JP2003215737A - 荷電素粒子の飛跡検出用ハロゲン化銀乳剤シートとその処理方法 - Google Patents

荷電素粒子の飛跡検出用ハロゲン化銀乳剤シートとその処理方法

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JP2003215737A
JP2003215737A JP2002272302A JP2002272302A JP2003215737A JP 2003215737 A JP2003215737 A JP 2003215737A JP 2002272302 A JP2002272302 A JP 2002272302A JP 2002272302 A JP2002272302 A JP 2002272302A JP 2003215737 A JP2003215737 A JP 2003215737A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン化銀乳剤が塗布された荷電素粒子の
飛跡検出用シートに蓄積された宇宙線による潜像を、実
験をスタートする前に消去(Background-Trackの消去)
する処理(強制fading処理)に対する適性を有する、新
規構成からなる荷電素粒子の飛跡検出用ハロゲン化銀乳
剤シートの提供およびその安定な処理方法を提供する。
また原子核乾板を大量に生産し使用するときに生じる問
題点を解決した、荷電素粒子の飛跡検出用ハロゲン化銀
乳剤シートを提供する。 【解決手段】 透明支持体の両面にそれぞれ少なくとも
1層のハロゲン化銀乳剤層と少なくとも1層の親水性保
護コロイド層を有する、荷電素粒子の飛跡検出用ハロゲ
ン化銀乳剤シートにおいて、少なくとも1層のハロゲン
化銀乳剤層中にベンゾトリアゾール類から選ばれた化合
物を含有する荷電素粒子の飛跡検出用ハロゲン化銀乳剤
シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷電素粒子の飛跡
を記録、検出するための原子核乾板であるハロゲン化銀
乳剤シートとその処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】宇宙線や原子核反応の荷電素粒子の飛跡
を記録し、その特性を解析研究するための手段のひとつ
として原子核乾板が利用されてきた(例えば、非特許文
献1〜3等参照)。この原子核乾板は、通常、ガラス板
あるいはプラスチックフィルムなどの透明支持体の片面
あるいは両面に数十から数百μmの厚さにハロゲン化銀
乳剤を高密度で塗布したものである。この原子核乾板で
は、荷電粒子がハロゲン化銀乳剤中のハロゲン化銀結晶
内を通過するときハロゲン化銀結晶がエネルギーを受け
電離作用によって発生した電子によりその結晶内に潜像
が形成される。電子線やα線などの荷電粒子ではその飛
跡に沿ってハロゲン化銀粒子に潜像が形成される。一方
γ線やX線ではその飛跡に沿って直接潜像が形成される
のではなく、光電効果やコンプトン効果などにより生じ
た電子の飛跡上に潜像が形成される。潜像の形成された
原子核乾板は、現像処理をすることによって黒化銀とし
て可視化される。可視化された黒化銀粒子は光学顕微鏡
で観察することによって、その飛跡をとらえ、荷電粒子
等の種類と性質を識別することが可能となる。π中間子
や、ミュー粒子、τ粒子、チャーム粒子などを直接捕ら
えることができる原子核乾板の、素粒子物理学の進歩に
貢献した役割は大きい。
【0003】このような使い方をする原子核乾板用のハ
ロゲン化銀乳剤は、飛跡の単位長さあたり形成される現
像銀粒子数(通常、最小電離粒子の電子線に対する値を
基準として求められ、100μmあたりの個数;Grain
Density=GDであらわされる)が高く、かぶり(1
000μmあたりのかぶり粒子数;Fog Density=F
D)が著しく少ない性能を有するものが要求される。そ
の目的のため、通常、粒子サイズの揃った微粒子の臭化
銀または沃臭化銀結晶を高密度でゼラチンバインダー中
に分散した乳剤が供給されてきた。
【0004】ところで、原子核乾板はハロゲン化銀乳剤
が支持体上に塗布されてから実験に使用するに至るまで
の間に、自然放射線や宇宙線の被曝を受けて、潜像の形
成が蓄積され、本来目的とする荷電粒子の飛跡解析にと
って、邪魔なノイズとなる飛跡が形成されるのは避けら
れない。そのためこれらの影響を極力少なくするため
に、従来、実験をスタートする直前に研究者が実験現場
でハロゲン化銀乳剤を塗布して使用するといったやり方
がとられてきた。しかし、手間がかかり、かつ、均一塗
布が容易でないなど満足しうる方法ではなかった。そこ
で、塗布された乾板に蓄積された宇宙線による潜像を、
実験をスタートする前に消去(バックグラウンド・トラ
ック(Background-Track)の消去)するための処理(リ
フレッシュ処理(強制フェーディング(fading)処理)
と呼ばれる)をおこなったうえで使用する方法等が開発
されている。
【0005】しかしながら、従来の原子核乾板用に供給
されてきたハロゲン化銀乳剤では、フェーディング処理
によって十分に潜像が消去できない、かぶりが上昇して
しまう、あるいは、潜像が消去できたとしても、目的と
する処理後の感度が低下してしまうなどの欠点があり、
フェーディング処理適性の良好な原子核乾板の提供が強
く望まれていた。
【0006】また、従来の原子核乾板は、大量に取り扱
う場合、スリかぶりが出やすいこと、乾板同士が接着し
やすいこと、ガラス板の場合は質量が重く破損しやすい
こと等の問題点を有していた。
【0007】一方、従来の原子核乾板の現像処理は、黒
白写真感光材料の処理に用いられるメトール/ハイドロ
キノン系現像液を用いて行うこともできるが、乳剤層の
厚い原子核乾板の処理では、現像主薬としてアミドール
を用い、低いpHで低温度長時間の現像を行う方法が一般
的に用いられてきた(非特許文献2又は3等参照)。
【0008】
【非特許文献1】「科学写真便覧」,上巻,丸善
(株),11.4節
【非特許文献2】「科学写真便覧」,下巻,丸善
(株),4.1節(p.140-141)
【非特許文献3】三浦功、他2名共著,「物理学選書7
放射線計測学」,裳華房合名会社,第6章第3節(p.
182-183)
【0009】しかし、アミドール現像主薬は酸化されや
すいため、使用する直前に調液してもちいなければなら
ないという欠点をもっていた。このため大量の乾板を処
理するのに、安定で取り扱い性の良い、原子核乾板の処
理液の提供が求められていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フェ
ーディング処理適性の良好な新規構成からなる荷電素粒
子の飛跡検出、記録用ハロゲン化銀乳剤シートを提供す
ることである。さらに本発明の目的はその飛跡検出、記
録用ハロゲン化銀乳剤シートの安定な処理方法を提供す
るものである。特に、本発明の目的は、原子核乾板を大
量に生産し、かつ使用するときに生じる前述の問題点の
解決に好適な、荷電素粒子の飛跡検出用ハロゲン化銀乳
剤シートとその処理方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は以下に示
す処理方法によって達成することができた。すなわち本
発明は、(1)透明支持体の両面にそれぞれ少なくとも
1層のハロゲン化銀乳剤層と少なくとも1層の親水性保
護コロイド層を有する、荷電素粒子の飛跡検出用ハロゲ
ン化銀乳剤シートにおいて、少なくとも1層のハロゲン
化銀乳剤層中にベンゾトリアゾール類から選ばれた化合
物を含有することを特徴とする荷電素粒子の飛跡検出用
ハロゲン化銀乳剤シート、(2)透明支持体の両面にそ
れぞれ少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層と少なくと
も1層の親水性保護コロイド層を有する、荷電素粒子の
飛跡検出用ハロゲン化銀乳剤シートにおいて、ハロゲン
化銀乳剤層中にベンゾトリアゾール類から選ばれた化合
物を銀1モルあたり1×10−3〜1×10−2モル含
有することを特徴とする荷電素粒子の飛跡検出用ハロゲ
ン化銀乳剤シート、(3)透明支持体の両面にそれぞれ
少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層と少なくとも1層
の親水性保護コロイド層を有する、荷電素粒子の飛跡検
出用ハロゲン化銀乳剤シートにおいて、ハロゲン化銀の
塗布量が片面あたり0.1〜1.0モル/m、ゼラチ
ンの塗布量が片面あたり10〜100g/mであり各
親水性保護コロイド層中に平均粒子サイズ2μm以下の
マット剤を含有することを特徴とする(1)または
(2)項記載の荷電素粒子の飛跡検出用ハロゲン化銀乳
剤シート、(4)(1)、(2)または(3)項におい
て、ハロゲン化銀乳剤層中のハロゲン化銀乳剤が、臭化
銀または沃臭化銀からなり、ハロゲン化銀の粒子サイズ
が0.1〜0.3μmの単分散乳剤からなることを特徴
とする荷電素粒子の飛跡検出用ハロゲン化銀乳剤シー
ト、(5)(1)から(4)項のいずれかの荷電素粒子
の飛跡検出用ハロゲン化銀乳剤シートを一般式(A)で
表される化合物を現像主薬として含有する現像液で処理
することを特徴とする荷電素粒子の飛跡検出用ハロゲン
化銀乳剤シートの処理方法、一般式(A)
【0012】
【化3】
【0013】式中Rは水素原子、アルキル基、アリー
ル基、またはヘテロ環基を表す。(6)(1)〜(4)
項のいずれか1項の荷電素粒子の飛跡検出用ハロゲン化
銀乳剤シートの現像処理用である、上記一般式(A)で
表される化合物を現像主薬として含有する現像液を提供
するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる透明支持体
は、セルローストリアセテート、セルロースジアセテー
ト、ニトロセルロース、ポリスチレン、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレートなどからなる
50〜300μmのフィルムあるいはガラス板が用いら
れる。特に好ましくは、セルローストリアセテート、ポ
リスチレン、ポリエチレンテレフタレートフィルムであ
る。これらの支持体は、公知の方法でコロナ放電処理さ
れてもよく、また必要に応じ公知の方法で下引き加工処
理されてもよい。また温度や湿度の変化に対する寸法安
定性を高めるために、ポリ塩化ビニリデン系ポリマーを
含む防水層を設けても良い。
【0015】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤のハ
ロゲン組成は、結晶内の電子密度の高い臭化銀または沃
臭化銀である。塩化銀はかぶりが高くなりやすく、かつ
荷電粒子に対する飛跡感度が低いため好ましくない。沃
臭化銀の場合、沃化銀の含有率は好ましくは5モル%以
下、より好ましくは0.05〜3.0モル%の範囲であ
る。粒子サイズは大きいほうが個々の粒子の感度は高く
なるが、単位体積当たりの粒子数が少なくなるので、現
像銀粒子数(Grain Density)は低下してしまう。この
ため0.4μm以下のサイズの乳剤が好ましく用いられ
る。より好ましくは0.1〜0.3μmの単分散乳剤で
あり、(粒子サイズの標準偏差/平均粒子サイズ)×1
00で表される変動係数が20%以下好ましくは15%
以下のものである。ハロゲン化銀粒子の形状は立方体、
8面体、14面体が好ましい。
【0016】ハロゲン化銀乳剤の塗布量は、荷電素粒子
の飛跡検出用ハロゲン化銀乳剤シートを使用する目的に
よって異なるが、厚みが薄すぎると飛跡の読み取りが困
難になり、厚いと大量生産するとき、乾燥がネックにな
る。好ましくは、ハロゲン化銀が片面あたり0.1〜
1.0モル/m、ゼラチンバインダーは、好ましくは
10〜100g/mの量であり、膜厚で20〜100
μmである。塗布量が多いとき、2〜4回重ねて塗布す
ることは有効な手段である。
【0017】本発明は乳剤層のほかに、親水性の保護コ
ロイド層を有する。保護コロイド層には平均粒子サイズ
2μm以下のマット剤を有することが好ましい。マット
剤の平均粒子サイズは0.5〜2μmが好ましい。これ
はハロゲン化銀乳剤シートを製造する際あるいは、この
シートを取り扱う際にスリかぶりを防止すること、フィ
ルム同士の接着を防止することを目的としている。マッ
ト剤の平均サイズが3μmを越えると飛跡観察に影響を
与えるほか、シート同士が重ねられたときに黒ポツ状圧
力かぶりが発生して好ましくない。保護コロイド層の厚
みは0.5〜2μmが好ましい。保護コロイド層は好ま
しくはハロゲン化銀乳剤層の上に塗設される。マット剤
の添加量は保護層体積1cmあたり10〜100mg
が好ましい。マット剤としては、米国特許2,701,
245号、同2,992,101号、同4,142,8
94号、同4,396,706号に記載のポリメチルメ
タクリレートのホモポリマー、メチルメタクリレートと
メタクリル酸のコポリマー、シリカ、硫酸バリウムや硫
酸ストロンチウムあるいは酸化マグネシウムなどからな
るものが用いられる。
【0018】ハロゲン化銀乳剤層中にはベンゾトリアゾ
ール類からえらばれた化合物を含有する。ベンゾトリア
ゾール類からえらばれた化合物は銀1モルあたり、1×
10 −3〜1×10−2モル含有することが好ましい。
ベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、5−メチ
ルベンゾトリアゾール、5−ブチルベンゾトリアゾー
ル、5−クロロベンゾトリアゾール、5−ブロモベンゾ
トリアゾール、5,6−ジメチルベンゾトリアゾール、
5,6−ジクロロベンゾトリアゾール、4,6−ジクロ
ロベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾー
ル、4−ニトロ−6−クロロベンゾトリアゾール、5−
カルボキシベンゾトリアゾール、5−アミノベンゾトリ
アゾール、5−スルホベンゾトリアゾール、ベンゾトリ
アゾール、4,5,6−トリクロロベンゾトリアゾール
などが挙げられる。中でも特に好ましいのは、5−メチ
ルベンゾトリアゾールまたはベンゾトリアゾールであ
る。ベンゾトリアゾール化合物が、かぶりの上昇を防止
しかつ、銀核からなる潜像核を高湿度条件下で効率よく
破壊し、宇宙線被曝による飛跡を消去するのに有効な添
加剤であることは本発明においてはじめて見い出された
ものである。すなわち、本発明において、高湿度条件下
において潜像退行が大きく、通常の湿度から低湿度条件
下(65%以下)では性能が安定で、潜像退行の処理を
行った後の感度が変化しないハロゲン化銀乳剤層を有す
る荷電素粒子の飛跡検出用ハロゲン化銀乳剤シートが供
給できる。
【0019】本発明のハロゲン化銀乳剤シートには、製
造工程、保存中あるいは、現像処理中のかぶりを防止
し、あるいは写真性能を安定化する目的で種々の化合物
を含有させることができる。メルカプトテトラゾール
類、メルカプトピリミジン類、メルカプトトリアジン
類、オキシム類、アザインデン類、ジヒドロキシベンゼ
ン類、ジヒドロキシナフタレン類、ベンゼンチオスルホ
ン酸、ベンゼンスルフォン酸などのようなかぶり防止剤
または安定剤として知られた多くの化合物から選択して
添加することが好ましい。
【0020】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤の調
製方法は、ハロゲン化銀乳剤の分野で公知の種々の手法
が用いられる。たとえばP.Glafkides著「Chimi etPhys
ique Photographique」(Paul Montel社刊197
6)、G.F.Duffin著「Photografic Emulsion Chemist
ry」(The Focal Press社刊1966)、V.L.Zelikma
n et al著「Making and Coating Photographic E
mulsion」(TheFocal Press社刊1964)等に記載さ
れている方法を応用して調製することができる。水溶性
銀塩(硝酸銀水溶液)と水溶性ハロゲン塩を反応させハ
ロゲン化銀粒子を得る形式としては、片側混合法、同時
混合法、それらの組み合わせのいずれでもよい。同時混
合法のひとつの形式として、ハロゲン化銀の生成される
液相中の銀イオン濃度を一定に保つ方法、すなわちコン
トロールダブルジェット法をもちいることができる。ま
た、アンモニア、チオエーテル、チオ尿素化合物、チア
ゾリンチオン類などのいわゆるハロゲン化銀溶剤を使用
して粒子形成させることもできる。コントロールダブル
ジェット法およびハロゲン化銀溶剤を使用した粒子形成
方法は、結晶形が規則的で粒子サイズの揃った単分散の
ハロゲン化銀乳剤をつくるのに有効な手段である。
【0021】ハロゲン化銀粒子の形成過程において、イ
リジウム、ロジウム、ルテニウム、鉄などのVIII族金属
の塩や錯塩を添加して、ハロゲン化銀結晶内にドープす
ることができる。イリジウムや鉄錯体を含有させること
により、荷電粒子に対する感度(GDを指標とする)を
高めることができ有効な手段である。
【0022】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は金
増感およびイオウ増感をほどこしたものが用いられる。
金増感およびイオウ増感は感度を高めるのに有効な手段
である。金増感剤としてはたとえばカリウムクロロオー
ライト、カリウムオーリチオシアネート、オーリックト
リクロライドなどが挙げられる。イオウ増感剤としては
種々のイオウ化合物、たとえばチオ硫酸塩、チオ尿素
類、チアゾール類、チオスルホン酸類などが挙げられ
る。好ましい金増感剤およびイオウ増感剤の添加量は化
学熟成を行う温度、時間、pHおよびハロゲン化銀粒子
の大きさなどによってことなるが、銀1モルあたり10
−7〜10−2モルの範囲が好ましく用いられる。
【0023】本発明のハロゲン化銀乳剤層および親水性
保護コロイド層中には無機あるいは有機のゼラチン硬膜
剤を添加することができる。たとえばアルデヒド類(ホ
ルムアルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒ
ドなど)、活性ビニル化合物(1,3−ジビニルスルホニ
ル−2−プロパノール、1,2−ビス(ビニルスルホニル
アセトアミド)エタン、ビス(ビニルスルホニル)メタ
ン、1,3,5−トルアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−ト
リアジンなど)、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ
−6−ヒドロキシ−s−トリアジンなど)、クロム塩
(クロム明礬、酢酸クロムなど)、ムコクロム酸などが
挙げられる。なかでも活性ビニル化合物、活性ハロゲン
化合物が好ましく用いられる。
【0024】本発明のハロゲン化銀乳剤層および親水性
保護コロイド層中には、写真感光材料に用いられている
界面活性剤、帯電防止剤、すべり性改良剤、可塑剤、p
H調整剤、現像促進剤など各種の添加剤を含有させるこ
とができる。
【0025】つぎに本発明の飛跡検出用ハロゲン化銀乳
剤シートの処理方法について説明する。既存の原子核乾
板の処理方法として知られている、現像主薬としてアミ
ドールを用いる方法は、この乳剤シートの処理にも適用
される。しかし、前述したようにアミドール現像主薬は
酸化されやすいため、使用する直前に調液して用いなけ
ればならないという欠点をもっている。これに対し、一
般式(A)で表される、アスコルビン酸およびその誘導
体を現像主薬として含有する現像液を用いることで再現
性よく安定な処理が可能となる。一般式(A)
【0026】
【化4】
【0027】式中Rで表されるアルキル基は炭素数1
〜10の直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基であ
り、アリール基は炭素数6〜10のたとえばフェニル
基、ナフチル基であり、ヘテロ環基は炭素原子、窒素原
子、酸素原子あるいはイオウ原子から構成される5〜6
員環のヘテロ環基である。これらの基は置換基を有して
いてもよい。中でも好ましいのはOH基で置換されたア
ルキル基である。一般式Aで表される、アスコルビン酸
類およびその誘導体を含有した現像液はレントゲン感材
や印刷感材処理用の液として実用化されているものもあ
るが、原子核乾板の処理条件においても、アミドール現
像主薬を用いた現像条件と同様な条件で、かぶりの発生
が少なくかつ同等の飛跡感度をもたらす、有効な現像液
であることは本発明においてはじめて見い出されたもの
である。以下に具体的化合物を挙げる。
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】一般式(A)の化合物は現像使用液1リッ
トルあたり通常0.03モルから0.5モル、より好ま
しくは0.05〜0.3モルの量で用いられる。
【0031】本発明の現像処理方法に用いられる現像液
には、補助現像主薬として3−ピラゾリドン類(例えば
1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−
メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン)、
アミノフェノール類(例えばN−メチル−p−アミノフ
ェノール)から選ばれた化合物が組み合わせて用いられ
る。補助現像主薬の添加量は0.06モル/リットル以
下が好ましい。さらに公知の化合物、例えば亜硫酸塩な
どの保恒剤、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの
pH設定のために用いられるアルカリ剤、炭酸塩やホウ
酸塩、リン酸塩、スルホサリチル酸などのpH緩衝剤、
かぶり防止剤、KBrなどの現像抑制剤、有機溶剤、現
像促進剤、銀汚れ防止剤、界面活性剤、色調剤、消泡
剤、硬膜剤、キレート剤などを含有させてもよい。
【0032】現像液のpHは、使用液でpHは8以上、
より好ましくは9〜10.5の範囲である。pH緩衝剤
の中では、炭酸塩が好ましく、使用液1リットルあたり
0.1〜1.0モルの範囲、より好ましくは0.15〜
0.6モルの範囲である。保恒剤として添加される亜硫
酸塩の量は使用液1リットルあたり0.01モル以上好
ましくは0.02〜0.5モルの範囲である。現像液は
濃縮液として調液し、使用するときに所定の濃度に希釈
をして使うことは液の保存安定性の面からも有効な手段
である。
【0033】本発明の処理方法において定着処理には、
一般の黒白感光材料を処理するのに使用される公知の定
着液のいずれも用いることができる。定着主薬としては
チオ硫酸塩、例えばチオ硫酸アンモニウムやチオ硫酸ナ
トリウムが好ましく用いられる。チオ硫酸塩の含有量は
使用液1リットルあたり0.2〜3.0モル、好ましく
は0.5〜1.5モルの範囲で用いられるのが通常であ
る。保恒剤としては亜硫酸塩が一般的にもちいられる。
硬膜剤としては水溶性アルミニウム塩が用いられる。そ
の他、酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸
などのpH調整剤やアルミニウムイオンの安定化剤、ア
ミノポリカルボン酸などのキレート剤などを含有させて
もよい。
【0034】本発明の飛跡検出用ハロゲン化銀乳剤シー
トを処理する際に、現像液に入れる前に、硫酸ナトリウ
ムや硫酸カルシウムあるいはアルデヒド類を含有する水
溶液に浸漬して、処理中での乳剤層の膨潤膜厚をコント
ロールする方法は有効な手段である。また現像工程と定
着工程の間で、酢酸を含有する停止液に通されるのが通
常であるが、この液にアルデヒド類や水溶性アルミニウ
ム塩を添加して 膨潤膜厚をコントロールすることも可
能である。
【0035】予浸から現像、停止、定着、水洗の各処理
工程の時間と温度に制約はないが、高温で処理すると、
膜はがれや、レチキュレーション、ブリスターの発生、
ディストションの悪化をもたらしやすいため、25℃以
下好ましくは22℃以下で行うことが望ましい。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に
説明する。
【0037】実施例 1 〔ハロゲン化銀乳剤の調製〕以下の方法でハロゲン化銀
乳剤を調製した。 1液 水 40リットル ゼラチン 900g 臭化カリウム 30g 3,4−ジメチルチアゾリン−2−チオン 0.8g ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 0.1g 2液 水 10リットル 硝酸銀 12.5モル 硝酸アンモニウム 250g 3液 水 10リットル 臭化カリウム 12.6モル 沃化カリウム 0.5モル 硝酸アンモニウム 250g 4液 水 7リットル 硝酸銀 12.5モル 硝酸アンモニウム 250g 5液 水 7リットル 臭化カリウム 13.0モル フェリシアン化カリウム(1%) 1.5×10−3モル 上記1〜5液を準備した。55℃に保った1液中に同時
混合法で2液と3液を攪拌しながら30分間で添加し核
粒子を形成した。続いてコントロールダブルジェット法
でpAgを8.5に保ちつつ、4液と5液を攪拌しなが
ら20分間で添加した。5液は4液の添加終了と同時に
終了させた。
【0038】その後、常法にしたがってフロキュレーシ
ョン法によって水洗し、ゼラチンを1300g加え、p
H6.5に調整した。チオ硫酸ナトリウムを0.1gと
塩化金酸0.25gおよびベンゼンチオスルホン酸ナト
リウム0.5gを添加して60℃で50分間化学増感を
施した。防腐剤としてフェノキシエタノールを100g
加え、20kgの乳剤を得た。形成された沃臭化銀粒子は
平均粒子サイズ0.2μm、変動係数9%の単分散乳剤
であった。
【0039】〔塗布試料(A−I)の作成〕上記乳剤1
kgに5−メチルベンゾトリアゾールを0.6g(銀1
モルあたり3.6×10−3モル相当)、可塑剤として
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートを
4.5g、かぶり防止および安定剤として1−フェニル
−5−メルカプトテトラゾールを10mg、1,5−ジヒ
ドロキシ−2−ベンズアルドキシムを1.0g、2,3
−ジヒドロキシナフタレンを0.25g、硬膜剤として
1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタンを
0.25g添加、混合して乳剤層塗布液(a)を作成し
た。
【0040】親水性保護コロイド層塗布液はゼラチン1
00gあたり、防腐剤としてフェノキシエタノールを
3.5g、粒径10〜20nmのコロイダルシリカを1
0gおよびp−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
1g、N−パーフルオロオクタンスルホニル−N−プロ
ピルグリシンを0.3g添加し、さらにマット剤として
平均粒子サイズ1μmの硫酸ストロンチウム4gを添加
して保護層塗布液(I)を作成した。
【0041】厚さ200μmのセルローストリアセテー
ト透明支持体に上記作成した乳剤層塗布液(a)を1回
の塗布で銀量25g/mおよび保護層塗布液(I)を
ゼラチン1.0g/mとなるように塗布乾燥し、両面
に繰り返し2回ずつ塗布した。乾燥後25℃60%の環
境下で調湿し、片面あたり銀量50g/m、膜厚45
μm(ゼラチン量約35g/m)からなる塗布試料
(A−I)を作成した。
【0042】〔塗布試料(B−I)および(C−I)の
作成〕5−メチルベンゾトリアゾールを含有しない以外
は上記の乳剤層塗布液(a)と全く同様の組成の乳剤層
塗布液(b)又は乳剤層塗布液(a)の5−メチルベン
ゾトリアゾールを0.1g(銀1モルあたり0.6×1
−3モル相当)に変更した乳剤層塗布液(c)を用い
た以外は塗布試料(A−I)と全く同様にして、保護層
塗布液(I)と組み合わせて、同様の方法で塗布試料
(B−I)および(C−I)を作成した。
【0043】〔電子線の照射〕得られた(A−I)(B
−I)(C−I)の各試料をポリエチレンでコートした
遮光袋に詰めて、真空引きし密封後、数十MeVの電子線
を試料に対して平行に照射した。この場合電子線はハロ
ゲン化銀乳剤層中を縦に透過する。
【0044】〔現像処理〕この電子線照射後の試料を以
下の工程で現像処理した。 1予浸液 20℃ 15分 2現像液 20℃ 25分 3停止液 20℃ 10分 4定着液 20℃ 30分 5水洗 20℃ 30分 6乾燥 25℃ 相対湿度60%で自然乾燥
【0045】各液の処方は以下のとおりである。 1予浸液 硫酸ナトリウム 70g イオン交換水 1リットル 2現像液 現像主薬(A−1) 60g ジエチレントリアミン5酢酸 8g 臭化カリウム 12g 亜硫酸ナトリウム 20g 炭酸カリウム 70g 炭酸ナトリウム 40g 4-メチル-4-ヒト゛ロキシメチル-1-フェニル-3-ヒ゜ラソ゛リト゛ン 12g 2,5-シ゛メルカフ゜ト-1,3,4-チアシ゛アソ゛ール 0.2g 3-3’-シ゛チオヒ゛スヒト゛ロ桂皮酸 1.4g ジエチレングリコール 50g NaOHと水を加えて pH=9.8で合計量1リットルの液とし た、この液1に水3の割合(容積比)で加え使用 液とした。 3停止液 酢酸 5%溶液に 硫酸アルミニウムを5g/リットル 添加した液 4定着液 チオ硫酸アンモニウム 120g エチレンジアミン4酢酸2Na2水塩 0.03g チオ硫酸ナトリウム5水塩 11g 亜硫酸ナトリウム 24g 酒石酸 3g グルコン酸ナトリウム 2g 硫酸アルミニウム 8g 酢酸ナトリウム 38g 硫酸と水を加えて pH4.8で合計量1リットルの液とした。
【0046】次に、電子線飛跡潜像の消去を行うため、
上記電子線照射後のサンプルと同様の試料を30℃90
%の温湿度条件下に3日間放置後25℃相対湿度60%
で調湿し、リフレッシュ処理し、その後で、同様に現像
処理する試験も行った。また、上記の試料(A−I)、
(B−I)及び(C−I)を電子線照射前に30℃相対
湿度90%の温湿度条件下に3日間放置後25℃相対湿
度60%に調湿した試料を遮光袋に詰めて、電子線照射
し同様の現像処理する試験を行った。
【0047】処理した各試料をキーエンス社のマイクロ
スコープで観察し、電子線飛跡100μmあたりの現像
粒子数(GD)と、1000μmあたりのかぶり粒子
数(FD)を評価した。
【0048】得られた結果を表1に示す。GDは電子線飛
跡100μあたりの現像粒子を表し、数値が大きいほど
感度が高いことを示している。FDは電子線飛跡や、宇宙
線被曝による飛跡を受けていない部分における、乳剤体
積1000μmあたりのかぶり粒子数を表す。FD値は
小さいことが望ましく、10以上では、飛跡の識別が困
難になり、好ましくは8以下、さらに好ましくは6以下
である。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】本発明の試料A−IはFDが低く良好で、
30℃相対湿度90%3日のリフレッシュ処理によっ
て、GDを10以下のレベルまで飛跡を消去できる。こ
のレベルは目標としない宇宙線による被曝の飛跡を見出
すことがかなり困難なレベルである。また、リフレッシ
ュ処理後も、FDが小さく、GDの低下も少なく、荷電
素粒子の飛跡検出用ハロゲン化銀乳剤シートとして十分
満足する性能を有している。5−メチルベンゾトリアゾ
ールの添加されていない比較試料B−Iは、リフレッシ
ュ処理による飛跡の消去が不十分であり、かつかぶり粒
子数FDの増加が著しい。5−メチルベンゾトリアゾール
を銀1モルあたり0.6×10−3モル相当添加した比
較試料C−Iでは、かぶりレベルが低下し良化する傾向
であるが、飛跡の消去が不十分である。
【0052】実施例 2 〔塗布試料(A−II)の作成〕塗布試料(A−I)の作
成において、保護層塗布液(I)のかわりに平均粒子サ
イズ3.5μmのシリカマット剤を4g添加した塗布液
(II)に変更した以外は、(A−I)の場合と同様の方
法で塗布試料(A−II)を作成した。
【0053】実施例1の塗布試料(A−I)とこの実施
例の(A−II)について、実施例1と同様にポリエチレ
ンでコートした遮光袋に詰めて、真空引きし密封後、数
十MeVの電子線を試料に対して平行に照射した。現像処
理は実施例1と同様の同様の方法及び条件でおこなっ
た。処理した各試料をキーエンス社のマイクロスコープ
で観察した。平均粒子サイズ3.5μmのシリカマット
剤を使用した(A−II)の試料は、サンプルの表面にマ
ット剤に起因する黒ポツ状圧力かぶりの発生がみられ
た。本発明の試料(A−I)は、黒ポツ状かぶりの発生
が見られなかった。
【0054】実施例 3 実施例1の方法で作成した試料(A−I)を実施例1と
同様の方法で電子線照射した後、現像液のみを以下の
−1,−2処方および−1,−2を用いる以外は
実施例1と同様の工程で現像処理した。 現像液処方−1:実施例1の現像液処方と同じで、処
理の直前に原液1に水3の割合で希釈した液。 現像液処方−2:現像液処方−1の使用液1リット
ルを深さ5cmになるように容器に入れ、25℃で24時
間空気と接触させて放置した液。 現像液処方−1:現像主薬 アミドール 3.0g 亜硫酸ナトリウム 12.0g 臭化カリウム 0.4g 使用直前に水を加え pH=6.7で合計量1Lにした液。 現像液処方−2:現像液処方−1の液1リットルを
深さ5cmになるように容器に入れ、25℃で24時間空
気と接触させて放置した液。
【0055】処理した各試料をキーエンス社のマイクロ
スコープで観察し、電子線飛跡100μmあたりの現像
粒子数(GD)と、1000μmあたりのかぶり粒子
数(FD)を評価した。
【0056】得られた結果を表3に示す。評価基準は表
1の場合と同様である。
【0057】
【表3】
【0058】現像液−1および−2を用いた場合
は、空気酸化させてもGDの低下が小さく、安定性のよ
い処理であることがわかる。一方アミドール現像主薬を
用いた現像液は調液直後の使用(−1)においては、
−1と同等レベルの性能を発揮できるが、空気酸化し
た現像液−2をもちいると感度低下をもたらし、安定
性が悪くなることがわかる。
【0059】
【発明の効果】発明の荷電素粒子の飛跡検出・記録用ハ
ロゲン化銀乳剤とシートは、フェーディング処理適性が
優れ、目的の荷電素粒子の飛跡の記録、検出の信頼性を
高めることができる。したがってこのハロゲン化銀乳剤
シートは、原子核乾板として安定で取り扱い性が優れ
る。また本発明の処理方法によれば、原子核乾板の処理
を安定して行うことができる。また前記の一般式(A)
で表される化合物を含む現像液は、この原子核乾板の処
理に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 1/047 G03C 1/047 1/34 1/34 1/74 1/74 1/76 501 1/76 501 5/30 5/30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体の両面にそれぞれ少なくとも
    1層のハロゲン化銀乳剤層と少なくとも1層の親水性保
    護コロイド層を有する、荷電素粒子の飛跡検出用ハロゲ
    ン化銀乳剤シートにおいて、少なくとも1層のハロゲン
    化銀乳剤層中にベンゾトリアゾール類から選ばれた化合
    物を含有することを特徴とする荷電素粒子の飛跡検出用
    ハロゲン化銀乳剤シート。
  2. 【請求項2】 透明支持体の両面にそれぞれ少なくとも
    1層のハロゲン化銀乳剤層と少なくとも1層の親水性保
    護コロイド層を有する、荷電素粒子の飛跡検出用ハロゲ
    ン化銀乳剤シートにおいて、ハロゲン化銀乳剤層中にベ
    ンゾトリアゾール類から選ばれた化合物を銀1モルあた
    り1×10−3〜1×10−2モル含有することを特徴
    とする荷電素粒子の飛跡検出用ハロゲン化銀乳剤シー
    ト。
  3. 【請求項3】 透明支持体の両面にそれぞれ少なくとも
    1層のハロゲン化銀乳剤層と少なくとも1層の親水性保
    護コロイド層を有する、荷電素粒子の飛跡検出用ハロゲ
    ン化銀乳剤シートにおいて、ハロゲン化銀の塗布量が片
    面あたり0.1〜1.0モル/m、ゼラチンの塗布量
    が片面あたり10〜100g/mであり各親水性保護
    コロイド層中に平均粒子サイズ2μm以下のマット剤を
    含有することを特徴とする請求項1または2記載の荷電
    素粒子の飛跡検出用ハロゲン化銀乳剤シート。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3において、ハロゲ
    ン化銀乳剤層中のハロゲン化銀乳剤が、臭化銀または沃
    臭化銀からなり、ハロゲン化銀の粒子サイズが0.1〜
    0.3μmの単分散乳剤からなることを特徴とする荷電
    素粒子の飛跡検出用ハロゲン化銀乳剤シート。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかの荷電素粒子
    の飛跡検出用ハロゲン化銀乳剤シートを一般式(A)で
    表される化合物を現像主薬として含有する現像液で処理
    することを特徴とする荷電素粒子の飛跡検出用ハロゲン
    化銀乳剤シートの処理方法。 一般式(A) 【化1】 式中Rは水素原子、アルキル基、アリール基、または
    ヘテロ環基を表す。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項の荷電素粒
    子の飛跡検出用ハロゲン化銀乳剤シートの現像処理用で
    ある、一般式(A)で表される化合物を現像主薬として
    含有する現像液。一般式(A) 【化2】 式中Rは水素原子、アルキル基、アリール基、または
    ヘテロ環基を表す。
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