JP2003215136A - 流体観察用プレート - Google Patents
流体観察用プレートInfo
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Abstract
製の第1プレート10及び第2プレート20とからな
り、このうち第1プレート10の表面には、その長手方
向に沿って長尺な第1貯留窪部12及び第2貯留窪部1
3が仕切部14を介して直列に形成されている。そして
その仕切部14の頂部には、観察用窪部15が形成さ
れ、その観察用窪部15上には、ブロックを等間隔に並
べて複数の溝部160が形成されている。この流体観察
用プレート1は、第1プレート10及び第2プレート2
0の材料としてシリコン単結晶に比べ安価なプラスチッ
クを用いており、また、型枠成型等により安価に製造さ
れる。このため、この流体観察用プレート1は従来の流
体観察用プレートに比べ安価に提供することができる。
Description
体物の流れる様子を観察する流体観察用プレートに関す
る。
は、シリコン単結晶基板を用いて形成されている。具体
的には、シリコン単結晶基板の表面に、一対の貯留窪部
と、この貯留窪部の間に形成され流体物を集中して流す
観察用窪部とが形成された第1プレートと、その第1プ
レートの表面に重ね合わせられるガラス製の第2プレー
トとからなる。そして、この第2プレートを第1プレー
トに重ね合わせることによって、その間に一対の貯留窪
部及び観察用溝部からなる流路が形成されるので、この
流路に流体を流し、観察用窪部に焦点を合わせて、流体
が流れる様子を観察する。するとこのプレートでは、観
察用窪部に流体が集中して流れるので焦点を合わせやす
く、そのため流体中に含まれる物質の振る舞いなどを、
焦点ぼけ等により見逃すことなく確実に観察することが
できる。
る。そしてこの血液を観察するプレートとしては、毛細
血管中の血液の振る舞いを観察するものとして、観察用
窪部に毛細血管とほぼ同じ大きさ(約5μm角)の溝部
を備えているものがある。このプレートを用いると、赤
血球は平均8μmの大きさを有しており、毛細血管中を
通過するときは変態するので、溝部を通過する赤血球を
観察することによって、毛細血管中を流れる赤血球の変
態能を観察することができる。その結果、血液がその機
能を正常に果たしているかチェックすることができる。
トの第1プレートの表面に貯留窪部や溝部を形成するに
は、具体的には集積回路を製造する技術を応用し、第1
プレートを形成するシリコン単結晶基板の上に貯留窪部
や溝部等のパターンを転写し、その後そのパターンに沿
ってエッチングすることによって形成されている。
晶という高価な材料を用いており、また、貯留窪部や溝
部を形成する際、集積回路を製造するのと同様の高価な
装置が必要なので、プレート一枚あたりの単価が非常に
高くなってしまうという問題があった。
ートを提供することを目的としてなされた。
を達するためになされた請求項1記載の流体観察用プレ
ートは、流体を貯留する一対の貯留窪部、及び、該貯留
窪部の一方から他方に向かって流れる流体を集中させて
流す観察用窪部が表面に形成された合成樹脂製の第1プ
レートと、少なくとも前記観察用窪部を外部から観察可
能に、該第1プレートに積層されて前記一対の貯留窪部
及び前記観察用窪部を閉じる合成樹脂製の第2プレート
とを備え、外部から一方の前記貯留窪部に流体を供給
し、あるいは、他方の前記貯留窪部から外部に流体を排
出する一対の給排口が、前記第1プレート及び前記第2
プレートの少なくとも一方に形成されてなることを特徴
とする。この流体観察用プレートは、第1プレート及び
第2プレートの材料としてシリコン単結晶に比べ安価な
合成樹脂を用いており、また、合成樹脂はシリコン単結
晶とは異なり型枠成型等により安価に製造できる。この
ため、本発明の流体観察用プレートは従来の流体観察用
プレートに比べ安価に提供することができる。
流体観察用プレートには、一対の貯留窪部及び観察用窪
部を第2プレートで閉じて形成される流路の壁面に、流
体が貼り付くことを防止する貼付防止層が積層するのが
好ましい。この流体観察用プレートは、流路が貼付防止
層でコーティングされているので、流路に流体が貼り付
いて、流体中の観察対象(例えば血液中の血漿板等)が
観察用窪部に到達しなかったり、流路を塞いでしまうと
いったことを防止することができる。
が、請求項3記載の流体観察用プレートのように、微細
な溝部からなっていてもよい。このプレートを用いる
と、流体が微細な溝部を通るときの振る舞いを観察する
ことができる。具体的には、請求項4記載の流体観察用
プレートのように、流体として血液を流す場合、溝部は
毛細血管と略同じ大きさに形成されたものを用いると、
血液が毛細血管中を流れる様子を観察することができ
る。尚、血液を流す場合は、溝部は毛細血管とほぼ同じ
大きさ(5μm)に形成するのが好ましい。これは、前
述したように、赤血球が平均8μmの大きさを有してお
り、毛細血管中を通過するときは変態して通過するた
め、溝部に血液を通すことにより血液の変態能を観察す
ることができるためである。このためこのプレートを用
いれば、溝部を流れる赤血球等の変態能をチェックする
ことにより、血液がその機能を正常に果たしているかチ
ェックすることができる。
のように、供給口が第2プレートに形成され、第2プレ
ートの表面には、給排口と連通する筒状の第1差込具が
立設されたものが好ましく、この場合、第1差込具に取
り付けられた流体供給手段から貯留窪部に流体を供給す
るとよい。この流体観察用プレートを用いると、流体供
給手段を第1差込具に差し込むだけで、流体を外部から
流路に供給可能になる。
のように、排出口は前記第2プレートに形成され、第2
プレートの表面には、給排口と連通する筒状の第2差込
具が立設されたものが好ましく、第2差込具に取り付け
られた流体排出手段へ貯留窪部から流体を排出するとよ
い。この流体観察用プレートを用いると、流体排出手段
を第1差込具に差し込めば、流体を流路から外部に排出
可能になる。
態について説明する。尚、以下の説明で利用する図面の
うち、図1は流体観察用プレートの説明図で(a)は分
解斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図である。ま
た、図2は観察用溝部の説明図で、(a)は図1(b)
のA−A’で示された観察用溝部の拡大断面図、(b)
は図1(b)のBで示された観察用溝部の拡大平面図で
ある。
1(a)に示すように、プラスチック製の第1プレート
10と、第2プレート20とからなり、これらを重ねて
接着することによって、図1(b)及び(c)のように
形成される。このうち第1プレート10の当接面(第2
プレート20と当接する面)には、図1(a)に示すよ
うに、その長手方向に沿って長尺な第1貯留窪部12と
第2貯留窪部13が直列に形成されている。そして、そ
の第1貯留窪部12と第2貯留窪部13とを仕切る仕切
部14の上部には、図2(a)に示すように、深さ5μ
mの観察用窪部15が形成され、また、この観察用窪部
15には、図2(b)に示すように、第1プレート10
の長手方向に沿って長尺な複数のブロック部16が、5
μm間隔ごとに並行に設置されている。そのため、第1
プレート10に第2プレート20を重ねると、ブロック
部16の間に、人間の毛細血管とほぼ同じ大きさの断面
5μm角の通孔160が形成される。そして、第1貯留
窪部12及び第2貯留窪部13、仕切部14等を含め、
第1プレート10の当接面は、血液が貼り付くことを防
止する貼付防止剤でコーティングされている。
て、その周辺部には、第1貯留窪部12等が形成された
部分よりも一段低い接着台17が形成されている。そし
て、第1プレート10の長手方向両端部に設けられた接
着台17上であって、その幅方向中央には、一対の位置
決突起18,18が設けられている。
接面の裏面)には、図2(a)に示すように、当接面側
に仕切部が設けられる位置に観察窪106が形成されて
いる。そしてこの観察窪106の底面106aは、光学
的に凹凸の少ない平滑な面に仕上げられている。そのた
め、この観察窪106を通し観察用窪15から顕微鏡に
達する光の光量がほとんど落ちない。
レート10と当接する面)には、図1(a)に示すよう
に、血液を第1貯留窪部12に供給あるいは第2貯留窪
部13から排出するための供給口200,排出口201
が穿孔されている(それぞれ本発明の給排口に相当す
る)。この供給口200,排出口201は、第1プレー
ト10と第2プレート20とを重ね合わせたとき、直列
に並んだ第1貯留窪部12及び第2貯留窪部13の両端
部に穿孔されている。そして、この第2プレート20の
裏面(当接面の裏面)には、これら供給口200及び排
出口201と連通する円筒状の第1差込具202及び第
2差込具203が立設されている。そして、第2プレー
ト20の当接面は、血液が貼り付くことを防止する貼付
防止剤でコーティングされている。
て、その周辺部には、供給口200や排出口201が穿
孔された中央部よりも一段低い接着台27が形成されて
いる。そして、その接着台27上であって、第1プレー
ト10の位置決突起18,18に対抗する位置には、一
対の位置決窪28,28が設けられている。
は、図2(a)に示すように、当接面が仕切部14に対
向する位置に観察窪206が形成されている。そしてこ
の観察窪206の底面206aは、光学的に凹凸の少な
い平滑な面に仕上げられている。そのため、この観察窪
206を通して観察用窪15に達する光の光量がほとん
ど落ちない。
の当接面と第2プレート20の当接面とを、位置決突起
18,18が位置決窪28,28に嵌合されるように重
ね合わせる。すると、供給孔200及び排出孔201の
それぞれが、第1貯留窪部12及び第2貯留窪部13の
両端部に位置するよう、第1プレート10と第2プレー
ト20とが重ね合わせられ、第1プレート10と第2プ
レート20との間には、供給孔200〜第1貯留窪部1
2〜観察用窪部15〜第2貯留窪部13〜排出孔201
に至る流路が形成される。また、このプレート10,2
0を重ね合わせると、その周囲側面には、接着台17,
27によって隙間が形成されるので、その隙間に紫外線
硬化性樹脂を注入する。そして、第2プレート20の裏
面側から紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂を硬化さ
せ、第1プレート10及び第2プレート20とを接着固
定する。
を用いて血液の流れを観察する一使用例について説明す
る。ここで、図3は、血液の流れを観察する様子を説明
するための模式図である。まず、第1差込具202に、
図3に示すように、血液が充填されたマイクロセル30
を差し込む。このマイクロセル30は、内部に患者の血
液が充填され、一側面に第1差込具202を差込自在な
孔が穿孔されているので、その孔に第1差込具202を
差し込む。すると、そのマイクロセル30の内部から血
液を排出可能になる。
(注射器または吸引装置等)が接続されたホース34を
差し込む。そして、吸引具32を操作して、マイクロセ
ル30に充填された血液を吸い込む。すると、血液は、
第1貯留窪部12〜観察用窪部15〜第2貯留窪部13
からなる流路を介して吸引具32に吸引される。
察窪106側から顕微鏡を覗いて、観察用窪部15を通
過する血液を観察する。すると、本実施形態の流体観察
用プレート1では、観察用窪部15の通孔160が毛細
血管とほぼ同じ大きさ(5μm)に形成されているの
で、この通孔160を通過する赤血球等の変態能をチェ
ックすることにより、血液がその機能を正常に果たして
いるかチェックすることができるか等、血液の様々な機
能をチェックすることができる。しかも、このプレート
1では、観察窪106,206が光学的に平滑に形成さ
れ、観察に必要な光を観察用窪部15に十分に当てるこ
とができるとともに、顕微鏡側(観察窪106側)に取
り出すこともできるので、通孔160を通過する血液の
様子を顕微鏡で観察するのに十分な明るい環境で観察す
ることができる。
1プレート10及び第2プレート20の材料としてシリ
コン単結晶に比べ安価なプラスチックを用いており、ま
た、プラスチックはシリコン単結晶とは異なり型枠成型
により安価に製造される。このため、この流体観察用プ
レート1は従来の流体観察用プレートに比べ安価に提供
することができる。
12,13及び観察用窪部15からなる流路には、血液
をスムーズに流すため、血液の貼り付きを防止するコー
ティングが施されているので、血液が流路に貼り付い
て、流路を塞いだりすることを確実に防止することがで
きる。
イクロセル30(流体供給手段に相当)を給排具202
に差し込むだけで、血液を流路に供給することが可能と
なる。さらに、この流体観察用プレート1は、ホース3
4(流体排出手段に相当)を給排具202に差し込むだ
けで、血液を流路から排出することが可能となり、取り
扱いが非常に簡単である。
は、全体がプラスチックで形成されリサイクルしやす
く、また安価であるため、血液検査用の医療用用具とし
て用いたとき、ディスポーザブル部品として取り扱うこ
ともできる。尚、本発明の実施の形態は、上記実施形態
に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に
属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもな
い。
20とを接着する接着剤は、紫外線効果性樹脂でなくて
もよいが、なるべく空気が入り込まないよう接着するこ
とができる接着剤が好ましい。また、この流体観察用プ
レート1は、シリコン単結晶基板の表面に第1貯留窪部
12、第2貯留窪部13、観察用窪部15等のパターン
が転写された型枠を用いて形成するとよい。
流す例について記載したが、流体としては、インクでも
よいし、どのようなものを用いてもよいことはもちろん
である。さらに、上記実施形態では、直線状の溝部16
0が形成された例について説明したが、図4に示すよう
に、波状の溝部が形成されていてもよく、また、平面的
に流れる流体を観察する場合は、図5に示すように、観
察用窪部15に、ブロック部16を形成しなくてもよ
い。
斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図である。
のA−A’断面で表された観察用窪部の拡大断面図、
(b)は観察用窪部の拡大平面図である。
を流れる様子を観察する例について説明するための説明
図である。
の拡大平面図である。
第1貯留窪部、13…第2貯留窪部、14…仕切部、1
5…観察用窪部、16…ブロック、17…接着台、18
…位置決突起、20…第2プレート、27…接着台、2
8…位置決窪、106,206…観察窪、160…通
孔、200…供給口、201…排出口、202…第1差
込具、203…第2差込具
Claims (6)
- 【請求項1】 流体を貯留する一対の貯留窪部、及び、
該貯留窪部の一方から他方に向かって流れる流体を集中
させて流す観察用窪部が表面に形成された合成樹脂製の
第1プレートと、 少なくとも前記観察用窪部を外部から観察可能に、該第
1プレートに積層されて前記一対の貯留窪部及び前記観
察用窪部を閉じる合成樹脂製の第2プレートとを備え、 外部から一方の前記貯留窪部に流体を供給し、あるい
は、他方の前記貯留窪部から外部に流体を排出する一対
の給排口が、前記第1プレート及び前記第2プレートの
少なくとも一方に形成されてなることを特徴とする流体
観察用プレート。 - 【請求項2】 一対の前記貯留窪部及び前記観察用窪部
を前記第2プレートで閉じて形成される流路の壁面に
は、前記流体物が貼り付くことを防止する貼付防止層が
積層されていることを特徴とする請求項1記載の流体観
察用プレート。 - 【請求項3】 前記観察用窪部は、微細な溝部からなる
ことを特徴とする請求項1,2いずれか記載の流体観察
用プレート。 - 【請求項4】 前記溝部は毛細血管と略同じ大きさに形
成され、前記流体として血液を流すことを特徴とする請
求項3記載の流体観察用プレート。 - 【請求項5】 前記供給口は前記第2プレートに形成さ
れ、 該第2プレートの表面には、前記給排口と連通する筒状
の第1差込具が立設され、該第1差込具に取り付けられ
た流体供給手段から前記貯留窪部に流体が供給されるこ
とを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の流体観察用
プレート。 - 【請求項6】 前記排出口は前記第2プレートに形成さ
れ、 該第2プレートの表面には、前記給排口と連通する筒状
の第2差込具が立設され、該該2差込具に取り付けられ
た流体排出手段へ前記貯留窪部から流体が排出されるこ
とを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の流体観察用
プレート。
Priority Applications (1)
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JP2002020107A JP3781683B2 (ja) | 2002-01-29 | 2002-01-29 | 流体観察用プレート |
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Publications (2)
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Family Applications (1)
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-
2002
- 2002-01-29 JP JP2002020107A patent/JP3781683B2/ja not_active Expired - Fee Related
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