JP2003222298A - 天然ガスの吸着貯蔵装置および吸着貯蔵方法 - Google Patents

天然ガスの吸着貯蔵装置および吸着貯蔵方法

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JP2003222298A
JP2003222298A JP2002023884A JP2002023884A JP2003222298A JP 2003222298 A JP2003222298 A JP 2003222298A JP 2002023884 A JP2002023884 A JP 2002023884A JP 2002023884 A JP2002023884 A JP 2002023884A JP 2003222298 A JP2003222298 A JP 2003222298A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、天然ガスの吸脱着を繰り返し行った
場合にも優れた貯蔵性能を示し、しかも吸脱着熱による
吸着材の性能低下を抑制できる貯蔵装置を提供する。 【解決手段】圧力容器に充填した吸着材により天然ガス
を吸着する圧力容器を有する吸着式貯蔵装置において、
(1)主にメタン以外の成分を吸着するための第一の吸着
容器と主にメタンからなる残りのガスを吸着するための
第二の吸着容器とを天然ガスの導入方向に順次設け、且
つ(2)第一の吸着容器および/または第二の吸着容器に、
温度変化に応じて潜熱の吸収および放出を生じる相変化
物質をマイクロカプセル中に封入した蓄熱材と吸着材か
らなる潜熱蓄熱型吸着材を充填することを特徴とする天
然ガス吸着式貯蔵装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然ガス(付臭さ
れた天然ガスを含む)の貯蔵・供給技術に関する。
【0002】
【従来技術】天然ガスは、産地などにより多少異なる
が、一般にメタン約88%、エタン約6%、プロパン約3
%、ブタン約3%などを含む燃料ガスである。
【0003】燃料ガス、特に天然ガスを高密度で貯蔵す
る方法として、一般に天然ガスを-162℃に冷却して液化
天然ガス(LNG)として貯蔵する方法、常温または高圧下
で圧縮天然ガス(CNG)として貯蔵する方法などが知られ
ている。
【0004】しかしながら、LNGとして貯蔵する方法
は、大規模な冷却設備を必要とするので、設備費が高価
なものとなる。
【0005】一方、CNGとして貯蔵する方法は、LNGとし
て貯蔵する方法に比して、効率が低い。これは、CNG自
体のエネルギー密度がLNGに比べると低く、例えば、20M
Pa程度の加圧下のCNGであっても、そのエネルギー密度
は、同体積のLNGの1/3に過ぎないからである。現在、都
市部に設置されているガス貯蔵設備における圧力は、1M
Pa以下であるため、貯蔵密度は一層低いものである。従
って、大量の天然ガスを貯蔵するためには、大規模な貯
蔵ホルダーが必要であり、敷地確保が困難である。さら
に、天然ガスの貯蔵圧力に耐えうる高圧容器を用いるの
で、大型で重量の大きな耐圧容器、調圧弁などが必要と
なり、設備コストが著しく高くなるなどの問題がある。
【0006】上記のような問題を解決するためのシステ
ムとして、吸着材に天然ガスを吸着させて貯蔵する吸着
貯蔵装置が知られている。このような装置を用いて天然
ガスの吸脱着を繰り返し行うと、天然ガス中のエタン、
プロパン、ブタンなどの重質分が吸着材の細孔内に蓄積
し、貯蔵性能が低下する。
【0007】また、吸着時に発生する熱(吸着熱)によっ
て吸着材が加熱され、吸着材の性能が低下する。一方、
ガス脱着時には吸熱(脱着熱)が生じ吸着材が冷却され、
ガスの払い出し量が低下する。このような吸脱着熱によ
る吸着材の性能低下は、装置の規模が大きくなるほど、
重大な問題となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、天
然ガスの吸脱着を繰り返し行った場合にも優れた貯蔵性
能を示し、しかも吸脱着熱による吸着材の性能低下を抑
制できる貯蔵装置を提供することを主な目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な技術の現状に留意しつつ研究を重ねた結果、天然ガス
の貯蔵用圧力容器を、主にメタン以外の成分用の吸着材
を用いる吸着容器(本文明細書中では、「第一の吸着容
器」ということがある)と主にメタン用の吸着材を用い
る吸着容器(本文明細書中では、「第二の吸着容器」と
いうことがある)とに分割し、第一の吸着容器および/ま
たは第二の吸着容器に、特定の潜熱蓄熱型吸着材を充填
することにより上記の目的を達成することを見出した。
【0010】すなわち、本発明は、下記の天然ガス吸着
貯蔵装置および貯蔵方法を提供することにある。 1.圧力容器に充填した吸着材により天然ガスを吸着す
る圧力容器を有する吸着式貯蔵装置において、(1)主に
メタン以外の成分を吸着するための第一の吸着容器と主
にメタンからなる残りのガスを吸着するための第二の吸
着容器とを天然ガスの導入方向に順次設け、且つ(2)第
一の吸着容器および/または第二の吸着容器に、温度変
化に応じて潜熱の吸収および放出を生じる相変化物質を
マイクロカプセル中に封入した蓄熱材と吸着材からなる
潜熱蓄熱型吸着材を充填することを特徴とする天然ガス
吸着式貯蔵装置。 2.第一および/または第二の吸着容器において用いる
吸着材が、ともに多孔体であって、第一の吸着容器にお
いて用いる吸着材の平均細孔径が7Å〜25Åであり、第
二の吸着容器において用いる吸着材の平均細孔径が4Å
〜15Åであることを特徴とする上記1に記載の天然ガス
吸着式貯蔵装置。 3.第一の吸着容器と第二の吸着容器との間および/ま
たは第一の吸着容器よりも後流のガス払い出しライン上
に背圧弁を設けたことを特徴とする上記1または2に記
載の天然ガス吸着式貯蔵装置。 4.第一および/または第二の吸着容器において用いる
吸着材が、活性炭、ゼオライト、シリカゲルおよび有機
金属錯体からなる群から選択される少なくとも1種であ
る上記1〜3のいずれかに記載の天然ガス吸着式貯蔵装
置。 5.第二の吸着容器が、並列に接続された複数個の容器
からなり、第一の吸着容器と第二の吸着容器とが直列に
接続されている上記1〜4のいずれかに記載の天然ガス
吸着式貯蔵装置。 6.第一の吸着容器において用いる吸着材の平均粒子径
が、0.1〜4.75mmであり、第二の吸着容器において用い
る吸着材の平均粒子径が、0.01〜4.75mmである請求項1
〜5のいずれかに記載の天然ガス吸着式貯蔵装置。 7.第一の吸着容器において用いる吸着材の93重量%以
上の粒子の粒子径が、平均粒子径を中心値として±2.5m
mの範囲に含まれる上記1〜6のいずれかに記載の天然
ガス吸着式貯蔵装置。 8.蓄熱材の平均粒子径が、吸着材の平均粒子径の1/10
00〜1/10である上記1〜7のいずれかに記載の天然ガス
吸着式貯蔵装置。 9.蓄熱材の平均粒子径が、5〜50μmである上記1〜8
のいずれかに記載の天然ガス吸着式貯蔵装置。 10.圧力容器に充填した吸着材に天然ガスを吸着させ
て貯蔵する方法において、(1)主にメタン以外の成分を
第一の吸着容器において吸着させた後、主にメタンから
なる残りのガスを第二の吸着容器において吸着させ、
(2) 第一の吸着容器および/または第二の吸着容器に、
温度変化に応じて潜熱の吸収および放出を生じる相変化
物質をマイクロカプセル中に封入した蓄熱材と吸着材か
らなる潜熱蓄熱型吸着材を充填することを特徴とする天
然ガスの吸着貯蔵方法。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の装置は、圧力容器に充填
した吸着材により天然ガスを吸着する圧力容器を有する
吸着式貯蔵装置であり、(1)主にメタン以外の成分を吸
着するための第一の吸着容器と主にメタンからなる残り
のガスを吸着するための第二の吸着容器とを天然ガスの
導入方向に順次設け、且つ(2) 第一の吸着容器および/
または第二の吸着容器に、温度変化に応じて潜熱の吸収
および放出を生じる相変化物質をマイクロカプセル中に
封入した蓄熱材と吸着材からなる潜熱蓄熱型吸着材を充
填したことを特徴とする。
【0012】本発明の装置においては、第一の吸着容器
および/または第二の吸着容器に、吸着材と温度変化に
応じて潜熱の吸収および放出を生じる相変化物質をマイ
クロカプセル中に封入した蓄熱材からなる潜熱蓄熱型吸
着材を充填する。潜熱蓄熱型吸着材は、第一および第二
の吸着容器のいずれかにだけ充填してもよいが、第一お
よび第二の吸着容器の両方に充填するのが好ましい。
【0013】蓄熱材に封入する相変化物質は、相変化に
伴って潜熱の吸収および放出を生じる化合物であれば、
特に制限されない。相変化として、例えば、固体−液体
間の相変化などを例示することができる。相変化物質が
相変化を生じる温度(例えば融点、凝固点など)は、装置
の用途などに応じて適宜選択することができるが、通常
-150〜100℃程度である。相変化物質として、例えば、
テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデ
カン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、ヘンイ
コサン、ドコサンなどの直鎖の脂肪族炭化水素;天然ワ
ックス;石油ワックス;LiNO3・3H2O、Na2SO4・10H2O、
Na2HPO4・12H2Oなどの無機化合物の水和物などを好まし
く例示できる。相変化物質は、1種を単独で用いてもよ
いが、2種類以上を併用するのが好ましい。2種以上の
相変化物質を併用することにより、相変化物質の過冷却
現象を防止することができる。2種以上の相変化物質を
併用する場合、相変化を生じる温度の差が、5〜100℃程
度となるような組合せが好ましく、上記温度差が10〜80
℃程度となるような組合せが、より好ましい。3種以上
の相変化物質を併用する場合には、相変化を生じる温度
の最大温度差(最も高い相変化温度と最も低い相変化温
度との差)が上記範囲となるようにすればよい。
【0014】必要に応じて、相変化物質が相変化を生じ
る温度より融点が高い化合物(高融点化合物)を、相変化
物質と共にマイクロカプセルに封入しても良い。高融点
化合物を併用することにより、相変化物質の過冷却現象
を防止することができる。高融点化合物は、マイクロカ
プセルの壁となる材料と反応したり、前記材料に溶解し
ない限り特に制限されない。高融点化合物として、例え
ば、融点(2種以上を併用する場合には各化合物の融点)
が、相変化物質が相変化を生じる温度(2種以上を併用す
る場合には各物質の相変化温度)よりも通常5〜100℃程
度、好ましくは10〜80℃程度高い化合物を例示できる。
高融点化合物として、例えば、芳香族化合物、エステル
類、カルボン酸類、アルコール類、アマイド類などを例
示できる。高融点化合物は、1種を単独で用いてもよ
く、2種類以上を組み合わせてもよい。例えば、ヒマシ
油などの混合物でもよい。
【0015】芳香族化合物としては、例えば、ハロゲン
置換ベンゼン、ナフタレンなどを例示できる。ハロゲン
置換ベンゼンとしては、例えば、ジブロモベンゼン、ジ
クロロベンゼンなどのジハロゲン化ベンゼンを例示でき
る。
【0016】エステル類としては、例えば、メチルステ
アリン酸、メチルエイコサン酸などのモノアルコールの
脂肪酸エステル、リノール酸グリセリドなどのグリセリ
ンの脂肪酸エステルを例示できる。
【0017】カルボン酸類としては、例えば、ミリスチ
ン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、
ステアリン酸、ノナデシル酸、エイコサン酸、ヘンイコ
サン酸、ベヘン酸などの脂肪族カルボン酸;安息香酸な
どの芳香族カルボン酸などを例示することができる。
【0018】アルコール類としては、例えば、セチルア
ルコール、ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、
ノナデカノール、エイコサノールなどのモノアルコール
を例示することができる。
【0019】アマイド類としては、例えば、エイコサン
酸アマイド、ノナデシル酸アマイド、ステアリン酸アマ
イド、オレイン酸アマイドなどの脂肪酸アマイドを例示
することができる。
【0020】具体的として、例えば相変化物質としてテ
トラデカンを用いた場合は、セチルアルコール、ステア
リルアルコール、エイコサノール、ミリスチン酸、ベヘ
ン酸、ステアリル酸アマイド、オレイン酸アマイド等が
挙げられる。
【0021】高融点化合物の含有量は、相変化物質100
重量部に対して、通常0.5〜30重量部程度であり、好ま
しくは1〜15重量部程度である。
【0022】マイクロカプセルの材料は、公知の材料を
使用することができ、例えば、樹脂などの高分子化合物
を例示することができる。高分子化合物としては、ホル
ムアルデヒド−尿素樹脂、尿素樹脂、尿素−ホルムアル
デヒド−ポリアクリル酸共重合体、複素環状アミン−ア
ルデヒド共重合体、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポ
リアクリルニトリル、ポリエチレン、ポリブチルメタク
リレート、ゼラチンなどを例示することができる。
【0023】マイクロカプセルの材料と相変化物質との
重量比(マイクロカプセル:相変化物質)は、特に制限さ
れないが、通常40:60〜5:95程度、好ましくは30:70〜
10:90程度である。高融点化合物と相変化物質とを併用
する場合には、高融点化合物と相変化物質の合計重量
が、マイクロカプセルの材料の重量に対して上記範囲と
なるように設定することができる。
【0024】相変化物質および必要に応じて高融点化合
物を封入した蓄熱材(マイクロカプセル)の平均粒子径
は、特に制限されないが、通常吸着材の平均粒子径の1/
1000〜1/10程度であり、好ましくは1/500〜1/50程度で
ある。蓄熱材の平均粒子径は、通常5〜50μm程度、好ま
しくは8〜30μm程度である。
【0025】潜熱蓄熱型吸着材は、蓄熱材と吸着材とが
均一になるまで混合された混合物であってもよく、成型
体であってもよい。成型体とする場合には、必要に応じ
て、バインダーを添加してもよい。潜熱蓄熱型吸着材中
においては、蓄熱材と吸着材とが接触している方が、伝
熱効率が高いので好ましい。例えば、成型体としたり、
バインダーを用いることなどによって強制的に両者を接
触させることができる。蓄熱材を所定の平均粒子径とし
た場合には、単に蓄熱材と吸着材とが均一になるまで混
合しただけであっても、蓄熱材が吸着材の表面に静電的
に吸着するので、伝熱効率が高い。
【0026】蓄熱材と吸着材の比率は、両者の性能に基
づいて当業者が適宜決定できる。蓄熱材の混合量は、特
に制限されないが、吸着材100重量部に対して、通常5〜
40重量部程度、好ましくは10〜30重量部程度である。第
1の吸着容器と第2の吸着容器における蓄熱材の混合量
は、特に制限されないが、第2の吸着容器における混合
量の方が、第1の吸着容器における混合量よりも多い方
が好ましい。
【0027】相変化物質をマイクロカプセル化する方法
は、特に制限されず、例えば、コアセルベーション法、
界面重合法、in-situ法(界面反応法)、酵母菌を用いる
方法などの公知の方法を用いることが可能である。いず
れの方法においても本発明の効果は、達成される。例え
ば、相変化物質(および必要に応じて高融点化合物)を懸
濁媒体中で乳化剤などを用いて乳化し、これに所望の樹
脂に対応する初期縮合物(プレポリマー)を添加した後、
昇温し、重合反応を進めることによって、樹脂壁を有し
相変化物質(および必要に応じて高融点化合物)を含有す
るマイクロカプセル分散液を調製することができる。マ
イクロカプセル化に用いる懸濁媒体、乳化剤などは、方
法、マイクロカプセル材料などに応じて公知のものを適
宜選択することができる。懸濁媒体としては、水が特に
好ましいが、例えばメタノール、エタノール、プロパノ
ールなどのアルコール;アセトンなどの水混和性の溶媒
も使用できる。マイクロカプセルの粒子径のコントロー
ルは、例えば、カプセル化する際の乳化剤の種類と濃
度、乳化時の温度および時間、乳化方法などの因子に応
じて適宜設定することができる。当業者は、これらの因
子について実験により最適な条件を設定するができる。
上述の方法などにより得られたマイクロカプセル分散液
と吸着材とを均一になるまで混合し、そのままの状態に
て押し出し等の成型を行い、成形体として潜熱蓄熱型吸
着材を得ることができる。また、マイクロカプセル分散
液と吸着材との混合物を乾燥させることにより、粉末状
の混合物として潜熱蓄熱型吸着材を得ることができる。
或いは、マイクロカプセル分散液を乾燥さることにより
得た粉末状のマイクロカプセルと吸着材とを均一になる
まで混合し、粉末の潜熱蓄熱型吸着材を製造してもよ
く、さらに、この混合物を成型することにより成型体と
してもよい。成型は、例えば、粉末状の蓄熱材と吸着材
とを混合後、圧縮成形などに供してもよく、または、必
要に応じてバインダーを添加した後に成型してもよい。
バインダーとしては、例えば、セルロース、フェノール
樹脂、ポリビニルアルコール、酢酸ビニルなどの一般に
使用されているバインダーを制限なく使用できる。
【0028】本発明の装置においては、第一の吸着容器
には、メタン以外の成分を吸着できる吸着材を使用し、
第二の吸着容器には、メタンを吸着できる吸着材を使用
する。
【0029】第一の吸着容器において用いる吸着材とし
て、例えば、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、有機金
属錯体などの多孔体などが例示される。有機金属錯体と
して、例えばフマル酸銅;1,4-トランス-シクロヘキサ
ンジカルボン酸銅;スチルベンジカルボン酸銅;テレフ
タル酸銅;ターフェニルジカルボン酸銅;ビフェニルジ
カルボン酸銅;トランジカルボン酸銅;シンナミックジ
カルボン酸銅;フマル酸銅またはテレフタル酸銅または
シンナミックジカルボン酸銅とトリエチルアミンとの3
次元錯体などを例示できる。これらの吸着材は、単独で
使用してもよく、或いは2種以上を併用してもよい。
【0030】第一の吸着容器において用いる多孔体の比
表面積は、できるだけ大きいことが好まく、通常約800m
2/g以上であり、好ましくは1000〜3000m2/g程度であ
る。第一の吸着容器において用いる多孔体の平均細孔径
は、通常7〜25Å程度であり、より好ましくは10〜20Å
程度である。第一の吸着容器において用いる多孔体の細
孔容積は、通常0.5〜2ml/g程度であり、好ましくは0.6
〜1.2ml/g程度である。第一の吸着容器において用いる
吸着材の平均粒子径は、特に制限されないが、通常0.1
〜4.75mm程度であり、好ましくは0.2〜2.8mm程度、より
好ましくは0.4〜2mm程度である。第一の吸着容器におい
て用いる吸着材の粒度分布は、特に制限されないが、93
重量%以上の粒子の粒子径が、平均粒子径を中心値とし
て、通常±2.5mm程度、好ましくは±2mm程度、より好ま
しくは±1.5mm程度の範囲に含まれる。
【0031】なお、本発明における多孔体の比表面積
は、BET法による測定値であり、平均細孔径は、mp法に
よる測定値であり、細孔容積は、窒素吸着データの相対
圧が0.99の値から算出した値である。
【0032】第二の吸着容器において用いる吸着材とし
て、例えば、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、有機金
属錯体などの多孔体などが例示できる。有機金属錯体と
して、例えば、フマル酸銅;1,4-トランス-シクロヘキ
サンジカルボン酸銅;スチルベンジカルボン酸銅;テレ
フタル酸銅;ターフェニルジカルボン酸銅;ビフェニル
ジカルボン酸銅;トランジカルボン酸銅;シンナミック
ジカルボン酸銅;フマル酸銅またはテレフタル酸銅また
はシンナミックジカルボン酸銅とトリエチルアミンとの
3次元錯体などを例示できる。これらの吸着材は、単独
で使用してもよく、或いは2種以上を併用してもよい。
【0033】第二の吸着容器において用いる多孔体の比
表面積としては、できるだけ大きいことが好ましく、通
常約400m2/g以上であり、好ましくは1000〜2500m2/g程
度である。第二の吸着容器において用いる多孔体の平均
細孔径は、通常4〜15Å程度であり、より好ましくは6〜
12Å程度である。第二の吸着容器において用いる多孔体
の細孔容積は、通常0.2〜2ml/g程度であり、好ましくは
0.4〜1.2ml/g程度である。第二の吸着容器において用い
る吸着材の平均粒子径は、特に制限されないが、通常0.
01〜4.75mm程度であり、好ましくは0.02〜2.8mm程度で
ある。
【0034】第一の吸着容器と第二の吸着容器において
用いる吸着材は、同一であってもよく、異なっていても
よい。第一の吸着容器に加熱手段を設けず、第一吸着容
器と第二吸着容器との間に背圧弁を設けない態様におい
ては、第一の吸着容器と第二の吸着容器とでは、異なる
種類の吸着材を用いるか、または同種であっても平均細
孔径の異なる多孔体を吸着材として用いるのが好まし
い。第一の吸着容器と第二の吸着容器とで同種の吸着材
を用いる場合および異種の吸着材を用いる場合のいずれ
の場合であっても、ともに多孔体を使用する場合には、
第一の吸着容器には、第二の吸着容器に充填する吸着材
よりも平均細孔径の大きい吸着材を用いるのが好まし
い。
【0035】本発明においては、必要に応じて、第一の
吸着容器および/または第二の吸着容器を複数個設置し
てもよい。第一の吸着容器および/または第二の吸着容
器を複数個設置する場合には、それぞれを並列に設置す
ることができる。例えば、図3に示すように、第二吸着
容器が並列に複数個接続され、第一吸着容器と第二吸着
容器が直列に接続された実施態様を例示することができ
る。
【0036】第一の吸着容器および第二の吸着容器にお
けるそれぞれの吸着材の使用量は、使用する吸着材の種
類(吸着能力)などを考慮して、適宜決定することができ
る。第一吸着容器と第二吸着容器において用いる吸着材
の体積の比は、特に制限されないが、通常1:10〜1:1
程度、好ましくは1:5〜1:1程度、より好ましくは1:3
〜1:1程度である。なお、第一または第二吸着容器を複
数個付設する場合は、全ての第一または第二吸着容器に
おける吸着材の体積の和とする。
【0037】本発明の貯蔵対象ガスには、付臭前の天然
ガスだけでなく、都市ガスとして使用するために既に付
臭された天然ガスも含まれる。貯蔵対象である天然ガス
が付臭前後のいずれであっても、必要に応じて、第一の
容器内の吸着材として、付臭剤を吸着させた吸着材を用
いることができる。
【0038】用いる付臭剤は、当該分野において都市ガ
スに臭気を与える付臭剤として通常用いられているもの
であれば特に制限されない。付臭剤として、例えば、ジ
メチルサルファイド(DMS)、t-ブチルメルカプタン(TB
M)、テトラハイドロチオフェン(THT)などのサルファー
系化合物などを例示することができる。
【0039】第一の吸着容器内の吸着材に吸着させる付
臭剤の量は、特に制限されないが、吸着材の重量に対し
て、通常0.001〜5%程度、好ましくは0.01〜1%程度で
ある。
【0040】以下図面を参照しつつ、本発明をさらに詳
細に説明する。図1および図2に、本発明による吸着式
貯蔵装置の一例を概略図として示す。本発明の装置は、
ガスの導入方向に順次第一の吸着容器および第二の吸着
容器を設ける。
【0041】図1では、ガス導入ラインとガス払い出し
ラインの一部が共通のラインとなっているが、図2に示
すように、ガス導入ラインとガス払い出しラインは、別
々に設けてもよい。
【0042】第一の吸着容器には、必要に応じて、メタ
ン以外の成分の脱着を促進するために、吸着材の加熱手
段としてヒーターなどを設けることができる。
【0043】本発明の装置は、必要に応じて、第一の吸
着容器と第二の吸着容器との間に第一の吸着容器の圧力
を調整できる背圧弁を設けても良い。例えば、図1に示
すように、ガス導入ラインの第一の吸着容器と第二の吸
着容器との間に背圧弁を設けることができる。
【0044】本発明の装置は、図2に示すように、必要
に応じて、第一の吸着容器よりも後流のガス払い出しラ
イン上に、第一の吸着容器の圧力を調整できる背圧弁を
有していても良い。
【0045】背圧弁を全く有しない態様の場合には、第
一の吸着容器と第二の吸着容器との間に、バルブ2を設
けておくことが好ましい。
【0046】第一の吸着容器および第二の吸着容器の形
状は、特に制限されず、同一であってもよく、相異なっ
ていてもよい。これらの容器の形状として、例えば、円
筒形、パイプ形、球形、角筒形などを例示することがで
きる。
【0047】第一の吸着容器および/または第二の吸着
容器は、必要に応じて、地中に埋設することができる。
【0048】本発明の装置などを用いることにより、メ
タン以外の成分を第一吸着容器において吸着させた後、
主にメタンからなる残りのガスを第二吸着容器において
吸着させることにより天然ガスを吸着貯蔵することがで
きる。以下、本発明の装置を用いた天然ガスの吸着貯蔵
方法の一例を詳述する。第一の吸着容器と第二の吸着容
器との間に背圧弁を設けた態様における吸着貯蔵方法に
ついて、図1を参照しながら述べる。
【0049】まず、導入された天然ガスは、ガス導入ラ
インおよびバルブ1を経て、第一の吸着容器内に導入さ
れる。この時点では、第一の吸着容器と第二の吸着容器
との間に必要に応じて設けられた背圧弁に付属するバル
ブ2は、閉じられている。背圧弁は、所定圧に設定され
ており、第一の吸着容器内の圧力が所定圧に達すると背
圧弁に付属するバルブ2が開き、第一吸着容器内を所定
圧に保持しながら、メタン以外の成分がある程度吸着さ
れた天然ガスが、第二の吸着容器に導入される。天然ガ
スを導入する場合の第一の吸着容器と第二の吸着容器と
の間に設けられた背圧弁の設定圧力は、第一の吸着容器
の貯蔵圧に応じて適宜設定することができ、通常貯蔵圧
力の1/2〜貯蔵圧力程度、好ましくは貯蔵圧力程度であ
る。貯蔵圧力は、貯蔵容器の能力に応じて適宜設定する
ことができるが、通常0.1〜7MPa程度、好ましくは0.1〜
4MPa程度、より好ましくは0.1〜3.5MPa程度である。
【0050】第一の吸着容器内の吸着材への吸着時の温
度および圧力は、特に制限されない。潜熱蓄熱型吸着材
を充填せずに、吸着材のみを充填する場合の第一吸着容
器内の温度は、吸着熱により上昇するので、通常-20℃
〜100℃程度であり、常温において吸着可能である。潜
熱蓄熱型吸着材を用いる場合には、第一の吸着容器内の
温度の上限は、蓄熱材に封入された相変化物質が相変化
する温度程度となる。圧力は、通常約0.1MPa以上、好ま
しくは0.1〜4MPa程度、より好ましくは0.1〜3.4MPa程度
である。
【0051】第二の吸着容器内の吸着材への吸着時の温
度および圧力は、特に制限されない。潜熱蓄熱型吸着材
を充填せずに、吸着材のみを充填する場合の第一吸着容
器内の温度は、吸着熱により上昇するので、通常-20℃
〜100℃程度であり、常温において吸着可能である。潜
熱蓄熱型吸着材を用いる場合には、第二の吸着容器内の
温度の上限は、蓄熱材に封入された相変化物質が相変化
する温度程度となる。圧力は、通常約0.1MPa以上、好ま
しくは0.1〜4MPa程度、より好ましくは0.1〜3.4MPa程度
である。
【0052】第二の吸着容器への天然ガス吸着が終了し
た時点で、バルブ1およびバルブ2を閉じ、天然ガスを
そのまま貯蔵する。
【0053】天然ガスの脱着操作時は、バルブ2を閉じ
たままバルブ3を開き、必要に応じて第一の吸着容器内
に充填した吸着材または潜熱蓄熱型吸着材をヒーターに
より加熱して、第一の吸着容器に吸着されているガスの
脱着を行い、ガス払い出しラインから天然ガスよりメタ
ン濃度が低いガスを系外に放出する。
【0054】次いで、バルブ2を開いて、第二の吸着容
器内に充填した潜熱蓄熱型吸着材に吸着されたメタンを
主成分とするガスを脱着させ、バルブ2、第一の吸着容
器およびバルブ3を経て、ガス払い出しラインから天然
ガスを所定の用途に供する。脱着操作に際しては、必要
に応じて第一の吸着容器よりも後流のガス払い出しライ
ン上に設けられた背圧弁による圧力設定により、第一の
吸着容器内の圧力を一定に保ちながら、第二の吸着容器
内のガスの脱着を行うことが好ましい。第一の吸着容器
よりも後流のガス払い出しライン上に設けた背圧弁の圧
力は、ガス払い出し時には、好ましくは0.1MPa〜払い出
し後の貯蔵圧力程度、より好ましくは0.1〜0.2MPa程度
に設定する。
【0055】第一の吸着容器にヒーターを付設していな
い場合は、バルブ2を閉じたままバルブ3を開き、第一
の吸着容器に吸着されているガスを脱着させる。この
時、第一の吸着容器の開口部に近い空間部に充填された
吸着材(または潜熱蓄熱型吸着材)により高濃度に吸着さ
れたメタン以外の成分ガスの一部が脱着される。
【0056】次いで、バルブ2を開き、必要に応じて設
けられた背圧弁による圧力設定により、第一の吸着容器
内の圧力を一定に保ちながら、第二の吸着容器内に吸着
されているガスがバルブ2、第一の吸着容器およびバル
ブ3を経て、ガス払い出しラインから天然ガスが払い出
され、所定の用途に用いることができる。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、主にメタンと、主にメ
タン以外の成分ガスとをそれぞれ個別の容器内に収容さ
れた吸着材に吸着させることにより、天然ガス中のエタ
ン、プロパン、ブタン等の重質分の分離吸着および脱着
を容易に行うことができる。このため、天然ガスの吸脱
着操作を繰り返しても、高い貯蔵性能を長期間維持する
ことができ、定常状態での天然ガス貯蔵性能が大幅に向
上する。
【0058】第一の吸着容器を設置することにより、天
然ガス以外の不純物の除去を行うことができる。不純物
の固定吸着のために、吸着性能が低下した場合には、第
一の吸着容器内の吸着材のみを入れ替えることにより、
吸着貯蔵装置の吸着性能の回復を容易に行うことができ
る。
【0059】さらに、本発明によれば、貯蔵装置の天然
ガス貯蔵性能を改善することができるので、貯蔵装置全
体を小型化し得るとともに、天然ガスの貯蔵効率を高め
ることができる。その結果、敷地面積が狭くとも多量の
天然ガスを貯蔵することができるので、天然ガス貯蔵設
備全体のコストを低減することが可能である。
【0060】また、本発明によれば、吸着材がガスを吸
着する時に生じる熱を効率よく貯蔵できる。吸着材の温
度が高くなり過ぎないので、吸着材の性能を高く保つこ
とができる。貯蔵した吸着熱は、脱着時の吸着材の温度
低下を抑制するために利用することができるので、吸着
材の払い出し能を高く保つことができる。
【0061】更に、蓄熱材の粒度を所定の値とした場合
には、ガス吸着時の吸着材の温度上昇をより抑制するこ
とができ、貯蔵性能を更に向上することができる。ま
た、吸着材と蓄熱材の分級が起こらないので、吸着時の
温度上昇を長期間にわたって抑制することができる。
【0062】第一の容器と第二の容器との間に背圧弁を
設けた場合には、天然ガス導入時において、第一の吸着
容器内の圧力が設定圧力に達するまで背圧弁のバルブ2
を閉じることにより、第一の吸着容器の圧力を制御する
ことができる。このような制御を行うことにより、第一
の吸着容器におけるメタン以外の成分の吸着性能が向上
し、第二の吸着容器へのメタン以外の成分の流出を防止
することができる。
【0063】第一の吸着容器よりも後流のガス払い出し
ライン上に背圧弁を設けた場合には、ガス脱着時におい
て、第一の吸着容器の圧力を低圧に保つことができる。
これにより、第一の吸着容器に吸着されているメタン以
外の成分の脱着を促進することができる。
【0064】従って、背圧弁を設けることにより、より
一層、高い貯蔵性能を長期間維持することができ、定常
状態での天然ガス貯蔵性能を大幅に向上することができ
る。
【0065】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明の
特徴とすることをより一層明らかにする。本発明は、以
下の実施例に制限されるものではない。
【0066】なお、実施例および比較例において用いた
天然ガスの成分は、メタン87.99%、エタン6.46%、プ
ロパン3.07%、n-ブタン1.50%およびi-ブタン0.98%で
あった。
【0067】製造例1:蓄熱材の製造 in-situ法を用いて相変化物質をマイクロカプセル中に
封入した。メラミン粉末5gに37%ホルムアルデヒド
水溶液6.5gと水10gを加え、pHを8に調整した
後、約70℃まで加熱し、メラミン−ホルムアルデヒド
初期縮合物水溶液を得た。pHを4.5に調整したスチレン
無水酸共重合体のナトリウム塩水溶液100g中に、相
変化物質であるn-オクタデカン70gを激しく撹拌しな
がら添加し、オクタデカンの粒子径が約10μmになる
まで乳化を行った。上記乳化液に上記メラミンーホルム
アルデヒド初期縮合水溶液全量を添加し、70℃で2時
間撹拌を行った後、pHを9に調整し、カプセル化を行っ
た。反応終了後、カプセルを吸引ろ過し、乾燥すること
により約15μmの平均粒子径を有するカプセル型蓄熱
材を得た。
【0068】実施例1:「二塔式容器で第一の吸着容器
に活性炭、第二の吸着容器に活性炭と蓄熱材からなる潜
熱蓄熱型吸着材を充填する場合」 吸着貯蔵装置として、図1に示す装置を用いた。第一の
吸着容器(300cm3)には、吸着材として、比表面積1555m2
/g、細孔容積0.91ml/g、平均細孔径14Åおよび粒子径0.
21〜2.36mm(平均粒子径:1.53mm)の破砕石炭系活性炭
(吸着材A)を充填した。第二の吸着容器(300cm3)には、
比表面積1380m2/g、細孔容積0.71ml/g、平均細孔径9
Å、粒子径0.2mm〜3.0mmの(平均粒子径:1.1mm)椰子殻
活性炭(吸着材B)と製造例1において得られた蓄熱材と
を混合することにより得られた潜熱蓄熱型吸着材を充填
した。粉末状の蓄熱材と活性炭とは、均一になるまで混
合した後、乾燥した。蓄熱材は、活性炭の表面に分散
し、静電的に吸着した。蓄熱材と活性炭との混合比は、
活性炭に対して蓄熱材の量が15重量%とした。
【0069】それぞれの容器を室温にて真空乾燥し、背
圧弁の設定圧力を0.7MPaとした後、天然ガスを容器に導
入した。まず、第一の吸着容器内の圧力が0.7MPaとなる
まで天然ガスを容器に吸着貯蔵し、次いで第一の吸着容
器内の圧力を0.7MPaに維持しながら、第二の吸着容器内
の圧力が0.7MPaになるまでガスを導入した。
【0070】吸着貯蔵後は、バルブ2を閉めたまま排気
側のバルブ3を開放し、第一の吸着容器内の圧力が0.2M
Paになるまで脱着を行った。次に、第一の吸着容器内の
圧力を0.2MPaに維持しながら第二の吸着容器内のガスを
圧力が0.2MPaになるまで脱着した。この際、第一の吸着
容器および第二の吸着容器のそれぞれに対して流量計を
用いて脱着量を測定した。これらの吸脱着操作を繰り返
し行い、繰り返し性能評価を行った。結果を図4に示
す。なお、縦軸のANG/CNGは、実施例1と同じ容積(600c
m3)の圧力容器を有する一塔式吸着貯蔵装置を使用し、
吸着材を使用せずに、実施例1と同じ条件において天然
ガスを圧縮貯蔵した場合に対する貯蔵倍率を示す。
【0071】実施例2 第一吸着断熱容器に、吸着材Aと製造例1において得ら
れた潜熱蓄熱型吸着材を充填した以外は、実施例1と同
様にして吸脱着操作を繰り返し行った。その結果を図4
に示す。潜熱蓄熱型吸着材における蓄熱材と活性炭との
混合比は、活性炭に対して蓄熱材の量が15重量%とし
た。
【0072】参考例1 第一吸着断熱容器に吸着材Aを充填し、第二吸着断熱容
器にBを充填した以外は、実施例1と同様にして吸脱着
操作を繰り返し行った。その結果を図4に示す。
【0073】図4から明らかなように、第二の吸着容
器、或いは第一および第二吸着容器に蓄熱材を充填した
場合の方が、蓄熱材を使用しない場合よりも貯蔵性能が
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による天然ガス吸着式貯蔵装置とその操
作方法の一例を示す模式図である。
【図2】本発明による天然ガス吸着式貯蔵装置とその操
作方法の別の一例を示す模式図である。
【図3】本発明による天然ガス吸着式貯蔵装置とその操
作方法の一例として、第二吸着容器が並列に5基接続さ
れ、第一吸着容器と第二吸着容器が直列に接続された実
施態様の概要を示す模式図である。
【図4】実施例1〜2および比較例1における繰り返し
天然ガス貯蔵性能の測定結果を示す図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧力容器に充填した吸着材により天然ガス
    を吸着する圧力容器を有する吸着式貯蔵装置において、
    (1)主にメタン以外の成分を吸着するための第一の吸着
    容器と主にメタンからなる残りのガスを吸着するための
    第二の吸着容器とを天然ガスの導入方向に順次設け、且
    つ(2)第一の吸着容器および/または第二の吸着容器に、
    温度変化に応じて潜熱の吸収および放出を生じる相変化
    物質をマイクロカプセル中に封入した蓄熱材と吸着材か
    らなる潜熱蓄熱型吸着材を充填することを特徴とする天
    然ガス吸着式貯蔵装置。
  2. 【請求項2】第一および/または第二の吸着容器におい
    て用いる吸着材が、ともに多孔体であって、第一の吸着
    容器において用いる吸着材の平均細孔径が7Å〜25Åで
    あり、第二の吸着容器において用いる吸着材の平均細孔
    径が4Å〜15Åであることを特徴とする請求項1に記載
    の天然ガス吸着式貯蔵装置。
  3. 【請求項3】第一の吸着容器と第二の吸着容器との間お
    よび/または第一の吸着容器よりも後流のガス払い出し
    ライン上に背圧弁を設けたことを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の天然ガス吸着式貯蔵装置。
  4. 【請求項4】第一および/または第二の吸着容器におい
    て用いる吸着材が、活性炭、ゼオライト、シリカゲルお
    よび有機金属錯体からなる群から選択される少なくとも
    1種である請求項1〜3のいずれかに記載の天然ガス吸
    着式貯蔵装置。
  5. 【請求項5】第二の吸着容器が、並列に接続された複数
    個の容器からなり、第一の吸着容器と第二の吸着容器と
    が直列に接続されている請求項1〜4のいずれかに記載
    の天然ガス吸着式貯蔵装置。
  6. 【請求項6】第一の吸着容器において用いる吸着材の平
    均粒子径が、0.1〜4.75mmであり、第二の吸着容器にお
    いて用いる吸着材の平均粒子径が、0.01〜4.75mmである
    請求項1〜5のいずれかに記載の天然ガス吸着式貯蔵装
    置。
  7. 【請求項7】第一の吸着容器において用いる吸着材の93
    重量%以上の粒子の粒子径が、平均粒子径を中心値とし
    て±2.5mmの範囲に含まれる請求項1〜6のいずれかに
    記載の天然ガス吸着式貯蔵装置。
  8. 【請求項8】蓄熱材の平均粒子径が、吸着材の平均粒子
    径の1/1000〜1/10である請求項1〜7のいずれかに記載
    の天然ガス吸着式貯蔵装置。
  9. 【請求項9】蓄熱材の平均粒子径が、5〜50μmである請
    求項1〜8のいずれかに記載の天然ガス吸着式貯蔵装
    置。
  10. 【請求項10】圧力容器に充填した吸着材に天然ガスを
    吸着させて貯蔵する方法において、(1)主にメタン以外
    の成分を第一の吸着容器において吸着させた後、主にメ
    タンからなる残りのガスを第二の吸着容器において吸着
    させ、(2) 第一の吸着容器および/または第二の吸着容
    器に、温度変化に応じて潜熱の吸収および放出を生じる
    相変化物質をマイクロカプセル中に封入した蓄熱材と吸
    着材からなる潜熱蓄熱型吸着材を充填することを特徴と
    する天然ガスの吸着貯蔵方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005097530A (ja) * 2003-09-04 2005-04-14 Mitsubishi Chemicals Corp 蓄熱材
JP2008240835A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Tokyo Gas Co Ltd ガスを吸着材を用いて回収し、再利用する方法及びシステム
JP2017048866A (ja) * 2015-09-02 2017-03-09 株式会社豊田中央研究所 ガス貯蔵装置
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