JP2003221615A - 高窒素鋼の製造方法 - Google Patents

高窒素鋼の製造方法

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JP2003221615A
JP2003221615A JP2002022167A JP2002022167A JP2003221615A JP 2003221615 A JP2003221615 A JP 2003221615A JP 2002022167 A JP2002022167 A JP 2002022167A JP 2002022167 A JP2002022167 A JP 2002022167A JP 2003221615 A JP2003221615 A JP 2003221615A
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nitrogen
steel
furnace
pressure
pressurized
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Takefumi Sugiyama
岳文 杉山
Kazuho Suzuki
寿穂 鈴木
Tomoki Shibata
智樹 芝田
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Daido Steel Co Ltd
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Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高濃度で窒素を含有する鋼を、不純物の混入
なしに、しかも、短時間で効率よく製造する。 【解決手段】 加圧誘導炉を使用した高窒素鋼の製造方
法において、前記加圧誘導炉内に材料を装入して前記炉
内を減圧する工程と、前記炉内に窒素ガスを充填し、加
圧窒素ガス雰囲気中で鋼の溶解および窒素添加を同時に
行う工程とを含むもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高窒素鋼の製造方
法に関し、さらに詳しくは、窒素含有量の多い鋼を不純
物の混入無しに高純度で、しかも、短時間で効率よく製
造することが可能な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばオーステナイト系やマルテンサイ
ト系のステンレス鋼の窒素含有量を高めて、鋼の耐食性
を向上させることが試みられている。このような高窒素
鋼の製造方法としては、従来、例えば加圧誘導炉を使用
した方法が採用されている。この加圧誘導炉を使用した
方法には2種類あり、1つはまず炉内に材料を装入した
後減圧し、誘導コイルに通電して材料を真空中で完全に
溶解する。しかるのち、炉内を加圧窒素雰囲気とし、溶
湯中に窒素源として窒化合金を投入し、これを溶解させ
た後出鋼する方法である。
【0003】もう1つは、上記の方法と同様に、まず材
料を真空中で完全に溶解した後、炉内を加圧窒素雰囲気
とし、この雰囲気窒素ガスから直接溶湯中に窒素を添加
する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
1つ目の方法は添加窒素源として窒化合金を使用するた
め、これらの合金中に不可避的に存在する酸素(O)、
炭素(C)などの不純物が溶湯中に混入し、得られた鋼
中の不純物濃度が上昇してしまうという問題がある。
【0005】一方、上記の2つ目の方法では、窒素源と
して雰囲気窒素ガスを使用するために不純物の混入がな
いという利点がある。しかしながら、材料が完全に溶解
した後に窒素添加を行うため炉内を加圧雰囲気に保った
まま窒素を添加する時間、すなわち、保持時間が長い。
加えて完全溶解に要する時間は窒素添加に直接関係がな
いので、全体としては生産性が低いという問題がある。
【0006】この保持時間を以下のようにして具体的に
調べた。すなわち、材料として10Mn-18Crオーステナイ
ト系SUSを用意し、その50kgを大気圧中で加圧誘導炉
内に装入した。続いて、炉内を一旦0.1kPaまで減圧した
のち、誘導コイルに通電を開始し材料を溶解させた。溶
解には約150分間要した。材料が完全に溶け落ちた時点
で炉内を窒素ガス分圧が7.091×102kPaとなるように加
圧して保持を開始する。窒素分圧7.091×102kPaにおけ
る平衡窒素濃度の計算値はおよそ1.0質量%であるた
め、保持開始をゼロ分として目標値すなわち1.0質量%
に近い平衡状態に達するまでの窒素濃度の経時変化を調
べ、同様の試験を2回行って、結果を図1に示した。
【0007】この結果からも明らかなように、目標とす
る窒素濃度に近い平衡状態に達するまでに、約30分間
要することが確認された。このように、現状における加
圧誘導炉を使用した高窒素鋼の製造方法は、得られた鋼
の清浄度が低い、もしくは、生産性が低く、いずれも満
足すべきものではない。したがって、本発明は不純物の
混入を避けて、高純度の高窒素鋼を短時間で効率よく製
造する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、加圧誘導
炉を使用した高窒素鋼の製造工程において、材料が完全
に溶解した後で溶湯中に窒素を添加するのではなく、鋼
の溶解開始と同時に窒素の添加を開始し、鋼の溶解終了
時に所望の濃度の窒素が添加されるようにすれば時間を
大幅に短縮できるとの着想を得て本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明の高窒素鋼の製造方法
は、加圧誘導炉を使用した高窒素鋼の製造方法におい
て、前記加圧誘導炉内に材料を装入して前記炉内を減圧
する工程と、前記炉内に窒素ガスを充填し加圧窒素ガス
雰囲気中で鋼の溶解および窒素添加を同時に行う工程と
を含むものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の高窒素鋼の製造方法は、
加圧誘導炉を用いた誘導溶解法により、雰囲気ガスとし
ての窒素の加圧雰囲気下で鋼の溶解ならびに鋼中への窒
素添加を同時に行うものである。加圧誘導炉としては、
一般に使用されているものを用いることができる。
【0011】そして、本発明方法で窒素を積極的に添加
すべき対象となる鋼種は、特に限定されるものではな
い。しかし、例えば、成分元素として、質量%でC:0.
15%未満,Cr:12.0〜18.0%未満,Si:0.1〜1.0
%,Mn:0.10〜2.0%,およびS:0.010%以下を含有
し、残部がFeおよび不純物からなる組成を有するオー
ステナイト系またはマルテンサイト系のステンレス鋼
は、本発明方法の適用対象の鋼種として特に有用であ
る。
【0012】以下に本発明の製造工程を順次説明する。
まず、加圧誘導炉内に材料を装入して炉内を減圧にした
のち、雰囲気ガスとして窒素ガスを導入し、この窒素ガ
スの圧力を上昇させて1.1×102kPa以上の圧力とし、こ
の圧力を保持した状態で誘導コイルに通電することによ
り鋼の誘導溶解を行う。
【0013】この鋼の溶解時に雰囲気窒素ガスから溶湯
中に窒素が添加され、鋼が完全に溶解した時点では既に
所望量の窒素が鋼中に添加されていることになる。ま
た、後述するように、鋼に含有させる窒素量は鋼の成分
と加圧雰囲気中の窒素の圧力により決定されるので、使
用する鋼にどのくらいの量の窒素を含有させるかによ
り、加圧窒素の圧力を決定することが好ましい。
【0014】
【実施例】実施例1〜3 溶鋼成分として、10Mn-18Crのオーステナイト系SUS
を用い、その50kgを大気圧中で加圧誘導炉内に装入し
た。続いて、炉内を一旦0.1kPaまで減圧したのち、炉内
に窒素ガスを導入して窒素分圧が表1に示した各値とな
るまで加圧した。この状態で誘導コイルに通電を開始し
鋼を溶解させると同時に窒素添加を行った。
【0015】鋼が完全に溶け落ちた時点で、出鋼して鋼
中の窒素濃度および不純物(0,C)濃度を測定し、結
果を表1に示した。なお、表中には材料装入から出鋼に
までに要した時間も合わせて示した。 比較例1〜3 上記実施例と同様の鋼50kgを使用し、大気圧中で加圧誘
導炉内に装入し、炉内を0.1kPaまで減圧した状態で誘導
コイルに通電し鋼材の溶解を行った。完全に溶け落ちた
時点で炉内を窒素ガスにより表1に示した値まで加圧
し、溶鋼中に窒化合金として窒化クロム(質量%で、C
r:56.5%,N:7.08%,C:0.11%,O:0.12~0.22%,残部:Feおよ
び不可避不純物)7kgを添加し、この窒化合金が完全に
溶解した後出鋼した。
【0016】同様に、鋼中の不純物濃度および材料装入
から出鋼までに要した時間を測定して結果を表1に示し
た。 比較例4〜6 上記の比較例と同様に鋼材の溶解を行った後、窒化合金
を添加する代わりに、炉内を加圧窒素雰囲気に保持した
まま、雰囲気ガスから溶鋼中に窒素の添加を行った。出
鋼後、上記と同様にして鋼中の不純物濃度および材料装
入から出鋼までに要した時間を測定し、結果を表1に示
した。
【0017】
【表1】
【0018】表1の結果からも明らかなように、上記の
目標値まで窒素を添加するに当たり、本発明の方法を適
用した場合は、材料装入から出鋼までに要する時間が短
く、しかも得られた鋼中のC,Oなどの不純物の含有量
が非常に低減されている(実施例1〜3)。それに対し
て、材料溶解後に窒化合金を添加する従来法を適用した
場合(比較例1〜3)は、出鋼までの時間は短いもの
の、窒化合金の成分に由来するO,C不純物の含有量が
増大し、清浄度が低下することが分かった。また、材料
溶解後に加圧窒素ガス雰囲気から溶鋼中に窒素を添加す
る従来法を適用した場合(比較例4〜6)は、不純物濃
度は低減されるものの、長い保持時間を必要とするため
出鋼までの時間が長く製造効率が低いことが確認され
た。
【0019】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、材料が完全に溶解した時点で窒素の添加工程
が終了するため、出鋼までの時間が短く、製造効率が向
上する。しかも添加する窒素源として窒化合金を使用し
ないので鋼中に残留するC,Oなどの不純物量を低減す
ることができ、得られた鋼の清浄度が向上する。したが
って、その工業的価値は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術を適用して材料が溶解した後に加圧窒
素ガス雰囲気から材料中に窒素添加を行った場合の、保
持時間と材料中の窒素濃度との関係を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芝田 智樹 愛知県名古屋市南区大同町二丁目30番地 大同特殊鋼株式会社技術開発研究所内 Fターム(参考) 4K013 AA02 BA18 CA01 CD00 CD04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加圧誘導炉を使用した高窒素鋼の製造方
    法において、前記加圧誘導炉内に材料を装入して前記炉
    内を減圧する工程と、前記炉内に窒素ガスを充填し、加
    圧窒素ガス雰囲気中で鋼の溶解および窒素添加を同時に
    行う工程とを含むことを特徴とする高窒素鋼の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記加圧窒素ガス雰囲気の窒素ガス分圧
    が1.1×102kPa以上である請求項1記載の高窒素鋼の製
    造方法。
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