JP2003221416A - プロピレン系エラストマー - Google Patents
プロピレン系エラストマーInfo
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Abstract
%、エチレン単位を5〜50モル%含んでなり、(b)
13C-NMRにより求められる、頭−尾結合からなるプ
ロピレン単位連鎖部のトリアドタクティシティーが9
0.0%以上であり、(c)13C-NMRにより求めら
れる、全プロピレン挿入中のプロピレンモノマーの2,1-
挿入に基づく位置不規則単位の割合が0.5%以上、か
つ、プロピレンモノマーの1,3-挿入に基づく位置不規則
単位の割合が0.05%以下であり、(d)135℃、
デカリン中で測定した極限粘度が0.1〜12dl/g
の範囲にあることを特徴とするプロピレン系エラストマ
ー。 【効果】耐熱性、衝撃吸収性、透明性、ヒートシール
性、耐ブロッキング性に優れている。
Description
ーが高い新規なプロピレン系エラストマーに関するもの
である。 【0002】 【発明の技術的背景】プロピレン系エラストマーは、衝
撃吸収性、耐熱性、ヒートシール性に優れているため、
フィルムなどの単味使用のほか、熱可塑性樹脂の改質剤
として用いられている。しかしながら従来のプロピレン
系エラストマーは、単味使用の場合、ヒートシール性、
耐ブロッキング性、耐熱性が必ずしも充分ではなく、改
質材として使用した場合、耐衝撃性の改良効果が必ずし
も充分ではなかった。このため、耐衝撃性などに優れる
と共に、耐熱性、透明性、ヒートシール性、耐ブロッキ
ング性、耐衝撃性の改良効果にも優れたプロピレン系エ
ラストマーの出現が望まれている。 【0003】本発明者らはこのような状況に鑑みて検討
した結果、特定量のエチレン単位を含んでなり、頭−尾
結合からなるプロピレン連鎖部の、13C−NMRで測定
したトリアドタクティシティーが高く、かつ位置不規則
単位が特定の割合であり、特定の極限粘度を有するプロ
ピレン系エラストマーは、上記特性に優れることを見出
して本発明を完成するに至った。 【0004】 【発明の目的】本発明は、トリアドタクティシティーが
高い新規なプロピレン系エラストマーを提供することを
目的としている。 【0005】 【発明の概要】本発明に係るプロピレン系エラストマー
は、(a)プロピレン単位を50〜95モル%、エチレ
ン単位を5〜50モル%含んでなり、(b)13C-NM
Rにより求められる、頭−尾結合からなるプロピレン単
位連鎖部のトリアドタクティシティーが90.0%以上
であり、(c)13C-NMRにより求められる、全プロ
ピレン挿入中のプロピレンモノマーの2,1-挿入に基づく
位置不規則単位の割合が0.5%以上、かつ、プロピレ
ンモノマーの1,3-挿入に基づく位置不規則単位の割合が
0.05%以下であり、(d)135℃、デカリン中で
測定した極限粘度が0.1〜12dl/gの範囲にある
ことを特徴としている。 【0006】 【発明の具体的説明】以下、本発明のプロピレン系エラ
ストマーについて具体的に説明する。本発明のプロピレ
ン系エラストマーは、プロピレン単位を50〜95モル
%、好ましくは60〜93モル%、より好ましくは70
〜90モル%の割合で含み、エチレン単位を5〜50モ
ル%、好ましくは7〜40モル%、より好ましくは10
〜30モル%の割合で含んでなるプロピレン−エチレン
ランダム共重合体である。 【0007】このようなプロピレン系エラストマーは、
プロピレンおよびエチレン以外のオレフィンから導かれ
る構成単位をたとえば10モル%以下の量で含んでいて
もよい。本発明のプロピレン系エラストマーは、頭−尾
結合からなるプロピレン単位連鎖部の、13C-NMRで
測定したトリアドタクティシティーが90.0%以上、
好ましくは92.0%以上、より好ましくは95.0%
以上であることが望ましい。 【0008】トリアドタクティシティーは、プロピレン
系エラストマーの13C−NMRスペクトルから下記式に
より求められる。 【0009】 【数1】【0010】13C−NMRスペクトルは、試料50〜7
0mgをNMRサンプル管(5mmφ)中でヘキサクロ
ロブタジエン、o-ジクロロベンゼンまたは1,2,4-トリク
ロロベンゼン約0.5ml に約0.05ml のロック溶
媒である重水素化ベンゼンを加えた溶媒中で完全に溶解
させた後、120℃でプロトン完全デカップリング法で
測定した。測定条件は、フリップアングル45°、パル
ス間隔3.4T1 以上(T1 は、メチル基のスピン格子
緩和時間のうち最長の値)を選択する。メチレン基およ
びメチン基のT1 は、メチル基より短いので、この条件
では磁化の回復は99%以上である。ケミカルシフト
は、頭−尾結合したプロピレン単位5連鎖の第3単位目
のメチル基を21.59ppmとして設定した。 【0011】メチル炭素領域(19〜23ppm)に係
るスペクトルは、ピーク領域を第1領域(21.2〜2
1.9ppm)、第2領域(20.3〜21.0pp
m)および第3領域(19.5〜20.3ppm)に分
類できる。なお、スペクトル中の各ピークは、文献(Po
lymer, 30(1989)1350)を参考にして帰属した。第1領
域では、PPP(mm)で示されるプロピレン単位3連
鎖中の第2単位目のメチル基が共鳴する。 【0012】第2領域では、PPP(mr)で示される
プロピレン単位3連鎖の第2単位目のメチル基および、
隣接する単位がプロピレン単位およびエチレン単位であ
るプロピレン単位のメチル基(PPE−メチル基)が共
鳴(20.7ppm付近)する。第3領域では、PPP
(rr)で示されるプロピレン単位3連鎖の第2単位目
のメチル基および、隣接する単位がいずれもエチレン単
位であるプロピレン単位のメチル基(EPE−メチル
基)が共鳴(19.8ppm付近)する。 【0013】さらにプロピレン系エラストマーは、位置
不規則ユニットを含む部分構造として、下記構造(i)
および(ii)を有する。 【0014】 【化1】 【0015】この内、炭素Aピーク、炭素A’ピークは
第2領域に、炭素Bピーク、炭素B’ピークは第3領域
に現れる。このように第1〜3領域に現れるピークのう
ち、頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖に基づかない
ピークは、PPE−メチル基、EPE−メチル基、炭素
A、炭素A’、炭素Bおよび炭素B’に基づくピークで
ある。 【0016】PPE−メチル基に基づくピーク面積は、
PPE−メチン基(30.6ppm付近で共鳴)のピー
ク面積より評価でき、EPE−メチル基に基づくピーク
面積は、EPE−メチン基(32.9ppm付近で共
鳴)のピーク面積より評価できる。炭素Aに基づくピー
ク面積は、炭素Bのメチル基が直接結合するメチン炭素
(33.6ppm付近で共鳴)のピーク面積の2倍より
評価でき、炭素A’に基づくピーク面積は、炭素B’の
メチル基の隣接メチン炭素(33.2ppm付近で共
鳴)のピーク面積により評価できる。炭素Bに基づくピ
ーク面積は、隣接するメチン炭素(33.6ppm付近
で共鳴)のピーク面積により評価でき、炭素B’に基づ
くピーク面積も同様に、隣接するメチン炭素(33.2
ppm付近で共鳴)のピーク面積により評価できる。 【0017】したがって、これらのピーク面積を第2領
域および第3領域のピーク面積より差し引くと、頭−尾
結合したプロピレン単位3連鎖(PPP(mr)および
PPP(rr))に基づくピーク面積を求めることがで
きる。以上によりPPP(mm)、PPP(mr)およ
びPPP(rr)のピーク面積を評価することができる
ので、上記数式に従って、頭−尾結合からなるプロピレ
ン単位連鎖部のトリアドタクティシティーを求めること
ができる。 【0018】本発明のプロピレン系エラストマーは、13
C-NMRで測定した、全プロピレン挿入中の2,1-挿入
に基づく位置不規則単位の割合が0.5%以上であり、
好ましくは0.5〜2.0%、より好ましくは0.5〜
1.5%であることが望ましい。また、本発明のプロピ
レン系エラストマーは、1,2-、1,3-、1,2-挿入に基づく
位置不規則単位が0.05%以下、好ましくは0.03
%以下であることが好ましい。 【0019】重合時、プロピレンモノマーは、1,2-挿入
(メチレン側が触媒と結合する)するが、稀に2,1-挿入
することがある。2,1-挿入したモノマーは、ポリマー中
で、位置不規則ユニットを形成する。全プロピレン挿入
中の2,1-挿入の割合を、13C−NMRを利用して、Poly
mer,30(1989)1350を参考にして下記の式から求めた。 【0020】 【数2】 【0021】ここで、ピークの命名は、Carmanらの方法
(Rubber Chem. Technol.,44(1971),781)に従った。ま
た、Iαβなどは、αβピークなどのピーク面積を示
す。なお、ピークが重なることなどにより、Iαβなど
の面積が直接スペクトルより求めることが困難な場合
は、対応する面積を有する炭素ピークで代用することが
できる。 【0022】プロピレンの1,2-、1,3-、1,2-挿入に基づ
く3連鎖量は、βγピーク(27.4ppm付近で共
鳴)の面積の1/2を全メチル基ピークとβγピークの
1/2の和で除して100を乗ずることにより、その割
合を%表示で求めた。本発明のプロピレン系エラストマ
ーは、135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]
が0.1〜12dl/g、好ましくは0.5〜12dl
/g、より好ましくは1〜12dl/gの範囲にあるこ
とが望ましい。 【0023】本発明のプロピレン系エラストマーは、た
とえば、(A)後述するような遷移金属化合物と、
(B)(B-1)有機アルミニウムオキシ化合物、および(B-
2)前記遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成
する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化
合物と所望により(C)有機アルミニウム化合物からな
るオレフィン重合触媒の存在下にエチレンとプロピレン
とを共重合することにより得ることができる。 【0024】以下、本発明のプロピレン系エラストマー
の製造に用いられるオレフィン重合用触媒について説明
する。本発明で用いられるオレフィン重合触媒を形成す
る遷移金属化合物(A)(以下「成分(A)」と記載す
ることがある。)は、下記一般式(I)で表される遷移
金属化合物である。 【0025】 【化2】 【0026】式中、Mは周期律表第IVa、Va、VIa族
の遷移金属を示し、具体的には、チタニウム、ジルコニ
ウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、ク
ロム、モリブデン、タングステンであり、好ましくはチ
タニウム、ジルコニウム、ハフニウムであり、特に好ま
しくはジルコニウムである。R1およびR2は水素原子、
ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1
〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含
有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基を示
し、具体的には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハ
ロゲン原子;メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキ
シル、シクロヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、
アイコシル、ノルボルニル、アダマンチルなどのアルキ
ル基、ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどのア
ルケニル基、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロ
ピルなどのアリールアルキル基、フェニル、トリル、ジ
メチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニ
ル、プロピルフェニル、ビフェニル、ナフチル、メチル
ナフチル、アントラセニル、フェナントリルなどのアリ
ール基などの炭素数1〜20の炭化水素基;前記炭化水
素基にハロゲン原子が置換したハロゲン化炭化水素基;
メチルシリル、フェニルシリルなどのモノ炭化水素置換
シリル、ジメチルシリル、ジフェニルシリルなどのジ炭
化水素置換シリル、トリメチルシリル、トリエチルシリ
ル、トリプロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、
トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチル
ジフェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシ
リルなどのトリ炭化水素置換シリル、トリメチルシリル
エーテルなどの炭化水素置換シリルのシリルエーテル、
トリメチルシリルメチルなどのケイ素置換アルキル基、
トリメチルフェニルなどのケイ素置換アリール基、など
のケイ素含有基;ヒドロオキシ基、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、ブトキシなどのアルコキシ基、フェノ
キシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフト
キシなどのアリロキシ基、フェニルメトキシ、フェニル
エトキシなどのアリールアルコキシ基などの酸素含有
基;前記含酸素化合物の酸素がイオウに置換したイオウ
含有基;アミノ基、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジ
エチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジ
シクロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ基、フェニ
ルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフ
チルアミノ、メチルフェニルアミノなどのアリールアミ
ノ基またはアルキルアリールアミノ基などの窒素含有
基;ジメチルフォスフィノ、ジフェニルフォスフィノな
どのフォスフィノ基などのリン含有基である。 【0027】これらのうちR1 は炭化水素基であること
が好ましく、特にメチル、エチル、プロピルの炭素数1
〜3の炭化水素基であることが好ましい。またR2 は水
素原子、炭化水素基であることが好ましく、特に水素原
子であることが好ましい。R3は炭素数2〜20のアル
キル基を示し、R4は炭素数1〜20のアルキル基を示
す。R3は2級または3級アルキル基であることが好ま
しい。また、R3、R 4で示されるアルキル基は、ハロゲ
ン原子、ケイ素含有基で置換されていてもよく、ハロゲ
ン原子、ケイ素含有基としては、R1 、R2 で例示した
置換基が挙げられる。 【0028】R4としては、エチル、n-プロピル、i-プ
ロピル、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、tert- ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、
オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニ
ル、アダマンチルなどの鎖状アルキル基および環状アル
キル基;ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピ
ル、トリルメチルなどのアリールアルキル基などが挙げ
られ、2重結合、3重結合を含んでいてもよい。 【0029】R3としては、メチルおよびR4で例示した
アルキル基が挙げられる。X1およびX2は、水素原子、
ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1
〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオ
ウ含有基を示し、具体的には、前記R1 およびR2 と同
様のハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素
数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基が例示
できる。 【0030】イオウ含有基としては、前記R1 、R2 と
同様の基、およびメチルスルホネート、トリフルオロメ
タンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジ
ルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメ
チルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼン
スルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペ
ンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネ
ート基、メチルスルフィネート、フェニルスルフィネー
ト、ベンゼンスルフィネート、p-トルエンスルフィネー
ト、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオ
ロベンゼンスルフィネートなどスルフィネート基が例示
できる。 【0031】Yは、炭素数1〜20の2価の炭化水素
基、炭素数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2
価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価の
スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−
SO2 −、−NR5−、−P(R5)−、−P(O)(R
5 )−、−BR5 −または−AlR5 −[ただし、R5
は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素
基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基]を示し、
具体的には、メチレン、ジメチルメチレン、1,2-エチレ
ン、ジメチル-1,2- エチレン、1,3-トリメチレン、1,4-
テトラメチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘ
キシレンなどのアルキレン基、ジフェニルメチレン、ジ
フェニル-1,2- エチレンなどのアリールアルキレン基な
どの炭素数1から20の2価の炭化水素基;クロロメチ
レンなどの上記炭素数1から20の2価の炭化水素基を
ハロゲン化したハロゲン化炭化水素基;メチルシリレ
ン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n-プロ
ピル)シリレン、ジ(i-プロピル)シリレン、ジ(シク
ロヘキシル)シリレン、メチルフェニルシリレン、ジフ
ェニルシリレン、ジ(p-トリル)シリレン、ジ(p-クロ
ロフェニル)シリレンなどのアルキルシリレン、アルキ
ルアリールシリレン、アリールシリレン基、テトラメチ
ル-1,2-ジシリル、テトラフェニル-1,2- ジシリルなど
のアルキルジシリル、アルキルアリールジシリル、アリ
ールシリル基などの2価のケイ素含有基;上記2価のケ
イ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した2価のゲ
ルマニウム含有基;上記2価のケイ素含有基のケイ素を
スズに置換した2価のスズ含有基置換基などであり、R
5 は、前記R1 、R2 と同様のハロゲン原子、炭素数1
〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化
水素基である。 【0032】このうち2価のケイ素含有基、2価のゲル
マニウム含有基、2価のスズ含有基であることが好まし
く、さらに2価のケイ素含有基であることが好ましく、
このうち特にアルキルシリレン、アルキルアリールシリ
レン、アリールシリレンであることが好ましい。以下に
上記一般式(I)で表される遷移金属化合物の具体的な
例を示す。 【0033】rac-ジメチルシリル-ビス{1-(2,7-ジメ
チル-4-エチルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリル-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-
プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリル-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピル
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリル-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-ブチルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリル-
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-sec-ブチルインデニル)}
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス{1
-(2,7-ジメチル-4-t-ブチルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス{1-(2,7-ジ
メチル-4-n-ペンチルインデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリル-ビス{1-(2,7-ジメチル-
4-n-ヘキシルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリル-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-シクロ
ヘキシルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリル-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-メチルシク
ロヘキシルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリル-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-フェニル
エチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリル-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-フェニルジク
ロルメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリル-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-クロロメ
チルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリル-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-トリメチルシリ
ルメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリル-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-トリメチル
シロキシメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジエチルシリル-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-
プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジ(i-プロピル)シリルビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-
プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジ(n-ブチル)シリルビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プ
ロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
(シクロヘキシル)シリルビス{1-(2,7-ジメチル-4-i
-プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac
-メチルフェニルシリルビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プ
ロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-メ
チルフェニルシリルビス{1-(2,7-ジメチル-4-t-ブチ
ルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェ
ニルシリルビス{1-(2,7-ジメチル-4-t-ブチルインデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニルシリ
ルビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニルシリル
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-エチルインデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-ジ(p-トリル)シリルビス
{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-ジ(p-クロロフェニル)シリ
ルビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリルビ
ス{1-(2-メチル-4-i-プロピル-7-エチルインデニ
ル)}ジルコニウムジブロミド、rac-ジメチルシリル-
ビス{1-(2-メチル-4-i-プロピル-7-メチルインデニ
ル)}ジルコニウムジメチル、rac-ジメチルシリル-ビ
ス{1-(2-メチル-4-i-プロピル-7-メチルインデニ
ル)}ジルコニウムメチルクロリド、rac-ジメチルシリ
ル-ビス{1-(2-メチル-4-i-プロピル-7-メチルインデ
ニル)}ジルコニウム-ビス(メタンスルホナト)、rac
-ジメチルシリル-ビス{1-(2-メチル-4-i-プロピル-7-
メチルインデニル)}ジルコニウム-ビス(p-フェニル
スルフィナト)、rac-ジメチルシリル-ビス{1-(2-エ
チル-4-i-プロピル-7-メチルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス{1-(2-フェ
ニル-4-i-プロピル-7-メチルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリドなど。 【0034】これらの中で、4位にi-プロピル,sec-ブ
チル,tert-ブチル基などの分岐アルキル基を有するも
のが、特に好ましい。本発明では、上記のような化合物
においてジルコニウム金属をチタニウム金属、ハフニウ
ム金属、バナジウム金属、ニオブ金属、タンタル金属、
クロム金属、モリブデン金属、タングステン金属に置き
換えた遷移金属化合物を用いることもできる。 【0035】前記遷移金属化合物は、通常ラセミ体とし
てオレフィン重合用触媒成分として用いられるが、R型
またはS型を用いることもできる。本発明で用いられる
オレフィン重合用触媒を形成する(B-1)有機アルミニウ
ムオキシ化合物(以下「成分(B-1)」と記載することが
ある。)は、従来公知のアルミノキサンであってもよ
く、また特開平2-78687号公報に例示されている
ようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物
であってもよい。 【0036】従来公知のアルミノキサンは、たとえば下
記のような方法によって製造することができる。 (1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して、有機アルミニウム化合物と吸着水あるいは
結晶水を反応させる方法。 (2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウム
などの有機アルミニウム化合物に直接水や氷や水蒸気を
作用させる方法。 (3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリ
アルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなど
の有機スズ酸化物を反応させる方法。 【0037】なお、該アルミノキサンは、少量の有機金
属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミ
ノキサンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニウ
ム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解あるいは
アルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。アルミノ
キサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合
物としては、具体的には、トリメチルアルミニウム、ト
リエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、ト
リイソプロピルアルミニウム、トリn-ブチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec-ブチルアル
ミニウム、トリtert- ブチルアルミニウム、トリペンチ
ルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオク
チルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリ
アルキルアルミニウム;トリシクロヘキシルアルミニウ
ム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロ
アルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロリ
ド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニ
ウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなど
のジアルキルアルミニウムハライド;ジエチルアルミニ
ウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドラ
イドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド;ジメ
チルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエ
トキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;
ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのジアルキルア
ルミニウムアリーロキシドなどが挙げられる。 【0038】これらのうち、トリアルキルアルミニウ
ム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリ
メチルアルミニウムが特に好ましい。また、アルミノキ
サンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物
として、下記一般式(II)で表されるイソプレニルアル
ミニウムを用いることもできる。 【0039】 (i-C4H9)x Aly (C5 H10)z … (II) (式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xであ
る。) 上記のような有機アルミニウム化合物は、単独であるい
は組合せて用いられる。アルミノキサンの溶液に用いら
れる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ク
メン、シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデ
カン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペン
タン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロ
ペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油
などの石油留分あるいは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭
化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素
化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。その
他、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテ
ル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち特に芳
香族炭化水素または脂肪族炭化水素が好ましい。 【0040】本発明で用いられるオレフィン重合用触媒
を形成する(B-2)前記遷移金属化合物(A)と反応して
イオン対を形成する化合物(以下「成分(B-2)」と記載
することがある。)としては、特表平1−501950
号公報、特表平1−502036号公報、特開平3−1
79005号公報、特開平3−179006号公報、特
開平3−207703号公報、特開平3−207704
号公報、US−547718号公報などに記載されたル
イス酸、イオン性化合物およびカルボラン化合物、カル
ボラン化合物を挙げることができる。 【0041】ルイス酸としては、トリフェニルボロン、
トリス(4-フルオロフェニル)ボロン、トリス(p-トリ
ル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス(3,5-
ジメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフ
ェニル)ボロン、MgCl2、Al2O3、SiO2-Al2
O3 などが例示できる。イオン性化合物としては、トリ
フェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、トリn-ブチルアンモニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルア
ニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレートなどが例示できる。 【0042】カルボラン化合物としては、ドデカボラ
ン、1-カルバウンデカボラン、ビスn-ブチルアンモニウ
ム(1-カルベドデカ)ボレート、トリn-ブチルアンモニ
ウム(7,8-ジカルバウンデカ)ボレート、トリn-ブチル
アンモニウム(トリデカハイドライド-7-カルバウンデ
カ)ボレートなどが例示できる。上記のような前記遷移
金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物
(B-2)は、2種以上混合して用いることができる。 【0043】本発明で用いられるオレフィン重合用触媒
を形成する(C)有機アルミニウム化合物(以下「成分
(C)」と記載することがある。)としては、例えば下
記一般式(III)で表される有機アルミニウム化合物を
例示することができる。 R9 nAlX3-n … (III) (式中、R9 は炭素数1〜12の炭化水素基であり、X
はハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜3であ
る。) 上記一般式(III)において、R9 は炭素数1〜12の
炭化水素基例えばアルキル基、シクロアルキル基または
アリール基であるが、具体的には、メチル基、エチル
基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などであ
る。 【0044】このような有機アルミニウム化合物(C)
としては、具体的には以下のような化合物が挙げられ
る。トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ(2-エチ
ルヘキシル)アルミニウム、トリデシルアルミニウムな
どのトリアルキルアルミニウム;イソプレニルアルミニ
ウムなどのアルケニルアルミニウム;ジメチルアルミニ
ウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソ
プロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニ
ウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミドなどのジ
アルキルアルミニウムハライド;メチルアルミニウムセ
スキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イ
ソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミ
ニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロ
ミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;メチ
ルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロ
リド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルア
ルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハ
ライド;ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブ
チルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニ
ウムハイドライドなど。 【0045】また有機アルミニウム化合物(C)とし
て、下記一般式(IV)で表される化合物を用いることも
できる。 R9 nAlL3-n … (IV) (式中、R9 は上記と同様であり、Lは−OR10基、−
OSiR11 3基、−OAlR12 2基、−NR13 2基、−S
iR14 3基または−N(R15)AlR16 2基であり、nは
1〜2であり、R10、R11、R12およびR16はメチル
基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロ
ヘキシル基、フェニル基などであり、R13は水素原子、
メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、ト
リメチルシリル基などであり、R14 およびR15 はメチ
ル基、エチル基などである。)このような有機アルミニ
ウム化合物のなかでは、R7 nAl(OAlR10 2)3-n
で表される化合物、例えばEt2AlOAlEt2 、(i
so-Bu)2AlOAl(iso-Bu)2 などが好ましい。 【0046】上記一般式(III)および(IV)で表され
る有機アルミニウム化合物の中では、一般式R7 3Alで
表される化合物が好ましく、特にRがイソアルキル基で
ある化合物が好ましい。本発明で用いられるオレフィン
重合用触媒は、成分(A)、成分(B-1)(または成分(B-
2))および所望により成分(C)を不活性炭化水素溶媒
中またはオレフィン溶媒中で混合することにより調製す
ることができる。 【0047】オレフィン重合用触媒の調製に用いられる
不活性炭化水素溶媒として具体的には、プロパン、ブタ
ン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカ
ン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペン
タン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂
環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジ
クロロメタンなどのハロゲン化炭化水素あるいはこれら
の混合物などを挙げることができる。 【0048】オレフィン重合用触媒を調製する際の各成
分の混合順序は任意であるが、成分(B-1)(または成分
(B-2))と成分(A)とを混合するか、成分(B-1)と成分
(C)とを混合し、次いで成分(A)を混合するか 、
成分(A)と成分(B-1)(または成分(B-2))とを混合
し、次いで成分(C)を混合するか、あるいは、成分
(A)と成分(C)とを混合し、次いで成分成分(B-1)
(または成分(B-2))を混合することが好ましい。 【0049】上記各成分を混合するに際して、成分(B-
1)中のアルミニウムと、成分(A)中の遷移金属との原
子比(Al/遷移金属)は、通常10〜10000、好
ましくは20〜5000であり、成分(A)の濃度は、
約10-8〜10-1モル/リットル、好ましくは10-7〜
5×10-2モル/リットルの範囲である。成分(B-2)を
用いる場合、成分(A)と成分(B-2)とのモル比(成分
(A)/成分(B-2))は、通常0.01〜10、好まし
くは0.1〜5の範囲であり、成分(A)の濃度は、約
10-8〜10-1モル/リットル、好ましくは10-7〜5
×10-2モル/リットルの範囲である。 【0050】成分(C)を用いる場合は、成分(C)中
のアルミニウム原子(AlC)と成分(B-1)中のアルミニ
ウム原子(AlB-1)との原子比(AlC/AlB-1)
は、通常0.02〜20、好ましくは0.2〜10の範
囲である。上記各触媒成分は、重合器中で混合してもよ
いし、予め混合したものを重合器に添加してもよい。 【0051】予め混合する際の混合温度は、通常−50
〜150℃、好ましくは−20〜120℃であり、接触
時間は1〜1000分間、好ましくは5〜600分間で
ある。また、混合接触時には混合温度を変化させてもよ
い。本発明で用いられるオレフィン重合用触媒は、無機
あるいは有機の化合物であって、顆粒状ないしは微粒子
状の固体である微粒子状担体に、上記成分(A)、成分
(B)および成分(C)のうち少なくとも一種の成分が
担持された固体状オレフィン重合用触媒であってもよ
い。 【0052】無機担体としては多孔質酸化物が好まし
く、たとえばSiO2、Al2O3 などを例示することが
できる。有機化合物の顆粒状ないしは微粒子状固体とし
ては、エチレン、プロピレン、1-ブテンなどのα-オレ
フィン、もしくはスチレンを主成分として生成される重
合体または共重合体を例示することができる。 【0053】また、本発明で用いられるオレフィン重合
触媒は、上記の微粒子状担体、成分(A)、成分
(B)、予備重合により生成するオレフィン重合体およ
び、所望により成分(C)から形成されるオレフィン重
合触媒であってもよい。予備重合に用いられるオレフィ
ンとしては、プロピレン、エチレン、1-ブテンなどのオ
レフィンが用いられるが、これらと他のオレフィンとの
混合物であってもよい。 【0054】なお、本発明に係るオレフィン重合用触媒
は、上記のような各成分以外にもオレフィン重合に有用
な他の成分、たとえば、触媒成分としての水なども含む
ことができる。本発明のプロピレン系エラストマーは、
上記のオレフィン重合用触媒の存在下にプロピレンとエ
チレンとの共重合を行うことによって製造することがで
きる。共重合は懸濁重合、溶液重合などの液相重合法あ
るいは気相重合法いずれにおいても実施できる。 【0055】液相重合法では上述した触媒調製の際に用
いた不活性炭化水素溶媒と同じものを用いることがで
き、プロピレンおよび/またはエチレンを溶媒として用
いることもできる。プロピレンとエチレンとの共重合温
度は、懸濁重合法を実施する際には、通常−50〜10
0℃、好ましくは0〜90℃の範囲であることが望まし
く、溶液重合法を実施する際には、通常0〜250℃、
好ましくは20〜200℃の範囲であることが望まし
い。また、気相重合法を実施する際には、共重合温度は
通常0〜120℃、好ましくは20〜100℃の範囲で
あることが望ましい。共重合圧力は、通常、常圧〜10
0kg/cm2、好ましくは常圧〜50kg/cm2の条
件下であり、共重合反応は、回分式、半連続式、連続式
のいずれの方法においても行うことができる。さらに共
重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可
能である。 【0056】得られるプロピレン系エラストマーの分子
量は、共重合系に水素を存在させるか、あるいは共重合
温度、共重合圧力を変化させることによって調節するこ
とができる。 【0057】 【発明の効果】本願のプロピレン系エラストマーは、ト
リアドタクティシティーが高い。このようなプロピレン
系エラストマーは、耐熱性、衝撃吸収性、透明性、ヒー
トシール性、耐ブロッキング性に優れており、フィル
ム、シートなどへの単味使用の他、熱可塑性樹脂の改質
材などに好適に使用できる。 【0058】 【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。なおヒートシール開始温度、熱処理後のヒ
ートシール開始温度、フィルムインパクト強度およびア
イゾット強度は、下記のようにして測定した。 【0059】ヒートシール開始温度 得られたポリマーを用いて、Tダイを取り付けた30m
mφの一軸押出機により幅30cm、厚さ50μmのフ
ィルムを形成した。成形条件は、樹脂温度:210℃
(押出機ダイス部)、引き取り速度:3m/粉、冷却ロ
ール:25℃とした。 【0060】得られたフィルムを2枚重ね合わせ、幅5
mmのシールバーを用い2kg/cm2の圧力で1秒
間、種々の異なる温度でヒートシールした後、放冷し
た。この試料から幅15mmの試験片を切り取り、23
℃の温度下でヒートシール部を剥離速度200mm/
分、剥離角度180℃の条件で剥離した際の剥離抵抗力
が300g/25mmになるシールバーの温度をヒート
シール開始温度(℃)とした。 【0061】熱処理後のヒートシール開始温度 上記と同様の条件でヒートシールした2枚のフィルムを
50℃で、7日間熱処理した後に、上記と同様にして剥
離抵抗力を測定し、剥離抵抗力が300g/25mmに
なるヒートシーラーの温度を熱処理後のヒートシール開
始温度とした。フィルムインパクト強度 前記ヒートシール開始温度の測定と同様にして成形した
フィルムを用いて、フィルムインパクトテスター(東洋
精機製)にて測定した。なお、該テスターの衝撃頭球部
の形状は1/2インチφ(12.7mmφ)である。 【0062】アイゾット衝撃強度 得られたポリマー20重量部と、三井石油化学工業株式
会社製ポリプロピレンHIPOLTMグレードJ700
〔メルトフローレート(230℃)11g/10分、密度
0.91g/cm3 〕80重量部とをドライブレンド
し、2軸押出機を用いて200℃で混練してポリプロピ
レン組成物を調整した。得られたポリプロピレン組成物
を用い、射出成形機にて樹脂温度200℃、金型温度4
0℃の条件でASTM成形片を成形しそのアイゾット衝
撃強度(IZ)を、ASTM 256に準拠して測定し
た。 【0063】測定温度:23℃ 試験片 :12.7mm(幅)×6.4mm(厚さ)×
64mm(長さ) ノッチは機械加工によった。メルトフローレート(MFR) アイゾット衝撃強度の測定時に調製したポリプロピレン
組成物について、ASTM D1238に準拠して、荷
重2.16kg、温度230℃で測定した。 【0064】 【実施例1】充分に窒素置換した2リットルのオートク
レーブに、ヘキサンを900ml仕込み、トリイソブチ
ルアルミニウム1ミリモルを加え、プロピレンを気体で
60リットルフィードした。70℃に昇温した後、エチ
レンをフィードして全圧を8kg/cm2-Gに昇圧し、
メチルアルミノキサン0.45ミリモル、rac-ジフェニ
ルシリルビス{1-(2,7-ジメチル-4-イソプロピルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリドをZr原子に換算し
て0.0015ミリモル加え、エチレンを連続的にフィ
ードして全圧8kg/cm2-Gを保ちながら40分間重
合を行った。重合後、脱気して大量のメタノール中でポ
リマーを回収し、110℃で10時間減圧乾燥した。 【0065】得られたポリマーは47.2gであり、重
合活性は31.5kgポリマー/ミリモルZr、極限粘
度[η]=2.0dl/g、エチレン含量=27.0モ
ル%、頭−尾結合からなるプロピレン単位連鎖部のトリ
アドタクティシティー=95.4%、プロピレンモノマ
ーの2,1-挿入に基づく位置不規則単位の割合は0.88
%、プロピレンモノマーの1,3-挿入に基づく位置不規則
単位の割合は0.05%以下であった。また、得られた
ポリマーの物性を測定した。 【0066】 【実施例2】充分に窒素置換した2リットルのオートク
レーブに、ヘキサンを900ml仕込み、トリイソブチ
ルアルミニウム1ミリモルを加え、70℃に昇温した
後、エチレンをフィードして2.0kg/cm2に加圧
し、プロピレンをフィードして全圧を8kg/cm2-G
にし、メチルアルミノキサン0.3ミリモル、rac-ジメ
チルシリルビス{1-(2,7-ジメチル-4-イソプロピルイ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリドをZr原子に換算
して0.001ミリモル加え、プロピレンを連続的にフ
ィードして全圧kg/cm2-Gを保ちながら10分間重
合を行った。重合後、脱気して大量のメタノール中でポ
リマーを回収し、110℃で10時間減圧乾燥した。 【0067】得られたポリマーは16.8gであり、重
合活性は16.8kgポリマー/ミリモルZr、極限粘
度[η]=1.7dl/g、エチレン含量=8.5モル
%、頭−尾結合からなるプロピレン連鎖部のトリアドタ
クティシティー=95. 6%、プロピレンモノマーの
2,1-挿入に基づく位置不規則単位の割合は0.62%、
プロピレンモノマーの1,3-挿入に基づく位置不規則単位
はの割合0.05%以下であった。また、得られたポリ
マーの物性を測定した。 【0068】以上の結果を表1に示す。 【0069】 【表1】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】(a)プロピレン単位を50〜95モル
%、エチレン単位を5〜50モル%含んでなり、(b)
13C-NMRにより求められる、頭−尾結合からなるプ
ロピレン単位連鎖部のトリアドタクティシティーが9
0.0%以上であり、(c)13C-NMRにより求めら
れる、全プロピレン挿入中のプロピレンモノマーの2,1-
挿入に基づく位置不規則単位の割合が0.5%以上、か
つ、プロピレンモノマーの1,3-挿入に基づく位置不規則
単位の割合が0.05%以下であり、(d)135℃、
デカリン中で測定した極限粘度が0.1〜12dl/g
の範囲にあることを特徴とするプロピレン系エラストマ
ー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Applications Claiming Priority (3)
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JP5-238562 | 1993-09-24 | ||
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Related Child Applications (1)
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ID=27758957
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Country | Link |
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JP (1) | JP4101068B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008277274A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-11-13 | Dainippon Printing Co Ltd | 扁平型電気化学セル用包装材料 |
KR101760845B1 (ko) | 2009-11-20 | 2017-07-25 | 다우 글로벌 테크놀로지스 엘엘씨 | 저온 및 습윤 환경용 열가소성 탄성중합체 |
-
2003
- 2003-01-14 JP JP2003006170A patent/JP4101068B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008277274A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-11-13 | Dainippon Printing Co Ltd | 扁平型電気化学セル用包装材料 |
KR101760845B1 (ko) | 2009-11-20 | 2017-07-25 | 다우 글로벌 테크놀로지스 엘엘씨 | 저온 및 습윤 환경용 열가소성 탄성중합체 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP4101068B2 (ja) | 2008-06-11 |
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