JP2003219573A - 二次電池の充電制御装置 - Google Patents
二次電池の充電制御装置Info
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Abstract
池(バッテリ)の充放電特性を初期状態に維持できる充
電制御方法を提供すること。 【解決手段】 満充電未満で充電を停止する第1充電制
御を行う通常充電部6と、満充電超えで充電を停止する
第2充電制御を行うリフレッシュ充電部7とを併用す
る。通常充電部6による充電が、例えば10回連続した
ときに、次回の充電はリフレッシュ充電部7で行う。通
常充電部6およびリフレッシュ充電部7で使用されるカ
ットオフ電圧は、基準電圧V0を、環境温度検出部21
で検出される環境温度TA0で補正することによって決定
される。さらに、基準満充電電圧、初期満充電電圧Vma
x(1)、現在満充電電圧Vmax(n)、初期最大バッテリ温度
Tmax(1)、現在最大バッテリ温度Tmax(n)に基づいてバ
ッテリ11の劣化補正が行われる。
Description
御方法および制御装置に関し、特に、二次電池の耐久性
を高めること、すなわち初期の充放電性能を長期間維持
するのに好適な二次電池の充電方法および制御装置に関
する。
を採用するニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池
等の充電に際し、満充電状態になると正極で酸素ガスが
発生する。酸素ガスの発生を放置すると二次電池の内部
圧力が上昇するので、発生した酸素ガスは陰極(負極)
表面で局部電池反応させて消費させている。一般に、こ
の局部電池反応による容量の漸減を見越して、負極の容
量を正極の容量より大きく設定してある。例えば、負極
の容量と正極の容量との比の値(NP比)は1.65〜
2.0程度に設定される。しかし、電池の充電容量は正
極律速であるため、負極容量が大きくても二次電池が大
型化するだけであって、充電容量の増大は望めない。
ば97%)で充電を停止させて、酸素ガスの発生を抑制
する充電方法が採られる(特開平5−111175号公
報)。これにより、局部電池反応による負極の容量低減
を防止できるので、結果的に負極の容量を小さくして二
次電池の小型化つまり充電容量の増大を図ることができ
る。
未満で充電を停止させれば、二次電池の耐久性の点では
好ましいものの、充電を停止するための基準充電量を代
表する電圧基準値(カットオフ電圧)は二次電池や環境
の温度、並びに使用期間に応じた劣化の程度に依存する
ため、二次電池の電圧がカットオフ電圧に達したことを
正確に検出するのが容易ではなく、単なるカットオフ電
圧のみによる制御では正確な制御が期待できない。
温度や経時劣化を考慮してカットオフ電圧を極力満充電
近くに設定することができる二次電池の充電制御方法お
よび制御装置を提供することにある。
に、本発明は、充電電圧が満充電未満の充電容量に対応
する所定のカットオフ電圧に達したときに充電を停止す
る充電制御手段を有する二次電池の充電制御装置におい
て、前記カットオフ電圧を、基準環境温度に対する現在
環境温度の偏差に基づいて補正する温度補正手段を具備
した点に第1の特徴がある。第1の特徴によれば、環境
温度で変化する最適カットオフ電圧の補正を行うことが
できる。
する第2充電制御手段と、前記第2充電制御手段による
複数回の充電終了時の充電電圧を記憶する充電電圧記憶
手段と、前記充電電圧記憶手段に記憶された充電電圧の
履歴に基づいて前記カットオフ電圧を補正する劣化補正
手段とをさらに具備した点に第2の特徴がある。
容量が、当初設定したカットオフ電圧による充電停止時
の充電容量より小さい値になってしまう。第2の特徴に
よれば、満充電超えの充電を行ったときの充電電圧を複
数回の充電に関して記憶し、その履歴に基づいて検出さ
れる劣化分を考慮してカットオフ電圧を増大補正するこ
とができる。
による複数回の充電終了時の該二次電池の温度を記憶す
る電池温度記憶手段を備え、前記劣化補正手段では、前
記電池温度記憶手段に記憶された電池温度の履歴に基づ
いて前記カットオフ電圧をさらに補正する点に第3の特
徴がある。電池が劣化してくると充電終了時の温度に違
いが生じてくる。第3の特徴によれば、温度状態を加味
した劣化分の補正をすることができる。
実施形態を説明する。図1は、二次電池(以下、「バッ
テリ」という)とその充電器とを含む電動車両のシステ
ム構成を示すブロック図である。同図において、電池部
1にはバッテリ11、バッテリ温度検出部12、バッテ
リ容量計算部13、およびメモリ14が設けられる。一
方、充電器2には、環境温度検出部21、充電電流検出
部22、充電電圧検出部23、放電器24、充電制御部
25、AC/DCコンバータ26、表示部27、および
マイクロコンピュータを含むECU28が設けられる。
充電器2には、例えば家庭用100ボルト電源等の電源
3からAC/DCコンバータ26を介して電流が供給さ
れる。車体4には車体の動力を発生するモータ41と、
モータ41を制御するモータドライバ42と、バッテリ
11の残容量を表示する残容量表示部43とが設けられ
る。モータドライバ42にはバッテリ11から電流が供
給される。
−MH電池を1セルとし、それを20個集合させた24
V−5Ahのものを用いることができる。1セルのNP
比は1.2程度のもので単2サイズのバッテリ20本で
5Ahを達成するコンパクトで高エネルギ密度のものが
使用される。
に限らず、電動車両の形態等によって変形し得る。例え
ば、充電電流検出部22、充電電圧検出部23、充電制
御部25、およびECU28は充電器2にではなく、電
池部1に設けてもよい。また、残容量表示部43を車体
4に代えて、もしくは車体4とともに電池部1に設けて
もよい。
制御は、満充電(バッテリの規定容量の100%の充電
状態)近傍における満充電未満(例えば、97%)の充
電状態で充電を停止する第1充電制御(以下、「通常充
電」という)と、満充電を所定量超えた状態で充電を停
止する第2充電制御(以下、「リフレッシュ充電」とい
う)とを含む。概略的には、通常充電モードで複数回充
電される毎(所定充電回数毎、または1回充電毎に発生
させる乱数が所定値と一致する毎)にリフレッシュ充電
が行われる。
に説明する。図2は通常充電の第1要部の処理を示すフ
ローチャートである。ステップS101〜S108は充
電前温度判定処理である。ステップS101では、表示
部27で「充電中」の表示を行う。ステップS102で
は、、バッテリ温度検出部12でバッテリ温度TB0を検
出する。ステップS103では、バッテリ温度TB0が、
予め設定されている充電開始温度Tmax以下か否かの判
断がなされる。充電開始温度Tmaxは例えば40°〜5
0°Cに設定される。この判断が肯定となるまで、所定
の待ち時間(REST)をおいてステップS103の処
理が繰り返される。ステップS103が肯定になれば、
ステップS104に進む。ステップS104では、環境
温度検出部21で環境温度TA0を検出する。ステップS
105では、充電回数カウンタN1をインクリメント
(+1)する。充電回数カウンタN1の値によりバッテ
リ11の総充電回数を検出できる。ステップS106で
は、環境温度TA0とバッテリ温度TB0との差が、予め設
定されている充電開始温度差ΔTOK以下か否かの判断が
なされる。充電開始温度差ΔTOKは例えば0〜10°C
に設定される。
充電開始温度ΔTOK以下になれば、ステップS109に
進む。ステップS109では、カウンタN2の値が基準
値Nref以上か否かを判断する。カウンタN2はバッテ
リ11の総充電回数を計数するカウンタN1とは違い、
リフレッシュ充電間の通常充電回数を計数するために使
用される。したがって、リフレッシュ充電の終了毎に
「1」でリセットされる(ステップS138参照)。
れば、ステップS121(図4)に進む。ステップS1
21からリフレッシュ充電の処理に入る。一方、カウン
タN2の値が基準値Nref未満ならばステップS109
からステップS113(図3)に進み、充電手順が開始
される。このように、通常充電が所定回数以上行われ、
前回のリフレッシュ充電から間があいたときにリフレッ
シュ充電が選択される。基準値Nrefは20回未満、好
ましくは10回とするのがよい。その理由は図7に関し
て後述する。
択するのに限らず、変形可能である。例えば、乱数を発
生させ、発生した乱数Nranが基準値Nrefと一致したか
否かを判断する。通常充電10回毎にリフレッシュ充電
を1回実施するようにしたい場合は、0〜9の乱数を発
生させる。そして、基準値Nrefは0〜9のうちの一つ
に決定する。この設定により、発生された乱数Nranが
基準値Nrefと一致した場合は、ステップS121(図
4)に進む。こうして、おおよそ10回毎にリフレッシ
ュ充電が選択される。
充電開始温度ΔTOK以下になっていない場合は、ステッ
プS107に進む。ステップS107では、「お急ぎ充
電」指示がなされているか否かを判断する。「お急ぎ充
電」は、通常充電で充電を停止するため設定される満充
電未満の基準充電量よりも低めの充電量で充電を停止さ
せる特殊な動作モードをいい、短時間で充電を終了した
い要請に応えられる。例えば、「お急ぎ充電スイッチ」
を充電器2に設けておき、このスイッチのオン・オフい
かんによってステップS107の判断が決定される。な
お、「お急ぎ充電」のモードを備えるかどうかは任意で
ある。
準となる充電量は、例えばバッテリ11の温度上昇率に
より判断される。この判断基準となる充電量に対応する
基準温度上昇率を予め設定しておき、この基準温度上昇
率に相当するバッテリ11の温度上昇が検出された場合
に充電を停止する(ステップS120参照)。
ステップS107は肯定となり、ステップS110に進
む。ステップS110では、充電回数を計数するカウン
タN2の値が基準値Nref以上か否かを判断する。カウ
ンタN2の値が基準値Nref未満ならばステップS11
0からステップS112(図3)に進み、充電が開始さ
れる。カウンタNの値が基準値Nref以上であればステ
ップS111に進み、表示器27で注意喚起のため「お
急ぎ充電不可」の表示を行わせる。続いて、ステップS
121(図4)に進み、リフレッシュ充電の処理を開始
する。なお、ステップS110の判断機能は、ステップ
S109と同様、乱数を基準値と比較して判断する機能
に置き換えることができる。
急ぎ充電」が選択されていなかった場合は、ステップS
108に進む。ステップS108では、環境温度TA0と
バッテリ温度TB0との差が、予め設定されている充電開
始温度差ΔTOK以下か否かの判断がなされる。ステップ
S108が否定ならば、所定の待ち時間をおいてステッ
プS108の判断が継続される。ステップS108が肯
定ならば、ステップS109に進む。
フローチャートである。ステップS113では、算出式
(式1)を使用してカットオフ電圧Vcを算出する。V
c=V0-(TA0-25)×α+β…(式1)。カットオフ
電圧の算出式に関してはさらに後述する。ステップS1
14では充電を開始する。通常充電では、一定の充電電
流、例えば1.6アンペアの電流を供給して充電を行
う。
カットオフ電圧Vc以上か否かを判断する。バッテリ電
圧Vがカットオフ電圧以上であれば満充電に対する所定
割合、例えば97%の充電量が充電されたと判断される
ので、ステップS116で充電を停止する。ステップS
117ではカウンタN2の値をインクリメントする。ス
テップS109およびステップS110を乱数により判
断するようにすれば、このステップS117は削除でき
る。続いて、ステップS118では、表示部27に「充
電終了」を表示させる。
電量が所定値に達していないと判断される場合は、ステ
ップS119に進み、環境温度TA0とバッテリ温度TB0
との差が、予め設定されている充電開始温度差ΔTOK以
下か否かを判断する。環境温度TA0とバッテリ温度TB0
との差が充電開始温度差ΔTOK以下であればステップS
115で判断を続けるが、環境温度TA0とバッテリ温度
TB0との差が充電開始温度差ΔTOK以上あればステップ
S120に進んで、バッテリ温度の変化量ΔT/Δtが
所定値、例えば毎分1°C以上であるか否かを判断す
る。バッテリ温度は充電量が満充電の90〜95%にな
ると急に温度上昇率が大きくなる。そこで、このように
温度変化率が所定値以上か否かで充電量が約90%以上
になったかどうかを判別することができる。ステップS
120が肯定ならば、「お急ぎ充電」に見合った充電量
が得られたと判断してステップS116に進み、充電を
停止する。
得られたか否かを、温度変化率で判断するのに代えて、
充電カットオフ電圧を、2段に設定して、その内の低い
方を「お急ぎ充電」終了判断用のカットオフ電圧とし、
高い方を「お急ぎ充電」以外の通常充電終了判断用のカ
ットオフ電圧とすることができる。
る。図4はリフレッシュ充電の第1要部の処理を示すフ
ローチャートである。ステップS121では、容量計算
部13でバッテリ11の残容量Cを検出する。ステップ
S122では、残容量Cが放電基準残容量ΔC以下か否
かを判断する。通常充電を繰り返すと、「充電メモリ効
果」により、所定充電電圧における充電量が減少すると
ともに、放電容量も低下する。そこで、リフレッシュ充
電に先立ってバッテリの残容量を検出し、これが放電基
準容量ΔC以下であれば、放電を行ってバッテリ11の
放電カーブを初期の状態に回復させる。
S123に進んで、追加放電つまり「リフレッシュ放
電」を開始する。ステップS124では、バッテリ電圧
Vが所定の放電カットオフ電圧Vd以下であるか否かを
判断する。バッテリ電圧Vが放電カットオフ電圧Vd以
下であれば、ステップS125に進んでバッテリ温度T
B0がTmax以下であるかを判断する。放電によりバッテ
リ温度は上昇するので、これが所定の充電開始温度まで
下がるのを待って、充電に移行するためである。
ばステップS126に進み、カウンタN3を「1」でリ
セットする。カウンタN3はリフレッシュ放電後のリフ
レッシュ充電回数を判断するために設けられる。
プS127に進み、カウンタN3の値が放電基準カウン
タNdis以下か否かを判断する。この判断が否定なら
ば、ステップS123に移行する。つまり、所定回数N
disを超過する回数、リフレッシュ放電を行っていない
場合は、バッテリ11の残容量Cが放電基準残容量ΔC
より大きい場合であってもリフレッシュ放電を行うよう
処理される。
S128でカウンタN3をインクリメントする。なお、
リフレッシュ放電が終了したならば、残容量表示部43
の残容量のゼロ表示を更正するため、容量指示データ
「0」を出力する。
ローチャートである。図4のステップS128に続い
て、図5のステップS129に進み、カットオフ電圧V
cを式1を使って算出する。ステップS130で充電を
開始する。リフレッシュ充電は2段階の充電電流により
行う。その理由は図6に関して後述する。ここでは、高
い電流(例えば2.5アンペア)により第1段目の充電
を開始する。ステップS131では、バッテリ電圧Vが
カットオフ電圧Vc以上か否かを判断する。バッテリ電
圧Vがカットオフ電圧以上であれば満充電に対する所定
割合、例えば97%の充電量が充電されたと判断される
ので、ステップS132で充電を停止する。ステップS
133では、前記第1段目の充電電流より低い電流(例
えば1.0アンペア)により第2段目の充電を開始す
る。
圧変化Vdrpが基準降下電圧-ΔV以上か否かを判断す
る。基準降下電圧-ΔVは所定処理時間dt内の変化電
圧であり、例えば50mVに設定する。すなわち、ステッ
プS134では、バッテリ電圧Vが垂下傾向になったか
否かが判断される。バッテリ電圧が垂下傾向になったな
らば、充電量が満充電を超えた(飽和した)と判断され
るので、ステップS135で充電を停止する。
テリ電圧Vmax(n)とバッテリ11の最大温度Tmax(n)と
を記録する。これらバッテリ電圧と温度とを記録した
後、リフレッシュ充電が終了したので、残容量表示部4
3の残容量の満充電表示を更正するため、容量指示デー
タ「100」を出力する。
バッテリ劣化係数βを算出する。バッテリ11は劣化す
るので、カットオフ電圧を固定のまま補正しないと、正
確に充電量を制御できないからである。補正のための算
出式は式1の説明と併せて後述する。ステップS138
では、カウンタN2を「1」でリセットする。ステップ
S109およびステップS110を乱数に基づいて判断
するように変形した場合はステップS138は削除でき
る。ステップS139では、表示部27に「充電終了」
を表示させる。
経過に伴うバッテリ電圧Vとバッテリ温度TB1の変化を
示す図であり、上述の2段階充電をした場合と、一定電
流で充電したときのものを示す。同図において、2段階
充電時のバッテリ電圧Vは線V(2)で、1段階充電時の
バッテリ電圧Vは線V(1)で示す。また、2段階充電時
のバッテリ温度TB1は線T(2)で示し、1段階充電時の
バッテリ温度TB1は線T(1)で示す。
において高い電流(2.5アンペア)で充電するので、
比較的短時間で満充電(97%)に近い充電量に達する
ことができる。したがって、その後に低電流(1.0ア
ンペア)による充電に移行したとしても、合計でも短時
間で満充電を超える充電を行うことができる。
(1.6アンペア)で一貫して充電を行うと、全充電時
間は2段階充電の場合よりも大幅に長時間化する。さら
に、長時間をかけた1段階充電と、充電時間の短い2段
階充電とでは、バッテリ温度TB1にΔTだけの違いがあ
る。
えのリフレッシュ充電を行った場合でも、通常充電と変
わらない短時間で充電が終了する。したがって、通常充
電とリフレッシュ充電とを意識していないユーザに対し
て、充電時間の違いによる違和感を生じさせない。ま
た、バッテリ温度TB1の上昇度合も少ないので、バッテ
リの耐久性も向上する。
係を示す図である。同図において、充電回数が10回ま
では初期の充電特性カーブに乗って充電量は増大するの
で、大きい充電量が得られる(線A)。しかし、充電回
数が多くなる程、充電特性に変化を生じ、満充電に対応
するバッテリ電圧Vにあっても、初期状態のように大き
い充電量は得られない。充電回数が20回までは線Bに
示すようにほぼ実用的な充電量5Ahであるが、充電回数
が20回を超え、25回になると(線C)、充電量4.7A
hまで低下するので、実用上好ましくない。本実施形態
では、カウンタN2との比較基準値Nrefを「10」と
したので、仮に「お急ぎ充電」が頻繁に行われたとして
も、少なくとも充電回数10回のうち1回はリフレッシ
ュ充電が行われる。
の関係を示す図である。この図のように、環境温度TA0
によって充電終了電圧V1は変化する。すなわち、環境
温度TA0が高くなるにつれて充電終了電圧は低下する。
したがって、充電を終了させるか否かの判断基準となる
カットオフ電圧Vcも、この充電終了電圧V1と同様、
環境温度に応じて変化させるのがよい。上記式1はこの
ような充電終了電圧V1の特性に基づいて決定されてい
る。
充電終了電圧を基準電圧V0とする。基準電圧V0は例え
ば29.6Vである。環境温度が25°Cから偏倚した
場合、充電終了電圧V1はその偏倚量に比例して変化す
る。したがって、環境温度TA0に対応するカットオフ電
圧Vcは、式1aに示すように、基準電圧V0から環境
温度TA0と基準環境温度25°Cとの差に、補正係数α
(例えば0.01)を乗算した値を除した値とすること
ができる。Vc=V0-(TA0-25)×α)…(式1
a)。
カットオフ電圧Vcに対してさらに係数βを加算してい
る。この係数βは、充電回数を重ねる毎に劣化するバッ
テリの特性を考慮した劣化係数である。ステップS13
7で行われる劣化係数βの算出では次の計算式が使用さ
れる。β={(Vmax(1)/Vmax(R))-(Tmax(1)-2
5)×γ}-{Vmax(n)/Vmax(R))-(Tmax(n)-2
5)×γ}…(式2)。
最大電圧(満充電電圧)、Tmaxは充電毎のバッテリ最
大温度である。また、それぞれに付加されている符号
(1)はそれぞれの初期値つまり初回充電時の値、符号(n)
は現在値、符号(R)は基準値であることを示す。この基
準値は環境温度25°Cのときの値である。バッテリは
劣化するので、式2において、バッテリ電圧Vmax(n)は
バッテリ電圧Vmax(1)より低くなり、バッテリ温度Tma
x(n)はバッテリ温度Tmax(1)より高くなる。したがっ
て、係数βは充電回数を重ねるほど大きい値となり、カ
ットオフ電圧Vcは高くなるように劣化補正される。な
お、式2において係数γは温度補正係数である。
1の残量表示方法を説明する。図9はバッテリの放電曲
線を示す図である。図示のようにバッテリの初期状態
で、規定のバッテリ電圧V0のときに放電容量AH1で
あったとする。このバッテリが劣化すると、規定のバッ
テリ電圧V0のときに放電容量AH2(<AH1)にな
る。つまり、劣化したバッテリは、初期状態のバッテリ
よりも早い時期に空になる。したがって、初期状態の満
充電状態の位置に「Full」の指標を置き、バッテリの
初期状態における空の位置に「Empty」の指標を置
いて、残量表示部43のスケールつまり表示範囲を設定
すると、劣化時には残容量が空になっても、残量指針は
「Empty」を指さない。図9に示したように「Em
pty」の移動が生じる。この場合、ユーザがバッテリ
の劣化を認識していないと、残容量がないのにもかかわ
らず、あるものと誤認することがある。
を生じて規定電圧値に対応する放電容量が低下した場合
には、これに合わせて残容量表示部43のスケールを狭
めるようにした。
3の正面図、図11はバッテリ劣化時の残容量表示部4
3の正面図である。図10,図11において、残容量表
示部43の表示エリアは残容量表示エリア431と警告
エリア432とからなる。残量指針433は残量表示エ
リア431と警告エリア432とをカバーして動き、残
容量に対応した位置を指す。警告エリア432を表示す
るための部分円板つまり扇形プレート50は、残量表示
エリア431の部分円形窓51と同じ曲率を有してい
て、部分円形窓51の曲率に沿って、該部分円形窓51
に重なる位置まで変位可能に構成される。扇形プレート
50は警告エリア432を示す第1着色部分501に加
えて、残容量1/2の位置を示す目盛および「1/2」
の文字表示を有する第2着色部分502を備える。これ
ら着色部分501,502の境目には空の位置を示す目
盛および「E」の文字表示を設ける。さらに、満充電の
位置を示す目盛および「F」の文字表示を残量表示エリ
ア431に設ける。
ない状態では、図10に示すように、扇形プレート50
は残量指針433の回動中心と同じ回転中心で図中反時
計方向寄りの位置に変位している。この状態では「E」
の文字表示とその目盛が部分円形窓51の左端に位置し
ている。したがって、「1/2」の文字表示およびその
目盛は部分円形窓51の中央に位置している。
に示すように、扇形プレート50を劣化相当分だけ時計
方向に変位させる。すなわち、バッテリの絶対容量に対
するリフレッシュ充電時に検出される満充電容量(相対
容量)の割合を算出し、この割合に従って扇形プレート
50を移動させる。したがって、この状態では「E」の
文字表示とその目盛が部分円形窓51の左端から中央方
向にずれて位置する。結果的に、残容量表示エリア43
1の低残容量範囲の変位により残容量表示エリア431
が狭められる。つまり表示スケールが縮小される。但
し、低残容量範囲がずれて表示スケールは縮小される
が、低残容量範囲つまり警告エリア432自体の大きさ
は変化していない。したがって、警告エリア432のユ
ーザに対する警告機能を維持しながら、バッテリ11の
劣化に関してもユーザに認識をさせることができる。
目盛とが変位して表示スケールが縮小されることによ
り、ユーザはバッテリの劣化およびその程度を容易に認
識することができる。なお、表示スケールの縮小は空の
表示位置をずらすのに限らず、満充電の表示位置を空の
側にずらすことによっても実現できる。
る残容量表示部43は上記アナログ式表示に限らず、デ
ジタル式のセグメント表示によっても実現することがで
きる。図12は劣化前のバッテリ残容量のセグメント表
示例、図13は劣化時のバッテリ残容量のセグメント表
示例を示す図である。図12に示すように劣化前には1
0個のセグメントが残容量表示範囲として設定されてい
たものが、図13に示すように劣化時には残容量表示範
囲は8個のセグメントに縮小され、残りの2個のセグメ
ントは警告エリアとして使用される。
ブロック図である。同図において、通常充電部6は満充
電未満で充電を停止する第1充電制御を行い、リフレッ
シュ充電部7は、満充電を所定量超えた状態で充電を停
止する第2充電制御を行う。電源3から供給される電流
は、これら通常充電部6およびリフレッシュ充電部7の
いずれかを介してバッテリ11に供給される。いずれか
の充電部が、切替部8の切替えによって選択される。切
替部8は、通常充電の回数を計数するカウンタ9の値N
2が所定値(20回未満であることが好ましい)になっ
たときにリフレッシュ充電部7側に切り替えられる。カ
ウンタ9はリフレッシュ充電部7による充電が終了した
ときにリセットされる。
乱数が所定値であった場合に、切替部8に対してリフレ
ッシュ充電部7への切替を指示する機能で置き換えるこ
とができる。この機能を使用すれば、マイクロコンピュ
ータのプログラム上の処理で充電部の切り替えを行うこ
とができるので、ハードウェアの追加が少なくてすむ。
「お急ぎ充電」つまり短縮充電が可能である。このため
に、通常充電部6には充電停止基準としてのカットオフ
電圧が2種類設定される。一つは、カットオフ電圧演算
部15で演算される第1カットオフ電圧であり、他の一
つは短縮カットオフ電圧設定部16によって設定され
る、第1カットオフ電圧より低い第2カットオフ電圧で
ある。これにより、「お急ぎ充電」では比較的短時間で
充電を終了させることができる。なお、「お急ぎ充電」
の終了時点を、電圧基準によるのではなく、バッテリ温
度の上昇率が所定値を超過したときを基準とすることが
できる。
スイッチが操作されてカットオフ電圧指定部17で前記
第2カットオフ電圧が指定されたときに行うようにでき
る。但し、カウンタ9がカウントアップした場合には、
リフレッシュ充電部7による充電が選択されるので、表
示部27の機能である短縮充電拒否表示部18で、「お
急ぎ充電不可」等の注意表示が行われる。
使用されるカットオフ電圧は、基準電圧V0を、環境温
度検出部21で検出される環境温度TA0で補正すること
によって決定される。さらに、基準満充電電圧、初期満
充電電圧Vmax(1)、現在満充電電圧Vmax(n)、初期最大
バッテリ温度Tmax(1)、現在最大バッテリ温度Tmax(n)
に基づいてバッテリ11の劣化補正が行われる。初期満
充電電圧Vmax(1)および現在満充電電圧Vmax(n)は充電
電圧検出部23で検出され、初期最大バッテリ温度Tma
x(1)および現在最大バッテリ温度Tmax(n)はバッテリ温
度検出部12で検出される。
あったバッテリ電圧が垂下傾向に転じたことを検出す
る。バッテリ電圧が垂下傾向を示した場合は、バッテリ
容量が飽和したと判断できるので、リフレッシュ充電を
停止させる。このように、リフレッシュ充電では、バッ
テリ電圧が所定のカットオフ電圧に達したときに充電を
終えるのではなく、飽和状態の検出により充電を停止す
る。
示すブロック図である。リフレッシュ充電は所定条件の
下に、リフレッシュのための放電を行った後、実施され
る。放電器24の機能としてのリフレッシュ放電部32
はバッテリ11の放電特性を回復するための機能であ
る。残容量判別部33はバッテリ11の残容量が基準残
容量以下かどうかを判別し、残容量が基準残容量以下で
あればリフレッシュ放電部32に放電指示を出力する。
カウンタ34は残容量判別部33の判別結果によりリフ
レッシュ放電指示がなされなかった場合にインクリメン
トされる。つまりカウンタ34のカウンタ値はリフレッ
シュ放電の間隔を代表する。そして、カウンタ34の値
が、予め定められるリフレッシュ放電の判断基準値に達
したときは、カウントアップする。リフレッシュ放電部
32は、バッテリ11の残容量が基準残容量より多い場
合であっても、カウンタ34のカウントアップに応答し
てバッテリ11をリフレッシュのため放電する。
1の発明によれば、環境温度を考慮してカットオフ電圧
を補正できるので、満充電近傍の充電電圧で正確に充電
を停止できる。したがって、バッテリの耐久性を考慮し
つつ満充電近傍まで充電をすることができる。
の充電電圧やバッテリ温度によって経時劣化を補正でき
るので、長期間の使用に対しても、バッテリの耐久性を
考慮しつつ満充電近傍まで充電をすることができる。
装置を含む電動車両のシステム構成を示すブロック図で
ある。
ートである。
ートである。
ローチャートである。
トである。
うバッテリ電圧とバッテリ温度の変化を示す図である。
図である。
ある。
ある。
ある。
例を示す図である。
例を示す図である。
ック図である。
を示すブロック図である。
6…通常充電部、 7…リフレッシュ充電部、 8…
切替部、 9…カウンタ、 11…バッテリ、12…バ
ッテリ温度検出部、 15…カットオフ電圧検出部、1
7…カットオフ電圧指定部、 18…短縮充電拒否表示
部、 21…環境温度検出部、 23…充電電圧検出
部、 27…表示部、 28…ECU、 29…電圧垂
下検出部、32…リフレッシュ放電部
Claims (3)
- 【請求項1】 充電電圧が満充電未満の充電容量に対応
する所定のカットオフ電圧に達したときに充電を停止す
る充電制御手段を有する二次電池の充電制御装置におい
て、 前記カットオフ電圧を、基準環境温度に対する現在環境
温度の偏差に基づいて補正する温度補正手段を具備した
ことを特徴とする二次電池の充電制御装置。 - 【請求項2】 満充電以上で充電を停止する第2充電制
御手段と、 前記第2充電制御手段による複数回の充電終了時の充電
電圧を記憶する充電電圧記憶手段と、 前記充電電圧記憶手段に記憶された充電電圧の履歴に基
づいて前記カットオフ電圧を補正する劣化補正手段とを
さらに具備したことを特徴とする請求項1記載の二次電
池の充電制御装置。 - 【請求項3】 前記第2充電制御手段による複数回の充
電終了時の該二次電池の温度を記憶する電池温度記憶手
段を備え、 前記劣化補正手段では、前記電池温度記憶手段に記憶さ
れた電池温度の履歴に基づいて前記カットオフ電圧をさ
らに補正することを特徴とする請求項2記載の二次電池
の充電制御装置。
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