JP2003216959A - 輪郭抽出方法及びその装置及びそのプログラム - Google Patents

輪郭抽出方法及びその装置及びそのプログラム

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JP2003216959A JP2002012397A JP2002012397A JP2003216959A JP 2003216959 A JP2003216959 A JP 2003216959A JP 2002012397 A JP2002012397 A JP 2002012397A JP 2002012397 A JP2002012397 A JP 2002012397A JP 2003216959 A JP2003216959 A JP 2003216959A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多階調を有したウェハパターン画像及びフォト
マスクパターン画像において、ノイズや濃淡ムラが存在
する場合でも、最適な輪郭線を抽出する手段を有する画
像処理方法を提供する。 【解決手段】選択された領域の階層エッジデータを作成
し、これを利用して追跡開始点の特定と輪郭追跡処理を
行うことで輪郭データを抽出した後、動的輪郭モデルに
よる補正処理によって輪郭データを滑らかに補正するこ
とにより、ノイズや濃淡ムラがある場合においても元の
パターン画像と一致しかつ滑らかな輪郭線の抽出が可能
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体製造のリソグ
ラフィ工程に用いられるフォトマスクのマスクパターン
画像や、リソグラフィにより半導体ウェハ上に作成され
たウェハパターンの画像から、パターンの輪郭線を抽出
するための輪郭抽出方法及びその装置及びそのプログラ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体LSIの微細化に伴い、パ
ターン原版としてのフォトマスクも同様に微細化への対
応を迫られており、同時に高精度化への要求は非常に厳
しい。特に最近は、微細なパターン形状の劣化を防ぐた
めに、光学原理を積極的に利用した光近接効果補正マス
ク(以下OPCマスクと称する)なども増え始め、さら
に高度な微細加工技術が要求されるようになってきてい
る。
【0003】ここでOPCマスクについて説明する。OP
Cマスクとは、ウェハ露光転写時に回路パターン形状が
精度良く転写されるように、本来の回路パターンに近
接、あるいは接触するようにして従来パターンよりも小
さな光近接効果補正パターン(以下OPCパターンと称
する)が付加されているマスクである。つまり、最先端
のフォトマスクにおいては、パターンの微細化が進む上
に微細補助パターンであるOPCパターンが付加される
ため、微細かつ複雑な形状を精度よく作り込む技術が必
須となっている。
【0004】そこで、製造及び検査技術の課題としてパ
ターン形状精度の問題が重要視されてきている。
【0005】一方、リソグラフィ工程によってウェハ上
に露光転写されたパターンにおいても、より微細なパタ
ーン(フォトマスクパターンの4分の1〜5分の1)の
形状を精度良く作り込む技術が必要であり、製造及び検
査技術の課題としてフォトマスクと全く同様にパターン
形状精度の問題が重要視される。
【0006】パターン形状の精度を確認する手段とし
て、光学顕微鏡やSEMによるウェハパターン及びフォ
トマスクパターンの観察画像をコンピュータに画像デー
タとして読み込んだ後、コンピュータの画面上でパター
ン形状と設計パターンを比較して形状の善し悪しを判断
したり、画像処理を施してパターンの輪郭線を抽出し、
この輪郭線のデータを元に形状の特性値を定量的に計測
する方法などがある。
【0007】一般的に画像処理手法によるパターンの輪
郭線抽出は、まずパターン画像をパターンと背景の2値
画像に変換し、パターン部分の輪郭を追跡処理すること
で行う。この場合パターン画像を2値画像に変換する2
値化処理を行う必要があり、そのための最適な閾値を設
定する必要がある。2値化のための閾値を求める方法と
しては次のようなものがある。
【0008】第1の方法はモード法である。モード法と
は、パターン画像のヒストグラム中にはパターン部分と
背景部分を表す2つの山(モード)があり(図14)、
濃度分布が双方形になることを前提に、2つの山を分離
する谷となるところをしきい値とする方法である。
【0009】また第2の方法としてp−タイル法があ
る。p−タイル法はパターン画像の中でパターン部分の
占める割合が予めP%であると分かっている場合に、ヒ
ストグラムから累積分布がP%になるようなところをし
きい値とする方法である。
【0010】さらに第3の方法に判別分析法がある。判
別分析法とは、マスクパターン画像のヒストグラムをし
きい値kで2つのクラスに分割したと仮定したとき、2
つのクラス間の分離が最も良くなるようなkを求める方
法である。
【0011】また、マスクパターン画像にシェーディン
グなどの濃淡ムラが生じている場合には、画像を任意数
の領域に分割してから、各分割領域ごとにしきい値を算
出する方法もある。
【0012】ここで濃淡ムラがある画像とは、図15に
示す原画像のようにパターン部分または背景部分の濃度
分布が一様でなく、場所によって濃度値が異なる画像の
ことである。この画像を画像全体を一括して設定したし
きい値(以下固定しきい値と呼ぶ)で2値化した結果を
右側に示す。処理結果を見るとパターンの左上のコーナ
ー部分は、適切に2値化できているが、右下のコーナー
部分は背景からうまく分離できていないことが分かる。
つまり濃淡ムラがある画像は、パターン部分と背景部分
を分離するしきい値が場所によって異なるため、固定し
きい値による処理では、適切な2値化が難しいという問
題点がある。特にフォトマスクのSEM画像の場合、マ
スクがチャージアップしてしまうことにより、パターン
画像に濃淡ムラが生じやすい。
【0013】この問題を回避する方法が、画像を任意数
の領域に分割してそれぞれのしきい値を求める方法であ
る。図16に原画像を4分割し、各分割領域でしきい値
を設定して2値化したパターン画像を示す。これを見る
と、パターンの右下部分も背景との分離ができており、
画像全体のしきい値を設定する場合に比べ適切な2値化
が行えることが分かる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、輪郭を
追跡処理するための前処理としての前記各種しきい値を
求める方法には次のような課題が含まれている。
【0015】モード法は濃度分布が双方形になることが
前提になっているため、画像の濃度分布の状態によって
使用できない場合がある。またp−タイル法は、パター
ン画像においてパターン部分の面積が予め分かっている
ことは少ないと考えられ、利用できる場面は限られる。
これら2つの方法は、パターン画像を分割する場合にお
いても同様である。
【0016】また判別分析法ではマスクパターン画像に
シェーディングなどの濃淡ムラがなければ、ある程度良
いしきい値を得ることができる。しかし、濃淡ムラがあ
る場合には画像全体を適切に2値化するしきい値を求め
ることは前述の理由により難しい。そして、パターン画
像を分割して分割領域それぞれに判別分析法を用いた場
合は、領域内にパターン部分と背景部分の両方が含まれ
ていれば良いしきい値を得ることができるが、領域内に
パターン部分又は背景部分のみしか含まれていない場合
には、ノイズが抽出されてしまうという欠点がある。パ
ターン画像によって最適な分割方法が異なるため、ノイ
ズが抽出されないように分割方法を設定することは非常
に難しい。
【0017】以上のようにノイズや濃淡ムラがあるパタ
ーン画像においては、パターン部と背景部とを分離する
ための適切なしきい値を安定的に求めることは非常に困
難であり、パターン画像を2値化した後パターン部分を
追跡処理するという従来の輪郭線抽出方法は、ウェハパ
ターン画像やフォトマスクパターン画像の場合うまくい
かないことが多い。
【0018】本発明は上記の問題点を鑑みてなされたも
ので、形状の評価や計測に利用できるパターンの輪郭線
を得るため、画像撮影時の様々な制約によってノイズや
濃淡ムラが生じたウェハパターン画像及びフォトマスク
パターン画像においても、最適なパターンの輪郭抽出を
可能とする方法を提供することを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するものであり、請求項1に係る発明は、半導体ウェ
ハ及びフォトマスクの多階調を有するパターン画像から
パターンの輪郭を抽出する輪郭抽出方法において、
(a)輪郭を抽出する画像の範囲を選択する領域選択ス
テップと、(b)選択された領域の画像情報から縦横方
向と階層構造を持つ階層エッジデータを作成するエッジ
データ作成ステップと、(c)パターンの輪郭を追跡し
始める点を抽出する追跡開始点抽出ステップと、(d)
階層エッジデータを利用してパターンの輪郭データを生
成する輪郭追跡ステップと、(e)パターンの輪郭デー
タから代表点を抽出し、動的輪郭モデル計算によって滑
らかな輪郭に変換する輪郭データ補正処理ステップと、
(f)補正された輪郭データから補間計算によって連続
した輪郭線を生成する輪郭線生成ステップと、からなる
ステップを実行することによりパターン画像の輪郭を抽
出することを特徴とする輪郭抽出方法である。
【0020】本発明の請求項2に係る発明は、前記
(d)階層エッジデータを利用してパターンの輪郭デー
タを生成する輪郭追跡ステップにおいて、(a)追跡方
向と追跡距離から追跡する範囲を予め設定する追跡範囲
設定ステップと、(b)追跡範囲の中から方向に対応し
た階層エッジデータを利用して輪郭候補点を探す輪郭候
補点探索ステップと、(c)輪郭候補点が見つからない
場合に階層エッジデータの使用階層を増加させるととも
に、階層の上限を超えた場合には使用階層を初期化して
追跡距離を増加させる使用階層・追跡距離更新ステップ
と、(d)輪郭候補点がみつかった場合に輪郭候補点を
輪郭データに追加し、追跡方向を更新するとともに使用
階層と追跡距離を初期化する輪郭データ追加ステップ
と、(e)輪郭データが追加される毎に輪郭の角度を確
認し、角度が一定のしきい値以上となる場合にはその部
分の輪郭データを削除し、別の追跡方向を設定する輪郭
の角度確認ステップと、(f)領域外に出るか追跡開始
点に戻るまで前記の全ステップを繰り返す繰返しステッ
プと、からなるステップを実行することによりパターン
画像の輪郭を抽出することを特徴とする請求項1記載の
輪郭抽出方法である。
【0021】本発明の請求項3に係る発明は、請求項
1、又は請求項2記載の輪郭抽出方法において、請求項
1記載の(e)パターンの輪郭データから代表点を抽出
し、動的輪郭モデル計算によって滑らかな輪郭に変換す
る輪郭データ補正処理ステップにあって、輪郭データ補
正処理ステップは、動的輪郭モデル計算によって輪郭デ
ータを滑らかな輪郭に補正する際に、パターンの滑らか
さと元画像との一致度についての重み係数を適宜設定す
るステップと、からなるステップを実行することによ
り、画像のノイズによらずに最適な輪郭が抽出できるこ
とを特徴とする輪郭抽出方法である。
【0022】本発明の請求項4に係る発明は、請求項
1、乃至請求項3のいずれか1項記載の輪郭抽出方法に
おいて、請求項1記載の(e)パターンの輪郭データか
ら代表点を抽出し、動的輪郭モデル計算によって滑らか
な輪郭に変換する輪郭データ補正処理ステップにあっ
て、元パターン画像の縁が太さを持っている場合は、
(a)元パターン画像の縁の内側か外側か中心のいずれ
を輪郭として抽出するかを選択するステップと、(b)
選択に応じて輪郭データを変換する輪郭データ変換ステ
ップと、からなるステップを実行することにより、太さ
のある縁の任意のエッジを輪郭線として抽出できること
を特徴とする輪郭抽出方法である。
【0023】本発明の請求項5に係る発明は、請求項
1、乃至請求項4のいずれか1項記載の輪郭抽出方法に
おいて、請求項1記載の(f)補正された輪郭データか
ら補間計算によって連続した輪郭線を生成する輪郭線生
成ステップにあって、輪郭線生成ステップ後、選択され
た領域内に複数のパターンが存在する場合は、(a)領
域内に別のパターンがあるかを判定するステップと、
(b)パターンが無くなるまで輪郭抽出を繰り返すパタ
ーンの有無判定ステップと、からなるステップを実行す
ることにより、複数パターンの一括輪郭抽出が可能とな
ることを特徴とする輪郭抽出方法である。
【0024】本発明の請求項6に係る発明は、半導体ウ
ェハ及びフォトマスクの多階調を有するパターン画像か
らパターンの輪郭を抽出する輪郭抽出装置において、
(a)輪郭を抽出する画像の範囲を選択する領域選択手
段と、(b)選択された領域の画像情報から縦横方向と
階層構造を持つ階層エッジデータを作成するエッジデー
タ作成手段と、(c)パターンの輪郭を追跡し始める点
を抽出する追跡開始点抽出手段と、(d)階層エッジデ
ータを利用してパターンの輪郭データを生成する輪郭追
跡手段と、(e)パターンの輪郭データから代表点を抽
出し、動的輪郭モデル計算によって滑らかな輪郭に変換
する輪郭データ補正処理手段と、(f)補正された輪郭
データから補間計算によって連続した輪郭線を生成する
輪郭線生成手段と、からなることを特徴とする輪郭抽出
装置である。
【0025】本発明の請求項7に係る発明は、前記
(d)階層エッジデータを利用してパターンの輪郭デー
タを生成する輪郭追跡手段が、(a)追跡方向と追跡距
離から追跡する範囲を予め設定する追跡範囲設定手段
と、(b)追跡範囲の中から方向に対応した階層エッジ
データを利用して輪郭候補点を探す輪郭候補点探索手段
と、(c)輪郭候補点が見つからない場合に階層エッジ
データの使用階層を増加させるとともに、階層の上限を
超えた場合には使用階層を初期化して追跡距離を増加さ
せる使用階層・追跡距離更新手段と、(d)輪郭候補点
がみつかった場合に輪郭候補点を輪郭データに追加し、
追跡方向を更新するとともに使用階層と追跡距離を初期
化する輪郭データ追加手段と、(e)輪郭データが追加
される毎に輪郭の角度を確認し、角度が一定のしきい値
以上となる場合にはその部分の輪郭データを削除し、別
の追跡方向を設定する輪郭の角度確認手段と、(f)領
域外に出るか追跡開始点に戻るまで前記の全ステップを
繰り返す繰返し手段と、からなることを特徴とする請求
項6記載の輪郭抽出装置である。
【0026】本発明の請求項8に係る発明は、請求項
6、又は請求項7記載の輪郭抽出装置において、請求項
6記載の(e)パターンの輪郭データから代表点を抽出
し、動的輪郭モデル計算によって滑らかな輪郭に変換す
る輪郭データ補正処理手段は、動的輪郭モデル計算によ
って輪郭データを滑らかな輪郭に補正する際に、パター
ンの滑らかさと元画像との一致度についての重み係数を
適宜設定する手段を備え、画像のノイズによらずに最適
な輪郭が抽出できることを特徴とする輪郭抽出装置であ
る。
【0027】本発明の請求項9に係る発明は、請求項
6、乃至請求項8のいずれか1項記載の輪郭抽出装置に
おいて、請求項6記載の(e)パターンの輪郭データか
ら代表点を抽出し、動的輪郭モデル計算によって滑らか
な輪郭に変換する輪郭データ補正処理手段は、元パター
ン画像の縁が太さを持っている場合は、(a)元パター
ン画像の縁の内側か外側か中心のいずれを輪郭として抽
出するかを選択する手段と、(b)選択に応じて輪郭デ
ータを変換する輪郭データ変換手段と、からなり、太さ
のある縁の任意のエッジを輪郭線として抽出できること
を特徴とする輪郭抽出装置である。
【0028】本発明の請求項10に係る発明は、請求項
6、乃至請求項9のいずれか1項の輪郭抽出装置におい
て、請求項6記載の(f)補正された輪郭データから補
間計算によって連続した輪郭線を生成する輪郭線生成手
段は、輪郭線生成手段後、選択された領域内に複数のパ
ターンが存在する場合は、(a)領域内に別のパターン
があるかを判定する手段と、(b)パターンが無くなる
まで輪郭抽出を繰り返すパターンの有無判定手段と、か
らなり、複数パターンの一括輪郭抽出が可能となること
を特徴とする輪郭抽出装置である。
【0029】本発明の請求項11に係る発明は、半導体
ウェハ及びフォトマスクの多階調を有するパターン画像
からパターンの輪郭を抽出する輪郭抽出プログラムにお
いて、(a)輪郭を抽出する画像の範囲を選択する領域
選択プログラムと、(b)選択された領域の画像情報か
ら縦横方向と階層構造を持つ階層エッジデータを作成す
るエッジデータ作成プログラムと、(c)パターンの輪
郭を追跡し始める点を抽出する追跡開始点抽出プログラ
ムと、(d)階層エッジデータを利用してパターンの輪
郭データを生成する輪郭追跡プログラムと、(e)パタ
ーンの輪郭データから代表点を抽出し、動的輪郭モデル
計算によって滑らかな輪郭に変換する輪郭データ補正処
理プログラムと、(f)補正された輪郭データから補間
計算によって連続した輪郭線を生成する輪郭線生成プロ
グラムと、からなることを特徴とする輪郭抽出プログラ
ムである。
【0030】本発明の請求項12に係る発明は、前記
(d)階層エッジデータを利用してパターンの輪郭デー
タを生成する輪郭追跡プログラムにおいて、(a)追跡
方向と追跡距離から追跡する範囲を予め設定する追跡範
囲設定プログラムと、(b)追跡範囲の中から方向に対
応した階層エッジデータを利用して輪郭候補点を探す輪
郭候補点探索プログラムと、(c)輪郭候補点が見つか
らない場合に階層エッジデータの使用階層を増加させる
とともに、階層の上限を超えた場合には使用階層を初期
化して追跡距離を増加させる使用階層・追跡距離更新プ
ログラムと、(d)輪郭候補点がみつかった場合に輪郭
候補点を輪郭データに追加し、追跡方向を更新するとと
もに使用階層と追跡距離を初期化する輪郭データ追加プ
ログラムと、(e)輪郭データが追加される毎に輪郭の
角度を確認し、角度が一定のしきい値以上となる場合に
はその部分の輪郭データを削除し、別の追跡方向を設定
する輪郭の角度確認プログラムと、(f)領域外に出る
か追跡開始点に戻るまで前記の全ステップを繰り返す繰
返しプログラムと、からなることを特徴とする請求項1
1記載の輪郭抽出プログラムである。
【0031】本発明の請求項13に係る発明は、請求項
11、又は請求項12記載の輪郭抽出プログラムにおい
て、請求項11記載の(e)パターンの輪郭データから
代表点を抽出し、動的輪郭モデル計算によって滑らかな
輪郭に変換する輪郭データ補正処理プログラムは、動的
輪郭モデル計算によって輪郭データを滑らかな輪郭に補
正する際に、パターンの滑らかさと元画像との一致度に
ついての重み係数を適宜設定するプログラムと、からな
る画像のノイズによらずに最適な輪郭が抽出できること
を特徴とする輪郭抽出プログラムである。
【0032】本発明の請求項14に係る発明は、請求項
11、乃至請求項13のいずれか1項記載の輪郭抽出プ
ログラムにおいて、請求項11記載の(e)パターンの
輪郭データから代表点を抽出し、動的輪郭モデル計算に
よって滑らかな輪郭に変換する輪郭データ補正処理プロ
グラムは、元パターン画像の縁が太さを持っている場合
は、(a)元パターン画像の縁の内側か外側か中心のい
ずれを輪郭として抽出するかを選択するプログラムと、
(b)選択に応じて輪郭データを変換する輪郭データ変
換プログラムと、からなり、太さのある縁の任意のエッ
ジを輪郭線として抽出できることを特徴とする輪郭抽出
プログラムである。
【0033】本発明の請求項15に係る発明は、請求項
11、乃至請求項14のいずれか1項記載の輪郭抽出プ
ログラムにおいて、請求項11記載の(f)補正された
輪郭データから補間計算によって連続した輪郭線を生成
する輪郭線生成プログラムにあって、輪郭線生成プログ
ラムの後、選択された領域内に複数のパターンが存在す
る場合は、(a)領域内に別のパターンがあるかを判定
するプログラムと、(b)パターンが無くなるまで輪郭
抽出を繰り返すパターンの有無判定プログラムと、から
なることにより、複数パターンの一括輪郭抽出が可能と
なることを特徴とする輪郭抽出プログラムである。
【0034】本発明の請求項16に係る発明は、請求項
11、乃至請求項15のいずれか1項記載の輪郭抽出プ
ログラムを搭載することを特徴とする輪郭抽出装置であ
る。
【0035】
【発明の実施の形態】以下において本発明の内容につい
て解説する。
【0036】図1に本発明の輪郭抽出の処理フローを示
す。光学顕微鏡やSEM等により撮影したフォトマスク
パターンやウェハパターンのカラー、又はモノクロの観
察画像をコンピュータに読み込み、これをグレーの多階
調画像に変換したものをパターン画像と呼ぶ。
【0037】最初にこのパターン画像のどの範囲を輪郭
抽出するかを領域の選択(S1)により設定する。これ
は、コンピュータディスプレイ上に表示されたパターン
画像を見ながら、マウスなどのポインティングデバイス
を利用して行う。
【0038】次に選択された画像領域の濃淡データを元
に、階層エッジデータの作成処理(S2)を行う。
【0039】前記の階層エッジデータの作成は図2に示
すフローに従って行う。階層エッジデータは、濃淡デー
タの各画素の差分によって求めるエッジデータを多重化
したものである。
【0040】図2は、まず、 (a)選択された画像領域に含まれるノイズを除去する
ことを目的に平滑化処理を行う(101)。 (b)次に階層kを1〜5まで変化させながら、横方向
のエッジデータを算出する(103)。 (c)続いて縦方向のエッジデータを算出する(10
4)。
【0041】この階層エッジデータの具体的な算出方法
を図3に示す。図3において画像領域の濃淡データをb
mp(幅:Width、高さ:Height)、幅方向
の位置をi、高さ方向の位置をjとすると、縦方向の階
層エッジデータは式(1)、横方向の階層エッジデータ
は式(2)によって算出される。階層kというのはエッ
ジデータを算出する際の、差分を計算する画素間の距離
のことである。なお、計算の際に配列の添字が濃淡デー
タの範囲(1〜Width、1〜Height)を超え
る場合は、範囲内となるように適当に添字の値を変換す
る。階層エッジデータは階層kと横方向の位置i、縦方
向の位置jの3つのパラメータによる3次元配列で表現
される。それぞれの式において画像ノイズの影響を削減
するため、点線矢印で示される部分の画素間の差分も計
算し、それらの平均を算出している。縦方向の階層エッ
ジデータは鉛直方向のエッジがある場合に大きな値を持
ち、横方向の階層エッジデータは水平方向のエッジがあ
る場合に大きな値を持つ。
【0042】本発明の処理フロー図1のフローに戻り、
説明する。
【0043】次に追跡開始点の抽出処理(S3)を行
う。
【0044】追跡開始点はパターンの輪郭を追跡し始め
る座標点のことである。輪郭抽出を行うパターンは、領
域の選択の仕方によってパターン全体の一部が切り取ら
れる形になる場合と、選択領域内にパターン全体が含ま
れる場合とが考えられる。ここでは前者を部分パター
ン、後者を全体パターンと呼ぶ。部分パターンは選択領
域矩形の四辺上のいずれかの地点から輪郭が始まり、四
辺上の別の地点で輪郭が終わる形態になる。そのため、
追跡開始点は四辺上から探すようにする。一方、全体パ
ターンはパターンが閉じているため、パターン上のどの
地点を追跡開始点としても、追跡処理によって最終的に
元の開始点に戻ることになる。従って、全体パターンを
抽出する場合には、選択領域内の任意な位置から開始点
を探すこととする。
【0045】前記の追跡開始点の抽出処理のフローを図
4に示す。
【0046】以下に図4について解説する。なお、図4
のフローで使用する階層エッジデータは階層2のものと
する。
【0047】図4は、 (a)追跡開始点かどうか判断するための開始点判定し
きい値を算出する(201)。開始点判定しきい値は、
縦横両方向の階層エッジデータから最大値と最小値を抽
出し、その平均値とする。 (b)次に、選択領域の四辺上の階層エッジデータの中
から最大値とその座標を抽出する(202)。部分パタ
ーンの場合は、各辺と切取られるパターンの端は局所的
にはほぼ直交すると思われる。そのため、上辺と底辺の
(鉛直方向のエッジ情報を多く含む)縦方向の階層エッ
ジデータと、左辺と右辺の(水平方向のエッジ情報を多
く含む)横方向の階層エッジデータから最大値を抽出す
る。 (c)そして、この最大値と開始点判定しきい値とを比
較する(203)。 (d)開始点判定しきい値より大きい場合は、抽出され
た座標を追跡開始点とする(204)。 (e)一方、開始点判定しきい値以下の場合は、選択領
域の中に部分パターンは無いものと判断し、今度は全体
パターンの追跡開始点を抽出するため、選択領域内の縦
横両方向の階層エッジデータについて最大値を抽出する
(205)。 (f)そして、この最大値と開始点判定しきい値とを比
較し(206)する。 (g)しきい値より大きい場合は抽出された座標を全体
パターンの追跡開始点とする(207)。 (h)さらに、これも開始点判定しきい値以下であった
場合は、選択領域内にはパターンがないものと判断し、
エラー処理(208)を行う。
【0048】本発明の処理フロー図1のフローに戻り、
説明する。
【0049】再び図1のフローに戻り、次に輪郭追跡処
理(S4)を行う。
【0050】前記の輪郭追跡処理のフローを図5に示
し、以下に詳細を解説する。
【0051】図5に示すように、(a)最初に現在のポ
イントを追跡開始点で初期化(301)する。(b)追
跡方向及び追跡距離、階層エッジデータの使用階層を初
期化(302)、初期化(303)、初期化(304)
する。
【0052】ここで、追跡方向とはパターンのエッジを
追跡する方向を示すもので、近傍8方向それぞれを数字
で表したものである(図6)。
【0053】追跡方向の初期値は、輪郭を追跡するパタ
ーンが部分パターンの場合、追跡開始点が選択領域のど
の辺上にあるかによって設定する。これは、選択領域の
辺と部分パターンの端がほぼ直交していると見なし、最
初の追跡方向をパターンの端から中心に向かうように定
めるものである。つまり、追跡開始点が選択領域の上辺
上にある場合は2、右辺上にある場合は4、下辺上にあ
る場合は6、左辺上にある場合は0となる。一方、輪郭
を追跡するパターンが全体パターンの場合は、追跡開始
点の8近傍のうち最も大きい階層エッジデータがある方
向を追跡方向の初期値とする。
【0054】追跡距離の初期化は、輪郭の次のポイント
を追跡する際の距離を表すもので初期値は1とする。階
層エッジデータの使用階層は、ステップ(S2)で作成
した階層エッジデータで何番目の階層を使用するかを設
定するもので、初期値は2とする。
【0055】次に、(c)追跡方向と追跡距離から追跡
範囲を設定(305)する。ここで、ウェハパターン又
はフォトマスクパターンの顕微鏡やSEMによる画像
は、パターンが拡大表示された画像であるため、パター
ンの輪郭をそれを構成している単位線分に分解すると、
隣接する2つの単位線分はゆるやかに変化しており、一
方の線分を基準にして、2本の線分で構成される角度は
0度〜±45度であると考えられる。この考えに基づ
き、輪郭線を追跡する範囲を一つ前のポイントからの追
跡方向(スタート時はステップ(302)で設定した追
跡方向)と追跡距離によって図7にように設定し、次の
ポイントはこの追跡範囲(3点)から探すようにする。
このように追跡範囲を前のポイントからの方向により限
定することで、それまでの追跡結果が情報として生かさ
れるため、パターン画像のノイズ等によって輪郭の追跡
がパターンと異なる方向に発散してしまうことを防ぐ効
果がある。
【0056】続いて、(d)追跡範囲の中で階層エッジ
データが最大となるポイントを輪郭候補点とする(30
6)。なお、階層エッジデータは縦方向・横方向の2種
類あるが、追跡範囲の位置によって比較に使用する階層
エッジデータの種類を適宜選択する。具体的には、追跡
範囲が現在のポイントに対して水平(左右)の場合は横
方向の階層エッジデータを使用し、鉛直(上下)の場合
は縦方向の階層エッジデータを使用し、斜めの場合は縦
方向・横方向の階層エッジデータの大きい方を使用す
る。これは、パターンの輪郭を追跡している方向に応じ
て、より確かな情報だけを利用することを目的としてお
り、水平方向のエッジ情報を多く含む横方向の階層エッ
ジデータと、鉛直方向のエッジ情報を多く含む縦方向の
階層エッジデータを選別して利用することで、確実にパ
ターンのエッジに沿った輪郭追跡が可能となる。
【0057】次に、(e)輪郭候補点の階層エッジデー
タとしきい値とを比較する(307)。しきい値は、こ
れまで追跡してきた各ポイントの階層エッジデータの値
を合計したものを、追跡してきたポイント数で除算し、
1/3を乗算したものである。このしきい値は、輪郭追
跡の過程に応じて動的に変動する。そのため、元画像の
濃淡分布のコントラストが明瞭でない場合や、濃淡ムラ
がある場合でも、算出したしきい値と比較することで、
輪郭候補点の確からしさを正しく確認することができ
る。
【0058】しきい値と比較した結果、輪郭候補点の階
層エッジデータがしきい値以下の場合には、(f)階層
エッジデータの使用階層を1増加(308)させ、使用
階層が5以下の場合にはステップ306に戻って輪郭候
補点を探し直す。階層エッジデータの階層を増加させて
探索をやり直す方法は、人がパターン画像からパターン
のエッジを見分ける際に、濃度分布の局所的な変化より
も大局的な変化を捉えて判断していることを鑑みたもの
である。つまり、階層エッジデータの階層を増加させる
と、濃淡データの差を取る画素間距離が長くなるため、
その階層のエッジデータはより大局的な濃度変化を表す
ことになる。そのため、コントラストが不明瞭なエッジ
の場合、そのエッジデータの値は画素間距離を長くする
と大きくなる可能性が高い。従って、ある階層の輪郭候
補点におけるエッジデータがしきい値以下となる場合で
も、より上位の階層エッジデータがしきい値より大きく
なった場合には、その輪郭候補点はエッジの一部として
妥当であると判断できる。
【0059】階層エッジデータの階層を5以上に上げて
もしきい値より大きくならなかった場合は、その輪郭候
補点はエッジとして妥当でなく、ステップ(305)で
設定した追跡範囲には輪郭となるポイントがないものと
見なす。この場合は、(g)使用階層を1に初期化し、
追跡距離を1増加して(310)、追跡範囲の設定(3
05)からやり直す。このように追跡距離を長くするこ
とで、エッジの情報があいまいな所はとばして、その次
のポイントから輪郭の追跡を継続することが可能とな
る。
【0060】ステップ(307)において、輪郭候補点
の階層エッジデータがしきい値より大きい場合には、輪
郭候補点を輪郭の一部と確定する。(h)輪郭データに
追加する(311)。(i)そして、現在のポイントを
輪郭候補点で更新(312)して輪郭追跡を先に進め
る。(j)その際、追跡方向を更新(313)する。
(k)追跡距離と使用階層を初期化(314)する。
【0061】次に、(l)確定した輪郭データについて
輪郭データの角度を確認(315)し、パターン画像中
のノイズやムラの影響によって追跡途中の輪郭線が異常
な形にならないように監視する。本発明によって輪郭を
抽出しようとしているウェハパターンやフォトマスクパ
ターンは、矩形の組み合わせで構成されているものが多
く、パターンの角はほとんどが直角だと思われ、抽出さ
れる輪郭線は局所的に急激に曲がることはないと考えら
れる。そこでステップ(315)では、確定した直近の
輪郭データ複数個からその曲がり角を算出し、一定の角
度を超えていないかを確認する。
【0062】その結果、(m)角度が大きすぎてNGと
なった場合は、追跡経路が間違っているものと判断す
る。この場合、現在のポイントを角度が正常なところま
で戻して、そこまでの輪郭データを削除(316)す
る。(n)別の追跡方向を設定(317)してステップ
(305)からやり直す。一方、角度がOKの場合はその
まま次に進む。
【0063】以上の各ステップを、(o)現在のポイン
トが選択領域外に出るか(部分パターンの場合)、追跡
開始点まで戻ってくる(全体パターンの場合)(31
8)まで繰返し行う。(p)この条件を満たした場合に
追跡処理を終了(319)する。
【0064】本発明の処理フロー図1のフローに戻り、
説明する。
【0065】再び図1のフローに戻る。次に、抽出した
輪郭線を滑らかな形状に変換するための輪郭データの補
正処理(S5)を行う。
【0066】前記輪郭データの補正処理は図8に示すよ
うに、(a)まず輪郭データから代表ポイントを抽出
(401)する。(b)動的輪郭モデルにより代表ポイ
ントを補正(402)をすることによって行われる。代
表ポイントの抽出は、単に輪郭データを間引くために行
うもので、輪郭データから一定間隔毎にデータを抽出す
る。動的輪郭モデルによる代表ポイントの補正は、エネ
ルギー最小化問題である動的輪郭モデルを利用したもの
で、パターンとしての形状を崩さずに輪郭の滑らかさを
向上させることを目的としている。
【0067】ここで動的輪郭モデルについて詳細を述べ
る。動的輪郭モデル(Snakes)は、1988年にKassらが提
案した画像中の対象物の輪郭を抽出する手法で、画像の
特徴とモデルの形状からエネルギーEsnakesを定義し、
このエネルギー関数を最小化する過程で対象物の輪郭を
抽出するものである。エネルギー関数Esnakesは、滑ら
かさや節点間の距離などのモデル形状に関する内部エネ
ルギーEint、モデルが画像特徴に引き寄せられる画像エ
ネルギーEimage、およびモデルの形状変化を外部から抑
制する外部エネルギーEconとから成り、下記の式(1)
のように表される。なお、Vi(i=1,2,3,…,n)は輪郭モ
デルの節点であり、本発明では輪郭データの代表ポイン
トに当たる。 Esnakes(Vi)= Eint(Vi)+Eimage(Vi)+Econ(Vi) ―― ―(1) 内部エネルギーは輪郭の1次微分及び2次微分の和が用い
られることが多く、下記の式(2)のように算出され
る。1次微分は節点間の距離を、2次微分は節点間を繋
ぐ曲線の滑らかさを表す。なお、α及びβはそれぞれの
項に対する重み付けのパラメータである。 Eint(Vi)= α|Vi − Vi-12+β|Vi-1 − 2Vi + Vi+12 ―――(2) また、画像エネルギーは一般に下記の式(3)で表され
る画像の濃度勾配として算出される。
【0068】本発明においては、図3に示した階層エッ
ジデータの階層1での縦方向のエッジデータと横方向の
エッジデータを加算したものを濃度勾配を表すデータと
して利用する。なお、濃度勾配を表すデータ値は256
階調の場合は0〜255の値を取るものとし、加算の結
果255より大きくなる場合は255に変換する。式
(3)のγは画像エネルギーに対する重み付けのパラメ
ータである。 Eimage(Vi)= −γ|▽I(Vi)| ―――( 3) 外部エネルギーは、一般にモデルの形状変化を抑制する
ものとして、主にモデルの収縮方向やモデル形状の特徴
を維持するために利用される。本発明においては、この
ようなモデルの拘束は必要ないので式(1)のE
con(Vi)は0とする。
【0069】このように定義されたエネルギー関数E
snakesを全ての代表ポイントについて、各ポイントの近
傍領域で評価し、最もエネルギーが小さくなる位置へ各
代表ポイントを移動させることにより輪郭を補正してい
く。動的輪郭モデルによる補正の様子を図9に示す。
【0070】このとき、図1のフローの補正パラメータ
入力(S6)で、パターン画像の画質(ノイズやムラの
状態)に応じて式(2)や式(3)の重み付けのパラメ
ータを変更することにより、パターンの輪郭の特徴を変
化させることができる。例えば、画像にノイズが多く、
輪郭追跡処理(S4)によって抽出した輪郭のガタツキ
が大きい場合には、内部エネルギーを算出する式(2)
の重み付けパラメータをより大きくすることにより、ガ
タツキが少なく滑らかな輪郭に補正することができる。
また、元のパターンに微小な突起や歪みがあり、それら
を忠実に表した輪郭を得たい場合には、画像エネルギー
を算出する式(3)の重み付けパラメータをより大きく
することで、元のパターン画像により近い輪郭に補正す
ることが可能である。
【0071】ここでまた図1のフローに戻る。
【0072】次に輪郭データの変換処理(S7)を行
う。これは、ウェハやフォトマスクのパターン画像(主
にSEM画像)において、図10のようにパターンの縁
の部分が白く光っていて太さを持っている場合に対応す
るためのものである。
【0073】パターンの縁が太さを持っている場合に
は、その内側・外側・中心のいずれの部分を真の輪郭と
して抽出すれば良いか分からない。そこで、本発明では
図1のエッジのサイド入力(S8)で利用者が内側・外
側・中心のいずれかを選択できるようにし、輪郭データ
の変換処理(S7)によって所望の輪郭が抽出されるよ
うにした。
【0074】なお、内側・外側という表現では直線パタ
ーンなどの場合に対応できないので、本発明においては
太さを持った白い縁に対して、より暗く濃度が濃い方を
暗部のエッジ、その反対側を明部のエッジ、両者の中心
を中央のエッジと呼び、そのいずれかを選択することと
する。また、暗部のエッジは明部のエッジに比べエッジ
データが大きいことから、図1の(S6)までの処理に
よって、最初は暗部のエッジの輪郭データが抽出され
る。
【0075】図11に輪郭データの変換処理のフロー
を、図12にその説明図を示す。
【0076】最初に、図11に示す輪郭データの変換処
理のフロー図に沿って説明する。 (a)図1のS8で入力されたエッジの種類を確認(5
01)する。それが暗部のエッジである場合はそのまま
終了し、それ以外(明部のエッジ、中央のエッジ)の場
合に輪郭データの変換処理を行う。 (b)まず、パターンの縁が太さを持っていて明部のエ
ッジが存在するかを確かめるため、明部のエッジの有無
確認(502)をする。これは、任意の階層の階層エッ
ジデータを利用して、輪郭データの始点の近傍領域を調
べ、あるしきい値以上のエッジデータの有無を確認する
ことで行う。 (c)もし、明部のエッジがみつからない場合は、エラ
ー処理(503)として、暗部のエッジのみしか抽出で
きない旨のメッセージを出力する。明部のエッジが存在
することが確認できた場合は、輪郭データの始点と次の
点を結んだ基準ベクトルを作成する。 (d)明部のエッジが基準ベクトルを右左のどちらに回
転した方向に存在するのかを調べ、変換方向(+or
−)を算出(504)する。なお、右回転方向を+とす
る。図12の例では、明部のエッジは基準ベクトルを左
回転させた方向にあるので、変換方向は−となる。
【0077】次に全ての輪郭データについて順に以下の
処理を行う。 (e)まず、一つ前(i-1)と、一つ先(i+1)の輪
郭データを結ぶベクトルd(i)を生成(506)す
る。 (f)ベクトルd(i)の法線ベクトルn(i)をi番
目の輪郭データを始点として生成する(507)。法線
ベクトルn(i)の向きは、ベクトルd(i)を変換方
向に回転させた方向、つまり明部のエッジが存在する方
向とする。法線ベクトルn(i)は各輪郭データを移動
させる方向を設定するものである。 (g)次に、法線ベクトルn(i)の終点を見つけ、長
さを算出(508)する。法線ベクトルn(i)の終点
は、法線ベクトルn(i)を伸縮させて終点位置にある
階層エッジデータが最大となる地点を探す。つまり、明
部のエッジの位置を法線ベクトルn(i)の終点とす
る。 (h)ここで、抽出するエッジとして中央のエッジが選
択されている場合は、法線ベクトルn(i)を1/2に
する(510)。これは、中央のエッジは暗部のエッジ
と明部のエッジの中間に位置していると考えられるから
である。 (i)全ての輪郭データについて法線ベクトルn(i)
を生成後、法線ベクトルn(i)の平均長を算出(51
3)する。 (j)そして最後に、全輪郭データを各法線ベクトルn
(i)により変換し(514)、明部のエッジ又は中央
のエッジの輪郭データを生成する。このとき変換の方式
として、輪郭データを各法線ベクトルn(i)の終点位
置へ移動させる方式と、各法線ベクトルn(i)の方向
に平均長だけ移動させる方式とがある。前者の場合は、
太さを持った縁の幅が一定でない場合に有効であり、パ
ターン画像に忠実な輪郭が得られるが、輪郭のノイズが
多くなる可能性がある。後者の場合は、変換した結果の
輪郭はノイズが少なく滑らかさを維持することができる
が、太さを持った縁の幅が一定でない場合には、パター
ン画像とずれが生じる可能性がある。従って、どちらの
方式を利用するかは、パターン画像の縁の状態や画質に
よって判断する必要がある。
【0078】再び図1のフローに戻る。
【0079】これまでの処理によって求められた輪郭デ
ータは離散値であるので、これを連続値になるように補
間計算して輪郭線の生成(S9)を行う。補間方法とし
ては、輪郭データの各ポイント間を単純に直線で結ぶ方
法や、スプライン関数によって補間する方法などがあ
る。
【0080】次に、選択領域内にある複数パターンを一
括で輪郭抽出するため、まだパターンが残っていないか
を確認する残りパターンの判定処理(S10)を行う。
【0081】このフローを図13に示す。 (a)まず、ある階層の縦横方向のエッジデータにおい
て最大値と最小値の平均を計算して残りパターン判定し
きい値を求める(601)。 (b)次に、各階層の縦横方向のエッジデータについて
輪郭線領域のデータを0にする(602)。輪郭線領域
というのは、輪郭線にある一定の幅を持たせたもので、
元のパターンの縁が太さを持っている場合を考慮し、輪
郭線付近のデータを全て0にすることを目的としてい
る。 (c)そして、ある階層の縦横方向のエッジデータをそ
れぞれ一行毎に走査して、残りパターン判定しきい値以
上のエッジデータが横方向もしくは縦方向に連続して存
在するか確認する(603)。
【0082】ステップ(603)の結果、しきい値以上
のデータが連続して存在する場合は、別のパターンがま
だ存在するものと判定し、図1のフローの"パターンあ
り"へ進み、一連の処理を繰り返して別のパターンの輪
郭抽出を行う。一方、存在しない場合は選択領域内には
別のパターンはもう存在しないものと判定し、図1のフ
ローの"パターンなし"へ進み、終了する。
【0083】
【実施例】ここで、本発明による輪郭抽出の実施例を示
す。
【0084】図17は濃淡ムラがあるパターン画像の例
である。パターン画像の右側より左側の方が明るくなっ
ていることが分かる。このようなパターン画像の場合、
画像を2値化してから輪郭を抽出する従来の方法ではう
まくいかない。
【0085】図18の(a)はモード法によりしきい値
設定、2値化して輪郭抽出したものである。この場合は
しきい値が一つしか設定されないために、輪郭線が途中
でくずれてしまっていることが分かる。また図18の
(b)は画像を分割して、それぞれの領域で判別分析法
によりしきい値を求め、2値化及び輪郭抽出したもので
ある。この場合は、(a)のような輪郭線のくずれはな
いが、分割した各領域でパターン部分若しくは背景部分
のみしかないところではノイズが抽出され、パターン輪
郭のみの抽出はできていない。
【0086】そこで、本発明の請求項1に沿って輪郭抽
出を実施する。
【0087】まず、パターンの領域を選択(S1)し、
選択領域の濃淡データから階層エッジデータを作成する
(S2)。次に輪郭追跡開始点を抽出して(S3)、そ
こから輪郭追跡処理(S4)を行う。輪郭追跡処理によ
って得られた輪郭データを図19に示す。従来方法によ
る結果と比べ、パターンの輪郭線のみが元画像通りに抽
出できていることが分かる。
【0088】しかしながら、パターンの輪郭線にはガタ
ガタしたノイズが含まれているため、次にこれを除去す
るための処理を行う。輪郭データから代表ポイントを抽
出し、動的輪郭モデルによる輪郭データの補正処理(S
5)を行う。その後、補正された輪郭データを直線又は
スプライン曲線で繋いで輪郭線を生成(S9)する。生
成した輪郭線を図20に示す。この図から、元画像のパ
ターンとほぼ一致し、かつノイズのない滑らかな輪郭線
が得られていることが分かる。
【0089】濃淡ムラ画像の輪郭抽出について、本発明
の実施例をもう一つ示す。
【0090】フォトマスクのSEM画像の場合、撮影条
件が画質に大きく影響する。特に図21に示すように、
フォトマスクのガラス部分のチャージアップによってパ
ターンの各部分ごとに濃淡ムラが発生した場合、従来の
手法では輪郭線を抽出することは不可能であった。しか
しながら、本発明の請求項1による輪郭抽出方法によ
り、このようなパターン画像においても最適な輪郭抽出
が可能となった。輪郭抽出の結果を図22に示す。
【0091】次に、パターン画像のノイズやコントラス
ト不足などの原因で、抽出した輪郭線に多くのノイズが
発生する場合において、動的輪郭モデルを利用した輪郭
データの補正処理の際に、重み係数を調整して最適な輪
郭線を抽出する例について述べる。
【0092】図23に示すパターン画像は、パターン部
と背景部のコントラストがあまり明瞭でなく、画像のノ
イズも大きい。このようなパターン画像について、輪郭
データの抽出後、輪郭の滑らかさを調整する重み係数と
画像との一致度を調整する重み係数が等しい補正パラメ
ータを入力(S6)し、輪郭データ補正処理(S5)を
行った結果を図24に示す。図24の輪郭線には微小な
ノイズが含まれていることが分かる。この微小ノイズ
は、パターン画像の画質が良くないために出現したもの
で、本来のパターンには含まれていないものと考えられ
る。このようなノイズは、輪郭線からパターンの特徴量
を計測する際の弊害となる。
【0093】そこで補正パラメータを変更し、輪郭の滑
らかさを調整する重み係数を大きく、画像との一致度を
調整する重み係数を小さくして、先ほどと同様に輪郭デ
ータの補正処理(S5)を行った結果を図25に示す。
今回の輪郭線では先ほどの微小ノイズがきれいに無くな
っている事が分かる。しかも、元のパターン画像の右側
エッジ中央付近に見られる凹凸形状は、ノイズとして削
除されずに残されていることが確認できる。この結果
は、本手法がパターンそのものが持っている特徴を輪郭
線として忠実に表現し、不要なノイズだけを削除する手
法として非常に有効であることを示している。
【0094】次に、パターン画像の縁が白く光る太さを
持っている場合に、その内側・外側・中央(本発明では
暗部のエッジ・明部のエッジ・中央のエッジ)のいずれ
かのエッジを選択して抽出する例について述べる。
【0095】図26は縁が太さを持っているパターン画
像の例である。このようなパタ−ン画像において、太さ
を持つ縁の任意のエッジを輪郭線として抽出する。
【0096】本発明においてはパターン画像を輪郭抽出
処理すると、まずコントラストが大きい方のエッジを先
に抽出するため、図26の場合は図1のS5までの処理
で、暗部のエッジ(上側のエッジ)の輪郭が抽出され
る。従って、S8で選択入力したエッジが暗部のエッジ
の場合は、輪郭データの変換処理(S7)ではなにもし
ない。一方、明部のエッジもしくは中央のエッジの場合
は輪郭データの変換処理を行い、各輪郭データの座標を
明部のエッジ又は中央のエッジがある位置に移動させる
ことで、各エッジに対応する輪郭線を生成する。
【0097】図26のパターン画像において暗部のエッ
ジ、明部のエッジ、中央のエッジの輪郭線をそれぞれ抽
出した結果を図27に示す。各輪郭線がそれぞれのエッ
ジに合わせて正しく抽出されていることが分かる。
【0098】
【発明の効果】以上のように、本発明の輪郭抽出方法で
は、輪郭追跡処理によって抽出した輪郭データに対して
動的輪郭モデルを利用した補正処理を施すことにより、
ノイズや濃淡ムラがあるウェハパターン画像やフォトマ
スクパターン画像においても、元のパターン画像と一致
する滑らかな輪郭線を抽出することができる。また、輪
郭データの補正処理時に補正パラメータを調整すること
により、パターン画像の画質が悪い場合でも画質に影響
されることなく、パターンの特徴を忠実に表す輪郭線を
抽出することが可能である。さらに、縁が太さを持つパ
ターンにおいては、選択されたエッジに応じて輪郭デー
タを変換処理することによって、任意のエッジの輪郭線
を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の輪郭抽出の処理手順を表すフロー図で
ある。
【図2】階層エッジデータの作成フロー図である。
【図3】階層エッジデータの計算方法図である。
【図4】追跡開始点の抽出処理フロー図である。
【図5】輪郭追跡処理方法の手順を表すフロー図であ
る。
【図6】近傍データの方向に対応する数値を表す図であ
る。
【図7】輪郭追跡処理において追跡方向と追跡距離から
追跡範囲を定める模式図である。
【図8】輪郭データの補正処理についてのフロー図であ
る。
【図9】動的輪郭モデルによる輪郭データの補正処理の
様子を表す模式図である。
【図10】パターンの縁の部分が白く光り、太さを持っ
ている場合のパターン画像の例である。
【図11】輪郭データの変換処理手順を表すフロー図で
ある。
【図12】輪郭データの変換処理方法についての説明図
である。
【図13】残りパターンの判定処理のフロー図である。
【図14】パターン部と背景部が存在する画像のヒスト
グラムを表す模式図である。
【図15】濃淡ムラがあるパターン画像と画像全体に対
するしきい値処理結果の例である。
【図16】濃淡ムラがあるパターン画像と画像を分割し
てしきい値処理した結果の例である。
【図17】濃淡ムラがあるパターン画像の例である。
【図18】従来の方法によって輪郭抽出処理した結果を
表す図である。
【図19】輪郭追跡処理の結果を表す図である。
【図20】輪郭データの補正処理の結果を表す図であ
る。
【図21】チャージアップによる濃淡ムラがあるパター
ン画像の例である。
【図22】チャージアップによる濃淡ムラがあるパター
ン画像を輪郭抽出した結果である。
【図23】ノイズが大きくコントラストが小さいパター
ン画像の例である。
【図24】輪郭データの補正処理において輪郭の滑らか
さを調整する重み係数と画像との一致度を調整する重み
係数を同じにした場合に抽出される輪郭線である。
【図25】輪郭データの補正処理において輪郭の滑らか
さを調整する重み係数を大きくし、画像との一致度を調
整する重み係数を小さくした場合に抽出される輪郭線で
ある。
【図26】パターンの縁の部分が白く光り、太さを持っ
ているパターン画像である。
【図27】輪郭データの変換処理によって抽出された明
部のエッジ、暗部のエッジ、中央のエッジの輪郭線であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B057 AA03 CE05 CE15 DA06 DB02 DB09 DC07 DC17 DC23 5L096 AA06 BA03 DA01 EA06 EA33 FA06 FA13 FA37 FA66 FA67 GA15 GA19 GA51 JA20

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体ウェハ及びフォトマスクの多階調を
    有するパターン画像からパターンの輪郭を抽出する輪郭
    抽出方法において、(a)輪郭を抽出する画像の範囲を
    選択する領域選択ステップと、(b)選択された領域の
    画像情報から縦横方向と階層構造を持つ階層エッジデー
    タを作成するエッジデータ作成ステップと、(c)パタ
    ーンの輪郭を追跡し始める点を抽出する追跡開始点抽出
    ステップと、(d)階層エッジデータを利用してパター
    ンの輪郭データを生成する輪郭追跡ステップと、(e)
    パターンの輪郭データから代表点を抽出し、動的輪郭モ
    デル計算によって滑らかな輪郭に変換する輪郭データ補
    正処理ステップと、(f)補正された輪郭データから補
    間計算によって連続した輪郭線を生成する輪郭線生成ス
    テップと、からなるステップを実行することによりパタ
    ーン画像の輪郭を抽出することを特徴とする輪郭抽出方
    法。
  2. 【請求項2】前記(d)階層エッジデータを利用してパ
    ターンの輪郭データを生成する輪郭追跡ステップにおい
    て、(a)追跡方向と追跡距離から追跡する範囲を予め
    設定する追跡範囲設定ステップと、(b)追跡範囲の中
    から方向に対応した階層エッジデータを利用して輪郭候
    補点を探す輪郭候補点探索ステップと、(c)輪郭候補
    点が見つからない場合に階層エッジデータの使用階層を
    増加させるとともに、階層の上限を超えた場合には使用
    階層を初期化して追跡距離を増加させる使用階層・追跡
    距離更新ステップと、(d)輪郭候補点がみつかった場
    合に輪郭候補点を輪郭データに追加し、追跡方向を更新
    するとともに使用階層と追跡距離を初期化する輪郭デー
    タ追加ステップと、(e)輪郭データが追加される毎に
    輪郭の角度を確認し、角度が一定のしきい値以上となる
    場合にはその部分の輪郭データを削除し、別の追跡方向
    を設定する輪郭の角度確認ステップと、(f)領域外に
    出るか追跡開始点に戻るまで前記の全ステップを繰り返
    す繰返しステップと、からなるステップを実行すること
    によりパターン画像の輪郭を抽出することを特徴とする
    請求項1記載の輪郭抽出方法。
  3. 【請求項3】請求項1、又は請求項2記載の輪郭抽出方
    法において、請求項1記載の(e)パターンの輪郭デー
    タから代表点を抽出し、動的輪郭モデル計算によって滑
    らかな輪郭に変換する輪郭データ補正処理ステップにあ
    って、輪郭データ補正処理ステップは、動的輪郭モデル
    計算によって輪郭データを滑らかな輪郭に補正する際
    に、パターンの滑らかさと元画像との一致度についての
    重み係数を適宜設定するステップと、からなるステップ
    を実行することにより、画像のノイズによらずに最適な
    輪郭が抽出できることを特徴とする輪郭抽出方法。
  4. 【請求項4】請求項1、乃至請求項3のいずれか1項記
    載の輪郭抽出方法において、請求項1記載の(e)パタ
    ーンの輪郭データから代表点を抽出し、動的輪郭モデル
    計算によって滑らかな輪郭に変換する輪郭データ補正処
    理ステップにあって、元パターン画像の縁が太さを持っ
    ている場合は、(a)元パターン画像の縁の内側か外側
    か中心のいずれを輪郭として抽出するかを選択するステ
    ップと、(b)選択に応じて輪郭データを変換する輪郭
    データ変換ステップと、からなるステップを実行するこ
    とにより、太さのある縁の任意のエッジを輪郭線として
    抽出できることを特徴とする輪郭抽出方法。
  5. 【請求項5】請求項1、乃至請求項4のいずれか1項記
    載の輪郭抽出方法において、請求項1記載の(f)補正
    された輪郭データから補間計算によって連続した輪郭線
    を生成する輪郭線生成ステップにあって、輪郭線生成ス
    テップ後、選択された領域内に複数のパターンが存在す
    る場合は、(a)領域内に別のパターンがあるかを判定
    するステップと、(b)パターンが無くなるまで輪郭抽
    出を繰り返すパターンの有無判定ステップと、からなる
    ステップを実行することにより、複数パターンの一括輪
    郭抽出が可能となることを特徴とする輪郭抽出方法。
  6. 【請求項6】半導体ウェハ及びフォトマスクの多階調を
    有するパターン画像からパターンの輪郭を抽出する輪郭
    抽出装置において、(a)輪郭を抽出する画像の範囲を
    選択する領域選択手段と、(b)選択された領域の画像
    情報から縦横方向と階層構造を持つ階層エッジデータを
    作成するエッジデータ作成手段と、(c)パターンの輪
    郭を追跡し始める点を抽出する追跡開始点抽出手段と、
    (d)階層エッジデータを利用してパターンの輪郭デー
    タを生成する輪郭追跡手段と、(e)パターンの輪郭デ
    ータから代表点を抽出し、動的輪郭モデル計算によって
    滑らかな輪郭に変換する輪郭データ補正処理手段と、
    (f)補正された輪郭データから補間計算によって連続
    した輪郭線を生成する輪郭線生成手段と、からなること
    を特徴とする輪郭抽出装置。
  7. 【請求項7】前記(d)階層エッジデータを利用してパ
    ターンの輪郭データを生成する輪郭追跡手段が、(a)
    追跡方向と追跡距離から追跡する範囲を予め設定する追
    跡範囲設定手段と、(b)追跡範囲の中から方向に対応
    した階層エッジデータを利用して輪郭候補点を探す輪郭
    候補点探索手段と、(c)輪郭候補点が見つからない場
    合に階層エッジデータの使用階層を増加させるととも
    に、階層の上限を超えた場合には使用階層を初期化して
    追跡距離を増加させる使用階層・追跡距離更新手段と、
    (d)輪郭候補点がみつかった場合に輪郭候補点を輪郭
    データに追加し、追跡方向を更新するとともに使用階層
    と追跡距離を初期化する輪郭データ追加手段と、(e)
    輪郭データが追加される毎に輪郭の角度を確認し、角度
    が一定のしきい値以上となる場合にはその部分の輪郭デ
    ータを削除し、別の追跡方向を設定する輪郭の角度確認
    手段と、(f)領域外に出るか追跡開始点に戻るまで前
    記の全ステップを繰り返す繰返し手段と、からなること
    を特徴とする請求項6記載の輪郭抽出装置。
  8. 【請求項8】請求項6、又は請求項7記載の輪郭抽出装
    置において、請求項6記載の(e)パターンの輪郭デー
    タから代表点を抽出し、動的輪郭モデル計算によって滑
    らかな輪郭に変換する輪郭データ補正処理手段は、動的
    輪郭モデル計算によって輪郭データを滑らかな輪郭に補
    正する際に、パターンの滑らかさと元画像との一致度に
    ついての重み係数を適宜設定する手段を備え、画像のノ
    イズによらずに最適な輪郭が抽出できることを特徴とす
    る輪郭抽出装置。
  9. 【請求項9】請求項6、乃至請求項8のいずれか1項記
    載の輪郭抽出装置において、請求項6記載の(e)パタ
    ーンの輪郭データから代表点を抽出し、動的輪郭モデル
    計算によって滑らかな輪郭に変換する輪郭データ補正処
    理手段は、元パターン画像の縁が太さを持っている場合
    は、(a)元パターン画像の縁の内側か外側か中心のい
    ずれを輪郭として抽出するかを選択する手段と、(b)
    選択に応じて輪郭データを変換する輪郭データ変換手段
    と、からなり、太さのある縁の任意のエッジを輪郭線と
    して抽出できることを特徴とする輪郭抽出装置。
  10. 【請求項10】請求項6、乃至請求項9のいずれか1項
    の輪郭抽出装置において、請求項6記載の(f)補正さ
    れた輪郭データから補間計算によって連続した輪郭線を
    生成する輪郭線生成手段は、輪郭線生成手段後、選択さ
    れた領域内に複数のパターンが存在する場合は、(a)
    領域内に別のパターンがあるかを判定する手段と、
    (b)パターンが無くなるまで輪郭抽出を繰り返すパタ
    ーンの有無判定手段と、からなり、複数パターンの一括
    輪郭抽出が可能となることを特徴とする輪郭抽出装置。
  11. 【請求項11】半導体ウェハ及びフォトマスクの多階調
    を有するパターン画像からパターンの輪郭を抽出する輪
    郭抽出プログラムにおいて、(a)輪郭を抽出する画像
    の範囲を選択する領域選択プログラムと、(b)選択さ
    れた領域の画像情報から縦横方向と階層構造を持つ階層
    エッジデータを作成するエッジデータ作成プログラム
    と、(c)パターンの輪郭を追跡し始める点を抽出する
    追跡開始点抽出プログラムと、(d)階層エッジデータ
    を利用してパターンの輪郭データを生成する輪郭追跡プ
    ログラムと、(e)パターンの輪郭データから代表点を
    抽出し、動的輪郭モデル計算によって滑らかな輪郭に変
    換する輪郭データ補正処理プログラムと、(f)補正さ
    れた輪郭データから補間計算によって連続した輪郭線を
    生成する輪郭線生成プログラムと、からなることを特徴
    とする輪郭抽出プログラム。
  12. 【請求項12】前記(d)階層エッジデータを利用して
    パターンの輪郭データを生成する輪郭追跡プログラムに
    おいて、(a)追跡方向と追跡距離から追跡する範囲を
    予め設定する追跡範囲設定プログラムと、(b)追跡範
    囲の中から方向に対応した階層エッジデータを利用して
    輪郭候補点を探す輪郭候補点探索プログラムと、(c)
    輪郭候補点が見つからない場合に階層エッジデータの使
    用階層を増加させるとともに、階層の上限を超えた場合
    には使用階層を初期化して追跡距離を増加させる使用階
    層・追跡距離更新プログラムと、(d)輪郭候補点がみ
    つかった場合に輪郭候補点を輪郭データに追加し、追跡
    方向を更新するとともに使用階層と追跡距離を初期化す
    る輪郭データ追加プログラムと、(e)輪郭データが追
    加される毎に輪郭の角度を確認し、角度が一定のしきい
    値以上となる場合にはその部分の輪郭データを削除し、
    別の追跡方向を設定する輪郭の角度確認プログラムと、
    (f)領域外に出るか追跡開始点に戻るまで前記の全ス
    テップを繰り返す繰返しプログラムと、からなることを
    特徴とする請求項11記載の輪郭抽出プログラム。
  13. 【請求項13】請求項11、又は請求項12記載の輪郭
    抽出プログラムにおいて、請求項11記載の(e)パタ
    ーンの輪郭データから代表点を抽出し、動的輪郭モデル
    計算によって滑らかな輪郭に変換する輪郭データ補正処
    理プログラムは、動的輪郭モデル計算によって輪郭デー
    タを滑らかな輪郭に補正する際に、パターンの滑らかさ
    と元画像との一致度についての重み係数を適宜設定する
    プログラムと、からなる画像のノイズによらずに最適な
    輪郭が抽出できることを特徴とする輪郭抽出プログラ
    ム。
  14. 【請求項14】請求項11、乃至請求項13のいずれか
    1項記載の輪郭抽出プログラムにおいて、請求項11記
    載の(e)パターンの輪郭データから代表点を抽出し、
    動的輪郭モデル計算によって滑らかな輪郭に変換する輪
    郭データ補正処理プログラムは、元パターン画像の縁が
    太さを持っている場合は、(a)元パターン画像の縁の
    内側か外側か中心のいずれを輪郭として抽出するかを選
    択するプログラムと、(b)選択に応じて輪郭データを
    変換する輪郭データ変換プログラムと、からなり、太さ
    のある縁の任意のエッジを輪郭線として抽出できること
    を特徴とする輪郭抽出プログラム。
  15. 【請求項15】請求項11、乃至請求項14のいずれか
    1項記載の輪郭抽出プログラムにおいて、請求項11記
    載の(f)補正された輪郭データから補間計算によって
    連続した輪郭線を生成する輪郭線生成プログラムにあっ
    て、輪郭線生成プログラムの後、選択された領域内に複
    数のパターンが存在する場合は、(a)領域内に別のパ
    ターンがあるかを判定するプログラムと、(b)パター
    ンが無くなるまで輪郭抽出を繰り返すパターンの有無判
    定プログラムと、からなることにより、複数パターンの
    一括輪郭抽出が可能となることを特徴とする輪郭抽出プ
    ログラム。
  16. 【請求項16】請求項11、乃至請求項15のいずれか
    1項記載の輪郭抽出プログラムを搭載することを特徴と
    する輪郭抽出装置。
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