JP4417763B2 - Sem画像の白帯領域抽出処理方法およびsem画像における特徴量算出方法 - Google Patents
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Description
即ち、できるだけチップサイズを小さくして、高機能を実現することがASIC等のLSIには求められている。
上記ASIC等のLSIは、機能、論理設計、回路設計、レイアウト設計等を経て、フォトマスクパタン作製用の図形データ(パタンデータとも言う)を作製し、これを用いてフォトマスクを作製した後、フォトマスクのパタンをウエハ上に縮小投影露光等により転写して、半導体素子作製のプロセスを行うという数々の工程を経て作製されるものである。
フォトマスクは、一般には、上記図形データ(パタンデータ)を用い、電子ビーム露光装置あるいはエキシマ波長等のフォト露光装置を用いて、フォトマスク用基板(フォトマスクブランクスとも言う)の遮光膜上に配設された感光性レジストに露光描画を行い、現像、エッチング工程等を経て、作製される。
即ち、ガラス基板の一面に遮光性の金属薄膜を設けたフォトマスク用基板の金属薄膜上に塗布、乾燥された感光性のレジスト上に、露光装置により電離放射線を所定の領域のみに照射して潜像を形成し、感光性のレジストを現像して、電離放射線の照射領域に対応した、所望の形状のレジストパターン得た後、更に、レジストパターンを耐エッチングレジストとして、金属薄膜をレジストパターン形状に加工して、所望の金属薄膜パターンを有するフォトマスクを得る。
尚、フォトマスクのパタンをウエハ上に縮小投影露光して、その絵柄を転写する場合は、フォトマスクをレチクルマスクとも言う。
このような、微細なフォトマスクについては、現状では、作業者がSEM画像をみて、所定部分について、SEM画像から特徴量を評価し、許容範囲内であるかどうかを判定している。
しかし、この方法では作業負荷が高く、また、作業者によって判定結果が異なるという問題があるため、効率化、客観化が求められている。
方策として、フォトマスクのSEM画像の特性を利用した画像処理によって、画像の特徴量を抽出する方法が有効であると考えられる。
フォトマスクはガラス基板上にクロムなどの金属パタン形成したもので、そのSEM画像は、ガラス部分が暗い領域をなし、金属部分の輪郭近辺が白いハイライトの帯領域(これを、ここでは白帯領域あるいはハイライト帯部と言う)をなし、金属部分の内部がガラス部分よりはやや明るめの暗い領域をなすという特性がある。
フォトマスクの設計データのモニター表示状態310は、図3(a)のように、絵柄部311と非絵柄部312とがその境界をハッキリ表示されるが、フォトマスク製品の対応するSEM画像の表示は、図3(b)のように、絵柄部321と非絵柄部322との境界部に沿い、ハイライト部325が発生することが知られている。
図3(b)に示すSEM画像においては、そのA1−A2位置において、絵柄部と非絵柄部との境界部の画素をA1側からA2側に向かい順にみた場合、各位置とその位置の画素の輝度値の関係は、図3(c)のようになる。
そして、複数のSEM画像どうしで明るさやコントラストが一致しないことがあり、更に、1枚のSEM画像の中でも、各領域の明るさが一様でないことがしばしばある。
そのため、上記のように、検査対象のSEM像(電子顕微鏡画像)に基づいて、その全体または特定部分の面積や幅、高さなどの特徴量を評価し、許容範囲内であるかどうかを判定しているが、評価にバラツキがあり、問題となっていた。
しかし、SEM画像としては倍率が数万倍のものを用いるものも多く、そのような高倍率のSEM画像では、画像ごとに明るさやコントラストがばらつく、画像全体にノイズが載るなど、画質がよくないことがしばしばある。
特に、コントラストが低く、且つ、ノイズレベルが高い場合、人間の目には輪郭線がおぼろげながら認識できるが、画像処理でこれを抽出しようとすると輪郭線情報がノイズに埋もれて、うまく抽出できないことが起きる。
このような場合、抽出した輪郭線が途切れ途切れになる。
閉領域の塗りつぶし処理を行う場合、本来閉領域であるべきものが、輪郭線に途切れがあって閉領域をなしていないと、本来対象とする領域の外側まで塗りつぶされてしまうという弊害が起きる。
したがって、フォトマスクのSEM画像から、白帯領域(ハイライトの帯部)を抽出するための画像の2値化処理としては、
(1)明るさやコントラストの違いを吸収し、安定した抽出結果を出力する。
(2)ノイズの影響を受けづらい。
(3)白帯領域(ハイライトの帯部)が途切れ途切れにならない。
ことがその要件として挙げられる。
しきい値の決め方として、画像全体の濃度ヒストグラムに基づいて自動的に最適なしきい値を求めることもできる。
そのような方法としては、例えば、判別分析法(電子通信学会論文誌 ’80/4Vol.J63−D No.4 大津展之 ”判別および最小2乗基準に基づく自動しきい値選定方法”(非特許文献1))がある。
この方法を用いれば、原画像の明るさやコントラストが変化しても、そのヒストグラムの形状に応じて最適なしきい値が決まるため、安定した結果が得られる。
しかし、画像全体を1つのしきい値で2値化するため、明るさのムラがある場合や、影ができている場合に、望ましくない結果を生じることがある。
また、ノイズが強く載っていると、結果(白帯領域)がゴマ塩状となるという弱点がある。
電子通信学会論文誌 ’80/4Vol.J63−D No.4 大津展之 "判別および最小2乗基準に基づく自動しきい値選定方法"
しかし、このような2値化処理を採る場合においても、ノイズの強さに比べて白帯領域のコントラストが弱い場合には、抽出された白帯領域が途切れ途切れになることがあり、これが問題となっていた。
本発明は、これに対応するもので、検査対象のSEM画像(電子顕微鏡画像)を原画像とし、該原画像の各画素の輝度値を表す画素値をもとに、対象とする原画像の輪郭を形成する白帯領域(ハイライト帯部)とその他の領域とに区分けして、白帯領域を抽出するSEM画像の白帯領域抽出処理方法で、ノイズの強さに比べて白帯領域のコントラストが弱い場合においても、抽出された白帯領域が途切れ途切れになることが少ない白帯領域抽出処理方法を提供しようとするものである。
z=f(x、y) (1)
当該画素Pijが、得られた近似関数の尾根上にあるか否かを判定し、(得られた近似関数が、当該画素Pijにおいて、尾根上の点を形成しているかどうかを判定し、)その判定結果に応じて当該画素Pijに値1または値0を割り当てることによって画像を2値化する、各画素Pijごとの2値化処理を行うことを特徴とするものである。
そして、上記のSEM画像の白帯領域抽出処理方法であって、
テンプレート関数f(x、y)は1以上のn個の基底関数の線形和の形をとり、その線形和の係数であるn個の未知の係数の並びをn次元ベクトルc(n)と表記した場合、[A]をn行n列の行列、b(n)をn次元ベクトルとして、n次元ベクトルc(n)に関する連立一次方程式である下記の式(2)、
[A]c(n)=b(n) (2)
の解法として、各画素ごとの2値化処理に先だって、あらかじめ、行列[A]の逆行列[A-1]を求めておき、下記の式(3)
c(n)=[A-1]b(n) (3)
によってc(n)の値を算出することを特徴とものである。
また、上記のいずれかのSEM画像の白帯領域抽出処理方法であって、テンプレート関数として2変数の2次の多項式を用いることを特徴とするものである。
また、上記のいずれかのSEM画像の白帯領域抽出処理方法であって、テンプレート関数として2変数の4次の多項式を用いることを特徴とするものである。
また、上記のいずれかのSEM画像の白帯領域抽出処理方法であって、検査対象がフォトマスクの金属パタンであることを特徴とするものである。
尚、ここでは、未知数cj(j=1、2・・・n)の並びをベクトル表記で、
c=(c1、c2、・・・cn)
あるいは、単に、c(n)と表し、n次元ベクトルcとも言う。
また、[A]をn行n列の行列A、b(n)をn次元ベクトルbとも言う。
また、各画素ごとの2値化処理の繰り返すため、これをループ処理とも言う。
本発明のSEM画像の白帯領域抽出処理方法は、このような構成にすることにより、検査対象のSEM画像(電子顕微鏡画像)を原画像の各画素の輝度値を表す画素値をもとに、対象とする原画像の輪郭を形成する白帯領域(ハイライト帯部)とその他の領域とに区分けして、白帯領域を抽出するSEM画像の白帯領域抽出処理方法で、ノイズの強さに比べて白帯領域のコントラストが弱い場合においても、抽出された白帯領域が途切れ途切れになることが少ない白帯領域抽出処理方法の提供を可能としている。
詳しくは、本発明のSEM画像の白帯領域抽出処理方法は、ある程度の広さをもった近似領域で形状を近似することによって、途切れ箇所の両側の白帯領域の情報を拾い上げるので、結果として、抽出領域が途切れづらいという利点がある。
また、請求項1に記載のSEM画像の白帯領域抽出処理方法で、テンプレート関数f(x、y)は1以上のn個の基底関数の線形和の形をとり、その線形和の係数ベクトルcに関する連立一次方程式である下記の式(2)、
[A]c(n)=b(n) (2)
の解法として、各画素ごとの2値化処理(ループ処理とも言う)に先だって、あらかじめ、行列[A]の逆行列[A-1]を求めておき、下記の式(3)、 c(n)=[A-1]b(n) (3)
によってc(n)の値を算出することにより、計算の高速化が図れる。
即ち、着目画素に対して、近傍領域の取り方が相対的に同じであれば、各画素ごとの処理の中で行列Aは常に一定でき、処理の効率化が図れるのである。
そして、このような白帯領域抽出処理方法を用いて、ノイズの強さに比べて白帯領域のコントラストが弱い場合においても評価にバラツキが発生しないSEM画像における特徴量算出方法の提供を可能とした。
図1は本発明の白帯領域抽出処理方法の実施の形態の1例の処理フロー図で、図2は本発明のSEM画像における特徴量算出方法の実施の形態の1例の処理フロー図である。
尚、図1におけるS1〜S9、図2におけるS11〜S22は、処理ステップを示す。 はじめに、本発明の白帯領域抽出処理方法の実施の形態の1例を、図1に基づいて説明する。
図1は、検査対象物をフォトマスクとしてその金属パタンのSEM画像から、その白帯領域を他と区分けした2値化画像を得るための、画像の2値化処理のフローを示したもので、各画素に以下の処理(S2〜S8)を行い、画素に1あるいは0を対応させる。
先ず、着目画素の周辺に近傍領域を決定し、近傍領域内で、画素位置(x、y)から画素値zへの関数z=f(x、y)を最小2乗近似により当てはめる。(S3)
次いで、近似関数が着目画素位置で尾根の一部になっているかを判定し、例えば、そうであればその画素にON(値1)、そうでなければOFF(値0)を対応させる。
あらかじめ正定数ρの値を、例えば、2〜10画素分に決めておく。
このρの値を用いて、各画素に関するループ処理内での1画素(着目画素)関する処理(S3〜S7)を行う。
尚、S3〜S7の処理がループ処理の処理内容である。
着目画素の近傍領域を決定する。
着目画素の座標を(x0、y0)とするとき、その点の近傍領域V(x0、y0)は、例えば、下記の式(5)で表される正方形(の周辺および内部)領域、
V(x0、y0)={(u、v)∈R2 ;x0−ρ≦u≦x0+ρ & y0−ρ≦v≦y0+ρ} (5)
あるいは、下記の式(6)で表される円形(の周辺および内部)領域、
V(x0、y0)={(u、v)∈R2 ;(u−x0)2 +(v−y0)2 ≦ρ2
・・・(6)
として決めることができる。
そして、近傍領域内の画像に関数を当てはめる。
近傍領域内で、画素位置(x、y)から画素値zへの関数z=f(x、y)を最小2乗近似により当てはめる。
関数の形が例えば2次式の場合、f(x、y)は、下記の式(7) f(x、y)=c0+c1x+c2y+c3x2 +c4xy+c5y2 (7)のような形をしており、最小2乗近似により係数、c0、c1、c2、c3、c4、c5の値が決定される。
画像の着目画素内で、最小2乗法によって関数近似する問題は、次のように定式化される。
まず、近傍内の各画素にP1、P2、P3・・・・Pmというふうにラベル付けをする。
mは近傍領域内の画素数である。
近傍領域は実際には2次元だが、表記上、あたかも1列に並んでいるかの如く、順々に番号を振っておく。
着目画素を原点とする座標系で、各画素Piの座標を(xi、yi)とし、その画素の値(輝度値)をziとする。
一方、近似関数z=f(x、y)は、n個の基底関数の線形和の形をとる。
基底関数をf1(x、y)、f2(x、y)・・・・fn(x、y)とすると、下記の式(8)のようになる。
例えば、2次多項式の場合、基底関数は、
f1(x、y)= 1 (9)
f2(x、y)= x (10)
f3(x、y)= y (11)
f4(x、y)= x2 (12)
f5(x、y)= xy (13)
f6(x、y)= y2 (14)
の6個である。
あるいは、計算の精度を上げるには、ルジャンドル多項式を基底としても良い。
一般的には、データ数mの方が未知数のnよりも大きいので、誤差なくf(x)を当てはめることはできない。
当てはめの誤差Eを
Eが最小値をとるとき、Eを各変数cjで偏微分した値は0となる。
方程式の個数もnである。
未知数cj(j=1、2・・・n)の並びをベクトル表記で、
c=(c1、c2、・・・cn)
、あるいはc(n)と表すと、未知のc(n)に関する連立方程式は、下記の式(17)、
[A]c(n)=b(n) (17)
として表すことができる。
ここで、[A]はn行n列の行列、b(n)はn次元ベクトルである。
連立一次方程式の数値解法としては、一般的には前進消去、後退代入法が効率がよいとされる。
しかし、ここでは、もっと効率的に解く方法がある。
着目画素に対して、近似領域の取り方が相対的に同じであれば、各画素ごとの処理の中で行列Aは常に一定できる。
したがって、各画素ごとのループ処理に入る前にあらかじめ行列[A]の逆行列[A-1]を計算しておけば、下記の式(18)、
c(n)=[A-1]b(n) (18)
の形で求まるので、計算の負荷が軽い。
近似関数が着目画素位置(x0、y0)で着目画素を中心とするような、下記の座標の2点P、Qを考える。
P(x0−rcosθ、y0−rsin θ)
Q(x0+rcos θ、y0+rsin θ)
評価値v(r、θ)を、下記の式(4)によって、定義する。
(r、θ)の組の決め方としては、例えば、rをr=ρのように一定値に限定し、θを0、1/8π、2/8π、3/8π、4/8π、5/8π、6/8π、7/8πのようにとる。
得られた評価値vがあらかじめ定めた一定のしきい値を越えていたら、その画素を尾根上にあるとしてON(値1)とし、そうでなければ尾根上にないとしてOFF(値0)とする。
尚、下記の式(4−1)は、尾根の尖度を示すとも言い得る。
f(0、0)−f(−rcos θ、−rsin θ) }
×{f(0、0)−f(rcos θ、rsin θ) } (4−1) このようにして、各画素が尾根上にあるか否かを判定する尾根判定を行う。
本例は、検査対象のSEM画像(電子顕微鏡画像)を原画像とし、原該画像に基づいて、その全体または特定部分の面積や幅、高さなどの特徴量を算出する画像処理方法である。
そして、順に、(a)原画像を、各画素の輝度値をもとに、ハイライト帯部とその他の領域とに区分けして、2値化画像を得る2値化処理と、(b)得られた2値化画像をもとに、SEM画像のハイライト帯部を細線化して、細線化した画像を得る細線化処理と、(c)必要に応じ、細線化した画像を修正して、細線により閉じた細線輪郭閉図形を新たに形成する修正工程と、(d)細線輪郭閉図形に対し、図形内を塗りつぶして、塗りつぶし画像を得る塗りつぶし工程と、(e)塗りつぶし画像をもとに、面積や幅、高さなどの特徴量を算出する算出処理とを行なうものであるが、ここでの2値化画像を得る2値化処理を、図1に示すSEM画像の白帯領域抽出処理方法にて行うものである。
本例は、フォトマスク製品のSEM画像(電子顕微鏡画像)に基づいて、その全体または特定部分の面積や幅、高さなどの特徴量を算出する画像処理方法で、簡単には、SEM画像のエッジ近傍の白帯領域(ハイライト部)を細線化処理し、細線輪郭をそのSEM画像の輪郭とするものである。
予め、SEM画像を取得し(S11)、これを原画像(S12)として得た後、上記、図1に示すSEM画像の白帯領域抽出処理方法(図では2値化処理として表している)を行い(S13)、フォトマスクの金属パタンのSEM画像から、その白帯領域を他と区分けした2値化画像を得る。(S14)
細線化処理は、一般的なもので、ここでは、その説明を省く。
画像の特徴を抽出して画像認識を行う場合、画像の細線化は重要な処理技術の1つであり、特に文字認識などの場合、画像データとしてコンピュータに取り込まれた文字画像を細線化し、文字画像の端点や分岐点の数を求めることは必要不可欠である。
画像処理における細線化処理方法としては、従来より、Hilditchの手法(Turbo Pascal画像処理の実際、 工学社、 工学選書7 安居院 猛他)が知られており、特開平5−46758号公報等にも、その概要説明と、その一部改良方法も記載されている。
本例では、2値化処理(S13)により得られる白帯領域が途切れ途切れになることがほとんどないため、通常はこの処理を行わないでも済む。
修正は、例えば、凸状あるいは凹状の欠陥部の特徴量を算出する場合には、正規の画像から突出あるいはへこんだ部分の領域を指定する必要があり、細線の2点を指定して直線で繋いでこの部分を閉図形としておく。
塗りつぶしは、モニターに細線輪郭閉図形データを表示し、細線輪郭閉図形内の一点を指定することにより行われる。
細線輪郭閉図形内面積の算出は、塗りつぶされた画素数をカウントすることによりできる。
全体または特定部分の幅ないし高さは、塗りつぶした領域を構成する各画素の位置のxないしyの最大値と最小値の差から求めることができる。
このようにして、フォトマスクのSEM画像の特徴量を得ることができるが、本例では、SEM画像において、ノイズの強さに比べて白帯領域のコントラストが弱い場合においても、2値化処理(S13)により得られる白帯領域が途切れ途切れになることがほとんどないため、通常はこの処理を行わないでも済む。
311 絵柄部
312 非絵柄部
320 製品のSEM画像のモニター表示状態
321 絵柄部(金属層部とも言う)
322 非絵柄部(ガラス部とも言う)
325 ハイライト部
T1、T2、T3 輝度値
Claims (6)
- 検査対象のSEM画像を原画像とし、該原画像の各画素の輝度値を表す画素値をもとに、対象とする原画像の輪郭を形成する白帯領域とその他の領域とに区分けして、白帯領域を抽出するSEM画像の白帯領域抽出処理方法であって、原画像の各画素Pijについて、その画素からみた相対的な位置関係があらかじめ定められた近傍領域の画素値zを位置(x、y)の関数として表現した下記の式(1)のテンプレート関数で、最小2乗近似し、
z=f(x、y) (1)
当該画素Pijが、得られた近似関数の尾根上にあるか否かを判定し、その判定結果に応じて当該画素Pijに値1または値0を割り当てることによって画像を2値化する、各画素Pijごとの2値化処理を行うことを特徴とするSEM画像の白帯領域抽出処理方法。 - 請求項1に記載のSEM画像の白帯領域抽出処理方法であって、テンプレート関数f(x、y)は1以上のn個の基底関数の線形和の形をとり、その線形和の係数であるn個の未知の係数の並びをn次元ベクトルc(n)と表記した場合、[A]をn行n列の行列、b(n)をn次元ベクトルとして、n次元ベクトルc(n)に関する連立一次方程式である下記の式(2)、
[A]c(n)=b(n) (2)
の解法として、各画素ごとの2値化処理に先だって、あらかじめ、行列[A]の逆行列[A-1]を求めておき、下記の式(3)
c(n)=[A-1]b(n) (3)
によってc(n)の値を算出することを特徴としたSEM画像の白帯領域抽出処理方法。 - 請求項1ないし2のいずれか1に記載のSEM画像の白帯領域抽出処理方法であって、テンプレート関数として2変数の2次の多項式を用いることを特徴とするSEM画像の白帯領域抽出処理方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1に記載のSEM画像の白帯領域抽出処理方法であって、テンプレート関数として2変数の4次の多項式を用いることを特徴とするSEM画像の白帯領域抽出処理方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1に記載のSEM画像の白帯領域抽出処理方法であって、検査対象がフォトマスクの金属パタンであることを特徴とするSEM画像の白帯領域抽出処理方法。
- 検査対象のSEM画像を原画像とし、原該画像に基づいて、その全体または特定部分の面積や幅、高さなどの特徴量を算出する画像処理方法であって、順に、(a)原画像を、各画素の輝度値をもとに、白帯領域とその他の領域とに区分けして、2値化画像を得る2値化処理と、(b)得られた2値化画像をもとに、SEM画像の白帯領域を細線化して、細線化した画像を得る細線化処理と、(c)必要に応じ、細線化した画像を修正して、細線により閉じた細線輪郭閉図形を新たに形成する修正工程と、(d)細線輪郭閉図形に対し、図形内を塗りつぶして、塗りつぶし画像を得る塗りつぶし工程と、(e)塗りつぶし画像をもとに、面積や幅、高さなどの特徴量を算出する算出処理とを行なうものであり、且つ、前記2値化画像を得る2値化処理を、請求項1ないし5のいずれか1に記載のSEM画像の白帯領域抽出処理方法により行うことを特徴とするSEM画像における特徴量算出方法。
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