JP2003214426A - 動圧軸受及びこの動圧軸受を用いたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを備えた記録ディスク駆動装置 - Google Patents

動圧軸受及びこの動圧軸受を用いたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを備えた記録ディスク駆動装置

Info

Publication number
JP2003214426A
JP2003214426A JP2002010949A JP2002010949A JP2003214426A JP 2003214426 A JP2003214426 A JP 2003214426A JP 2002010949 A JP2002010949 A JP 2002010949A JP 2002010949 A JP2002010949 A JP 2002010949A JP 2003214426 A JP2003214426 A JP 2003214426A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sleeve
dynamic pressure
peripheral surface
thrust plate
housing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002010949A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3700936B2 (ja
Inventor
Satoru Sodeoka
覚 袖岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec Corp
Original Assignee
Nidec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nidec Corp filed Critical Nidec Corp
Priority to JP2002010949A priority Critical patent/JP3700936B2/ja
Publication of JP2003214426A publication Critical patent/JP2003214426A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3700936B2 publication Critical patent/JP3700936B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Rotational Drive Of Disk (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高温環境下においても十分な軸受剛性を確保す
ることができると共に、部材の熱膨張による接触を回避
することが可能な動圧軸受及びこの動圧軸受を用いたス
ピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを備えたデ
ィスク駆動装置を提供する。 【解決手段】スラストプレートの一方の面と対向するス
リーブの一方の端面とは軸線方向反対側に位置する他方
の端面に隣接して、テーパシール部が設けられる。スリ
ーブは、テーパシール部の外周側のみにおいてハウジン
グに嵌合固定されると共に、スリーブの外周面とハウジ
ングの中空孔の内周面との間には、嵌合部を除き隙間が
形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は作動流体としてオイ
ルを使用する動圧軸受及びこの動圧軸受を用いたスピン
ドルモータ並びにこのスピンドルモータを備えたディス
ク駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク等のディスク状記録媒体
を回転駆動するために使用されるスピンドルモータは、
ディスクの記憶容量の増大や記録ヘッドによるデータへ
のアクセス速度の向上にともない、これまでロータの回
転を支持するための軸受手段として主に採用されてきた
ボールベアリングの限界性能近くにまで回転速度が高速
化しつつあり、これに代わって回転時に動圧発生溝のポ
ンピングアクションによってオイル等の作動流体に誘起
される動圧を利用し、非接触状態でロータの回転を支持
することが可能な動圧軸受が採用されるようになってき
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のような動圧軸受
装置を備えたスピンドルモータにおいては、例えばスピ
ンドルモータのステータの発熱によってモータ内部の空
間が高温となると、オイルの粘度低下や動圧軸受部を構
成する各部材の熱膨張係数の差異等による微小間隙の間
隙寸法の変化が発生し、ロータの回転時に動圧発生用溝
によって誘起される動圧が低下し、十分な軸受剛性を得
ることができず、ロータの回転が不安定になるという問
題がある。
【0004】オイルの粘度低下を防止しようとして粘度
指数の高いオイルを使用すると、ロータの回転時に、動
圧発生用溝のオイルに対する粘性抵抗が増加し、これが
回転負荷として加わることとなるため、スピンドルモー
タの消費電力が増大する。
【0005】また、米国特許第5,664,889号に開示され
るように、温度上昇時にラジアル軸受部において規定さ
れる間隙を縮小することで動圧の低下が防止されるよ
う、シャフトをスリーブよりも熱膨張係数の大きな部材
から形成した動圧軸受装置も提案されている。しかしな
がら、ラジアル軸受部は、ロータの回転中の姿勢を保持
するためにスラスト軸受部に規定される間隙の寸法より
も小に設定されているため、部材の熱膨張によって間隙
寸法を正確に制御するのは困難である。従って、ラジア
ル軸受部側の間隙で、軸受部の構成によって温度変化に
よる軸受特性変化に対する対策を行う場合、シャフトと
スリーブとの接触による軸受面の損傷や焼付きを来すお
それがある。
【0006】本発明は、高温環境下においても十分な軸
受剛性を確保することができると共に、部材の熱膨張に
よる接触を回避することが可能な動圧軸受及びこの動圧
軸受を用いたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモ
ータを備えたディスク駆動装置を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、シャフトと、該シャフトの一方の端部外周面から半
径方向外方に向かって延設されるフランジ状のスラスト
プレートと、該シャフトの外周面との間にラジアル軸受
部が構成される微小間隙を介して半径方向に対向する内
周面と該スラストプレートの一方の面との間に一方のス
ラスト軸受部が構成される微小間隙を介して軸線方向に
対向する一方の端面とを有する円筒状のスリーブと、内
周面に該スリーブが嵌合固定される両端開放状の中空孔
を規定するハウジングと、該中空孔の一方開口を閉塞し
且つ該スラストプレートの他方の面との間に他方のスラ
スト軸受部が構成される微小間隙を介して軸線方向に対
向する封止部材とを備えてなる動圧軸受において、前記
シャフトの外周面と前記スリーブの内周面との間の微小
間隙及び前記スラストプレートの一方の面と前記スリー
ブの一方の端面並びに前記スラストプレートの他方の面
と前記封止部材との間の微小間隙にはオイルが保持され
ると共に、前記スラストプレートの一方の面と軸線方向
に対向する前記スリーブの一方の端面とは軸線方向反対
側に位置する他方の端面に隣接して、前記シャフトの外
周面と前記スリーブの内周面との間の微小間隙が該スリ
ーブの他方の端面側に向かって漸次拡大するテーパシー
ル部が設けられており、前記スリーブは、前記テーパシ
ール部の半径方向外方に位置する部位のみにおいて前記
ハウジングに嵌合固定されると共に、前記スリーブの外
周面と前記ハウジングの中空孔の内周面との間には、該
嵌合部を除き隙間が形成されている。
【0008】すなわち、スリーブとハウジングとが嵌合
部のみにおいて嵌合固定されており、嵌合部以外の領域
には隙間が形成されているので、スリーブとハウジング
との嵌合部からスリーブのスラストプレートと対向する
側の端面までの部位が、温度上昇時には、軸線方向に膨
張することとなる。従って、オイルの粘度が高い低温時
にはスラスト軸受部の隙間寸法を比較的に広くして粘性
抵抗を抑制すると共に、オイルの粘度が低い高温時に
は、スラスト軸受部の隙間寸法を比較的に小さくするこ
とで、軸受剛性を維持することが可能な構成となる。
【0009】また、スリーブとハウジングとの嵌合位置
を、シャフトとスリーブとの間の隙間の半径方向の寸法
が軸受部よりも大きいテーパシール部の外周側とするこ
とによって、スリーブとハウジングとの嵌合時に発生す
る締結応力に起因して発生するスリーブの変形、歪み等
の軸受部への悪影響を可能な限り排除する。
【0010】請求項2に記載の発明は、前記シャフト並
びに前記スラストプレートと前記スリーブとは熱膨張係
数がほぼ同一の材料から形成されると共に、前記ハウジ
ングは、前記シャフト並びに前記スラストプレートと前
記スリーブを構成する部材の熱膨張係数よりも、大きな
熱膨張係数を有する部材から形成されている。
【0011】シャフト並びにスラストプレートとスリー
ブとを熱膨張係数がほぼ同一の材料から形成すること
で、温度上昇時にもラジアル軸受部側の隙間寸法の変化
量は僅かとなり、隙間寸法の小さなラジアル軸受部であ
っても部材の熱膨張による接触を回避することが可能と
なる。
【0012】請求項3に記載の発明は、前記シャフトの
外周面と前記スリーブの内周面との間には、ラジアル軸
受部が一対構成されており、該一対のラジアル軸受部の
間には、前記スリーブ並びに前記ハウジングを半径方向
に貫通し且つ前記スリーブの外周面と前記中空孔の内周
面との間の隙間を介して外気に連通する連通孔が開口さ
れると共に、前記スリーブの外周面と前記中空孔の内周
面との間の隙間には、前記スリーブの一方の端面に近接
して、前記隙間の半径方向の隙間寸法が前記スリーブの
一方の端面から遠離るにしたがって漸次拡大する第2の
テーパシール部が設けられているものである。
【0013】ハウジングの中空孔とスリーブとの嵌め合
い構造によって、両スラスト軸受部の軸受端部から嵌合
部に至る隙間が形成されることとなる。よって、一対の
ラジアル軸受部の間に、この隙間を介して外気に連通す
る連通孔を設けることによって、一対のラジアル軸受部
の軸受端部と両スラスト軸受部の軸受端部とが外気に開
放されることとなる。
【0014】軸受部へのオイル注入工程等にオイル内に
気泡が混入する場合がある。オイル内に混入した気泡
は、温度上昇や軸受外部環境の減圧等の要因によって体
積膨張し、その結果、オイルが軸受部から外部に押し出
され、オイル保持量の不足による軸受剛性の低下及びこ
れにともなう振れ回り特性の悪化といった問題が発生す
る。しかしながら、一対のラジアル軸受部の軸受端部と
両スラスト軸受部の軸受端部とが外気に開放されること
で、気泡がオイル内に滞留しても各軸受端部から排出可
能な構成となる。また、スリーブのスラストプレート側
端面に近接して第2のテーパシール部を設けることで、
このシール部内に保持されるオイルが、軸受部に保持さ
れるオイルの減少にともなって順次供給されることとな
る。
【0015】請求項4に記載の発明は、ステータを保持
するブラケットと、該ブラケットに対して相対回転する
ロータと、該ロータに固着され該ステータと協働して回
転磁界を発生するロータマグネットと、該ロータの回転
を支持する動圧軸受とを備えたスピンドルモータにおい
て、前記動圧軸受は、請求項1乃至4のいずれかに記載
した動圧軸受を用いたものである。
【0016】本発明の動圧軸受を軸受手段として用いる
ことで、幅広い温度範囲で安定した軸受剛性が得られる
と共に、消費電力を抑制することが可能なスピンドルモ
ータとなる。
【0017】請求項5に記載の発明は、情報を記録でき
る円板状記録媒体が装着されるディスク駆動装置におい
て、ハウジングと、該ハウジングの内部に固定され該記
録媒体を回転させるスピンドルモータと、該記録媒体の
所要の位置に情報を書き込み又は読み出すための情報ア
クセス手段とを有するディスク駆動装置であって、前記
スピンドルモータとして、請求項5に記載したスピンド
ルモータを備えたものである。
【0018】本発明のスピンドルモータは、幅広い温度
範囲で安定した軸受剛性を得ることが可能であると共
に、消費電力量を抑制することが可能であることから、
例えば外径がハードディスクを駆動するディスク駆動装
置において好適に使用可能であるが、これに限定され
ず、ハードディスク等の固定式又はCD−ROM、DV
D等の着脱式の記録媒体を駆動するディスク駆動装置に
おいても同様に使用可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態につい
て図面を参照して説明するが、本発明は以下に示す実施
例に限定されるものではない。
【0020】(第1の実施形態)図1に図示されるスピ
ンドルモータは、外周部にハードディスク(図5におい
てディスク板53として示す)が保持されるロータハブ
2と、このロータハブ2に取付けられるシャフト4と、
シャフト4の自由端部(ロータハブ2に取付けられる側
とは反対側の端部)の外周面から半径方向外方に延伸す
る円板状のスラストプレート6とから構成されるロータ
と、ブラケット8に設けられた円筒状ボス部8aに中空
円筒状のハウジング9を介して固定されるスリーブ10
とを有する。ハウジング9の内周面上端部には、半径方
向内方に突出する嵌め合い部9aが設けられており、こ
の嵌め合い部9aの内周面と、スリーブ10の外周面上
端部とが圧入固定されている。ハウジング9の内周面と
スリーブ10の外周面とは、嵌合部Aのみにおいて相互
に圧入固定されており、この嵌合部A以外の領域では、
ハウジング9の内周面とスリーブ10の外周面との間に
隙間Cが全周にわたって設けられている。尚、嵌合部A
におけるハウジング9とスリーブ10と嵌合構造につい
ては、後に詳細に説明する。また、ロータハブ2の内面
側には、ロータマグネット12が接着等の手段によって
取付けられ、ブラケット8にはこのロータマグネット1
2と半径方向に対向してステータ14が配置される。
【0021】スリーブ10には、スリーブ10を軸線方
向に貫通する貫通孔10aが形成されており、シャフト
4は、この貫通孔10aとの間に微小間隙を形成して挿
通される。このスリーブ10とスラストプレート6とは
ほぼ等しい外径を有しており、スリーブ10の下端面は
スラストプレート6の上側面との間に微小間隙を形成す
る。また、ハウジング9の下端部内周側には段部9bが
設けられており、この段部9bには、ハウジング9の下
端部側の開口を閉塞するスラストブッシュ16が接着等
の手段によって取付けられており、このスラストブッシ
ュ16は、スラストプレート6の下側面並びにシャフト
4の自由端部側端面との間に隙間を形成している。
【0022】これら貫通孔10aの内周面とシャフト4
の外周面との間に形成される微小間隙、スリーブ10の
下端面とスラストプレート6の上側面との間の微小間隙
並びにハウジング9の内周面とスラストプレート6の外
周面との間の隙間、更には、スラストブッシュ16とス
ラストプレート6の下側面との間の隙間は、全て連続し
ており、これら連続する各隙間内には、オイルが途切れ
ることなく保持されている。また、これら一連の間隙内
に保持されるオイルは、毛細管現象によって、隙間C内
にも浸入している。
【0023】嵌合部Aの内周側に位置する貫通孔10a
の内周面上端部は、シャフト4の外周面との間に形成さ
れる微小間隙の半径方向の隙間寸法が、ロータハブ2側
に向かって漸次拡大するよう構成されたテーパ面10a
1が設けられており、このテーパ面10a1とシャフト
4の外周面との間にオイルと外気との界面が形成され、
テーパシール部S1が形成される。尚、図1に図示され
る実施形態においては、上述のとおりシャフト4並びに
スラストプレート6とスリーブ10、ハウジング9及び
スラストブッシュ16との間に形成される各隙間には、
オイルが途切れることなく連続して保持されており、オ
イルはテーパシール部S1内においてのみ外気と接して
いる。
【0024】スリーブ10の貫通孔10aの内周面に
は、テーパシール部S1に隣接して、回転方向に対して
相反する方向に傾斜した一対のスパイラル溝を連結して
構成される略「く」の字状のヘリングボーングルーブに
よる周状の動圧発生溝列18aが形成されており、シャ
フト4の外周面との間に上部ラジアル動圧軸受部18が
構成されている。
【0025】この動圧発生溝列18aにおけるヘリング
ボーングルーブは、テーパシール部S1側、つまりオイ
ルの界面側に位置するスパイラル溝部が、スラストプレ
ート6側に位置する他方のスパイラル溝部よりも軸線方
向寸法が大に形成されており、他方のスパイラル溝部に
よるポンピング圧を上回るポンピング圧を発生する。こ
の発生する動圧が軸線方向にアンバランスなヘリングボ
ーングルーブによって、シャフト4の回転に応じて、ス
パイラル溝の連結部において発生する流体動圧が極大と
なり、必要な荷重支持圧を発生すると同時に、テーパシ
ール部S1側のスパイラル溝部と他方のスパイラル溝部
とのポンピング力のアンバランス量分、オイルに対して
界面側からスラストプレート6側に向かって押し込む押
し込み圧が生じる。この押し込み圧によって、上部ラジ
アル動圧軸受部18で高められたオイル内圧がスラスト
プレート6側に伝播される。
【0026】また、スリーブ10の貫通孔10aの内周
面には、スリーブ10の下端面に隣接して、ロータ6の
回転時にオイルに流体動圧を誘起する、相反する方向に
傾斜した一対のスパイラル溝を連結して構成される略
「く」の字状のヘリングボーングルーブによる周状の動
圧発生溝列20aが形成されており、シャフト4の外周
面との間で下部ラジアル動圧軸受部20が構成される。
【0027】下部ラジアル動圧軸受部20に形成される
動圧発生溝列20aにおけるヘリングボーングルーブ
は、各スパイラル溝部が実質的に同等のポンピング力を
発生するよう、回転軸心に対する傾斜角度、溝深さ、全
長及び幅寸法が略同一となる、つまり、各スパイラル溝
が連結部に対して線対称になるよう設定されている。従
って、下部ラジアル動圧軸受部20では、軸受部の軸線
方向中央部(スパイラル溝の連結部)において発生する
流体動圧が極大となり、オイルに対して軸線方向いずれ
かの方向に向かう押し込み圧を発生することはない。
【0028】スリーブ10の下端面には、スパイラルグ
ルーブによる動圧発生溝列22aがスラストプレート6
と同心円状に形成されており、スラストプレート6の上
側面との間に上部スラスト動圧軸受部22が構成されて
いる。この動圧発生溝列22aにおけるスパイラルグル
ーブは、スラストプレート6の回転に応じてオイルを半
径方向内方、つまりシャフト4側に作用する動圧が発生
するようポンプイン形状を有しており、動圧発生溝列2
2aによって発生した流体動圧によって、スラストプレ
ート6がスリーブ10の下端面から離間する方向に作用
する軸支持力が得られる。
【0029】更に、スラストプレート6の下側面と軸線
方向に対向する、スラストブッシュ16の内面には、ス
パイラルグルーブによる動圧発生溝列24aがスラスト
プレート6と同心円状に形成されており、スラストプレ
ート6の下側面との間に下部スラスト動圧軸受部24が
構成されている。この動圧発生溝列24aスパイラルグ
ルーブは、上部スラスト動圧軸受部22に形成される動
圧発生溝列22aにおけるスパイラルグルーブと同様
に、スラストプレート6の回転に応じてオイルを半径方
向内方、つまりスラストプレート6の回転中心部側に作
用する動圧が発生するよう、ポンプイン形状を有してお
り、動圧発生溝列24aによって発生した流体動圧によ
って、スラストプレート6がスラストブッシュ16に対
して浮上する。
【0030】各動圧軸受部18,20,22及び24に
設けられる動圧発生溝列18a,20a,22a及び2
4aの溝パターンを上記のとおりとすることによって、
スピンドルモータの回転に応じて、上部及び下部ラジア
ル動圧軸受18,20では、動圧発生溝列18a,20
aによるポンピング力が高まり、ラジアル方向の荷重を
支持するために必要な支持圧を発生すると同時に、上部
ラジアル動圧軸受部では、軸線方向にアンバランスな形
状を有するヘリングボーングルーブのポンピングによっ
て、オイルに対して界面側からスラストプレート6側に
作用する押し込み圧が生じる。
【0031】この上部ラジアル動圧軸受部18で発生し
たオイルに対する押し込み圧によって、上部ラジアル動
圧軸受部18よりもスラストプレート6側に位置する間
隙中に保持されるオイルの内圧が大気圧以上となり、連
続して保持されるオイルのいずれの領域においても、負
圧の発生が防止される。
【0032】(第2の実施形態)次に図2を参照して本
発明の第2の実施形態について、軸受部のみを示して説
明するが、この図2に示す実施形態も、当然に図1に図
示する如きスピンドルモータに適用可能である。また、
上記第1の実施形態と実質上同じ構造を有する部位につ
いては同じ番号を付し、その説明を省略する。
【0033】図2に図示される第2の実施形態におい
て、シャフト4’の外周面には、軸線方向略中央部付近
に環状凹部4’aが設けられている。この環状凹部4’
aは、軸線方向両端部側に向かって外径が漸次増加する
一対のテーパ面を有しており、スリーブ10’の貫通孔
10’aの内周面との間に、それぞれ軸線方向の相反す
る方向を向く一対にテーパシール部S2,S3が形成さ
れる空気保持部26が規定される。この空気保持部26
によって、シャフト4’の外周面と貫通孔10’aとの
間に形成される形成される微小間隙に保持されるオイル
は、軸線方向に分断されることとなる。尚、貫通孔1
0’aの上端部には、第1の実施形態と同様にテーパ面
10’a1が設けられており、シャフト4’の外周面と
の間にテーパシール部S1が形成されている。
【0034】ハウジング9’の内周面とスリーブ10’
の外周面とは、テーパシール部S1の外周部に位置する
嵌合部A’のみにおいて相互に圧入固定されており、こ
の嵌合部A’以外の領域では、ハウジング9’の内周面
とスリーブ10’の外周面との間に隙間C’が全周にわ
たって設けられている。この嵌合部A’では、ハウジン
グ9’の内周面上端部から半径方向内方に突出する嵌め
合い部9’aの内周面と、スリーブ10’の外周面上端
部とが圧入固定されているが、その詳細については、上
記第1の実施形態における嵌合構造と併せて後に詳述す
る。
【0035】スリーブ10’には空気保持部26に開口
するように半径方向の貫通孔28aが設けられており、
またこのスリーブ10’が嵌合固定されるハウジング
9’にも貫通孔28aに連続する貫通孔28bが設けら
れている。これら貫通孔28a,28bは、空気保持部
に保持される空気を隙間C’を介して外気に連通する連
通孔28を構成している。この連通孔28によって、テ
ーパシール部S1とテーパシール部S2との間に保持さ
れるオイルは、両端界面がともに等しい空気圧に晒され
ることとなりバランスする。
【0036】テーパシールS3よりも軸線方向下部側に
位置するシャフト4’と貫通孔10’aの内周面との間
の微小間隙、スリーブ10’の下端面とスラストプレー
ト6の上側面との間の微小間隙並びにハウジング9’の
内周面とスラストプレート6の外周面との間の隙間、更
には、ハウジング9’の下端部開口に設けられた段部
9’bに接着等の手段によって取付けられることでこれ
を閉塞するスラストブッシュ16とスラストプレート6
の下側面との間の隙間は連続しており、これら連続する
各隙間内には、オイルが途切れることなく保持されてい
る。また、これら連続する一連の隙間内に保持されるオ
イルは、後に説明するとおり隙間C’の一部にも毛細管
現象によって浸入し、保持されている。
【0037】スリーブ10’の外周面には、ハウジング
9’の内周面との間に形成される隙間C’がスリーブ1
0’の下端面から遠離るにつれて漸次拡大するよう、テ
ーパ面10’a2が設けられている。尚、このテーパ面
10’a2は、スリーブ10’の下端面に近接して設け
られている。
【0038】上記したとおり、スリーブ10’の外周面
とハウジング9’の内周面との間に形成される隙間C’
は、空気保持部26と外気とを連通する連通孔28を構
成する貫通孔28a,28bに連結しており、貫通孔2
8a,28b間に介在する隙間C’内にも空気が保持さ
れている。従って、毛細管現象によって隙間C’内に浸
入したオイルは、テーパ面10’a2において連通孔2
8によって取り込まれた空気との界面が形成され保持さ
れる。つまり、このテーパ面10’a2とハウジング
9’の内周面との間にテーパシール部S4が形成される
こととなる。
【0039】すなわち、空気保持部26の軸線方向下部
側に位置するテーパシール部S3とこのテーパシールS
4との間に保持されるオイルは、テーパシール部S3及
びS4において同じ空気圧に晒されることとなり、バラ
ンスする。
【0040】テーパシール部S1及びS2間に位置する
スリーブ10’の貫通孔10’aの内周面には、回転時
にオイルに流体動圧を誘起する、相反する方向に傾斜し
た一対のスパイラル溝を連結して構成される略「く」の
字状のヘリングボーングルーブによる周状の動圧発生溝
列18’aが形成されており、シャフト4’の外周面と
の間で上部ラジアル動圧軸受部18’が構成される。
【0041】上部ラジアル動圧軸受部18’に形成され
る動圧発生溝列18’aにおけるヘリングボーングルー
ブは、各スパイラル溝部が実質的に同等のポンピング力
を発生するよう、回転軸心に対する傾斜角度、溝深さ、
全長及び幅寸法が略同一となる、つまり、各スパイラル
溝が連結部に対して線対称になるよう設定されている。
従って、上部ラジアル動圧軸受部18’では、軸受部の
軸線方向中央部(スパイラル溝の連結部)において発生
する流体動圧が極大となる。
【0042】また、テーパシール部S3と下端面との間
に位置するスリーブ10’の貫通孔10’aの内周面に
は、回転方向に対して相反する方向に傾斜した一対のス
パイラル溝を連結して構成される略「く」の字状のヘリ
ングボーングルーブによる周状の動圧発生溝列20’a
が形成されており、シャフト4’の外周面との間に下部
ラジアル動圧軸受部20’が構成されている。
【0043】この動圧発生溝列20’aにおけるヘリン
グボーングルーブは、テーパシール部S3側、つまりオ
イルの界面側に位置するスパイラル溝部が、スラストプ
レート6側に位置する他方のスパイラル溝部よりも軸線
方向寸法が大に形成されており、他方のスパイラル溝部
によるポンピング圧を上回るポンピング圧を発生する。
この発生する動圧が軸線方向にアンバランスなヘリング
ボーングルーブによって、回転時にはスパイラル溝の連
結部において発生する流体動圧が極大となり、必要な荷
重支持圧を発生すると同時に、テーパシール部S3側の
スパイラル溝部と他方のスパイラル溝部とのポンピング
力のアンバランス量分、オイルに対して界面側からスラ
ストプレート6側に向かって押し込む押し込み圧が生じ
る。この押し込み圧によって、下部ラジアル動圧軸受部
20’で高められたオイル内圧がスラストプレート6側
に伝播される。
【0044】スリーブ10’の下端面には、スパイラル
グルーブによる動圧発生溝列22’aがスラストプレー
ト6と同心円状に形成されており、スラストプレート6
の上側面との間に上部スラスト動圧軸受部22’が構成
されている。この動圧発生溝列22’aにおけるスパイ
ラルグルーブは、回転時にオイルを半径方向内方、つま
りシャフト4’側に圧送する動圧が発生するようポンプ
イン形状を有している。既に説明したとおり、下部ラジ
アル動圧軸受部20’では、軸線方向にアンバランスな
形状のヘリングボーングルーブによる動圧発生溝列2
0’aによってスラストプレート6側へと伝播される圧
力が誘起されており、この下部ラジアル動圧軸受部2
0’側からスラストプレート6側に伝播される圧力と、
上部スラスト動圧軸受部22’の動圧発生溝列22’a
によって誘起される半径方向内方に向かう動圧とによっ
て、シャフト4’とスラストプレート6との角部、つま
り下部ラジアル動圧軸受部20’と上部スラスト動圧軸
受部22’との境界部において、動圧が極大となり、ス
ラストプレート6がスリーブ10’の下端面から離間す
る方向に作用する軸支持力が得られる。
【0045】更に、スラストプレート6の下側面と軸線
方向に対向する、スラストブッシュ16の内面には、ス
パイラルグルーブによる動圧発生溝列24’aがスラス
トプレート6と同心円状に形成されており、スラストプ
レート6の下側面との間に下部スラスト動圧軸受部2
4’が構成されている。この動圧発生溝列24’aにお
けるスパイラルグルーブは、上部スラスト動圧軸受部2
2’に形成される動圧発生溝列22’aにおけるスパイ
ラルグルーブと同様に、スラストプレート6の回転に応
じてオイルを半径方向内方、つまりスラストプレート6
の回転中心部側に作用する動圧が発生するよう、ポンプ
イン形状を有しており、スラストプレート6の中央部付
近にて動圧が極大となる領域が現れる。この動圧発生溝
列24’aによって発生した流体動圧によって、スラス
トプレート6がスラストブッシュ16に対して浮上す
る。
【0046】各動圧軸受部18’,20’,22’及び
24’に設けられる動圧発生溝列18’a,20’a,
22’a及び24’aの溝パターンを上記のとおりとす
ることによって、回転時には各軸受部の中央部(協働し
て軸支持する上部スラスト動圧軸受部22’と下部ラジ
アル動圧軸受20’では、その境界部)において動圧が
極大となり、各テーパシール部S1乃至S4側に向かう
にしたがって、順次低圧となる圧力勾配となる。従っ
て、オイル内に気泡が混入した場合も、気泡は高圧側か
ら低圧側へと移動することから、各各動圧軸受部1
8’,20’,22’及び24’から各テーパシール部
S1乃至S4へと自ら移動して、排出される。
【0047】また、上記第2の実施形態においては、テ
ーパシール部S4がスリーブ10’の外周面に設けられ
ていることから、各動圧軸受部と干渉することないので
容積の確保が容易であり、オイルの体積や内圧の増減に
よる界面の移動に対してテーパシール部S3とバランス
しながら、十分に追随することができると共に、テーパ
シールS3よりも軸線方向下部側に位置するシャフト
4’と貫通孔10’aの内周面との間の微小間隙、スリ
ーブ10’の下端面とスラストプレート6の上側面との
間の微小間隙並びにハウジング9’の内周面とスラスト
プレート6の外周面との間の隙間、更には、ハウジング
9’の下端部開口を閉塞するスラストブッシュ16とス
ラストプレート6の下側面との間の一連の隙間内に保持
されるオイルが、長期間の使用による蒸発等で減少した
場合も、テーパシール部S4内に十分な量のオイルが貯
えられているので、これがオイルリザーバとして機能
し、軸受が長寿命化され、信頼性並びに耐久性が改善さ
れる。
【0048】(ハウジングとスリーブとの嵌合構造の詳
細)上記第1及び第2の実施形態における動圧軸受のハ
ウジングとスリーブとの嵌合構造について実施例と比較
例とを対照して詳細を説明する。尚、重複した記載を防
ぐための、以下の説明では第1の実施形態における軸受
部の構造を例に上げて説明するが、嵌合部の構造並びに
ハウジング並びにスリーブを構成する部材等については
第2の実施形態もこれに同様である。
【0049】(実施例)図3は、本発明における軸受部
の一例である。尚、動圧軸受部の構成等については既に
説明済みであるため番号を省略し、ハウジングとスリー
ブとの嵌合構造とその作用についてのみ説明する。
【0050】まず、ハウジング9の内周面の上端部に
は、内周面が半径方向内方に突出する環状の嵌め合い部
9aが形成されており、この嵌め合い部9aの内周面
と、テーパシール部S1の外周側に位置するスリーブ1
0の外周面とが圧入され、嵌合部A(本発明の第2の実
施形態においては、嵌合部A’)が構成される。尚、既
に説明したとおり、ハウジング9の内周面とスリーブ1
0の外周面との間は、嵌合部Aよりも軸線方向下側の領
域は全て隙間Cとなっており、接触していない。
【0051】この実施例において、シャフト4及びスラ
ストプレート6をSUS304Se等SUS300系の
材料から形成する。このSUS300系材料の熱膨張係
数は、概ね17.3×10-6である。また、スリーブ1
0は、C5191等の銅系の材料から形成する。この銅
系材料の熱膨張係数は、概ね17.6×10-6である。
更に、スリーブ10が嵌合固定されるハウジング9をS
US440C等SUS400系の材料から形成する。こ
のSUS400系材料の熱膨張係数は、概ね10.1×
10-6である。従って、シャフト4並びにスラストプレ
ート6とスリーブ10とは熱膨張係数がほぼ同一の材料
から形成されると共に、ハウジング9は、シャフト4並
びにスラストプレート6とスリーブ10を構成する部材
の熱膨張係数よりも大きな熱膨張係数を有する部材から
形成されることとなる。尚、ハウジング9とスリーブ1
0との嵌合部である嵌合部Aの下端からスリーブ10の
下端面までの軸線方向寸法、すなわち隙間Cの軸線方向
寸法は10mm、嵌合部Aの下端からスラストブッシュ
16上面までの軸線方向寸法は11.02mm、スラス
トプレート6の肉厚(軸線方向の厚み寸法)は1mmに
設定されている。すなわち、上下スラスト動圧軸受部に
おける微小間隙を意味する、スラストプレート6が軸線
方向に移動可能な隙間として、0.02mmの隙間が形
成されている。
【0052】(比較例)図4に図示する軸受は、ハウジ
ングaとスリーブbとの嵌合部Bが、スリーブbの軸線
方向略中央部に位置する比較例であり、嵌合部Bの軸線
方向両側には、ハウジングaの内周面とスリーブbの外
周面との間に、それぞれ隙間1及び隙間2が形成されて
いる。尚、比較例における、嵌合構造以外の構成は図3
に示す実施例と同様であり、シャフトc並びにスラスト
プレートd、スリーブb及びハウジングcも、それぞれ
シャフト4及びスラストプレート6、スリーブ10及び
ハウジング9と同じ材料から形成され、熱膨張係数につ
いても同じ値である。また、各部の寸法関係も同一であ
るが、嵌合部Bの上端からスリーブbの上端面までの軸
線方向寸法、すなわち隙間1の軸線方向寸法と嵌合部B
の下端からスリーブbの下端面までの軸線方向寸法、す
なわち隙間2の軸線方向寸法とがそれぞれ5mmづつで
ある点並びに嵌合部Bの下端からスラストブッシュeの
上面までの軸線方向寸法が5.02mmである点のみ図
3に示す本発明の実施例と異なる。
【0053】(比較)上記構成の実施例及び比較例につ
いて、それぞれ60゜Cの温度上昇があった場合の各寸法
関係の変化を計算によって求めたところ、以下のような
結果となった。
【0054】
【表1】 つまり、実施例は比較例に比べてスラストプレート6が
軸線方向に移動可能な隙間寸法が0.002mm小さく
なった。すなわち、上部及び下部スラスト動圧軸受部の
微小間隙の寸法が、それぞれ0.001mmづつ小さく
なったこととなる。
【0055】(考察)上記スラストプレートが軸線方向
に移動可能な隙間寸法の差は、ハウジングとスリーブと
の嵌合部の位置の違いによるものであることが見て取れ
る。実施例の場合、嵌合部Aがスリーブ10の上端部に
位置しているため、ハウジング9とスリーブ10との熱
膨張差によって、嵌合部Aからスリーブ10の下端面ま
での軸線方向寸法10mm分の熱膨張が得られるのに対
し、比較例では、嵌合部Bがスリーブbの軸線方向中央
部に位置しているため、嵌合部Bからスリーブbの下端
面までの軸線方向寸法5mm分の熱膨張しか得られなか
ったこととなる。実施例と比較例との熱膨張差0.00
2mmは、一見すると僅かな差でしかないように思われ
るが、スラスト動圧軸受部においては、通常0.005
mmから0.009mm程度の微小間隙しか形成されて
いないため、各軸受部で0.001mm隙間寸法が小さ
くなるだけでも軸受剛性やオイルの粘性抵抗が大きく異
なる。
【0056】また、実施例においては、テーパシール部
S1の外周側に嵌合部Aが位置するよう構成している
が、これは、テーパシール部では、軸受部を構成するシ
ャフト4の外周面とスリーブ10の貫通孔10aとの間
に形成される微小間隙の隙間寸法に対して最大10倍前
後隙間寸法に設定されるためである。嵌合部Aをテーパ
シール部S1の外周側、つまりスリーブ10の上端部に
配置することで、ハウジング9とスリーブ10との熱膨
張差によって、オイルの粘度が高く比較的に高い動圧を
得やすい低温時にはスラスト動圧軸受部の微小間隙を比
較的に広くし、オイルによる粘性抵抗を低減して軸受と
しての効率を向上することができると共に、オイルの粘
度が低下して軸受剛性も低下する温度上昇時には、スラ
スト動圧軸受部の微小間隙の隙間寸法を比較的に狭くし
て、誘起する動圧を大きくして温度上昇による軸受特性
の劣化分を補償することが可能になる。加えて、ハウジ
ング9とスリーブ10との圧入嵌合時に生じる締結応力
やスリーブ10とハウジング9との間の部材の熱膨張差
に起因する熱応力により、スリーブ10の内周面に変
形、歪み等が生じた場合も、その変形分を吸収してシャ
フト4とスリーブ10との接触を回避するという効果を
奏することが可能となる。
【0057】更に、シャフト4とスリーブ10とを熱膨
張係数がほぼ同等の材料から形成することで、温度変化
によらずラジアル動圧軸受部の微小間隙の隙間寸法を一
定に維持し、軸受特性の変化が生じたり、あるいは隙間
寸法が小さくなりすぎ、両部材間に接触が生じるといっ
たことが防止される。また、外部衝撃の印加等によって
万一シャフト4とスリーブ10との接触が生じた場合
も、両部材を異種金属材料から形成しておけば、焼き付
き等が生じる懸念を可及的に小さくすることが可能とな
る。
【0058】尚、上記第2の実施形態の場合、既に説明
したとおり、下部ラジアル動圧軸受部20’に設けられ
た、テーパシール部S3側に位置するスパイラル溝部が
スラストプレート6側に位置するスパイラル溝部よりも
軸線方向寸法が大に設定されたアンバランスなヘリング
ボーングルーブによる動圧発生溝列20’aによって、
回転時にオイルはテーパシール部S3側からスラストプ
レート6側に押し込まれ、また、上部スラスト動圧軸受
部22’に設けられたポンプイン形状のスパイラルグル
ーブによる動圧発生溝列22’aによって、回転時にオ
イルはスラストプレート6の外周側から内周側に押し込
まれる。その結果、下部ラジアル動圧軸受部20’と上
部スラスト動圧軸受部22’との境界部において動圧が
極大となる。
【0059】このとき、下部ラジアル動圧軸受部20’
の動圧発生溝列20’aが、上部スラスト動圧軸受部2
2’のスパイラルグルーブによる動圧発生溝列22’a
よりも、ポンピング力の高いヘリングボーングルーブで
あることから、オイルの界面が下部ラジアル動圧軸受部
20’側に移動し、動圧発生溝列20’aのうちテーパ
シール部S3側にあるスパイラル溝部の一部は、空気中
に露出した状態となる。
【0060】上記比較例のように、温度変化によっても
スラストプレートが軸線方向に移動可能な隙間寸法、す
なわち上下スラスト動圧軸受部の微小間隙の隙間寸法に
あまり変化のない場合、オイルの粘度低下と動圧発生溝
列の一部が空気中に露出することによって、温度上昇時
には発生する動圧が低下し、軸受剛性の不足が懸念され
ることとなる。しかしながら、実施例のごとく、上部及
び下部スラスト動圧軸受部22’,24’部に形成され
る微小間隙の寸法が、低温時には広く、また温度上昇時
には狭くなるようスリーブ10’が熱膨張することによ
って、上部スラスト動圧軸受部22’では、温度上昇時
には微小間隙が狭くなり、高い動圧を発生するようにな
る。
【0061】従って、温度の上昇とともに動圧発生溝列
20’aによるオイルに対する押し込み圧が緩和され、
オイルの界面の下部ラジアル動圧軸受部20’側への移
動が抑制されるので、動圧発生溝列20’aのうち空気
中に露出する部分が少なくなり、発生する動圧の低下に
より軸受剛性が不足することはない。また、低温時に
は、上部スラスト動圧軸受部22’の微小間隙が広くな
るので、動圧発生溝列22’aの発生する動圧が低下
し、下部ラジアル動圧軸受部20’ではオイルに対する
押し込み圧がより強く作用するので、テーパシール部S
3側のオイル界面の移動量が大きくなり、動圧発生溝列
20’aのうち空気中に露出する部分が多くなる。この
場合、空気中に露出する部分が多くなることで、動圧発
生溝列20’aのポンピング力は低下するが、低温時に
はオイルの粘度が比較的に高いため、必要以上に発生す
る動圧が低下することはなく、むしろ、動圧発生溝列2
0’aとオイルとの接触面積が少なくなることから、オ
イルの粘性抵抗が抑制され、損失が低減されることとな
る。
【0062】(ディスク駆動装置の構成)図5に、一般
的なディスク駆動装置50の内部構成を模式図として示
す。ハウジング51の内部は塵・埃等が極度に少ないク
リーンな空間を形成しており、その内部に情報を記憶す
る円板状のディスク板53が装着されたスピンドルモー
タ52が設置されている。加えてハウジング51の内部
には、ディスク板53に対して情報を読み書きするヘッ
ド移動機構57が配置され、このヘッド移動機構57
は、ディスク板53上の情報を読み書きするヘッド5
6、このヘッドを支えるアーム55及びヘッド56及び
アーム55をディスク板53上の所要の位置に移動させ
るアクチュエータ部54により構成される。
【0063】このようなディスク駆動装置50のスピン
ドルモータ52として図1及び図2に示す実施形態の動
圧軸受を有するスピンドルモータを使用することで、幅
広い温度範囲において安定した回転精度を得つつも、消
費電力量を抑制することが可能なディスク駆動装置50
とすることができる。
【0064】以上、本発明に従う動圧軸受及びこの動圧
軸受を用いたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモ
ータを備えたディスク駆動装置の実施形態について説明
したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものでは
なく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至
修正が可能である。
【0065】例えば、上記各実施形態においては、ハウ
ジング9,9’の内周面に半径方向内方に突出する環状
の嵌め合い部9a,9’aを設ける構成について説明し
たが、嵌め合い部はスリーブ10,10’の外周面上端
部から半径方向外方に突出する構成とすることも可能で
ある。
【0066】また、スリーブ10,10’については、
シャフト4及びスラストプレート6を構成する部材とほ
ぼ同一で且つハウジング9,9’を構成する部材よりも
小さな熱膨張係数を有する部材から形成されていればよ
く、無垢の金属材だけではなく多孔質の焼結金属材から
形成することも可能である。
【0067】更に、ブラケット8は、ディスク駆動装置
のハウジング(図5において、ハウジング51として示
す)にネジ等の手段で固定されるが、ハウジングとブラ
ケットとを一体化することで、このハウジングをブラケ
ット8として用いることも可能である。
【0068】
【発明の効果】本発明の請求項1の動圧軸受では、嵌合
時の締結応力に起因するスリーブの変形、歪み等の軸受
部への悪影響を可能な限り排除することが可能になる。
また、オイルの粘度が高い低温時にはスラスト軸受部の
隙間寸法を比較的に広くして粘性抵抗を抑制すると共
に、オイルの粘度が低い高温時には、スラスト軸受部の
隙間寸法を比較的に小さくすることで、軸受剛性を維持
することが可能となる。
【0069】本発明の請求項2の動圧軸受では、温度上
昇時にもラジアル軸受部側の隙間寸法の変化量は僅かと
なり、隙間寸法の小さなラジアル軸受部においても部材
の熱膨張による接触を回避することが可能となる。ま
た、シャフト並びにスラストプレートとスリーブとは熱
膨張係数がほぼ同一の材料から形成されると共に、ハウ
ジングをスリーブよりも大きな熱膨張係数を有する部材
から形成することによる温度上昇時の熱応力に起因する
スリーブの変形や歪み等は、ハウジングとスリーブとの
嵌合部位をテーパシール部の外周側とすることで吸収さ
れ、軸受部に悪影響が生じることはない。
【0070】本発明の請求項3の動圧軸受では、オイル
内に発生する気泡を各軸受端部から排出可能な構成とな
る。また、スリーブのスラストプレート側端面に近接し
て第2のテーパシール部を設けることで、このシール部
内に保持されるオイルが、軸受部に保持されるオイルの
減少にともなって順次供給されることとなるので、軸受
を長寿命化し、信頼性並びに耐久性を改善することが可
能となる。
【0071】本発明の請求項4のスピンドルモータで
は、幅広い温度範囲で安定した軸受剛性が得られると共
に、消費電力を抑制することが可能となる。
【0072】本発明の請求項5のディスク駆動装置で
は、幅広い温度範囲において安定した回転精度を得つつ
も、消費電力量を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にの第1の実施形態にかかる動圧軸受及
びこれを用いたスピンドルモータの概略構成を示す断面
図である。
【図2】本発明の第2の実施形態にかかる動圧軸受の概
略構成を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例を説明するための断面図であ
る。
【図4】本発明の比較例を説明するための断面図であ
る。
【図5】ディスク駆動装置の内部構成を模式的に示す断
面図である。
【符号の説明】
4,4’ シャフト 6 スラストプレート 9,9’ ハウジング 10,10’ スリーブ 16 スラストブッシュ(封止部材) 18,18’,20,20’ ラジアル動圧軸受部 22,22’,24,24’ スラスト動圧軸受部 S1 テーパシール部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J011 AA08 BA04 CA02 JA02 KA02 KA03 LA05 MA03 PA02 5D109 BB04 BB12 BB18 BB21 BB22 BB32 5H605 AA04 BB05 BB19 CC04 DD05 EB03 EB06 EB39 GG04 5H607 AA04 BB01 BB14 CC01 DD02 DD03 GG03 GG09 GG12 GG15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフトと、該シャフトの一方の端部外
    周面から半径方向外方に向かって延設されるフランジ状
    のスラストプレートと、該シャフトの外周面との間にラ
    ジアル軸受部が構成される微小間隙を介して半径方向に
    対向する内周面と該スラストプレートの一方の面との間
    に一方のスラスト軸受部が構成される微小間隙を介して
    軸線方向に対向する一方の端面とを有する円筒状のスリ
    ーブと、内周面に該スリーブが嵌合固定される両端開放
    状の中空孔を規定するハウジングと、該中空孔の一方開
    口を閉塞し且つ該スラストプレートの他方の面との間に
    他方のスラスト軸受部が構成される微小間隙を介して軸
    線方向に対向する封止部材とを備えてなる動圧軸受にお
    いて、 前記シャフトの外周面と前記スリーブの内周面との間の
    微小間隙及び前記スラストプレートの一方の面と前記ス
    リーブの一方の端面並びに前記スラストプレートの他方
    の面と前記封止部材との間の微小間隙にはオイルが保持
    されると共に、前記スラストプレートの一方の面と軸線
    方向に対向する前記スリーブの一方の端面とは軸線方向
    反対側に位置する他方の端面に隣接して、前記シャフト
    の外周面と前記スリーブの内周面との間の微小間隙が該
    スリーブの他方の端面側に向かって漸次拡大するテーパ
    シール部が設けられており、 前記スリーブは、前記テーパシール部の半径方向外方に
    位置する部位のみにおいて前記ハウジングに嵌合固定さ
    れると共に、前記スリーブの外周面と前記中空孔の内周
    面との間には、該嵌合部を除き隙間が形成されている、
    ことを特徴とする動圧軸受。
  2. 【請求項2】 前記シャフト並びに前記スラストプレー
    トと前記スリーブとは熱膨張係数がほぼ同一の材料から
    形成されると共に、前記ハウジングは、前記シャフト並
    びに前記スラストプレートと前記スリーブを構成する部
    材の熱膨張係数よりも大きな熱膨張係数を有する部材か
    ら形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の
    動圧軸受。
  3. 【請求項3】 前記シャフトの外周面と前記スリーブの
    内周面との間には、前記ラジアル軸受部が一対構成され
    ており、該一対のラジアル軸受部の間には、前記スリー
    ブ並びに前記ハウジングを半径方向に貫通し且つ前記ス
    リーブの外周面と前記中空孔の内周面との間の隙間を介
    して外気に連通する連通孔が開口されると共に、前記ス
    リーブの外周面と前記中空孔の内周面との間の隙間に
    は、前記スリーブの一方の端面に近接して、前記隙間の
    半径方向の隙間寸法が前記スリーブの一方の端面から遠
    離るにしたがって漸次拡大する第2のテーパシール部が
    設けられている、ことを特徴とする請求項1又は2のい
    ずれかに記載の動圧軸受。
  4. 【請求項4】 ステータを保持するブラケットと、該ブ
    ラケットに対して相対回転するロータと、該ロータに固
    着され該ステータと協働して回転磁界を発生するロータ
    マグネットと、該ロータの回転を支持する動圧軸受とを
    備えたスピンドルモータにおいて、 前記動圧軸受は、請求項1乃至3のいずれかに記載した
    動圧軸受であることを特徴とするスピンドルモータ。
  5. 【請求項5】 情報を記録できる円板状記録媒体が装着
    されるディスク駆動装置において、ハウジングと、該ハ
    ウジングの内部に固定され該記録媒体を回転させるスピ
    ンドルモータと、該記録媒体の所要の位置に情報を書き
    込み又は読み出すための情報アクセス手段とを有するデ
    ィスク駆動装置であって、 前記スピンドルモータは、請求項4に記載したスピンド
    ルモータであることを特徴とするディスク駆動装置。
JP2002010949A 2002-01-21 2002-01-21 動圧軸受及びこの動圧軸受を用いたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを備えた記録ディスク駆動装置 Expired - Fee Related JP3700936B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002010949A JP3700936B2 (ja) 2002-01-21 2002-01-21 動圧軸受及びこの動圧軸受を用いたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを備えた記録ディスク駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002010949A JP3700936B2 (ja) 2002-01-21 2002-01-21 動圧軸受及びこの動圧軸受を用いたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを備えた記録ディスク駆動装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003214426A true JP2003214426A (ja) 2003-07-30
JP3700936B2 JP3700936B2 (ja) 2005-09-28

Family

ID=27648544

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002010949A Expired - Fee Related JP3700936B2 (ja) 2002-01-21 2002-01-21 動圧軸受及びこの動圧軸受を用いたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを備えた記録ディスク駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3700936B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007309496A (ja) * 2006-05-22 2007-11-29 Ntn Corp 流体軸受装置
US7650697B2 (en) 2004-06-01 2010-01-26 Nidec Corporation Methods of manufacturing fluid-dynamic-pressure bearing and spindle motor incorporating the bearing, and spindle motor and recording-disk drive incorporating the bearing
JP2011163502A (ja) * 2010-02-12 2011-08-25 Alphana Technology Co Ltd 回転機器

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7650697B2 (en) 2004-06-01 2010-01-26 Nidec Corporation Methods of manufacturing fluid-dynamic-pressure bearing and spindle motor incorporating the bearing, and spindle motor and recording-disk drive incorporating the bearing
US8087156B2 (en) 2004-06-01 2012-01-03 Nidec Corporation Methods of manufacturing fluid-dynamic-pressure bearing and spindle motor incorporating the bearing, and spindle motor and recording-disk drive incorporating the bearing
JP2007309496A (ja) * 2006-05-22 2007-11-29 Ntn Corp 流体軸受装置
JP2011163502A (ja) * 2010-02-12 2011-08-25 Alphana Technology Co Ltd 回転機器

Also Published As

Publication number Publication date
JP3700936B2 (ja) 2005-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4056416B2 (ja) 動圧軸受及びこれを用いたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを備えたディスク駆動装置
JP3609258B2 (ja) モータ
JP3955949B2 (ja) スピンドルモータ及びこれを備えたディスク駆動装置
JP3828457B2 (ja) スピンドルモータ及びこれを備えたディスク駆動装置
JP2003314535A (ja) スピンドルモータ及びこのスピンドルモータを用いたディスク駆動装置
US6888278B2 (en) Spindle motor and disk drive utilizing the spindle motor
US8760799B2 (en) Rotor hub, motor, and disk driving device
US20090309439A1 (en) Hydrodynamic bearing device
JP3828437B2 (ja) スピンドルモータ及びこれを備えたディスク駆動装置
US7246945B2 (en) Oil dynamic bearing, motor supported on oil dynamic bearing and disk drive carrying the motor
JP2003214426A (ja) 動圧軸受及びこの動圧軸受を用いたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを備えた記録ディスク駆動装置
JP2003139129A (ja) 動圧軸受及びこれを用いたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを備えたディスク駆動装置
US7004634B2 (en) Fluid dynamic bearing asymmetry pressure feedback
JP4121144B2 (ja) スピンドルモータ及びこのスピンドルモータを用いたディスク駆動装置
JP3955946B2 (ja) 動圧軸受、スピンドルモータ、及び記録ディスク駆動装置
JP3984449B2 (ja) 流体動圧軸受及びこれを用いたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを用いたディスク駆動装置
JP3828458B2 (ja) 動圧軸受及びこれを用いたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを備えたディスク駆動装置
JP2004088816A (ja) スピンドルモータ及びこのスピンドルモータを用いたディスク駆動装置
JP2004316680A (ja) スピンドルモータ、及びこれを備えた記録ディスク駆動装置
EP1555671B1 (en) Spindle motor for disk drive
JP2003158861A (ja) スピンドルモータ及びこのスピンドルモータを用いたディスク駆動装置
JP4256657B2 (ja) スピンドルモータ及びこのスピンドルモータを用いたディスク駆動装置
JP2003088033A (ja) スピンドルモータ及びこのスピンドルモータを用いたディスク駆動装置
JP3927392B2 (ja) 流体動圧軸受及びこれを用いたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを用いたディスク駆動装置
JP4005854B2 (ja) 動圧軸受及びこれを備えたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを用いたディスク駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040401

A977 Report on retrieval

Effective date: 20050606

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20050705

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20050707

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080722

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090722

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees