、繊維状、粒子状、箔状、鱗片状、針状、球
状、無定形の何れであってもよい。また、黒鉛を化学処
理して得られる膨張黒鉛も使用できる。導電性を考慮す
れば、人造黒鉛、天然黒鉛、膨張黒鉛がより少量で高度
の導電性が達成できる点で好ましい。繊維状の炭素材料
としては、ピッチ系、PAN系、レーヨン系の炭素繊維
の何れも使用することができる。導電性を考慮すれば2
000℃以上の高温で炭素化、黒鉛化工程を経て製造さ
れる炭素繊維が好ましい。炭素繊維の長さ及び形態に特
に制限はないが、樹脂との混練性を考慮すれば、繊維長
さが1インチ以下のフィラメント、チョップドストラン
ド、ミルドファイバーが好ましい。
は、例えば、アルミニウム、亜鉛、鉄、銅、ニッケル、
銀、金、ステンレス、パラジウム、チタンなどの粉末、
粒子状、繊維状、箔状、無定形などを挙げることができ
る。また、チタン、ジルコニウム、ハフニウムなどのホ
ウ化物も使用することができる。
料の複合材料としては、例えば、金属被覆ガラス繊維、
金属被覆ガラスビーズ、金属被覆無機フィラーなども使
用することができる。
脂/導電性材料=5/95〜50/50重量比の範囲が
好ましく、10/90〜30/70重量比の範囲がより
好ましい。導電性材料の比率がかかる範囲内にあるなら
ば、成形性に優れ、燃料電池用セパレータに要求される
優れた導電性を得ることが出来る。
性粉末および/又は導電性繊維を均一に混合、分散、粉
末化して粉末状原料とする。この混合、分散、粉末化工
程には、従来公知の混合、分散、粉末化方法、例えば、
ニーダー、ミキサー、ヘンシェルミキサー、造粒機など
を用いることができ、特に限定はしない。また、予め樹
脂と導電性粉末および/又は導電性繊維を均一に混合し
た後、従来公知の粉砕機を用いて粉末状原料としてもよ
い。尚、必要に応じて、篩い分けなどの分級操作を行う
ことも差し支えない。
特に制限はないが、5mm以下が好ましい。粒子径が5
mmを越えて大きい場合には、雌型に充填した粒子の分
布が不均一となりやすく、雌型全面に均一に充填するこ
とが困難となりやすく、燃料電池セパレータを成形した
際にボイドが発生しやすくなる。
雌型全面に該粉末状原料の充填高さが式1で得られる理
想充填高さ(h)の0.5〜1.5倍の範囲に均一に充
填させながら、又は充填させた後に、成形する。 h=w/(S×ρ) …式1 (式中、hは理想充填高さ、wはセパレータ重量、Sは
型開口部方向のセパレータ投影面積、ρは粉末状原料の
嵩比重である。)
粉末状原料の充填高さが前記理想充填高さの0.5〜
1.5倍の範囲に均一に充填する方法としては、例え
ば、雌型擦り切り面に密着させた粉末状原料投入装置
をスライドさせながら粉末状原料を雌型内に擦り切り投
入する方法、雌型上方に位置する粉末状原料搬送装置
全体をスライドさせながら粉末状原料を雌型内に定量投
入する方法、雌型内に投入された粉末状原料を振動板
にて上方より押圧する方法、振動発生装置が具備され
た雌型内に投入された粉末状原料を該振動発生装置にて
振動する方法、振動発生装置が具備されたプレス機に
て粉末状原料を硬化前に振動する方法などが好ましい。
た粉末状原料投入装置をスライドさせながら粉末状原料
を雌型内に擦り切り投入する方法とは、図1に示すよう
に、雌型2の底部から擦り切り面までの高さを前記式1
で求められる理想充填高さの好ましくは0.5〜1.5
倍の範囲とした上で、雌型擦り切り面に密着している上
下が開放された枠形体をした給粉ボックス3に粉末状原
料1を入れて、雌型擦り切り面上を好ましい速度で、通
常、一定速度でスライドさせることにより、給粉ボック
ス3から雌型2の中へ該粉末状原料1を落下供給させ
て、該雌型2内全面に該粉末状原料1の充填高さを前記
理想充填高さと一致させる方法である。
ドさせながら粉末状原料を雌型上方より投入する方法と
は、例えば、図2aに示すように、ホッパー等で定量的
に落下された粉末状原料1をベルトコンベア4上で定量
的に終端へ供給し、該供給装置自体が燃料電池セパレー
タ形状型雌型2上を一定速度でスライドすることによ
り、該雌型2内へ該粉末状原料1を落下供給させて、該
粉末状原料1の充填高さを前記式1で求められる理想充
填高さの好ましくは0.5〜1.5倍の範囲に均一に充
填する方法;または図2bに示すように、ホッパー等で
落下された粉末状原料1をスクリュー5で定量的に前方
へ供給し、該供給装置自体が燃料電池セパレータ形状型
の雌型2上を好ましい速度で、通常、一定速度でスライ
ドすることにより、該雌型2内へ該粉末状原料1を落下
供給させて、該雌型2内全面に該粉末状原料1の充填高
さを前記理想充填高さの好ましくは0.5〜1.5倍の
範囲に均一に充填する方法;あるいは図2cに示すよう
に、ホッパー等で落下された粉末状原料1を振動発生装
置7が具備されたフィーダー6で定量的に終端へ供給
し、該供給装置自体が燃料電池セパレータ形状型の雌型
2上を好ましい速度で、通常、一定速度でスライドする
ことにより、該雌型2内へ該粉末状原料1を落下供給さ
せて、該雌型2内全面に該粉末状原料1の充填高さを前
記理想充填高さの好ましくは0.5〜1.5倍の範囲に
均一に充填する方法、などである。
は、粉末状原料1を搬送可能な装置であれば特に限定は
ないが、好ましくは、上述の例の如くベルトコンベヤ
ー、押出スクリュー、振動フィーダーなどから選ばれる
少なくとも1つであり、2つ以上の粉末状原料搬送装置
を選択する場合は同種あるいは異種の搬送装置を組み合
わせて使用してもよい。
原料1に振動板8を押圧することにより粉末状原料1を
流動化する方法とは、例えば、図3に示すように、燃料
電池セパレータ形状型の雌型2に粉末状原料1を投入し
た後、該粉末状原料1の上面より振動板8を下降させ、
該粉末状原料1の充填面を平坦に押圧して、該雌型2内
全面に該粉末状原料1の充填高さを前記理想充填高さの
好ましくは0.5〜1.5倍の範囲に均一に充填する方
法、などである。
た雌型2に粉末状原料1を投入し、該振動発生装置7に
より起振される振動により粉末状原料1を流動化する方
法とは、例えば、図4に示すように、振動発生装置7を
具備した燃料電池セパレータ形状型の雌型2に粉末状原
料1を投入する際、又は投入した後に、該振動発生装置
7により起振される振動により該粉末状原料1の充填面
をならして、該雌型2内全面に該粉末状原料1の充填高
さを前記理想充填高さの好ましくは0.5〜1.5倍の
範囲に均一に充填する方法である。
たプレス機にて粉末状原料1を硬化前に振動する方法と
は、例えば、図5に示すように、振動発生装置7が具備
されたプレス機に設置された燃料電池セパレータ形状型
の雌型2に粉末状原料1を投入し、型締めする前、また
は型締めする際に該振動発生装置7より起振される振動
により、該雌型2内全面に該粉末状原料1の充填高さを
前記理想充填高さの好ましくは0.5〜1.5倍の範囲
に均一に充填する方法である。
パレータ形状型雌型2の全面にその充填高さが理想充填
高さの好ましくは0.5〜1.5倍の範囲に均一に充填
させながら、または充填させた後、型締めを行い、該粉
末状原料1に含まれる樹脂が加熱され、熱硬化すること
により燃料電池セパレータが製造される。
ばゲージ圧力で5MPa〜200MPaといった条件を
用いることができる。
は特に制限はなく、使用する熱硬化性樹脂の硬化特性に
より適宜選択可能である。
発明の燃料電池用セパレータの製造方法にて得られる。
池用セパレータを使用した燃料電池である。
電時の作動温度が200℃以下の燃料電池に使用するこ
とが好ましい。具体的には、ヒドラジン型、直接メタノ
ール型、アルカリ型、固体高分子型、リン酸型等種々の
形式の燃料電池セパレータとして使用することができ
る。本発明の燃料電池は、発電時の作動温度が200℃
以下である。
両側に設けた2つの電極を水素ガスなどの燃料あるいは
酸素ガスあるいは空気などの酸化剤を供給するための供
給路を設けた2つのセパレータで挟持された単セルを基
本構造とする。高出力を要する場合には、単セルを直列
に複数積層したスタック構造とし、スタックの両端に設
けた集電板で集電する。本発明におけるセパレータは上
記構造の燃料電池用セパレータとして使用できる。
カリ型の場合には水酸化カリウム等が用いられ、直接メ
タノール型や固体高分子型の場合にはイオン交換膜等が
用いられ、リン酸型の場合にはリン酸等が用いられる。
また、電極としては、白金、パラジウム、銀、ニッケル
等が用いられ、必要に応じて、カーボンブラックやカー
ボン繊維の表面にこれらを担持して使用する。燃料とし
ては、ヒドラジン、メタノール、水素ガスなどが使用で
きる。水素ガスは水の分解物や天然ガス、石油、石炭、
メタノールなどの炭化水素を改質して得ることができ
る。電解質としてイオン交換膜を使用する場合には、燃
料を加湿することが好ましい。即ち、水素と水の混合気
体である。酸化剤としては、過酸化水素水、空気、酸素
などが使用でき、この内、取り扱いが容易であることか
ら、空気を用いることが好ましい。燃料と同様に、電解
質としてイオン交換膜を使用する場合には、加湿した空
気を用いることが好ましい。本発明のセパレータは上記
の型の燃料電池セパレータとして使用できる。中でも、
固体高分子型燃料電池に好適である。
体高分子型燃料電池の構造の一例を図6に、また固体高
分子型燃料電池セルの構造の一例を図7に示す。燃料電
池の基本構成単位であるセル10は固体高分子電解質膜
11、燃料極12、酸化剤極13からなる電解質膜電極
接合体14の両面をセパレータ9で挟んだ構造を持つ。
セパレータの表面に形成された流路15は燃料や酸化剤
を電極に安定的に供給するのに好適である。また、酸化
剤極13側に設置したセパレータの酸化剤極13の反対
面に熱媒として水を導入することにより燃料電池から熱
を取り出すことができる。このように構成されたセル1
0を複数直列に積層したセルスタック(燃料電池スタッ
ク)の一例を図8に示す。
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。尚、以下において、部および%は、特に断りのない
限り、全て重量基準であるものとする。
べる。 [充填高さの評価方法]雌型内に充填された粉末状原料
の高さをそれぞれ異なる5カ所の測定点でノギスで測定
し、その平均値を式1で得られた理想充填高さで割って
算出した。
り、割れ、厚みムラ、内部状態の目視観察を行った。
平面板成形品から幅1cm、厚み2mm、長さ15cm
の試験片を切り出し、JIS K―7194に従い体積
抵抗率を測定した。
は、JIS K−6911に従い測定した。
インキ化学工業(株)製、フェノール樹脂としてベスモー
ルMZ樹脂、硬化触媒としてパラトルエンスルホン酸3
0%フェノール溶液)および導電性材料(人造黒鉛)を
表1に示す組成比となるようにミキサーで混合・造粒し
た後、セパレータ形状金型および平面板金型に表1に示
す充填方法にて粉末状原料を充填し、金型温度150
℃、成形圧力10MPa、金型保持時間30分の条件で
成形し、得られた成形品の外観、体積抵抗率、曲げ強さ
の評価を行った。その評価結果を表2に示す。尚、表1
中のPTSなる略称は、パラトルエンスルホン酸を意味
する。
よび導電性材料を同様の方法にて混合・造粒した後、セ
パレータ形状金型および平面板金型の中央部分に粉末状
原料を山盛り充填し、同様の条件で成形し、同様の評価
を行った。その評価結果を表2に示す。尚、充填高さは
雌型内でかなり不均一となったため、測定不可とした。
法により、導電性、ガス不透過性、機械的強度に優れ、
反り、割れ、膨れ等の発生がなく、寸法精度に優れ、セ
パレータ成形品の内部状態も良好な燃料電池セパレータ
を簡易な工程で経済的、且つ、安定的に生産することが
できる。また、本発明の燃料電池セパレータは導電性、
ガス不透過性、機械的強度に優れ、反り、割れ、厚みム
ラの発生がなく、寸法精度に優れており、セパレータ成
形品の内部状態も良好なものである。更に、本発明にて
得られる燃料電池は、高性能な燃料電池である。
り切り面に密着させた粉末状原料投入装置をスライドさ
せながら粉末状原料を雌型内に擦り切り投入する方法図
である。
施形態に係る、各粉末状原料運搬装置全体をスライドさ
せながら粉末状原料を型上方より投入する方法図であ
る。
入された粉末状原料に振動板を押圧することにより粉末
状原料を流動化する方法図である。
生装置が具備された雌型に粉末状原料を投入し、該振動
発生装置により起振される振動により粉体原料を流動化
する方法図である。
生装置が具備されたプレス機にて粉末状原料を硬化前に
振動する方法図である。
池用セパレータを示す斜視図である。
池セル構造を示す斜視図である。
池スタック構造を示す斜視図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 樹脂と導電性材料を主成分とする粉末状
原料を燃料電池セパレータ形状の型を用いて成形し燃料
電池セパレータを製造する方法において、該粉末状原料
を雌型全面に該原料の充填高さが式1で得られる理想充
填高さの0.5〜1.5倍の範囲に均一に充填させなが
ら、又は充填させた後に、成形することを特徴とする燃
料電池用セパレータの製造方法。 h=w/(S×ρ) …式1 (式中、hは理想充填高さ、wはセパレータ重量、Sは
型開口部方向のセパレータ投影面積、ρは粉末状原料の
嵩比重である。) - 【請求項2】 樹脂と導電性材料を主成分とする粉末状
原料を燃料電池セパレータ形状の型を用いて成形し燃料
電池セパレータを製造する方法において、セパレータ用
の雌型擦り切り面に密着させた粉末状原料搬送装置をス
ライドさせながら該粉末状原料を雌型内に擦り切り投入
することにより、該粉末状原料を雌型全面に該原料の充
填高さが請求項1記載の式1で得られる理想充填高さの
0.5〜1.5倍の範囲に均一に充填させた後に、成形
することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方
法。 - 【請求項3】 樹脂と導電性材料を主成分とする粉末状
原料を燃料電池セパレータ形状の型を用いて成形し燃料
電池セパレータを製造する方法において、雌型の上方に
位置する粉末状原料搬送装置をスライドさせながら該粉
末状原料を雌型内に定量投入することにより、該粉末状
原料を雌型全面に該原料の充填高さが請求項1記載の式
1で得られる理想充填高さの0.5〜1.5倍の範囲に
均一に充填させた後に、成形することを特徴とする燃料
電池用セパレータの製造方法。 - 【請求項4】 粉末状原料搬送装置が、ベルトコンベヤ
ー、押出スクリュー、振動フィーダーから選ばれる少な
くとも1つである請求項3記載の燃料電池用セパレータ
の製造方法。 - 【請求項5】 樹脂と導電性材料を主成分とする粉末状
原料を燃料電池セパレータ形状の型を用いて成形し燃料
電池セパレータを製造する方法において、セパレータ用
の雌型内に投入された粉末状原料を振動板にて上方より
押圧することにより、該粉末状原料を雌型全面に該原料
の充填高さが請求項1記載の式1で得られる理想充填高
さの0.5〜1.5倍の範囲に均一に充填させた後に、
成形することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造
方法。 - 【請求項6】 樹脂と導電性材料を主成分とする粉末状
原料を燃料電池セパレータ形状の型を用いて成形し燃料
電池セパレータを製造する方法において、振動発生装置
が具備されたセパレータ用の雌型内に投入された粉末状
原料を、該振動発生装置にて振動することにより、該粉
末状原料を雌型全面に該原料の充填高さが請求項1記載
の式1で得られる理想充填高さの0.5〜1.5倍の範
囲に均一に充填させた後に、成形することを特徴とする
燃料電池用セパレータの製造方法。 - 【請求項7】 樹脂と導電性材料を主成分とする粉末状
原料を燃料電池セパレータ形状の型を用いて成形し燃料
電池セパレータを製造する方法において、振動発生装置
が具備されたプレス機にて該粉末状原料を硬化前に振動
することにより、該粉末状原料を雌型全面に該原料の充
填高さが請求項1記載の式1で得られる理想充填高さの
0.5〜1.5倍の範囲に均一に充填させながら、又は
充填させた後に、成形することを特徴とする燃料電池用
セパレータの製造方法。 - 【請求項8】 請求項1〜7の何れかの方法で製造され
たことを特徴とする燃料電池セパレータ。 - 【請求項9】 請求項8記載の燃料電池セパレータを用
いてなることを特徴とする燃料電池。 - 【請求項10】 発電時の作動温度が200℃以下であ
る請求項9記載の燃料電池。
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