JP3828437B2 - スピンドルモータ及びこれを備えたディスク駆動装置 - Google Patents

スピンドルモータ及びこれを備えたディスク駆動装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オイルを作動流体とする動圧軸受を使用するスピンドルモータ及びこれを備えたディスク駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハードディスク駆動用のスピンドルモータにおいて、オイルの動圧を利用して軸支持する動圧軸受が採用されつつある。
【0003】
このような動圧軸受を使用するスピンドルモータの一例を図1に示す。この従来の流体動圧軸受を使用するスピンドルモータは、ロータaと一体をなすシャフトbの外周面と、このシャフトbが回転自在に挿通されるスリーブcの内周面との間に、一対のラジアル軸受部d,dが軸線方向に離間して構成され、またシャフトaの一方の端部外周面から半径方向外方に突出するディスク状スラストプレートeの上面とスリーブbに形成された段部の平坦面との間並びにスラストプレートeの下面とスリーブbの一方の開口を閉塞するスラストブッシュfとの間に、一対のスラスト軸受部g,gが構成されている。これらラジアル軸受部d,dは、ロータa調心と回転軸心に対する倒れ(傾き)の復元に作用する。また、スラスト軸受部g,gは、ロータaやシャフトbといった回転側部材の浮上させると同時に、この浮上が所定量以上とならないよう抑制する作用を有している。
【0004】
シャフトb並びにスラストプレートeとスリーブc並びにスラストブッシュdとの間には、一連の微小間隙が形成され、これら微小間隙中には、潤滑流体としてオイルが途切れることなく連続して保持されており(このような軸受のオイル保持構造を、以下「フルフィル構造」と記す)、ラジアル軸受部d,d及びスラスト軸受部g,gには、ロータaの回転時にオイル中に動圧を誘起するためのヘリングボーングルーブd1,d1並びにg1,g1がそれぞれ形成されている。
【0005】
また、ラジアル軸受部d,d及びスラスト軸受部g,gには、一対のスパイラルグルーブを連結してなるヘリングボーングルーブd1,d1及びg1,g1が形成されており、ロータaの回転に応じて、スパイラルグルーブの連結部が位置する軸受部の中央部で最大動圧を発生させ、ロータaに作用する荷重を支持している。
【0006】
このようなスピンドルモータでは、スラスト軸受部g,gとは軸線方向で反対側に位置するスリーブcの上端部付近において、テーパシール部hが形成され、オイルの表面張力と大気圧とがバランスして界面を構成している。すなわち、このテーパシール部h内でのオイルの内圧は、大気圧と実質上同等の圧力に維持されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図1に示すような従来の動圧軸受を使用するスピンドルモータでは、図示される如く、テーパシール部h、ラジアル軸受部d,d及びスラスト軸受部g,gが軸線方向に整列した状態で形成されている。このため、このような構成のスピンドルモータを薄型化しようとする場合には、ラジアル軸受部d,dのそれぞれの軸線方向寸法(個々のラジアル軸受部の軸線方向寸法を、以下「軸受幅」と記載する)と軸受部間の距離(個々のラジアル軸受部間の距離を、以下「軸受スパン」と記載する)によって決定されるラジアル軸受部の軸受剛性を確保しようとするとテーパシール部hの軸線方向寸法を確保することが困難となり、シール部の容積が減少する。またラジアル軸受部間の距離とテーパシール部hの軸線方向寸法を両方とも確保しようとするとシャフトbとロータaの締結部を十分に確保することが困難となる。加えて、シャフトbとロータaとの締結部がラジアル軸受部d,dの上端部よりもかなり上部に位置することとなるため、ロータaやシャフトbといった部材で構成される回転側部材の重心位置が軸受から離間した位置に位置することとなる。
【0008】
すなわち、上記従来の構造のスピンドルモータの場合、これを薄型化しようとすると、
▲1▼ラジアル軸受部の軸受剛性を重視する場合:
シール部の容積が減少し、シャフトとロータとの締結強度が低下すると共に、回転部材の重心位置が軸受から離間する
▲2▼テーパシール部の容積を重視する場合:
ラジアル軸受部の軸受剛性が低下し、シャフトとロータとの締結強度が低下すると共に、回転部材の重心位置が軸受から離間する
▲3▼シャフトとロータとの締結強度並びに回転部材の重心位置を重視する場合:
シール容積が減少し、ラジアル軸受部の軸受剛性が低下する
こととなる。これら▲1▼乃至▲3▼に起因する問題点を以下に述べる。
【0009】
まず、テーパシール部hの容積が減少すると、当然にテーパシール部h内で収容可能なオイル量が低下する。とりわけ、フルフィル構造の軸受では、軸受部内に形成される隙間全体にわたってオイルが保持されており、温度上昇時の熱膨張による体積増加量も非常に多くなる。このため、シール部の容積を十分に確保できない場合、容易にオイルの流出が発生する。
【0010】
上記のような軸受部からのオイルの流出が発生すると、軸受部内で早期にオイルの枯渇が生じ、軸受の耐久性や信頼性を損なう原因となる。また、ハードディスク駆動装置のようなディスク駆動装置では、軸受部から流出したオイルが駆動装置内に飛散すると、ディスクの記録面やこれに近接配置されるヘッドに付着し、リードライトエラーを引き起こす原因となる。
【0011】
次に、ラジアル軸受部d,dの軸受剛性が低下した場合、当然にロータaの回転精度が低下する。このため、スピンドルモータに外的な振動や衝撃が印加された場合、ロータaの姿勢の回復に時間を要し、シャフトb及びスラストプレートeとスリーブbやスラストブッシュfとの接触摺動が多くなり、これら部材の摩耗や損傷あるいは焼き付き等の原因となる。
【0012】
また、シャフトbとロータaの締結強度が低下することによって、外的な振動や衝撃の印加によってロータaとシャフトbとの締結が外れたり、あるいはシャフトbに対するロータaの直角度等の組立精度が悪化し、回転精度が低下する懸念がある。
【0013】
更に、回転部材の重心位置が軸受から軸線方向に離間すると、高温時には熱膨張によってオイルの粘性が低下するので軸受剛性も必然的に低下し、NRRO(非繰り返し性振れ成分)の悪化等回転精度が低下することとなる。このため、ロータaを安定して支持するためには、高い軸受剛性が必要となるが、薄型化のため寸法的な制約がある場合は、軸受幅と軸受スパンとによって決定されるラジアル軸受部の軸受剛性の強化には自ずと限界がある。これとは逆に、オイルの粘性が高い低温時には軸受剛性が過剰となり、オイルによるダンピング効果があまり作用しないことから、振動や衝撃に対する応答性が過敏な状態となる。すなわち、スピンドルモータに印加された振動や衝撃といった加振力に起因する振れ周り成分が増大して、ロータaは回転側部材の重心位置を中心として傘状により大きく振れ回ることとなる。
【0014】
特にディスク駆動装置で使用されるスピンドルモータの場合、共振による振れ回りが増大すると上記データのリードライトエラーに加え、記録ディスクの記録面とヘッドとの直接的な接触が生じ、物理的な破壊が発生することとなるため、これを可能な限り抑制する必要がある。
【0015】
本発明は、薄型化と、ロータの振れ回り等の回転精度の改善と、オイルの流出の防止と、耐久性並びに信頼性の向上とを同時に達成することが可能なスピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを備えたディスク駆動装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、少なくとも上方に開口した円筒状内周面を有するハウジングと、該ハウジングの内周部に取り付けられる中空円筒状のスリーブと、該スリーブの内周面と隙間を介して半径方向に対向するシャフトと、該シャフトの端部において半径方向外方に延伸すると共に上面が該スリーブの下面と隙間を介して軸線方向に対向する円板状のスラストプレートと、該シャフトの上端部に取付けられると共に、該スリーブの上面と軸線方向に対向する円形状平坦面を有するロータと、該ハウジングの下端部に装着され該スラストプレートの下面並びに該シャフトの下面と間隙を介して軸線方向に対向するブッシュと、該シャフト並びに該スラストプレートと該スリーブ並びに該ブッシュとの間にそれぞれ形成される隙間内に途切れることなく連続して保持されるオイルとを具備しており、該シャフト並びに該スラストプレートと該ハウジング、該スリーブ並びに該ブッシュとの相対回転を該オイルに誘起される動圧を用いて支持するスピンドルモータであって、
前記スリーブの内周面及び前記シャフトの外周面との間には、一対のラジアル軸受部が相互に軸線方向に離間して構成され、
前記スラストプレートの上面並び前記スリーブの下面との間及び前記スラストプレートの下面並びにブッシュとの間には、それぞれスラスト軸受部が構成され、
前記ロータには前記円形状平坦面から垂下し且つ前記ハウジングの外周面と間隙を介して半径方向に対向する円筒壁が設けられ、該円筒壁の内周面と前記ハウジングの外周面との間に形成される間隙は、該円形状平坦面から下方に遠離るにつれて該間隙の隙間寸法が漸次拡大するテーパシール部を構成しており、
前記オイルは、前記円形状平坦面と前記スリーブの上面及び前記ハウジングの上面との間を通じて前記テーパシール部まで連続して保持されると共に、前記テーパシール部内においてのみ空気との界面が形成され、また、
前記円形状平坦面と前記ハウジングの上面の少なくとも一方の面には、前記オイルを半径方向内方側に付勢するためのスパイラル溝が形成されている。
【0017】
この構成は、オイルを作動流体として利用する動圧軸受を用いたスピンドルモータにおいて、ラジアル軸受部の外周部にテーパシール部を配置することで、テーパシール部がスラスト軸受部やラジアル軸受部といった軸受部と軸線方向に重ならず、スピンドルモータの薄型化を可能にする構成を維持すると同時に、円形状平坦面とハウジングの上面の少なくとも一方の面に、オイルを半径方向内方側、すなわちテーパシール部内に形成されるオイルと空気との界面から離間する側に付勢するためのスパイラル溝を設けることで、テーパシール部と動圧軸受部との間に動シール部を構成し、高速回転による遠心力に対抗させることで、シール強度が高く維持される。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスピンドルモータにおいて、スリーブは、略円筒状のハウジングに内嵌されると共に、該ハウジングの内周面と該スリーブの外周面との間には、該スリーブを軸線方向に貫通し且つ前記スラストプレートの上面並び前記スリーブの下面との間に保持される前記オイルと前記円形状平坦面とスリーブの上面及びハウジングの上面との間に保持される前記オイルとを相互に連通可能とする連通孔が形成されている。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のスピンドルモータにおいて、前記スリーブは、多孔質の含油焼結金属から形成されている。
【0020】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のスピンドルモータにおいて、前記ロータは、前記シャフトの端部が装着され一方の軸線方向端面が前記円形状平坦面をなすと共に、該一方の軸線方向端面の半径方向外端部から前記円筒壁部が垂下される略円筒状のシールブッシュと、該シールブッシュの外周面に固着されるロータハブとを有している。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のスピンドルモータにおいて、前記シールブッシュの外周面には、半径方向外方に突出する突出部が設けられていると共に、前記ロータハブの内周面には半径方向外方に凹陥する段部が設けられており、前記ロータハブは該段部と該突出部とが嵌り合うよう前記シールブッシュに締結されている。
【0022】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のスピンドルモータにおいて、前記ロータは、一方の面が前記円形状平坦面をなす薄板状のシールワッシャを有すると共に、前記円筒壁は、該シールワッシャの半径方向外端部を軸線方向に曲折して形成されている。
【0023】
請求項7に記載の発明は、情報を記録できる円板状記録媒体が装着されるディスク駆動装置において、ハウジングと、該ハウジングの内部に固定され該記録媒体を回転させるスピンドルモータと、該記録媒体の所要の位置に情報を書き込み又は読み出すための情報アクセス手段とを有すると共に、前記スピンドルモータとして、請求項1乃至6のいずれかに記載したスピンドルモータを備えている。
【0024】
尚、請求項1以外の請求項に記載する発明は、本発明の実施形態に即した構成に関するものであり、重複した記載を避けるために、各請求項に係る発明の構成による作用効果並びにその原理に関しては、下記発明の実施の形態及び発明の効果において詳述する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るスピンドルモータ及びこれを備えたディスク駆動装置の斯く実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。尚、本実施形態の説明では便宜上各図面の上下方向を「上下方向」とするが、スピンドルモータの実際の取付状態における方向を限定するものではない。
【0026】
(1)スピンドルモータの構成
図2に図示される第1の実施形態のスピンドルモータは、略円筒状のシールブッシュ2aと、このシールブッシュ2aに対して同軸状に取付けられるシャフト2bと、シールブッシュ2aの外周面に固着され、ハードディスク等の記録ディスク(図4においてディスク板52として図示する)を保持するロータハブ2cと、シャフト2bの自由端部(シールブッシュ2aに取付けられる側とは反対側の端部)の外周面から半径方向外方に延伸する円板状のスラストプレート2dとから構成されるロータ2と、ブラケット4に設けられた円形ボス部4aに固着された中空円筒状のハウジング6とこのハウジング8内に取付けられた同じく中空円筒状のスリーブ8とを有する。ロータハブ2の下面側には、ヨーク10が装着され、このヨーク10の内周面にはロータマグネット12が接着等の手段によって取付けられている。また、円形ボス部6aの外周面にはこのロータマグネット12と半径方向に対向してステータ14が固着される。
【0027】
スリーブ8には、中心部に軸線方向に貫通する貫通孔が設けられており、シャフト2bは、この貫通孔に挿通されていると共に、シャフト2bの外周面と貫通孔の内周面とは、微小間隙を介して半径方向に対向している。スリーブ8の上方側の端面は、ハウジング6の上方側の端面と略同一の高さ位置となるよう取付けられており、またスリーブ8の下方側の端面は、スラストプレート2dの上方側面と微小間隙を介して軸線方向に対向している。ハウジング6並びにスリーブ8の上方側の端面は、シールブッシュ2aの下方側面と間隙を介して軸線方向に対向している。
【0028】
また、ハウジング8の下方開口側の内周面は、スラストプレート2dの外周面と間隙を介して半径方向に対向すると共に、この下方開口側の内周面に連続して段部が設けられている。ハウジング8に設けられた段部には、ハウジング8の下方開口を閉塞するスラストブッシュ16が取付けられており、このスラストブッシュ16の上方側面は、スラストプレート2dの下方側面と微小間隙を介して軸線方向に対向している。
【0029】
これらハウジング6並びにスリーブ8の上方側の端面とシールブッシュ2aの下方側面との間に形成される間隙と、スリーブ8の貫通孔の内周面とシャフト2bの外周面との間に形成される微小間隙と、スリーブ8の下方側の端面とスラストプレート2dの上方側面との間に形成される微小間隙と、ハウジング6の下方開口側の内周面とスラストプレート4の外周面との間に形成される隙間、更には、スラストブッシュ16の上方側面とスラストプレート2dの下方側面との間に形成される微小間隙とは全て連続しており、これら連続する各隙間には、オイルが途切れることなく連続して保持されており、フルフィル構造の軸受を構成している。
【0030】
更に、スリーブ8の外周面には、その上方側の端面から下方側の端面に至る軸線方向溝8aが設けられており、ハウジング6の内周面にスリーブ8取付けられることによって、これら軸線方向溝8aとスリーブ6の内周面とによって、ハウジング6並びにスリーブ8の上方側の端面とシールブッシュ2aの下方側面との間に形成される間隙とスリーブ8の下方側の端面とスラストプレート2dの上方側面との間に形成される微小間隙とを連通し且つこれら隙間内に保持されたオイルに連続してオイルが保持される連通路9が形成される。尚、この連通路9内に形成される隙間の寸法は、上記した連続する間隙のいずれよりも大きくなるよう設定されている。
【0031】
(2)軸受部の構成
スリーブ8の貫通孔の内周面には、相反する方向に傾斜する一対のスパイラル溝部を連結して構成される略「く」の字状のヘリングボーングルーブ18a,20aによる一対の動圧発生溝列が軸線方向に離間して形成されており、シャフト2bの外周面との間に上部ラジアル軸受部18並びに下部ラジアル軸受部20が構成されている。
【0032】
上部ラジアル軸受部18のヘリングボーングルーブ18aは、上方側に位置するスパイラル溝部が下方側に位置するスパイラル溝部よりも軸線方向寸法が大に形成されており、ロータ2の回転に応じて、軸受部の中心から下方側に偏倚した部位で動圧の極大点が発生すると同時に、オイルをスラストプレート2d方向に押し込む押し込み圧が生じるよう形成されている。この押し込み圧によって、上部ラジアル軸受部18よりも下方側に位置する間隙内に保持されるオイルの内圧が大気圧以上に保たれる。
【0033】
また、下部ラジアル軸受部20のヘリングボーングルーブ20aは、上方側に位置するスパイラル溝部と下方側に位置するスパイラル溝部とが実質的に等しい軸線方向寸法となるよう形成されており、ロータ2の回転に応じて、軸受部の中心部付近で動圧の極大点が発生するが、上部ラジアル軸受部18のヘリングボーングルーブ18aにようなオイルに対する押し込み圧は付与しない。
【0034】
上部及び下部ラジアル軸受部18,20でそれぞれ発生する動圧の極大点によって、ロータ2の調心が行われると同時に、ロータ2に回転軸心に対する倒れ(傾き)が発生した場合には、その復元力として作用する。
【0035】
スリーブ8下方側の端面には、スパイラルグルーブ22aが形成されており、スラストプレート2dの上方側面との間に上部スラスト軸受部22が構成されている。このスパイラルグルーブ22aは、ロータ2の回転に応じてオイルを半径方向内方、つまりシャフト2b側に作用する動圧が発生するようポンプイン形状を有しており、スパイラルグルーブ22aによって発生した上部スラスト軸受部22の動圧と下部ラジアル動圧軸受部20で発生する動圧との協働によって、シャフト2bとスラストプレート2dとの境界部付近で動圧の極大点が発生する。
【0036】
更に、スラストブッシュ16上方側面には、スパイラルグルーブ24aが形成されており、スラストプレート2dの下方側面との間に下部スラスト軸受部24が構成されている。このスパイラルグルーブ24aは、ロータ2の回転に応じてオイルを半径方向内方、つまり回転軸心側に押圧するよう、ポンプイン形状を有しており、軸受部の中心部付近で動圧の極大点が発生する。
【0037】
上部スラスト軸受部22並びに下部ラジアル軸受部20で発生する動圧の極大点と下部スラスト軸受部24で発生する動圧の極大点とによって、スラストプレート2dは上下方向から押圧され、これら動圧のバランスする位置においてスラストプレート2d、換言するとロータ2の上下方向位置が安定する。
【0038】
ところで、上記したとおり、上部ラジアル軸受部18のヘリングボーングルーブ18aによって発生するオイルに対する押し込み圧によって、通常は上部ラジアル軸受部18よりも下方に位置する隙間内に保持されるオイルは全てその内圧が大気圧以上に維持されるが、ヘリングボーングルーブ18aの溝加工時の誤差が生じた場合や、あるいはスリーブ6の内周面やシャフト2bの外周面のいずれかがテーパ状に加工され、スリーブ6の内周面とシャフト2bの内周面との間の微小間隙の隙間寸法が不均一に形成された場合等には、ヘリングボーングルーブ18aによる押し込み圧が十分に得られれず、動圧の作用しにくい、ハウジング6の下方開口側の内周面とスラストプレート2dの外周面との間に形成される間隙内に保持されるオイルの内圧が負圧になる場合がある。尚、ここでいう負圧とは、大気圧以下の圧力を意味している。
【0039】
オイル内に負圧が生じると、例えばオイルの充填作業時等にオイル内に溶け込んだ空気が気泡化して現れ、やがて温度上昇等によって気泡が体積膨張し、オイルを軸受外部へと流出させるといったスピンドルモータの耐久性や信頼性に影響する問題、あるいは動圧発生溝が気泡と接触することによる振動の発生やNRROの悪化といったスピンドルモータの回転精度に影響する問題が発生する。
【0040】
また、これとは逆に、ヘリングボーングルーブ18aの溝加工時の誤差が生じた場合や、あるいはスリーブ6の内周面やシャフト2bの外周面のいずれかがテーパ状に加工され、スリーブ6の内周面とシャフト2bの内周面との間の微小間隙の隙間寸法が不均一に形成された場合等には、ヘリングボーングルーブ18aによる押し込み圧が強くなりすぎ、下部スラスト軸受部24側のオイル内圧が上部スラスト軸受部22側のオイルの内圧を上回り、ロータ2が所定量以上浮上する過浮上が発生する場合がある。
【0041】
ロータ2にこのような過浮上が発生すると、スラストプレート2dの上方側面とスリーブ8の下方側の端面との接触による摩耗が発生し、軸受の耐久性並びに信頼性を損なう原因となる。加えて、ハードディスク駆動用のスピンドルモータの場合、ハードディスクの高容量化にともない、ハードディスクの記録面と磁気ヘッドとが極めて近接配置されていることから、ハードディスクと磁気ヘッドとの接触による破壊が発生する懸念がある。
【0042】
しかしながら、ハウジング6並びにスリーブ8の上方側の端面とシールブッシュ2aの下方側面との間に形成される間隙とスリーブ8の下方側の端面とスラストプレート2dの上方側面との間に形成される微小間隙とを連通し且つこれら隙間内に保持されたオイルに連続してオイルが保持される連通路9が、ハウジング6の下方開口側の内周面とスラストプレート2dの外周面との間に形成される間隙の上方に開口しており、ハウジング6の下方開口側の内周面とスラストプレート2dの外周面との間に形成される間隙内に保持されるオイル内に気泡が発生しても、この連通路9を通じてハウジング6並びにスリーブ8の上方側の端面とシールブッシュ2aの下方側面との間に形成される間隙側に送られ排除される。またヘリングボーングルーブ18aによる押し込み圧が強くなりすぎた場合も、この連通路9によって調整され、オイル内圧の均衡がはかられる。従って、連通路9によって、気泡やロータ2の過浮上に起因する問題が回避される。
【0043】
(3)シール部の構成
次に図3を参照して本実施形態におけるシール部の構成について説明する。尚、図3は図2に図示するスピンドルモータの一部を拡大して示す部分拡大断面図である。
【0044】
図3において、上部ラジアル軸受部18の外周側にあたるハウジング6の外周面は、その外径が下方側に向かうにしたがって、つまりハウジング6の上方側の端面から遠離るにつれて縮径するよう、傾斜面6aが形成されている。また、ハウジング6の外周面には、この傾斜面6aに連続する垂直面6b1とこの垂直面6b1から半径方向外方に向かって僅かに下方側に傾斜した傾斜平坦面6b2とからなる円環状の段部6bが設けられている。
【0045】
また、シールブッシュ2aは、ハウジング6よりも大径であり、シールブッシュ2aの下方側面の外縁から、スリーブ8の上端面側の外径よりも僅かに大径な内周面を有する円筒壁2a1が下方側に垂下されている。
【0046】
ハウジング6並びにスリーブ8の上方側端面とシールブッシュ2aの下方側面との間に形成される隙間内に保持されたオイルは、ハウジング6の外周面に設けられた傾斜面6aと円筒壁2a1の内周面の間に形成された、下方側に向かうにしたがって隙間寸法が漸次拡大するテーパ状の間隙内において、オイルの内圧と大気圧等がバランスし、空気との界面を形成して保持されている。つまり、ハウジング6の外周面に設けられた傾斜面6aと円筒壁2a1の内周面との間に形成されたテーパ状の間隙によってテーパシール部26が構成されている。
【0047】
尚、上記したとおり、本実施形態におけるスピンドルモータの軸受は、フルフィル構造であることから、軸受内に保持されるオイルは、このテーパシール部26内においてのみ外気に露出しており、テーパシール部26以外の軸受空間は全てオイルで満たされている。
【0048】
つまり、軸受内の全体にわたってオイルが保持されるフルフィル構造の軸受は、当然にオイルの保持量が多くなるが、軸受内に保持されるオイルの量が多いということは、それだけ温度上昇等により体積増加するオイルの量が多くなる。
【0049】
しかしながら、テーパシール部26を、軸受部よりも外径側に配置して大径とし、またシール部として機能するテーパ状の間隙を長くとることが可能な構成とすることで、オイルの保持量が多いフルフィル構造の軸受であっても、軸受部から流入するオイルを確実に収容することができ、オイルの流出を防止することが可能となる。
【0050】
また、円筒壁2a1の下方端部側の内周面や段部6bを構成する垂直面6b1及び傾斜平坦面6b2等に撥油剤を塗布しておくことで、オイルが部材表面をつたって拡散するオイルマイグレーションによるオイルの流出も防止することが可能になる。
【0051】
斯く構成されることによって、テーパシール部26が軸受部と上下方向に整列した状態で配置されることがない。このため、スピンドルモータを薄型化した場合にも、軸受幅や軸受スパン並びにシールブッシュ2aとシャフト2bとの締結部に対する影響が最小限に留められ、上部及び下部ラジアル軸受部18,20の軸受剛性及びシールブッシュ2aとシャフト2bとの締結強度が高く維持されると共に、ロータ2の重心位置も軸受部から離間することがない。従って、ロータ2の振れ回り等を抑制して精度良く回転することが可能になり、シャフト2b及びスラストプレート2dとスリーブ6やスラストブッシュ16との接触摺動が防止され、これら部材の摩耗や損傷あるいは焼き付き等を回避することが可能になると共に、シールブッシュ2aとシャフト2bとの締結強度の不足に起因する種々の問題の発生を防止することが可能になる。
【0052】
更に、本実施形態のスピンドルモータには、上記テーパシール部26に加え、シールブッシュ2aの下方側面のハウジング6の上方側の端面と軸線方向に対向する位置、すなわち連通路9よりも半径方向外方側の位置に、ロータ2の回転にともないハウジング6並びにスリーブ8の上方側端面とシールブッシュ2aの下方側面との間に形成される隙間内に保持されたオイルに対して半径方向内方に作用する押し込み圧を誘起するポンプイン形状のスパイラル溝28aが図4に図示するとおり設けられており、動シール部28が構成されている。尚、このスパイラル溝28aは電解加工やコイニング等の方法によって比較的容易且つ安価に形成可能である。
【0053】
尚、動シール部28に設けられるスパイラル溝28aは、ロータ2の軸線方向位置を安定させるための動圧を発生するものではないので、溝加工に対する要求精度は、上部及び下部スラスト軸受部22,24に設けられるスパイラルグルーブ22a,24aよりも比較的に緩和される。
【0054】
スピンドルモータが高速化すると、オイルに対する遠心力の影響も大きくなるため、テーパシール部26を軸受部よりも半径方向外方に配置した場合、軸受部から流入するオイルが増加する懸念がある。しかしながら、軸受部からテーパシール部26まで至る区間に動シール部28を構成することで、スパイラル溝28aの発生するオイルに対する押し込み圧が遠心力と拮抗又は上回り、テーパシール部26へのオイル流入量が制限されることとなる。従って、スピンドルモータの更なる高速化にも対応することが可能になる。
【0055】
(4)シールブッシュとロータハブとの締結構造
また、図3に示すとおり、円筒壁2a1の外周面には半径方向外方に突出するフランジ部2a2が設けられていると共に、ロータハブ2cには、このフランジ部2a2に対応して内周面下方側部に半径方向外方に凹陥する段部2c1が設けられており、これらフランジ部2a2と段部2c1とが嵌り合うようにシールブッシュ2aとロータハブ2cとが締結されている。
【0056】
このように、フランジ部2a2と段部2c1とが嵌り合うようにシールブッシュ2aとロータハブ2cとが締結されることで、ロータハブ2cの上下方向の位置決めが容易になるばかりでなく、ロータハブ2cにハードディスク等の記録ディスクが実装され、これをクランパ等によって固定的に保持した場合に発生するクランプ応力でロータハブ2cの上下方向位置がずれたり、あるいはシールブッシュ2aとロータハブ2cとの締結が外れるといった問題の発生を可及的に防止することができる。
【0057】
(5)第2の実施形態
上記第1の実施形態に代えて、例えば図5に図示するとおり、テーパシール部及び動シール部をロータハブとは別部材によって構成することも可能である。尚、図5に図示されるスピンドルモータにおいて、第1の実施形態のスピンドルモータと同一の構成を有する部位については同じ番号を付し説明は省略する。
【0058】
図5に図示される如く、本発明の第2の実施形態のスピンドルモータは、第1の実施形態におけるシールブッシュ2aに代えて、シャフト2bの外周面に取付けられる、円形且つ薄板状のシールワッシャ30によって各シール部を形成している。また、シールワッシャ30の上方側においてロータハブ2c’がシャフト2bと直接締結されている。シールワッシャ30は、平板状部材をプレス加工等の塑性加工によって形成されており、ハウジング6並びにスリーブ8の上方側端面と間隙を介して軸線方向に対向する円板状部30aと、この円板状部30aの半径方向外端部を曲折することによって形成される円筒壁部30bとから構成される。
【0059】
円板状部30aの下方側面には、スパイラル溝28aが設けられることで、動シール部28が構成されており、また円筒壁部30bの内周面は、ハウジング6の外周面に形成された傾斜面6aと半径方向に対向することで、テーパシール部26が構成されている。尚、これらテーパシール部26及び動シール部28の機能や作用効果については、第1の実施形態のスピンドルモータと同様である。
【0060】
この第2の実施形態のスピンドルモータでは、テーパシール部26及び動シール部26を構成する部材をロータハブ2c’とは別部材とすることで、ロータハブ2c’の加工を容易化し、スピンドルモータの低コスト化が可能になる。
【0061】
(6)ディスク駆動装置の構成
図6に、一般的なディスク駆動装置50の内部構成を模式図として示す。ハウジング51の内部は塵・埃等が極度に少ないクリーンな空間を形成しており、その内部に情報を記憶する円板状のディスク板53が装着されたスピンドルモータ52が設置されている。加えてハウジング51の内部には、ディスク板53に対して情報を読み書きするヘッド移動機構57が配置され、このヘッド移動機構57は、ディスク板53上の情報を読み書きするヘッド56、このヘッドを支えるアーム55及びヘッド56及びアーム55をディスク板53上の所要の位置に移動させるアクチュエータ部54により構成される。
【0062】
このようなディスク駆動装置50のスピンドルモータ52として上記各実施形態のスピンドルモータを使用することで、ディスク駆動装置50の薄型化並びに低コスト化を可能にすると同時に、スピンドルモータの高速化が可能になることで、さらなるディスクの高容量化並びにシークタイムの短縮に対応することができる。
【0063】
以上、本発明に従うスピンドルモータ及びこれを備えたディスク駆動装置の一実施形態について説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0064】
例えば、スリーブ8は、アルミニウム系の材料、銅系材料、ステンレス綱といった無垢の金属材あるいは銅粉末や鉄粉末等を焼結しオイルを含浸した多孔質の含油焼結金属等から適宜選択して使用可能である。
【0065】
とりわけ、スリーブ8を多孔質の含油焼結金属から形成した場合には、材料内にオイルが含浸される分、上述したフルフィル構造の軸受よりも更に多くのオイルが軸受部内に保持されることとなるので、薄型のスピンドルモータであってもテーパシール部26の容積の確保が容易な本発明の構成は特に有利である。
【0066】
また、上記各実施形態においては、ラジアル軸受部のヘリングボーングルーブをスリーブの内周面に、またスラスト軸受部のスパイラルグルーブをスリーブの下方側面とスラストブッシュの上方面側に設けた構成を例に上げて説明しているが、シャフトの外周面並びにスラストプレートの上下面に動圧発生溝を設けた構成においても、本発明が適用可能なのは勿論である。
【0067】
【発明の効果】
請求項1のスピンドルモータによれば、スピンドルモータの薄型化と、ロータの振れ回り等の回転精度の改善と、オイルの流出の防止と、耐久性並びに信頼性の向上とを同時に達成することが可能になる。
【0068】
請求項2に記載のスピンドルモータによれば、フルフィル構造の軸受においても気泡の排出が可能となると共に、軸受部内のオイルの内圧をバランスすることができ、ロータの過浮上の発生を防止することが可能になる。
【0069】
請求項3に記載のスピンドルモータによれば、多孔質の含油焼結材からスリーブを形成した場合でも、温度上昇時の体積増加に起因するオイルの流出を防止することが可能になる。
【0070】
請求項4に記載のスピンドルモータによれば、比較的に複雑な形状のロータであっても加工を容易化することが可能になる。
【0071】
請求項5に記載のスピンドルモータによれば、ロータハブの上下方向の位置決めが容易になると共に、ディスク実装時の応力によるロータハブのずれやシールブッシュとの締結の外れを防止することが可能になる。
【0072】
請求項6に記載のスピンドルモータによれば、ロータハブの加工が容易になると共に、テーパシール部や動シール部を容易に形成することができ、モータを低コスト化することができる。
【0073】
請求項7に記載のディスク駆動装置によれば、薄型化並びに低コスト化を可能にすると同時に、スピンドルモータの高速化が可能になることで、さらなるディスクの高容量化並びにシークタイムの短縮に対応することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のスピンドルモータの概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るスピンドルモータの概略構成を示す断面図である。
【図3】図2に図示するスピンドルモータのシール部の構成を拡大して示す部分拡大断面図である。
【図4】動シール部に形成されるスパイラル溝を概念的に示す模式図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るスピンドルモータの概略構成を示す断面図である。
【図6】ディスク駆動装置の内部構成を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
2 ロータ
2a2 円筒壁
2b シャフト
2d スラストプレート
8 スリーブ
16 スラストブッシュ
18,20 ラジアル軸受部
22,24 スラスト軸受部
26 テーパシール部
28a スパイラル溝
30b 円筒壁部(円筒壁)

Claims (7)

  1. 少なくとも上方に開口した円筒状内周面を有するハウジングと、該ハウジングの内周部に取り付けられる中空円筒状のスリーブと、該スリーブの内周面と隙間を介して半径方向に対向するシャフトと、該シャフトの端部において半径方向外方に延伸すると共に上面が該スリーブの下面と隙間を介して軸線方向に対向する円板状のスラストプレートと、該シャフトの上端部に取付けられると共に、該スリーブの上面と軸線方向に対向する円形状平坦面を有するロータと、該ハウジングの下端部に装着され該スラストプレートの下面並びに該シャフトの下面と間隙を介して軸線方向に対向するブッシュと、該シャフト並びに該スラストプレートと該スリーブ並びに該ブッシュとの間にそれぞれ形成される隙間内に途切れることなく連続して保持されるオイルとを具備しており、該シャフト並びに該スラストプレートと該ハウジング、該スリーブ並びに該ブッシュとの相対回転を該オイルに誘起される動圧を用いて支持するスピンドルモータであって、
    前記スリーブの内周面及び前記シャフトの外周面との間には、一対のラジアル軸受部が相互に軸線方向に離間して構成され、
    前記スラストプレートの上面並び前記スリーブの下面との間及び前記スラストプレートの下面並びにブッシュとの間には、それぞれスラスト軸受部が構成され、
    前記ロータには前記円形状平坦面から垂下し且つ前記ハウジングの外周面と間隙を介して半径方向に対向する円筒壁が設けられ、該円筒壁の内周面と前記ハウジングの外周面との間に形成される間隙は、該円形状平坦面から下方に遠離るにつれて該間隙の隙間寸法が漸次拡大するテーパシール部を構成しており、
    前記オイルは、前記円形状平坦面と前記スリーブの上面及び前記ハウジングの上面との間を通じて前記テーパシール部まで連続して保持されると共に、前記テーパシール部内においてのみ空気との界面が形成され、また、
    前記円形状平坦面と前記ハウジングの上面の少なくとも一方の面には、前記オイルを半径方向内方側に付勢するためのスパイラル溝が形成されている、ことを特徴とするスピンドルモータ。
  2. 前記ハウジングの内周面と前記スリーブの外周面との間には、該スリーブを軸線方向に貫通し且つ前記スラストプレートの上面並び前記スリーブの下面との間に保持される前記オイルと前記円形状平坦面と前記スリーブの上面及び前記ハウジングの上面との間に保持される前記オイルとを相互に連通可能とする連通孔が形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のスピンドルモータ。
  3. 前記スリーブは、多孔質の含油焼結金属から形成されている、ことを特徴とする請求項2に記載のスピンドルモータ。
  4. 前記ロータは、前記シャフトの端部が装着され一方の軸線方向端面が前記円形状平坦面をなすと共に、該一方の軸線方向端面の半径方向外端部から前記円筒壁部が垂下される略円筒状のシールブッシュと、該シールブッシュの外周面に固着されるロータハブとを有している、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスピンドルモータ。
  5. 前記シールブッシュの外周面には、半径方向外方に突出する突出部が設けられていると共に、前記ロータハブの内周面には半径方向外方に凹陥する段部が設けられており、前記ロータハブは該段部と該突出部とが嵌り合うよう前記シールブッシュに締結されている、ことを特徴とする請求項4に記載のスピンドルモータ。
  6. 前記ロータは、一方の面が前記円形状平坦面をなす薄板状のシールワッシャを有すると共に、前記円筒壁は、該シールワッシャの半径方向外端部を軸線方向に曲折して形成されている、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスピンドルモータ。
  7. 情報を記録できる円板状記録媒体が装着されるディスク駆動装置において、ハウジングと、該ハウジングの内部に固定され該記録媒体を回転させるスピンドルモータと、該記録媒体の所要の位置に情報を書き込み又は読み出すための情報アクセス手段とを有すると共に、
    前記スピンドルモータは、請求項1乃至6のいずれかに記載したスピンドルモータであることを特徴とするディスク駆動装置。
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