JP2003215225A - 時間差方位検出装置 - Google Patents

時間差方位検出装置

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JP2003215225A JP2002019065A JP2002019065A JP2003215225A JP 2003215225 A JP2003215225 A JP 2003215225A JP 2002019065 A JP2002019065 A JP 2002019065A JP 2002019065 A JP2002019065 A JP 2002019065A JP 2003215225 A JP2003215225 A JP 2003215225A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置規模を大きくすることなく高精度なパル
ス到来方位の測定ができる時間差方位検出装置を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 2以上の受信系1a,1bと信号処理部
30からなり、上記受信系1a,1bが、一連のパルス
信号を受信する空中線11a,11bと、受信パルスを
検出して受信パルスごとにパルス到来時刻を求めるパル
ス検出部12a,12bを備え、上記信号処理部30
が、各受信系で求められた一連のパルス信号に関する複
数のパルス到来時刻について、各受信系ごとに統計処理
を行って、受信系間のパルス到来時刻の時間差を求める
複数パルス時間差算出部32と、パルス到来方位を求め
る方位算出部33を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、時間差方位検出装
置に係り、更に詳しくは、2以上の空中線を用いて、パ
ルス発信源から繰り返し送信されるレーダパルスなどの
パルス信号を各空中線で受信し、パルス到来時刻の時間
差からパルス発信源の方位を測定する時間差方位検出装
置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】図15は従来の時間差方位検出装置の一
構成例を示したブロック図である。この時間差方位検出
装置は、受信系1a、1bおよび信号処理部30により
構成されている。受信系1aは、パルス信号を受信する
空中線11aと、到来するパルスを逐次検出して、パル
ス到来時刻(TOA:time of arrival)を付加して記
録するパルス検出部12aにより構成される。
【0003】また、受信系1bも、受信系1aと同様、
パルス信号を受信する空中線11bと、到来するパルス
を逐次検出してパルス到来時刻を付加して記録するパル
ス検出部12bにより構成されている。ただし、受信系
1bの空中線11bは、受信系1aの空中線11aから
所定距離だけ隔てられた場所に設置されている。また、
受信系1bのパルス検出部12bは、受信系1aのパル
ス検出部12aと時刻同期がとられている。
【0004】信号処理部30は、各受信系1a,1bに
おけるパルス到来時刻の時間差をパルスごとに算出する
単パルス時間差算出部31と、パルス到着時刻の時間差
に基づいて到来パルス方位を算出する方位算出部33に
より構成される。単パルス時間差算出部31は、各受信
系1a,1bそれぞれにおいてパルス到来時刻が記録さ
れたパルスについて、対応するパルスごとに受信系1
a,1b間における時間差を求めている。方位算出部3
3は、このパルス到来時刻の時間差と、空中線11a,
11b間の距離と、電波伝搬速度とに基づいて到来パル
ス方位を算出している。
【0005】次に動作について説明する。図16は、時
間差方位測定装置の原理を説明するための説明図であ
る。2つの空中線11a,11bが距離Lを隔てて設置
され、これらの空中線11a,11bにパルス信号が入
射される様子が示されている。各空中線11a,11b
に入射されるパルス信号は、図示しない同一の信号源よ
り発せられた同一の信号である。この時、それぞれの空
中線11a,11bにパルスが到達する時間には、時間
差Tdが発生する。2つの空中線11a,11b間の距
離をL、2つの空中線11a,11bを結んだ正面方向
からのパルスの入射角をθ、パルスの伝搬速度をCとす
れば、時間差Tdは、次式で表される。
【0006】
【数1】
【0007】パルス信号の入射角θがパルスの到来方位
であるから、パルスの到来方位θは式(1)を変形して
次のように算出することができる。
【0008】
【数2】
【0009】各空中線11a,11bに入射されたパル
スは、それぞれの受信系1a,1bのパルス検出部12
a,12bにおいて検出され、検出順にパルス到来時刻
が記録される。その後、単パルス時間差方位算出部31
において、2つの受信系1a,1bで記録されたパルス
到来時刻の時間差が算出される。この時間差は、受信系
1a,1bそれぞれで検出された対応するパルスについ
て、パルス単位で求められる。
【0010】方位算出部33は、単パルス時間差方位算
出部31により求められたパルス到来時刻の時間差に基
づいて、パルスの到来方向を求める。すなわち、式
(2)を用いて、パルス到来時刻の時間差Td、空中線
11a,11b間の距離Lおよびパルスの伝搬速度Cか
らパルスの到来方位を算出する。
【0011】この様な従来の時間差方位検出装置を開示
した公知文献としては、特開平9−318724号公報
がある。この文献には、2つの受信系を用いる時間差方
位検出装置だけでなく、3以上の受信系を用いてパルス
到来時刻の時間差を2以上求め、これらの時間差に基づ
いて電波源の方位を統計的に求める時間差方位検出装置
が開示されている。
【0012】3以上の受信系を有する時間差方位検出装
置を用いることにより、対応するパルスについて3以上
のパルス到来時刻を求め、受信時刻の時間差を2以上求
めることができる。この場合、アンテナ間距離と電波源
からの入射電波の受信時刻との間には1次式で表される
関係があることを利用すれば、アンテナ間の距離と受信
時刻の時間差から得られる直線の傾きから電波源の方位
を統計的に求めることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の時間差方位測定
装置は、図17に示すように、複数の受信系で対応する
パルス単位ごとにパルス到来時刻の時間差Tdを算出
し、到来するパルス方位を算出していた。方位の測定結
果θに影響する誤差要因にはLおよびTdがあり、空中
線間距離Lの誤差を∂L、時間差Tdの誤差を∂Tdと
すれば、求められる方位θの誤差dθは、式(2)から
次のように表される。
【0014】
【数3】
【0015】このうち、空中線間距離の誤差∂Lの影響
を十分に小さくする程度にそれぞれの空中線を設置する
ことは比較的容易であるため、問題とされていなかっ
た。しかしながら、時間差の誤差∂Tdは、以下のよう
な理由からパルス到来方位θの大きな誤差要因となって
いるという問題があった。
【0016】図18は、パルス検出機能における動作を
示したタイミングチャートである。パルス検出機能でパ
ルスを検出する際、通常は、パルス検出のための閾値を
越えたパルスに対して検出判断し、パルス到来時刻を付
加して記録している。しかしながら、受信するパルスの
波形は発信源の特性により、その立ち上がり時間は様々
で安定していない。また、信号の受信状態に応じて適切
な閾値を設定する必要がある。このため、実際には検出
が不安定になることがしばしば起きる。さらに、パルス
を検出するクロックの精度をあげることはできたとして
も、そのサンプリング間隔をパルスの立ち上がり時間に
対して十分に細かく設定することは難しい。
【0017】その結果、パルス到来時刻はパルス波形の
歪みや検出精度に起因する誤差、さらに受信系のパルス
検出のサンプリング間隔による量子化誤差が発生し、そ
の誤差要因は、それぞれの受信系において必要なパルス
到来時刻の測定精度に対し、大き過ぎることが問題とな
っていた。
【0018】また、上記公知文献では、デジタル波形メ
モリを用いて、パルス信号をビデオ信号に変換した後
に、高速でサンプリングし、そのビデオ波形から時間差
を求める方法や、受信系を多数設置し、その時間差と空
中線間の距離との間の線形性を利用して時間差の精度の
向上を試みる提案がなされていた。しかしながら、時間
差を各受信系に入射された対応する1つのパルス毎に比
較する限り、前記誤差要因によって精度の向上には限界
があった。また、この様な方法を採用した場合、精度向
上のためには、多数の受信系が必要となるため、装置規
模が大きくなりすぎるという問題があった。
【0019】この発明は、上記のような従来の技術が有
する問題点に鑑みてなされたもので、装置規模を大きく
することなく高精度なパルス到来方位の測定ができる時
間差方位検出装置を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
による時間差方位検出装置は、同一パルス発信源から到
来する一連のパルス信号を受信する2以上の受信系と、
各受信系におけるパルス到来時刻に基づいてパルス到来
方位を求める信号処理部からなる時間差方位検出装置で
ある。
【0021】上記受信系は、一連のパルス信号を受信す
る空中線と、受信パルスを検出して受信パルスごとにパ
ルス到来時刻を求めるパルス検出部を備えて構成され
る。また、上記信号処理部は、各受信系で求められた一
連のパルス信号に関する複数のパルス到来時刻につい
て、各受信系ごとに統計処理を行って、受信系間のパル
ス到来時刻の時間差を求める複数パルス時間差算出部
と、求められたパルス到来時刻の時間差、各受信系の空
中線間の距離およびパルス信号の伝搬速度に基づいてパ
ルス到来方位を求める方位算出部を備えて構成される。
【0022】この様な構成により、各受信系それぞれで
求められた複数のパルス到来時刻に基づいて、受信系間
のパルス到来時刻の時間差を求め、パルス到来方位を求
めることができる。従って、受信系ごとに求められた1
つのパルス到来時刻に基づいて、パルス到来方位を求め
る従来の時間差方位検出装置に比べ、パルス到来方位を
高精度に検出することができる。
【0023】請求項2に記載の本発明による時間差方位
検出装置は、上記複数パルス時間差算出部が、各受信系
で求められた一連のパルス信号に関する複数のパルス到
来時刻について、各受信系ごとに最小2乗法を用いて直
線近似した場合におけるパルス到来時刻の初期値の差を
求めるように構成される。この様な構成により、複数の
パルス到来時刻について統計処理を行って、受信系間の
パルス到来時刻の時間差を求めることができる。
【0024】請求項3に記載の本発明による時間差方位
検出装置は、上記受信系が、パルス検出部により求めら
れた複数のパルス到来時刻について統計処理を行って、
パルス繰返間隔を求めるPRI算出部を備えて構成され
る。また、上記信号処理部が、各受信系のPRI処理部
で求められたパルス繰返間隔の平均値を求めるPRI平
均値算出部を備えて構成される。更に、上記複数パルス
時間差算出部が、PRI平均値算出部で求められたパル
ス繰返間隔の平均値に基づいて、受信系間のパルス到来
時刻の時間差を求めるように構成される。
【0025】この様な構成により、各受信系ごとに統計
処理を行ってパルス繰返間隔を求めることができ、各受
信系ごとにパルス繰返間隔が異なる場合に、パルス到来
時刻の時間差を早く収束させることができる。従って、
収束に必要な受信パルスの数を抑制することができる。
【0026】請求項4に記載の本発明による時間差方位
検出装置は、上記PRI算出部が、パルス検出部により
求められた複数のパルス到来時刻について、最小2乗法
を用いて直線近似した場合における直線の傾きを求める
ように構成される。この様な構成により、複数のパルス
到来時刻について統計処理を行って、パルス繰返間隔を
求めることができる。
【0027】請求項5に記載の本発明による時間差方位
検出装置は、上記受信系が、パルス検出部において求め
られた複数のパルス到来時刻に基づいて、一連のパルス
信号を構成するパルスであって、パルス検出部において
検出されなかったパルスを判別するパルス抜け検出部を
備えて構成される。
【0028】請求項6に記載の本発明による時間差方位
検出装置は、上記パルス検出部が、受信パルスの到来順
に各受信パルスに対しパルス到来順番号を付し、上記パ
ルス抜け検出部が、パルス検出部による未検出パルスを
検出した場合に、到来順に従って当該未検出パルスに対
し付されるべき到来順番号を欠番とし、パルス検出部に
より受信パルスに付されたパルス到来順番号を補正し、
上記複数パルス時間差算出部が、各受信パルスのパルス
到来時刻および到来順番号に基づいて、受信系間のパル
ス到来時刻の時間差を求めるように構成される。
【0029】請求項7に記載の本発明による時間差方位
検出装置は、パルス繰返間隔の異なる複数のパルス信号
で構成されるパターンがフレーム周期ごとに繰り返され
る一連のパルス信号が同一パルス発信源から到来する場
合に関するものであり、上記受信系が、パルス検出部に
おいて求められた複数の受信パルスのパルス受信時刻に
基づいてフレーム周期を求め、上記複数の受信パルスか
らフレーム周期内の同一ポジションにおいて検出された
受信パルスを抽出するフレーム抽出部を備えて構成され
る。
【0030】請求項8に記載の本発明による時間差方位
検出装置は、上記パルス抽出部が、フレーム周期内の1
つのポジションにおいて検出される受信パルスを抽出す
るように構成される。また、上記PRI算出部が、抽出
された受信パルスのパルス到来時刻に基づいて、パルス
繰返間隔を求め、上記複数パルス時間差算出部が、各受
信系のパルス抽出部において抽出された受信パルスに基
づいて、受信系間のパルス到来時刻の時間差を求めるよ
うに構成される。
【0031】請求項9に記載の本発明による時間差方位
検出装置は、上記パルス抽出部が、フレーム周期内の2
以上のポジションに関して各ポジションごとに受信パル
スを抽出するように構成される。上記PRI算出部は、
フレーム周期内の各ポジションごとに抽出された受信パ
ルスのパルス到来時刻に基づいて、各ポジションごとに
パルス繰返間隔を求める。上記PRI平均値算出部は、
各受信系のPRI処理部で求められたパルス繰返間隔の
平均値をフレーム周期内の各ポジションごとに求める。
上記複数パルス時間差算出部は、受信系間のパルス到来
時刻の時間差をフレーム周期内の各ポジションごとに求
める。また、上記信号処理部は、フレーム周期内の各ポ
ジションごとに求められたパルス到来時刻の時間差の平
均を求める時間差平均算出部を備えて構成される。
【0032】請求項10に記載の本発明による時間差方
位検出装置は、各受信系において検出される受信パルス
のパルス到来時刻に基づいて、受信系間の対応する受信
パルスを抽出する受信パルス比較部を備えて構成され
る。PRI算出部は、抽出された受信パルスのパルス到
来時刻に基づいて、パルス繰返間隔を求めるように構成
される。
【0033】請求項11に記載の本発明による時間差方
位検出装置は、上記受信パルス比較部が、一方の受信系
のパルス検出部において検出された受信パルスに基づい
て、そのパルス到来時刻から所定の時刻差を有して他方
の受信系のパルス検出部において検出された受信パルス
を抽出するように構成される。
【0034】請求項12に記載の本発明による時間差方
位検出装置は、各受信系において検出される受信パルス
のパルス諸元に基づいて、目標ごとに受信パルスを分離
する目標パルス分離部を備えて構成される。上記PRI
算出部は、分離された受信パルスのパルス到来時刻に基
づいて、目標ごとにパルス繰返間隔を求め、上記PRI
平均値算出部は、各受信系のPRI処理部で求められた
パルス繰返間隔の平均値を目標ごとに求め、上記複数パ
ルス時間差算出部は、受信系間のパルス到来時刻の時間
差を目標ごとに求め、上記方位算出部は、目標ごとにパ
ルス到来方位を求めるように構成される。
【0035】請求項13に記載の本発明による時間差方
位検出装置は、上記受信系を3以上備えて構成され、上
記PRI平均値算出部が、2つの受信系を組み合わせて
得られる全ての受信系ペアについて、各受信系ペアごと
にパルス繰返間隔の平均値を求める。上記PRI平均値
算出部は、各受信系PRI処理部で求められたパルス繰
返間隔の平均値を受信系ペアごとに求め、上記複数パル
ス時間差算出部が、受信系間のパルス到来時刻の時間差
を受信系ペアごとに求め、上記方位算出部が、パルス到
来方位を受信系ペアごとに求めるように構成される。そ
して、上記信号処理部が、受信系ペアごとのパルス到来
方位の平均値を求める方位平均算出部を備えて構成され
る。
【0036】請求項14に記載の本発明による時間差方
位検出装置は、上記PRI平均値算出部が、受信系ペア
を選別し、全受信系ペアの数よりも少ない受信系ペアに
ついて、受信系ペアごとにパルス繰返間隔の平均値を求
めるように構成される。
【0037】請求項15に記載の本発明による時間差方
位検出装置は、上記PRI平均値算出部が、パルスの信
号強度又はパルス繰返間隔に基づいて受信系ペアを選別
するように構成される。
【0038】請求項16に記載の本発明による時間差方
位検出装置は、上記方位算出部が、上記方位算出部が、
同一パルス発信源から順次に到来するパルス群ごとにパ
ルス到来方位を検出するように構成され、上記信号処理
部が、パルス群ごとの複数のパルス到来方位の平均値を
求める方位平均算出部を備えて構成される。
【0039】請求項17に記載の本発明による時間差方
位検出装置は、上記方位算出部が、同一パルス発信源か
ら順次に到来するパルス群ごとにパルス到来方位を検出
し、自己の位置情報を検出する位置情報測定部を備え、
上記受信系が、パルス群の受信時に位置情報測定部によ
り検出された位置情報をパルス群に付する自己位置記録
部を備えて構成される。
【0040】請求項18に記載の本発明による時間差方
位検出装置は、上記方位算出部により求められたパルス
到来方位および上記位置情報測定部により検出された自
己位置情報に基づいて、地図上に方位線をパルス群ごと
に表示する位置標定部を備えて構成される。
【0041】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、本発明の
実施の形態1による時間差方位検出装置の一構成例を示
したブロック図である。この時間差方位検出装置は、受
信系1a,1bおよび信号処理部30からなり、受信系
1aは受信部10aにより構成され、受信系1bは受信
部10bにより構成される。
【0042】受信部10aは、パルス信号を受信する空
中線11aと、到来するパルスを逐次検出してパルス到
来時刻(TOA:time of arrival)を付加して記録す
るパルス検出部12aにより構成される。受信部10b
も、受信部10aと同様、パルス信号を受信する空中線
11bと、到来するパルスを逐次検出してパルス到来時
刻を付加して記録するパルス検出部12bにより構成さ
れている。ただし、受信部10bの空中線11bは、受
信部10aの空中線11aから所定距離だけ離れた場所
に設置されている。また、受信部10bのパルス検出部
12bは、受信部10aのパルス検出部12aと時刻同
期がとられている。
【0043】信号処理部30は、複数パルス時間差算出
部32と、方位算出部33により構成される。複数パル
ス時間差算出部32は、2つの受信系1a,1bにおい
てそれぞれ記録された複数パルスを統計処理して時間差
を算出する。各受信系1a,1bごとに、当該受信系に
おいて検出された複数パルスのパルス到来時刻からパル
ス到来時刻の初期値(TOA初期値)を算出し、各受信
系1a,1bについて求められたTOA初期値の時間差
Tdを求めている。方位算出部33は、式(2)を用い
て、この時間差Td、空中線1a,1b間の距離Lおよ
び電波伝搬速度Cからパルス到来方位を算出している。
【0044】次に動作について説明する。図示しない信
号源より順に発信された複数のパルスを両受信系1a,
1bで逐次受信する場合について説明する。各受信系1
a,1bにおいて空中線1a,1bに入射したパルス
は、それぞれパルス検出部11a,11bによって検出
される。各受信系1a,1bについてi番目に受信した
パルスのパルス到来時刻をTOA[i]とすると、以下
の関係が成り立つ。
【0045】
【数4】
【0046】ただし、i=1,2,…,N(Nは2以上
の整数)、xはパルス繰返間隔(PRI:pulse repeti
tion interval)、yはTOA初期値、εは誤差とす
る。また、信号源から発信されるパルスの繰返周期(P
RI)は時間的に変動せず、ほぼ一定であると仮定す
る。さらに、空中線1a、1bは、その間をパルス信号
が伝搬するのに要する時間がパルス繰返間隔に比べて十
分小さくなるように配置されているものとする。
【0047】図2は、受信系1a,1bにおいて順に受
信されたパルスのパルス到来時刻をプロットした図であ
り、横軸は入力順序番号iを等間隔にとり、縦軸はパル
ス到来時刻TOA[i]とし、複数のパルスがプロット
されている。また、受信系1a,1bごとに近似直線が
引かれている。
【0048】式(4)におけるxは近似直線の傾きに相
当し、yは切片に相当する。切片yは、パルス到来時刻
をTOA[i](i=1,2,3,…)とした場合のT
OA[0]、つまり、TOA初期値となる。xはパルス
繰返間隔であるため、2本の近似直線はほぼ同じ傾きを
もつ平行線となる。切片yは受信系1a,1bで異な
り、2本の近似直線の切片yの差は、近似直線の縦軸方
向の距離に相当し、受信系1a,1b間における統計的
なパルス到来時刻の時間差Tdとなる。
【0049】各受信系1a,1bで検出され、パルス到
来時間と共に記録された各受信系のパルスは、それぞれ
複数パルス時間差算出部32に送られる。複数パルス時
間差算出部32では、最小2乗近似により誤差Σε2
最小にするTOA初期値yが求められる。この様なTO
A初期値yが、次式を用いて受信系1a,1bごとに求
められる。
【0050】
【数5】
【0051】式(5)を用いて、各受信系1a,1bに
ついて求められたyをそれぞれya、ybとすると、各受
信系1a,1bにパルスが到達する時刻の差Tdは以下
のように算出される。
【0052】
【数6】
【0053】この様にして、複数パルス時間差算出部3
2は、各受信系1a,1bにおけるパルス到来時刻の時
間差Tdを求めて、方位算出部33へ出力する。方位算
出部33は、この時間差Tdに基づいて、式(2)によ
りパルス到来方位を算出する。
【0054】以上のように、本実施の形態による時間差
方位検出装置は、同一受信系における複数パルスのパル
ス到来時刻について統計的手法を用いることにより、パ
ルス到来時刻に含まれる測定誤差、量子化誤差を極小化
し、受信系間のパルス到来時間差Tdの算出精度を向上
させている。このため、従来の時間差方位検出装置と同
等のパルス検出精度でパルスを検出する場合であって
も、より高精度にパルス到来方位を算出することができ
る。
【0055】実施の形態2.図3は、本発明の実施の形
態2による時間差方位検出装置の一構成例を示したブロ
ック図である。この時間差方位検出装置は、受信系1
a,1bおよび信号処理部30からなる。
【0056】受信系1aは、受信部10aおよび受信系
信号処理部20aにより構成される。受信部10aは、
図1(実施の形態1)と同様、空中線11aおよびパル
ス検出部12aからなり、到来するパルスを逐次検出し
てパルス到来時刻を付加して記録する。受信系信号処理
部20aは、パルス繰返間隔(PRI)を求めるPRI
算出部21aからなる。PRI算出部21aは、受信部
10aで求められた複数のパルス到来時刻(TOA)に
基づき、最小2乗法によりパルス繰返間隔を求めて、信
号処理部30へ出力する。
【0057】受信系1bも、受信系1aと同様、受信部
10bおよび受信系信号処理部20bにより構成され、
受信部10bが、空中線11bおよびパルス検出部12
bからなり、受信系信号処理部20bが、パルス繰返間
隔を求めるPRI算出部12bからなる。なお、パルス
検出部12bは、図1(実施の形態1)の場合と同様、
パルス検出部12aと時刻同期がとられている。
【0058】信号処理部30は、PRI平均値算出部3
4、複数パルス時間差算出部32および方位算出部33
により構成される。PRI平均値算出部34は、各信号
系1a,1bから出力されるパルス繰返間隔の平均値
(PRI平均値)を算出している。複数パルス時間差検
出部32は、PRI平均値を用いて最小2乗法により各
受信系1a,1bについてTOA初期値を求めて、その
時間差Tdを算出する。方位算出部33は、求められた
時間差Tdと、空中線間距離および電波伝搬速度に基づ
いてパルス到来方向を算出する。
【0059】次に動作を説明する。図示しない信号源よ
り発信されたパルスを受信系1a,1bにおいて受信さ
れる場合について説明する。各受信系1a,1bの空中
線11a,11bに入射したパルスは、パルス検出部1
2a,12bによって検出される。そして、PRI算出
部21a,21bにおいて、最小2乗近似で誤差Σεを
最小にするパルス繰返間隔xが求められる。このパルス
繰返間隔xは、次式を用いて受信系1a,1bごとに算
出される。
【0060】
【数7】
【0061】式(7)を用いて受信系1a,1bについ
て求められたxをそれぞれxa、xbとすると、PRI平
均値算出部34はこれらの平均値を算出し、この平均値
がパルス繰返間隔xとされる。つまり、パルス繰返間隔
xは次式により求められる。
【0062】
【数8】
【0063】複数パルス時間差算出部32では、各受信
系1a,1bで求められたパルス到来時間TOA[i]
と、PRI平均値算出部34で求められたパルス繰返間
隔xに基づいて、誤差Σε2を最小とするTOA初期値
yが各受信系1a,1bごとに求められる。式(4)を
変形すれば、誤差Σε2は、式(9)のように表され
る。このため、誤差Σε2を最小になるTOA初期値y
は、パルス繰返間隔xを用いた式(10)により求める
ことができる。
【0064】
【数9】
【0065】
【数10】
【0066】式(10)を用いて、各受信系1a,1b
について求められたyをそれぞれy a、ybとすると、各
受信系1a,1bにパルスが到達する時刻の差Tdは式
(6)により算出される。この様にして、複数パルス時
間差算出部32は、各受信系1a,1bにおけるパルス
到来時刻の時間差Tdを求めて、方位算出部33へ出力
する。方位算出部33は、この時間差Tdに基づいて、
式(2)によりパルス到来方位を算出する。
【0067】なお、到来するパルスのパルス繰返間隔が
予め分かっている場合には、既知のパルス繰返間隔xを
使用して、式(10)、式(6)および式(2)からパ
ルス到来方位を算出することもできる。
【0068】ここで、実施の形態1、2による真方位へ
の収束の傾向について検討する。式(3)より、次のこ
とを前提とする。[前提1]方位算出の誤差は∂L、∂
Tdそれぞれについて独立して影響を受けるものとす
る。また、実施の形態1,2における影響は∂Tdに関
わる部分であるため、∂Tdの影響について検討する。
[前提2]∂Tdが小さい値のとき、方位算出誤差dθ
は∂Tdに比例するものとする。
【0069】実施の形態1では、式(5)から、∂y/
∂TOA[i]は、(N-1)のオーダーで収束する。各
TOA[i]の測定誤差を同程度とすると、dyはその
N個の和であるため、(N-1/2)のオーダーで収束す
る。
【0070】実施の形態2では、式(7)から、∂x/
∂TOA[i]は、(N-2)のオーダーで収束する。各
TOA[i]の測定誤差を同程度とすると、dxはその
N個の和であるため、(N-3/2)のオーダーで収束す
る。つまり、xはyより十分早く収束する。このため、
式(10)のyの収束の速さは、ΣTOA[i]/Nと
ほぼ同等であり、(N-1/2)のオーダーで収束する。
【0071】以上のように、本実施の形態による時間差
方位検出装置は、それぞれの受信系で検出された複数の
パルスから算出したパルス繰返間隔の平均値を到来する
パルスの真のパルス繰返間隔の値と仮定した上で、その
値を用いてそれぞれの受信系のTOA初期値を算出し、
その時間差からパルスの到来する方位を求めている。こ
のため、それぞれの受信系で算出したパルス繰返間隔の
値が異なる場合に、収束に必要なパルス数を少なく抑え
ることができる。
【0072】実施の形態3.本実施の形態では、受信部
においてパルスが検出できず、パルス抜けが発生した場
合であっても、パルス到来方位を検出することができる
時間差方位検出装置について説明する。
【0073】図4は、本発明の実施の形態3による時間
差方位検出装置の一構成例を示したブロック図である。
この時間差方位検出装置は、受信系信号処理部20aが
パルス抜け検出部22aを備え、受信系信号処理部20
bがパルス抜け検出部22bを備えて構成され、各パル
ス抜け検出部22a,22bが、それぞれ受信部10
a,10bにおけるパルス抜けを検出している。
【0074】受信部10a,10bは、受信状態が不安
定でパルスを検出することができない場合があり、この
ような場合に特定のパルスのみが検出されないパルス抜
けが発生する。パルスの記録抜けが発生すると、パルス
繰返間隔として真値の整数倍(2倍以上)前後の値が算
出されることになる。
【0075】x軸方向にパルスの到来順番号iをとり、
y軸方向にTOA[i]をとって、到来パルスをプロッ
トすると、パルス抜けがない場合は、ほぼ線形にプロッ
ト点が並ぶ。ところが、パルス抜けが発生すると、プロ
ット点が線形に並ばなくなる。このため、PRI算出部
21a,21bにおいて、パルス繰返間隔を正しく算出
することができない。
【0076】パルス抜け検出部22aは、受信部10a
におけるパルス抜けが発生した場合に、到来パルス番号
を変更する。これにより、PRI算出部21aにおいて
パルス繰返間隔を正しく算出することができる。パルス
抜け検出部22aは、パルス抜けの発生を検出し、パル
ス到来順番号を、パルス抜けなく全パルスを受信した場
合のパルス到来順番号に変更する。これにより、受信部
10aで検出されたパルスのプロット点を線形に並べる
ことができる。パルス抜け検出部22bも、パルス抜け
検出部22aと全く同様にして、受信部10bにおいて
パルス抜けが発生した場合に、到来パルス番号を変更す
る。
【0077】次に、パルス到来順番号変更の手順の一例
について説明する。まず、TOA[2]−TOA[1]
を仮パルス繰返間隔(仮PRI)とし、仮PRIの整数
倍の時刻間隔毎にパルスが存在するかを判別する。ま
ず、TOA[1]から2倍の仮PRI時間後の時刻を中
心としてパルスサンプリング間隔の10〜20倍程度の
時間幅を設定し、その中にTOA[3]があることを確
認する。パルスが存在する場合、TOA[3]−TOA
[2]と仮PRIの平均を算出し、仮PRIとして更新
する。次に、仮PRIの3倍、4倍、…した時間をTO
A[1]に加算した時刻を中心に時間幅を設定し、パル
スの有無を順次確認する。
【0078】また、検出した1番目と2番目のパルスの
間にパルス抜けがある場合を考慮し、TOA[1]に算
出した仮PRIの1/2倍、1/3倍、…を加算した時刻
を中心に前出の時間幅を設定し、パルスの有無を判別す
る。パルスが存在する場合は、順次上記と同様の操作を
繰り返す。パルスが存在しない場合には、パルス抜けが
発生していると判断し、以後のパルス到来順番号を繰り
下げ、順次パルスの有無を確認し、パルス到来順番号を
更新する。この時、パルス抜けの箇所は欠番とする。
【0079】なお、到来するパルスのパルス繰返間隔が
分かっている場合は、既知のパルス繰返間隔を仮PRI
として前記の処理を簡略化できる。このようにしてパル
ス抜けの発生している箇所以後のパルス到来順番号を順
次繰り下げることによって、パルス抜けがない場合のパ
ルス到来順番号に変更した後、PRI算出部21a、2
1bにおいて(5)式からパルス繰返間隔が算出される。
【0080】以上のように、本実施の形態による時間差
方位検出装置は、パルス検出部を備え、パルスの記録抜
けが発生した場合に、記録したパルス列のパルス到来時
刻からそのパルス抜けを検出してパルス到来順番号を変
更している。このため、受信状況により間欠的にしかパ
ルスを検出することが出来ないような場合でも、パルス
到来方位を算出することができる。
【0081】実施の形態4.本実施の形態では、所定パ
ターンのパルスがフレーム周期ごとに到来する場合であ
っても、パルス到来方位を検出することができる時間差
方位検出装置について説明する。
【0082】図5は、本発明の実施の形態4による時間
差位相検出装置の一構成例を示したブロック図である。
この時間差方位検出装置は、受信系信号処理部20aが
フレーム抽出部23aを備え、受信系信号処理部20b
がフレーム抽出部23bを備えて構成され、各フレーム
抽出部23a,23bは、フレーム周期ごとのパルスを
抽出している。
【0083】図6は、受信系信号処理部20a,20b
の動作の一例について説明するための図である。この図
には、所定のパターンで間隔の異なるパルス繰返間隔が
一定周期(以下、フレーム周期という)ごとに現れるスタ
ガ等の目標の場合に受信されるパルスが示されている。
パルス到来順にx軸方向にパルスの入力順番号iと、y
軸方向にTOA[i]をプロットすると、プレーム内の
パルス繰返間隔は一定でないため、プロット点が線形に
並ばず、パルス繰返間隔を正確に算出することができな
い。
【0084】フレーム抽出部23aは、受信部10aに
おける受信パルスについて、フレーム周期を検出し、フ
レーム周期ごとのパルスのみを抽出する。抽出されたパ
ルスは、プロット点を線形に並べることができるため、
PRI算出部21aにおいて図示したフレーム周期をパ
ルス繰返間隔として正しく算出することができる。この
時、該当するパルス以外は欠番とされる。フレーム抽出
部23bも、フレーム抽出部23aと全く同様にして、
受信部10bにおける受信パルスについて、フレーム周
期を検出し、フレーム周期ごとのパルスのみを抽出す
る。
【0085】次に、フレーム周期検出手順の一例を示
す。まず、TOA[q]−TOA[1](ただしq=
2,3,4,…:2以上の整数)で算出した仮フレーム
周期を使用して、TOA[1]から(q+1)倍のフレ
ーム周期後の時刻を中心としてパルスサンプリング間隔
の10〜20倍程度の時間幅を設定し、その中に到来パ
ルスがあるかを判別する。その時間幅にパルスがあった
場合、フレームパルスを検出したと判断し、TOA[q
+1]−TOA[1]とフレーム周期の平均を算出し、
フレーム周期を更新する。次に、仮フレーム周期の3
倍、4倍、…(3以上の整数倍)した時間をTOA
[1]に加算した時刻を中心に時間幅を設定し、パルス
の有無を順次確認する。また、TOA[1]と最初のフ
レームパルスの間にパルス抜けがある場合を考慮し、T
OA[1]に算出した仮フレーム周期の1/2倍、1/3
倍、…を加算した時刻を中心に前出の時間幅を設定し、
パルスの有無を確認し、存在する場合は、順次上記と同
様の操作を繰り返す。
【0086】なお、到来するパルスがスタガ等のフレー
ムを持つ目標でそのフレーム周期が分かっている場合
は、既知のフレーム周期を仮フレーム周期とすることに
より、前記の処理を簡略化することができる。
【0087】このようにしてフレーム周期をパルス繰返
間隔と想定し、フレーム周期ごとのパルスを抽出するこ
とにより、PRI算出部21a,21bにおいて、式
(5)により正確なフレーム周期を算出することができ
る。
【0088】以上のように、本実施の形態による時間差
方位検出装置は、スタガ等のフレーム周期を持つ複雑信
号などが到来した場合に、各フレーム周期内の同一ポジ
ションパルスを抽出し、フレーム周期をパルス繰返間隔
と想定することで、パルス到来方位を算出することがで
きる。
【0089】実施の形態5.実施の形態4では、フレー
ム周期ごとに到来する特定のパルスに着目して、パルス
到来方位を求めたが、本実施の形態では、フレーム周期
ごとに到来する各パルスに着目して、パルス到来方位を
求める場合の例について説明する。
【0090】図7は、本発明の実施の形態5による時間
差方位検出装置の一構成例を示したブロック図である。
この時間差方位検出装置は、図7の時間差方位検出装置
の信号処理部30が、時間差平均算出部35を備えて構
成され、複数の時間差Tdについて平均値を求めてい
る。
【0091】フレーム抽出部23aは、フレーム周期ご
とに到来するパルスを抽出する実施の形態4に記載の処
理を全てのパルスについて行う。すなわち、フレーム周
期内の1つのパルスのみについて抽出処理を行うだけで
なく、フレーム周期内の各パルスそれぞれについて同様
のパルス抽出を行う。従って、フレーム抽出部23aか
らは、フレーム内のパルス数に相当するパルス列が出力
される。PRI算出部21aは、この様にして抽出され
たパルス列のそれぞれについて、式(7)によりフレー
ム周期をパルス繰返間隔として算出する。フレーム抽出
部23bおよびPRI算出部21bも、受信部10bの
受信パルスについて、全く同様の動作を行う。
【0092】図8は、受信系信号処理部20a,20b
の動作の一例について説明するための図である。この図
には、図6(実施の形態4)と同様の受信パルスが示さ
れている。実施の形態4では、4ポジションのスタガの
場合であっても、1つのポジションのパルスに着目し、
そのフレーム周期に基づいてパルス到来方位を算出して
いる。これに対し、本実施の形態では、1フレーム内の
各PRIポジションのパルスそれぞれについて図示した
フレーム周期の値を求める。
【0093】PRI平均値算出部34は、1フレーム内
の各PRIポジションごとに、各受信系1a,1bで求
められたパルス繰返間隔xa,xbの平均値を求め、複数
パルス時間差算出部32は、各PRIポジションごと
に、式(10)および式(6)により各受信系1a,1
bにおけるパルス到来時刻の時間差Tdを求める。
【0094】時間差平均算出部35は、この様にして求
められた複数の時間差Td、すなわち、1フレーム内の
PRIポジションごとの時間差Tdについて平均値を求
め、パルス到来時刻の時間差Tdとして方位算出部33
へ出力する。方位算出部33は、この時間差Tdに基づ
いて、式(2)によりパルス到来方位を算出する。
【0095】以上のように、本実施の形態による時間差
方位検出装置は、スタガ等のフレーム周期を持つ複雑信
号などが到来した場合に、各PRIポジションのパルス
毎にそれぞれフレーム周期の値を求め、PRIポジショ
ン数の時間差の平均値を算出することにしたので、時間
差の算出精度を向上することができ、パルス到来方位の
算出精度を向上させることができる。
【0096】実施の形態6.本実施の形態では、各受信
系での受信パルスから対応するパルスを抽出し、抽出さ
れたパルスに基づいて、信号源のパルス繰返間隔または
フレーム周期を求める時間差方位検出装置の例について
説明する。
【0097】図9は、本発明の実施の形態6による時間
差方位検出装置の一構成例を示したブロック図である。
この時間差方位検出装置は、図3の時間差方位検出装置
が、受信パルス比較部41を備えて構成される。PRI
算出部21a,21bは、受信パルス比較部41によ
り、対応するパルスについてパルス繰返間隔を求めてい
る。
【0098】各空中線11a,11bに入射したパルス
は、それぞれのパルス検出機能12a,12bにおいて
検出され、パルス到来時刻と共に記録される。受信パル
ス比較部41は、一方の受信系(例えば受信系1a)の
各受信パルスのパルス到来時刻に基づいて、当該パルス
の他方の受信系(例えば1b)におけるパルス到来時刻
を求める。他方の受信系1bは、受信パルス比較部42
で求められたパルス到来時刻に基づいて、一方の受信系
1aの受信パルスに対応するパルスを抽出し、抽出パル
スについてパルス繰返間隔を求める。
【0099】受信パルス比較部41により、一方の受信
系の各受信パルスのパルス到来時刻を基準にして他方の
受信パルスを抽出する方法の一例について説明する。ま
ず、受信系1aと受信系1b間で到達するパルスの時間
差の最大値Tdmaxは式(1)より次のように算出され
る。
【0100】
【数11】
【0101】この時間差Tdmaxを、受信系1aの受信
パルスの各パルス受信時刻に加算して、対応するパルス
の受信系1bでのパルス受信時刻を予測する。この時刻
を中心としてパルスサンプリング間隔の10〜20倍程
度の時間幅を設定し、受信系1bの受信パルスの有無を
判別する。この結果、受信系1bにおいて当該時間幅内
にパルスが存在しなかった場合には、対応する受信系1
aのパルスは、後の処理に用いられない。
【0102】同様にして、受信系1bの各受信パルスの
各TOAからTdmaxを減算した時刻を中心として上記
時間幅を設定し、受信系1a側のパルスの有無を判別す
る。受信系1aにおいて当該時間幅内にパルスが存在し
なかった場合には、対応する受信系1bのパルスも後の
処理に用いられない。
【0103】これらの処理後に残るパルスは各受信系1
a,1bにおいて対応したパルスとなる。PRI算出部
21a21,bは、各受信系21a,1bごとに、これ
ら対応するパルスに基づいてパルス繰返間隔を算出す
る。ただし、各受信系1a,1bのパルスは不等間隔で
も良く、算出されるパルス繰返間隔は、抽出されたパル
スのパルス繰返間隔の平均値となる。この後の処理は実
施の形態1の場合と同様である。
【0104】以上のように、本実施の形態による時間差
方位検出装置は、対応するパルスを抽出した後で、各受
信系で複数のパルスからパルス繰返間隔の算出を行って
いるため、パルス繰返間隔が固定の目標信号だけではな
く、不等間隔で到来するジッタやスタガ等の信号に関し
てもパルス到来方位を算出する事が可能となる。また、
各受信系で記録するパルス抜けが発生する場合でもパル
ス抜けに対する処置を行う必要がない。
【0105】実施の形態7.本実施の形態では、受信帯
域幅内に複数の信号源から発信されたパルスが入力され
る場合に、受信パルスを目標ごとに分類し、目標ごとに
パルス到来方位を検出する時間差方位検出装置の例につ
いて説明する。
【0106】図10は、本発明の実施の形態7による時
間差方位検出装置の一構成例を示したブロック図であ
る。この時間差方位検出装置は、図3の時間差方位検出
装置が、受信系信号処理部20aに目標パルス分離部2
4aを備え、受信系信号処理部20bに目標パルス分離
部24bを備えて構成され、各受信系1a,1bにおい
て受信パルスを目標ごとに分類している。
【0107】実施の形態1〜6では、単一の信号源から
発信されたパルスのみを受信する場合について説明した
が、受信帯域幅内に複数の信号源から発信されたパルス
が入力される場合、到達するパルスを順に並べて処理す
るとパルス繰返間隔の算出が不可能となる。このため、
目標ごとのパルスに分類した後に、パルス繰返間隔を算
出する必要がある。
【0108】目標パルス分離部24aは、予め与えられ
た目標の特徴量に基づいて、受信パルスを目標ごとに分
離する。目標を分離する方法には、特徴量として周波数
分布、パルス繰返間隔、パルス幅などパルス諸元を用い
る既知の方法を採用することができる。各目標ごとに分
類されたパルスは、目標ごとにパルス繰返間隔が算出さ
れ、目標ごとに受信系間のパルス到来時刻の時間差が算
出され、目標パルス源ごとにパルス到来方位が算出され
る。
【0109】以上のように、本実施の形態による時間差
方位検出装置は、受信系で記録したパルス全てを順に並
べるのではなく、受信パルス諸元から目標ごとのパルス
に分類した後に、パルス到来方位を算出する機能を備え
ているので、複数の異なる信号源のパルスを受信する場
合でも、各目標ごとにパルス到来方位を算出することが
できる。
【0110】実施の形態8.実施の形態1〜7では、2
つの受信系を用いて方探を行う場合について説明した
が、本実施の形態では、3以上の受信系を用いて、各受
信系における受信パルスに基づいてパルス到来方位を算
出する時間差方位検出装置の例について説明する。
【0111】図11は、本発明の実施の形態8による時
間差方位検出装置の一構成例を示したブロック図であ
る。この時間差方位検出装置は、3以上の受信系1a,
1b,1xと、信号処理部30により構成される。各信
号処理部1a,1b,1xは、図3の信号処理部と同様
の構成からなり、信号処理部30は、図3の信号処理部
に方位平均算出部36を備えて構成される。
【0112】同一パルス源から発生されたパルスが、各
受信系1a,1b,1xにおいて受信されると、対応す
るパルスについて各受信系からパルス繰返間隔が出力さ
れる。PRI平均値算出部34は、受信系のペア(2つ
の受信系)について、パルス繰返間隔の平均値を算出す
る。この受信系ペアは、3以上の受信系のいずれか2つ
の受信系の組み合わせからなり、PRI平均値算出部3
4は、全ての組み合わせについて、組み合わせごとにパ
ルス繰返間隔の平均値を求める。
【0113】複数パルス時間差算出部34は、各組み合
わせごとにパルス到来時刻の時間差を求め、方位算出部
33は、各組み合わせごとにパルス到来方位を求める。
この様にして、パルス到来方位が、受信系ペアの組み合
わせの数だけ求められる。方位平均算出部36は、これ
らのパルス到来方位の平均を求めて、パルス到来方位と
する。
【0114】以上のように、本実施の形態による時間差
方位検出装置は、3つ以上の受信系を用いることによ
り、対応できる覆域を空中線の配置により拡大すること
ができ、さらに、統計処理に使用するパルス数が増え、
それぞれの受信系のペアから算出するパルス到来方位の
平均値を求めることにより、パルス到来方位の算出精度
を向上させることができる。
【0115】実施の形態9.実施の形態8では、3以上
の受信系を用い、受信系ペアの組み合わせの全てついて
パルス到来方位を算出する場合について説明した。本実
施の形態では、全組み合わせ数よりも少ない数の受信系
ペアについてパルス到来方位を算出する場合の例につい
て説明する。
【0116】図12は、本発明の実施の形態9による時
間差方位検出装置の一構成例を示したブロック図であ
る。この時間差方位検出装置は、3以上の受信系を有す
る図11の時間差方位検出装置の信号処理部30に受信
系選択部37を備えて構成される。
【0117】受信系選択部37は、3以上の受信系1
a,1b,1xについて、2つの受信系からなる受信系
ペアを生成する際、受信系の全ての組み合わせを生成す
るのではなく、全ての組み合わせ数よりも少ない数の受
信系ペアを選択する。例えば、各受信系でのパルス信号
強度または各受信系におけるパルス繰返間隔に基づい
て、受信系ペアを選択することができる。つまり、各受
信系1a,1b,1,xに到来するパルスの信号強度が
安定している順に所定数(全組み合わせ数よりも少な
い)の組み合わせを選択する。あるいは、受信系1a,
1b,1xの各組み合わせについてパルス繰返間隔の値
の差を求め、パルス繰返間隔の値の差が小さい順に所定
数の組み合わせを選択する。
【0118】PRI平均値算出部34は、PRI平均値
算出部34は、受信系選択部37により選択された各受
信系ペアについて、組み合わせごとにパルス繰返間隔の
平均値を求める。複数パルス時間差算出部34は、各組
み合わせごとにパルス到来時刻の時間差を求め、方位算
出部33は、各組み合わせごとにパルス到来方位を求め
る。この様にして、パルス到来方位が、受信系選択部3
7により選択された受信系ペアの数だけ求められる。方
位平均算出部36は、これらのパルス到来方位の平均を
求めて、パルス到来方位とする。
【0119】以上のように、本実施の形態による時間差
方位検出装置は、3つ以上の受信系でパルスを受信する
場合に、全ての受信系のペアの組み合わせよりも少ない
所定数の受信系のペアを抽出し、不安定な受信系のパル
スを用いることなくパルス到来方位を算出することによ
り、安定して高精度なパルス到来方位を算出することが
できる。
【0120】実施の形態10.実施の形態1〜9では、
それぞれの受信系で1回のパルス蓄積動作で蓄積された
パルス群からパルス到来方位を算出する場合について説
明したが、この実施の形態では、連続して複数回の蓄積
動作を実施し、各蓄積動作ごとに算出されるパルス到来
方位に基づいてパルス到来方位を算出する場合の例につ
いて説明する。
【0121】図13は、実施の形態10による時間差方
位検出装置の一構成例を示したブロック図である。この
時間差方位検出装置は、図3の時間差方位検出装置の信
号処理部30に累積平均方位算出部38を備えて構成さ
れる。この累積平均方位算出部38は、方位算出部33
により求められたパルス到来方位を逐次平均化し、累積
平均されたパルス到来方位を算出する。
【0122】各受信系1a,1bは、1回のパルス蓄積
動作ごとにパルス繰返間隔を求めて信号処理部30へ出
力する。方位算出部33は、これらのパルス繰返間隔に
基づいて、1回のパルス蓄積動作ごとにパルス到来方位
を求めている。累積平均方位算出部38は、方位算出部
33により算出されるパルス到来方位について、複数回
(2以上)のパルス蓄積動作にわたる平均値を算出し、
この平均値をパルス到来方位とする。
【0123】以上のように、本実施の形態による時間差
方位検出装置は、複数回のパルス蓄積動作にわたってパ
ルス到来方位を算出するため、蓄積ごと誤差を平均化に
よって極小化し、高精度なパルス到来方位を得ることが
できる。
【0124】実施の形態11.時間差方位検出装置を構
成する各受信系と信号発生源との相対方位が時刻ととも
に変化する場合、パルス蓄積動作ごとに算出されるパル
ス到来方位は変化することになる。このため、本実施の
形態では、各受信系と信号発生源との相対方位が変化す
る場合にも適用できる時間差方位検出装置の例について
説明する。
【0125】図14は、本発明の実施の形態11による
時間差方位検出装置の一構成例を示したブロック図であ
る。この時間差方位検出装置は、受信系1a,1b、自
己位置測定部42および信号処理部30からなる。各受
信系1a,1bの信号処理部20a,20bは、それぞ
れ自己位置記録部26a,26bを備えるとともに、信
号処理部30は、位置標定部39を備えて構成される。
【0126】自己位置測定部42は、自己の位置情報を
検出している。この位置検出は、例えばGPS(Grobal
Positioning system)等の測位装置を用いて行われ、
例えば位置情報として緯度および経度が検出される。検
出された位置情報は、各受信系1a,1bに出力され
る。自己位置記録部20a,20bは、この位置情報を
パルス検出部12a,12bにより検出されたパルスに
付加して記録する。
【0127】位置標定部39は、パルス到来方位、パル
ス到来時刻および位置情報に基づいて、自己位置からパ
ルス到来方向への方位線を地図上に作図する。この様に
して作成された地図は画面表示される。パルス蓄積ごと
のパルス到来方位または一定時間ごとのパルス到来方位
を方位線として同一の地図上に表示することによって、
これらの方位線の交点が集まる付近にパルス発生源があ
ると推定することができる。
【0128】以上のように、本実施の形態による時間差
方位検出装置は、信号源と自己の相対位置が時刻ととも
変化する場合に、算出されるパルス到来方位をその時刻
と自己の位置情報ととともに記録し、地図上で自己の位
置から信号源へ算出した方位を複数作図することによ
り、その交点付近に信号源があると推定することができ
る。
【0129】
【発明の効果】本発明による時間差方位検出装置は、各
受信系ごとに求められた複数のパルス到来時刻に対し統
計処理を行って、これら複数のパルス到来時刻に基づい
て受信系間のパルス到来時刻の時間差を求め、更に、当
該時間差に基づいてパルス到来方位を求めている。この
ため、パルス到来時刻の時間差の精度を向上させ、パル
ス到来方位の検出精度を向上させることができる。従っ
て、受信系ごとに1つのパルス到来時刻に基づいて、パ
ルス到来方位を求める従来の時間差方位算出装置に比
べ、パルス到来方位を高精度に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による時間差方位検出
装置の一構成例を示したブロック図である。
【図2】 受信系1a,1bにおいて順に受信されたパ
ルスのパルス到来時刻をプロットした図である。
【図3】 本発明の実施の形態2による時間差方位検出
装置の一構成例を示したブロック図である
【図4】 本発明の実施の形態3による時間差方位検出
装置の一構成例を示したブロック図である。
【図5】 本発明の実施の形態4による時間差方位検出
装置の一構成例を示したブロック図である。
【図6】 受信系信号処理部20a,20bの動作の一
例について説明するための図であり、スタガ信号を受信
した場合の例が示されている。
【図7】 本発明の実施の形態5による時間差方位検出
装置の一構成例を示したブロック図である。
【図8】 受信系信号処理部20a,20bの動作の一
例について説明するための図であり、スタガ信号を受信
した場合の例が示されている。
【図9】 本発明の実施の形態6による時間差方位検出
装置の一構成例を示したブロック図である。
【図10】 本発明の実施の形態7による時間差方位検
出装置の一構成例を示したブロック図である。
【図11】 本発明の実施の形態8による時間差方位検
出装置の一構成例を示したブロック図である。
【図12】 本発明の実施の形態9による時間差方位検
出装置の一構成例を示したブロック図である。
【図13】 本発明の実施の形態10による時間差方位
検出装置の一構成例を示したブロック図である。
【図14】 本発明の実施の形態11による時間差方位
検出装置の一構成例を示したブロック図である。
【図15】 従来の時間差方位検出装置の一構成例を示
したブロック図である。
【図16】 時間差方位測定装置の原理を説明するため
の説明図である。
【図17】 受信系1a,1bにおける受信パルスを示
した図である。
【図18】 パルス検出機能における動作を示したタイ
ミングチャートである。
【符号の説明】
1a,1b,1x 受信系、10a,10b,10x
受信部、11a,11b,11x 空中線、12a,1
2b,12x パルス検出部、20a,20b,20x
信号処理部、21a,21b,21x PRI算出
部、22a,22b パルス抜け補完部、23a,23
b フレーム抽出部、24a,24b 目標パルス分離
部、30 信号処理部、31 単パルス時間差算出部、
32 複数パルス時間差算出部、33 方位算出部、3
4 PRI平均値算出部、35 時間差平均算出部、3
6方位平均算出機能、37 受信系選択部、38 累積
平均方位算出部、39 位置標定部、41 受信パルス
比較部、42 自己位置測定部

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一パルス発信源から到来する一連のパ
    ルス信号を受信する2以上の受信系と、各受信系におけ
    るパルス到来時刻に基づいてパルス到来方位を求める信
    号処理部からなる時間差方位検出装置において、 上記受信系が、一連のパルス信号を受信する空中線と、
    受信パルスを検出して受信パルスごとにパルス到来時刻
    を求めるパルス検出部を備え、 上記信号処理部が、各受信系で求められた一連のパルス
    信号に関する複数のパルス到来時刻について、各受信系
    ごとに統計処理を行って、受信系間のパルス到来時刻の
    時間差を求める複数パルス時間差算出部と、求められた
    パルス到来時刻の時間差、各受信系の空中線間の距離お
    よびパルス信号の伝搬速度に基づいてパルス到来方位を
    求める方位算出部を備えたことを特徴とする時間差方位
    検出装置。
  2. 【請求項2】 上記複数パルス時間差算出部は、各受信
    系で求められた一連のパルス信号に関する複数のパルス
    到来時刻について、各受信系ごとに最小2乗法を用いて
    直線近似した場合におけるパルス到来時刻の初期値の差
    を求めることを特徴とする請求項1に記載の時間差方位
    検出装置。
  3. 【請求項3】 上記受信系が、パルス検出部により求め
    られた複数のパルス到来時刻について統計処理を行っ
    て、パルス繰返間隔を求めるPRI算出部を備え、 上記信号処理部が、各受信系のPRI処理部で求められ
    たパルス繰返間隔の平均値を求めるPRI平均値算出部
    を備え、 上記複数パルス時間差算出部が、PRI平均値算出部で
    求められたパルス繰返間隔の平均値に基づいて、受信系
    間のパルス到来時刻の時間差を求めることを特徴とする
    請求項1に記載の時間差方位検出装置。
  4. 【請求項4】 上記PRI算出部は、パルス検出部によ
    り求められた複数のパルス到来時刻について、最小2乗
    法を用いて直線近似した場合における直線の傾きを求め
    ることを特徴とする請求項3に記載の時間差方位検出装
    置。
  5. 【請求項5】 上記受信系が、パルス検出部において求
    められた複数のパルス到来時刻に基づいて、一連のパル
    ス信号を構成するパルスであって、パルス検出部におい
    て検出されなかったパルスを判別するパルス抜け検出部
    を備えたことを特徴とする請求項3に記載の時間差方位
    検出装置。
  6. 【請求項6】 上記パルス検出部が、受信パルスの到来
    順に各受信パルスに対しパルス到来順番号を付し、 上記パルス抜け検出部が、パルス検出部による未検出パ
    ルスを検出した場合に、到来順に従って当該未検出パル
    スに対し付されるべき到来順番号を欠番とし、パルス検
    出部により受信パルスに付されたパルス到来順番号を補
    正し、 上記複数パルス時間差算出部が、各受信パルスのパルス
    到来時刻および到来順番号に基づいて、受信系間のパル
    ス到来時刻の時間差を求めることを特徴とする請求項5
    に記載の時間差方位検出装置。
  7. 【請求項7】 パルス繰返間隔の異なる複数のパルス信
    号で構成されるパターンがフレーム周期ごとに繰り返さ
    れる一連のパルス信号が同一パルス発信源から到来する
    場合に、 上記受信系が、パルス検出部において求められた複数の
    受信パルスのパルス受信時刻に基づいてフレーム周期を
    求め、上記複数の受信パルスからフレーム周期内の同一
    ポジションにおいて検出された受信パルスを抽出するフ
    レーム抽出部を備えたことを特徴とする請求項3に記載
    の時間差方位検出装置。
  8. 【請求項8】 上記パルス抽出部が、フレーム周期内の
    1つのポジションにおいて検出される受信パルスを抽出
    し、 上記PRI算出部が、抽出された受信パルスのパルス到
    来時刻に基づいて、パルス繰返間隔を求め、 上記複数パルス時間差算出部が、各受信系のパルス抽出
    部において抽出された受信パルスに基づいて、受信系間
    のパルス到来時刻の時間差を求めることを特徴とする請
    求項7に記載の時間差方位検出装置。
  9. 【請求項9】 上記パルス抽出部が、フレーム周期内の
    2以上のポジションに関して各ポジションごとに受信パ
    ルスを抽出し、 上記PRI算出部が、フレーム周期内の各ポジションご
    とに抽出された受信パルスのパルス到来時刻に基づい
    て、各ポジションごとにパルス繰返間隔を求め、 上記PRI平均値算出部が、各受信系のPRI処理部で
    求められたパルス繰返間隔の平均値をフレーム周期内の
    各ポジションごとに求め、 上記複数パルス時間差算出部が、受信系間のパルス到来
    時刻の時間差をフレーム周期内の各ポジションごとに求
    め、 上記信号処理部が、フレーム周期内の各ポジションごと
    に求められたパルス到来時刻の時間差の平均を求める時
    間差平均算出部を備えたことを特徴とする請求項7に記
    載の時間差方位検出装置。
  10. 【請求項10】 各受信系において検出される受信パル
    スのパルス到来時刻に基づいて、受信系間の対応する受
    信パルスを抽出する受信パルス比較部を備え、 PRI算出部が、抽出された受信パルスのパルス到来時
    刻に基づいて、パルス繰返間隔を求めることを特徴とす
    る請求項3に記載の時間差方位検出装置。
  11. 【請求項11】 上記受信パルス比較部は、一方の受信
    系のパルス検出部において検出された受信パルスに基づ
    いて、そのパルス到来時刻から所定の時刻差を有して他
    方の受信系のパルス検出部において検出された受信パル
    スを抽出することを特徴とする請求項10に記載の時間
    差方位検出装置。
  12. 【請求項12】 各受信系において検出される受信パル
    スのパルス諸元に基づいて、目標ごとに受信パルスを分
    離する目標パルス分離部を備え、 上記PRI算出部が、分離された受信パルスのパルス到
    来時刻に基づいて、目標ごとにパルス繰返間隔を求め、 上記PRI平均値算出部が、各受信系のPRI処理部で
    求められたパルス繰返間隔の平均値を目標ごとに求め、 上記複数パルス時間差算出部が、受信系間のパルス到来
    時刻の時間差を目標ごとに求め、 上記方位算出部が、目標ごとにパルス到来方位を求める
    ことを特徴とする請求項3に記載の時間差方位検出装
    置。
  13. 【請求項13】 上記受信系を3以上備え、 上記PRI平均値算出部が、2つの受信系を組み合わせ
    て得られる全ての受信系ペアについて、各受信系ペアご
    とにパルス繰返間隔の平均値を求め、 上記PRI平均値算出部が、各受信系PRI処理部で求
    められたパルス繰返間隔の平均値を受信系ペアごとに求
    め、 上記複数パルス時間差算出部が、受信系間のパルス到来
    時刻の時間差を受信系ペアごとに求め、 上記方位算出部が、パルス到来方位を受信系ペアごとに
    求め、 上記信号処理部が、受信系ペアごとのパルス到来方位の
    平均値を求める方位平均算出部を備えたことを特徴とす
    る請求項3に記載の時間差方位検出装置。
  14. 【請求項14】 上記PRI平均値算出部が、受信系ペ
    アを選別し、全受信系ペアの数よりも少ない受信系ペア
    について、受信系ペアごとにパルス繰返間隔の平均値を
    求めることを特徴とする請求項13に記載の時間差方位
    検出装置。
  15. 【請求項15】 上記PRI平均値算出部が、パルスの
    信号強度又はパルス繰返間隔に基づいて受信系ペアを選
    別することを特徴とする請求項14に記載の時間差方位
    検出装置。
  16. 【請求項16】 上記方位算出部が、同一パルス発信源
    から順次に到来するパルス群ごとにパルス到来方位を検
    出し、 上記信号処理部が、パルス群ごとの複数のパルス到来方
    位の平均値を求める方位平均算出部を備えたことを特徴
    とする請求項3に記載の時間差方位検出装置。
  17. 【請求項17】 上記方位算出部が、同一パルス発信源
    から順次に到来するパルス群ごとにパルス到来方位を検
    出し、 自己の位置情報を検出する位置情報測定部を備え、 上記受信系が、パルス群の受信時に位置情報測定部によ
    り検出された位置情報をパルス群に付する自己位置記録
    部を備えることを特徴とする請求項3に記載の時間差方
    位検出装置。
  18. 【請求項18】 上記方位算出部により求められたパル
    ス到来方位および上記位置情報測定部により検出された
    自己位置情報に基づいて、地図上に方位線をパルス群ご
    とに表示する位置標定部を備えたことを特徴とする請求
    項17に記載の時間差方位検出装置。
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