JP2003314796A - 消化ガスの吸着式貯蔵装置および吸着式貯蔵方法 - Google Patents

消化ガスの吸着式貯蔵装置および吸着式貯蔵方法

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JP2003314796A
JP2003314796A JP2003036403A JP2003036403A JP2003314796A JP 2003314796 A JP2003314796 A JP 2003314796A JP 2003036403 A JP2003036403 A JP 2003036403A JP 2003036403 A JP2003036403 A JP 2003036403A JP 2003314796 A JP2003314796 A JP 2003314796A
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JP
Japan
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adsorbent
gas
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latent heat
storing
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JP2003036403A
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English (en)
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Kenji Seki
建司 関
Yoshiaki Yagi
良晃 八木
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 消化ガスの吸脱着を繰返し行った場合にも吸
脱着熱による吸着材の性能低下を抑制でき、消化ガスを
有効利用する技術を提供する。 【解決手段】 温度変化に応じて潜熱の吸収および放出
を生じる相変化物質をマイクロカプセル中に封入した蓄
熱材と吸着材からなる潜熱蓄熱型吸着材に、生物学的処
理に際し発生する消化ガスを吸着貯蔵することを特徴と
する消化ガスの貯蔵方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水処理場、ビー
ル製造工場、家畜・家禽類(牛、豚、鶏など)の飼育場
での廃棄物処理場などにおける生物学的処理に際し発生
する消化ガスを効率的に回収/貯蔵する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からも、上述の生物学的処理を大規
模に行う処理施設では、発生ガスを常圧あるいは加圧下
にガスホルダーに貯蔵し、必要に応じて発電用あるいは
加熱用の原料として使用することが、行われている。し
かしながら、従来の貯蔵方法においては、貯蔵密度が低
いので、大規模なガスホルダーが必要となり、そのため
の十分な設置スペースが得られない場合には、発生ガス
の一部をそのまま燃焼放散させている。また、小規模処
理施設では、発生ガスの殆どを有効に利用することな
く、そのまま燃焼放散している。
【0003】このような問題を解決するために、吸着材
に消化ガスを吸着させて貯蔵する消化ガスの貯蔵方法が
知られている(例えば、非特許文献1参照。)。この方
法により消化ガスの吸脱着を行うと、吸着時に発生する
熱(吸着熱)によって吸着材が加熱され、吸着材の性能
が低下する。一方、ガス脱着時には吸熱(脱着熱)が生
じ吸着材が冷却され、ガスの払い出し量が低下する。
【0004】
【非特許文献1】江藤隆、外4名、「消化ガス吸着貯蔵
技術に関する実用化研究」、地球環境シンポジウム講演
集、2001年、p.279−284
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、消
化ガスの吸脱着を繰返し行った場合にも吸脱着熱による
吸着材の性能低下を抑制でき、消化ガスを有効利用する
技術を提供することを主な目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な技術の現状に留意しつつ、研究を重ねた結果、潜熱蓄
熱型吸着材を使用する場合には、消化ガスを効率よく貯
蔵することが可能となり、生物学的処理設備の規模に関
係なく、消化ガス中の有用成分をほぼ全量利用し得るこ
とを見出した。すなわち、本発明は、下記の消化ガスの
貯蔵方法および消化ガスの貯蔵装置を提供するものであ
る。 項1. 温度変化に応じて潜熱の吸収および放出を生じ
る相変化物質をマイクロカプセル中に封入した蓄熱材と
吸着材からなる潜熱蓄熱型吸着材に、生物学的処理に際
し発生する消化ガスを吸着貯蔵することを特徴とする消
化ガスの貯蔵方法。 項2. 生物学的処理に際し発生する消化ガスから硫化
水素を分離した後の、主成分がメタンと二酸化炭素であ
る混合ガスを吸着貯蔵することを特徴とする項1に記載
の消化ガスの貯蔵方法。 項3. 生物学的処理に際し発生する消化ガスから硫化
水素と水分を分離した後の、主成分がメタンと二酸化炭
素である混合ガスを吸着貯蔵することを特徴とする項1
に記載の消化ガスの貯蔵方法。 項4. 生物学的処理に際し発生する消化ガスから硫化
水素、水分および二酸化炭素を分離した後の、主成分が
メタンであるガスを吸着貯蔵することを特徴とする項1
に記載の消化ガスの貯蔵方法。 項5. 吸着材が、活性炭、ゼオライト、シリカゲルお
よび有機金属錯体の少なくとも1種である項1〜4のい
ずれかに記載の消化ガスの貯蔵方法。 項6. 吸着材が、比表面積が500〜2400m2
gで細孔容積が0.2〜1.5cm3/gの活性炭であ
る項1〜5のいずれかに記載の消化ガスの貯蔵方法。 項7. 吸着材が、平均細孔径が5〜20Åの活性炭で
ある項1〜6のいずれかに記載の消化ガスの貯蔵方法。 項8. 蓄熱材の平均粒子径が、吸着材の平均粒子径の
1/1000〜1/10である項1〜7のいずれかに記
載の消化ガスの貯蔵方法。 項9. 蓄熱材の平均粒子径が、5〜100μmである
項1〜8のいずれかに記載の消化ガスの貯蔵方法。 項10. 潜熱蓄熱型吸着材が、吸着材粒子の表面に該
吸着材よりも小さな粒子径の蓄熱材が付着してなるもの
である項1〜9のいずれかに記載の消化ガスの貯蔵方
法。 項11. 生物学的処理に際し発生する消化ガスから硫
化水素または硫化水素と水分を分離する手段、および、
分離した後の主成分がメタンと二酸化炭素である混合ガ
スを吸着貯蔵する手段を有する消化ガスの貯蔵装置であ
って、該吸着貯蔵手段に、温度変化に応じて潜熱の吸収
および放出を生じる相変化物質をマイクロカプセル中に
封入した蓄熱材と吸着材からなる潜熱蓄熱型吸着材が充
填されてなることを特徴とする消化ガスの貯蔵装置。 項12. 生物学的処理に際し発生する消化ガスから硫
化水素、水分および二酸化炭素を分離する手段、ならび
に、分離した後の主成分がメタンであるガスを吸着貯蔵
する手段を有する消化ガスの貯蔵装置であって、該吸着
貯蔵手段に、温度変化に応じて潜熱の吸収および放出を
生じる相変化物質をマイクロカプセル中に封入した蓄熱
材と吸着材からなる潜熱蓄熱型吸着材が充填されてなる
ことを特徴とする消化ガスの貯蔵装置。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明においては、温度変化に応
じて潜熱の吸収および放出を生じる相変化物質をマイク
ロカプセル中に封入した蓄熱材と吸着材からなる潜熱蓄
熱型吸着材を充填したタンク内に、生物学的処理に際し
発生する消化ガスを吸着貯蔵する。
【0008】吸着貯蔵するガスとしては、(A)消化槽
から発生した消化ガスをそのまま用いてもよいし、
(B)消化ガスから硫化水素を分離した後の、主成分が
メタンと二酸化炭素である混合ガスでもよいし、(C)
消化ガスから硫化水素と水分を分離した後の、主成分が
メタンと二酸化炭素である混合ガスでもよいし、(D)
消化ガスから硫化水素、水分および二酸化炭素を分離し
た後の、主成分がメタンであるガスでもよい。
【0009】消化ガスから硫化水素を分離するには、例
えば、消化ガスを脱硫用の吸着材が充填されている吸着
塔(分離手段)に通し、硫化水素を吸着・除去すればよ
い。吸着材としては、従来から脱硫剤として使用されて
いる活性炭、ゼオライト、金属酸化物(酸化銅、酸化亜
鉛など)が例示される。吸着時の温度および圧力は、消
化ガス発生状態そのままでも良く、特に制限されない
が、温度は、好ましくは常温〜100℃程度(より好ま
しくは常温〜60℃程度)であり、圧力は、好ましくは
常圧〜1MPaG程度である。脱硫操作は、バッチ方式
で行っても良く、或いは2塔以上を使用して、脱硫操作
と脱硫剤の再生操作とを交互に行う連続再生処理方式で
行っても良い。脱硫用吸着材の再生は、吸着塔に加熱水
蒸気を吹き込んで、硫化水素を分離することにより行わ
れる。
【0010】消化ガスから硫化水素と水分を分離するに
は、例えば、上記と同様にして消化ガスから硫化水素を
吸着・除去するとともに、ゼオライトなどの吸着材によ
る吸着除去法や膜分離法などの従来法により水分を除去
すればよい。
【0011】消化ガスから硫化水素、水分および二酸化
炭素を分離するには、例えば、上記と同様にして消化ガ
スから硫化水素と水分を除去するとともに、活性炭、ゼ
オライトなどの吸着材による吸着除去法や膜分離法など
の従来法により二酸化炭素を除去すればよい。
【0012】上記のようにして得られた主成分がメタン
と二酸化炭素である混合ガスまたは主成分がメタンであ
るガスを、貯蔵タンク(吸着貯蔵手段)内に充填された
潜熱蓄熱型吸着材に吸着させ、貯蔵することができる。
ガス吸着時の温度および圧力は、ガス収得時そのままの
温度および圧力でも良く、特に制限されないが、温度
は、好ましくは常温〜100℃程度(より好ましくは常
温〜60℃程度)であり、圧力は、好ましくは常圧以上
(より好ましくは常圧〜3.4MPaG程度)である。
貯蔵圧力を高める必要がある場合には、コンプレッサー
によりガスを昇圧した後、吸着し、貯蔵する。
【0013】潜熱蓄熱型吸着材を構成する蓄熱材に封入
する相変化物質は、相変化に伴って潜熱の吸収および放
出を生じる化合物であれば、特に制限されない。相変化
として、例えば、固体−液体間の相変化などを例示する
ことができる。相変化物質が相変化を生じる温度(例え
ば融点、凝固点など)は、適宜選択することができる
が、通常−150〜100℃程度である。相変化物質と
して、例えば、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデ
カン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイ
コサン、ヘンイコサン、ドコサンなどの直鎖の脂肪族炭
化水素;天然ワックス;石油ワックス;LiNO3・3
2O、Na2SO4・10H2O、Na2HPO4・12H
2Oなどの無機化合物の水和物などを好ましく例示でき
る。相変化物質は、1種を単独で用いてもよいが、2種
類以上を併用しても良い。2種以上の相変化物質を併用
することにより、相変化物質の過冷却現象を防止するこ
とができる。2種以上の相変化物質を併用する場合、相
変化を生じる温度の差が、5〜100℃程度となるよう
な組合せが好ましく、上記温度差が10〜80℃程度と
なるような組合せが、より好ましい。3種以上の相変化
物質を併用する場合には、相変化を生じる温度の最大温
度差(最も高い相変化温度と最も低い相変化温度との
差)が上記範囲となるようにすればよい。
【0014】必要に応じて、相変化物質が相変化を生じ
る温度より高い融点の化合物(高融点化合物)を、相変
化物質と共にマイクロカプセルに封入しても良い。高融
点化合物を併用することにより、相変化物質の過冷却現
象を防止することができる。高融点化合物は、マイクロ
カプセルの壁となる材料と反応したり、前記材料に溶解
しない限り特に制限されない。高融点化合物として、例
えば、融点(2種以上を併用する場合には各化合物の融
点)が、相変化物質が相変化を生じる温度(2種以上を
併用する場合には各物質の相変化温度)よりも通常5〜
100℃程度、好ましくは10〜80℃程度高い化合物
を例示できる。高融点化合物として、例えば、芳香族化
合物、エステル類、カルボン酸類、アルコール類、アマ
イド類などを例示できる。高融点化合物は、1種を単独
で用いてもよく、2種類以上を組み合わせてもよい。例
えば、ヒマシ油などの混合物でもよい。
【0015】芳香族化合物としては、例えば、ハロゲン
置換ベンゼン、ナフタレンなどを例示できる。ハロゲン
置換ベンゼンとしては、例えば、ジブロモベンゼン、ジ
クロロベンゼンなどのジハロゲン化ベンゼンを例示でき
る。
【0016】エステル類としては、例えば、メチルステ
アリン酸、メチルエイコサン酸などのモノアルコールの
脂肪酸エステル、リノール酸グリセリドなどのグリセリ
ンの脂肪酸エステルを例示できる。
【0017】カルボン酸類としては、例えば、ミリスチ
ン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、
ステアリン酸、ノナデシル酸、エイコサン酸、ヘンイコ
サン酸、ベヘン酸などの脂肪族カルボン酸;安息香酸な
どの芳香族カルボン酸などを例示することができる。
【0018】アルコール類としては、例えば、セチルア
ルコール、ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、
ノナデカノール、エイコサノールなどのモノアルコール
を例示することができる。
【0019】アマイド類としては、例えば、エイコサン
酸アマイド、ノナデシル酸アマイド、ステアリン酸アマ
イド、オレイン酸アマイドなどの脂肪酸アマイドを例示
することができる。
【0020】具体的には、例えば相変化物質としてテト
ラデカンを用いた場合は、セチルアルコール、ステアリ
ルアルコール、エイコサノール、ミリスチン酸、ベヘン
酸、ステアリル酸アマイド、オレイン酸アマイド等が挙
げられる。
【0021】高融点化合物の含有量は、相変化物質10
0重量部に対して、通常0.5〜30重量部程度であ
り、好ましくは1〜15重量部程度である。
【0022】マイクロカプセルの材料は、公知の材料を
使用することができ、例えば、樹脂などの高分子化合物
を例示することができる。高分子化合物としては、例え
ば、ホルムアルデヒド−尿素樹脂、尿素樹脂、尿素−ホ
ルムアルデヒド−ポリアクリル酸共重合体、複素環状ア
ミン−アルデヒド共重合体、ポリスチレン、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリアクリルニトリル、ポリエチレン、ポリブチ
ルメタクリレート、ゼラチンなどを例示することができ
る。
【0023】マイクロカプセルの材料と相変化物質との
重量比(マイクロカプセル:相変化物質)は、特に制限
されないが、通常40:60〜5:95程度、好ましく
は30:70〜10:90程度である。高融点化合物と
相変化物質とを併用する場合には、高融点化合物と相変
化物質の合計重量が、マイクロカプセルの材料の重量に
対して上記範囲となるように設定することができる。
【0024】相変化物質をマイクロカプセル化する方法
は、特に制限されず、例えば、コアセルベーション法、
界面重合法、in−situ法(界面反応法)、酵母菌
を用いる方法などの公知の方法を用いることが可能であ
る。いずれの方法においても本発明の効果は、達成され
る。例えば、相変化物質(および必要に応じて高融点化
合物)を懸濁(分散)媒体中で乳化剤などを用いて乳化
し、これに所望の樹脂に対応する初期縮合物(プレポリ
マー)を添加した後、昇温し、重合反応を進めることに
よって、樹脂壁を有し相変化物質(および必要に応じて
高融点化合物)を含有するマイクロカプセル懸濁液(分
散液)を調製することができる。マイクロカプセル化に
用いる懸濁媒体、乳化剤などは、方法、マイクロカプセ
ル材料などに応じて公知のものを適宜選択することがで
きる。懸濁(分散)媒体としては、水が特に好ましい
が、例えばメタノール、エタノール、プロパノールなど
のアルコール;アセトンなどの水混和性の溶媒も使用で
きる。マイクロカプセルの粒子径のコントロールは、例
えば、カプセル化する際の乳化剤の種類と濃度、乳化時
の温度および時間、乳化方法などの因子に応じて適宜設
定することができる。当業者は、これらの因子について
実験により最適な条件を設定することができる。
【0025】潜熱蓄熱型吸着材を構成する吸着材として
は、例えば、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、有機金
属錯体などの多孔体などが例示される。有機金属錯体と
して、例えば、フマル酸銅;1,4−トランス−シクロ
ヘキサンジカルボン酸銅;スチルベンジカルボン酸銅;
テレフタル酸銅;ターフェニルジカルボン酸銅;ビフェ
ニルジカルボン酸銅;トランジカルボン酸銅;シンナミ
ックジカルボン酸銅;フマル酸銅またはテレフタル酸銅
またはシンナミックジカルボン酸銅とトリエチルアミン
との3次元錯体などを例示できる。これらの吸着材は、
単独で使用してもよく、或いは2種以上を併用してもよ
い。
【0026】吸着材として活性炭、ゼオライト或いはシ
リカゲルを使用する場合には、比表面積が500〜24
00m2/gのものが好ましく、600〜1800m2
gのものがより好ましい。500m2/g未満のもので
あると、単位重量当たりの吸着量が小さくなる傾向があ
る。また、2400m2/gを超えるものであると、充
填密度が低くなり、単位体積当たりの吸着量が小さくな
る傾向がある。また、細孔容積に関しても同じ理由か
ら、0.2〜1.5cm3/gのものが好ましく、0.
3〜1.0cm3/gのものがより好ましい。平均細孔
径に関しては、5〜20Åのものが好ましく、7〜15
Åのものがより好ましい。5Å未満のものであると、二
酸化炭素が脱着し難く、吸脱着を繰り返した後の性能低
下が大きくなる傾向がある。また、20Åを超えるもの
であると、メタンの吸着量が非常に小さくなる傾向があ
る。
【0027】吸着材としては、一定範囲の粒径のものを
単独で使用しても良いし、異なる範囲の粒径のものを組
み合わせて使用しても良い。粒径については特に制限さ
れるものではなく、好ましくは0.01〜5mmであ
る。
【0028】相変化物質および必要に応じて高融点化合
物を封入した蓄熱材(マイクロカプセル)の平均粒子径
は、特に制限されないが、好ましくは吸着材の平均粒子
径の1/1000〜1/10程度であり、より好ましく
は1/500〜1/50程度である。蓄熱材の平均粒子
径は、好ましくは5〜100μm程度であり、より好ま
しくは8〜50μm程度である。
【0029】蓄熱材と吸着材の比率は、両者の性能に基
づいて当業者が適宜決定できる。蓄熱材の混合量は、特
に制限されないが、吸着材100重量部に対して、好ま
しくは5〜40重量部程度、より好ましくは10〜30
重量部程度である。
【0030】潜熱蓄熱型吸着材は、蓄熱材と吸着材とが
均一になるまで混合された混合物であってもよく、成形
体であってもよい。成形体とする場合には、必要に応じ
て、バインダーを添加してもよい。潜熱蓄熱型吸着材に
おいては、蓄熱材と吸着材とが接触している方が、伝熱
効率が高いので好ましい。例えば、成形体としたり、バ
インダーを用いることなどによって強制的に両者を接触
させることができる。
【0031】蓄熱材の平均粒子径を上述のようにコント
ロールした場合には、単に蓄熱材と吸着材を均一になる
まで混合しただけであっても、吸着材よりも小さな粒子
径の蓄熱材が吸着材の表面に静電的に付着(吸着)する
ので、伝熱効率が高い。また、蓄熱材と吸着材の分級
(分離)が抑制されるので、吸着時の温度上昇を長期間
にわたって抑制することができる。さらに、潜熱蓄熱型
吸着材における蓄熱材と吸着材の充填密度が高くなる。
【0032】潜熱蓄熱型吸着材を製造するには、例え
ば、上述の方法などにより得られたマイクロカプセル懸
濁液(分散液)と吸着材とを均一になるまで混合し、そ
の混合物を乾燥させることにより、粉末状の混合物とし
て潜熱蓄熱型吸着材を得ることができる。或いは、マイ
クロカプセル懸濁液(分散液)を乾燥させることにより
得た粉末状のマイクロカプセル(蓄熱材)と吸着材とを
均一になるまで混合し、粉末の潜熱蓄熱型吸着材を製造
してもよい。
【0033】さらに、この混合物を成形することにより
潜熱蓄熱型吸着材成形体としてもよい。成形は、例え
ば、粉末状の蓄熱材と吸着材とを混合した後、圧縮成形
などに供してもよく、または、必要に応じてバインダー
を添加した後に成形してもよい。また、マイクロカプセ
ル懸濁液(分散液)と吸着材とを(必要に応じてバイン
ダーを添加して)均一になるまで混合し、そのままの状
態にて押し出し等の成形を行ってもよい。バインダーと
しては、例えば、セルロース、フェノール樹脂、ポリビ
ニルアルコール、酢酸ビニルなどの一般に使用されてい
るバインダーを制限なく使用できる。
【0034】本発明においては、貯蔵タンク(吸着貯蔵
手段)内に充填された潜熱蓄熱型吸着材に、消化ガスを
吸着させて貯蔵する。この際、貯蔵タンク内の温度の上
限は、蓄熱材に封入された相変化物質が相変化する温度
程度となる。すなわち、吸着材が消化ガスを吸着する時
に生じる熱を蓄熱材が効率よく貯蔵でき、吸着材の温度
が高くなり過ぎないので、吸着材の性能を高く保つこと
ができる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、潜熱蓄熱型吸着材を充
填したガスホルダーを使用して、消化ガスを貯蔵するこ
とにより、ガスホルダーを小型化し、貯蔵施設の設備コ
ストを低減させることができる。
【0036】また、本発明によれば、吸着材が消化ガス
を吸着する時に生じる熱を蓄熱材が効率よく貯蔵でき、
吸着材の温度が高くなり過ぎないので、吸着材の性能を
高く保つことができる。貯蔵した吸着熱は、ガス脱着時
の吸着材の温度低下を抑制するために利用することがで
きるので、吸着材の払い出し能を高く保つことができ
る。
【0037】さらに、蓄熱材の粒度を所定の値とした場
合には、ガス吸着時の吸着材の温度上昇をより抑制する
ことができ、貯蔵性能をさらに向上することができる。
また、吸着材と蓄熱材の分級(分離)が抑制されるの
で、吸着時の温度上昇を長期間にわたって抑制すること
ができる。
【0038】従って、消化ガスの吸脱着を繰返し行った
場合にも吸脱着熱による吸着材の性能低下を抑制でき、
消化ガスを有効利用することができる。
【0039】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明確にする。
【0040】製造例1(潜熱蓄熱型吸着材の製造) in−situ法を用いて相変化物質をマイクロカプセ
ル中に封入した。メラミン粉末5gに37%ホルムアル
デヒド水溶液6.5gと水10gを加え、pHを8に調
整した後、約70℃まで加熱し、メラミン−ホルムアル
デヒド初期縮合物水溶液を得た。pHを4.5に調整し
たスチレン無水酸共重合体のナトリウム塩水溶液100
g中に、相変化物質であるn−オクタデカン70gを激
しく撹拌しながら添加し、n−オクタデカンの粒子径が
約10μmになるまで乳化を行った。上記乳化液に上記
メラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物水溶液全量を添
加し、70℃で2時間撹拌を行った後、pHを9に調整
し、マイクロカプセル化を行った。反応終了後、マイク
ロカプセルを吸引ろ過し、乾燥することにより約15μ
mの平均粒子径を有するマイクロカプセル型蓄熱材を得
た。
【0041】このマイクロカプセル型蓄熱材と、比表面
積1121m2/g、細孔容積0.465cm3/g、平
均細孔径8.2Å、粒子径0.212〜4.75mm
(平均粒子径:0.921mm)の椰子殻活性炭(吸着
材A)とを、混合比率が活性炭に対してマイクロカプセ
ル型蓄熱材の量が20重量%になるように均一に混合
し、乾燥させることにより、目的物である潜熱蓄熱型吸
着材を得た。マイクロカプセル型蓄熱材が、活性炭の表
面に均一に分散し、静電的に吸着(付着)していること
が電子顕微鏡にて確認された。
【0042】製造例2(潜熱蓄熱型吸着材の製造) 吸着材Aに替えて、比表面積1207m2/g、細孔容
積0.541cm3/g、平均細孔径9Å、粒子径0.
212〜4.75mm(平均粒子径:1.15mm)の
椰子殻活性炭(吸着材B)を用いた以外は製造例1と同
様にして潜熱蓄熱型吸着材を得た。
【0043】実施例1 300mlの吸着断熱容器に、製造例1で得られた潜熱
蓄熱型吸着材を充填した。容器温度を室温にして真空乾
燥し、消化ガスの模擬ガスとしてメタン(65%)と二
酸化炭素(35%)の混合ガスを、吸着容器内の圧力が
0.6MPaGとなるまで容器に導入した。吸着貯蔵後
は、吸着容器内の圧力が0MPaGになるまでガスの脱
着を行った。この際、流量計を用いて脱着量を測定し
た。これらの吸脱着操作を繰り返し行い、繰り返し性能
評価を行った。吸着貯蔵性能は、吸脱着を繰り返し行っ
て性能低下がなくなった時点(定常状態)における量に
より評価した。その結果、定常状態後の単位体積当たり
の貯蔵量は、31Ncm3/cm3であった。
【0044】実施例2 製造例1で得られた潜熱蓄熱型吸着材に替えて、製造例
2で得られた潜熱蓄熱型吸着材を用いた以外は実施例1
と同様にして吸脱着操作を繰り返し行った。その結果、
定常状態後の単位体積当たりの貯蔵量は、33Ncm3
/cm3であった。
【0045】比較例1 製造例1で得られた潜熱蓄熱型吸着材に替えて、吸着材
Aを用いた以外は実施例1と同様にして吸脱着操作を繰
り返し行った。その結果、定常状態後の単位体積当たり
の貯蔵量は、25Ncm3/cm3であった。
【0046】比較例2 製造例1で得られた潜熱蓄熱型吸着材に替えて、吸着材
Bを用いた以外は実施例1と同様にして吸脱着操作を繰
り返し行った。その結果、定常状態後の単位体積当たり
の貯蔵量は、27Ncm3/cm3であった。
【0047】実施例3 メタンと二酸化炭素の混合ガスに替えて、メタンを吸着
貯蔵した以外は実施例1と同様にして吸脱着操作を繰り
返し行った。その結果、定常状態後の単位体積当たりの
貯蔵量は、33Ncm3/cm3であった。
【0048】以上の結果から明らかなように、潜熱蓄熱
型吸着材を用いると貯蔵性能が向上する。
【0049】製造例3(潜熱蓄熱型吸着材の製造) in−situ法を用いて相変化物質をマイクロカプセ
ル中に封入した。メラミン粉末5gに37%ホルムアル
デヒド水溶液6.5gと水10gを加え、pHを8に調
整した後、約70℃まで加熱し、メラミン−ホルムアル
デヒド初期縮合物水溶液を得た。pHを4.5に調整し
たスチレン無水酸共重合体のナトリウム塩水溶液100
g中に、相変化物質であるn−オクタデカン70gと高
融点化合物である硬化ひまし油1.4gを激しく撹拌し
ながら添加し、n−オクタデカンの粒子径が約10μm
になるまで乳化を行った。上記乳化液に上記メラミン−
ホルムアルデヒド初期縮合物水溶液全量を添加し、70
℃で2時間撹拌を行った後、pHを9に調整し、マイク
ロカプセル化を行った。反応終了後、マイクロカプセル
を吸引ろ過し、乾燥することにより約15μmの平均粒
子径を有するマイクロカプセル型蓄熱材を得た。
【0050】このマイクロカプセル型蓄熱材と、比表面
積1121m2/g、細孔容積0.465cm3/g、平
均細孔径8.2Å、粒子径0.212〜4.75mm
(平均粒子径:0.921mm)の椰子殻活性炭(吸着
材A)とを、混合比率が活性炭に対してマイクロカプセ
ル型蓄熱材の量が20重量%になるように均一に混合
し、乾燥させることにより、目的物である潜熱蓄熱型吸
着材を得た。マイクロカプセル型蓄熱材が、活性炭の表
面に均一に分散し、静電的に吸着(付着)していること
が電子顕微鏡にて確認された。
【0051】実施例4 70mlの吸着断熱容器に、製造例3で得られた潜熱蓄
熱型吸着材を充填した。容器温度を室温にして真空乾燥
し、消化ガスの模擬ガスとしてメタン(65%)と二酸
化炭素(35%)の混合ガスを、吸着容器内の圧力が
0.6MPaGとなるまで容器に導入した。吸着貯蔵後
は、吸着容器内の圧力が0MPaGになるまでガスの脱
着を行った。この際、流量計を用いて脱着量を測定し
た。これらの吸脱着操作を、吸着開始前の容器温度が1
0〜25℃の範囲の様々な温度で行い、それぞれの温度
における脱着量を測定した。図1に結果を示す。
【0052】比較例3 製造例3で得られた潜熱蓄熱型吸着材に替えて、吸着材
Aを用いた以外は実施例4と同様にして吸脱着操作を行
い、脱着量を測定した。図1に結果を示す。
【0053】製造例4(潜熱蓄熱型吸着材の製造) 製造例3と同様にして得られたマイクロカプセル型蓄熱
材と、比表面積941m2/g、細孔容積0.37cm3
/g、平均細孔径8.5Å、粒子径0.212〜4.7
5mm(平均粒子径:1.15mm)の椰子殻活性炭
(吸着材C)とを、混合比率が活性炭に対してマイクロ
カプセル型蓄熱材の量が16.5重量%になるように均
一に混合し、乾燥させることにより、目的物である潜熱
蓄熱型吸着材を得た。マイクロカプセル型蓄熱材が、活
性炭の表面に均一に分散し、静電的に吸着(付着)して
いることが電子顕微鏡にて確認された。
【0054】製造例5(潜熱蓄熱型吸着材の製造) 活性炭への蓄熱材の添加量が22重量%である以外は製
造例4と同様にして潜熱蓄熱型吸着材を得た。
【0055】製造例6(潜熱蓄熱型吸着材の製造) 活性炭への蓄熱材の添加量が25重量%である以外は製
造例4と同様にして潜熱蓄熱型吸着材を得た。
【0056】実施例5 製造例3で得られた潜熱蓄熱型吸着材に替えて、製造例
4で得られた潜熱蓄熱型吸着材を用いた以外は実施例4
と同様にして吸脱着操作を行い、脱着量を測定した。図
2に結果を示す。
【0057】実施例6 製造例3で得られた潜熱蓄熱型吸着材に替えて、製造例
5で得られた潜熱蓄熱型吸着材を用いた以外は実施例4
と同様にして吸脱着操作を行い、脱着量を測定した。図
2に結果を示す。
【0058】実施例7 製造例3で得られた潜熱蓄熱型吸着材に替えて、製造例
6で得られた潜熱蓄熱型吸着材を用いた以外は実施例4
と同様にして吸脱着操作を行い、脱着量を測定した。図
2に結果を示す。
【0059】比較例4 製造例3で得られた潜熱蓄熱型吸着材に替えて、吸着材
Cを用いた以外は実施例4と同様にして吸脱着操作を行
い、脱着量を測定した。図2に結果を示す。
【0060】図1および図2より明らかなように、いず
れの温度域においても潜熱蓄熱型吸着材を用いると貯蔵
性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4および比較例3の温度による脱着量の
変化を示す図である。
【図2】実施例5〜7および比較例4の温度による脱着
量の変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F28D 20/00 F28D 20/00 C 20/02 G Fターム(参考) 3E072 EA01 EA02 4G066 AA05B AA22B AA61B AB24B BA23 BA25 BA26 CA35 CA51 DA04

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度変化に応じて潜熱の吸収および放出
    を生じる相変化物質をマイクロカプセル中に封入した蓄
    熱材と吸着材からなる潜熱蓄熱型吸着材に、生物学的処
    理に際し発生する消化ガスを吸着貯蔵することを特徴と
    する消化ガスの貯蔵方法。
  2. 【請求項2】 生物学的処理に際し発生する消化ガスか
    ら硫化水素を分離した後の、主成分がメタンと二酸化炭
    素である混合ガスを吸着貯蔵することを特徴とする請求
    項1に記載の消化ガスの貯蔵方法。
  3. 【請求項3】 生物学的処理に際し発生する消化ガスか
    ら硫化水素と水分を分離した後の、主成分がメタンと二
    酸化炭素である混合ガスを吸着貯蔵することを特徴とす
    る請求項1に記載の消化ガスの貯蔵方法。
  4. 【請求項4】 生物学的処理に際し発生する消化ガスか
    ら硫化水素、水分および二酸化炭素を分離した後の、主
    成分がメタンであるガスを吸着貯蔵することを特徴とす
    る請求項1に記載の消化ガスの貯蔵方法。
  5. 【請求項5】 吸着材が、活性炭、ゼオライト、シリカ
    ゲルおよび有機金属錯体の少なくとも1種である請求項
    1〜4のいずれかに記載の消化ガスの貯蔵方法。
  6. 【請求項6】 吸着材が、比表面積が500〜2400
    2/gで細孔容積が0.2〜1.5cm3/gの活性炭
    である請求項1〜5のいずれかに記載の消化ガスの貯蔵
    方法。
  7. 【請求項7】 吸着材が、平均細孔径が5〜20Åの活
    性炭である請求項1〜6のいずれかに記載の消化ガスの
    貯蔵方法。
  8. 【請求項8】 蓄熱材の平均粒子径が、吸着材の平均粒
    子径の1/1000〜1/10である請求項1〜7のい
    ずれかに記載の消化ガスの貯蔵方法。
  9. 【請求項9】 蓄熱材の平均粒子径が、5〜100μm
    である請求項1〜8のいずれかに記載の消化ガスの貯蔵
    方法。
  10. 【請求項10】 潜熱蓄熱型吸着材が、吸着材粒子の表
    面に該吸着材よりも小さな粒子径の蓄熱材が付着してな
    るものである請求項1〜9のいずれかに記載の消化ガス
    の貯蔵方法。
  11. 【請求項11】 生物学的処理に際し発生する消化ガス
    から硫化水素または硫化水素と水分を分離する手段、お
    よび、分離した後の主成分がメタンと二酸化炭素である
    混合ガスを吸着貯蔵する手段を有する消化ガスの貯蔵装
    置であって、該吸着貯蔵手段に、温度変化に応じて潜熱
    の吸収および放出を生じる相変化物質をマイクロカプセ
    ル中に封入した蓄熱材と吸着材からなる潜熱蓄熱型吸着
    材が充填されてなることを特徴とする消化ガスの貯蔵装
    置。
  12. 【請求項12】 生物学的処理に際し発生する消化ガス
    から硫化水素、水分および二酸化炭素を分離する手段、
    ならびに、分離した後の主成分がメタンであるガスを吸
    着貯蔵する手段を有する消化ガスの貯蔵装置であって、
    該吸着貯蔵手段に、温度変化に応じて潜熱の吸収および
    放出を生じる相変化物質をマイクロカプセル中に封入し
    た蓄熱材と吸着材からなる潜熱蓄熱型吸着材が充填され
    てなることを特徴とする消化ガスの貯蔵装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008122542A2 (de) * 2007-04-05 2008-10-16 Basf Se Mischung enthaltend ein metallorganisches gerüstmaterial sowie einen latentwärmespeicher

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008122542A2 (de) * 2007-04-05 2008-10-16 Basf Se Mischung enthaltend ein metallorganisches gerüstmaterial sowie einen latentwärmespeicher
WO2008122542A3 (de) * 2007-04-05 2008-12-04 Basf Se Mischung enthaltend ein metallorganisches gerüstmaterial sowie einen latentwärmespeicher

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