JP2003220553A - 研磨ヘッド及び研磨方法 - Google Patents

研磨ヘッド及び研磨方法

Info

Publication number
JP2003220553A
JP2003220553A JP2002019148A JP2002019148A JP2003220553A JP 2003220553 A JP2003220553 A JP 2003220553A JP 2002019148 A JP2002019148 A JP 2002019148A JP 2002019148 A JP2002019148 A JP 2002019148A JP 2003220553 A JP2003220553 A JP 2003220553A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slurry
polishing
carrier
cleaning liquid
retainer ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002019148A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Kobayashi
弘之 小林
Yasuyuki Ogata
康行 緒方
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP2002019148A priority Critical patent/JP2003220553A/ja
Priority to TW91101520A priority patent/TW523443B/zh
Priority to PCT/JP2002/000777 priority patent/WO2003064108A1/ja
Publication of JP2003220553A publication Critical patent/JP2003220553A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
  • Grinding-Machine Dressing And Accessory Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウェーハの研磨を良好に行うことができる研
磨ヘッドを提供する。 【解決手段】 ヘッド本体12の内部に張られたダイヤ
フラム15(弾性体)の下面に、下面によってウェーハ
W(被研磨材)の一面を保持する円盤状のキャリア16
と、キャリア16の外周面16a側に同心状に設けられ
て、研磨時には研磨パッド4に当接しつつ内周面17a
でキャリア16に保持されるウェーハWの外周を係止す
る円環状のリテーナリング17とを固定する。ダイヤフ
ラム15には、キャリア16の外周面とリテーナリング
17の内周面との間に形成される隙間内へスラリーを供
給するための供給口28を設ける。供給口28に、スラ
リーと洗浄液のうちいずれか一方を選択的に供給するス
ラリー/洗浄液供給機構31を接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バージンのシリコ
ンウェーハ(ベアウェーハ)や、表面にシリコン・ゲル
マニウム層(SiGe層)を形成したシリコンウェー
ハ、半導体製造プロセスにおける半導体ウェーハ、ある
いは、ハードディスク基板、液晶基板、光学部品レンズ
等(以下、ウェーハWとする)の平坦面を有する被研磨
材表面を研磨するための装置に適用される研磨ヘッドに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体製造装置の高集積化に伴う
パターンの微細化が進んでおり、特に多層構造の微細な
パターンの形成が容易かつ確実に行われるために、製造
工程中における半導体ウェーハの表面を極力平坦化させ
ることが重要となってきている。例えば、パターンの形
成は光リソグラフィを用いて行っているが、パターンが
微細化するにつれて光リソグラフィの焦点深度は浅くな
る。そして、パターンの精度を確保するため、また露光
時の焦点調節を容易にするためには、ウェーハ表面での
凹凸の差を焦点深度以下に納められるようにすること
(平坦化すること)が要求される。またベアウェーハの
研磨においても、ウェーハの大径化に伴い、平坦化への
要求が厳しくなってきている(ここではウェーハの場合
を例にとって説明しているが、これらウェーハ以外の被
研磨材、例えばハードディスク基板や液晶基板などの研
磨においても表面を高精度に平坦化することが要求され
る)。そこで、表面の膜を研磨するために平坦化の度合
いが高く、凹部への膜の埋め込みも可能となる、という
観点から、化学機械的研磨法(CMP法)が脚光を浴び
ている。
【0003】CMP法とは、SiO2を用いたアルカリ
性スラリーやCeO2を用いた中性スラリー、あるいは
Al23を用いた酸性スラリー、砥粒剤等を用いたスラ
リー等を用いて化学的・機械的にウェーハ表面を研磨
し、平坦化する方法である。そして、CMP法を用いて
ウェーハの表面を研磨する装置としては、例えば図8の
要部拡大斜視図に示すような研磨装置が知られている。
この研磨装置1は、図8に概略的に示すように、中心軸
2に取り付けられた円板状のプラテン3上に例えば硬質
ウレタンからなる研磨パッド4が設けられ、この研磨パ
ッド4に対向してかつプラテン3の中心軸2から偏心し
た位置に、図示せぬヘッド駆動機構によって回転駆動さ
れる研磨ヘッド5が配設されているものである。研磨ヘ
ッド5は、図示しないが、下面においてウェーハWの一
面を保持する円盤状のキャリアと、キャリアの外周に同
心状に配置される円環状のリテーナリングとを有してい
る。リテーナリングは、研磨時には研磨パッド4に当接
されるものであって、その内周面でキャリアに保持され
るウェーハWの外周を係止するとともに、下面で研磨パ
ッド4を押圧してウェーハWの外周近傍における研磨パ
ッド4の変形を抑えて、ウェーハWの研磨精度を確保す
るものである。
【0004】そして、この研磨装置1では、ウェーハW
の研磨に際して、上記したスラリーSが研磨パッド4上
に供給されているため、このスラリーSが研磨ヘッド5
に保持されたウェーハWと研磨パッド4との間に流動す
る。この状態で研磨ヘッド5に保持されたウェーハWが
自転し、同時に研磨パッド4が中心軸2を中心として回
転するために、研磨パッド4でウェーハWの一面が研磨
される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような研磨装置1
では、スラリーSは研磨ヘッド5の外周側から研磨パッ
ド4の表面に供給される。この場合、プラテン3の回転
による遠心力により、供給されたスラリーSの大部分は
外方に流れ出てしまうほか、リテーナリングが障壁とな
ってリテーナリングの内周側に保持されるウェーハ表面
までスラリーSが届きにくいため、ウェーハWの研磨効
率が低く、またウェーハWの中央部が研磨されにくかっ
た。このため、十分な研磨効果を得るためには大量のス
ラリーSを供給しなければならず、高価なスラリーSを
大量に浪費することとなり、効率良くスラリーSを使用
することができなかった。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、ウェーハの研磨を良好に行うことができる研
磨ヘッドを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1に記載の研磨ヘッドにおいては、プラテン
上に貼付された研磨パッドの表面に、該研磨パッドに対
して相対的に移動しつつ被研磨材を押し付けて該被研磨
材の研磨を行うための研磨ヘッドであって、下面におい
て研磨すべき被研磨材の一面を保持するキャリアと、該
キャリアの外周側に同心状に配置されて、研磨時には前
記研磨パッドに当接しつつ内周面で前記キャリアに保持
される前記被研磨材の外周を係止する円環状のリテーナ
リングとを有し、前記キャリアと前記リテーナリングと
の間には、これらを互いに対して上下方向への相対的な
変位を許容して接続する弾性体が設けられており、前記
弾性体には、前記キャリアの外周面と前記リテーナリン
グの内周面との間に形成される隙間内へスラリーを供給
するための供給口が設けられており、該供給口には、ス
ラリーを供給するスラリー供給源が接続されていること
を特徴とする。
【0008】このように構成される研磨ヘッドにおいて
は、被研磨材の一面を保持するキャリアと被研磨材の外
周を係止するリテーナリングとが弾性体を介して接続さ
れている。そして、スラリー供給源より供給されるスラ
リーは、弾性体に設けられる供給口を通じて、キャリア
の外周面とリテーナリングの内周面との間に形成される
隙間内に供給される。これにより、プラテンの回転やリ
テーナリングに妨げられることなく、隙間内から被研磨
材と研磨パッドとの間にスラリーが直接供給されること
となり、被研磨材と研磨パッドとの間に十分な量のスラ
リーを供給することができる。また、被研磨材と研磨パ
ッドとの間に供給されたスラリーは、リテーナリングに
よって周囲を囲われていて、研磨ヘッドやプラテンの回
転による遠心力を受けてもリテーナリングの外周に流出
しにくいので、スラリーを効率的に使用することができ
る。
【0009】ここで、スラリーは、時間の経過とともに
次第に乾燥したり変質、凝固するなどして研磨ヘッドの
隙間に詰まりやすく、このようなスラリーが塊状となっ
て研磨パッド上に落ちると被研磨材の表面にスクラッチ
を生じさせる要因となる。そこで、供給口に、洗浄液を
供給する洗浄液供給源を接続し、スラリー供給源から供
給されるスラリーと前記洗浄液供給源から供給される洗
浄液とのうちいずれか一方を、供給口に対して選択的に
供給するスラリー/洗浄液供給機構を設けた構成として
もよい。この構成では、研磨時にはスラリー/洗浄液供
給機構によって供給口へスラリーを供給し、研磨作業を
終えた際などの適宜時期に、スラリー/洗浄液供給機構
からの供給口へのスラリーの供給を停止し、代わりに供
給口に洗浄液を供給することで、供給口内、及びキャリ
アの外周面とリテーナリングの内周面との間に形成され
る隙間内に残留しているスラリーを洗浄液によって洗い
流すことができる。洗浄液としては、例えば純水や、ス
ラリーを構成する溶媒等を用いてもよい。
【0010】ここで、研磨ヘッドにおいて、リテーナリ
ングは、キャリアに保持される被研磨材の外周を係止す
るとともに、被研磨材の外周近傍における研磨パッドの
変形を抑えるものであるから、キャリアの外周面とリテ
ーナリングの内周面との間に形成される隙間は極力小さ
くすることが望ましい。しかし、このように隙間を小さ
くすると、弾性体において隙間内に露出される領域も小
さくなって供給口の大きさが制限されるので、供給口か
らのスラリーまたは洗浄液の供給量が少なくなってしま
う。
【0011】そこで、キャリアの外周縁とリテーナリン
グの内周縁とのうちの少なくとも一方の周縁部において
弾性体と対向する部位に、他方の周縁部との間に収容空
間を形成する収容部を設け、弾性体には、収容空間内に
対向する部位に供給口を設けた構成としてもよい。この
構成では、キャリアの外周縁とリテーナリングの内周縁
とのうちの少なくとも一方の周縁部において弾性体と対
向する部位には収容空間を形成する収容部が形成され
る。弾性体は、隙間内だけでなく収容空間内にも露出さ
れるので、キャリアの外周面とリテーナリングの内周面
との間に形成される隙間は小さくしつつ、弾性体におい
て供給口を設けることができる領域を確保することがで
きる。
【0012】ここで、被研磨材と研磨パッドとの間で、
スラリーが局所的に供給されると、その部分で被研磨材
の研磨が部分的に進行してしまう。そこで、収容部が、
収容部の設けられる周縁部の全周にわたって設けられて
いる構成としてもよい。この構成では、供給口から収容
空間内に供給されたスラリーは、収容部によって、収容
部の設けられる周縁部の周方向に沿って導かれて、全周
から下方に流れ落ちる。これによって、被研磨材の外周
全周から、被研磨材と研磨パッドとの間にスラリーがほ
ぼ均一に供給されることとなり、被研磨材の全面で研磨
量をほぼ均一にすることができる。また、研磨ヘッドに
洗浄液供給源とスラリー/洗浄液供給機構とを設けてい
る場合には、供給口にスラリーの代わりに洗浄液を供給
することで、キャリアの外周面とリテーナリングの内周
面との間に形成される隙間の周方向の全範囲に洗浄液を
行き渡らせて、隙間内に残留しているスラリーをより効
果的に洗い流すことができる。
【0013】また、収容部の下面と収容部の設けられる
周縁部の周面との間には上方に屹立する壁部を設け、壁
部には、周方向の複数箇所に、収容部と周面とを接続す
る接続路が設けられた構成としてもよい。この構成で
は、収容空間内に供給されたスラリーまたは洗浄液は、
壁部によって一旦受けられて、壁部に沿って収容空間の
周方向に流れる。そして、スラリーまたは洗浄液が壁部
の周方向の各所に設けられた接続路に達すると、接続路
を通じてキャリアとリテーナリングとの間に形成される
隙間内に流出する。すなわち、収容空間内に供給された
スラリーまたは洗浄液は、ヘッド本体の周方向の各所で
接続路を通じて隙間内に流出するので、スラリーや洗浄
液を隙間の全周にわたってより均一に供給することがで
きる。
【0014】また、収容部の下面には、周面に向かうに
つれて次第に下方に向けて傾斜する傾斜面を設けた構成
としてもよい。この構成では、収容空間内に供給された
スラリーは、収容部の下面に設けられた傾斜面に沿って
前記隙間に向けて速やかに流れるので、スラリーに滞留
が生じにくくなって、スラリーの乾燥や変質、凝固を生
じにくくすることができる。
【0015】また、キャリアとリテーナリングとのうち
の少なくとも一方に、隙間内へスラリーと洗浄液とのう
ちの少なくとも一方を供給するための流路を形成し、こ
の流路にも、スラリー供給源と洗浄液供給源とのうちの
少なくとも一方が接続されている構成としてもよい。こ
の構成では、キャリアまたはリテーナリングに設けられ
る流路からも前記隙間内にスラリーや洗浄液を供給する
ことができるので、スラリーや洗浄液の流量を確保して
研磨性能を維持することができる。
【0016】本発明にかかる研磨方法は、プラテン上に
貼付された研磨パッドの表面に、研磨ヘッドによって研
磨パッドに対して相対的に移動しつつ被研磨材を押し付
けて被研磨材の研磨を行う研磨方法であって、研磨ヘッ
ドとして、請求項1から7のいずれかに記載の研磨ヘッ
ドを用いて、弾性体に設けられた供給口からキャリアの
外周面とリテーナリングの内周面との間に形成される隙
間内へスラリーを供給しつつ被研磨材の研磨を行うこと
を特徴とする。この研磨方法においては、請求項1から
7のいずれかに記載の研磨ヘッドを用いて、研磨ヘッド
の弾性体に設けられた供給口からキャリアの外周面とリ
テーナリングの内周面との間に形成される隙間内にスラ
リーを供給しつつ被研磨材の研磨を行うので、リテーナ
リングの内周に効率よくスラリーを供給することがで
き、またリテーナリングによってスラリーが保持されて
リテーナリング外に流出しにくいので、スラリーを効率
的に使用することができる。従来のウェーハWの研磨で
は、十分な研磨性能を得るためには、研磨ヘッド一台に
つき、スラリーの流量を約100mL/minで供給す
る必要があるのに対し、本願発明による研磨では、研磨
性能を低下させることなく、研磨ヘッド一台につき、ス
ラリーの流量を3〜50mL/min、望ましくは7〜
20mL/minと、従来の研磨に比べて約3%〜50
%まで流量を低減させることができる。また、本願発明
による研磨では、このようにスラリーの使用量を著しく
低減させた状態でウェーハWの研磨が可能であるため、
総量としてのスラリー凝集粒子が減ることとなり、ウェ
ーハWに生じるマイクロスクラッチが減少する。これに
より、ウェーハWの表面の表面粗さ(PV値)が小さく
なり、良好な研磨性能を得ることができる。さらに表面
にSiGe層を形成したシリコンウェーハでは、表面粗
さの規格が厳しく、より高い平坦度が要求されるので、
本願発明はこのようなシリコンウェーハの研磨に特に有
効であり、さらに研磨圧力を10〜50kPa望ましく
は13〜40kPaに抑えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】〔第一の実施の形態〕以下、本発
明の一実施形態にかかる研磨ヘッドを図面を参照して説
明する。ここで、図1及び図2は本実施形態にかかる研
磨ヘッドの構成を示す図であって、図1は縦断面図、図
2は要部の概略構成を示す縦断面図である。本実施形態
にかかる研磨ヘッドは、例えば図8に示す従来の研磨装
置において、研磨ヘッド5の代わりに用いられるもので
ある。図1に示すように、本実施形態にかかる研磨ヘッ
ド11は、天板部13及び筒状に形成された周壁部14
からなるヘッド本体12と、ヘッド本体12の内部に張
られたダイヤフラム15(弾性体)とを有している。ダ
イヤフラム15の下面には、下面によってウェーハW
(被研磨材)の一面を保持する円盤状のキャリア16
と、周壁部14の内壁とキャリア16の外周面16aと
の間に同心状に設けられて、研磨時には研磨パッド4に
当接しつつ内周面17aでキャリア16に保持されるウ
ェーハWの外周を係止する円環状のリテーナリング17
とが固定されている。キャリア16とリテーナリング1
7とは、ダイヤフラム15を介して、互いに対して上下
方向への相対的な変位を許容して接続されている。
【0018】ヘッド本体12は、円板状の天板部13と
天板部13の外周下方に固定された筒状の周壁部14と
から構成され、ヘッド本体12の下端部は開口されて中
空になっている。天板部13は、研磨装置本体に連結さ
れるシャフト19に同軸に固定されており、シャフト1
9には、後述する圧力調整機構30に接続される第一の
流通孔20a及びスラリー/洗浄液供給機構31に接続
される第二の流通孔20bが軸線に平行にして形成され
ている。また、周壁部14の下端部には全周にわたって
段部14aが形成されている。
【0019】セラミック等の高剛性材料からなるキャリ
ア16はほぼ円盤状に一定の厚さで形成されており、ダ
イヤフラム15の上面に設けられたキャリア固定リング
21に対して、間にダイヤフラム15を挟み込んだ状態
で固定されることで、ダイヤフラム15に取り付けられ
ている。
【0020】リテーナリング17は、図1に示すように
略円環状に形成されており、周壁部14の内壁との間及
びキャリア16の外周面16aとの間に僅かな隙間を空
けて、これらと同心状にして配置されている。ここで、
キャリア16とリテーナリング17との間に形成される
隙間を符号Kで示す(図2参照)。また、リテーナリン
グ17は、ダイヤフラム15の上面に設けられたリテー
ナリング固定リング22に対して、間にダイヤフラム1
5を挟み込んだ状態で固定されることで、ダイヤフラム
15に取り付けられている。
【0021】これらキャリア16の外周縁とリテーナリ
ング17の内周縁とのうちの少なくとも一方の周縁部に
は、ダイヤフラム15と対向する部位に、他方の周縁部
との間に収容空間Cを形成する収容部23が設けられて
いる。本実施の形態では、キャリア16の外周縁に切り
欠きを設けて収容部23を形成しており、また収容部2
3は、キャリア16の外周縁の全周にわたって設けてい
る。
【0022】繊維補強ゴムなどの弾性材料からなるダイ
ヤフラム15は円環状または円板状に形成されており、
その外周縁を、周壁部14の内壁に形成された段部14
aと段部14aに取り付けられるダイヤフラム固定リン
グ26との間に挟み込まれることで、ヘッド本体12に
対して固定されている。ダイヤフラム15の上方には、
ヘッド本体12との間に流体室27が形成されている。
流体室27は、シャフト19に形成された第一の流通孔
20aを通じて圧力調整機構30に接続されている。そ
して、流体室27内部に、圧力調整機構30から第一の
流通孔20aを通して、空気をはじめとする流体が供給
されることによって、流体室27内の圧力が調整され
る。
【0023】また、ダイヤフラム15には、キャリア1
6の外周面とリテーナリング17の内周面との間に形成
される隙間K内へスラリーを供給するための供給口28
が設けられている。本実施の形態では、供給口28は、
ダイヤフラム15においてキャリア16の収容部23が
形成する収容空間Cに対向する部位(収容空間に露出さ
れる部位)に設けられている。これにより、隙間Kは極
力小さくしつつ、収容空間C内に必要な大きさの供給口
28を設けることができる。この供給口28は、ダイヤ
フラム15において一箇所だけ設けてもよく、またダイ
ヤフラム15において収容空間Cに対向する部位の周方
向の複数箇所に設けてもよい。
【0024】供給口28は、ダイヤフラム15において
収容空間Cに対向する部位を上下から挟み込むとともに
その互いに対向する位置に開口部28bが設けられる一
対の支持プレート28aと、ダイヤフラム15において
この開口部28bに対向する部位に設けられる開口部1
5aとによって構成されている。この支持プレート28
aは、例えばリング形状に形成して、ダイヤフラム15
において収容空間Cに対向する部位を周方向の全周に渡
って挟み込む構成としてもよく、また周方向の一部のみ
を挟み込む構成としてもよい。
【0025】ここで、支持プレート28aは、ダイヤフ
ラム15においてキャリア16に覆われる部位とリテー
ナリング17に覆われる部位とのうち少なくともいずれ
か一方との間に隙間をあけて設けられている。これによ
り、ダイヤフラム15においてキャリア16とリテーナ
リング17との間に弾性変形可能な領域を確保して、ダ
イヤフラム15に取り付けられるキャリア16とリテー
ナリング17とをヘッド本体12の軸線方向に独立して
変位させることを可能にしている。
【0026】この供給口28は、スラリー/洗浄液供給
機構31と接続されている。本実施の形態では、図1に
示すように、供給口28において、流体室27側の開口
端は、少なくとも一部が可撓性を有する第一のフレキシ
ブル配管29を介して、ヘッド本体12のシャフト19
に形成される第二の流通孔20bと接続されている。ダ
イヤフラム15は、第一のフレキシブル配管29が変形
することによってヘッド本体12の軸線方向への変位を
許容されている。そして、上記のように、第二の流通孔
20bは、スラリーと洗浄液のうちいずれか一方を選択
的に供給するスラリー/洗浄液供給機構31に接続され
ており、これによって供給口28には、第二の流通孔2
0b及び第一のフレキシブル配管29を介して、スラリ
ー/洗浄液供給機構31からスラリーと洗浄液のうちい
ずれか一方が選択的に供給されるようになっている。
【0027】図1に示すように、スラリー/洗浄液供給
機構31は、スラリー供給源32と洗浄液供給源33と
を有しており、これらはそれぞれ第二の流通孔20bに
対してスラリー/洗浄液供給配管34を介して接続され
ている。スラリー供給源32が供給するスラリーは、例
えばSiO2を用いたアルカリ性スラリーやCeO2を用
いた中性スラリー、あるいはAl23を用いた酸性スラ
リー、砥粒剤等を用いたスラリー等、ウェーハWの研磨
条件に適したものとされる。洗浄液供給源33は、洗浄
液として、例えば純水や、スラリーを構成する溶媒等を
供給するものである。本実施の形態では、スラリー/洗
浄液供給配管34は、スラリー供給源32に対しては第
一のバルブ36を介して接続され、また洗浄液供給源3
3に対しては第二のバルブ37を介して接続されてお
り、これら第一、第二のバルブ36、37のうちのいず
れか一方を開、他方を閉とすることで、スラリーと洗浄
液のうちいずれか一方を選択的に供給されるようになっ
ている。ここで、スラリー/洗浄液供給配管34へのス
ラリーまたは洗浄液の供給を切り換える機構としては、
上記のように第一、第二のバルブ36、37を用いた機
構に限らず、配管同士の接続の切換に通常用いられる任
意の機構を用いることができる。
【0028】以下に、このような研磨ヘッド11を用い
た研磨装置によるウェーハWの研磨作業を説明する。こ
の研磨作業にあたっては、まずウェーハWは、例えばキ
ャリア16の下面に設けられたウェーハ付着シート(図
示せず)に付着される。そして、ウェーハWはリテーナ
リング17によって周囲を係止されつつ、その表面をプ
ラテン3上面に貼付された研磨パッド4に当接させられ
る。このとき、リテーナリング17の下面も研磨パッド
4に当接される。ここで、初期状態では、スラリー/洗
浄液供給機構31の第一、第二のバルブ36、37は共
に閉じられている。
【0029】次に、圧力調整機構30によって、第一の
流通孔20aから流体室27に空気などの流体を流入さ
せることによって流体室27内の圧力を調節し、キャリ
ア16及びリテーナリング17の研磨パッド4への押圧
圧力を調節する。キャリア16及びリテーナリング17
は、ダイヤフラム15にそれぞれ支持されて上下方向に
変位可能とされたフローティング構造となっており、流
体室27内部の圧力によって研磨パッド4への押圧圧力
が調節可能となっている。そして、キャリア16及びリ
テーナリング17の研磨パッド4への押圧圧力を調節し
つつ、プラテン3を回転させるとともに、研磨ヘッド1
1を自転させる。
【0030】これと前後して、スラリー/洗浄液供給機
構31の第一のバルブ36を開き、スラリー供給源32
からスラリー/洗浄液供給配管34内にスラリーを供給
する。これ以降は、ウェーハWの研磨中は第一のバルブ
36は開いたままとする。スラリー/洗浄液供給配管3
4に供給されたスラリーは、ヘッド本体12のシャフト
19に設けた第二の流通孔20b、第一のフレキシブル
配管29を通じて供給口28に供給される。
【0031】供給口28に供給されたスラリーは、キャ
リア16の収容部23がなす収容空間C内に供給され
て、収容部23によってキャリア16の外周面16aの
全周に導かれるので、外周面16aの全周から、リテー
ナリング17の内周面17aとの間に形成される隙間K
内に全周にわたってスラリーが供給される。これによ
り、スラリーが隙間Kから流れ落ちてウェーハWと研磨
パッド4との間に直接供給されて、ウェーハWの研磨が
行われる。ここで、図2にスラリーの流れを矢印で示
す。
【0032】そして、研磨作業を終えた際などの適宜時
期に、スラリー/洗浄液供給機構31からの供給口28
へのスラリーの供給を停止し、代わりに供給口28に洗
浄液を供給することで、スラリーと同様に洗浄液を供給
口28内及び収容部23の周方向全周に行き渡らせて、
供給口28、収容空間C及び隙間K内に残留しているス
ラリーを洗い流す。本実施の形態では、第一のバルブ3
6を閉じることでスラリー供給源32からのスラリー/
洗浄液供給配管34へのスラリーの供給を停止し、第二
のバルブ37を開くことで、洗浄液供給源33からのス
ラリー/洗浄液供給配管34への洗浄液の供給を行う。
【0033】このように構成される研磨ヘッド11によ
れば、キャリア16の外周面16aとリテーナリング1
7の内面17aとの間に形成される隙間K内からウェー
ハWと研磨パッド4との間にスラリーが直接供給される
ので、プラテン3の回転やリテーナリング17に妨げら
れることなく、ウェーハWと研磨パッド4との間に、十
分な量のスラリーを供給することができる。また、スラ
リーは、キャリア16の外周縁に設けられた収容部23
に導かれて、隙間K内の全周に供給されるので、ウェー
ハWの外周全周から、ウェーハWと研磨パッド4との間
にスラリーがほぼ均一に供給されることとなり、ウェー
ハWの全面で研磨量をほぼ均一にすることができる。
【0034】さらに、ウェーハWと研磨パッド4との間
に供給されたスラリーは、リテーナリング17によって
周囲を囲われるため、研磨ヘッド11やプラテン3の回
転による遠心力を受けてもリテーナリング17の外周に
流出しにくい。そのため、最小限のスラリーの使用量で
効率良く研磨を行うことができ、高価なスラリーの使用
量を著しく低減することができる。また、研磨ヘッド1
1自体が回転することによりスラリーが研磨パッド4表
面にまんべんなく供給されるので、スラリーを効率良く
研磨に寄与させることができる。
【0035】そして、このようにスラリーの利用効率を
上げて使用量を著しく低減させることができるので、総
量としてのスラリーの凝集粒子が減ることとなり、ウェ
ーハWの表面に発生するマイクロスクラッチを減少させ
て、ウェーハWの研磨性能を向上させることができる。
また、スラリーによる研磨パッド4への負担も低減され
るので、研磨パッド4の寿命が延び、研磨パッド4にか
かるコストも低減することができる。
【0036】そして、研磨作業を終えた際などの適宜時
期に、スラリー/洗浄液供給機構31からの供給口28
へのスラリーの供給を停止し、代わりに供給口28内に
洗浄液を供給することで、供給口28内及び隙間K内に
残留しているスラリーを、スラリーが乾燥または変質、
凝固しないうちに洗浄液によって洗い流すことができ
る。
【0037】なお、上記実施の形態では、収容部23を
キャリア16の外周縁の全周にわたって設けた例を示し
たが、これに限られることなく、外周縁において周方向
の一部のみに収容部23を設けてもよい。また、収容部
23は、図3(a)の縦断面図に示すように、キャリア
16の外周縁に設ける代わりにリテーナリング17の内
周縁に設けてもよく、図3(b)の縦断面図に示すよう
に、キャリア16とリテーナリング17の両方に設けて
もよい。後者の場合には、収容空間Cをより大きくする
ことができるので、ダイヤフラム15において供給口2
8を設けることのできる領域をより大きくすることがで
きる。
【0038】また、上記実施の形態では、供給口28
に、スラリー/洗浄液供給機構31を接続して、スラリ
ー供給源32から供給されるスラリーと洗浄液供給源3
3から供給される洗浄液のいずれか一方が選択的に供給
される構成を示したが、これに限られることなく、供給
口28には、スラリー供給源32のみ接続された構成と
してもよい。また、上記実施の形態では、供給口28
を、ダイヤフラム15を挟み込む一対の支持プレート2
8aと、ダイヤフラム15の開口部15aとによって構
成した例を示したが、これに限られることなく、例えば
支持プレート28aを設けずに、ダイヤフラム15にお
いて開口部15aの流体室27側に、第一のフレキシブ
ル配管29を接続する接続口、または第一のフレキシブ
ル配管29自体を一体的に形成した構成のダイヤフラム
を用いてもよい。
【0039】〔第二の実施の形態〕以下、本発明の第二
の実施の形態にかかる研磨ヘッドを図面を参照して説明
する。ここで、本実施の形態にかかる研磨ヘッドにおい
て、第一の実施の形態に示す研磨ヘッド1と同一または
同様の部分については同じ符号を用いて説明する。本実
施の形態にかかる研磨ヘッド41は、第一の実施の形態
に示す研磨ヘッド1において、図4の縦断面図に示すよ
うに、収容部23の下面に、周面に向かうにつれて次第
に下方に向けて傾斜する傾斜面23aを設けたものであ
る。ここで、図4では、一例として、収容部23をキャ
リア16の外周縁に設けた場合について図示している。
【0040】この研磨ヘッド41によれば、供給口28
から収容空間C内に供給されたスラリーは、図4に矢印
で示すように、収容部23の傾斜面23aに沿って速や
かに隙間Kに向けて流れるので、スラリーに滞留が生じ
にくくなって、スラリーの乾燥や変質、凝固を生じにく
くすることができる。
【0041】〔第三の実施の形態〕以下、本発明の第三
の実施の形態にかかる研磨ヘッドを図面を参照して説明
する。ここで、本実施の形態にかかる研磨ヘッドにおい
て、第一の実施の形態に示す研磨ヘッド1と同一または
同様の部分については同じ符号を用いて説明する。本実
施の形態にかかる研磨ヘッド46は、第一の実施の形態
に示す研磨ヘッド1において、図5の縦断面図に示すよ
うに、収容部23の下面と収容部23の設けられる周縁
部の周面との間、すなわち収容部23の下面とキャリア
16の外周面16aとの間には上方に屹立する壁部47
を設け、壁部47には、周方向の複数箇所に、収容部2
3と外周面16aとを接続する接続路48を設けた構成
としたものである。ここで、図5では、一例として、収
容部23をキャリア16の外周縁に設けた場合について
図示している。
【0042】この構成では、収容空間C内に供給された
スラリーは、壁部47によって一旦受けられて、収容部
23に沿って周方向に流れることとなる。そして、スラ
リーが壁部47に設けられた接続路48に達すると、一
部が接続路48を通じてキャリア16とリテーナリング
17との間に形成される隙間K内に流出する。すなわ
ち、スラリーは、収容部23及び壁部47によって周方
向の全周に確実に案内されて、周方向の各所で接続路4
8を通じて隙間K内に流出するので、スラリーを隙間K
の全周にわたってより均一に供給することができる。こ
こで、供給口28に洗浄液供給源33も接続した構成と
した場合、収容空間C内に洗浄液を供給すると、洗浄液
もスラリーと同様に周方向の全周に確実に案内されてキ
ャリア16の周方向の各所で隙間K内に流出して、隙間
K内全体を洗浄することができる。
【0043】この研磨ヘッド46においては、接続路4
8は、スラリーや洗浄液を隙間Kの全周にわたってより
均一に供給することができるよう、例えばキャリア16
の周方向において等間隔で設けられる。また、接続路4
8の形状は任意であり、例えば図6(a)に示すように
断面視半円形状としたり、図6(b)、(c)に示すよ
うに断面視三角形状または四角形状等、断面視多角形状
としてもよい。さらに、図5に二点鎖線で示すように、
収容部23の下面に、周面に向かうにつれて次第に下方
に向けて傾斜する傾斜面23aを設けてもよい。
【0044】ここで、上記実施の形態では、キャリア1
6の外周縁に収容部23が設けられている場合について
示したが、これに限られることなく、リテーナリング1
7の内周縁に収容部23が設けられている場合にも、同
様に収容部23に接続路48を有する壁部47を設ける
ことができる。
【0045】〔第四の実施の形態〕以下、本発明の第四
の実施の形態にかかる研磨ヘッドを図面を参照して説明
する。ここで、本実施の形態にかかる研磨ヘッドにおい
て、第一の実施の形態に示す研磨ヘッド1と同一または
同様の部分については同じ符号を用いて説明する。図7
は、本実施形態にかかる研磨ヘッド51の構成を示す縦
断面図である。本実施の形態にかかる研磨ヘッド51
は、第一の実施の形態に示す研磨ヘッド1において、キ
ャリア16とリテーナリング17とのうちの少なくとも
一方に、隙間K内へスラリーと洗浄液とのうちの少なく
とも一方を供給するための流路52を設け、この流路5
2にも、スラリー供給源32と洗浄液供給源33とのう
ち少なくとも一方を接続した構成としたものである。
【0046】図7では、キャリア16は第一の流路52
aを、またリテーナリング17には第二の流路52bを
それぞれ設けた例を示している。この研磨ヘッド51で
は、キャリア16には、上面16bから外周面16aま
で通じる第一の流路52aを設け、第一の流路52aに
おいて上面16b側の開口端とヘッド本体12の第二の
流通孔20bとを、少なくとも一部が弾性を有する第二
のフレキシブル配管53によって接続している。
【0047】また、ヘッド本体12において、天板部1
3にはスラリー/洗浄液供給管34が接続されるジョイ
ント部54を設け、天板部13と周壁部14には、ジョ
イント部54から周壁部14の段部14aの内周面まで
通じるヘッド本体管路56を設けている。そして、リテ
ーナリング17には、上面17bから内周面17aまで
通じる第二の流路52bを設けて、第二の流路52bに
おいて上面側の開口端とヘッド本体管路56とを、少な
くとも一部が弾性を有する第三のフレキシブル配管57
によって接続する構成とする。
【0048】この構成では、ダイヤフラム15に設けた
供給口28からだけでなく、キャリア16またはリテー
ナリング17に設けられる流路52からも隙間K内にス
ラリーや洗浄液を供給することができるので、スラリー
や洗浄液の流量を確保して研磨性能を維持することがで
きる。
【0049】なお、上記実施の形態において示した流路
52とスラリー供給源32、洗浄液供給源33との接続
形態は一例であって、他の任意の形態を採用することが
できる。
【0050】ここで、本発明は、上記各実施形態に示す
形態例のみに限定されるものではなく、各実施形態を組
み合わせた構成も含むものである。
【0051】
【実施例】以下に、本発明にかかる研磨ヘッドを用いて
本発明にかかる研磨方法によってウェーハWの研磨を行
った場合(以下、本願発明による研磨とする)と、従来
の研磨ヘッドを用いて従来の研磨方法によってウェーハ
Wの研磨を行った場合(以下、従来の研磨とする)と
で、研磨性能の比較を行った。ここで、この研磨試験で
は、本発明にかかる研磨ヘッドとして、第一の実施の形
態に示した研磨ヘッド11を用いた。
【0052】従来の研磨では、十分な研磨性能を得るた
めには、研磨ヘッド一台につき、スラリーの流量を約1
00mL/minで供給する必要があるのに対し、本願
発明による研磨では、研磨性能を低下させることなく、
研磨ヘッド一台につき、スラリーの流量を10mL/m
inと、従来の研磨に比べて約1/10まで流量を低減
させることができた。また、本願発明による研磨では、
このようにスラリーの使用量を著しく低減させた状態で
ウェーハWの研磨が可能であるため、総量としてのスラ
リー凝集粒子が減ることとなり、ウェーハWに生じるマ
イクロスクラッチが減少する。これにより、ウェーハW
の表面の表面粗さ(PV値)が小さくなり、良好な研磨
性能を得ることができる。表面にSiGe層を形成した
シリコンウェーハでは、表面粗さの規格が厳しく、より
高い平坦度が要求されるので、本願発明はこのようなシ
リコンウェーハの研磨に特に有効である。
【0053】
【発明の効果】本発明にかかる研磨ヘッド及び研磨方法
によれば、スラリー供給源より供給されるスラリーは、
弾性体に設けられる供給口を通じて、キャリアの外周面
とリテーナリングの内周面との間に形成される隙間内に
供給されるので、プラテンの回転やリテーナリングに妨
げられることなく、隙間内から被研磨材と研磨パッドと
の間にスラリーが直接供給されることとなり、被研磨材
と研磨パッドとの間に十分な量のスラリーを供給するこ
とができる。また、被研磨材と研磨パッドとの間に供給
されたスラリーは、リテーナリングによって周囲を囲わ
れていて、研磨ヘッドやプラテンの回転による遠心力を
受けてもリテーナリングの外周に流出しにくいので、ス
ラリーを効率的に使用することができる。このように、
最小限のスラリーの使用量で効率よく研磨を行うことが
でき、高価なスラリーの使用量を著しく低減することが
できる。そして、研磨ヘッド自体が回転することにより
スラリーはまんべんなく研磨パッド表面に供給され、ス
ラリーを効率良く研磨に寄与させることができる。
【0054】また、供給口に、洗浄液を供給する洗浄液
供給源を接続し、スラリー供給源から供給されるスラリ
ーと前記洗浄液供給源から供給される洗浄液とのうちい
ずれか一方を、供給口に対して選択的に供給するスラリ
ー/洗浄液供給機構を設けた構成とすることで、研磨時
にはスラリー/洗浄液供給機構によって供給口へスラリ
ーを供給し、研磨作業を終えた際などの適宜時期に、ス
ラリー/洗浄液供給機構からの供給口へのスラリーの供
給を停止し、代わりに供給口に洗浄液を供給すること
で、供給口内、及びキャリアの外周面とリテーナリング
の内周面との間に形成される隙間内に残留しているスラ
リーを、スラリーが乾燥または変質しないうちに洗浄液
によって洗い流すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施の形態にかかる研磨ヘッ
ドの構成を示す縦断面図である。
【図2】 第一の実施の形態にかかる研磨ヘッドの要部
の概略構成を示す縦断面図である。
【図3】 第一の実施の形態にかかる研磨ヘッドの他の
構成の例を示す縦断面図である。
【図4】 本発明の第二の実施の形態にかかる研磨ヘッ
ドの構成を示す縦断面図である。
【図5】 本発明の第三の実施の形態にかかる研磨ヘッ
ドの構成を示す縦断面図である。
【図6】 第三の実施の形態にかかる研磨ヘッドの構成
の例を示す縦断面図である。
【図7】 本発明の第四の実施の形態にかかる研磨ヘッ
ドの構成を示す縦断面図である。
【図8】 従来の研磨装置を概略的に示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
11、41 研磨ヘッド 3 プラテン 4 研磨パッド 12 ヘッド本体 13 天板部 14 周壁部 15 ダイヤフラム(弾性体) 16 キャリア 17 リテーナリング 23 収容部 23a 傾斜面 27 流体室 28 供給口 30 圧力調整機構 31 スラリー/洗浄液供給機構 32 スラリー供給
源 33 洗浄液供給源 47 壁部 48 接続路 52a 第一の流路 52b 第二の流路 C 収容空間 K 隙間 S スラリー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 緒方 康行 埼玉県さいたま市北袋町1丁目297番地 三菱マテリアル株式会社総合研究所大宮研 究センター機器システム研究部内 Fターム(参考) 3C047 FF08 GG01 3C058 AA07 AC04 CB01 CB03 DA17

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラテン上に貼付された研磨パッドの表
    面に、該研磨パッドに対して相対的に移動しつつ被研磨
    材を押し付けて該被研磨材の研磨を行うための研磨ヘッ
    ドであって、 下面において研磨すべき被研磨材の一面を保持するキャ
    リアと、 該キャリアの外周側に同心状に配置されて、研磨時には
    前記研磨パッドに当接しつつ内周面で前記キャリアに保
    持される前記被研磨材の外周を係止する円環状のリテー
    ナリングとを有し、 前記キャリアと前記リテーナリングとの間には、これら
    を互いに対して上下方向への相対的な変位を許容して接
    続する弾性体が設けられており、 前記弾性体には、前記キャリアの外周面と前記リテーナ
    リングの内周面との間に形成される隙間内へスラリーを
    供給するための供給口が設けられており、 該供給口には、スラリーを供給するスラリー供給源が接
    続されていることを特徴とする研磨ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記供給口には、洗浄液を供給する洗浄
    液供給源が接続されており、 前記スラリー供給源から供給されるスラリーと前記洗浄
    液供給源から供給される洗浄液とのうちいずれか一方
    を、前記供給口に対して選択的に供給するスラリー/洗
    浄液供給機構が設けられていることを特徴とする請求項
    1記載の研磨ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記キャリアの外周縁と前記リテーナリ
    ングの内周縁とのうちの少なくとも一方の周縁部には、
    前記弾性体と対向する部位に、他方の周縁部との間に収
    容空間を形成する収容部が設けられており、 前記弾性体には、前記収容空間内に対向する部位に前記
    供給口が設けられていることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の研磨ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記収容部が、該収容部の設けられる周
    縁部の全周にわたって設けられていることを特徴とする
    請求項3記載の研磨ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記収容部の下面と該収容部の設けられ
    る周縁部の周面との間には上方に屹立する壁部が設けら
    れており、 該壁部には、周方向の複数箇所に、前記収容部と前記周
    面とを接続する接続路が設けられていることを特徴とす
    る請求項4記載の研磨ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記収容部の下面には、前記周面に向か
    うにつれて次第に下方に向けて傾斜する傾斜面が設けら
    れていることを特徴とする請求項3から5のいずれかに
    記載の研磨ヘッド。
  7. 【請求項7】前記キャリアと前記リテーナリングとのう
    ちの少なくとも一方には、前記隙間内へスラリーと洗浄
    液とのうちの少なくとも一方を供給するための流路が設
    けられており、 該流路にも、前記スラリー供給源と洗浄液供給源とのう
    ち少なくとも一方が接続されていることを特徴とする請
    求項1から6のいずれかに記載の研磨ヘッド。
  8. 【請求項8】 プラテン上に貼付された研磨パッドの表
    面に、研磨ヘッドによって前記研磨パッドに対して相対
    的に移動しつつ被研磨材を押し付けて該被研磨材の研磨
    を行う研磨方法であって、 前記研磨ヘッドとして、請求項1から7のいずれかに記
    載の研磨ヘッドを用いて、前記弾性体に設けられた前記
    供給口から前記キャリアの外周面と前記リテーナリング
    の内周面との間に形成される隙間内へスラリーを供給し
    つつ前記被研磨材の研磨を行うことを特徴とする研磨方
    法。
JP2002019148A 2002-01-28 2002-01-28 研磨ヘッド及び研磨方法 Pending JP2003220553A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002019148A JP2003220553A (ja) 2002-01-28 2002-01-28 研磨ヘッド及び研磨方法
TW91101520A TW523443B (en) 2002-01-28 2002-01-30 Polishing head, polishing device and polishing method
PCT/JP2002/000777 WO2003064108A1 (fr) 2002-01-28 2002-01-31 Touret a polir, dispositif a polir et procede de polissage

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002019148A JP2003220553A (ja) 2002-01-28 2002-01-28 研磨ヘッド及び研磨方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003220553A true JP2003220553A (ja) 2003-08-05

Family

ID=27743150

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002019148A Pending JP2003220553A (ja) 2002-01-28 2002-01-28 研磨ヘッド及び研磨方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003220553A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013010153A (ja) * 2011-06-28 2013-01-17 Panasonic Corp シリコン加工粉回収方法及び装置
CN102950538A (zh) * 2011-08-17 2013-03-06 旭硝子株式会社 板状体研磨装置及研磨系统
KR20180120879A (ko) * 2017-04-28 2018-11-07 주식회사 케이씨텍 화학 기계적 연마 장치용 캐리어 헤드의 리테이너 링 및 이를 구비한 캐리어 헤드
CN111300258A (zh) * 2018-12-10 2020-06-19 三星电子株式会社 用于控制抛光均匀性的化学机械抛光装置
CN111958490A (zh) * 2020-08-06 2020-11-20 泉州市海恩德机电科技发展有限公司 可高速运转的圆周供水机构

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013010153A (ja) * 2011-06-28 2013-01-17 Panasonic Corp シリコン加工粉回収方法及び装置
CN102950538A (zh) * 2011-08-17 2013-03-06 旭硝子株式会社 板状体研磨装置及研磨系统
KR20180120879A (ko) * 2017-04-28 2018-11-07 주식회사 케이씨텍 화학 기계적 연마 장치용 캐리어 헤드의 리테이너 링 및 이를 구비한 캐리어 헤드
KR102368790B1 (ko) 2017-04-28 2022-03-02 주식회사 케이씨텍 화학 기계적 연마 장치용 캐리어 헤드의 리테이너 링 및 이를 구비한 캐리어 헤드
CN111300258A (zh) * 2018-12-10 2020-06-19 三星电子株式会社 用于控制抛光均匀性的化学机械抛光装置
CN111958490A (zh) * 2020-08-06 2020-11-20 泉州市海恩德机电科技发展有限公司 可高速运转的圆周供水机构
CN111958490B (zh) * 2020-08-06 2022-01-18 泉州市海恩德机电科技发展有限公司 可高速运转的圆周供水机构

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101000420B1 (ko) 가압 시트
KR100363070B1 (ko) 화학기계연마장치용캐리어헤드
US8292694B2 (en) Substrate holding mechanism, substrate polishing apparatus and substrate polishing method
US5906532A (en) Method for polishing semiconductor substrate and apparatus for the same
US7357699B2 (en) Substrate holding apparatus and polishing apparatus
JP2004506338A (ja) 化学−機械研磨ヘッドの止めリング、研磨装置、スラリー循環システム、および方法
JP3595011B2 (ja) 研磨制御を改善した化学的機械的研磨装置
US6579152B1 (en) Polishing apparatus
JP2004327547A (ja) ウエーハ研磨装置及びその研磨ヘッド並びにウエーハ研磨方法
JP2003173995A (ja) 基板保持装置及びポリッシング装置
US6273794B1 (en) Apparatus and method for grinding a semiconductor wafer surface
JP2003220553A (ja) 研磨ヘッド及び研磨方法
KR19980032714A (ko) 화학 기계적 연마 장치용 재료 층을 갖춘 캐리어 헤드
TW523443B (en) Polishing head, polishing device and polishing method
JP3856634B2 (ja) 基板保持装置及び該基板保持装置を備えたポリッシング装置
JP4049579B2 (ja) 基板保持装置及びポリッシング装置
JPH07171757A (ja) ウエーハ研磨装置
JP3575944B2 (ja) 研磨方法、研磨装置および半導体集積回路装置の製造方法
JP2003289057A (ja) ケミカルメカニカルポリシング装置のキャリアヘッドのデザイン
JP2004363505A (ja) 基板保持装置及び研磨装置
JP2003086549A (ja) 研磨工具、研磨装置、半導体デバイス及び半導体デバイス製造方法
JP2008188767A (ja) 基板保持装置
JP2002144222A (ja) 研磨ヘッド
JP2000225559A (ja) 基板把持装置及び研磨装置
JP2002046061A (ja) 研磨ヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061107

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070306