JP2003221416A - プロピレン系エラストマー - Google Patents

プロピレン系エラストマー

Info

Publication number
JP2003221416A
JP2003221416A JP2003006170A JP2003006170A JP2003221416A JP 2003221416 A JP2003221416 A JP 2003221416A JP 2003006170 A JP2003006170 A JP 2003006170A JP 2003006170 A JP2003006170 A JP 2003006170A JP 2003221416 A JP2003221416 A JP 2003221416A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
propylene
group
aluminum
component
rac
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003006170A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4101068B2 (ja
Inventor
Akira Mizuno
野 章 水
Masaaki Kawasaki
崎 雅 昭 川
Takashi Ueda
田 孝 上
Junichi Imuda
淳 一 伊牟田
Yoshihisa Kiso
曽 佳 久 木
Mikio Hashimoto
本 幹 夫 橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2003006170A priority Critical patent/JP4101068B2/ja
Publication of JP2003221416A publication Critical patent/JP2003221416A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4101068B2 publication Critical patent/JP4101068B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】(a)プロピレン単位を50〜95モル
%、エチレン単位を5〜50モル%含んでなり、(b)
13C-NMRにより求められる、頭−尾結合からなるプ
ロピレン単位連鎖部のトリアドタクティシティーが9
0.0%以上であり、(c)13C-NMRにより求めら
れる、全プロピレン挿入中のプロピレンモノマーの2,1-
挿入に基づく位置不規則単位の割合が0.5%以上、か
つ、プロピレンモノマーの1,3-挿入に基づく位置不規則
単位の割合が0.05%以下であり、(d)135℃、
デカリン中で測定した極限粘度が0.1〜12dl/g
の範囲にあることを特徴とするプロピレン系エラストマ
ー。 【効果】耐熱性、衝撃吸収性、透明性、ヒートシール
性、耐ブロッキング性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の技術分野】本発明は、トリアドタクティシティ
ーが高い新規なプロピレン系エラストマーに関するもの
である。 【0002】 【発明の技術的背景】プロピレン系エラストマーは、衝
撃吸収性、耐熱性、ヒートシール性に優れているため、
フィルムなどの単味使用のほか、熱可塑性樹脂の改質剤
として用いられている。しかしながら従来のプロピレン
系エラストマーは、単味使用の場合、ヒートシール性、
耐ブロッキング性、耐熱性が必ずしも充分ではなく、改
質材として使用した場合、耐衝撃性の改良効果が必ずし
も充分ではなかった。このため、耐衝撃性などに優れる
と共に、耐熱性、透明性、ヒートシール性、耐ブロッキ
ング性、耐衝撃性の改良効果にも優れたプロピレン系エ
ラストマーの出現が望まれている。 【0003】本発明者らはこのような状況に鑑みて検討
した結果、特定量のエチレン単位を含んでなり、頭−尾
結合からなるプロピレン連鎖部の、13C−NMRで測定
したトリアドタクティシティーが高く、かつ位置不規則
単位が特定の割合であり、特定の極限粘度を有するプロ
ピレン系エラストマーは、上記特性に優れることを見出
して本発明を完成するに至った。 【0004】 【発明の目的】本発明は、トリアドタクティシティーが
高い新規なプロピレン系エラストマーを提供することを
目的としている。 【0005】 【発明の概要】本発明に係るプロピレン系エラストマー
は、(a)プロピレン単位を50〜95モル%、エチレ
ン単位を5〜50モル%含んでなり、(b)13C-NM
Rにより求められる、頭−尾結合からなるプロピレン単
位連鎖部のトリアドタクティシティーが90.0%以上
であり、(c)13C-NMRにより求められる、全プロ
ピレン挿入中のプロピレンモノマーの2,1-挿入に基づく
位置不規則単位の割合が0.5%以上、かつ、プロピレ
ンモノマーの1,3-挿入に基づく位置不規則単位の割合が
0.05%以下であり、(d)135℃、デカリン中で
測定した極限粘度が0.1〜12dl/gの範囲にある
ことを特徴としている。 【0006】 【発明の具体的説明】以下、本発明のプロピレン系エラ
ストマーについて具体的に説明する。本発明のプロピレ
ン系エラストマーは、プロピレン単位を50〜95モル
%、好ましくは60〜93モル%、より好ましくは70
〜90モル%の割合で含み、エチレン単位を5〜50モ
ル%、好ましくは7〜40モル%、より好ましくは10
〜30モル%の割合で含んでなるプロピレン−エチレン
ランダム共重合体である。 【0007】このようなプロピレン系エラストマーは、
プロピレンおよびエチレン以外のオレフィンから導かれ
る構成単位をたとえば10モル%以下の量で含んでいて
もよい。本発明のプロピレン系エラストマーは、頭−尾
結合からなるプロピレン単位連鎖部の、13C-NMRで
測定したトリアドタクティシティーが90.0%以上、
好ましくは92.0%以上、より好ましくは95.0%
以上であることが望ましい。 【0008】トリアドタクティシティーは、プロピレン
系エラストマーの13C−NMRスペクトルから下記式に
より求められる。 【0009】 【数1】【0010】13C−NMRスペクトルは、試料50〜7
0mgをNMRサンプル管(5mmφ)中でヘキサクロ
ロブタジエン、o-ジクロロベンゼンまたは1,2,4-トリク
ロロベンゼン約0.5ml に約0.05ml のロック溶
媒である重水素化ベンゼンを加えた溶媒中で完全に溶解
させた後、120℃でプロトン完全デカップリング法で
測定した。測定条件は、フリップアングル45°、パル
ス間隔3.4T1 以上(T1 は、メチル基のスピン格子
緩和時間のうち最長の値)を選択する。メチレン基およ
びメチン基のT1 は、メチル基より短いので、この条件
では磁化の回復は99%以上である。ケミカルシフト
は、頭−尾結合したプロピレン単位5連鎖の第3単位目
のメチル基を21.59ppmとして設定した。 【0011】メチル炭素領域(19〜23ppm)に係
るスペクトルは、ピーク領域を第1領域(21.2〜2
1.9ppm)、第2領域(20.3〜21.0pp
m)および第3領域(19.5〜20.3ppm)に分
類できる。なお、スペクトル中の各ピークは、文献(Po
lymer, 30(1989)1350)を参考にして帰属した。第1領
域では、PPP(mm)で示されるプロピレン単位3連
鎖中の第2単位目のメチル基が共鳴する。 【0012】第2領域では、PPP(mr)で示される
プロピレン単位3連鎖の第2単位目のメチル基および、
隣接する単位がプロピレン単位およびエチレン単位であ
るプロピレン単位のメチル基(PPE−メチル基)が共
鳴(20.7ppm付近)する。第3領域では、PPP
(rr)で示されるプロピレン単位3連鎖の第2単位目
のメチル基および、隣接する単位がいずれもエチレン単
位であるプロピレン単位のメチル基(EPE−メチル
基)が共鳴(19.8ppm付近)する。 【0013】さらにプロピレン系エラストマーは、位置
不規則ユニットを含む部分構造として、下記構造(i)
および(ii)を有する。 【0014】 【化1】 【0015】この内、炭素Aピーク、炭素A’ピークは
第2領域に、炭素Bピーク、炭素B’ピークは第3領域
に現れる。このように第1〜3領域に現れるピークのう
ち、頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖に基づかない
ピークは、PPE−メチル基、EPE−メチル基、炭素
A、炭素A’、炭素Bおよび炭素B’に基づくピークで
ある。 【0016】PPE−メチル基に基づくピーク面積は、
PPE−メチン基(30.6ppm付近で共鳴)のピー
ク面積より評価でき、EPE−メチル基に基づくピーク
面積は、EPE−メチン基(32.9ppm付近で共
鳴)のピーク面積より評価できる。炭素Aに基づくピー
ク面積は、炭素Bのメチル基が直接結合するメチン炭素
(33.6ppm付近で共鳴)のピーク面積の2倍より
評価でき、炭素A’に基づくピーク面積は、炭素B’の
メチル基の隣接メチン炭素(33.2ppm付近で共
鳴)のピーク面積により評価できる。炭素Bに基づくピ
ーク面積は、隣接するメチン炭素(33.6ppm付近
で共鳴)のピーク面積により評価でき、炭素B’に基づ
くピーク面積も同様に、隣接するメチン炭素(33.2
ppm付近で共鳴)のピーク面積により評価できる。 【0017】したがって、これらのピーク面積を第2領
域および第3領域のピーク面積より差し引くと、頭−尾
結合したプロピレン単位3連鎖(PPP(mr)および
PPP(rr))に基づくピーク面積を求めることがで
きる。以上によりPPP(mm)、PPP(mr)およ
びPPP(rr)のピーク面積を評価することができる
ので、上記数式に従って、頭−尾結合からなるプロピレ
ン単位連鎖部のトリアドタクティシティーを求めること
ができる。 【0018】本発明のプロピレン系エラストマーは、13
C-NMRで測定した、全プロピレン挿入中の2,1-挿入
に基づく位置不規則単位の割合が0.5%以上であり、
好ましくは0.5〜2.0%、より好ましくは0.5〜
1.5%であることが望ましい。また、本発明のプロピ
レン系エラストマーは、1,2-、1,3-、1,2-挿入に基づく
位置不規則単位が0.05%以下、好ましくは0.03
%以下であることが好ましい。 【0019】重合時、プロピレンモノマーは、1,2-挿入
(メチレン側が触媒と結合する)するが、稀に2,1-挿入
することがある。2,1-挿入したモノマーは、ポリマー中
で、位置不規則ユニットを形成する。全プロピレン挿入
中の2,1-挿入の割合を、13C−NMRを利用して、Poly
mer,30(1989)1350を参考にして下記の式から求めた。 【0020】 【数2】 【0021】ここで、ピークの命名は、Carmanらの方法
(Rubber Chem. Technol.,44(1971),781)に従った。ま
た、Iαβなどは、αβピークなどのピーク面積を示
す。なお、ピークが重なることなどにより、Iαβなど
の面積が直接スペクトルより求めることが困難な場合
は、対応する面積を有する炭素ピークで代用することが
できる。 【0022】プロピレンの1,2-、1,3-、1,2-挿入に基づ
く3連鎖量は、βγピーク(27.4ppm付近で共
鳴)の面積の1/2を全メチル基ピークとβγピークの
1/2の和で除して100を乗ずることにより、その割
合を%表示で求めた。本発明のプロピレン系エラストマ
ーは、135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]
が0.1〜12dl/g、好ましくは0.5〜12dl
/g、より好ましくは1〜12dl/gの範囲にあるこ
とが望ましい。 【0023】本発明のプロピレン系エラストマーは、た
とえば、(A)後述するような遷移金属化合物と、
(B)(B-1)有機アルミニウムオキシ化合物、および(B-
2)前記遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成
する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化
合物と所望により(C)有機アルミニウム化合物からな
るオレフィン重合触媒の存在下にエチレンとプロピレン
とを共重合することにより得ることができる。 【0024】以下、本発明のプロピレン系エラストマー
の製造に用いられるオレフィン重合用触媒について説明
する。本発明で用いられるオレフィン重合触媒を形成す
る遷移金属化合物(A)(以下「成分(A)」と記載す
ることがある。)は、下記一般式(I)で表される遷移
金属化合物である。 【0025】 【化2】 【0026】式中、Mは周期律表第IVa、Va、VIa族
の遷移金属を示し、具体的には、チタニウム、ジルコニ
ウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、ク
ロム、モリブデン、タングステンであり、好ましくはチ
タニウム、ジルコニウム、ハフニウムであり、特に好ま
しくはジルコニウムである。R1およびR2は水素原子、
ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1
〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含
有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基を示
し、具体的には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハ
ロゲン原子;メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキ
シル、シクロヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、
アイコシル、ノルボルニル、アダマンチルなどのアルキ
ル基、ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどのア
ルケニル基、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロ
ピルなどのアリールアルキル基、フェニル、トリル、ジ
メチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニ
ル、プロピルフェニル、ビフェニル、ナフチル、メチル
ナフチル、アントラセニル、フェナントリルなどのアリ
ール基などの炭素数1〜20の炭化水素基;前記炭化水
素基にハロゲン原子が置換したハロゲン化炭化水素基;
メチルシリル、フェニルシリルなどのモノ炭化水素置換
シリル、ジメチルシリル、ジフェニルシリルなどのジ炭
化水素置換シリル、トリメチルシリル、トリエチルシリ
ル、トリプロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、
トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチル
ジフェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシ
リルなどのトリ炭化水素置換シリル、トリメチルシリル
エーテルなどの炭化水素置換シリルのシリルエーテル、
トリメチルシリルメチルなどのケイ素置換アルキル基、
トリメチルフェニルなどのケイ素置換アリール基、など
のケイ素含有基;ヒドロオキシ基、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、ブトキシなどのアルコキシ基、フェノ
キシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフト
キシなどのアリロキシ基、フェニルメトキシ、フェニル
エトキシなどのアリールアルコキシ基などの酸素含有
基;前記含酸素化合物の酸素がイオウに置換したイオウ
含有基;アミノ基、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジ
エチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジ
シクロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ基、フェニ
ルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフ
チルアミノ、メチルフェニルアミノなどのアリールアミ
ノ基またはアルキルアリールアミノ基などの窒素含有
基;ジメチルフォスフィノ、ジフェニルフォスフィノな
どのフォスフィノ基などのリン含有基である。 【0027】これらのうちR1 は炭化水素基であること
が好ましく、特にメチル、エチル、プロピルの炭素数1
〜3の炭化水素基であることが好ましい。またR2 は水
素原子、炭化水素基であることが好ましく、特に水素原
子であることが好ましい。R3は炭素数2〜20のアル
キル基を示し、R4は炭素数1〜20のアルキル基を示
す。R3は2級または3級アルキル基であることが好ま
しい。また、R3、R 4で示されるアルキル基は、ハロゲ
ン原子、ケイ素含有基で置換されていてもよく、ハロゲ
ン原子、ケイ素含有基としては、R1 、R2 で例示した
置換基が挙げられる。 【0028】R4としては、エチル、n-プロピル、i-プ
ロピル、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、tert- ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、
オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニ
ル、アダマンチルなどの鎖状アルキル基および環状アル
キル基;ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピ
ル、トリルメチルなどのアリールアルキル基などが挙げ
られ、2重結合、3重結合を含んでいてもよい。 【0029】R3としては、メチルおよびR4で例示した
アルキル基が挙げられる。X1およびX2は、水素原子、
ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1
〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオ
ウ含有基を示し、具体的には、前記R1 およびR2 と同
様のハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素
数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基が例示
できる。 【0030】イオウ含有基としては、前記R1 、R2
同様の基、およびメチルスルホネート、トリフルオロメ
タンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジ
ルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメ
チルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼン
スルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペ
ンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネ
ート基、メチルスルフィネート、フェニルスルフィネー
ト、ベンゼンスルフィネート、p-トルエンスルフィネー
ト、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオ
ロベンゼンスルフィネートなどスルフィネート基が例示
できる。 【0031】Yは、炭素数1〜20の2価の炭化水素
基、炭素数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2
価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価の
スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−
SO2 −、−NR5−、−P(R5)−、−P(O)(R
5 )−、−BR5 −または−AlR5 −[ただし、R5
は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素
基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基]を示し、
具体的には、メチレン、ジメチルメチレン、1,2-エチレ
ン、ジメチル-1,2- エチレン、1,3-トリメチレン、1,4-
テトラメチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘ
キシレンなどのアルキレン基、ジフェニルメチレン、ジ
フェニル-1,2- エチレンなどのアリールアルキレン基な
どの炭素数1から20の2価の炭化水素基;クロロメチ
レンなどの上記炭素数1から20の2価の炭化水素基を
ハロゲン化したハロゲン化炭化水素基;メチルシリレ
ン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n-プロ
ピル)シリレン、ジ(i-プロピル)シリレン、ジ(シク
ロヘキシル)シリレン、メチルフェニルシリレン、ジフ
ェニルシリレン、ジ(p-トリル)シリレン、ジ(p-クロ
ロフェニル)シリレンなどのアルキルシリレン、アルキ
ルアリールシリレン、アリールシリレン基、テトラメチ
ル-1,2-ジシリル、テトラフェニル-1,2- ジシリルなど
のアルキルジシリル、アルキルアリールジシリル、アリ
ールシリル基などの2価のケイ素含有基;上記2価のケ
イ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した2価のゲ
ルマニウム含有基;上記2価のケイ素含有基のケイ素を
スズに置換した2価のスズ含有基置換基などであり、R
5 は、前記R1 、R2 と同様のハロゲン原子、炭素数1
〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化
水素基である。 【0032】このうち2価のケイ素含有基、2価のゲル
マニウム含有基、2価のスズ含有基であることが好まし
く、さらに2価のケイ素含有基であることが好ましく、
このうち特にアルキルシリレン、アルキルアリールシリ
レン、アリールシリレンであることが好ましい。以下に
上記一般式(I)で表される遷移金属化合物の具体的な
例を示す。 【0033】rac-ジメチルシリル-ビス{1-(2,7-ジメ
チル-4-エチルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリル-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-
プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリル-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピル
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリル-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-ブチルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリル-
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-sec-ブチルインデニル)}
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス{1
-(2,7-ジメチル-4-t-ブチルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス{1-(2,7-ジ
メチル-4-n-ペンチルインデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリル-ビス{1-(2,7-ジメチル-
4-n-ヘキシルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリル-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-シクロ
ヘキシルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリル-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-メチルシク
ロヘキシルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリル-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-フェニル
エチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリル-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-フェニルジク
ロルメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリル-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-クロロメ
チルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリル-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-トリメチルシリ
ルメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリル-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-トリメチル
シロキシメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジエチルシリル-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-
プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジ(i-プロピル)シリルビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-
プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジ(n-ブチル)シリルビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プ
ロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
(シクロヘキシル)シリルビス{1-(2,7-ジメチル-4-i
-プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac
-メチルフェニルシリルビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プ
ロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-メ
チルフェニルシリルビス{1-(2,7-ジメチル-4-t-ブチ
ルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェ
ニルシリルビス{1-(2,7-ジメチル-4-t-ブチルインデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニルシリ
ルビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニルシリル
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-エチルインデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-ジ(p-トリル)シリルビス
{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-ジ(p-クロロフェニル)シリ
ルビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリルビ
ス{1-(2-メチル-4-i-プロピル-7-エチルインデニ
ル)}ジルコニウムジブロミド、rac-ジメチルシリル-
ビス{1-(2-メチル-4-i-プロピル-7-メチルインデニ
ル)}ジルコニウムジメチル、rac-ジメチルシリル-ビ
ス{1-(2-メチル-4-i-プロピル-7-メチルインデニ
ル)}ジルコニウムメチルクロリド、rac-ジメチルシリ
ル-ビス{1-(2-メチル-4-i-プロピル-7-メチルインデ
ニル)}ジルコニウム-ビス(メタンスルホナト)、rac
-ジメチルシリル-ビス{1-(2-メチル-4-i-プロピル-7-
メチルインデニル)}ジルコニウム-ビス(p-フェニル
スルフィナト)、rac-ジメチルシリル-ビス{1-(2-エ
チル-4-i-プロピル-7-メチルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス{1-(2-フェ
ニル-4-i-プロピル-7-メチルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリドなど。 【0034】これらの中で、4位にi-プロピル,sec-ブ
チル,tert-ブチル基などの分岐アルキル基を有するも
のが、特に好ましい。本発明では、上記のような化合物
においてジルコニウム金属をチタニウム金属、ハフニウ
ム金属、バナジウム金属、ニオブ金属、タンタル金属、
クロム金属、モリブデン金属、タングステン金属に置き
換えた遷移金属化合物を用いることもできる。 【0035】前記遷移金属化合物は、通常ラセミ体とし
てオレフィン重合用触媒成分として用いられるが、R型
またはS型を用いることもできる。本発明で用いられる
オレフィン重合用触媒を形成する(B-1)有機アルミニウ
ムオキシ化合物(以下「成分(B-1)」と記載することが
ある。)は、従来公知のアルミノキサンであってもよ
く、また特開平2-78687号公報に例示されている
ようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物
であってもよい。 【0036】従来公知のアルミノキサンは、たとえば下
記のような方法によって製造することができる。 (1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して、有機アルミニウム化合物と吸着水あるいは
結晶水を反応させる方法。 (2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウム
などの有機アルミニウム化合物に直接水や氷や水蒸気を
作用させる方法。 (3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリ
アルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなど
の有機スズ酸化物を反応させる方法。 【0037】なお、該アルミノキサンは、少量の有機金
属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミ
ノキサンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニウ
ム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解あるいは
アルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。アルミノ
キサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合
物としては、具体的には、トリメチルアルミニウム、ト
リエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、ト
リイソプロピルアルミニウム、トリn-ブチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec-ブチルアル
ミニウム、トリtert- ブチルアルミニウム、トリペンチ
ルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオク
チルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリ
アルキルアルミニウム;トリシクロヘキシルアルミニウ
ム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロ
アルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロリ
ド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニ
ウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなど
のジアルキルアルミニウムハライド;ジエチルアルミニ
ウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドラ
イドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド;ジメ
チルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエ
トキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;
ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのジアルキルア
ルミニウムアリーロキシドなどが挙げられる。 【0038】これらのうち、トリアルキルアルミニウ
ム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリ
メチルアルミニウムが特に好ましい。また、アルミノキ
サンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物
として、下記一般式(II)で表されるイソプレニルアル
ミニウムを用いることもできる。 【0039】 (i-C49x Aly (C5 10z … (II) (式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xであ
る。) 上記のような有機アルミニウム化合物は、単独であるい
は組合せて用いられる。アルミノキサンの溶液に用いら
れる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ク
メン、シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデ
カン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペン
タン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロ
ペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油
などの石油留分あるいは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭
化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素
化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。その
他、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテ
ル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち特に芳
香族炭化水素または脂肪族炭化水素が好ましい。 【0040】本発明で用いられるオレフィン重合用触媒
を形成する(B-2)前記遷移金属化合物(A)と反応して
イオン対を形成する化合物(以下「成分(B-2)」と記載
することがある。)としては、特表平1−501950
号公報、特表平1−502036号公報、特開平3−1
79005号公報、特開平3−179006号公報、特
開平3−207703号公報、特開平3−207704
号公報、US−547718号公報などに記載されたル
イス酸、イオン性化合物およびカルボラン化合物、カル
ボラン化合物を挙げることができる。 【0041】ルイス酸としては、トリフェニルボロン、
トリス(4-フルオロフェニル)ボロン、トリス(p-トリ
ル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス(3,5-
ジメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフ
ェニル)ボロン、MgCl2、Al23、SiO2-Al2
3 などが例示できる。イオン性化合物としては、トリ
フェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、トリn-ブチルアンモニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルア
ニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレートなどが例示できる。 【0042】カルボラン化合物としては、ドデカボラ
ン、1-カルバウンデカボラン、ビスn-ブチルアンモニウ
ム(1-カルベドデカ)ボレート、トリn-ブチルアンモニ
ウム(7,8-ジカルバウンデカ)ボレート、トリn-ブチル
アンモニウム(トリデカハイドライド-7-カルバウンデ
カ)ボレートなどが例示できる。上記のような前記遷移
金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物
(B-2)は、2種以上混合して用いることができる。 【0043】本発明で用いられるオレフィン重合用触媒
を形成する(C)有機アルミニウム化合物(以下「成分
(C)」と記載することがある。)としては、例えば下
記一般式(III)で表される有機アルミニウム化合物を
例示することができる。 R9 nAlX3-n … (III) (式中、R9 は炭素数1〜12の炭化水素基であり、X
はハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜3であ
る。) 上記一般式(III)において、R9 は炭素数1〜12の
炭化水素基例えばアルキル基、シクロアルキル基または
アリール基であるが、具体的には、メチル基、エチル
基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などであ
る。 【0044】このような有機アルミニウム化合物(C)
としては、具体的には以下のような化合物が挙げられ
る。トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ(2-エチ
ルヘキシル)アルミニウム、トリデシルアルミニウムな
どのトリアルキルアルミニウム;イソプレニルアルミニ
ウムなどのアルケニルアルミニウム;ジメチルアルミニ
ウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソ
プロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニ
ウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミドなどのジ
アルキルアルミニウムハライド;メチルアルミニウムセ
スキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イ
ソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミ
ニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロ
ミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;メチ
ルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロ
リド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルア
ルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハ
ライド;ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブ
チルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニ
ウムハイドライドなど。 【0045】また有機アルミニウム化合物(C)とし
て、下記一般式(IV)で表される化合物を用いることも
できる。 R9 nAlL3-n … (IV) (式中、R9 は上記と同様であり、Lは−OR10基、−
OSiR11 3基、−OAlR12 2基、−NR13 2基、−S
iR14 3基または−N(R15)AlR16 2基であり、nは
1〜2であり、R10、R11、R12およびR16はメチル
基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロ
ヘキシル基、フェニル基などであり、R13は水素原子、
メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、ト
リメチルシリル基などであり、R14 およびR15 はメチ
ル基、エチル基などである。)このような有機アルミニ
ウム化合物のなかでは、R7 nAl(OAlR10 23-n
で表される化合物、例えばEt2AlOAlEt2 、(i
so-Bu)2AlOAl(iso-Bu)2 などが好ましい。 【0046】上記一般式(III)および(IV)で表され
る有機アルミニウム化合物の中では、一般式R7 3Alで
表される化合物が好ましく、特にRがイソアルキル基で
ある化合物が好ましい。本発明で用いられるオレフィン
重合用触媒は、成分(A)、成分(B-1)(または成分(B-
2))および所望により成分(C)を不活性炭化水素溶媒
中またはオレフィン溶媒中で混合することにより調製す
ることができる。 【0047】オレフィン重合用触媒の調製に用いられる
不活性炭化水素溶媒として具体的には、プロパン、ブタ
ン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカ
ン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペン
タン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂
環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジ
クロロメタンなどのハロゲン化炭化水素あるいはこれら
の混合物などを挙げることができる。 【0048】オレフィン重合用触媒を調製する際の各成
分の混合順序は任意であるが、成分(B-1)(または成分
(B-2))と成分(A)とを混合するか、成分(B-1)と成分
(C)とを混合し、次いで成分(A)を混合するか 、
成分(A)と成分(B-1)(または成分(B-2))とを混合
し、次いで成分(C)を混合するか、あるいは、成分
(A)と成分(C)とを混合し、次いで成分成分(B-1)
(または成分(B-2))を混合することが好ましい。 【0049】上記各成分を混合するに際して、成分(B-
1)中のアルミニウムと、成分(A)中の遷移金属との原
子比(Al/遷移金属)は、通常10〜10000、好
ましくは20〜5000であり、成分(A)の濃度は、
約10-8〜10-1モル/リットル、好ましくは10-7
5×10-2モル/リットルの範囲である。成分(B-2)を
用いる場合、成分(A)と成分(B-2)とのモル比(成分
(A)/成分(B-2))は、通常0.01〜10、好まし
くは0.1〜5の範囲であり、成分(A)の濃度は、約
10-8〜10-1モル/リットル、好ましくは10-7〜5
×10-2モル/リットルの範囲である。 【0050】成分(C)を用いる場合は、成分(C)中
のアルミニウム原子(AlC)と成分(B-1)中のアルミニ
ウム原子(AlB-1)との原子比(AlC/AlB-1
は、通常0.02〜20、好ましくは0.2〜10の範
囲である。上記各触媒成分は、重合器中で混合してもよ
いし、予め混合したものを重合器に添加してもよい。 【0051】予め混合する際の混合温度は、通常−50
〜150℃、好ましくは−20〜120℃であり、接触
時間は1〜1000分間、好ましくは5〜600分間で
ある。また、混合接触時には混合温度を変化させてもよ
い。本発明で用いられるオレフィン重合用触媒は、無機
あるいは有機の化合物であって、顆粒状ないしは微粒子
状の固体である微粒子状担体に、上記成分(A)、成分
(B)および成分(C)のうち少なくとも一種の成分が
担持された固体状オレフィン重合用触媒であってもよ
い。 【0052】無機担体としては多孔質酸化物が好まし
く、たとえばSiO2、Al23 などを例示することが
できる。有機化合物の顆粒状ないしは微粒子状固体とし
ては、エチレン、プロピレン、1-ブテンなどのα-オレ
フィン、もしくはスチレンを主成分として生成される重
合体または共重合体を例示することができる。 【0053】また、本発明で用いられるオレフィン重合
触媒は、上記の微粒子状担体、成分(A)、成分
(B)、予備重合により生成するオレフィン重合体およ
び、所望により成分(C)から形成されるオレフィン重
合触媒であってもよい。予備重合に用いられるオレフィ
ンとしては、プロピレン、エチレン、1-ブテンなどのオ
レフィンが用いられるが、これらと他のオレフィンとの
混合物であってもよい。 【0054】なお、本発明に係るオレフィン重合用触媒
は、上記のような各成分以外にもオレフィン重合に有用
な他の成分、たとえば、触媒成分としての水なども含む
ことができる。本発明のプロピレン系エラストマーは、
上記のオレフィン重合用触媒の存在下にプロピレンとエ
チレンとの共重合を行うことによって製造することがで
きる。共重合は懸濁重合、溶液重合などの液相重合法あ
るいは気相重合法いずれにおいても実施できる。 【0055】液相重合法では上述した触媒調製の際に用
いた不活性炭化水素溶媒と同じものを用いることがで
き、プロピレンおよび/またはエチレンを溶媒として用
いることもできる。プロピレンとエチレンとの共重合温
度は、懸濁重合法を実施する際には、通常−50〜10
0℃、好ましくは0〜90℃の範囲であることが望まし
く、溶液重合法を実施する際には、通常0〜250℃、
好ましくは20〜200℃の範囲であることが望まし
い。また、気相重合法を実施する際には、共重合温度は
通常0〜120℃、好ましくは20〜100℃の範囲で
あることが望ましい。共重合圧力は、通常、常圧〜10
0kg/cm2、好ましくは常圧〜50kg/cm2の条
件下であり、共重合反応は、回分式、半連続式、連続式
のいずれの方法においても行うことができる。さらに共
重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可
能である。 【0056】得られるプロピレン系エラストマーの分子
量は、共重合系に水素を存在させるか、あるいは共重合
温度、共重合圧力を変化させることによって調節するこ
とができる。 【0057】 【発明の効果】本願のプロピレン系エラストマーは、ト
リアドタクティシティーが高い。このようなプロピレン
系エラストマーは、耐熱性、衝撃吸収性、透明性、ヒー
トシール性、耐ブロッキング性に優れており、フィル
ム、シートなどへの単味使用の他、熱可塑性樹脂の改質
材などに好適に使用できる。 【0058】 【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。なおヒートシール開始温度、熱処理後のヒ
ートシール開始温度、フィルムインパクト強度およびア
イゾット強度は、下記のようにして測定した。 【0059】ヒートシール開始温度 得られたポリマーを用いて、Tダイを取り付けた30m
mφの一軸押出機により幅30cm、厚さ50μmのフ
ィルムを形成した。成形条件は、樹脂温度:210℃
(押出機ダイス部)、引き取り速度:3m/粉、冷却ロ
ール:25℃とした。 【0060】得られたフィルムを2枚重ね合わせ、幅5
mmのシールバーを用い2kg/cm2の圧力で1秒
間、種々の異なる温度でヒートシールした後、放冷し
た。この試料から幅15mmの試験片を切り取り、23
℃の温度下でヒートシール部を剥離速度200mm/
分、剥離角度180℃の条件で剥離した際の剥離抵抗力
が300g/25mmになるシールバーの温度をヒート
シール開始温度(℃)とした。 【0061】熱処理後のヒートシール開始温度 上記と同様の条件でヒートシールした2枚のフィルムを
50℃で、7日間熱処理した後に、上記と同様にして剥
離抵抗力を測定し、剥離抵抗力が300g/25mmに
なるヒートシーラーの温度を熱処理後のヒートシール開
始温度とした。フィルムインパクト強度 前記ヒートシール開始温度の測定と同様にして成形した
フィルムを用いて、フィルムインパクトテスター(東洋
精機製)にて測定した。なお、該テスターの衝撃頭球部
の形状は1/2インチφ(12.7mmφ)である。 【0062】アイゾット衝撃強度 得られたポリマー20重量部と、三井石油化学工業株式
会社製ポリプロピレンHIPOLTMグレードJ700
〔メルトフローレート(230℃)11g/10分、密度
0.91g/cm3 〕80重量部とをドライブレンド
し、2軸押出機を用いて200℃で混練してポリプロピ
レン組成物を調整した。得られたポリプロピレン組成物
を用い、射出成形機にて樹脂温度200℃、金型温度4
0℃の条件でASTM成形片を成形しそのアイゾット衝
撃強度(IZ)を、ASTM 256に準拠して測定し
た。 【0063】測定温度:23℃ 試験片 :12.7mm(幅)×6.4mm(厚さ)×
64mm(長さ) ノッチは機械加工によった。メルトフローレート(MFR) アイゾット衝撃強度の測定時に調製したポリプロピレン
組成物について、ASTM D1238に準拠して、荷
重2.16kg、温度230℃で測定した。 【0064】 【実施例1】充分に窒素置換した2リットルのオートク
レーブに、ヘキサンを900ml仕込み、トリイソブチ
ルアルミニウム1ミリモルを加え、プロピレンを気体で
60リットルフィードした。70℃に昇温した後、エチ
レンをフィードして全圧を8kg/cm2-Gに昇圧し、
メチルアルミノキサン0.45ミリモル、rac-ジフェニ
ルシリルビス{1-(2,7-ジメチル-4-イソプロピルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリドをZr原子に換算し
て0.0015ミリモル加え、エチレンを連続的にフィ
ードして全圧8kg/cm2-Gを保ちながら40分間重
合を行った。重合後、脱気して大量のメタノール中でポ
リマーを回収し、110℃で10時間減圧乾燥した。 【0065】得られたポリマーは47.2gであり、重
合活性は31.5kgポリマー/ミリモルZr、極限粘
度[η]=2.0dl/g、エチレン含量=27.0モ
ル%、頭−尾結合からなるプロピレン単位連鎖部のトリ
アドタクティシティー=95.4%、プロピレンモノマ
ーの2,1-挿入に基づく位置不規則単位の割合は0.88
%、プロピレンモノマーの1,3-挿入に基づく位置不規則
単位の割合は0.05%以下であった。また、得られた
ポリマーの物性を測定した。 【0066】 【実施例2】充分に窒素置換した2リットルのオートク
レーブに、ヘキサンを900ml仕込み、トリイソブチ
ルアルミニウム1ミリモルを加え、70℃に昇温した
後、エチレンをフィードして2.0kg/cm2に加圧
し、プロピレンをフィードして全圧を8kg/cm2-G
にし、メチルアルミノキサン0.3ミリモル、rac-ジメ
チルシリルビス{1-(2,7-ジメチル-4-イソプロピルイ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリドをZr原子に換算
して0.001ミリモル加え、プロピレンを連続的にフ
ィードして全圧kg/cm2-Gを保ちながら10分間重
合を行った。重合後、脱気して大量のメタノール中でポ
リマーを回収し、110℃で10時間減圧乾燥した。 【0067】得られたポリマーは16.8gであり、重
合活性は16.8kgポリマー/ミリモルZr、極限粘
度[η]=1.7dl/g、エチレン含量=8.5モル
%、頭−尾結合からなるプロピレン連鎖部のトリアドタ
クティシティー=95. 6%、プロピレンモノマーの
2,1-挿入に基づく位置不規則単位の割合は0.62%、
プロピレンモノマーの1,3-挿入に基づく位置不規則単位
はの割合0.05%以下であった。また、得られたポリ
マーの物性を測定した。 【0068】以上の結果を表1に示す。 【0069】 【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上 田 孝 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 伊牟田 淳 一 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 木 曽 佳 久 山口県玖珂郡和木町和木6−1−2 三井 化学株式会社内 (72)発明者 橋 本 幹 夫 東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 三 井化学株式会社内 Fターム(参考) 4J100 AA02Q AA03P CA04 DA09 DA41 FA10 FA19 JA57

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】(a)プロピレン単位を50〜95モル
    %、エチレン単位を5〜50モル%含んでなり、(b)
    13C-NMRにより求められる、頭−尾結合からなるプ
    ロピレン単位連鎖部のトリアドタクティシティーが9
    0.0%以上であり、(c)13C-NMRにより求めら
    れる、全プロピレン挿入中のプロピレンモノマーの2,1-
    挿入に基づく位置不規則単位の割合が0.5%以上、か
    つ、プロピレンモノマーの1,3-挿入に基づく位置不規則
    単位の割合が0.05%以下であり、(d)135℃、
    デカリン中で測定した極限粘度が0.1〜12dl/g
    の範囲にあることを特徴とするプロピレン系エラストマ
    ー。
JP2003006170A 1993-09-24 2003-01-14 ポリプロピレンの改質剤 Expired - Lifetime JP4101068B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003006170A JP4101068B2 (ja) 1993-09-24 2003-01-14 ポリプロピレンの改質剤

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23856293 1993-09-24
JP5-238562 1993-09-24
JP2003006170A JP4101068B2 (ja) 1993-09-24 2003-01-14 ポリプロピレンの改質剤

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14641394A Division JP3423414B2 (ja) 1993-09-24 1994-06-28 プロピレン系エラストマー

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007099770A Division JP2007182589A (ja) 1993-09-24 2007-04-05 プロピレン系エラストマーからなるフィルムまたはシート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003221416A true JP2003221416A (ja) 2003-08-05
JP4101068B2 JP4101068B2 (ja) 2008-06-11

Family

ID=27758957

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003006170A Expired - Lifetime JP4101068B2 (ja) 1993-09-24 2003-01-14 ポリプロピレンの改質剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4101068B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008277274A (ja) * 2007-03-30 2008-11-13 Dainippon Printing Co Ltd 扁平型電気化学セル用包装材料
KR101760845B1 (ko) 2009-11-20 2017-07-25 다우 글로벌 테크놀로지스 엘엘씨 저온 및 습윤 환경용 열가소성 탄성중합체

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008277274A (ja) * 2007-03-30 2008-11-13 Dainippon Printing Co Ltd 扁平型電気化学セル用包装材料
KR101760845B1 (ko) 2009-11-20 2017-07-25 다우 글로벌 테크놀로지스 엘엘씨 저온 및 습윤 환경용 열가소성 탄성중합체

Also Published As

Publication number Publication date
JP4101068B2 (ja) 2008-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100293971B1 (ko) 신규의천이금속화합물,이화합물로된올레핀중합용촉매성분,이촉매성분을함유한올레핀중합용촉매,이촉매를사용한올레핀중합방법
JP3628772B2 (ja) ポリプロピレン組成物
JP3401306B2 (ja) プロピレン系重合体
JP3580428B2 (ja) プロピレン・1−ブテン共重合体
JP3570797B2 (ja) プロピレン重合体組成物
JPH08238729A (ja) ポリプロピレン二軸延伸複合フィルム
JP3824664B2 (ja) プロピレン系エラストマー
JP3570772B2 (ja) シーラント
JP3423433B2 (ja) ヒートシール性フィルム用プロピレン系共重合体、ヒートシール性フィルム、ヒートシール性容器用プロピレン系共重合体およびヒートシール性容器
JPH08238733A (ja) ポリプロピレン複合フィルム
EP0569249B1 (en) Ethylene/alpha-olefin copolymers
JP3654461B2 (ja) 収縮包装用ポリプロピレンフィルム
JP3423414B2 (ja) プロピレン系エラストマー
JP4916628B2 (ja) シンジオタクティックポリプロピレン組成物積層体
JP2003221416A (ja) プロピレン系エラストマー
JPH08238730A (ja) ポリプロピレン複合フィルム
JP3795090B2 (ja) プロピレン系共重合体
JP3944750B2 (ja) ポリプロピレン組成物からなるフィルムまたはシート
JPH08238731A (ja) ポリプロピレン複合フィルム
JP3772769B2 (ja) ポリプロピレン樹脂組成物および延伸ブロー容器
JP2008069369A (ja) プロピレン系エラストマー組成物
JP2003201317A (ja) プロピレン系エラストマー
JPH1077371A (ja) ポリエチレン組成物
JP2003119224A (ja) プロピレン系共重合体
JPH07196734A (ja) プロピレン単独重合体およびプロピレン共重合体

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060301

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060421

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060421

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070409

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070409

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070514

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20070608

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080318

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110328

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120328

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120328

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130328

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130328

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140328

Year of fee payment: 6

EXPY Cancellation because of completion of term