JP2003221274A - 誘電体磁器組成物およびこれを用いた積層セラミック部品 - Google Patents

誘電体磁器組成物およびこれを用いた積層セラミック部品

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JP2003221274A
JP2003221274A JP2002110518A JP2002110518A JP2003221274A JP 2003221274 A JP2003221274 A JP 2003221274A JP 2002110518 A JP2002110518 A JP 2002110518A JP 2002110518 A JP2002110518 A JP 2002110518A JP 2003221274 A JP2003221274 A JP 2003221274A
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glass
dielectric
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tio
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JP2002110518A
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Takashi Kono
孝史 河野
Koichi Fukuda
晃一 福田
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Ube Electronics Ltd
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Ube Electronics Ltd
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】Cu、Agなどの低抵抗導体の同時焼成による
内装化、多層化ができる800〜1000℃以下の温度
で焼成可能で、かつ、低い誘電損失tanδ(高いQ
値)を有し、共振周波数の温度係数τの絶対値が小さ
くかつ積層セラミック部品等を適度な大きさに形成でき
るように比誘電率εが8から30程度の誘電体磁器組
成物を提供する。 【解決手段】一般式xZnTiO−(1−x)Zn
TiO−yTiOで表され、xが0<x<1、yが
0<y≦0.5の範囲内である主成分100重量部に対
して、ガラス成分を5重量部以上150重量部以下含有
する誘電体磁器組成物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低抵抗導体である
Au、AgやCu等と同時焼成が可能で、積層セラミッ
ク部品に好適な低い誘電損失(高いQ値)を有する誘電
体磁器組成物、およびそれを用いた積層セラミックコン
デンサやLCフィルタ等の積層セラミック部品に関する
ものである。特に、ZnTiO、ZnTiO、T
iO及びガラス成分からなる誘電体磁器組成物とそれ
を用いた積層セラミック部品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロ波回路の集積化に伴い、
小型でかつ誘電損失(tanδ)が小さく誘電特性が安
定した誘電体共振器が求められている。このような誘電
体共振器に使用される誘電体磁器組成物には、比誘電率
εrが比較的大きいこと、無負荷Q値が大きいこと、共
振周波数の温度係数τfが小さいことなどが要求されて
いる。一般に、比誘電率εrは大きいほど共振器を小さ
くできるが、共振周波数が高くなるほど共振器も小さく
なる。しかしながら共振器が小さくなりすぎると加工精
度が低下し、かつ電極の印刷精度の影響を受けやすくな
るため、用途等によって共振器が小さくなりすぎないよ
うに、比誘電率εrは適切な範囲のものが要求される。
本発明は、比誘電率εrが8から30程度の誘電体磁器
組成物に関するものである。
【0003】この種の誘電体磁器組成物として、BaO
−MgO−WO系材料(特開平6−236708号公
報)、Al−TiO−Ta系材料(特開
平9−52760号公報)などが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】最近、誘電体磁器組成
物を積層した積層セラミックスコンデンサやLCフィル
タ等の積層セラミック部品が開発されており、誘電体磁
器組成物と内部電極との同時焼成による積層化が行われ
ている。しかしながら、前記誘電体磁器組成物は焼成温
度が1300〜1400℃と高いため内部電極との同時
焼成を行うことは困難な面があり、積層化構造とするた
めには電極材料として高温に耐えるパラジウム(Pd)
や白金(Pt)等の材料に限定されていた。このため、
電極材料として低抵抗導体でかつ安価な銀(Ag)、A
g−Pd、およびCu等を使用して、1000℃以下の
低温で同時焼成可能な誘電体磁器組成物が求められてい
る。
【0005】本発明の目的は、Cu、Agといった低抵
抗導体の同時焼成による内装化、多層化ができる800
〜1000℃以下の温度で焼成可能で、かつ、低い誘電
損失tanδ(高いQ値)を有し、共振周波数の温度係
数τの絶対値が小さくかつ積層セラミック部品等を適
度な大きさに形成できるように比誘電率εが8から3
0程度の誘電体磁器組成物を提供することにある。ま
た、このような誘電体磁器組成物からなる誘電体層とC
uまたはAgを主成分とする内部電極とを有する積層セ
ラミックコンデンサやLCフィルタ等の積層セラミック
部品を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、従来の誘
電体磁器材料における上記課題を解決するために鋭意検
討した結果、下記の組成のものがこの要求を満足するも
のであることを見出した。
【0007】本発明は、一般式xZnTiO−(1
−x)ZnTiO−yTiOで表され、xが0<x
<1、yが0<y≦0.5の範囲内である主成分100
重量部に対して、ガラス成分を5重量部以上150重量
部以下含有することを特徴とする誘電体磁器組成物に関
する。
【0008】前記ガラス成分としては、PbO系ガラ
ス、ZnO系ガラス、SiO系ガラスあるいはPb
O、ZnO、Bi、BaO、B、Si
、ZrO 、TiO、Al、CaO、Sr
Oの群から選択された2種以上の金属酸化物からなるガ
ラスであることが好ましい。
【0009】さらに、本発明は前記主成分100重量部
に対して、CuOを40重量部以下含有する前記の誘電
体磁器組成物に関する。
【0010】また、本発明は前記主成分100重量部に
対して、MnOを30重量部以下含有する前記の誘電体
磁器組成物に関する。
【0011】また、本発明は、複数の誘電体層と、該誘
電体層間に形成された内部電極と、該内部電極に電気的
に接続された外部電極とを備える積層セラミック部品に
おいて、前記誘電体層が前記誘電体磁器組成物を焼成し
て得られる誘電体磁器にて構成され、前記内部電極がC
u単体若しくはAg単体、又はCu若しくはAgを主成
分とする合金材料にて形成されていることを特徴とする
積層セラミック部品に関する。
【0012】ZnTiO、ZnTiO、TiO
およびガラス成分からなる特定の組成とすることによ
り、1000℃以下の焼成温度で、比誘電率εが8〜
30程度で、誘電損失が小さく、共振周波数の温度係数
の絶対値が60ppm/℃以下とすることができる。ま
た、CuO又はMnOを副成分として添加することによ
り、さらに焼成温度を低下させることができる。これに
より、Cu若しくはAg単体、又はCu若しくはAgを
主成分とする内部電極を有する積層セラミック部品を提
供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の誘電体磁器組成物
について具体的に説明する。本発明の誘電体磁器組成物
は、一般式xZnTiO−(1−x)ZnTiO
−yTiOで表され、xが0<x<1、yが0<y≦
0.5の範囲内である主成分100重量部に対して、ガ
ラス成分を5重量部以上150重量部以下含有すること
を特徴とする。
【0014】前記組成においてyが0.5より大きい
と、τが+60ppm/℃以上になり好ましくない。
また、本発明の誘電体磁器組成物は、セラミックス母材
となる前記主成分100重量部に対してガラス成分が5
重量部未満では焼成温度が高くなり、150重量部を超
える場合にはガラスが溶出してセッターと反応する傾向
にある。
【0015】また、本発明に用いるZnTiOは酸
化亜鉛ZnOと酸化チタンTiOとをモル比2:1で
混合し焼成することにより得ることができる。また、Z
nTiOはZnOとTiOとをモル比1:1で混合
し焼成することにより得ることができる。ZnTiO
およびZnTiOの原料として、TiOとZnO
の他に、焼成時に酸化物となる硝酸塩、炭酸塩、水酸化
物、塩化物、および有機金属化合物等を使用してもよ
い。
【0016】本発明の誘電体磁器組成物では、ガラスを
所定量含有することを特徴とする。ここで、ガラスとは
非結晶質の固体物質で、溶融により得られたものをい
う。ガラスの中に一部結晶化したものを含む結晶化ガラ
スもガラスに含まれる。固体物質としては、酸化物から
成る無機物質があげられ、本発明に用いるガラスとして
は、PbO系ガラス、ZnO系ガラス、SiO系ガラ
ス、その他金属酸化物からなるガラスが挙げられる。P
bO系ガラスは、PbOを含有するガラスであり、Pb
O−SiO、PbO−B、PbO−P
含有するガラスや、RO−PbO−SiO,R
−CaO−PbO−SiO、RO−ZnO−PbO
−SiO、RO−Al−PbO−SiO
含有するガラス(但しここでRはNaO、KO)な
どが例示される。ZnO系ガラスは、ZnOを含有する
ガラスであり、ZnO−Al−BaO−Si
、ZnO−Al−RO−SiO、などが
例示される。SiO系ガラスは、SiOを含有する
ガラスであり、SiO−Al−RO、SiO
−Al−BaO、などが例示される。
【0017】さらに、本発明に用いるガラスとしては、
PbO系ガラス、ZnO系ガラス、SiO系ガラスの
他にも、各種金属酸化物からなるガラスも使用すること
ができ、PbO、ZnO、Bi、BaO、B
、SiO、ZrO、TiO、Al、Ca
O、SrOの群から選択された2種以上の金属酸化物か
らなるガラスも用いられる。ガラスは非晶質ガラスや結
晶質ガラスのどちらを用いてもよい。PbOを含有する
と焼成温度は低下する傾向にあるが、無負荷Q値が低下
する傾向にあり、ガラス中のPbO成分の含有量は、4
0重量%以下が好ましい。また、ガラス中にSiO
Al成分を同時に含むガラス(即ち、SiO
Al系ガラス)は、本発明に用いるガラスとして
特に好適である。特に本発明では、ZnO−Al
−BaO−SiOが、高い無負荷Q値を得ることがで
きる点から好ましい。
【0018】本発明によれば、一般式xZnTiO
−(1−x)ZnTiO−yTiO表され、xが0
<x<1、yが0<y≦0.5の範囲内である主成分1
00重量部に対して、ガラス成分を5重量部以上150
重量部以下含有させることにより、800〜1000℃
の焼成温度で低温焼結可能で、かつ比誘電率εrが8〜
30程度で、無負荷Q値が大きく、共振周波数の温度係
数τfが±60ppm/℃以内という特性を有する誘電
体磁器組成物を得ることができる。
【0019】本発明では、焼成前にZnTiO、Z
nTiOおよびガラス粒子は、個別に粉砕し混合され
るか、あるいは、各原料粒子は混合された状態で粉砕さ
れるが、焼成前のこれら原料粒子の平均粒子径は5μm
未満、好ましくは1μm以下であることにより、さらに
低温焼成が可能となる。なお、平均粒子径を過度に小さ
くすると取り扱いが困難になる場合があるので、0.0
5μm以上とするのが好ましい。
【0020】さらに、本発明では、前記誘電体磁器組成
物にさらに副成分としてCuOを含有させ、一般式xZ
TiO−(1−x)ZnTiO−yTiO
表され、xが0<x<1、yが0<y≦0.5の範囲内
である主成分100重量部に対して、ガラス成分を5重
量部以上150重量部以下、CuOを40重量部含有す
る誘電体磁器組成物とすることにより、前記の各種特性
を劣化させることなく、さらに焼成温度を下げることが
できる。CuOが主成分100重量部に対して40重量
部を越える場合は、τが−60ppm/℃より小さく
なり好ましくない。
【0021】また、本発明では、同じく前記の誘電体磁
器組成物に副成分としてMnOを含有させ、一般式xZ
TiO−(1−x)ZnTiO−yTiO
表され、xが0<x<1、yが0<y≦0.5の範囲内
である主成分100重量部に対して、ガラス成分を5重
量部以上150重量部以下、MnOを30重量部含有す
る誘電体磁器組成物とすることによっても、前記の各種
特性を劣化させることなく、同様に焼成温度を下げるこ
とができる。MnOが主成分100重量部に対して30
重量部を越える場合は、Q値が低下するため好ましくな
い。
【0022】副成分として添加するCuO又はMnOは
単独で添加してもよいし、両成分を一緒に添加しても良
い。
【0023】次に、本発明の誘電体磁器組成物の製造方
法について説明する。まず、酸化チタンと酸化亜鉛を
2:1の比率に秤量し、水、アルコール等の溶媒と共に
湿式混合する。続いて、水、アルコール等を除去した
後、粉砕し、酸素含有雰囲気(例えば空気雰囲気)下に
て900〜1200℃で約1〜5時間程度仮焼成する。
このようにして得られた仮焼粉はZnTiOであ
る。次に酸化チタンと酸化亜鉛を1:1の比率に秤量
し、ZnTiOと同様な作製方法でZnTiO
作製した。これらZnTiO、ZnTiO、Ti
とガラス、及び必要に応じてCuO又はMnOを所
定の比率に秤量し、水、アルコール等の溶媒と共に湿式
混合する。続いて、水、アルコール等を除去した後、粉
砕して原料粉末を作製する。
【0024】本発明の誘電体磁器組成物の誘電特性はペ
レットの形状で評価する。詳しくは、前記原料粉末にポ
リビニルアルコールの如き有機バインダーを混合して均
質にし、乾燥、粉砕をおこなった後、ペレット形状に加
圧成形(圧力100〜1000Kg/cm程度)す
る。得られた成形物を空気の如き酸素含有ガス雰囲気下
にて800〜1000℃で焼成することにより、Zn
TiO相、ZnTiO 相、TiO相およびガラス
相が共存する誘電体磁器組成物を得ることができる。
【0025】こうして得られた誘電体磁器組成物は、必
要により適当な形状、およびサイズに加工、あるいはド
クターブレード法等によるシート成形、およびシートと
電極による積層化を行うことにより、各種積層セラミッ
ク部品の材料として利用できる。積層セラミック部品と
しては、積層セラミックコンデンサ、LCフィルタ、誘
電体共振器、誘電体基板などが挙げられる。
【0026】本発明の積層セラミック部品は、複数の誘
電体層と、該誘電体層間に形成された内部電極と、該内
部電極に電気的に接続された外部電極とを備えており、
前記誘電体層が前記誘電体磁器組成物を焼成して得られ
る誘電体磁器にて構成され、前記内部電極がCu単体若
しくはAg単体、又はCu若しくはAgを主成分とする
合金材料にて形成されている。本発明の積層セラミック
部品は、誘電体磁器組成物を含有する誘電体層と、Cu
単体若しくはAg単体、又はCu若しくはAgを主成分
とする合金材料とを、同時焼成することにより得られ
る。
【0027】上記積層セラミック部品の1実施形態とし
て、例えば図1に示したトリプレートタイプの共振器が
挙げられる。図1は、本発明に係る1実施形態のトリプ
レートタイプの共振器を示す斜視図である。図1に示す
ように、トリプレートタイプの共振器は、複数の誘電体
層と、該誘電体層間に形成された内部電極2と、該内部
電極に電気的に接続された外部電極3とを備える積層セ
ラミック部品である。トリプレートタイプの共振器は、
内部電極2を中央部に配置して複数枚の誘電体セラミッ
クス層1を積層して得られる。内部電極2は、図1に示
した第1の面Aからこれに対向する第2の面Bまで貫通
するように形成されており、第1の面Aのみ開放面で、
第1の面Aを除く共振器の5面には外部電極3が形成さ
れており、第2の面Bにおいて内部電極2と外部電極3
が接続されている。内部電極2の材料は、CuまたはA
gあるいは、それらを主成分として構成されている。本
発明の誘電体磁器組成物では低温で焼成できるため、こ
れらの内部電極の材料が使用できる。
【0028】
【実施例】実施例1 酸化チタン(TiO)0.33モル、酸化亜鉛(Zn
O)0.66モルをエタノールと共にボールミルにい
れ、12時間湿式混合した。溶液を脱媒後、粉砕し、空
気雰囲気下1000℃で仮焼成し、ZnTiO仮焼
粉を得た。次にTiO0.5モル、ZnO 0.5モ
ルを同様な方法で湿式混合・仮焼成してZnTiO
焼粉を得た。これらZnTiO仮焼粉、ZnTiO
仮焼粉とTiOを表1に示した配合量で調製したも
のを母材とした。この母材と母材100重量部に対して
ZnO 52重量%、SiO 6重量%、Al
12重量%、B 30重量%から構成されるガ
ラス粉末10重量部を添加したものをボールミルにい
れ、24時間湿式混合した。溶液を脱媒後、平均粒子径
が1μmになるまで粉砕し、この粉砕物に適量のポリビ
ニルアルコール溶液を加えて乾燥後、直径12mm、厚
み4mmのペレットに成形し、空気雰囲気下において、
900℃で2時間焼成した。図2に作製した焼結体のX
線回折図を示した。図2に示したように本発明の誘電体
磁器組成物の焼結体においてもZnTiO相、Zn
TiO相およびTiO相が共存していることがわか
る。
【0029】こうして得られた誘電体磁器組成物を直径
7mm、厚み3mmの大きさに加工した後、誘電共振法
によって、共振周波数7〜11GHzにおける無負荷Q
値、比誘電率εrおよび共振周波数の温度係数τfを求め
た。その結果を表2に示した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】また前記母材とガラスの混合物100gに
対して、結合剤としてポリビニルブチラール9g、可塑
剤としてジブチルフタレート6gおよび溶剤としてトル
エン60gとイソプロピルアルコール30gを添加しド
クターブレード法により厚さ100μmのグリーンシー
トを作製した。そして、このグリーンシートを、65℃
の温度で200kg/cmの圧力を加える熱圧着によ
り、22層積層した。その際、内部電極としてAgを印
刷した層が厚み方向の中央部にくるように配置した。得
られた積層体を900℃で2時間焼成した後、外部電極
を形成して、トリプレートタイプの共振器を作製した。
大きさは、幅4.9mm、高さ1.7mm、長さ8.4
mmである。
【0033】得られたトリプレートタイプの共振器につ
いて共振周波数2GHzで無負荷Q値を評価した。その
結果、焼成温度は900℃で、収縮率は19%、比誘電
率ε rは21、共振周波数の温度係数τfは0ppm/℃
で無負荷Qは210であった。このように、本発明に係
る誘電体磁器組成物を使用することにより、優れた特性
を有するトリプレートタイプの共振器が得られた。
【0034】実施例2〜4 上記実施例1と同様にZnTiO、ZnTiO
TiOを表1に示した配合量で混合したものを母材と
し、この母材とガラスを表1に示した配合量で混合後、
実施例1と同一条件でペレット形状の焼結体を作製し
て、実施例1と同様な方法で種々の特性を評価した。そ
の結果を表2に示した。
【0035】実施例5〜10 上記実施例1と同様にZnTiO、ZnTiO
TiOを表1に示した配合量で混合したものを母材と
し、この母材とガラスを表1に示した配合量で混合後、
実施例1と同一条件でペレット形状の焼結体を作製し
て、実施例1と同様な方法で種々の特性を評価した。そ
の結果を表2に示した。
【0036】実施例11〜15 上記実施例1と同様にZnTiO、ZnTiO
TiOを表1に示した配合量で混合したものを母材と
し、この母材と表1記載の種々のガラスを表1に示した
配合量で混合後、実施例1と同一条件でペレット形状の
焼結体を作製して、実施例1と同様な方法で種々の特性
を評価した。その結果を表2に示した。
【0037】実施例16、17 上記実施例1と同様にZnTiO、ZnTiO
TiOを表1に示した配合量で混合したものを母材と
し、この母材と表1記載の種々のガラスを表1に示した
配合量で混合後、粒子径が表1記載の平均粒子径になる
まで粉砕し、実施例1と同一条件でペレット形状の焼結
体を作製して、実施例1と同様な方法で種々の特性を評
価した。その結果を表2に示した。
【0038】実施例18〜20 上記実施例1と同様にZnTiO、ZnTiO
TiOを表1に示した配合量で混合したものを母材と
し、この母材と表1記載の種々のガラス及びMnOを表
1に示した配合量で混合後、粒子径が表1記載の平均粒
子径になるまで粉砕し、実施例1と同一条件でペレット
形状の焼結体を作製して、実施例1と同様な方法で種々
の特性を評価した。その結果を表2に示した。
【0039】実施例21〜23 上記実施例1と同様にZnTiO、ZnTiO
TiOを表1に示した配合量で混合したものを母材と
し、この母材と表1記載の種々のガラス及びCuOを表
1に示した配合量で混合後、粒子径が表1記載の平均粒
子径になるまで粉砕し、実施例1と同一条件でペレット
形状の焼結体を作製して、実施例1と同様な方法で種々
の特性を評価した。その結果を表2に示した。
【0040】実施例24、25 上記実施例1と同様にZnTiO、ZnTiO
TiOを表1に示した配合量で混合したものを母材と
し、この母材と表1記載の種々のガラス及びMnOとC
uOとを表1に示した配合量で混合後、粒子径が表1記
載の平均粒子径になるまで粉砕し、実施例1と同一条件
でペレット形状の焼結体を作製して、実施例1と同様な
方法で種々の特性を評価した。その結果を表2に示し
た。
【0041】比較例1〜4 上記実施例1と同様にZnTiO、ZnTiO
TiOを表1に示した配合量で混合したものを母材と
し、この表1記載のガラスを表1に示した配合量で混合
後、実施例1と同一条件でペレット形状の焼結体を作製
した。しかしながらガラスの添加量が母材100重量部
に対して5重量部未満の条件では1000℃以下では焼
結できず1200℃まで高めないと緻密化することがで
きなかった。また150重量部を超えた場合にはガラス
が溶出してセッターと反応し、良好な焼結体は得られな
かった。その結果を表2に示した。
【0042】比較例5 上記実施例1と同様にZnTiO、ZnTiO
TiOを表1に示した配合量で混合したものを母材と
し、この母材とガラスを表1に示した配合量で混合後、
実施例1と同一条件でペレット形状の焼結体を作製し
た。しかしながらTiOのモル比yが0.6の条件で
は共振周波数の温度係数τfが+60ppm/℃以上と
なった。その結果を表2に示した。
【0043】
【発明の効果】本発明の誘電体磁器組成物によれば、比
誘電率εrが8から30で、かつ無負荷Q値が大きく、
しかも共振周波数の温度係数τfが±60ppm/℃以
内と小さい誘電体磁器組成物を提供することができる。
また1000℃以下の温度で焼成できるため、焼成に要
する電力費が低減されるとともに、Cu単体若しくはA
g単体、又はCu若しくはAgを主成分とする合金材料
からなる低抵抗導体と同時焼成可能であり、さらにこれ
を内部電極とした積層部品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層セラミック部品の1実施形態
の説明図である。
【図2】実施例1で得られた本発明にかかる誘電体磁器
組成物の焼結体のX線回折図である。
【符号の説明】
1 誘電体セラミック層 2 内部電極 3 外部電極
フロントページの続き (72)発明者 福田 晃一 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 Fターム(参考) 4G030 AA08 AA09 AA10 AA16 AA17 AA25 AA31 AA32 AA35 AA36 AA37 AA40 AA43 BA09 4G031 AA04 AA05 AA06 AA11 AA12 AA19 AA25 AA26 AA28 AA29 AA30 AA32 BA09 5E001 AB03 AE01 AE02 AE03 AF06 AH01 AH05 AH09 AJ01 AJ02 5G303 AA01 AA04 AB07 AB08 BA12 CA03 CB01 CB02 CB03 CB05 CB06 CB11 CB18 CB25 CB30 CB32 CB35 CB38 CB39

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式xZnTiO−(1−x)Z
    nTiO−yTiOで表され、xが0<x<1、y
    が0<y≦0.5の範囲内である主成分100重量部に
    対して、ガラス成分を5重量部以上150重量部以下含
    有することを特徴とする誘電体磁器組成物。
  2. 【請求項2】 前記ガラス成分が、PbO系ガラス、Z
    nO系ガラス、SiO系ガラス、およびPbO、Zn
    O、Bi、BaO、B、SiO 、ZrO
    、TiO、Al、CaO、SrOの群から選
    択される2種以上の金属酸化物からなるガラスから選択
    される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1
    記載の誘電体磁器組成物。
  3. 【請求項3】 前記主成分100重量部に対して、Cu
    Oを40重量部以下含有することを特徴とする請求項1
    又は2記載の誘電体磁器組成物。
  4. 【請求項4】 前記主成分100重量部に対して、Mn
    Oを30重量部以下含有することを特徴とする請求項1
    又は2記載の誘電体磁器組成物。
  5. 【請求項5】 複数の誘電体層と、該誘電体層間に形成
    された内部電極と、該内部電極に電気的に接続された外
    部電極とを備える積層セラミック部品において、前記誘
    電体層が前記請求項1ないし4記載の誘電体磁器組成物
    を焼成して得られる誘電体磁器にて構成され、前記内部
    電極がCu単体若しくはAg単体、又はCu若しくはA
    gを主成分とする合金材料にて形成されていることを特
    徴とする積層セラミック部品。
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