JP2003215916A - 帯電装置 - Google Patents

帯電装置

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JP2003215916A
JP2003215916A JP2002017567A JP2002017567A JP2003215916A JP 2003215916 A JP2003215916 A JP 2003215916A JP 2002017567 A JP2002017567 A JP 2002017567A JP 2002017567 A JP2002017567 A JP 2002017567A JP 2003215916 A JP2003215916 A JP 2003215916A
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JP2002017567A
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Toshimitsu Goto
利充 後藤
Tasuke Kamimura
太介 上村
Kiyoshi Toizumi
潔 戸泉
Katsumi Adachi
克己 足立
Masasane Sakuma
将実 佐久間
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電潜像を可視像に現像する現像剤を帯電さ
せるときに、帯電効率を保ちながら、トナーの劣化を防
止し、現像の信頼性を向上させる。 【解決手段】 トナー帯電ローラ14に光電膜40を設
け、トナーTの搬送される位置と反対側から照射光hν
を照射し、被照射面の反対側の面から光電効果によって
光電子を放出させ、トナーTを帯電させる。このとき、
光電膜40に対する照射光hνの透過率は50%以上、
70%以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電潜像を可視像
に現像する現像剤を帯電させる帯電装置に関し、特にそ
の現像の信頼性を向上できる帯電装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、複写機、プリンタおよびファク
シミリなどの電子写真装置においては、静電潜像を担持
搬送する感光体に対して現像手段に現像剤が供給され、
感光体の表面上の静電潜像が現像剤によって現像(可視
化)される。このような現像装置では、現像剤は現像ロ
ーラ表面に供給ローラにより周方向から順次供給され、
現像ローラの回転により感光体へ向けて担持搬送され
る。
【0003】また、上記現像ローラ上に形成される現像
剤層は、供給ローラよりも現像ローラの回転方向下流側
に設けられた層厚規制ブレードによって、現像ローラ上
でその層厚が規制される。
【0004】現像剤として、1成分系の非磁性のトナー
を用いた場合は、このとき同時に、トナーと層厚規制ブ
レードとの摩擦により電荷を帯びさせる(摩擦帯電)。
帯電されたトナーは、現像ローラにより、さらに回転方
向下流側に位置する感光体との対向部まで担持搬送され
て、感光体表面上の静電潜像に対して静電的に供給さ
れ、静電潜像をトナー像として現像(可視化)する。可
視化されたトナー像は、転写手段によって記録用紙に転
写された後、定着手段によって加熱および加圧され、記
録紙上に定着される。
【0005】また、トナーとトナーを帯電させるキャリ
アとが含まれる、2成分系の現像剤を用いた場合は、現
像剤を攪拌することで、トナーとキャリアとが摩擦を起
こしてトナーを帯電させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、現像剤とし
て1成分系の非磁性のトナーを用いた場合では、トナー
は、層厚規制ブレードと大きな速度差を持った状態で接
触させて生じる、機械的な摺擦(摩擦)により帯電させ
ているため、トナーと層厚規制ブレードには、その速度
差に比例して機械的/熱的負荷が加わることになる。こ
の摺擦熱によりトナーが軟化することで、トナーの破壊
が促進される、あるいは、軟化したトナーが層厚規制ブ
レード表面や現像ローラに融着してトナーの摩擦帯電特
性が劣化するといった問題が生じる。
【0007】また、2成分系の現像剤を用いた場合に
も、撹拌のときに、トナーとキャリアとの接触面で大き
な速度差を発生させており、機械的/熱的負荷がトナー
およびキャリアに加わる。この摺擦熱によりトナーおよ
びキャリアが軟化することで、破壊される、あるいはト
ナーとキャリアとが融着してトナーの摩擦帯電特性が劣
化するといった問題が生じる。
【0008】本発明は、上記の問題を鑑みなされたもの
で、その目的は、トナーの劣化防止、即ちトナーの破壊
や、層厚規制ブレードまたはキャリアヘの融着を防止
し、現像の信頼性を向上させることができる帯電装置を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる帯電装置
は、上記の課題を解決するために、静電潜像を可視像に
現像する現像剤を帯電させる帯電装置において、光が照
射されると光電効果によって電子が現像剤に向けて放出
される光電子放出手段と、上記光電子放出手段に対し光
を照射する照射手段とを備え、上記照射手段は、上記光
電子放出手段を挟んで現像剤が搬送される位置とは反対
側に配され、光電子放出手段に対する照射手段からの照
射光の透過率が、50%以上、70%以下であることを
特徴としている。
【0010】上記の構成によれば、上記帯電装置は、光
電効果によって電子が現像剤に向けて放出されて、現像
剤を帯電させるので、現像剤と帯電装置とに負荷(機械
的負荷および熱的負荷)をかけずに帯電を行うことがで
きる。このため、現像剤の破壊や帯電装置への融着を防
止することができ、トナーの帯電特性が劣化せず、現像
の信頼性を向上できる。
【0011】また、照射手段が、光電子放出手段を挟ん
で現像剤が搬送される位置と反対側の位置に配されるこ
とにより、照射光が、間に現像剤を挟むことなく、直接
光電子放出手段に照射されるので、照射光の光量が減衰
されることなく、光電効果の効率が上がる。また、照射
手段が現像剤によって汚染されることも防止される。
【0012】この場合、現像剤に向けて電子を放出する
には、光電子放出手段は光が照射される面とは反対側の
表面から電子を放出する必要がある。したがって、現像
剤に向けて放出される光電子量は、上記照射光が光電子
放出手段を透過して、光が照射される面とは反対側の表
面へ達する量によって変わり、それにより帯電効率も変
化する。
【0013】そこで、光電子放出手段に対する上記照射
光の透過率を50%以上とすることで、良好な帯電効率
を保つことができる。なお、上記透過率は、主に光電子
放出手段の膜厚により調節される。上記透過率を70%
より大きくすると、光電子放出手段の膜厚が薄くなり、
光電子放出手段が途切れる箇所が生じ、その箇所で光電
子放出が途切れ、電子の供給、ひいては現像剤の帯電を
行うことができなくなる。
【0014】これに対し、上記構成によれば、光電子放
出手段に対する上記照射光の透過率が50%以上、70
%以下であるので、光電光電子放出手段の透過率を最適
化でき、光電子放出手段が効率よく電子を放出する。し
たがって、照射手段の光源の出力を上げることなく、十
分に現像剤を帯電でき、省エネ化、およびランプ、光電
膜の長寿命化を図ることができる。
【0015】本発明の帯電装置は、上記の課題を解決す
るために、上記構成に加えて、光電子放出手段は、膜厚
10nm以上、50nm以下のアルミニウム膜であるこ
とを特徴としている。
【0016】上記の構成により、光電子放出手段を膜厚
10nm以上、50nm以下のアルミニウム膜とするこ
とで、上記の構成による効果に加えて、一層光電子放出
手段の透過率を最適化でき、光電子放出手段がより効率
よく電子を放出する。したがって、より一層の省エネ
化、およびランプ、光電膜の長寿命化を図ることができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図4に基づいて説明すれば、以下のとおりであ
る。
【0018】図1は、本発明の実施の形態にかかる電子
写真装置の概略を示す断面図である。現像装置1は、感
光体ドラム2と対向するように配置され、該感光体ドラ
ム2の表面に形成される静電潜像を、現像剤として例え
ば1成分系の非磁性のトナーT(現像剤)を用いて現像
する。現像装置1は、トナーTを収容する容器状の現像
槽11、供給ローラ12、現像ローラ13、およびトナ
ー帯電ローラ(帯電装置)14を備えた構成となってい
る。
【0019】供給ローラ12は、現像装置1内に配置さ
れており、現像ローラ13と互いの外周面同士が対面す
るように回転可能に連設され、現像槽11内のトナーT
を現像ローラ13の外周面に供給する。
【0020】現像ローラ13は、現像装置1内に感光体
ドラム2と対向する位置に回転可能に配置されており、
供給ローラ12により供給されたトナーTを感光体ドラ
ム2に向けて担持搬送する。
【0021】トナー帯電ローラ14は、現像ローラ13
の回転方向に対し、供給ローラ12の下流側、かつ感光
体ドラム2の上流側にて、現像ローラ13と外周面同士
が対面するように回転可能に連設される。トナー帯電ロ
ーラ14は、現像ローラ13表面に形成されるトナーT
層を層厚規制するとともに所定の電荷量に帯電させる。
【0022】トナー帯電ローラ14は、光の照射を受け
ることにより自らの電子を誘起させてその電子を放出す
る光電膜(光電子放出手段)40と、該トナー帯電ロー
ラ14に照射光hνを照射する紫外線発光器(照射手
段)43を有している。このトナー帯電ローラ14の詳
細については後述する。
【0023】上記現像装置1は複写機、プリンタ、およ
びファクシミリなどの電子写真式の画像形成装置に備え
られる。ここで、上記現像装置1を備えた電子写真装置
におけるプロセス部を簡単に説明する。
【0024】上記プロセス部は、図1に示すように、主
に感光体ドラム2、帯電ローラ3、露光手段(図示せ
ず)、現像装置1、転写用放電ローラ4、クリーニング
手段(図示せず)、除電手段(図示せず)、定着ローラ
5からなる。また、図1中において、Pは記録用紙、L
は上記露光手段から照射されて感光体ドラム2表面に静
電潜像を書き込む光ビームを示している。
【0025】感光体ドラム2は、所定方向(図1に示す
矢印A方向)に回転しており、まず、その外周表面が帯
電ローラ3によって均一に帯電される。均一帯電された
感光体ドラム2の表面には、露光手段により画像データ
に応じて制御される光ビームLが照射され、静電潜像が
形成される。
【0026】感光体ドラム2上に形成された上記静電潜
像は、感光体ドラム2の回転によって、現像装置1と対
向する位置まで移動し、該現像装置1によってトナーT
を供給されて可視化される(感光体ドラム2上にトナー
像が形成される)。このとき、現像装置1の現像ローラ
13は、感光体ドラム2に供給するトナーTを担持搬送
するために所定方向(図1に示す矢印B方向)に回転し
ている。
【0027】尚、本実施の形態では、感光体ドラム2は
有機光半導体で構成されており、帯電ローラ3により帯
電して、周速度が50〜150mm/sでA方向に回転
している。現像ローラ13は、円筒状の導電性ゴム弾性
材料の円筒状ローラ22にITO膜(Indium Tin Oxid
e)21が積層して構成されており、感光体ドラム2と
等しい周速度でB方向に回転している。供給ローラ12
は、円筒状の発泡性ゴム弾性材料で構成されており、感
光体ドラム2と等しい周速度でC方向に回転している。
【0028】転写用放電ローラ4は、感光体ドラム2上
に現像によって形成されたトナー像を記録用紙Pに転写
する。感光体ドラム2の回転方向における転写用放電ロ
ーラ4の下流側には、さらにクリーニング手段および除
電手段が配置され、該クリーニング手段は転写後の感光
体ドラム2表面の残留トナーTを除去し、該除電手段は
感光体ドラム2表面を除電する。
【0029】トナー像が転写された後の記録用紙Pは定
着ローラ5に搬送され、該記録用紙Pが上下一対の定着
ローラ5の間を通過する際に加熱および加圧を受け、転
写形成されたトナー像が記録用紙P上に定着される。
【0030】次に、現像装置1における現像の詳細過程
を説明する。
【0031】現像装置1では、上述したように、供給ロ
ーラ12より現像ローラ13表面にトナーTを順次供給
して、現像ローラ13がトナーTを保持した状態で等速
回転運動する。これにより、現像ローラ13によって搬
送されるトナーTが現像ローラ13とトナー帯電ローラ
14とが対向する位置に案内され、現像ローラ13上の
トナーTの層厚が規制される。
【0032】このとき、トナーTはトナー帯電ローラ1
4を構成する光電膜40および紫外線発光器43によっ
て、電荷を与えられ、現像に必要な帯電量まで帯電され
る。すなわち、トナー帯電ローラ14に形成された光電
膜40に対して紫外線発光器43から照射光hνを照射
することによって、光電効果によって光電膜40から光
電子が誘起される。この光電子は光電膜40の被照射面
とは反対側の面、すなわちトナーTに対向する側の面か
ら現像ローラ13上のトナーTに向けて放出され、トナ
ーTが所望の帯電量に帯電する。尚、上記紫外線発光器
43の発光は、現像ローラ13の回転と同期させれば、
すなわち、現像ローラ13が回転している時だけ発光さ
せるようにすれば、電力消費の増加につながる不必要な
発光を抑制でき好ましい。
【0033】続いて、上記トナー帯電ローラ14の具体
的構成を説明する。
【0034】上記トナー帯電ローラ14は、基材として
紫外線透過性を有する透明アクリル樹脂よりなる円筒状
ローラ42を使用しており、内部に紫外線発光器43を
配置した構成となっている。円筒状ローラ42には、外
周面に導電性ITO膜41と光電膜40が例えば蒸着に
よってこの順に積層されており、現像ローラ13と等速
度で駆動回転している。
【0035】また、光電膜40を形成する材料は、光の
照射を受けたときに光電効果が生じるものであれば、A
l、Ta等の金属、Mg−Ag等の合金、半導体、導電
ポリマーなどであってもよい。また、光触媒に使用され
る酸化チタンであってもよい。
【0036】トナー帯電ローラ14によって所定の帯電
量まで帯電されたトナーTは、さらに現像ローラ13の
回転によって感光体ドラム2との対向部まで送られ、感
光体ドラム2の表面上の静電潜像に対して、静電的に供
給され、該静電潜像をトナー像として現像(可視化)す
る。
【0037】次に上記トナー帯電ローラ14における、
光電効果による電子放出を図2に基づいて説明する。
【0038】トナー帯電ローラ14の代わりに擬似的に
帯電板50を使用して実験を行った。帯電板50は、厚
さ1mm〜5mmの透明アクリル基板51の表面に、I
TO膜52と、GaAs膜53とを、この順に真空蒸着
させて作成した。ITO膜52とGaAs膜53とはと
もに数10nmの厚さとした。GaAs膜53は光電効
果のある半導体であり、光電子放出手段として使用し
た。そして、帯電板50に対しGaAs膜53の蒸着面
とは反対側から光を照射する紫外線発光器55を配し
た。
【0039】この帯電板50の表面にトナーTの材料で
あるPES(ポリエステル樹脂)膜54を10μm〜1
00μmの厚さで載置し、紫外線発光器55から、矢印
で示すように、波長350nmの照射光hνを0.1m
W/cm2〜10mW/cm2の照射エネルギーで、数秒
間照射した。
【0040】紫外線発光器55からの照射光hνは基板
51、ITO膜52およびGaAs膜53を透過し、G
aAs膜53のPES膜54と接する面に届く。照射光
hνはGaAs膜53の仕事関数以上のエネルギーをも
っており、この光が照射されることでGaAs膜53表
面からPES膜54へ電子が放出された(光電効果)。
これにより、PES膜54表面は、−30V〜−150
Vに帯電された。
【0041】このように、帯電板50とPES膜54と
は、速度差を持って接触させることなく、静止状態のま
ま帯電することが可能である。同様に、本発明のトナー
帯電ローラ14(図1参照)においても、トナーTと速
度差を持って接触させることなく、トナーTに帯電可能
である。
【0042】以上のように、トナー帯電ローラ14は、
光電効果によって、トナー帯電ローラ14およびトナー
Tに対して加圧力および熱的負荷をかけることなく、ト
ナーTを帯電させることができる。よって、トナーTの
帯電特性の劣化を防ぎ、現像の信頼性を向上できる。
【0043】また、紫外線発光器43は光電膜40を挟
んでトナーTと反対側の位置に配される。これにより、
照射光hνが光電膜40に、間にトナーTを挟むことな
く、直接に照射される。よって、照射光hνの光量が減
衰されずに光電膜40に届き、光電効果の効率を良好に
保つことができる。また、紫外線発光器43がトナーT
によって汚染されることも防止される。ここで、トナー
帯電ローラ14は円筒状であって、その内部に紫外線発
光器43を配置した構成、すなわち紫外線発光器43が
トナー帯電ローラ14に覆われた構成であるため、トナ
ーTからの汚染防止効果はより顕著である。
【0044】また、トナー帯電ローラ14の表面粗度は
現像ローラ13の表面粗度よりも大きいことが好まし
い。これによれば、現像ローラ13とトナー帯電ローラ
14との間にトナーTが搬送されたときに、トナーTが
トナー帯電ローラ14側に付着して搬送されることが防
がれる。
【0045】また、トナー帯電ローラ14と現像ローラ
13との間に電気的バイアスを印加する構成としてもよ
い。これによれば、以下の2つの作用によって帯電効果
を向上させることができる。
【0046】まず、第1の作用として、上記電気的バイ
アスを印加することで、トナー帯電ローラ14と現像ロ
ーラ13との間に強電界が発生する。このとき、トナー
帯電ローラ14の光電膜40では電気力線が発生する。
光電膜40において、発生した光電子は、上記電気力線
に沿って移動し、現像ローラ13側に引き寄せられる。
すなわち、発生した光電子をトナーTの帯電に効率的に
使用できる。
【0047】次に、第2の作用として、現像ローラ13
側に引き寄せられた光電子は、上記電界の作用によって
加速される。そして加速された電子が、気体分子に衝突
すると、該気体分子が電子を放出してイオン化する。こ
のとき、気体分子より放出された電子も光電子と同様の
作用を生じるため、気体中の電子が急激に増加する、い
わゆる電子なだれの現象が発生する。この電子なだれに
よって生じた電子もトナーTの帯電に寄与するため、帯
電効率が大幅に向上する。
【0048】ただし、このような電子なだれを起こさせ
る場合は、加速された電子が気体分子に衝突するよう
に、トナーTとトナー帯電ローラ14の間に後述の図3
のようなギャップが必要となる。そのために、トナー帯
電ローラ14では、供給ローラ12でトナー帯電ローラ
14にトナーTを押し付ける、または層をつくるための
部材を供給ローラ12とトナー帯電ローラ14の間に設
ければ、このギャップを生じさせることができる。
【0049】次に、帯電板50に、以上のような電気的
バイアス印加手段を組み合わせた装置を用いて、光電膜
40に対する照射光hνの透過率と、その光電効果によ
り放出された電子量を測定した。まず、使用した装置を
図3を用いて以下に説明する。
【0050】トナー帯電ローラ14の代わりに、帯電板
50と同様な構造の帯電板60を用いた。但し、帯電板
60は、基板として石英ガラス製の基板61を使用し、
光電膜40として、アルミニウム膜63を用いて作成し
た。つまり、厚さ1mm〜5mmの基板61の表面に、
ITO膜62と、アルミニウム膜63とを、この順に真
空蒸着させた。ITO膜62は厚さ数10nmとし、ア
ルミニウム膜63の膜厚tは変化させて測定を行った。
帯電板60のアルミニウム膜63蒸着面とは反対側に図
示しない紫外線発光器を配した。
【0051】現像ローラ13の代わりには、電極板64
を作成した。これは、ガラス基板65の表面にITO膜
66を蒸着させたものである。
【0052】帯電板60と電極板64とは平行平板であ
り、その間には100μmのギャップが保たれている。
アルミニウム膜63にバイアス印加手段68により負の
バイアス電圧を印加し、電極板64上のITO膜66
は、エレクトロメータ67(アドバンテスト社製)を通
してグランドした。これにより、帯電板60が陰極、電
極板64が陽極となり、この間に電気的バイアスが印加
される。バイアス印加手段68はアルミニウム膜63と
直接接続される、もしくは、ITO膜62を介して接続
される。
【0053】この状態で、紫外線発光器より、矢印に示
すように照射光hνを帯電板60に向けて照射すると、
上述したような光電効果の向上がおこる。即ち、アルミ
ニウム膜63に照射された照射光hνにより、光電効果
が起こり、アルミニウム膜63の表面から上記ギャップ
へ電子が放出される。放出された電子は、ギャップの強
電界により電子なだれを起こし、増殖されてITO膜6
6に到達する。
【0054】この電子なだれは、ギャップ間の電界強度
が強いほどアルミニウム膜63から放出された電子が空
気中の分子に衝突し、増殖する機会が増え、流れる電流
が多くなる。しかし、電子が増殖した後の電流量は、初
めにアルミニウム膜63から放出される電子の数に比例
するため、陰極の性能、つまりアルミニウム膜63の光
電効果の性能を知るには、初めにアルミニウム膜63か
ら放出される電子の数が重要である。
【0055】このような装置を用いて、アルミニウム膜
63に対する照射光hνの透過率と、アルミニウム膜6
3から放出される電子量とを測定した結果を図4のグラ
フに示す。
【0056】このとき、アルミニウム膜63に印加され
る電圧は−100Vとし、照射光hνは紫外線を放出す
る蛍光ランプから照射される、波長が254nmのもの
とした。アルミニウム膜63の表面から放出される電子
量は、帯電板60と電極板64との間のギャップ(トナ
ーTが搬送されると想定される位置)での電流密度によ
って測定した。測定は空気中で行った。アルミニウム膜
63に対する照射光hνの透過率は、アルミニウム膜6
3の膜厚tを変化させて調整した。アルミニウム膜63
の膜厚tは成膜条件によって200nmまでの範囲で変
化させ、これにより透過率は2%〜78%に変化した。
【0057】図4のグラフは、縦軸が帯電板60と電極
板64との間のギャップでの電流密度を表し、横軸は照
射光hνのアルミニウム膜63に対する透過率とした。
【0058】これによれば、アルミニウム膜63の透過
率が50%以上、70%以下の範囲で放出電流密度が大
きく増加していることが分かる。特に、透過率55%〜
65%では1.5μW/cm2以上となり、さらに、透
過率60%では最大値1.6μW/cm2を示してい
る。
【0059】上記透過率が50%より小さくなる、つま
り、アルミニウム膜63を透過する照射光量が少なくな
ると、電流密度は約0.3μW/cm2以下となり、最
大値の約5分の1以下になる。
【0060】上述したように、光電効果は、アルミニウ
ム膜63表面にアルミニウム膜63の仕事関数以上のエ
ネルギーをもった光が照射されることでアルミニウム膜
63表面から電子が放出される現象である。よって、照
射光hνのうち、アルミニウム膜63の光電子が放出さ
れる側の面に届いた光が光電効果を引き起こす。
【0061】図3に示す装置では、照射光hνは帯電板
60のギャップ、すなわちトナーTが搬送されると想定
される位置とは反対側から照射される構成である。した
がって、アルミニウム膜63を透過して反対側の面に届
いた照射光hνのみがギャップでの光電子放出の測定値
に関与する。このため、照射光hνのアルミニウム膜6
3に対する透過率が低いと、ギャップへの電子の放出量
が減少する。
【0062】また、本実験では透過率はアルミニウム膜
63の膜厚によって調整しているため、上記透過率を7
0%以上にすると、アルミニウム膜63が薄くなり、連
続的に成膜することができなくなって途切れる。その箇
所では、電子放出ができないので電流密度がほぼ0μW
/cm2となっている。
【0063】以上のように、照射光hνのアルミニウム
膜63に対する透過率を50%以上、70%以下とする
ことで、光電効果の効率が上がる。光電効果の効率が上
がると、照射手段の光源の出力を上げることなく、電子
放出量を増加させることができるので、省エネ化、およ
びランプの長寿命化を図ることができる。
【0064】例えば、上記透過率が60%のアルミニウ
ム膜63を光電膜として用いた場合、上記ギャップでの
電流密度は1.6μW/cm2であり、透過率が20%
の場合の電流密度、0.3μW/cm2の約5倍の電子
を放出できる。光電効果による電子放出量は照射光hν
の強さ、即ち、蛍光ランプの出力に比例するため、透過
率が60%のアルミニウム膜63を光電膜として使用す
れば、透過率が20%のものを使用したときと比べて、
蛍光ランプの出力を5分の1に抑えることができる。し
たがって、消費電力を抑えることができるとともに、蛍
光ランプの長寿命化を図ることができ、また、紫外線に
よるアルミニウム膜63の劣化スピードを抑えることも
できる。
【0065】なお、アルミニウム膜63の厚さと、波長
が254nmの照射光hνのアルミニウム膜63に対す
る透過率との関係は、アルミニウム膜63の膜厚が10
nmの時は透過率が70%であり、アルミニウム膜63
の膜厚50nmの時は、透過率50%となる。
【0066】よって、照射光hνとして波長254nm
の紫外光を使用し、アルミニウム膜63の膜厚を10n
m以上、50nm以下とすれば、上記透過率は50%以
上、70%以下となり、最適になる。
【0067】以上の実験と同様に、図1の本実施の形態
においても、紫外線発光器43は光電膜40を挟んでト
ナーTが搬送される位置とは反対側に配される。よっ
て、光電膜40に対する紫外線発光器43からの照射光
hνの透過率は、50%以上、70%以下とすること
で、光電効果の効率が上がる。これにより、紫外線発光
器43の光源の出力を上げることなく、十分に現像剤を
帯電でき、省エネ化、およびランプの長寿命化を図るこ
とができ、また、紫外線による光電膜40の劣化スピー
ドを抑えることもできる。
【0068】また、光電膜40の材料をアルミニウムと
し、その膜厚を10nm以上、50nm以下とすること
でより一層光電効果の効率が上がる。
【0069】なお、本実施の形態では、帯電装置として
円筒形状のものを例に挙げて説明したが角筒形状などで
あってもよく、また、筒状でなく、ブレード状であって
もよい。また、現像槽11の中で帯電を行うものであっ
てもよい。しかし、帯電装置を円筒形状とすれば、帯電
装置の外周面全域にトナーTが均一に付着し、トナーへ
の帯電性能を上げることができる。
【0070】また、照射手段として紫外光を発光するも
のを使用したが、既存の照射手段を用い、照射手段と光
電子放出手段の間に波長変更手段を設けて、最適な波長
に変えて、光電子放出手段に照射してもよい。この場
合、既存の照射手段を使用することでコストの低廉化を
図ることができ、また、任意の波長に変更することがで
きる。
【0071】また、照射光hνは、光電効果を得られる
光であれば紫外光である必要はない。
【0072】
【発明の効果】本発明にかかる帯電装置は、以上のよう
に、光が照射されると光電効果によって電子が現像剤に
向けて放出される光電子放出手段と、上記光電子放出手
段に対し光を照射する照射手段とを備え、上記照射手段
は、上記光電子放出手段を挟んで現像剤が搬送される位
置とは反対側に配され、光電子放出手段に対する照射手
段からの照射光の透過率が、50%以上、70%以下と
する構成である。
【0073】上記の構成によれば、上記帯電装置は、光
電効果によって電子が現像剤に向けて放出されて現像剤
を帯電させるので、上記現像剤に機械的、熱的負荷をか
けることがなく、現像剤の破壊や融着を防止することが
できる。
【0074】また、照射手段が光電子放出手段を挟んで
現像剤が搬送される位置とは反対側の位置に配されるこ
とにより、光電効果の効率が上がる。さらに、照射手段
が現像剤によって汚染されることも防止される。
【0075】また、光電子放出手段に対する上記照射光
の透過率を50%以上とすることで、帯電効率を上げる
ことができ、70%以下とすることで安定に帯電を行う
ことができる。
【0076】よって、光電子放出手段が効率よく電子を
放出でき、照射手段の光源の出力を上げることなく、十
分に現像剤を帯電できるので、省エネ化、およびラン
プ、光電子放出手段の長寿命化を図ることができるとい
う効果を奏する。
【0077】本発明の帯電装置は、以上のように、上記
構成に加えて、光電子放出手段は、膜厚10nm以上、
50nm以下のアルミニウム膜とする構成である。
【0078】上記の構成により、光電子放出手段が膜厚
10nm以上、50nm以下のアルミニウム膜とすれ
ば、上記の構成による効果に加えて、一層光電子放出手
段の透過率を最適化でき、光電子放出手段がより効率よ
く電子を放出する。したがって、より一層の省エネ化、
およびランプの長寿命化を図ることができるという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る電子写真装置の概
略構成を示す断面図である。
【図2】光電効果による電子放出の実験に使用した帯電
装置の要部を示す断面図である。
【図3】光電効果による電子放出の実験に使用した他の
帯電装置の要部を示す断面図である。
【図4】アルミニウム膜に対する照射光の透過率と、帯
電板および電極板の間のギャップでの電流密度との関係
を示すグラフである。
【符号の説明】
1 現像装置 2 感光体ドラム 3 帯電ローラ 4 転写用放電ローラ 5 定着ローラ 11 現像槽 12 供給ローラ 13 現像ローラ 14 トナー帯電ローラ(帯電装置) 21 ITO膜 22 円筒状ローラ 40 光電膜(光電子放出手段) 41 ITO膜 42 円筒状ローラ 43 紫外線発光器(照射手段) 50 帯電板 51 基板 52 ITO膜 53 GaAs膜 54 PES膜 55 紫外線発光器 60 帯電板 61 基板 62 ITO膜 63 アルミニウム膜 64 電極板 65 基板 66 ITO膜 67 エレクトロメータ 68 バイアス印加手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸泉 潔 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 足立 克己 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 佐久間 将実 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H077 AD06 AD14 AE00 DB14 FA14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静電潜像を可視像に現像する現像剤を帯電
    させる帯電装置において、 光が照射されると光電効果によって電子が現像剤に向け
    て放出される光電子放出手段と、 上記光電子放出手段に対し光を照射する照射手段とを備
    え、 上記照射手段は、上記光電子放出手段を挟んで現像剤が
    搬送される位置とは反対側に配され、光電子放出手段に
    対する照射手段からの照射光の透過率が、50%以上、
    70%以下であることを特徴とする帯電装置。
  2. 【請求項2】上記光電子放出手段は、膜厚が10nm以
    上、50nm以下のアルミニウム膜であることを特徴と
    する請求項1に記載の帯電装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007500924A (ja) * 2003-07-31 2007-01-18 アクセリス テクノロジーズ インコーポレーテッド イオンビームガイド内の光電子を使用してイオンビームを閉じ込めるための装置および方法

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