JP2003222971A - 多色画像表示方法及び多色画像表示装置 - Google Patents

多色画像表示方法及び多色画像表示装置

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JP2003222971A
JP2003222971A JP2001401611A JP2001401611A JP2003222971A JP 2003222971 A JP2003222971 A JP 2003222971A JP 2001401611 A JP2001401611 A JP 2001401611A JP 2001401611 A JP2001401611 A JP 2001401611A JP 2003222971 A JP2003222971 A JP 2003222971A
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color
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JP2001401611A
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Hiroyuki Takahashi
裕幸 高橋
Shigenobu Hirano
成伸 平野
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光による画像の書き込み・消去の繰り返し耐
久性に優れ、かつ、画像の発色の良い、多色画像表示方
法及び多色画像表示装置を提供する。 【解決手段】 極大吸収波長が異なる2種類以上のフォ
トクロミック化合物の内、少なくとも1種類がスピロオ
キサジン化合物またはジアリールエテン化合物である感
光層を形成した画像表示媒体(1)に対して、少なくと
も、紫外光光源(4)照射によって感光層に含有される
全種類のフォトクロミック化合物を発色させる工程と、
発色した各フォトクロミック化合物の極大吸収波長に対
応した波長域の可視光を、LEDアレイ1(5)、LE
Dアレイ2(6)、LEDアレイ3(7)によりそれぞ
れ照射することで各フォトクロミック化合物を選択的に
消色する工程とを施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多色画像表示方法
及び多色画像表示装置に関し、詳しくは、光照射による
画像表示媒体へのカラー画像の書き込み及び消去の繰り
返しが可能な多色画像表示方法及び多色画像表示装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】光照射により可逆的な色変化を示すフォ
トクロミック化合物を用いた書き換え型の画像表示媒体
に関する提案は以前からなされてはいるが、フルカラー
画像を何度も書き換えできる実用的な多色画像表示方法
及び多色画像書き込み装置に関する提案は見あたらな
い。フォトクロミック化合物を用いてカラー画像を形成
する多色画像表示方法としては、例えば特開平5−27
1649号公報では、254nmの紫外光照射で黄橙
色、313nmの紫外光照射で赤色、365nmの紫外
光照射で青紫色に発色するフォトクロミック性ジアリー
ルエテン化合物を3種類混合して、それぞれの波長の紫
外光を照射する方法が提案されている。フルカラー画像
を形成するためには3原色(青、緑、赤、または、イエ
ロー、マゼンタ、シアン)を発色する3種類以上のフォ
トクロミック化合物の消・発色を光で制御しなければな
らないが、上記の方法では3種類の紫外光波長域により
各材料の発色の有無が選択できることが必要である。つ
まり、紫外域での波長吸収帯に重なりがない3種類以上
のフォトクロミック化合物が必要であり、さらにそれら
の化合物が発色状態において上記3原色を示さなければ
ならないが、そのような化合物は実際には見あたらな
い。また、実用化には発色特性だけではなく、繰り返し
耐久性、熱・湿安定性等も考慮しなければならず、これ
らの全てを満たす材料を開発するのは大変困難である。
【0003】また、特開平7−199401号公報で
は、発色状態でイエロー、マゼンタ、シアンを示す3種
類のフォトクロミック性フルギド化合物に対して、36
6nmの紫外光で全フォトクロミック化合物を発色させ
た後に、カラーポジフィルム越しに白色光を照射して選
択的に消色する方法が提案されている。この方法では、
紫外光源が1種類だけで対応できるという利点があるも
のの、示されている化合物では繰り返し耐久回数が最大
30回程度と実用的ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の従来
技術の状況及び問題を鑑みてなされたものであり、光に
よる画像の書き込み・消去の繰り返し耐久性に優れた、
書き換え型の多色画像表示方法及び多色画像表示装置を
提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の本発明は、発色状態における極大
吸収波長が異なる2種類以上のフォトクロミック化合物
を含み、その内の少なくとも1種類がスピロオキサジン
化合物である感光層を支持基板上に形成してなる画像表
示媒体に対して、少なくとも、紫外光照射によって感光
層に含有される全種類のフォトクロミック化合物を発色
させる工程と、発色した各フォトクロミック化合物の極
大吸収波長に対応した波長域の可視光をそれぞれ照射す
ることにより各フォトクロミック化合物を選択的に消色
する工程と、を施すことを特徴とする、多色画像表示方
法とする。請求項2に記載の本発明は、発色状態におけ
る極大吸収波長が異なる2種類以上のフォトクロミック
化合物を含み、その内の少なくとも1種類がジアリール
エテン化合物である感光層を支持基板上に形成してなる
画像表示媒体に対して、少なくとも、紫外光照射によっ
て感光層に含有される全種類のフォトクロミック化合物
を発色させる工程と、発色した各フォトクロミック化合
物の極大吸収波長に対応した波長域の可視光をそれぞれ
所望の領域に照射することにより各フォトクロミック化
合物を選択的に消色する工程と、を施すことを特徴とす
る、多色画像表示方法とする。
【0006】請求項3に記載の本発明は、感光層が、発
色状態における極大吸収波長が、400〜500nmの
範囲にあるフォトクロミック化合物と、500〜600
nmの範囲にあるフォトクロミック化合物と、600〜
700nmの範囲にあるフォトクロミック化合物とを、
すべて含有することを特徴とする、請求項1または2に
記載の多色画像表示方法とする。請求項4に記載の本発
明は、感光層の表面に保護層を形成することを特徴とす
る、請求項1ないし3のいずれかに記載の多色画像表示
方法とする。請求項5に記載の本発明は、紫外光照射
が、画像表示媒体の表示面全面に対して行なわれること
を特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の多
色画像表示方法とする。
【0007】請求項6に記載の本発明は、紫外光の照射
強度を制御することを特徴とする、請求項1ないし5の
いずれかに記載の多色画像表示方法とする。請求項7に
記載の本発明は、紫外光の照射時間を制御することを特
徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の多色画
像表示方法とする。請求項8に記載の本発明は、可視光
の照射強度を制御することを特徴とする、請求項1ない
し5のいずれかに記載の多色画像表示方法とする。請求
項9に記載の本発明は、可視光の照射時間を制御するこ
とを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の
多色画像表示方法とする。
【0008】請求項10に記載の本発明は、白色光を画
像表示部全面に照射する工程を含むことを特徴とする、
請求項1ないし9のいずれかに記載の多色画像表示方法
とする。請求項11に記載の本発明は、各波長の可視光
光源が、白色光源と光学フィルターから構成されること
を特徴とする、請求項1ないし10のいずれかに記載の
多色画像表示方法とする。請求項12に記載の本発明
は、各波長の可視光光源が、それぞれが特定の発光波長
域をもつ発光素子から構成されることを特徴とする請求
項1ないし10のいずれかに記載の多色画像表示方法と
する。
【0009】請求項13に記載の本発明は、ライン状の
紫外光光源及び可視光光源を備え、画像表示媒体と光源
とを相対的に移動させながら、請求項1ないし12のい
ずれかの方法を用いて画像を形成することを特徴とする
多色画像表示装置とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下より、本発明の実施の形態に
ついて説明する。本発明の特徴の一つは、発色状態にお
ける極大吸収波長が異なる、つまり発色状態において認
識される色が異なる、2種類以上のフォトクロミック化
合物を含み、その内の少なくとも1種類がスピロオキサ
ジン化合物またはジアリールエテン化合物である感光層
を支持基板上に形成した画像表示媒体に対して、少なく
とも、紫外光照射によって感光層に含有される全種類の
フォトクロミック化合物を発色させる工程、及び発色し
た各々のフォトクロミック化合物の極大吸収波長に対応
した波長域の可視光をそれぞれ所望の領域に照射するこ
とにより各フォトクロミック化合物を選択的に消色する
工程を施すことである。
【0011】フォトクロミック化合物については、消色
状態における吸収帯(紫外域)は重なりが大きい方が都
合がよい。その場合、紫外光光源の発光波長域がかなり
狭くても、その波長が前記吸収帯の重なり部にあれば、
感光層に含有される全種類のフォトクロミック化合物を
発色させることができる。また、消色状態における吸収
帯(紫外域)の重なりが小さいかまたは重なりがない場
合でも、紫外光光源が使用する全てのフォトクロミック
化合物の発色反応を誘起するに充分な分光特性を有して
いればよい。発色状態における極大吸収波長が異なると
いうことは、つまり認識される「色」が異なるというこ
とであるが、この極大吸収波長は、表示に用いたい
「色」に対応して設定されればよく、また上記フォトク
ロミック化合物の種類も、表示に用いたい「色」の数に
対応して設定されればよい。
【0012】フォトクロミック化合物として、スピロオ
キサジン系のフォトクロミック化合物を用いることによ
り、発色が鮮やかで、かつまた発色・消色の繰り返し耐
久性にも優れた多色画像表示方法が得られる。また、ジ
アリールエテン化合物は熱安定性に優れるため、フォト
クロミック化合物としてジアリールエテン化合物を用い
ることにより、書き込んだ画像情報の保持時間が長く、
保存安定性に優れた多色画像表示方法が得られる。これ
らの化合物を用いることにより、光の照射のみで多色画
像表示が可能となり、熱を用いる方式に比べて使用エネ
ルギーが小さくなる。また電界を用いる方式に比べて高
解像度の画像形成が可能となる。これらの化合物以外に
もフォトクロミック化合物として用いることができる
が、その場合、発色・消色の繰り返し耐久性が良好な結
果を得られるような材料を用いることが好ましい。ま
た、用いるフォトクロミック化合物はすべて同程度の発
色エネルギー及び消色エネルギーを有することが好まし
い。
【0013】感光層を構成する材料としては、フォトク
ロミック化合物のほかにバインダー材料があるが、フォ
トクロミック化合物のフォトクロミズム機能に悪影響を
与えることがなく、またフォトクロミック化合物と相溶
性が良く、成膜可能であり、硬化後の透明性に優れる樹
脂材料を用いることが好ましい。このような材料とし
て、例えば、ポリスチレン、ポリエステル、ポリメタク
リル酸メチル、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニ
ル、フェノキシ樹脂等が挙げられる。支持基板の材料と
しては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサ
ルフォン、ポリカーボネート等のような透明材料、及び
紙等の不透明材料が挙げられる。感光層を形成する方法
としては、塗布法のほかに蒸着法も挙げられるが、塗布
法が簡便である。フォトクロミック化合物とバインダー
材料をともに溶媒に溶かして、印刷法、スピンコート法
等により塗布し、乾燥して成膜すればよい。感光層は単
一層または複数層のどちらでもよいが、複数層を形成す
る場合は、隣り合う層どうしが混合しないように層間に
分離層を形成することが好ましい。分離層は、感光層中
のバインダー材料及びフォトクロミック化合物を溶解し
ない溶媒を用いた成膜用溶液を塗布することによって形
成できる。
【0014】紫外光を照射する光源としては、水銀ラン
プやキセノンランプ等に光学フィルターを組み合わせて
所望の波長域の紫外光を取り出して用いてもよいし、L
EDやLD等の特定波長域の光を発する発光素子を用い
てもよい。例えば書き込み・消去のための光源系をなる
べくコンパクトに構成した多色画像表示装置を作製する
ような場合には、LED等の発光素子が好ましく、さら
に、微小な領域ごとに照射のオン/オフが制御できる発
光面を連続して並べて形成した光源アレイを構成しても
よい。可視光を照射する光源としては、白色光光源に光
学フィルターを組み合わせた構成のランプ類を用いても
よいし、LEDやLD等の特定波長域の光を発する発光
素子を用いてもよい。例えば書き込み・消去のための光
源系をなるべくコンパクトに構成した多色画像表示装置
を作製するような場合には、LED等の発光素子が好ま
しく、さらに、微小な領域ごとに照射のオン/オフが制
御できる発光面を連続して並べて形成した光源アレイを
構成してもよい。特に所望の領域にのみ照射するような
場合は、前述の光源アレイと、感光層を支持基板上に形
成した画像表示媒体とを相対的に移動させながら光源ア
レイの各発光面の照射のオン/オフを制御することによ
ってもそれが可能となる。
【0015】本発明の多色画像表示方法としては、まず
画像表示媒体の表示面に紫外光を照射すると、照射され
た部分の感光層に含まれる全種類のフォトクロミック化
合物が発色する。ついで、各フォトクロミック化合物の
発色状態での可視域吸収帯に対応した波長域(極大吸収
波長付近の波長域)の光を照射することにより、対応す
る特定のフォトクロミック化合物が消色する。この方法
を用いて、画像表示媒体の表示面上の所望の領域に、い
くつかの所望のフォトクロミック化合物の発色状態を生
じさせることにより、所望の画像を形成することが可能
となる。感光層に含まれる全種類のフォトクロミック化
合物が発色した後、同一の領域に複数の波長の可視光を
照射する場合には、同時に照射してもよいし、順次別々
に照射してもよい。また順次別々に照射する場合、照射
する波長の順番はどのようでもよい。
【0016】本発明のもう一つの特徴は、感光層が、発
色状態における極大吸収波長が400〜500nmの範
囲にあるフォトクロミック化合物と、発色状態における
極大吸収波長が500〜600nmの範囲にあるフォト
クロミック化合物と、発色状態における極大吸収波長が
600〜700nmの範囲にあるフォトクロミック化合
物をすべて含有するものであることである。前記各フォ
トクロミック化合物の発色状態において認識される
「色」はそれぞれ、ほぼイエロー、マゼンタ、シアンに
相当し、これらにより3原色が構成されるため、前述の
画像表示方法により多色表示が可能となる。これらのフ
ォトクロミック化合物は、それぞれの可視域における吸
収帯の重なりが無いことが好ましく、重なりが大きい場
合には特定のフォトクロミック化合物を消色しようとし
た際に他のフォトクロミック化合物もある程度消色して
しまうため、所望の色が得られにくくなってしまう。
【0017】発色状態における極大吸収波長が400〜
500nmの範囲にあるフォトクロミック性を有するス
ピロオキサジン化合物としては、例えば次のようなもの
が挙げられる。
【化1】
【0018】
【化2】
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】発色状態における極大吸収波長が500〜
600nmの範囲にあるフォトクロミック性を有するス
ピロオキサジン化合物としては、例えば次のようなもの
が挙げられる。
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】発色状態における極大吸収波長が600〜
700nmの範囲にあるフォトクロミック性を有するス
ピロオキサジン化合物としては、例えば次のようなもの
が挙げられる。
【化9】
【0026】
【化10】
【0027】
【化11】
【0028】
【化12】
【0029】発色状態における極大吸収波長が400〜
500nmの範囲にあるフォトクロミック性を有するジ
アリールエテン化合物としては、例えば1,2−ビス
(2−フェニル−4−トリフルオロメチルチアゾール)
−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペン
テン、2,3−ジ(2−メチルベンゾチエニル)マレイ
ン酸ジメチル、1,2−ビス(5−エトキシ−2−メチ
ルチアゾ−ル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフル
オロシクロペンテン、等が挙げられる。
【0030】発色状態における極大吸収波長が500〜
600nmの範囲にあるフォトクロミック性を有するジ
アリールエテン化合物としては、例えば1−(3−(2
−メチル−6−(2−(4−メトキシフェニル)エチニ
ル)ベンゾチエニル))−2−(3−(2,4−ジメチ
ル−5−(2−(4−メトキシフェニル)エチニル)チ
エニル))−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ
シクロペンテン、1,2−ビス(5−メチル−2−フェ
ニルチアゾ−ル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフ
ルオロシクロペンテン、1−(1,2−ジメチル−3−
インドリル)−2−(2−メチル−3−ベンゾチエニ
ル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロ
ペンテン、等が挙げられる。
【0031】発色状態における極大吸収波長が600〜
700nmの範囲にあるフォトクロミック性を有するジ
アリールエテン化合物としては、例えば1−(5−メト
キシ−1,2−ジメチル−3−インドリル)−2−(5
−シアノ−2,4−ジメチル−3−チエニル)−3,
3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−(5−メトキシ−1,2−ジメチル−3−インドリ
ル)−2−(6−カルボキシル−2−メチル−3−ベン
ゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオ
ロシクロペンテン、1−(6−シアノ−2−メチル−3
−ベンゾチエニル)−2−(5−メトキシ−1,2−ジ
メチル−3−インドリル)−3,3,4,4,5,5−
ヘキサフルオロシクロペンテン、等が挙げられる。
【0032】発色状態における極大吸収波長が大きく異
なり、ほぼイエロー、マゼンタ、シアンに認識されるこ
れらのフォトクロミック化合物は、所定の混合比で均一
に混合されてバインダー材料とともに単一層の感光層を
形成してもよいし、またそれぞれのフォトクロミック化
合物とバインダー材料とからなる感光層を積層して複数
層の感光層を形成してもよい。
【0033】本発明のもう一つの特徴は、感光層の表面
に保護層を形成したことである。保護層の材料として
は、透明性が高く、硬度が高い点で、シリコーン樹脂ま
たはアクリル樹脂、及びPVA等が好適に用いられる。
保護層を形成することにより、感光層は水分や特定のガ
ス等による、感光層を構成する化合物の、必要な機能の
発現に関わる反応に対する悪影響を低減することが可能
となり、また機械的損傷からも有効に保護されて耐久性
が向上する。
【0034】本発明のもう一つの特徴は、紫外光照射が
画像表示媒体の表示面全面に対して行なわれることであ
る。画像表示媒体に紫外光照射を行なう場合、表示しよ
うとする画像における白紙部(感光層が無色になるべき
部分)には紫外光照射による発色及び可視光照射による
消色を施さない方法もあるが、このような照射を行なう
場合には、例えば画素に対応した微小な領域ごとに照射
のオン/オフを制御できる発光部を連続して並べて形成
した光源アレイ等が必要になり、また、その前の画像表
示媒体全面に、感光層に含まれる全種類のフォトクロミ
ック化合物を消色させるために可視光を照射する工程が
必要になる。ここで、本発明のように、紫外光照射を画
像表示媒体の表示面全面に対して行なう場合、紫外光を
照射する光源としては、例えば上記の光源アレイ等の高
価な光源である必要はなく、例えば安価なランプ光源を
用いることができる。このようにランプ光源を用いるほ
うがコスト的に有利であるし、照射強度の確保も容易で
ある。また、感光層に含まれる全種類のフォトクロミッ
ク化合物を消色させるために、画像表示媒体全面に可視
光を照射する工程も不要になる。
【0035】本発明のもう一つの特徴は、紫外光の照射
強度を制御することである。紫外光の照射量により感光
層に含有されるフォトクロミック化合物の発色の程度は
変化するため、紫外光の照射強度により積極的に発色の
程度を調整することが可能である。したがって、画像全
体の濃度を調整したい場合や、あるいは表示すべき画像
において必要とされる最大の発色濃度が、予め画像信号
の読みとり等からわかっていれば、必要な画像濃度に必
要充分な発色を生じさせるだけの照射量で紫外光を照射
することにより、可視光照射による消色の程度を最小限
にすることができるので、消費エネルギーの低減が可能
となり、また材料の発色・消色の繰り返し耐久性の点に
おいても有利になる。紫外光の照射強度を制御する方法
としては、紫外光光源自体の発光強度を制御するための
制御機構を設けるか、あるいは光源の外部にて光源から
照射された紫外光の強度を調整する方法等により、照射
量を調整することができる。照射強度により照射量を調
整することにより、照射時間に関する条件は任意に設定
できるため、例えば光源と画像表示媒体とを相対的に移
動させながら画像を形成する構成の多色画像表示方法で
は、前記移動速度の制御が最も簡単になるように設定で
きる(例えば一定速度、2つの速度の単純繰り返し
等)。これらにより、光源と画像表示媒体との相対的移
動に関するメカニカルな機構構成及び制御が容易にな
る。
【0036】本発明のもう一つの特徴は、紫外光の照射
時間を制御することである。紫外光の照射量により感光
層に含有されるフォトクロミック化合物の発色の程度は
変化するため、紫外光の照射時間により積極的に発色の
程度を調整することが可能である。したがって、画像全
体の濃度を調整したい場合や、あるいは表示すべき画像
において必要とされる最大の発色濃度が、予め画像信号
の読みとり等からわかっていれば、必要な画像濃度に必
要充分な発色を生じさせるだけの照射量で紫外光を照射
することにより、可視光照射による消色の程度を最小限
にすることができるので、消費エネルギーの低減が可能
となり、また材料の発色・消色の繰り返し耐久性の点に
おいても有利になる。例えば光源と画像表示媒体とを相
対的に移動させながら画像を形成する多色画像表示方法
では、前記移動速度を調整することにより照射時間を制
御し、結果として照射量を調整することになる。例えば
画像濃度を小さめに調整したい場合、前期相対的な移動
速度を大きくすることで照射時間を短くすると、紫外光
照射による発色濃度が小さくなるが、同様に可視光によ
る消色の程度も小さくなり、発色と消色のバランスを保
ちつつ全体の画像濃度の調整が可能となる。照射時間に
より照射量を調整することにより、照射強度は一定にす
ればよいため、紫外光光源自体の発光強度を制御するた
めの制御機構、あるいは光源の外部にて光源から照射さ
れた紫外光の強度を調整する部材等を設ける必要がな
く、構成が容易になる。
【0037】本発明のもう一つの特徴は、可視光の照射
強度を制御することである。前述したように、画像表示
媒体の表示面に紫外光を照射すると、照射された部分の
感光層に含まれる全種類のフォトクロミック化合物が発
色する。ついで、各フォトクロミック化合物の発色状態
での可視域吸収帯に対応した波長域(極大吸収波長付近
の波長域)の光を照射することにより、対応する特定の
フォトクロミック化合物を消色させて、画像表示媒体の
表示面上の所望の領域に、用いたフォトクロミック化合
物の発色の有無の組み合わせによる複数の色が得られ
る。ここで、可視光の照射強度を制御することで、感光
層に含有されるフォトクロミック化合物の消色の程度が
変化する。可視光の照射強度を制御し、対応する各フォ
トクロミック化合物の発色濃度を調整することで、各色
の階調表示が可能となり、各色の組み合わせにより多色
表示が可能となる。可視光の照射強度により照射量を調
整することにより、照射時間に関する条件は任意に設定
できるため、例えば光源と画像表示媒体とを相対的に移
動させながら画像を形成する構成の多色画像表示方法で
は、前記移動速度の制御が最も簡単になるように設定で
きる(例えば一定速度、2つの速度の単純繰り返し
等)。これらにより、光源と画像表示媒体との相対的移
動に関するメカニカルな機構構成及び制御が容易にな
る。
【0038】本発明のもう一つの特徴は、可視光の照射
時間を制御することである。前述したように、可視光の
照射時間を制御し、対応する各フォトクロミック化合物
の発色濃度を調整することで、各色の階調表示が可能と
なり、各色の組み合わせにより多色表示が可能となる。
例えば光源と画像表示媒体とを相対的に移動させながら
画像を形成する多色画像表示方法では、各単位発光面の
照射のオン/オフを制御することにより照射時間を制御
し、結果として照射量を調整することになる。照射強度
は一定にすればよいため、発光強度を制御するための制
御機構を設ける必要がなく、構成が容易になる。
【0039】本発明のもう一つの特徴は、白色光照射が
画像表示媒体の表示面全面に対して行われる工程を含む
ことである。発色させた全種類のフォトクロミック化合
物を、画像表示媒体全面にわたってすべて消色して全消
去したい場合、各フォトクロミック化合物の発色状態で
の可視域吸収帯に対応した波長の光を照射する光源アレ
イを用い、光照射による消色を、フォトクロミック化合
物の全種類分行なうことになる。ここで、本発明のよう
に、白色光を照射する光源を設け、表示面全面に白色光
を照射する工程を加えることにより、表示画像の全消去
が短時間で可能となる。白色光を照射する光源として
は、例えば画素に対応した微小な領域ごとに照射のオン
/オフが制御できる発光部を連続して並べて形成した光
源アレイ等の高価な光源である必要はなく、例えば安価
なランプ光源を用いることができる。このようにランプ
光源を用いるほうがコスト的にも有利であるし、照射強
度の確保も容易である。
【0040】本発明のもう一つの特徴は、各波長の可視
光光源が、白色光光源と光学フィルターから構成される
ことである。可視光光源の各波長は、使用するフォトク
ロミック化合物の発色体の可視域吸収帯に対応させて設
定されるが、さらに詳細には、極大吸収波長付近に設定
したり、あるいは光反応収率の波長依存を考慮したり、
または他のフォトクロミック化合物の発色体の可視域吸
収帯の波長域との関係を考慮して、より短波長側にある
いはより長波長側に設定することがある。このように可
視光光源の好ましい波長の設定は使用するフォトクロミ
ック化合物により様々であるが、可視光光源を白色光光
源と光学フィルターから構成することより、光学フィル
ターの形成条件または交換設置等に対応させた波長の調
整が容易となる。
【0041】本発明のもう一つの特徴は、各波長の可視
光光源が、例えばLEDやLD等のような、それぞれが
特定の発光波長域をもつ発光素子から構成されることで
ある。この場合は発光素子から発せられた光を損失する
ような部材を用いる必要性がないため、光の利用効率が
高く、その点で照射強度の確保が容易となり、消費エネ
ルギーの低減も可能となる。
【0042】本発明のもう一つの特徴は、ライン状の紫
外光光源及び可視光光源を備え、画像表示媒体と光源と
を相対的に移動させながら画像を形成する装置を構成す
ることである。ここで、ライン状というのは厳密に直線
状に限られるものではなく、例えばある長さの光源ユニ
ットがいわゆる千鳥状に互い違いに配列して全体的にラ
インを形成しているようなものも含む。また、微小な領
域ごとに照射のオン/オフが制御できる発光面を連続し
て並べて形成した光源アレイ等に関しても、同一波長の
光源を構成する発光面の配列が一列でなく、複数列であ
ってもよい。また、発光波長が異なるそれぞれの光源ア
レイが一つの構造体に組み込まれていてもよいし、独立
した構造体として構成されてもよい。
【0043】本発明の多色画像表示方法を用いて多色画
像表示装置を作製する場合は、光源の種類等により様々
な構成を考えることができ、用途に応じて適宜選択すれ
ばよい。ただし、高解像度、高速書き込み、小型化、低
コスト等が要求される場合は、各光源をライン状に構
成、配置し、画像表示媒体と光源とを相対的に移動させ
ながら画像を形成する方法が好ましい。例えば、微小な
領域ごとに照射のオン/オフが制御できる発光面を連続
して並べて形成した光源アレイを、画像表示媒体の幅を
カバーする長さに形成することにより、高解像度の画像
を短時間で書き換えることが可能となる。この場合にお
いても、固定された画像表示媒体の表示面に沿って、ラ
イン状の紫外光光源及び可視光光源が移動しながら画像
を形成する構成や、ライン状の紫外光光源及び可視光光
源が固定され、画像表示媒体が移動しながら画像を形成
する構成等が挙げられる。例えば、書き込みに用いる各
光源が装置筐体の中に収められ、画像表示媒体が装置中
の書き込み光源部を通過するときに画像を書き込み、そ
の後装置外に画像表示媒体を排出する構成のものや、あ
るいは使用者側に常に表示面を向けて露出設置された画
像表示媒体の上を、書き込み光源素子を配設された部材
が移動しながら書き込むもの等が挙げられる。
【0044】使用者側に常に表示面を向けて露出・設置
された画像表示媒体の上を、書き込み光源素子を配設さ
れた部材が移動しながら書き込む構成をとった場合は、
画像表示媒体を装置に設置したまま何度も画像を書き換
えて通常のモニターのようにも使用できるし、また画像
書き換え後に画像表示媒体を取り外して手にとって使用
することもできる。
【0045】
【実施例】(第1実施例)フォトクロミック化合物とし
て、次に示すものを用いた。
【化13】(以下PC1と呼ぶ)
【0046】
【化14】(以下PC2と呼ぶ)
【0047】
【化15】(以下PC3と呼ぶ)
【0048】ポリスチレン100重量部に対しPC1を
10重量部添加して溶媒に溶解させ、石英基板上にキャ
スト膜を作成した。PC2、PC3についても同様に石
英基板上にキャスト膜を作成した。これらの光照射前の
吸収スペクトルを測定したところ、PC1、PC2、P
C3いずれも300nm〜400nm弱の範囲に吸収帯
が認められ、いずれも無色であった。これらに高圧水銀
ランプから取り出した366nmの紫外光を照射したと
ころ、PC1、PC2、PC3はそれぞれイエロー、マ
ゼンタ、シアンに発色した。
【0049】上と同様の処方によるキャスト膜を白色P
ET(ポリエチレンテレフタレート)基板(125μ
m)上に形成した。ただし、今度はPC1を含むキャス
ト膜(10μm)を形成後、PVAによる分離膜(2μ
m)を介してその上にPC2を含むキャスト膜(10μ
m)を形成し、やはりPVAによる分離膜(2μm)を
介してさらにその上にPC3を含むキャスト膜(10μ
m)を形成し、さらに保護層としてPVA膜(2μm)
を形成した。このようにして形成した積層型の感光層は
無色であり、基板の色が白であるため、観察者には白と
認識された。感光層全面に366nmの紫外光を照射し
たところ、PC1、PC2、PC3すべてが発色し、濃
灰色を呈した。この状態の感光層に、各波長の可視光を
照射したところ、様々な色の変化が生じたが、その様子
を以下に示す。
【0050】(第1実施例1)感光層の一部分にLED
により470nmの光を照射したところ、照射部が青紫
色を呈した。 (第1実施例2)感光層の別の部分にLEDにより56
0nmの光を照射したところ、照射部が緑色を呈した。 (第1実施例3)感光層の別の部分にLEDにより66
0nmの光を照射したところ、照射部が赤色を呈した。 (第1実施例4)第1実施例1で青紫色を呈した部分に
さらにLEDにより560nmの光を照射したところ、
照射部がシアン色を呈した。 (第1実施例5)第1実施例1で青紫色を呈した部分に
さらにLEDにより660nmの光を照射したところ、
照射部がマゼンタ色を呈した。
【0051】(第1実施例6)第1実施例2で緑色を呈
した部分にさらにLEDにより470nmの光を照射し
たところ、照射部がシアン色を呈した。 (第1実施例7)第1実施例2で緑色を呈した部分にさ
らにLEDにより660nmの光を照射したところ、照
射部がイエロー色を呈した。
【0052】(第1実施例8)第1実施例3で赤色を呈
した部分にさらにLEDにより470nmの光を照射し
たところ、照射部がマゼンタ色を呈した。 (第1実施例9)第1実施例3で赤色を呈した部分にさ
らにLEDにより560nmの光を照射したところ、照
射部がイエロー色を呈した。
【0053】(第1実施例10)第1実施例4及び6で
シアン色を呈した部分にさらにLEDにより660nm
の光を照射したところ、照射部が無色になったため基板
の白色が見えた。 (第1実施例11)第1実施例5及び8でマゼンタ色を
呈した部分にさらにLEDにより560nmの光を照射
したところ、照射部が無色になったため基板の白色が見
えた。 (第1実施例12)第1実施例7及び9で黄色を呈した
部分にさらにLEDにより470nmの光を照射したと
ころ、照射部が無色になったため基板の白色が見えた。
【0054】(第1実施例13)感光層の一部分にLE
Dにより470nmの光と560nmの光を同時に照射
したところ、照射部がシアン色を呈した。 (第1実施例14)感光層の一部分にLEDにより47
0nmの光と660nmの光を同時に照射したところ、
照射部がマゼンタ色を呈した。 (第1実施例15)感光層の一部分にLEDにより56
0nmの光と660nmの光を同時に照射したところ、
照射部がイエロー色を呈した。 (第1実施例16)感光層の一部分にLEDにより47
0nmの光と560nmの光と660nmの光を同時に
照射したところ、照射部が無色になったため基板の白色
が見えた。
【0055】(第1実施例17〜32)ポリスチレン1
00重量部に対しPC1、PC2、PC3をそれぞれ5
重量部添加してトルエンに溶解させ、白色PET(ポリ
エチレンテレフタレート)基板(125μm)上にキャ
スト膜(20μm)を形成し、さらに保護層としてPV
A膜(2μm)を形成した。このようにして形成した感
光層は無色であり、基板の色が白であるため、観察者に
は白と認識された。感光層全面に366nmの紫外光を
照射したところ、PC1、PC2、PC3すべてが発色
し、濃灰色を呈した。この状態の感光層に、第1実施例
1〜16とそれぞれ全く同じ条件で可視光の照射を行な
ったところ、それぞれ第1実施例1〜16と同様の色の
変化を示した。
【0056】第1実施例1〜16で用いたのと同様の感
光層を作製した。ただし366nmの紫外光を照射する
際、第1実施例1〜16で用いた感光層の場合と、照射
時間は同一だが、半分の照度において照射を行なったと
ころ、感光層は灰色を呈した。 (第1実施例33)この感光層の一部にLEDにより4
70nmの光を第1実施例1と同様に照射したところ、
照射部が淡い青紫色を呈した。 (第1実施例34)この感光層の別の部分にLEDによ
り560nmの光を第1実施例2と同様に照射したとこ
ろ、照射部が淡い緑色を呈した。 (第1実施例35)この感光層の別の部分にLEDによ
り660nmの光を第1実施例3と同様に照射したとこ
ろ、照射部が淡い赤色を呈した。
【0057】第1実施例1〜16で用いたのと同様の感
光層を作製した。ただし366nmの紫外光を照射する
際、第1実施例1〜16で用いた感光層の場合と、照度
は同一だが、半分の照射時間において照射を行なったと
ころ、感光層は灰色を呈した。 (第1実施例36)この感光層の一部にLEDにより4
70nmの光を第1実施例1と同様に照射したところ、
照射部が淡い青紫色を呈した。 (第1実施例37)この感光層の別の部分にLEDによ
り560nmの光を第1実施例2と同様に照射したとこ
ろ、照射部が淡い緑色を呈した。 (第1実施例38)この感光層の別の部分にLEDによ
り660nmの光を第1実施例3と同様に照射したとこ
ろ、照射部が淡い赤色を呈した。
【0058】第1実施例1〜16で用いたのと同様の感
光層を作製し、さらに366nmの紫外光の照射も同一
の条件で行なった。感光層は全面、濃灰色を呈した。 (第1実施例39)この感光層の一部分に第1実施例1
3と同様にLEDにより470nmの光と560nmの
光を同時に照射した。ただし470nmの光のみ、LE
Dの駆動電流を第1実施例13の場合の半分にして明る
さを低下させて照射を行なった。照射部は緑とシアンの
中間的な色を呈した。 (第1実施例40)この感光層の別の部分に第1実施例
13と同様にLEDにより470nmの光と560nm
の光を同時に照射した。ただし560nmの光のみ、L
EDの駆動電流を第1実施例13の場合の半分にして明
るさを低下させて照射を行なった。照射部は青紫とシア
ンの中間的な色を呈した。
【0059】(第1実施例41)この感光層の別の部分
に第1実施例14と同様にLEDにより470nmの光
と660nmの光を同時に照射した。ただし470nm
の光のみ、LEDの駆動電流を第1実施例14の場合の
半分にして明るさを低下させて照射を行なった。照射部
は赤とマゼンタの中間的な色を呈した。 (第1実施例42)この感光層の別の部分に第1実施例
14と同様にLEDにより470nmの光と660nm
の光を同時に照射した。ただし660nmの光のみ、L
EDの駆動電流を第1実施例14の場合の半分にして明
るさを低下させて照射を行なった。照射部は青とマゼン
タの中間的な色を呈した。
【0060】(第1実施例43)この感光層の別の部分
に第1実施例15と同様にLEDにより560nmの光
と660nmの光を同時に照射した。ただし560nm
の光のみ、LEDの駆動電流を第1実施例15の場合の
半分にして明るさを低下させて照射を行なった。照射部
は赤とイエローの中間的な色を呈した。 (第1実施例44)この感光層の別の部分に第1実施例
15と同様にLEDにより560nmの光と660nm
の光を同時に照射した。ただし660nmの光のみ、L
EDの駆動電流を第1実施例15の場合の半分にして明
るさを低下させて照射を行なった。照射部は緑とイエロ
ーの中間的な色を呈した。
【0061】(第1実施例45)この感光層の別の部分
に実施例13と同様にLEDにより470nmの光と5
60nmの光を同時に照射した。ただし470nmの光
のみ、照射時間を実第1施例13の場合の半分にして照
射を行なった。照射部は緑とシアンの中間的な色を呈し
た。 (第1実施例46)この感光層の別の部分に第1実施例
13と同様にLEDにより470nmの光と560nm
の光を同時に照射した。ただし560nmの光のみ、照
射時間を第1実施例13の場合の半分にして照射を行な
った。照射部は青紫とシアンの中間的な色を呈した。
【0062】(第1実施例47)この感光層の別の部分
に実施例14と同様にLEDにより470nmの光と6
60nmの光を同時に照射した。ただし470nmの光
のみ、照射時間を第1実施例14の場合の半分にして照
射を行なった。照射部は赤とマゼンタの中間的な色を呈
した。 (第1実施例48)この感光層の別の部分に第1実施例
14と同様にLEDにより470nmの光と660nm
の光を同時に照射した。ただし660nmの光のみ、照
射時間を第1実施例14の場合の半分にして照射を行な
った。照射部は青とマゼンタの中間的な色を呈した。
【0063】(第1実施例49)この感光層の別の部分
に第1実施例15と同様にLEDにより560nmの光
と660nmの光を同時に照射した。ただし560nm
の光のみ、照射時間を第1実施例15の場合の半分にし
て照射を行なった。照射部は赤とイエローの中間的な色
を呈した。 (第1実施例50)この感光層の別の部分に第1実施例
15と同様にLEDにより560nmの光と660nm
の光を同時に照射した。ただし660nmの光のみ、照
射時間を第1実施例15の場合の半分にして照射を行な
った。照射部は緑とイエローの中間的な色を呈した。
【0064】(第1実施例51)上述の第1実施例1〜
50で用いたような画像表示媒体に対して画像の書き込
みを行なう、多色画像表示装置を作製した。図1にその
構成の概要を示す。本第1実施例において作製した多色
画像表示装置には、画像表示媒体(1)を装置内に導入
するための挿入口(2)が設けられている。そこから画
像表示媒体(1)が挿入されると、搬送ローラ(3)に
より、画像表示媒体(1)は書き込みのための光源部に
搬送されていく。光源部は紫外光光源(4)と、470
nmの発光波長を有するLEDアレイ1(5)、560
nmの発光波長を有するLEDアレイ2(6)、660
nmの発光波長を有するLEDアレイ3(7)、及びラ
イン状の白色LED(8)で構成される。本実施例では
紫外光光源(4)は水銀ランプと光学フィルタで構成
し、366nm付近の波長の紫外光を照射できるように
なっている。また前記各可視波長を発光するLEDアレ
イは、画素に対応した微小な領域ごとに照射のオン/オ
フが制御できるように構成されている。これらの各光源
はその発光強度の調整が可能であり、また画像表示媒体
(1)の搬送速度も調整が可能となっている。これらの
光源部を通過して画像の書き込みがなされた画像表示媒
体(1)は排紙トレー(9)に排出される。
【0065】(第1実施例52)上述の第1実施例1〜
50で用いたような画像表示媒体に対して画像の書き込
みを行なう、多色画像表示装置を作製した。図2にその
構成の概要を示す。本第1実施例において作製した多色
画像表示装置は、画像表示媒体(11)を設置するボー
ド(12)と、書き込みのための光源素子が配設され、
画像表示媒体(11)平面に沿って移動する光源アーム
(13)からなる。
【0066】図3に光源アーム部内の光源素子の構成を
示す。光源アームには紫外光光源(14)と、470n
mの発光波長を有するLEDアレイ(15)、560n
mの発光波長を有するLEDアレイ(16)、660n
mの発光波長を有するLEDアレイ(17)、及びライ
ン状の白色LED(18)で構成される。本第1実施例
では紫外光光源(14)はライン状のLED(発光波長
372nm)で構成した。また前記各可視波長を発光す
るLEDアレイは、画素に対応した微小な領域ごとに照
射のオン/オフが可能なように構成されており、書き込
むべき画像に対応し、光源アーム(13)の移動と連動
して照射のオン/オフが制御されるようになっている。
これらの各光源はその発光強度の調整が可能であり、ま
た光源アーム(13)の移動速度も調整可能となってい
る。本実施例において作製した多色画像表示装置は、画
像表示媒体(11)が常に使用者から見える構成である
ため、画像表示媒体(11)をボードに設置したまま何
度も画像を書き換えて通常のモニターのようにも使用で
きるし、また画像書き換え後に画像表示媒体(11)を
ボード(12)から取り外して使用することもできる。
【0067】(第1実施例53)第1実施例1〜16で
用いた、白色PET基板上に形成した感光層に366n
mの紫外光を照射したところ、PC1、PC2、PC3
すべてが発色し、濃灰色を呈した。次に白色光を照射し
たところ、PC1、PC2、PC3すべてが消色して無
色となり、基板の色が白であるため白と認識された。こ
のように、本発明の多色画像表示方法を用いて、紫外光
の照射による発色と白色光の照射による消色とを交互に
繰り返して行なったが、発色と消色を500回繰り返し
ても発色状態及び消色状態の色に、初期との差異はみら
れなかった。
【0068】(第1比較例1)フォトクロミック化合物
として、1’,3−ジメチル−6−ニトロスピロ(2H
−1−ベンゾピラン−2,2’−(2H)ピリジン)
(以下PC4と呼ぶ)、6−ニトロ−1’,3’,3’
トリメチルスピロ(2H−1−ベンゾピラン−2,2’
インドリン)(以下PC5と呼ぶ)、8−メトキシ−6
−ニトロ−1’,3’,3’トリメチルスピロ(2H−
1−ベンゾピラン−2,2’インドリン)(以下PC6
と呼ぶ)、を用いた。これらはいずれもスピロピラン系
のフォトクロミック化合物であり、それぞれフェノキシ
樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン100重量部に対
し10重量部添加して溶媒に溶解させて石英基板上にキ
ャストした膜の吸収スペクトルを測定したところ、PC
4、PC5、PC6いずれも300nm〜400nm弱
の範囲に吸収帯が認められ、いずれも無色であった。こ
れらに高圧水銀ランプから取り出した366nmの紫外
光を照射したところ、PC4、PC5、PC6はそれぞ
れイエロー、マゼンタ、シアンに発色した。
【0069】上と同様の処方によるキャスト膜を白色P
ET(ポリエチレンテレフタレート)基板(125μ
m)上に形成した。ただし、今度はPC4を含むキャス
ト膜(10μm)を形成後、PVAによる分離膜(2μ
m)を介してその上にPC5を含むキャスト膜(10μ
m)を形成し、やはりPVAによる分離膜(2μm)を
介してさらにその上にPC6を含むキャスト膜(10μ
m)を形成し、さらに保護層としてPVA膜(2μm)
を形成した。このようにして形成した積層型の感光層は
無色であり、基板の色が白であるため、観察者には白と
認識された。この感光層に366nmの紫外光を照射し
たところ、PC4、PC5、PC6すべてが発色し、濃
灰色を呈した。次に白色光を照射したところ、PC4、
PC5、PC6すべてが消色して無色となり、基板の色
が白であるため白と認識された。このように、紫外光の
照射と白色光の照射とを交互に繰り返して行なったが、
100回繰り返す前に発色状態における色濃度がかなり
低下してしまった。
【0070】(第1実施例54)第1実施例1〜16で
用いた、白色PET基板上に感光層を形成したものを、
60℃、湿度90%の環境下に100hr静置した後、
常温常湿下で感光層に366nmの紫外光を照射した。
このように、本発明の多色画像表示方法を用いて感光層
を照射したところ、PC1、PC2、PC3すべてが発
色し、濃灰色を呈した。
【0071】(第1比較例2)実施例1〜16で用い
た、白色PET基板上の感光層の形成においては、順
に、PC1を含むキャスト膜、PVAによる分離膜(2
μm)、PC2を含むキャスト膜(10μm)、PVA
による分離膜(2μm)、PC3を含むキャスト膜(1
0μm)を形成し、さらに保護層としてPVA膜(2μ
m)を形成したが、本比較例においては保護層を形成し
なかった。これを第1実施例54と同様に60℃、湿度
90%の環境下に100hr静置した後、常温常湿下で
感光層に366nmの紫外光を照射したところ、薄い黄
色を呈した。高温高湿下への静置により感光層が水分、
酸素等に侵され、特にPC5及びPC6がほとんど発色
しなくなり、さらにPC4の発色の程度も低下したもの
と判断される。
【0072】(第2実施例)フォトクロミック化合物と
して、1,2−ビス(2−フェニル−4−トリフルオロ
メチルチアゾール)−3,3,4,4,5,5−ヘキサ
フルオロシクロペンテン(以下PC1と呼ぶ)、1−
(3−(2−メチル−6−(2−(4−メトキシフェニ
ル)エチニル)ベンゾチエニル))−2−(3−(2,
4−ジメチル−5−(2−(4−メトキシフェニル)エ
チニル)チエニル))−3,3,4,4,5,5−ヘキ
サフルオロシクロペンテン(以下PC2と呼ぶ)、およ
び1−(5−メトキシ−1,2−ジメチル−3−インド
リル)−2−(5−シアノ−2,4−ジメチル−3−チ
エニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシ
クロペンテン(以下PC3と呼ぶ)を用いた。ポリスチ
レン100重量部に対しPC1を10重量部添加して溶
媒に溶解させ、石英基板上にキャスト膜を作成した。P
C2、PC3についても同様に石英基板上にキャスト膜
を作成した。これらの光照射前の吸収スペクトルを測定
したところ、PC1、PC2、PC3いずれも300n
m〜400nm弱の範囲に吸収帯が認められ、いずれも
無色であった。これらに高圧水銀ランプから取り出した
366nmの紫外光を照射したところ、PC1、PC
2、PC3はそれぞれイエロー、マゼンタ、シアンに発
色し、吸収スペクトルの極大吸収波長はそれぞれ420
nm、565nm、665nmであった。
【0073】上と同様の処方によるキャスト膜を白色P
ET(ポリエチレンテレフタレート)基板(125μ
m)上に形成した。ただし、今度はPC1を含むキャス
ト膜(10μm)を形成後、PVAによる分離膜(2μ
m)を介してその上にPC2を含むキャスト膜(10μ
m)を形成し、やはりPVAによる分離膜(2μm)を
介してさらにその上にPC3を含むキャスト膜(10μ
m)を形成し、さらに保護層としてPVA膜(2μm)
を形成した。このようにして形成した積層型の感光層は
無色であり、基板の色が白であるため、観察者には白と
認識された。感光層全面に366nmの紫外光を照射し
たところ、PC1、PC2、PC3すべてが発色し、濃
灰色を呈した。この状態の感光層に、各波長の可視光を
照射したところ、様々な色の変化が生じたが、その様子
を以下に示す。
【0074】(第2実施例1)感光層の一部分にLED
により470nmの光を照射したところ、照射部が青紫
色を呈した。 (第2実施例2)感光層の別の部分にLEDにより56
0nmの光を照射したところ、照射部が緑色を呈した。 (第2実施例3)感光層の別の部分にLEDにより66
0nmの光を照射したところ、照射部が赤色を呈した。
【0075】(第2実施例4)第2実施例1で青紫色を
呈した部分にさらにLEDにより560nmの光を照射
したところ、照射部がシアン色を呈した。 (第2実施例5)第2実施例1で青紫色を呈した部分に
さらにLEDにより660nmの光を照射したところ、
照射部がマゼンタ色(赤紫色)を呈した。 (第2実施例6)第2実施例2で緑色を呈した部分にさ
らにLEDにより470nmの光を照射したところ、照
射部がシアン色を呈した。 (第2実施例7)第2実施例2で緑色を呈した部分にさ
らにLEDにより660nmの光を照射したところ、照
射部が黄色を呈した。 (第2実施例8)第2実施例3で赤色を呈した部分にさ
らにLEDにより470nmの光を照射したところ、照
射部がマゼンタ色(赤紫色)を呈した。 (第2実施例9)第2実施例3で赤色を呈した部分にさ
らにLEDにより560nmの光を照射したところ、照
射部が黄色を呈した。
【0076】(第2実施例10)第2実施例4および6
でシアン色を呈した部分にさらにLEDにより660n
mの光を照射したところ、照射部が無色になったため基
板の白色が見えた。 (第2実施例11)第2実施例5および8でマゼンタ色
(赤紫色)を呈した部分にさらにLEDにより560n
mの光を照射したところ、照射部が無色になったため基
板の白色が見えた。 (第2実施例12)第2実施例7および9で黄色を呈し
た部分にさらにLEDにより470nmの光を照射した
ところ、照射部が無色になったため基板の白色が見え
た。
【0077】(第2実施例13)感光層の一部分にLE
Dにより470nmの光と560nmの光を同時に照射
したところ、照射部がシアン色を呈した。 (第2実施例14)感光層の一部分にLEDにより47
0nmの光と660nmの光を同時に照射したところ、
照射部がマゼンタ色(赤紫色)を呈した。 (第2実施例15)感光層の一部分にLEDにより56
0nmの光と660nmの光を同時に照射したところ、
照射部が黄色を呈した。 (第2実施例16)感光層の一部分にLEDにより47
0nmの光と560nmの光と660nmの光を同時に
照射したところ、照射部が無色になったため基板の白色
が見えた。
【0078】(第2実施例17〜32)ポリスチレン1
00重量部に対しPC1、PC2、PC3をそれぞれ5
重量部添加してトルエンに溶解させ、白色PET(ポリ
エチレンテレフタレート)基板(125μm)上にキャ
スト膜(20μm)を形成し、さらに保護層としてPV
A膜(2μm)を形成した。このようにして形成した感
光層は無色であり、基板の色が白であるため、観察者に
は白と認識された。感光層全面に366nmの紫外光を
照射したところ、PC1、PC2、PC3すべてが発色
し、濃灰色を呈した。この状態の感光層に、第2実施例
1〜16とそれぞれ全く同じ条件で可視光の照射を行な
ったところ、それぞれ第2実施例1〜16と同様の色の
変化を示した。第2実施例1〜16で用いたのと同様の
感光層を作製した。ただし366nmの紫外光を照射す
る際、実施例1〜16で用いた感光層の場合と、照射時
間は同一だが、半分の照度において照射を行なったとこ
ろ、感光層は灰色を呈した。
【0079】(第2実施例33)この感光層の一部にL
EDにより470nmの光を第2実施例1と同様に照射
したところ、照射部が淡い青紫色を呈した。 (第2実施例34)この感光層の別の部分にLEDによ
り560nmの光を第2実施例2と同様に照射したとこ
ろ、照射部が淡い緑色を呈した。 (第2実施例35)この感光層の別の部分にLEDによ
り660nmの光を第2実施例3と同様に照射したとこ
ろ、照射部が淡い赤色を呈した。第2実施例1〜16で
用いたのと同様の感光層を作製した。ただし366nn
mの紫外光を照射する際、第2実施例1〜16で用いた
感光層の場合と、照度は同一だが、半分の照射時間にお
いて照射を行なったところ、感光層は灰色を呈した。
【0080】(第2実施例36)この感光層の一部にL
EDにより470nmの光を第2実施例1と同様に照射
したところ、照射部が淡い青紫色を呈した。 (第2実施例37)この感光層の別の部分にLEDによ
り560nmの光を第2実施例2と同様に照射したとこ
ろ、照射部が淡い緑色を呈した。 (第2実施例38)この感光層の別の部分にLEDによ
り660nmの光を第2実施例3と同様に照射したとこ
ろ、照射部が淡い赤色を呈した。第2実施例1〜16で
用いたのと同様の感光層を作製し、さらに366nmの
紫外光の照射も同一の条件で行なった。感光層は全面、
濃灰色を呈した。
【0081】(第2実施例39)この感光層の一部分に
第2実施例13と同様にLEDにより470nmの光と
560nmの光を同時に照射した。ただし470nmの
光のみ、LEDの駆動電流を第2実施例13の場合の半
分にして明るさを低下させて照射を行なった。照射部は
緑とシアンの中間的な色を呈した。 (第2実施例40)この感光層の別の部分に第2実施例
13と同様にLEDにより470nmの光と560nm
の光を同時に照射した。ただし560nmの光のみ、L
EDの駆動電流を第2実施例13の場合の半分にして明
るさを低下させて照射を行なった。照射部は青紫とシア
ンの中間的な色を呈した。
【0082】(第2実施例41)この感光層の別の部分
に第2実施例14と同様にLEDにより470nmの光
と660nmの光を同時に照射した。ただし470nm
の光のみ、LEDの駆動電流を第2実施例14の場合の
半分にして明るさを低下させて照射を行なった。照射部
は赤とマゼンタの中間的な色を呈した。 (第2実施例42)この感光層の別の部分に実施例14
と同様にLEDにより470nmの光と660nmの光
を同時に照射した。ただし660nmの光のみ、LED
の駆動電流を第2実施例14の場合の半分にして明るさ
を低下させて照射を行なった。照射部は青とマゼンタの
中間的な色を呈した。
【0083】(第2実施例43)この感光層の別の部分
に第2実施例15と同様にLEDにより560nmの光
と660nmの光を同時に照射した。ただし560nm
の光のみ、LEDの駆動電流を第2実施例15の場合の
半分にして明るさを低下させて照射を行なった。照射部
はオレンジ色を呈した。 (第2実施例44)この感光層の別の部分に第2実施例
15と同様にLEDにより560nmの光と660nm
の光を同時に照射した。ただし660nmの光のみ、L
EDの駆動電流を第2実施例15の場合の半分にして明
るさを低下させて照射を行なった。照射部は黄緑色を呈
した。
【0084】(第2実施例45)この感光層の別の部分
に第2実施例13と同様にLEDにより470nmの光
と560nmの光を同時に照射した。ただし470nm
の光のみ、照射時間を第2実施例13の場合の半分にし
て照射を行なった。照射部は緑とシアンの中間的な色を
呈した。 (第2実施例46)この感光層の別の部分に第2実施例
13と同様にLEDにより470nmの光と560nm
の光を同時に照射した。ただし560nmの光のみ、照
射時間を第2実施例13の場合の半分にして照射を行な
った。照射部は青紫とシアンの中間的な色を呈した。
【0085】(第2実施例47)この感光層の別の部分
に第2実施例14と同様にLEDにより470nmの光
と660nmの光を同時に照射した。ただし470nm
の光のみ、照射時間を第2実施例14の場合の半分にし
て照射を行なった。照射部は赤とマゼンタの中間的な色
を呈した。 (第2実施例48)この感光層の別の部分に第2実施例
14と同様にLEDにより470nmの光と660nm
の光を同時に照射した。ただし660nmの光のみ、照
射時間を第2実施例14の場合の半分にして照射を行な
った。照射部は青とマゼンタの中間的な色を呈した。
【0086】(第2実施例49)この感光層の別の部分
に第2実施例15と同様にLEDにより560nmの光
と660nmの光を同時に照射した。ただし560nm
の光のみ、照射時間を第2実施例15の場合の半分にし
て照射を行なった。照射部はオレンジ色を呈した。 (第2実施例50)この感光層の別の部分に第2実施例
15と同様にLEDにより560nmの光と660nm
の光を同時に照射した。ただし660nmの光のみ、照
射時間を第2実施例15の場合の半分にして照射を行な
った。照射部は黄緑色を呈した。
【0087】なお、第1実施例51に示した図1の多色
画像表示装置、及び第1実施例52に示した図2の多色
画像表示装置は、上述の第2実施例1〜50で用いたよ
うな画像表示媒体に対して書き込むこともできる。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
本発明によれば、発色が鮮やかであり、また発色・消色
の繰り返し耐久性に優れた多色画像表示方法が得られ
る。また、請求項2に記載の本発明によれば、熱安定性
に優れるため、書き込んだ画像情報の保持時間が長く、
保存安定性に優れた多色画像表示方法が得られる。さら
に、請求項3に記載の本発明によれば、照射する光の波
長を変えることで、カラー表示の3原色(イエロー、マ
ゼンタ、シアン)を得ることができ、画像信号に従って
画像表示媒体上の所定の位置に所定の波長の光を照射す
ることで、多色表示が可能な多色画像表示方法が得られ
る。さらに、請求項4に記載の本発明によれば、保護層
を形成することで、感光層を構成するフォトクロミック
化合物の発色反応に対する、水分やガス等による悪影響
を低減することが可能となり、耐久性が向上し、信頼性
が高い多色画像表示方法が得られる。
【0089】さらに、請求項5に記載の本発明によれ
ば、紫外光の光源として、画素サイズに対応した微細な
スポット単位での照射が不要となり、光源素子の構成が
容易で、かつ、コスト的にも有利な多色画像表示方法が
得られる。さらに、請求項6から9に記載の本発明によ
れば、光源の照射量の制御により発色の程度を調整する
ことで、消費エネルギーの低減、また、材料の発色・消
色の繰り返し耐久性において有利となり、さらに、機構
構成及び制御が容易な多色画像表示方法が得られる。さ
らに、請求項10に記載の本発明によれば、各フォトク
ロミック化合物を選択的に消色させるための各波長の可
視光光源とは別に、白色光光源を設けて表示面全面に白
色光を照射する工程を加えることで、短時間での表示画
像の全消去が可能な多色画像表示方法が得られる。
【0090】さらに、請求項11に記載の本発明によれ
ば、各フォトクロミック化合物を選択的に消色させるた
めの可視光光源を、白色光源と光学フィルターとで構成
することで、光学フィルターの形成条件、または交換設
置等に対応させた波長の調整が容易な多色画像表示方法
が得られる。さらに、請求項12に記載の本発明によれ
ば、特定の発光波長域をもつ発光素子を用いることで、
光の利用効率が高く、照射強度の確保も容易になり、消
費エネルギーの低減を図った多色画像表示方法が得られ
る。
【0091】さらに、請求項13に記載の本発明によれ
ば、発色が鮮やかで、発色・消色の繰り返し耐久性に優
れた画像を提供でき、また、高解像度の画像の書き込み
及び消去を短時間に行うことが可能な、書き換え型の多
色画像表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多色画像表示方法を用いた多色画像表
示装置の一例を示す側面断面図である。
【図2】本発明の多色画像表示方法を用いた多色画像表
示装置の一例を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の多色画像表示方法を用いた多色画像表
示装置の一例を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 画像表示媒体 2 挿入口 3 搬送ローラ 4 紫外光光源 5 LEDアレイ1 6 LEDアレイ2 7 LEDアレイ3 8 白色LED 9 排紙トレー 11 画像表示媒体 12 ボード 13 光源アーム 14 紫外光光源 15 LEDアレイ1 16 LEDアレイ2 17 LEDアレイ3 18 白色LED

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発色状態における極大吸収波長が異なる
    2種類以上のフォトクロミック化合物を含み、その内の
    少なくとも1種類がスピロオキサジン化合物である感光
    層を支持基板上に形成してなる画像表示媒体に対して、 少なくとも、紫外光照射によって感光層に含有される全
    種類のフォトクロミック化合物を発色させる工程と、発
    色した各フォトクロミック化合物の極大吸収波長に対応
    した波長域の可視光をそれぞれ所望の領域に照射するこ
    とにより各フォトクロミック化合物を選択的に消色する
    工程と、を施すことを特徴とする、多色画像表示方法。
  2. 【請求項2】 発色状態における極大吸収波長が異なる
    2種類以上のフォトクロミック化合物を含み、その内の
    少なくとも1種類がジアリールエテン化合物である感光
    層を支持基板上に形成してなる画像表示媒体に対して、 少なくとも、紫外光照射によって感光層に含有される全
    種類のフォトクロミック化合物を発色させる工程と、発
    色した各フォトクロミック化合物の極大吸収波長に対応
    した波長域の可視光をそれぞれ所望の領域に照射するこ
    とにより各フォトクロミック化合物を選択的に消色する
    工程と、を施すことを特徴とする、多色画像表示方法。
  3. 【請求項3】 感光層が、 発色状態における極大吸収波長が、400〜500nm
    の範囲にあるフォトクロミック化合物と、500〜60
    0nmの範囲にあるフォトクロミック化合物と、600
    〜700nmの範囲にあるフォトクロミック化合物と
    を、すべて含有することを特徴とする、請求項1または
    2に記載の多色画像表示方法。
  4. 【請求項4】 感光層の表面に保護層を形成することを
    特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の多色
    画像表示方法。
  5. 【請求項5】 紫外光照射が、画像表示媒体の表示面全
    面に対して行なわれることを特徴とする、請求項1ない
    し4のいずれかに記載の多色画像表示方法。
  6. 【請求項6】 紫外光の照射強度を制御することを特徴
    とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の多色画像
    表示方法。
  7. 【請求項7】 紫外光の照射時間を制御することを特徴
    とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の多色画像
    表示方法。
  8. 【請求項8】 可視光の照射強度を制御することを特徴
    とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の多色画像
    表示方法。
  9. 【請求項9】 可視光の照射時間を制御することを特徴
    とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の多色画像
    表示方法。
  10. 【請求項10】 白色光を画像表示部全面に照射する工
    程を含むことを特徴とする、請求項1ないし9のいずれ
    かに記載の多色画像表示方法。
  11. 【請求項11】 各波長の可視光光源が、白色光源と光
    学フィルターから構成されることを特徴とする、請求項
    1ないし10のいずれかに記載の多色画像表示方法。
  12. 【請求項12】 各波長の可視光光源が、それぞれが特
    定の発光波長域をもつ発光素子から構成されることを特
    徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の多色画
    像表示方法。
  13. 【請求項13】 ライン状の紫外光光源及び可視光光源
    を備え、画像表示媒体と光源とを相対的に移動させなが
    ら、請求項1ないし12のいずれかの方法を用いて画像
    を形成することを特徴とする多色画像表示装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006016300A1 (en) * 2004-08-10 2006-02-16 Koninklijke Philips Electronics N.V. Color display device
US8075982B2 (en) 2004-11-15 2011-12-13 Kevin Gerard Donahue Device for making illuminated markings

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WO2006016300A1 (en) * 2004-08-10 2006-02-16 Koninklijke Philips Electronics N.V. Color display device
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