JP2005085556A - リチウムイオン電池およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】放電容量が大きく、かつ内部短絡が発生しにくいリチウムイオン電池を提供する。
【解決手段】リチウムを吸蔵脱離できる正極活物質を正極芯体に保持させてなる正極7と、リチウムを吸蔵脱離できる負極活物質を負極芯体に保持させてなる負極3と、前記正極と前記負極との間に配されたセパレータ6と、前記正極と前記負極と前記セパレータとを捲回する導電性巻芯体1と、非水電解液と、電池外装体10とを備えるリチウムイオン電池であって、前記負極の捲回中心側の端部と前記導電性巻芯体とが、前記導電性巻芯体の長手方向に沿った2以上の箇所で点溶接されており、前記導電性巻芯体が外部負極端子を兼ねているリチウムイオン電池とする。
【選択図】図6
【解決手段】リチウムを吸蔵脱離できる正極活物質を正極芯体に保持させてなる正極7と、リチウムを吸蔵脱離できる負極活物質を負極芯体に保持させてなる負極3と、前記正極と前記負極との間に配されたセパレータ6と、前記正極と前記負極と前記セパレータとを捲回する導電性巻芯体1と、非水電解液と、電池外装体10とを備えるリチウムイオン電池であって、前記負極の捲回中心側の端部と前記導電性巻芯体とが、前記導電性巻芯体の長手方向に沿った2以上の箇所で点溶接されており、前記導電性巻芯体が外部負極端子を兼ねているリチウムイオン電池とする。
【選択図】図6
Description
本発明はリチウムイオン電池に関する。
携帯電話やPDAなどのモバイル型電子機器への小型化の要求に伴い、その電源に用いられるリチウムイオン電池に対して、より一層の小型化および高エネルギー密度化が要求されている。
ここで、正極板と負極板とをセパレータを介して対向させ、かつ捲回した電極体を用いて電池の体積エネルギー密度を高めることにより、リチウムイオン電池を高エネルギー密度化させる技術がある。一般に、このような捲回型電極体を用いた電池では、電流を電極体から取り出すため、極板と外部端子との間に、スポット溶接等の抵抗溶接によって短冊状の集電タブが取り付けられている。また、この電極体の中心には、捲回のための巻芯が配されている。
このような電池において、高エネルギー密度化と小型化とを両立させるためには、発電に直接関係しない部材によって占められる電池内のスペース、すなわちデットスペースを削減することが重要である。ここでいうデットスペースとしては、集電タブや巻芯等を電池内に配するためのスペースがあげられる。
ところが、電池の体積エネルギー密度を向上させ、かつ小型化を図る目的で、これらの集電タブや巻芯を細くすると、以下に示すような問題が生じる。
1)集電タブを細くすると、溶接領域のあそびが小さくなるため、相対的に一定したスポット位置(溶接点)で集電タブと極板とを抵抗溶接させることが難しくなる。そして、ときには、スポット位置が集電タブから外れ、溶接電流量が過剰となったり、不足してしまったりすることがある。溶接電流量が過剰となると、溶接点が破れて金属箔がささくれ立ち、これがセパレータを損壊させて電池の内部短絡を引き起こしてしまう。一方、溶接電流量が不足すると、溶接強度が低下し、溶接不良により電池の内部抵抗が増大するなどして、電極体から外部にエネルギーを安定して取り出せない。
2)また、巻芯を細くすると、電極体の捲回中心に近い極板の屈曲が大きくなり、捲回中心に近い極板の芯体から活物質(合剤)が剥離しやすくなるため、充放電に寄与できる活物質量が減少し、電池容量が低下したり、合剤の剥離片が電極体を損壊させて内部短絡を引き起こしたりする。また、巻芯を細くするとそれ自体の強度が低くなるため、電極体の作成時に湾曲やひび割れなどの巻芯の破損が起こりやすく、これに起因した内部短絡の発生を招く。
1)集電タブを細くすると、溶接領域のあそびが小さくなるため、相対的に一定したスポット位置(溶接点)で集電タブと極板とを抵抗溶接させることが難しくなる。そして、ときには、スポット位置が集電タブから外れ、溶接電流量が過剰となったり、不足してしまったりすることがある。溶接電流量が過剰となると、溶接点が破れて金属箔がささくれ立ち、これがセパレータを損壊させて電池の内部短絡を引き起こしてしまう。一方、溶接電流量が不足すると、溶接強度が低下し、溶接不良により電池の内部抵抗が増大するなどして、電極体から外部にエネルギーを安定して取り出せない。
2)また、巻芯を細くすると、電極体の捲回中心に近い極板の屈曲が大きくなり、捲回中心に近い極板の芯体から活物質(合剤)が剥離しやすくなるため、充放電に寄与できる活物質量が減少し、電池容量が低下したり、合剤の剥離片が電極体を損壊させて内部短絡を引き起こしたりする。また、巻芯を細くするとそれ自体の強度が低くなるため、電極体の作成時に湾曲やひび割れなどの巻芯の破損が起こりやすく、これに起因した内部短絡の発生を招く。
本発明は上記課題を解決するものであり、放電容量が大きく、かつ内部短絡が発生しにくい、リチウムイオン電池を提供することを目的とする。
本発明のリチウムイオン電池は、リチウムを吸蔵脱離できる正極活物質を正極芯体に保持させてなる正極と、リチウムを吸蔵脱離できる負極活物質を負極芯体に保持させてなる負極と、前記正極と前記負極との間に配されたセパレータと、前記正極と前記負極と前記セパレータとを捲回する導電性巻芯体と、非水電解液と、電池外装体とを備えるリチウムイオン電池であって、前記負極の捲回中心側の端部と前記導電性巻芯体とが、前記導電性巻芯体の長手方向に沿った2以上の箇所で点溶接されており、前記導電性巻芯体が外部負極端子を兼ねていることを特徴とする。
ところで、本明細書中において上記負極の捲回中心側の『端部』とは、捲回中心側の負極の最外端(エッジ)のみを意味するものではなく、ある程度の面積を有した最外端近くの領域を意味するものである。
上記構成であると、捲回型電極体の巻芯と、電極体から外部にエネルギーを取り出すための集電タブとを兼ねる導電性巻芯体を有するため、新たに集電タブを設ける必要がなくなる。これにより、新たに集電タブを設けることにより生じる電池内のデッドスペースが削減される。よって、電池の体積エネルギー密度を向上させることができる。また、上記構成であると、導電性巻芯体と、負極とを、導電性巻芯体の長手方向に沿った2以上の箇所で点溶接しているが、点溶接であると、全面溶接に比較し溶接時における負極へのダメージが小さくなり、かつ巻芯体と負極板との溶接強度が安定する。これにより、薄い負極芯体を使用した場合であっても、電池の内部短絡の発生や内部抵抗の増大を抑制することができる。
本発明のリチウムイオン電池は、さらに、前記導電性巻芯体はその長手方向に沿った平坦部を有し、前記平坦部に前記負極の捲回中心側の端部が溶接されている構成とすることができる。
上記構成であると、導電性巻芯体の長手方向に沿って設けられた平坦部に負極が溶接されているため、極板と巻芯体との接触面積が広くなるとともに、極板と巻芯体との接合部にかかる外圧が、点溶接された箇所に集中しない。よって、点溶接された箇所に外圧が集中し、点溶接部が破損されることが防止され、この破損に起因する上記内部短絡の発生が抑制される。
また、上記構成であると、極板を溶接する部分が広くなるため、相対的に一定したスポット位置(溶接点)で極板と巻芯体とを抵抗溶接できる位置の許容範囲が広くなる。これにより、スポット位置が集電タブから外れ、溶接電流量が過剰となったり、不足してしまったりすることが防止され、製造時における内部短絡の発生や内部抵抗の増大が抑制される。さらに、上記構成であると、巻芯体の平坦部と極板との間、すなわち正極と、負極と、両極を離間するセパレータと、負極に接続された導電性巻芯体とからなる電極体の中心部に間隙が形成される。これにより、電解液の電極体内部への浸透速度が高まり、単位電池当たりの製造にかかる時間が短縮されるため、電池の製造効率が向上する。
また、上記構成であると、極板を溶接する部分が広くなるため、相対的に一定したスポット位置(溶接点)で極板と巻芯体とを抵抗溶接できる位置の許容範囲が広くなる。これにより、スポット位置が集電タブから外れ、溶接電流量が過剰となったり、不足してしまったりすることが防止され、製造時における内部短絡の発生や内部抵抗の増大が抑制される。さらに、上記構成であると、巻芯体の平坦部と極板との間、すなわち正極と、負極と、両極を離間するセパレータと、負極に接続された導電性巻芯体とからなる電極体の中心部に間隙が形成される。これにより、電解液の電極体内部への浸透速度が高まり、単位電池当たりの製造にかかる時間が短縮されるため、電池の製造効率が向上する。
本発明のリチウムイオン電池は、さらに、前記負極は、捲回中心側の端部に前記負極活物質で覆われていない負極芯体露出部を有し、負極の長手方向における前記負極芯体露出部の長さは、導電性巻芯体の短手方向における前記平坦部の幅よりも広く、前記負極芯体露出部は、前記導電性巻芯体の平坦部の短手方向を完全に覆うように配され、かつ導電性巻芯体の長手方向に沿った2以上の箇所で点溶接されている構成とすることができる。
電極体の捲回始端である平坦部のエッジ付近では、捲回時に極板が大きく屈曲するが、上記構成では、巻芯体の平坦部を完全に覆うようにして、活物質(合剤)で覆われていない負極芯体露出部が配されている、つまり、活物質(合剤)で覆われている負極板は平坦部のエッジ付近には配されず、急な屈曲を受けにくくなっているため、負極芯体からの活物質(合剤)の剥離が抑制される。これにより、活物質の剥離による電池容量の減少や、剥離片による内部短絡の発生が防止される。
本発明のリチウムイオン電池は、さらに、前記導電性巻芯体の最大外径が、0.5mm以上3.0mm以下であり、かつ、前記電池外装体の最大内径の8%以上50%以下である構成とすることができる。
上記構成であると、内部短絡の発生を招く湾曲やひび割れなどの巻芯の破損を抑制しつつ、同一サイズの電池外装体において、一層体積エネルギー密度を高めることができる。
本発明のリチウムイオン電池の製造方法は、リチウムを吸蔵脱離できる負極活物質と負極芯体とを有する負極と、導電性巻芯体とを抵抗溶接する工程と、リチウムを吸蔵脱離できる正極活物質が正極芯体に保持されてなる正極と、前記導電性巻芯体に溶接された前記負極と、前記正極と前記負極との間に配されたセパレータとを前記導電性巻芯体に捲回し、電極体を作成する工程と、前記電極体と非水電解液とを外装体内に封入する工程とを備えるリチウムイオン電池の製造方法であって、前記負極と前記導電性巻芯体とを抵抗溶接する工程が、前記負極芯体の一部が前記負極活物質で覆われていない負極芯体露出部と前記導電性巻芯体とを、前記負極の短手方向と前記導電性巻芯体の長手方向とを略一致させて重ね合わせ、第1の抵抗溶接電極と、第2の抵抗溶接電極とを、前記重ね合わせた前記負極と前記導電性巻芯体とを介して対向させ、前記第1の抵抗溶接電極を前記導電性巻芯体に点接触させ、前記第2の抵抗溶接電極を前記負極芯体露出部に面接触させて、前記負極芯体露出部と前記導電性巻芯体とを、前記導電性巻芯体の長手方向に沿った2以上の箇所で点溶接する工程であることを特徴とする。
ここで、上記『面接触』とは、例えば図3、図12および図13に示すように、その接触面積が、『点接触』にかかる接触面積よりも広い接触状態であることを意味する。
一般に、負極芯体は導電性巻芯体と比べて非常に薄いため、抵抗溶接時に高い接触抵抗を受けると裂傷してしまう。このとき、裂傷によりささくれ立った金属箔がセパレータを損壊し、電池の内部短絡(初期不良)を引き起こしてしまう。然るに、上記構成であると、導電性巻芯体に対して抵抗電極を点接触させ、負極芯体に対して抵抗溶接電極を面接触させるため、過大な電流を用いることなく、両部材を溶接でき、この方法であると両者の接触抵抗が過剰にならないため、抵抗溶接時に負極芯体が裂傷されにくく、かつ十分な溶接強度が得られる。
本発明のリチウムイオン電池であると、主に以下に示す理由から、簡単な手段により、同一サイズの電池において、内部短絡の発生を防止しつつ、体積エネルギー密度を向上させることができるという顕著な効果が得られる。
(1)集電タブの配設に伴って生じる電池内のデッドスペースが削減できる。
(2)導電性巻芯体と負極板との点溶接部の強度が安定して高くなる。
(3)点溶接された箇所への外圧集中による点溶接部の破損が防止される。
(4)負極芯体からの活物質の剥離が抑制される。
(5)内部短絡の発生を招く湾曲やひび割れなどの巻芯の破損が抑制されつつ、同一サイズの電池外装体において、放電容量を十分に高められる。
(1)集電タブの配設に伴って生じる電池内のデッドスペースが削減できる。
(2)導電性巻芯体と負極板との点溶接部の強度が安定して高くなる。
(3)点溶接された箇所への外圧集中による点溶接部の破損が防止される。
(4)負極芯体からの活物質の剥離が抑制される。
(5)内部短絡の発生を招く湾曲やひび割れなどの巻芯の破損が抑制されつつ、同一サイズの電池外装体において、放電容量を十分に高められる。
また、本発明のリチウムイオン電池の製造方法であると、主に、導電性巻芯体と負極芯体との接触面積が大きくなるため、両者の接触抵抗が過剰にならなくなる。この結果、抵抗溶接時に負極芯体が裂傷されにくく、両者の溶接が強固となり、電池の初期内部短絡の発生が一層防止された、上記小型のリチウムイオン電池が提供される。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
図8の断面模式図に示すように、本発明にかかるリチウムイオン電池は、円筒型の電池外装体(正極缶)10を有しており、この正極缶10内には、正極7と、負極3と、両極を離間するセパレータ6と、負極3に接続された導電性巻芯体1とからなる電極体が収容されている。さらに、このセパレータ6には非水電解液が含浸されており、正極7と正極缶10とが圧接触している。また、正極缶10と導電性巻芯体1との間の開口部は、絶縁ガスケット2を介したかしめ固定により封止されている。また、この電池では、正極缶10が外部正極端子を兼ね、導電性巻芯体1が外部負極端子を兼ねており、この導電性巻芯体1における正極缶側の端部には電気絶縁性キャップ9が設けられている。
図8の断面模式図に示すように、本発明にかかるリチウムイオン電池は、円筒型の電池外装体(正極缶)10を有しており、この正極缶10内には、正極7と、負極3と、両極を離間するセパレータ6と、負極3に接続された導電性巻芯体1とからなる電極体が収容されている。さらに、このセパレータ6には非水電解液が含浸されており、正極7と正極缶10とが圧接触している。また、正極缶10と導電性巻芯体1との間の開口部は、絶縁ガスケット2を介したかしめ固定により封止されている。また、この電池では、正極缶10が外部正極端子を兼ね、導電性巻芯体1が外部負極端子を兼ねており、この導電性巻芯体1における正極缶側の端部には電気絶縁性キャップ9が設けられている。
上記構造のリチウムイオン電池を以下のようにして作製した。
<正極の作製>
コバルト酸リチウム(LiCoO2)からなる正極活物質と、アセチレンブラックまたはグラファイト等の炭素系導電剤と、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)からなる結着剤とを、質量比90:5:5の割合で量り採り、これらをN−メチルピロリドンからなる有機溶剤等に溶解させた後、混合し、正極活物質スラリーを調製した。
次に、この正極活物質スラリーを、ダイコーターまたはドクターブレード等を用いて、アルミニウム箔(厚さ:20μm)からなる正極芯体の両面に均一に塗布した。このとき、正極芯体の片側最外端からその長手方向に10mmまでの幅の部位(端部)を正極芯体露出部とするため、この部位には正極活物質スラリーを塗布しなかった。
この極板を乾燥機内に通して上記有機溶剤を除去し、塗布質量が450g/m2の乾燥極板を作製した。その後、この乾燥極板を、ロールプレス機によりその厚みが0.16mmとなるように圧延し、70mm×38mmの正極板を完成させた。なお、このとき、正極芯体露出部が、正極板の短手方向(短辺側)の片側端部に形成されている。
<正極の作製>
コバルト酸リチウム(LiCoO2)からなる正極活物質と、アセチレンブラックまたはグラファイト等の炭素系導電剤と、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)からなる結着剤とを、質量比90:5:5の割合で量り採り、これらをN−メチルピロリドンからなる有機溶剤等に溶解させた後、混合し、正極活物質スラリーを調製した。
次に、この正極活物質スラリーを、ダイコーターまたはドクターブレード等を用いて、アルミニウム箔(厚さ:20μm)からなる正極芯体の両面に均一に塗布した。このとき、正極芯体の片側最外端からその長手方向に10mmまでの幅の部位(端部)を正極芯体露出部とするため、この部位には正極活物質スラリーを塗布しなかった。
この極板を乾燥機内に通して上記有機溶剤を除去し、塗布質量が450g/m2の乾燥極板を作製した。その後、この乾燥極板を、ロールプレス機によりその厚みが0.16mmとなるように圧延し、70mm×38mmの正極板を完成させた。なお、このとき、正極芯体露出部が、正極板の短手方向(短辺側)の片側端部に形成されている。
<負極の作製>
体積平均粒径20μmの人造黒鉛からなる負極活物質と、スチレンブタジエンゴムからなる結着剤と、カルボキシメチルセルロースからなる増粘剤とを、質量比98:1:1の割合で量り採り、これらを適量の水と混合し、負極活物質スラリーを調製した。
次に、この負極活物質スラリーを、ダイコーターまたはドクターブレード等を用いて、銅箔(厚さ:12μm)からなる負極芯体の両面に均一に塗布した。このとき、正極芯体の片側最外端からその長手方向に6mmまでの幅(図4のL参照)の部位(端部)を負極芯体露出部とするため、この部位には負極活物質スラリーを塗布しなかった。
この極板を乾燥機内に通して水分を除去し、塗布質量が200g/m2の乾燥極板を作製した。その後、この乾燥極板を、ロールプレス機によりその厚みが0.14mmとなるように圧延し、70mm×40mmの負極板を完成させた。なお、このとき、負極芯体露出部は、負極板の短手方向(短辺側)の片側端部に形成されている。
体積平均粒径20μmの人造黒鉛からなる負極活物質と、スチレンブタジエンゴムからなる結着剤と、カルボキシメチルセルロースからなる増粘剤とを、質量比98:1:1の割合で量り採り、これらを適量の水と混合し、負極活物質スラリーを調製した。
次に、この負極活物質スラリーを、ダイコーターまたはドクターブレード等を用いて、銅箔(厚さ:12μm)からなる負極芯体の両面に均一に塗布した。このとき、正極芯体の片側最外端からその長手方向に6mmまでの幅(図4のL参照)の部位(端部)を負極芯体露出部とするため、この部位には負極活物質スラリーを塗布しなかった。
この極板を乾燥機内に通して水分を除去し、塗布質量が200g/m2の乾燥極板を作製した。その後、この乾燥極板を、ロールプレス機によりその厚みが0.14mmとなるように圧延し、70mm×40mmの負極板を完成させた。なお、このとき、負極芯体露出部は、負極板の短手方向(短辺側)の片側端部に形成されている。
<電極体の作製>
(1)作製した負極板を、以下に説明するようにして、図1に示すステンレス鋼(SUS)からなる導電性巻芯体1(最大外径:φ1.5mm、図4のd参照)に抵抗溶接した。図3に示すように、負極板の短手方向と導電性巻芯体1の長手方向とを略一致させて負極芯体露出部と導電性巻芯体とを重ね合わせた後、第1の抵抗溶接電極11(銅製)と、第2の抵抗溶接電極12(銅製)とを、重ね合わせた負極と導電性巻芯体とを介して互いに対向させ、第1の抵抗溶接電極を導電性巻芯体に点接触させ、第2の抵抗溶接電極を負極芯体露出部に面接触させて、導電性巻芯体の長手方向に沿った9箇所で負極と導電性巻芯体とを抵抗溶接した。なお、抵抗溶接機としては株式会社ユニオン電機製のUA―15TW15型を用い、500Aの溶接電流により、1サイクルの溶接を行った。また、このとき用いた上記抵抗溶接電極11は、φ20mmの円盤状(厚み10mm)であり、その先端径はφ1mmである。また、この抵抗溶接電極11の先端にかかる圧力は382×9.80665×104Pa(382kg/cm2)であった。このようにして抵抗溶接されたそれぞれの箇所は、図4に示すような点溶接4の溶接状態となった。また、ここでは、図2および図3に示すように、負極芯体露出部に重ね合わせる導電性巻芯体として、円筒体の一部に長手方向に沿って平坦部が形成されたものを用いた。また、負極の長手方向における負極芯体露出部の長さを、導電性巻芯体の短手方向における平坦部の幅よりも広くし、この負極芯体露出部が、この平坦部の短手方向を完全に覆うようにして配した。
(2)ポリプロピレン製の絶縁ガスケット2がその一端に圧入され、もう一端にポリプロピレン製の絶縁キャップが被せられた導電性巻芯体と、これと抵抗溶接された負極3とを、図5に示すように、ポリエチレン製のセパレータ(微多孔膜)6(厚み:0.025mm)上に載置させた。その後、導電性巻芯体が溶接されている負極板の最外端から負極活物質が被覆されている部分までをポリプロピレン製テープ5(長さ:10mm、厚み:30〜50μm)で覆い、このセパレータ6と負極3とを固定した。
(3)図6または図7に示すように、その片面に負極3を固定したセパレータ6のもう一方の面に、各極板の短手方向の中心線が一致するように、かつその一方の端部が導電性巻芯体1の近傍に位置するようにして、正極7を重ね合わせた。その後、この正極7の端部とセパレータ6とをポリプロピレン製テープ8(長さ:10mm、厚み:30〜50μm)で覆い、セパレータと正極とを固定した。
(4)このようにして一体化させた正極と負極とセパレータと導電性巻芯体とを、巻き取り機により図10に示すように捲回し、その最外周をポリプロピレン製テープで止めて捲回型電極体を作製した。
ところで、このように電極体における捲回始端部を樹脂製のテープで固定することにより、芯板からの活物質(合剤)の剥離が抑制され、剥離部分が導電不良となり電池容量を減少させてしまうことや、剥離片によって内部短絡が引き起こされてしまうことを防止できる。さらに、テープを極板と同時にセパレータ上へ貼り付けることにより、セパレータと正負極板の位置を固定できる。これにより、捲回時の巻きズレが発生しにくくなり、単位電池当たりの製造速度が向上する。
(1)作製した負極板を、以下に説明するようにして、図1に示すステンレス鋼(SUS)からなる導電性巻芯体1(最大外径:φ1.5mm、図4のd参照)に抵抗溶接した。図3に示すように、負極板の短手方向と導電性巻芯体1の長手方向とを略一致させて負極芯体露出部と導電性巻芯体とを重ね合わせた後、第1の抵抗溶接電極11(銅製)と、第2の抵抗溶接電極12(銅製)とを、重ね合わせた負極と導電性巻芯体とを介して互いに対向させ、第1の抵抗溶接電極を導電性巻芯体に点接触させ、第2の抵抗溶接電極を負極芯体露出部に面接触させて、導電性巻芯体の長手方向に沿った9箇所で負極と導電性巻芯体とを抵抗溶接した。なお、抵抗溶接機としては株式会社ユニオン電機製のUA―15TW15型を用い、500Aの溶接電流により、1サイクルの溶接を行った。また、このとき用いた上記抵抗溶接電極11は、φ20mmの円盤状(厚み10mm)であり、その先端径はφ1mmである。また、この抵抗溶接電極11の先端にかかる圧力は382×9.80665×104Pa(382kg/cm2)であった。このようにして抵抗溶接されたそれぞれの箇所は、図4に示すような点溶接4の溶接状態となった。また、ここでは、図2および図3に示すように、負極芯体露出部に重ね合わせる導電性巻芯体として、円筒体の一部に長手方向に沿って平坦部が形成されたものを用いた。また、負極の長手方向における負極芯体露出部の長さを、導電性巻芯体の短手方向における平坦部の幅よりも広くし、この負極芯体露出部が、この平坦部の短手方向を完全に覆うようにして配した。
(2)ポリプロピレン製の絶縁ガスケット2がその一端に圧入され、もう一端にポリプロピレン製の絶縁キャップが被せられた導電性巻芯体と、これと抵抗溶接された負極3とを、図5に示すように、ポリエチレン製のセパレータ(微多孔膜)6(厚み:0.025mm)上に載置させた。その後、導電性巻芯体が溶接されている負極板の最外端から負極活物質が被覆されている部分までをポリプロピレン製テープ5(長さ:10mm、厚み:30〜50μm)で覆い、このセパレータ6と負極3とを固定した。
(3)図6または図7に示すように、その片面に負極3を固定したセパレータ6のもう一方の面に、各極板の短手方向の中心線が一致するように、かつその一方の端部が導電性巻芯体1の近傍に位置するようにして、正極7を重ね合わせた。その後、この正極7の端部とセパレータ6とをポリプロピレン製テープ8(長さ:10mm、厚み:30〜50μm)で覆い、セパレータと正極とを固定した。
(4)このようにして一体化させた正極と負極とセパレータと導電性巻芯体とを、巻き取り機により図10に示すように捲回し、その最外周をポリプロピレン製テープで止めて捲回型電極体を作製した。
ところで、このように電極体における捲回始端部を樹脂製のテープで固定することにより、芯板からの活物質(合剤)の剥離が抑制され、剥離部分が導電不良となり電池容量を減少させてしまうことや、剥離片によって内部短絡が引き起こされてしまうことを防止できる。さらに、テープを極板と同時にセパレータ上へ貼り付けることにより、セパレータと正負極板の位置を固定できる。これにより、捲回時の巻きズレが発生しにくくなり、単位電池当たりの製造速度が向上する。
<電解液の作製>
エチレンカーボネート(EC)10質量部と、プロピレンカーボネート(PC)10質量部と、ジエチルカーボネート(DEC)80質量部とからなる混合溶媒に、電解質塩としての六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)をその濃度が1.0mol/lとなるように溶解し、非水電解液を作製した。
エチレンカーボネート(EC)10質量部と、プロピレンカーボネート(PC)10質量部と、ジエチルカーボネート(DEC)80質量部とからなる混合溶媒に、電解質塩としての六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)をその濃度が1.0mol/lとなるように溶解し、非水電解液を作製した。
<電池の作製>
上記捲回型電極体を、その水平断面が真円状の円筒体であるアルミニウム(Al)製外装体へ挿入し、100℃の真空下で放置してその内部を乾燥させた。その後、この外装体内に上記非水電解液を0.5g注液した。最後に、外装体の開口部を、絶縁ガスケット2を介したかしめ固定により封止し、本発明にかかるリチウムイオン二次電池(高さ:55mm、直径(最大外径):φ6.5mm、(最大内径):φ6.0mm)を完成させた。
上記捲回型電極体を、その水平断面が真円状の円筒体であるアルミニウム(Al)製外装体へ挿入し、100℃の真空下で放置してその内部を乾燥させた。その後、この外装体内に上記非水電解液を0.5g注液した。最後に、外装体の開口部を、絶縁ガスケット2を介したかしめ固定により封止し、本発明にかかるリチウムイオン二次電池(高さ:55mm、直径(最大外径):φ6.5mm、(最大内径):φ6.0mm)を完成させた。
このようにして作製したリチウムイオン二次電池を100個用意し、
(1)通電検査による内部短絡(初期不良)の発生数と、
(2)初期充電後の内部抵抗の平均値およびその標準偏差と、
(3)初期放電容量(120mA定電流放電時)の平均値と、
(4)360mA定電流放電時の放電容量、およびこれと初期放電容量との相対値と
を調べた。
(1)通電検査による内部短絡(初期不良)の発生数と、
(2)初期充電後の内部抵抗の平均値およびその標準偏差と、
(3)初期放電容量(120mA定電流放電時)の平均値と、
(4)360mA定電流放電時の放電容量、およびこれと初期放電容量との相対値と
を調べた。
ところで、このとき、
(1)電解液の注液やかしめ封口を行なう前の状態である、電池外装体に電極体を挿入しただけの電池から、導電性巻芯体(負極端子)と外装体(正極端子)との間の導通を調べ、通電が確認されなかった電池を初期不良なし(内部短絡なし)とした。
(2)初期不良なしの電池を、120mA(1.0It)の充電電流で4.2Vまで定電流充電した後、定電圧充電に切り替え、充電開始から3時間かけて定電流・定電圧充電し、1kHz交流インピーダンス法を用いて、初期充電後の内部抵抗を測定した。
(3)充電した電池を120mA(1.0It)の放電電流で2.8Vになるまで定電流放電し、その放電時間から初期放電容量を算出した。
(4)上記条件で定電流・定電圧充電した電池を360mA(3.0It)の放電電流で2.8Vになるまで定電流放電し、その放電時間から360mA定電流放電時の放電容量を算出した。また、初期放電容量に対するこの放電容量の割合(360mA時の放電容量)/(120mA時の放電容量)×100を算出した。
(1)電解液の注液やかしめ封口を行なう前の状態である、電池外装体に電極体を挿入しただけの電池から、導電性巻芯体(負極端子)と外装体(正極端子)との間の導通を調べ、通電が確認されなかった電池を初期不良なし(内部短絡なし)とした。
(2)初期不良なしの電池を、120mA(1.0It)の充電電流で4.2Vまで定電流充電した後、定電圧充電に切り替え、充電開始から3時間かけて定電流・定電圧充電し、1kHz交流インピーダンス法を用いて、初期充電後の内部抵抗を測定した。
(3)充電した電池を120mA(1.0It)の放電電流で2.8Vになるまで定電流放電し、その放電時間から初期放電容量を算出した。
(4)上記条件で定電流・定電圧充電した電池を360mA(3.0It)の放電電流で2.8Vになるまで定電流放電し、その放電時間から360mA定電流放電時の放電容量を算出した。また、初期放電容量に対するこの放電容量の割合(360mA時の放電容量)/(120mA時の放電容量)×100を算出した。
上記検査により、
(1)初期不良を示した電池数はゼロであり、
(2)初期充電後の内部抵抗の平均値は299mΩであり、その標準偏差は1.4であり、
(3)初期放電容量(120mA定電流放電時)の平均値は、ほぼ理論容量どおりの120mAhであり、
(4)360mA定電流放電時の放電容量の平均値は107mAhであり、これは初期放電容量の89.2%に相当する
ことが判った。
(1)初期不良を示した電池数はゼロであり、
(2)初期充電後の内部抵抗の平均値は299mΩであり、その標準偏差は1.4であり、
(3)初期放電容量(120mA定電流放電時)の平均値は、ほぼ理論容量どおりの120mAhであり、
(4)360mA定電流放電時の放電容量の平均値は107mAhであり、これは初期放電容量の89.2%に相当する
ことが判った。
すなわち、本実施の形態にかかるリチウムイオン二次電池であると、
(A)集電タブの形成に伴って生じる電池内のデッドスペースが削減されて、小型電池の体積エネルギー密度が向上することに加え、
(B1)巻芯体と負極板との溶接強度が安定し、かつ高強度となるために、点溶接された箇所が破損したり接合不足となることが解消されるとともに、
(B2)図11に示すような、電極体の捲回中心における極板の急な屈曲に起因した、負極芯体からの活物質(合剤)の剥離や崩落が抑制されるため、これによる電池容量の減少や、剥離や崩落した合剤片による内部短絡の発生が強力に防止されることにより、
初期不良の発生が顕著に抑制され、内部抵抗が一定して低く、かつ放電容量が大きくなる。
(A)集電タブの形成に伴って生じる電池内のデッドスペースが削減されて、小型電池の体積エネルギー密度が向上することに加え、
(B1)巻芯体と負極板との溶接強度が安定し、かつ高強度となるために、点溶接された箇所が破損したり接合不足となることが解消されるとともに、
(B2)図11に示すような、電極体の捲回中心における極板の急な屈曲に起因した、負極芯体からの活物質(合剤)の剥離や崩落が抑制されるため、これによる電池容量の減少や、剥離や崩落した合剤片による内部短絡の発生が強力に防止されることにより、
初期不良の発生が顕著に抑制され、内部抵抗が一定して低く、かつ放電容量が大きくなる。
ここで、上記実施の形態では最大外径が1.5mm(外装体の最大内径の25%)である導電性巻芯体を用いたが、これに代えて最大外径が0.5mm(外装体の最大内径の約8%)以上3.0mm(外装体の内径の50%)以下の導電性巻芯体を用いても、同様の優れた結果が得られることを確認している。この範囲が好ましい理由としては、ステンレス鋼(SUS)からなる導電性巻芯体を用いた場合には、巻芯体の最大外径を0.5mm未満とすると巻芯体自体の強度が極端に低くなり、湾曲やひび割れなどの巻芯体の破損による内部短絡の発生を招きやすくなることや、この最大外径を外装体の内径の50%(3.0mm)よりも太くすると、高い放電容量を確保するためには、本発明に係る小型円筒型(ピン型)電池のサイズを拡大せざるを得なくなり、放電容量(体積エネルギー密度)の大きい小型電池を提供するいう大目的に反してしまうことがあげられる。
また、導電性巻芯体の長手方向に沿った2以上の箇所で負極と導電性巻芯体とを抵抗溶接するためには、例えば、導電性巻芯体と負極板とを抵抗溶接する工程で、第1の抵抗溶接電極を負極芯体露出部に点接触させ、第2の抵抗溶接電極を導電性巻芯体に面接触または点接触させて、導電性巻芯体の長手方向に沿った2以上の箇所で負極と導電性巻芯体とを抵抗溶接させる方法も用いることができる。しかしながら、このように抵抗溶接電極を負極芯体に点接触させた場合には、その接触面積が小さいため巻芯体と芯板との接触抵抗が高くなりすぎてしまう。このとき、導電性巻芯体と比べて負極芯体が非常に薄いため、溶接時に負極芯体が裂傷してしまう危険性があり、このとき、裂傷によりささくれ立った金属箔がセパレータを損壊させ、電池の内部短絡を引き起こしてしまう。したがって、初期不良(内部短絡)の発生を一層防止するには、上述した製造方法を用いて、負極芯体との接触抵抗が高くなり過ぎないように調整することがより好ましい。
〔その他の事項〕
(1)上記実施の形態では、導電性巻芯体の片端(外装体の底部側)に絶縁キャップを取り付け、これにより、電極体を外装体の底部に接触させることができるため、挿入時にその上下位置が固定され、封口部分の位置決めが容易になる。他方、絶縁キャップの取り付けに代えて、図7に示すように、負極の下部(外装体の底部側)から4mm程度はみ出して長く、導電性巻芯体の下部(外装体の底部側)よりも長いサイズのセパレータを用いて電極体を作製し、はみ出させたセパレータを熱凝集させて電極体の外径よりも小さくして、図9に示すように、外装体内に挿入させた構成とすることができる。ここで、上記セパレータを熱凝集させることは必須ではないが、このように電極体の下部(外装体の底部側)を先窄み状とすると、外装体内へ電極体をより円滑に挿入できるため好ましい。
(2)本発明で用いる導電性巻芯体としては、極板芯体が急な屈曲を受けた活物質の剥離、崩落による内部短絡の発生や電池容量の低下が十分抑制できる限り、その形状は特に限定されるものではない。また、捲回型電極体を収納できる限り、電池外装体の形状も特に限定されるものではない。ただし、内部短絡の発生や電池容量の低下を抑制しつつ、さらに体積エネルギー密度を高めるためには、上記円筒体の一部に長手方向に沿って平坦部が形成された導電性巻芯体と、その水平断面が真円状の円筒体である電池外装体との組み合わせが好ましい。また、体積エネルギー密度を高めるためには、電池外装体と捲回型電極体とが、その水平断面の形状が相似形であることが好ましい。
(3)負極芯体露出部に接触させる抵抗溶接電極の形状としては、その接触状態が面接触となる限り、例えば図12に示すように、導電性巻芯体の平坦部の幅よりも狭くすることができる。また、点溶接部での接触状態が面接触となる限り、抵抗溶接電極の接触面は導電性巻芯体の長手方向に連続していなくてもよく、例えば図13に示すように、その接触面に凹部が形成されていてもよい。ただし、製造時に導電性巻芯体と負極とを安定して保持させるためには、上記実施の形態で示した形状であること好ましい。
(1)上記実施の形態では、導電性巻芯体の片端(外装体の底部側)に絶縁キャップを取り付け、これにより、電極体を外装体の底部に接触させることができるため、挿入時にその上下位置が固定され、封口部分の位置決めが容易になる。他方、絶縁キャップの取り付けに代えて、図7に示すように、負極の下部(外装体の底部側)から4mm程度はみ出して長く、導電性巻芯体の下部(外装体の底部側)よりも長いサイズのセパレータを用いて電極体を作製し、はみ出させたセパレータを熱凝集させて電極体の外径よりも小さくして、図9に示すように、外装体内に挿入させた構成とすることができる。ここで、上記セパレータを熱凝集させることは必須ではないが、このように電極体の下部(外装体の底部側)を先窄み状とすると、外装体内へ電極体をより円滑に挿入できるため好ましい。
(2)本発明で用いる導電性巻芯体としては、極板芯体が急な屈曲を受けた活物質の剥離、崩落による内部短絡の発生や電池容量の低下が十分抑制できる限り、その形状は特に限定されるものではない。また、捲回型電極体を収納できる限り、電池外装体の形状も特に限定されるものではない。ただし、内部短絡の発生や電池容量の低下を抑制しつつ、さらに体積エネルギー密度を高めるためには、上記円筒体の一部に長手方向に沿って平坦部が形成された導電性巻芯体と、その水平断面が真円状の円筒体である電池外装体との組み合わせが好ましい。また、体積エネルギー密度を高めるためには、電池外装体と捲回型電極体とが、その水平断面の形状が相似形であることが好ましい。
(3)負極芯体露出部に接触させる抵抗溶接電極の形状としては、その接触状態が面接触となる限り、例えば図12に示すように、導電性巻芯体の平坦部の幅よりも狭くすることができる。また、点溶接部での接触状態が面接触となる限り、抵抗溶接電極の接触面は導電性巻芯体の長手方向に連続していなくてもよく、例えば図13に示すように、その接触面に凹部が形成されていてもよい。ただし、製造時に導電性巻芯体と負極とを安定して保持させるためには、上記実施の形態で示した形状であること好ましい。
以上説明したように、本発明によると、体積エネルギー密度の高いリチウムイオン電池を簡易な手段で提供でき、このような電池は携帯電話やPDAなどのモバイル型電子機器の電源等として有用である。
1 導電性巻芯体
2 ガスケット
3 負極板
4 点溶接部位
5 負極固定用貼り付けテープ
6 セパレータ
7 正極板
8 正極固定用貼り付けテープ
9 電気絶縁性キャップ
10 外装体
11 第1の抵抗溶接電極
12 第2の抵抗溶接電極
2 ガスケット
3 負極板
4 点溶接部位
5 負極固定用貼り付けテープ
6 セパレータ
7 正極板
8 正極固定用貼り付けテープ
9 電気絶縁性キャップ
10 外装体
11 第1の抵抗溶接電極
12 第2の抵抗溶接電極
Claims (5)
- リチウムを吸蔵脱離できる正極活物質を正極芯体に保持させてなる正極と、リチウムを吸蔵脱離できる負極活物質を負極芯体に保持させてなる負極と、前記正極と前記負極との間に配されたセパレータと、前記正極と前記負極と前記セパレータとを捲回する導電性巻芯体と、非水電解液と、電池外装体とを備えるリチウムイオン電池であって、
前記負極の捲回中心側の端部と前記導電性巻芯体とが、前記導電性巻芯体の長手方向に沿った2以上の箇所で点溶接されており、前記導電性巻芯体が外部負極端子を兼ねている
ことを特徴とするリチウムイオン電池。 - 前記導電性巻芯体はその長手方向に沿った平坦部を有し、
前記平坦部に前記負極の捲回中心側の端部が溶接されている
ことを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン電池。 - 前記負極は、捲回中心側の端部に前記負極活物質で覆われていない負極芯体露出部を有し、
負極の長手方向における前記負極芯体露出部の長さは、導電性巻芯体の短手方向における前記平坦部の幅よりも広く、
前記負極芯体露出部は、前記導電性巻芯体の平坦部の短手方向を完全に覆うように配され、かつ導電性巻芯体の長手方向に沿った2以上の箇所で点溶接されている
ことを特徴とする請求項2記載のリチウムイオン電池。 - 前記導電性巻芯体の最大外径が、
0.5mm以上3.0mm以下であり、かつ、前記電池外装体の最大内径の8%以上50%以下である
ことを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン電池。 - リチウムを吸蔵脱離できる負極活物質と負極芯体とを有する負極と、導電性巻芯体とを抵抗溶接する工程と、
リチウムを吸蔵脱離できる正極活物質が正極芯体に保持されてなる正極と、前記導電性巻芯体に溶接された前記負極と、前記正極と前記負極との間に配されたセパレータとを前記導電性巻芯体に捲回し、電極体を作成する工程と、
前記電極体と非水電解液とを外装体内に封入する工程と
を備えるリチウムイオン電池の製造方法であって、
前記負極と前記導電性巻芯体とを抵抗溶接する工程が、
前記負極芯体の一部が前記負極活物質で覆われていない負極芯体露出部と前記導電性巻芯体とを、前記負極の短手方向と前記導電性巻芯体の長手方向とを略一致させて重ね合わせ、
第1の抵抗溶接電極と、第2の抵抗溶接電極とを、前記重ね合わせた前記負極と前記導電性巻芯体とを介して対向させ、
前記第1の抵抗溶接電極を前記導電性巻芯体に点接触させ、
前記第2の抵抗溶接電極を前記負極芯体露出部に面接触させて、
前記負極芯体露出部と前記導電性巻芯体とを、前記導電性巻芯体の長手方向に沿った2以上の箇所で点溶接する工程である
ことを特徴とするリチウムイオン電池の製造方法。
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- 2003-09-05 JP JP2003314800A patent/JP2005085556A/ja not_active Withdrawn
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