JP2003217672A - 非水電解液電池の製造方法および電極体乾燥装置 - Google Patents

非水電解液電池の製造方法および電極体乾燥装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より簡便な設備で達成できる非水電解液電池
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 本発明の非水電解液電池の製造方法は、
電極体形成工程と、電極体挿入工程と、非水電解液注入
工程と、を有する非水電解液電池の製造方法であって、
電極体形成工程と非水電解液注入工程との間に、誘導加
熱により電極体を加熱して電極体を乾燥させる電極体乾
燥工程を有することを特徴とする。また、本発明の電極
体乾燥装置は、誘導加熱により電極体を加熱して乾燥さ
せる乾燥装置である。本発明の非水電解液電池の製造方
法は、誘導加熱により電極体の内部から加熱を行うこと
ができるため、電極体の乾燥に要するコストを低減でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解液に非水電解
液を使用した非水電解液電池の製造方法および非水電解
液電池用電極体を乾燥させる電極体乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯機器の駆動用電源として、よ
り軽量・小型化を図ることのできる二次電池への要望が
高くなってきている。この二次電池のなかでも、非水電
解液二次電池、特にリチウム二次電池は高電圧・高エネ
ルギー密度を有する電池として期待が大きい。
【0003】一般的に、リチウム二次電池は、帯状の正
極および帯状の負極を多孔質材料からなるセパレ−タを
介して巻回等により積層した積層電極体と、有機溶媒に
電解質を溶解した電解液とをケース内に収納することに
よって構成される。
【0004】リチウム二次電池等の非水電解液電池にお
いて使用される電解質は水分との反応性が高いので、電
池の製造工程は水分が電解液内に侵入しないように、電
池内に収納される電極およびその他の材料についても充
分な乾燥処理を施した上で電池の製造が行われている。
【0005】具体的には、従来の非水電解液電池の製造
方法では、電極等への水分の除去もしくは再吸着の抑制
をする目的で、正極および負極を所定の厚みおよび幅に
加工する前後において高温で乾燥処理が行われる。その
後、ドライルームなどの乾燥室内に搬入され、乾燥室内
において、巻回、ケース内への収納、電解液の注入、ケ
ースの密閉封止等の主要工程が行われる。
【0006】また、非水電解液は、水溶媒系電解液と比
較して粘度が高いので、ケース内に注入するときに加温
することで低粘度化する方法が特開平10−28412
1で提案されている。
【0007】詳しくは、特開平10−284121に
は、Li含有複合酸化物からなる正極と炭素質材料から
なる負極を用いた電池であり、帯状に形成した正極板お
よび帯状に形成した負極板を多孔質材料からなるセパレ
−タを介して巻回した渦巻状極板群とエチレンカーボネ
ート等の環状エステル類を重量比30%以上含む電解液
とが電池缶内に収納されてなる非水電解液二次電池の製
造において30℃〜50℃に加温した電解液と極板群を
用いることによって電解液の極板群中への浸透を促進さ
せることを特徴とする非水電解液二次電池の製造法が開
示されている。
【0008】すなわち、この製造法においても、加温設
備もドライルーム内に設置する必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
非水電解液電池の製造方法では、製造工程において高価
なドライルーム施設が必要となるばかりか、電極乾燥後
の多くの工程における水分管理に要する労力も甚大とな
ってしまう。
【0010】また、ドライルーム中への加温設備の導入
は、ドライルームの規模を大きくするので、一層のコス
ト増の要因となる。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、より簡便な設備で達成できる非水電解液電池の
製造方法を提供することを解決すべき課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決する目的で鋭意研究を行った結果、以下の発明を
行った。
【0013】すなわち、本発明の非水電解液電池の製造
方法は、正極集電体と正極集電体上に形成された正極活
物質を含む正極合剤層とを有する正極と、負極集電体と
負極集電体上に形成された負極活物質を含む負極合剤層
とを有する負極と、正極および負極の間に挟持されたセ
パレータと、を重ね合わせて電極体を形成する電極体形
成工程と、電極体をケース内に挿入する電極体挿入工程
と、ケース内に非水電解液を注入する非水電解液注入工
程と、を有する非水電解液電池の製造方法であって、電
極体形成工程と非水電解液注入工程との間に、誘導加熱
により電極体を加熱して電極体を乾燥させる電極体乾燥
工程を有することを特徴とする。
【0014】つまり、本発明の非水電解液電池の製造方
法は、電極体乾燥工程を電極体の形成後に行うことによ
って、従来のように、正極、負極等を加工する前後にお
いて乾燥処理を行う乾燥工程、これら乾燥後の正極等を
電極体に形成する際にドライルーム等の乾燥室内に搬送
する工程を一括して行うことができる。さらに、電極体
乾燥工程が誘導加熱により行われることで、電極体の内
部から均一に加熱できるため、加熱ムラによる活物質の
失活が抑えられる。したがって、乾燥工程を簡略化する
ことができ、設備も簡素化することができる。
【0015】本発明の電極体乾燥装置は、正極と、負極
と、正極および負極の間に挟持されたセパレータとを重
ね合わせて形成された電極体を誘導加熱を用いて加熱し
て電極体を乾燥させる電極体乾燥装置であって、乾燥さ
せられる電極体を軸芯部に保持するワークコイルと、ワ
ークコイルの両端部に配され電極体を透過する磁界を形
成するフェライトよりなる一対のコアと、を有し、コア
が、ワークコイルの軸芯部に挿入されかつ端面が電極体
の端面と近接した状態で対向する内部突出部と、ワーク
コイルの外周部にワークコイルの軸方向と平行な方向に
突出して形成された外部突出部と、を有することを特徴
とする。
【0016】本発明の電極体乾燥装置は、通常の誘導加
熱装置では困難であった非磁性体を集電体に用いている
電極体を加熱することができる。この結果、本発明の電
極体乾燥装置を用いることで、乾燥に要するコストが軽
減されるため、非水電解液電池の製造を簡便に行うこと
ができる効果を有する。
【0017】
【発明の実施の形態】(非水電解液電池の製造方法)本
発明の非水電解液電池の製造方法は、正極集電体と正極
集電体上に形成された正極活物質を含む正極合剤層とを
有する正極と、負極集電体と負極集電体上に形成された
負極活物質を含む負極合剤層とを有する負極と、正極お
よび負極の間に挟持されたセパレータと、を重ね合わせ
て電極体を形成する電極体形成工程と、電極体をケース
内に挿入する電極体挿入工程と、ケース内に非水電解液
を注入する非水電解液注入工程と、を有する。すなわ
ち、これらの工程を有する本発明の非水電解液電池の製
造方法を施すことで、非水電解液電池を製造できる。
【0018】本発明の非水電解液電池の製造方法は、電
極体形成工程と非水電解液注入工程との間に、誘導加熱
により電極体を加熱して電極体を乾燥させる電極体乾燥
工程を有する。
【0019】一般に、誘導過熱は、急速加熱ができる、
電気エネルギーを直接材料に投入できるためエネルギー
効率に優れる、局部加熱ができる、温度制御が容易であ
る、無酸素加熱である、などの特徴を有している。
【0020】電極体乾燥工程において電極体に誘導加熱
を施すと、正極および負極の集電体が発熱し、この熱に
より電極体が加熱される。
【0021】すなわち、電極体乾燥工程において誘導過
熱を施すことで、電極体の内部を加熱することができ
る。電極体を内部から加熱することで、電極体の内部に
存在する水分を容易に取り除くことができる。さらに、
誘導加熱は、電極体の全体を均一に加熱することができ
る。すなわち、乾燥時の加熱における加熱ムラがなくな
るため、局部的な過熱による活物質の失活を抑えること
ができる。
【0022】一方、ヒーターを用いて電極体の加熱を行
うと、電極体の外表面から温度が上昇するため、内部が
所望の乾燥温度に到達するためには時間がかかってい
た。さらに、電極体の内部と外表面との温度差が加熱ム
ラによる局部的な過熱を引き起こし、電極の活物質を失
活させる。活物質の失活は、電極体の性能の低下を引き
起こし、結果として、非水電解液電池の性能を低下させ
る。
【0023】電極体乾燥工程は、ケース内に電極体が挿
入された状態で誘導加熱が行われることが好ましい。す
なわち、乾燥した電極体をケース内に収納する手間を省
くことができるとともに、誘導加熱により電極体を加熱
することでケース内壁に付着した水分を乾燥・除去する
ことができるからである。
【0024】電極体乾燥工程は、減圧下で電極体を加熱
する工程であることが好ましい。すなわち、減圧下で乾
燥すると同温度においては乾燥が速やかに進むと共に、
乾燥温度を低下させることができるからである。このた
め、加熱温度が低下することで、電極体が過熱すること
が防止できる。減圧下で電極体を加熱するときの減圧さ
れた圧力は、低ければ低いほどよい。すなわち、圧力が
低くなればなるほど、加熱温度を低くすることができ、
電極体が過熱することが防止できるためである。より好
ましくは、真空雰囲気である。
【0025】また、ケース内に電極体が挿入された状態
で誘導加熱が施されるときには、ケース内を減圧するこ
とで、減圧下で加熱することができる。この場合は、ケ
ース内のみを減圧するため、除去する雰囲気ガス量を減
らすことができ、減圧雰囲気の製造に要するコストを低
下できる。
【0026】誘導加熱は、電極体をワークコイルの軸芯
部に同軸に保持した状態でワークコイルに通電すること
で行われることが好ましい。電極体をワークコイルの軸
芯部に同軸に保持した状態でワークコイルに通電するこ
とで、電極体を過熱乾燥できる。ワークコイルに誘導電
流を通電すると、磁束が発生する。この磁束の中に電極
体を配することで、電極体の内部に磁束と直交する方向
にうず電流が発生する。電極体の内部をうず電流が流れ
るときの電気抵抗によりジュール熱が発生し、電極体が
昇温する。
【0027】誘導加熱は、ワークコイルの両端部にフェ
ライトコアが配された状態で行われることが好ましい。
ワークコイルの両端部にフェライトコアが配された状態
で誘導過熱が行われることで、ワークコイルの軸芯部に
磁束を集中でき、電極体の昇温を効率よく行うことがで
きる。
【0028】さらに、フェライトコアをワークコイルの
両端部に配してワークコイルの軸芯部に磁束を集中でき
ることで、通常のリチウム電池の電極体を加熱乾燥させ
ることができる。すなわち、従来のリチウム電池の電極
体には、正極の集電体にアルミニウムが、負極の集電体
に銅が用いられていた。これらの金属は非磁性体であ
り、誘導加熱による加熱が難しかった。
【0029】フェライトコアは、ワークコイルの軸芯部
に電極体が配されたときに、電極体の軸方向の端面に近
接した状態で対向する内部突出部を有することが好まし
い。フェライトコアが内部突出部を有することで磁束が
電極体を透過するようになり、電極体を加熱することが
できる。ここで、フェライトコアの内部突出部の端面と
電極体の端面とは、近ければ近いほどよく、両端面が当
接することがより好ましい。
【0030】ケースは、非磁性体よりなることが好まし
い。ケースが非磁性体よりなることで、ケースを磁束が
透過できる。このため、ケースの内部に電極体を挿入し
た状態で誘導加熱による電極体の加熱を行うことができ
る。
【0031】本発明の製造方法において、誘導電流は、
30〜100kHzであることが好ましい。30〜10
0kHzの誘導電流が印加されることで、リチウム電池
の電極体でも加熱することができる。すなわち、非磁性
体である銅とアルミニウムとを集電体として有する電極
体を加熱することができる。なお、本発明の製造方法に
おいては、非磁性体である銅とアルミニウムとを集電体
として有する電極体を加熱すると、少なくとも銅が発熱
する。
【0032】本発明の製造方法により製造される非水電
解液電池は特に限定されるものではない。すなわち、水
分の混入を避ける必要のある非水電解液を有する非水電
解液二次電池の製造に、本発明の製造方法を適用するこ
とができる。
【0033】本発明の非水電解液電池の製造方法を、リ
チウムイオン二次電池の製造方法に基づいて説明する。
なお、図は模式図であり、寸法・形態等は精確なもので
はない。
【0034】リチウムイオン二次電池は、正極活物質と
してリチウムイオンを吸蔵および放出可能なリチウム−
金属複合酸化物を正極活物質層としてもつ正極と、リチ
ウムイオンを吸蔵および放出可能な負極とを有するリチ
ウムイオン二次電池である。
【0035】本実施形態のリチウムイオン二次電池は、
その形状には特に制限を受けず、コイン型、円筒型、角
型等、種々の形状の電池として使用できる。本実施形態
では、図1に示すような円筒型のリチウムイオン二次電
池に基づいて説明を行う。
【0036】図1は、本実施形態における円筒型のリチ
ウムイオン二次電池の部分切開図を示す。本実施形態の
リチウムイオン二次電池は、正極1および負極2をシー
ト形状として両者をセパレータ4を介して積層し渦巻き
型に多数回巻回した巻回体型電極体を空隙を満たす電解
液3とともに所定の円筒状のケース7内に収納したもの
である。正極1と正極端子部5とについて、そして負極
2と負極端子部6とについては、それぞれ電気的に接合
されている。
【0037】巻回型電極体は、正極1と負極2とセパレ
ータ4とからなり、正極1および負極2をシート形状と
して両者をセパレータ4を介して積層し渦巻き型に多数
回巻回したものである。
【0038】ここで、非水電解液電池の電極体の形態
は、特に限定されるものではなく、円筒形の巻回型電極
体のほか、角形巻回型電極体や電極が巻回されておら
ず、複数枚の正極および負極がセパレータを介して積層
された積層型電極体でも良い。
【0039】本発明の製造方法において、電極体形成工
程は、正極1と負極2と正極1および負極2の間に狭持
されたセパレータ4とを重ね合わせて電極体を形成する
工程である。
【0040】具体的には、正極1、負極2およびセパレ
ータ4の端部を巻回芯に取り付け、その巻回芯に正極1
等を巻き付けていくことにより巻回型電極体を形成でき
る。
【0041】また、形成された電極体の正極側と負極側
からはそれぞれ正極端子部5および負極端子部6に接続
する必要があるがその接続は電極体形成工程の前後を問
わずに行える。たとえば、電極体を形成する前の正極1
および負極2に端子部5、6と接続するリード13、2
3を接続してもよいし、電極体を形成中もしくは形成後
に接続してもよい。
【0042】正極1は、リチウムイオンを充電時には放
出し、かつ放電時には吸蔵することができるリチウム−
金属複合酸化物を正極活物質にもつ。リチウム−金属複
合酸化物は、電子とリチウムイオンの拡散性能に優れる
など活物質の性能に優れる。そのため、このようなリチ
ウムおよび遷移金属の複合酸化物を正極活物質に用いれ
ば、高い充放電効率と良好なサイクル特性とが得られ
る。さらに正極1は、正極活物質、導電材および結着材
を混合して得られた正極合材12が集電体11に塗布さ
れてなるものを用いることが好ましい。
【0043】正極活物質には、リチウム−金属複合酸化
物であれば特に限定されるものではなく、公知の活物質
を用いることができる。たとえば、Li(1-X)NiO2
Li (1-X)MnO2、Li(1-X)Mn24、Li(1-X)Co
2や、各々にLi、Al、そしてCr等の遷移金属を
添加または置換した材料等が挙げられる。なお、正極活
物質としては、1種類の物質を単独で用いる場合に限定
されず、複数の物質を混合して用いてもよい。そして、
この正極活物質の例示におけるXは0〜1の数を示す。
【0044】負極2は、リチウムイオンを充電時には吸
蔵し、かつ放電時には放出することができれば、その材
料構成で特に限定されるものではなく、公知の材料構成
のものを用いることができる。特に、負極活物質、導電
材および結着剤を混合して得られた負極合材22が集電
体21に塗布されてなるものを用いることが好ましい。
負極活物質としては、その活物質の種類で特に限定され
るものではなく、公知の負極活物質を用いることができ
る。中でも、結晶性の高い天然黒鉛や人造黒鉛などの炭
素材料は、リチウムイオンの吸蔵性能および拡散性能に
優れるなど活物質の性能に優れる。そのため、このよう
な炭素材料を負極活物質に用いれば、高い充放電効率と
良好なサイクル特性とが得られる。さらには、負極2と
して金属リチウムもしくはリチウム合金を使用すること
が電池容量の観点からは、より好ましい。
【0045】セパレータ4は、正極1および負極2を電
気的に絶縁し、電解液3を保持し、正極1および負極2
間の導通を確保する役割を果たすものであり、セパレー
タ4を構成する素材は、絶縁性が高いことが好ましく、
かつ、イオンの透過を妨げない程度の分子間の隙間また
は孔を有することが好ましい。たとえばセパレータ4と
しては、融点が100℃以上の微多孔質膜を用いること
が好ましい。
【0046】セパレータ4は、正極1と負極2との絶縁
をより確実に担保するため、正極1および負極2の大き
さよりもさらに大きいものとするのが好ましい。
【0047】電極体乾燥工程は、誘導加熱により電極体
を加熱し、電極体の内部の水分を除去する工程である。
電極体乾燥工程において電極体が乾燥することで、乾燥
した電極体が得られる。
【0048】電極体挿入工程は、電極体をケース7内に
挿入する工程である。
【0049】ケース7の形状、材質としては、本発明の
適用において特に限定されない。一般的には、形状とし
ては、円筒形や角形がよく知られている。また、材質
は、内部の非水電解液しての電解液3との関係で電気的
化学的に安定な材質であることが必要である。本発明の
製造方法においては、ケースは非磁性体よりなることが
好ましい。
【0050】また、ケース7は密封性、絶縁性等を保つ
ために、ケース7と、蓋71および正負端子部5、6と
の間にガスケット72が狭持されている。ガスケット7
2は、ケースと端子部5、6の間の電気的な絶縁と、ケ
ース7内の密閉性とを担保するものである。ガスケット
72としては、たとえば、電解液3にたいして、化学
的、電気的に安定であるポリプロピレンのような高分子
等から構成できる。
【0051】非水電解液注入工程は、ケース7内に非水
電解液としての電解液3を注入する工程である。
【0052】電解液3は、有機溶媒に電解質を溶解させ
たものである。
【0053】有機溶媒は、通常リチウムイオン二次電池
の電解液の用いられる有機溶媒であれば特に限定される
ものではなく、例えば、カーボネート化合物、ラクトン
化合物、エーテル化合物、スルホラン化合物、ジオキソ
ラン化合物、ケトン化合物、ニトリル化合物、ハロゲン
化炭化水素化合物等を挙げることができる。
【0054】具体的には、ジメチルカーボネート、メチ
ルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレング
リコールジメチルカーボネート、プロピレングリコール
ジメチルカーボネート、エチレングリコールジエチルカ
ーボネート、ビニレンカーボネート等のカーボネート
類、γ−ブチルラクトン等のラクトン類、ジメトキシエ
タン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフ
ラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサンなどの
エーテル類、スルホラン、3−メチルスルホラン等のス
ルホラン類、1.3−ジオキソラン等のジオキソラン
類、4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類、アセト
ニトリル、ピロピオニトリル、パレロニトリル、ベンソ
ニトリル等のニトリル類、1,2−ジクロロエタン等の
ハロゲン化炭化水素類、その他のメチルフォルメート、
ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド等が挙げられ、これらを単独で、また
は、これらから選ばれる複数の有機溶媒を混合した混合
物であっても良い。
【0055】例に挙げたこれらの有機溶媒のうち、特
に、カーボネート類、エーテル類からなる群より選ばれ
た一種以上の非水溶媒を用いることにより、電解質の溶
解性、誘電率および粘度において優れ、電池の充放電効
率も高いので、好ましい。また、後述する電解液を注入
する際の容易さから引火点の高いものが好ましい。特
に、引火点が70℃以上の電解液とすることが好まし
い。引火点を向上する方法としては、たとえば、リン酸
エステルを混合することで達成できる。
【0056】電解質は、その種類が特に限定されるもの
ではないが、LiPF6、LiBF4、LiClO4及び
LiAsF6から選ばれる無機塩、該無機塩の誘導体、
LiSO3CF3、LiC(SO3CF32およびLiN
(SO3CF33から選ばれる有機塩、並びに該有機塩
の誘導体の少なくとも1種であることが好ましい。
【0057】この電解質により、電池性能をさらに優れ
たものとすることができ、かつその電池性能を室温以外
の温度域においてもさらに高く維持することができる。
【0058】電解質の濃度についても特に限定されるも
のではなく、用途に応じ、電解質および有機溶媒の種類
を考慮して適切に選択することが好ましい。
【0059】また、本発明の製造方法において、非水電
解液注入工程は、電極体の温度が所定温度まで冷却した
後に行うことが好ましい。電解液3の粘度は、温度が高
くなるにつれて低くなるので、高温で注入するとより早
く電解液3がケース7内および電極体内に浸透する。こ
こで、所定温度とは、特に限定するものではないができ
るだけ高温とすることが電解液3の粘度低下の観点から
好ましい。しかしながら、あまりに高温として、電解液
3に用いられた有機溶媒の引火点以上とすると引火防止
のための設備投資が必要となるので好ましくは用いられ
た有機溶媒の引火点以下とする。たとえば、エチレンカ
ーボネート、ジエチレンカーボネートを有機溶媒として
用いるときは70℃以下とすることが好ましい。
【0060】(電極体乾燥装置)本発明の電極体乾燥装
置は、正極と、負極と、正極および負極の間に挟持され
たセパレータとを重ね合わせて形成された電極体を誘導
加熱を用いて加熱して電極体を乾燥させる電極体乾燥装
置である。すなわち、誘導加熱により電極体を加熱する
ことで、電極体の内部に残留する水分を電極体から取り
除くことができる。
【0061】本発明の電極体乾燥装置は、乾燥させられ
る電極体を軸芯部に保持するワークコイルと、ワークコ
イルの両端部に配され電極体を透過する磁界を形成する
フェライトよりなる一対のコアと、を有し、コアが、ワ
ークコイルの軸芯部に挿入されかつ端面が電極体の端面
と近接した状態で対向する内部突出部と、ワークコイル
の外周部にワークコイルの軸方向と平行な方向に突出し
て形成された外部突出部と、を有する。コアが、内部突
出部と外部突出部とを有することで、ワークコイルの軸
芯部に保持された電極体に、ワークコイルから生じた磁
束が集中するようになる。このため、電極体を誘導加熱
により昇温させることが可能となる。
【0062】なお、コアの内部突出部の端面と電極体の
端面とは、近ければ近いほどよく、両端面が当接するこ
とがより好ましい。
【0063】コアは、複数の外部突出部を有することが
好ましい。外部突出部を複数有することで、ワークコイ
ルが磁界を発生したときにワークコイルの外周部の磁束
を補足でき、ワークコイルの軸芯部の磁束密度を高くす
ることができる。
【0064】一対のコアがワークコイルの端部に配され
たときに、各コアの外部突出部が同一直線上に配される
ことが好ましい。一対の外部突出部が同一直線上に配さ
れることで、ワークコイルの軸芯部の磁束密度を高くす
ることができる。すなわち、外部突出部を透過した磁束
が、対向した外部突出部に補足されるようになるため、
ワークコイルの系の外部に磁界が形成されなくなり、ワ
ークコイルにおいて形成した磁力が電極体の加熱にロス
なく用いられるようになる。
【0065】一対の外部突出部は、その先端部の距離が
近接していることが好ましく、両先端部が当接している
ことがより好ましい。
【0066】電極体の雰囲気を減圧する減圧手段を有す
ることが好ましい。減圧手段を有することで、電極体を
加熱して乾燥するときの加熱温度を低下させることがで
きる。加熱温度を低下することで、過熱による活物質の
失活を抑えることができる。
【0067】電極体は、ケースに収容された状態でワー
クコイルの軸芯部に保持されることが好ましい。すなわ
ち、乾燥した電極体をケース内に収納する手間を省くこ
とができるとともに、誘導加熱により電極体を加熱する
ことでケース内壁に付着した水分を乾燥・除去すること
ができる。
【0068】ワークコイルに通電される誘導電流を調節
するIHインバータと、IHインバータを制御する制御
装置とを有する制御手段を有することが好ましい。制御
手段を有することで、誘導電流を制御でき、電極体の乾
燥を最適な条件とすることができる。
【0069】本発明の電極体乾燥装置は、コアがワーク
コイルの軸芯部に磁束を収束させているため、従来のリ
チウム電池の電極体を加熱することができる。従来のリ
チウム電池の電極体は、正極集電体にアルミニウムが負
極集電体に銅が用いられ、通常の誘導加熱による加熱は
困難となっていた。
【0070】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0071】(実施例)本発明の実施例として、電極体
乾燥装置を作製し、この電極体乾燥装置を用いてリチウ
ム電池を製造した。
【0072】(電極体乾燥装置)電極体乾燥装置は、図
2にその主な構成が示された誘導加熱装置である。
【0073】詳しくは、電極体乾燥装置は、最大でDC
100V、30Aの電力を供給する電源91と、電源9
1からの電流を交流に変換して誘導電流とする共振周波
数自動調整器92と、誘導電流の調整を行うトランス9
3と、トランス93により調整された誘導電流により誘
導加熱を行う加熱部8と、トランス93の入力側および
出力側にもうけられたコンデンサ部94と、回路中を流
れる電流を測定するセンサーSと、から構成される。
【0074】電源91は、AC200Vの交流電流の入
力を、最大でDC100V、30Aの直流電流として出
力する装置である。
【0075】共振周波数自動調整器92は、電源91か
ら供給された電力を交流電流に変換するIHインバータ
部と、IHインバータ部から供給される交流電流の周波
数を30〜100kHzの範囲内の所定の値になるよう
にIHインバータ部を制御する制御部と、を有し、加熱
部8の加熱コイル81に供給される誘導電流を調整す
る。また、制御部は、電流値が最小になるように制御を
行う。
【0076】トランス93は、誘導電流の電圧の降下お
よび電圧の増加を行う。
【0077】コンデンサ部94は、トランス93の入力
側および出力側の両部にもうけられたコンデンサ94
1、942とからなる。
【0078】トランス93の入力側にもうけられたコン
デンサ941は、誘導電流中の直流電流のみをカットす
る。コンデンサ941は、300V3.5μFのコンデ
ンサを10個並列に接続して形成された。
【0079】トランス93の出力側にもうけられたコン
デンサ942は、共振系の時定数の調整を行う。このコ
ンデンサ942は、加熱コイル81の種類により決定さ
れる。すなわち、導線がらせん状に巻回して形成された
加熱コイルのときには、コンデンサ942は、2000
V0.0056μFのコンデンサを9個並列に接続した
ものが用いられる。また、断面が略U字型の加熱コイル
のときには、コンデンサ942は、300V3.5μF
のコンデンサが用いられる。
【0080】加熱部8は、軸芯部に電池ケース内に収容
された電極体を保持するとともに誘導電流により誘導加
熱を行う加熱コイル81と、加熱コイル81の両端部に
配され加熱コイル81において生じた磁力を集積するフ
ェライトよりなるコア82と、電池ケース内を減圧する
真空ポンプ(図示せず)と、を有する。加熱部8の構成
がわかるように、加熱部8の断面を図3に示した。
【0081】加熱コイル81は、φ3mmの導線を券回
して形成された。この加熱コイル81には、導線をらせ
ん状に券回して形成されたソレノイドコイルと、発生す
る磁界の向きが一定となるように導線を略シート状に配
して形成されかつ形成されたシートを断面が略U字状に
なるように曲成された略U字型の加熱コイルと、があ
る。
【0082】コア82は、加熱コイル81の軸芯部に挿
入されかつ端面が電極体の端面と近接した状態で対向す
る内部突出部821と、加熱コイル81の外周部に加熱
コイル81の軸方向と平行な方向に突出して形成された
外部突出部822と、を有する。
【0083】真空ポンプ(図示せず)は、電池ケース7
の内部に電解液3を注液する電解液注入用開口部711
に接続され、電池ケース7の内部の空気を排出する。
【0084】センサーSは、回路中を流れる電流を測定
する。このセンサーSとして、共振周波数自動調整器9
2とトランス93との間にもうけられた電流計S1と、
トランス93の入力側および出力側にもうけられ駆動電
圧および加熱部8に供給される誘導電流の波形を観測す
るオシロスコープS2と、共振周波数自動調整器92か
ら供給される電流の周波数を測定するカウンタS3と、
加熱部8に供給される誘導電流を観測する電流モニタS
4と、がもうけられている。なお、これらのセンサーS1
4は、共振周波数自動調整器92の制御部に電気的に
接続され、センサーS14の測定値を基にして、共振周
波数自動調整器92からの出力の調節を行うことができ
る。
【0085】(リチウム二次電池の製造)図1に示すリ
チウムイオン二次電池を以下のようにして作製した。
【0086】正極板1は活物質としてマンガン酸リチウ
ムを85重量部と、導電材としてアセチレンブラックを
10重量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを5
重量部とを混練してペースト状にした合材を、厚さ15
μmのアルミニウム箔の集電体11の両面に塗布、圧着
したものである。
【0087】また、負極板2は活物質としてカーボンを
92.5重量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン
を7.5重量部とを混練してペースト状にした合材を、
厚さ10μmの銅箔の集電体21の両面に塗布、圧着し
たものである。
【0088】これら、正極板1および負極板2にはそれ
ぞれ前記合材が塗布されていない未塗布部111、21
1がもうけてあり、正極1の集電体11の未塗布部11
1の表面には複数のアルミニウム製のリード13を、ま
た負極2の集電体21の未塗布部211の表面には複数
の銅製のリード23をそれぞれ電極板から正極端子部
5、負極端子部6への電流取り出し用として超音波溶接
法により接合した。
【0089】次に、正極板1と負極板2の間に、正極板
1および負極板2が直接接しないよう幅広に裁断された
セパレ−タ4を介在して、渦巻き状に巻回し、巻回電極
体を作製した。このとき、セパレ−タ4としてポリフェ
ニレンエーテルを多孔質処理したフィルムを用いた。
【0090】続いて正極板1および負極板2に取り付け
られたリード13、23を収束処理し、それぞれ正極端
子部5、負極端子部6に超音波溶接法により接合した
後、電池ケース7に収納し、正極端子部5と蓋板71お
よび負極端子部6と電池ケース7との間にそれぞれガス
ケット72を介在させた状態でナット73により締結
し、蓋板71と電池ケース7とをレーザ溶接法により気
密・液密性が保たれる溶接条件にて接合した。なお、電
池ケース7は、非磁性体である樹脂により形成された。
【0091】このようにして作製した電池ケース7内に
電極体を収納した電池を、電極体乾燥装置の加熱コイル
の軸芯部に挿入し、加熱コイルの両端部にコアを配置し
た。このとき、電池は、電池ケースの電解液注入用開口
部711が真空ポンプに接続された状態で加熱コイルに
挿入された。その後、真空ポンプを作動させて、電池ケ
ース7の内部を133Paまで減圧した。電池ケース7
の内部が減圧した状態で、電極体乾燥装置の電源のスイ
ッチをONにし、加熱コイルに誘導電流を供給した。こ
のとき、共振周波数自動調整器による制御により、加熱
コイルに供給される誘導電流が18Aに保持された。
【0092】加熱コイルに誘導電流が供給されること
で、加熱コイルの軸芯部に保持された電池の温度が上昇
し、120℃にまで昇温した。その後、この温度での保
持を6時間行うことで、電極体およびケース7の内部の
水分が除去された。
【0093】そして、加熱コイルへの通電を遮断し(電
源のスイッチをOFFにする)、加熱を終了した。つづ
いて、放冷した後に、加熱コイルから電池を取り出し
た。
【0094】その後、蓋71に予め設置してある電解液
の注入用開口部711をEPDM製のシール用部品で仮
封止した状態で電解液注入装置まで運搬し、シール用部
品を取り外した後、蓋71の電解液注入用開口部711
から非水電解液を注入した。非水電解液は、エチレンカ
ーボネートとジエチレンカーボネートとを3:7の重量
比で混合した溶媒中に六フッ化リン酸リチウムを溶解さ
せたものを用いた。所定量の電解液を注入後、注入用開
口部711を封止栓74で気密・液密的に封止した。
【0095】以上の手段により実施例のリチウム二次電
池が製造された。
【0096】実施例のリチウム二次電池は、電極体の内
部が加熱されたため、電極体の内部に存在する水分が取
り除かれている。さらに、実施例のリチウム二次電池
は、誘導加熱により電極体の全体が均一に加熱されてい
るため、加熱ムラがなくなっていることから、局部的な
過熱による活物質の失活を抑えられている。
【0097】また、電極体乾燥装置は、非磁性体よりな
る集電体を用いて形成された電池でも、誘導加熱により
加熱できる。このことは、誘導加熱の特徴である、急速
加熱ができる、電気エネルギーを直接材料に投入できる
ためエネルギー効率に優れる、局部加熱ができる、温度
制御が容易である、無酸素加熱である、などの加熱によ
り電極体の乾燥を行うことができることを示す。
【0098】この結果、リチウム二次電池の製造を簡便
に行うことができる。
【0099】
【発明の効果】本発明の非水電解液電池の製造方法は、
電極体乾燥工程において誘導過熱を施すことで、電極体
の内部を加熱することができる。電極体を内部から加熱
することで、電極体の内部に存在する水分を容易に取り
除くことができる。さらに、誘導加熱は、電極体の全体
を均一に加熱することができる。すなわち、乾燥時の加
熱における加熱ムラがなくなるため、局部的な過熱によ
る活物質の失活を抑えることができる。
【0100】また、本発明の電極体乾燥装置は、コアに
よりワークコイルの軸芯部に磁束を集中させているた
め、誘導過熱による加熱が困難であった電極体の加熱を
行うことができる。本発明の電極体乾燥装置を用いるこ
とで、乾燥に要するコストが軽減されるため、非水電解
液電池の製造を簡便に行うことができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 円筒型リチウムイオン二次電池の全体構成を
示す部分切開図である。
【図2】 電極体乾燥装置の構成を示した図である。
【図3】 電極体乾燥装置の加熱部の構成を示した図で
ある。
【符号の説明】
1:正極 11:正極集電体 111:未塗布部 12:正極合材層 1
3:正極リード 2:負極 21:負極集電体 211:未塗布部 22:負極合材層 2
3:負極リード 3:非水電解液 4:セパレータ
5:正極端子部 6:負極端子部 7:ケース 7
1:蓋板 711:注液用開口部 72:ガスケット 7
3:ナット 74:封止栓 8:加熱部 8
1:加熱コイル 82:コア 821:内部突出部 82
2:外部突出部 91:電源 92:共振周波数自動調整器 93:トランス 94:コンデンサ部 941、942:コンデンサ S14:センサー
フロントページの続き (72)発明者 上嶋 啓史 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3L113 AC12 AC24 AC64 BA01 CA20 CB08 DA17 5H011 AA09 CC02 DD26 KK04 5H029 AJ14 AK03 AL06 AM03 AM05 AM07 BJ02 CJ02 CJ13 CJ30 DJ02 EJ12 HJ15

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極集電体と該正極集電体上に形成され
    た正極活物質を含む正極合剤層とを有する正極と、負極
    集電体と該負極集電体上に形成された負極活物質を含む
    負極合剤層とを有する負極と、該正極および該負極の間
    に挟持されたセパレータと、を重ね合わせて電極体を形
    成する電極体形成工程と、 該電極体をケース内に挿入する電極体挿入工程と、 該ケース内に非水電解液を注入する非水電解液注入工程
    と、を有する非水電解液電池の製造方法であって、 該電極体形成工程と該非水電解液注入工程との間に、誘
    導加熱により該電極体を加熱して該電極体を乾燥させる
    電極体乾燥工程を有することを特徴とする非水電解液電
    池の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記電極体乾燥工程は、前記ケース内に
    前記電極体が挿入された状態で前記誘導加熱が行われる
    請求項1記載の非水電解液電池の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記電極体乾燥工程は、減圧下で前記電
    極体を加熱する工程である請求項1〜2記載の非水電解
    液電池の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記誘導加熱は、前記電極体をワークコ
    イルの軸芯部に同軸に保持した状態で該ワークコイルに
    通電することで行われる請求項1〜3記載の非水電解液
    電池の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記誘導加熱は、前記ワークコイルの両
    端部にフェライトコアが配された状態で行われる請求項
    1〜3記載の非水電解液電池の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ケースは、非磁性体よりなる請求項
    2〜5記載の非水電解液電池の製造方法。
  7. 【請求項7】 正極と、負極と、該正極および該負極の
    間に挟持されたセパレータとを重ね合わせて形成された
    電極体を誘導加熱を用いて加熱して該電極体を乾燥させ
    る電極体乾燥装置であって、 乾燥させられる電極体を軸芯部に保持するワークコイル
    と、 該ワークコイルの両端部に配され該電極体を透過する磁
    界を形成するフェライトよりなる一対のコアと、 を有し、 該コアが、該ワークコイルの軸芯部に挿入されかつ端面
    が該電極体の端面と近接した状態で対向する内部突出部
    と、該ワークコイルの外周部に該ワークコイルの軸方向
    と平行な方向に突出して形成された外部突出部と、を有
    することを特徴とする電極体乾燥装置。
  8. 【請求項8】 前記コアは、複数の前記外部突出部を有
    する請求項7記載の電極体乾燥装置。
  9. 【請求項9】 一対の前記コアが前記ワークコイルの端
    部に配されたときに、各該コアの前記外部突出部が同一
    直線上に配される請求項7〜8記載の電極体乾燥装置。
  10. 【請求項10】 前記電極体の雰囲気を減圧する減圧手
    段を有する請求項7〜9記載の電極体乾燥装置。
  11. 【請求項11】 前記電極体は、ケースに収容された状
    態で前記ワークコイルの軸芯部に保持される請求項7〜
    10記載の電極体乾燥装置。
  12. 【請求項12】 前記ワークコイルに通電される誘導電
    流を調節するIHインバータと、該IHインバータを制
    御する制御装置とを有する制御手段を有する請求項7〜
    11記載の電極体乾燥装置。
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