JP2003213907A - 磁気テープ収縮片を原料とする芯板を用いた畳 - Google Patents

磁気テープ収縮片を原料とする芯板を用いた畳

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JP2003213907A
JP2003213907A JP2002009971A JP2002009971A JP2003213907A JP 2003213907 A JP2003213907 A JP 2003213907A JP 2002009971 A JP2002009971 A JP 2002009971A JP 2002009971 A JP2002009971 A JP 2002009971A JP 2003213907 A JP2003213907 A JP 2003213907A
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Hiroshi Marui
浩 丸井
Tatsuro Ishino
達朗 石野
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Taiheiyo Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 VOCの放出の問題が考えられる磁気テープ
収縮片を原料とする芯板を用いた畳について、逆にその
材料的、構造的特徴を活かして塗布または混入したVO
C吸着剤により効率よくVOCを吸着させ、室内環境を
改善する。 【解決手段】 畳1の芯板2として磁気テープ片を加熱
処理してなるカール状の磁気テープ収縮片と硬化性樹脂
からなるバインダーを原料として加圧成形されたパネル
を用いる。芯板2の表面に、ヒドラジド化合物、アゾー
ル化合物、あるいはアジン化合物等を含有するVOC吸
着剤を塗布し、その上にクッション材として不織布3を
載せ、さらにイグサを原料とする畳表4を重ねる。畳1
の長辺方向端部については畳表4を芯板2の下面側に巻
き込み、畳1の側面から下面にかけて縫糸5で縫い付け
る。短片方向端部については畳縁6を被せ、畳縁6ごと
側面から下面にかけて縫糸5で縫い付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、畳の芯板として
磁気テープ片を加熱処理してなるカール状の磁気テープ
収縮片とバインダーを原料として加圧成形されるパネル
にホルムアルデヒド等の揮発性有機化合物(以下、VO
Cと呼ぶ)を化学的に吸着させる機能を持たせ、その上
部に畳表を取り付けてなる畳に関するものである。
【0002】
【従来の技術】古くから用いられてきた畳は、芯材とし
ての稲わら畳床の表面に、イグサを横糸、アサ糸を縦糸
として製織した畳表を縫い付け、端部に畳縁を設けてい
る。
【0003】畳一般の機能としては、強度、耐圧性に加
え、表面の適度な弾性、適度な通気性、透水性、保湿
性、保温性等が要求される。さらに、フローリングによ
る床面に設置される薄畳については、防音性、断熱性、
さらに畳特有のクッション性も要求される。
【0004】これに対し、最近では芯材に合成樹脂発泡
体やインシュレーションファイバーボード等の人工材料
を用いたもの、あるいはこれにさらに補強板等の補助板
や補助シートを積層してなるものが種々開発されている
が、強度、作業性、通気性、透水性、保湿性、防音性、
断熱性等の全ての機能を満足するものは得られていない
のが現状である。
【0005】また、特に人工材料を用いたものは、一般
的に温度や湿度、乾燥等による反りや寸法変化によって
隙間が生じたり、見栄えが悪くなったりするという問題
がある。この他、インシュレーションファイバーボード
の場合、特に、畳縁が縫い付けられる端部が欠けやすい
といった問題もある。
【0006】さらに、畳とはいえ、建築材料としてみた
場合には、できるだけ難燃性のものであることが望まし
く、本願発明者等は、強度、作業性、通気性、透水性、
保湿性、防音性、断熱性等の機能に優れ、かつ寸法安定
性が高く、難燃性の畳として特開2000−12025
5号公報に記載される磁気テープ収縮片を原料とする芯
板を用いた畳を開発している。
【0007】一方、住宅において、気密性が増し、建材
や内装に化学物質が多用されるようになったことも起因
して、これらに含まれるホルムアルデヒド等のVOCに
よるシックハウス症候群が大きな問題になっている。
【0008】このようなVOC問題の有効な解決手段と
しては、ヒドラジド化合物、アゾール化合物、アジン化
合物等による化学的な吸着によって、これらの臭い成分
を吸着する方法があり、その効果については、例えば特
開平8−280781号公報や特開2000−3744
7号公報、特開2000−152979号公報等に開示
されている。
【0009】さらに、このようなVOC吸着剤を用いた
消臭剤に関しては、特開2001−218824号公報
にジヒドラジド類と活性炭を混合したもの等も開示され
ている。
【0010】この他、特開2000−320116号公
報には、畳の芯材に木質繊維板を用い、この木質繊維板
にVOCを吸着するための活性炭等の炭化物を混入した
り、炭化物の水性結合剤液にヒドラジン化合物を混入し
たものを塗布し、室内のホルムアルデヒド等のVOCを
吸着させることが記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術におい
て、特開2000−120255号公報記載の磁気テー
プ収縮片を原料とする芯板を用いた畳は、成形のための
バインダーとして、従来、フェノール樹脂、ユリア樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、あるいはメラミン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いられ
ており、ユリア樹脂等比較的VOCの放出の少ない樹脂
もあるが、使用する樹脂や使用方法によっては、畳とし
ての成形後、それ自体からのVOCの放出が問題となる
可能性がある。
【0012】一方、特開2000−320116号公報
記載の芯材に木質繊維板を用いたものの場合、木質繊維
板に炭化物の水性結合剤液等を塗布することで消臭効果
は得られても、芯材の腐食やカビの原因となる恐れがあ
る。
【0013】また、一種の接着剤と考えられる水性結合
剤溶液を用いて木質繊維板に吸着剤を定着させるもので
あることから、結合剤が吸着剤を覆い、吸着能力をロス
させることになる。また、木質繊維板の繊維が吸着剤を
含む水性結合剤溶液を吸収してしまう点でもロスが大き
い。
【0014】本願発明は、上述のような課題の解決を図
ったものであり、VOCの放出の問題が考えられる磁気
テープ収縮片を原料とする芯板を用いた畳について、逆
にその材料的、構造的特徴を活かして塗布または混入し
たVOC吸着剤を用い、畳としての利点を損なうことな
く、効率よくVOCを吸着させ、室内環境を改善するこ
とを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に係る畳
は、磁気テープ片を加熱処理してなるカール状の磁気テ
ープ収縮片と、バインダーとして加えた硬化性樹脂とを
混合し、常温または加熱下で加圧成形してなるパネルの
表面にVOC吸着剤を塗布し、該パネルを芯板としてそ
の上部に畳表を取り付けたことを特徴とするものであ
る。
【0016】本願発明で芯板として用いるパネルは、主
として不要となった廃磁気テープ等のリサイクルによる
有効利用を目的として開発されたものであり、曲げ強度
および曲げ剛性が高く、寸法安定性が良く、また吸音
性、断熱性、電磁波吸収性能、静電気防止性能を併せ持
つという特徴を有している(例えば、特開平6−198
649号公報、特開平7−256667号公報等参
照)。
【0017】また、このパネルは、カール状に収縮させ
た磁気テープ収縮片を利用した製造方法の特徴から、内
部に連続する空隙を有しており、通気性、透水性があ
る。磁気テープについては、収縮してカール状になるも
のであればその種類は問わないが、ビデオテープ、カセ
ットテープなどの磁気テープが好ましく、これら磁気テ
ープの切断片または粉砕片は、その長さが5〜20mm
であり、それが全テープ重量の50%以上含まれている
ことが望ましい。
【0018】また、熱硬化性樹脂としては、フェノール
樹脂、ユリア樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂のグループから選ばれ
た少なくも1種であることが好ましい。
【0019】さらに、ビデオテープ、カセットテープな
どの磁気テープを20mm以下に切断あるいは粉砕し、
100〜200℃で加熱してカール状に収縮させて得ら
れた磁気テープの収縮片に、上記熱硬化性樹脂のバイン
ダーを加え、100〜200℃で、約2×105 〜2×
106 Paの圧力で加圧成形すると、曲げ強度が約5×
106 N/m2 以上となる断熱通気層を構成するパネル
が得られる。
【0020】なお、パネルを成形する際のカール状の磁
気テープ収縮片およびバインダーの量と、圧力との関係
で、成形されるパネルの密度を比較的容易に調整するこ
とができる。畳の芯板としての用途を考慮した場合、
0.35〜0.50g/cm3程度のパネルが適し、
0.40g/cm3 程度が最適と考えられる。
【0021】密度が0.35g/cm3 より小さい場合
には、材料強度が低く、すなわち曲げ強度や耐圧性が低
下し、歩行における感触が柔らか過ぎ、別途、何らかの
補強を行わないと畳としては適さない。
【0022】一方、密度が0.50g/cm3 より大き
い場合には、強度が大きくなる反面、芯板が硬過ぎて歩
行性や感触の面で満足の行くものが得にくく、また畳と
しての重量が大きくなり過ぎるという問題もある。
【0023】請求項1に係る発明では、このようにして
成形される芯板としてのパネルの表面にVOC吸着剤を
塗布し、その上部に畳表を取り付ける。VOC吸着剤の
塗布手段としては、吸着剤の溶液をスプレー等を用いた
噴霧により塗布する方法が比較的容易であるが、吸着剤
の溶液を刷毛などで塗布してもよいし、粒状の吸着剤を
パネルの表面に接着させてもよく、特に限定されるもの
ではない。
【0024】特に、上記のようにして成形されるパネル
は、カールした磁気テープで形成される空隙により、樹
脂系のパネルとしては高い通気性、透水性を備えつつ、
塗布されたVOC吸着剤を保持する機能にも優れ、塗布
した吸着剤のロスがほとんどない。また、パネル自体
は、木質繊維板のような腐食やカビの問題がほとんどな
いという利点も有している。
【0025】また、必要に応じ、上記芯板となるパネル
の少なくとも片面に、厚紙、可塑性樹脂製のシートまた
は板状体、発泡樹脂製のシートまたは板状体、不織布、
ゴム製のシートまたは板状体シート状または板状の緩衝
材を積層させることができる。
【0026】緩衝材を芯板の上面側に設ける場合は、主
として、歩行性や感触の改善や畳の厚さの調整を目的と
しており、強度や耐圧性については基本的には芯板の物
性に基づいている。緩衝材の厚さはその材質や畳全体の
厚さにもよるが、1〜20mm程度、薄畳の場合で、通
常1〜5mm程度となる。また、異なる材質の緩衝材を
複数層積層してもよい。
【0027】ただし、芯板の通気性、透水性の機能が損
なわれないよう、緩衝材についても通気性、透水性のあ
るものが望ましく、例えばポリエステル繊維、ガラス繊
維等の不織布や連続気泡の発泡樹脂等が好適である。
【0028】また、緩衝材を芯板の下面側に設ける場合
は、主として、畳の厚さの調整や設置面における安定
性、また設置面が不安定な場合の騒音の発生防止等を目
的としている。
【0029】この他、例えば、本願発明の畳をフローリ
ングの床に直接置く場合には、緩衝材以外に、畳の裏面
側にゴム製等の滑り止めを設け、容易に移動しないよう
にする場合もある。
【0030】本願の請求項2に係る畳は、磁気テープ片
を加熱処理してなるカール状の磁気テープ収縮片と、バ
インダーとしての硬化性樹脂およびVOC吸着剤を混合
し、常温または200℃以下の加熱下で加圧成形してな
るパネルを芯板としてその上部に畳表を取り付けたこと
を特徴とするものである。
【0031】請求項1に係る畳の場合、磁気テープ片を
加熱処理してなるカール状の磁気テープ収縮片と、バイ
ンダーとして加えた硬化性樹脂とを混合し、常温または
加熱下でパネルを加圧成形した後に、その表面にVOC
吸着剤を塗布するのに対し、請求項2ではパネルの成形
段階であらかじめVOC吸着剤を混入させる点で異な
る。
【0032】また、ヒドラジド化合物、アゾール化合
物、あるいはアジン化合物などを主成分とするVOC吸
着剤の場合、これらの化合物は融点が100〜200℃
と低く、かつアルカリ性雰囲気では劣化するため、パネ
ルを常温または200℃以下の加熱下で加圧成形するこ
ととした。ただし、加熱化で成形する場合、使用する化
合物の融点その他の特性によっては100℃以下とする
ことが望ましい。
【0033】請求項3は、請求項1または2に係る畳に
おいて、前記VOC吸着剤がヒドラジド化合物、アゾー
ル化合物及びアジン化合物の少なくとも1種を含有する
ものである場合を限定したものである。
【0034】ヒドラジド化合物は、ヒドラジド基の数に
よってモノヒドラジド化合物(1個)、ジヒドラジド化
合物(2個)、ポリヒドラジド化合物(3個以上)があ
る。
【0035】モノヒドラジド化合物の具体的な物質とし
てはラウリル酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、ホ
ルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒド
ラジド、p―ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、ナフトエ
酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラ
ジド等がある。
【0036】また、ジヒドラジド化合物としては、アジ
ピン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、セバ
シン酸ジヒドラジド、カルボヒドラジド、シュウ酸ジヒ
ドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジ
ド、アゼライン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジ
ド、フマル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ジヒドラジ
ド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソ
フタル酸ヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、ダイ
マー酸ジヒドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド
等があり、ポリヒドラジド化合物としてはポリアクリル
酸ヒドラジド等がある。
【0037】このなかでアジピン酸ジヒドラジド、ドデ
カン二酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドが好ま
しい。
【0038】アゾール化合物もジアゾール化合物、トリ
アゾール化合物、チアジアゾール化合物がある。
【0039】ジアゾール化合物では、3−メチル−5−
ピラゾロン、1,3−ジメチル−5−ピラゾロン、3−
メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン、3−フェニル
−6−ピラゾロン、3−メチル−1−(3−スルホフェ
ニル)−5−ピラゾロン等のピラゾロン化合物、ピラゾ
ール、3−メチルピラゾール、1,4−ジメチルピラゾ
ール、3,5−ジメチルピラゾール、3,5−ジメチル
−1−フェニルピラゾール、3−アミノピラゾール、5
−アミノ−3−メチルピラゾール、3−メチルピラゾー
ル−5−カルボン酸、3−メチルピラゾール−5−カル
ボン酸メチルエステル、3−メチルピラゾール−5−カ
ルボン酸エチルエステル、3,5−メチルピラゾールジ
カルボン酸等のピラゾール化合物等を具体例として挙げ
ることができる。
【0040】トリアゾール化合物の具体例としては、例
えば1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾ
ール、3−n−ブチル−1,2,4−トリアゾール、
3,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾール、3,5
−ジ−n−ブチル−1,2,4−トリアゾール、3−メ
ルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−
1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−
トリアゾール、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリア
ゾール、5−アミノ−3−メルカプト−1,2,4−ト
リアゾール、3−アミノ−5−フェニル−1,2,4−
トリアゾール、3,5−ジフェニル−1,2,4−トリ
アゾール、1,2,4−トリアゾール−3−オン、ウラ
ゾール(3,5−ジオキシ−1,2,4−トリアゾー
ル)、1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸、1
−ヒドロキシベンゾトリアゾール、5−ヒドロキシ−7
−メチル−1,3,8−トリアザインドリジン、1H−
ベンゾトリアゾール、4−メチル−1H−ベンゾトリア
ゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール等を挙
げることができる。
【0041】チアジアゾール化合物の具体例としては、
例えば2−アミノ−5−エチル−1,3,4−チアジア
ゾール、5−アミノ−2−メルカプト−1,3,4−チ
アジアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チ
アジアゾール、5−t−ブチル−2−メチルアミノ−
1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−メチル
−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−1,3,
4−チアジアゾール等を挙げることができる。
【0042】アジン化合物としては、例えばジアジン化
合物、トリアジン化合物、ピリダジン化合物等を挙げる
ことができる。
【0043】ジアジン化合物の具体例としては、例えば
1,3−ジアジン、2−アミノ−4,6−ジメチル−
1,3−ジアジン、4,6−ジヒドロキシ−1,3−ジ
アジン、2−メルカプト−1,3−ジアジン、2−アミ
ノ−1,3−ジアジン、2,4−ジヒドロキシ−1,3
−ジアジン等の1,3−ジアジン類、2−アミノ−1,
4−ジアジン、2,3−ジメチル−1,4−ジアジン、
2−メチル−1,4−ジアジン、1,4−ジアジン−2
−カルボン酸、2,3,5−トリメチル−1,4−ジア
ジン等の1,4−ジアジン類等を挙げることができる。
【0044】トリアジン化合物の具体例としては、例え
ば3−アミノ−5,6−ジメチル−1,2,4−トリア
ジン、3−ヒドロキシ−5,6−ジフェニル−1,2,
4−トリアジン、ベンゾ−1,2,3−トリアジン−4
(3H)−オン、3−(2−ピリジル)−5,6−ジフ
ェニル−1,2,4−トリアジン等を挙げることができ
る。
【0045】ピリダジン化合物の具体例としては、例え
ば、ピリダジン、6−メチル−8−ヒドロキシトリアゾ
ロピリダジン、4,5−ジクロロ−3−ピリダジン、6
−メチル−3−ピリダゾン等を挙げることができる。
【0046】これらの化合物の1種又は複数種の混合物
がVOC吸着剤として使用できる。また、これらVOC
吸着剤は、水溶化または分散性向上のための界面活性剤
との混合物でも構わない。
【0047】前述したように、これらの化合物は特にホ
ルムアルデヒド等の吸着性能に優れ、さらに必要に応じ
金属のハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、水酸
化物から選ばれる少なくとも1種を添加したり、パーラ
イト、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、硫酸第一鉄と
L−アスコルビン酸との結合体から選ばれる少なくとも
1種を有効成分として添加することで、さらにアルデヒ
ド類の消臭性能を高まることが特開2001−1494
56号公報に開示されている。
【0048】なお、通常の畳の厚さは50mmである
が、本願発明に係る畳は芯材の強度が高く、適度な重さ
(比重)を有すること、断熱性能、防音性能を備えてい
ることなどから、特に薄畳として用いる場合に適してい
る。
【0049】ただし、厚さ25mm以上の畳に適用する
場合においても特に問題はなく、和室において通常の畳
として用いることもできる。また、厚さ10mm以下と
することも可能であるが、10mm以下では厚さに応じ
て芯板の強度が小さくなり、また断熱性能、防音性能も
劣ってくるため、用途が限定されることになる。
【0050】
【発明の実施の形態】図1は、本願発明を厚さ約16m
m、短辺方向900mm、長辺方向1800mmの薄畳
に適用した場合の一実施形態を示したものである。
【0051】本願発明は、畳1の芯板2として磁気テー
プ片を加熱処理してなるカール状の磁気テープ収縮片と
バインダーを原料として加圧成形されたパネルを用いる
ものであり、本実施形態においては、板厚約10mmに
成形した芯板2の表面に、VOC吸着剤の溶液を噴霧し
て塗布し、その上面にクッション材としてポリエステル
繊維製の厚さ約2mmの不織布3を載せ、その上に一般
的なイグサを原料とする畳表4を重ねて、これを芯板2
の端部に縫糸5で縫い付けてある。
【0052】市販のVOC吸着剤としては、例えば主と
してホルムアルデヒドなどのアルデヒド類に対する消臭
効果の高い大塚化学株式会社製のケムキャッチ(登録商
標)と呼ばれるものがある。
【0053】なお、本実施形態の畳では、従来からの通
常の畳と同様、畳1の長辺方向端部については畳表4を
芯板2の下面側に巻き込み、畳1の側面から下面にかけ
て縫糸5で縫い付け(図示せず)、短片方向端部につい
ては畳縁6を被せ、畳縁6ごと側面から下面にかけて縫
糸5で縫い付けている(図1(c) 参照)。
【0054】また、図示した例は、芯板2の下面が平な
場合であり、畳表4や畳縁6を芯板2の下面側に折り込
んで縫い付けてあることによる段差を吸収するため、補
助シート7を接着剤で貼り付けてある。補助シート7は
単に厚さ調整だけの目的で設ける場合には、材質は特に
限定されず、例えば厚紙などでもよい。
【0055】また、例えば畳1をフローリングの床面に
設置する場合等、滑り止めが必要な場合には、補助シー
ト7としてゴムシート等を貼り付けてもよい。
【0056】次に、芯板2を構成するパネルの具体的な
製法の一例を挙げると、原料としてビデオテープ、カセ
ットテープなどの磁気テープを20mm以下程度に切断
し、約150℃で加熱してカール状に収縮させた磁気テ
ープ収縮片100重量部に対し、ユリア樹脂20重量部
を混合したもの用い、これをポリエステル繊維の不織布
からなる幅約1000mm、長さ約2000mmの袋
に、8000g詰めて平にならし、ヒーターを備えた油
圧成形プレス機によってホットプレスし、厚さ10mm
の成形パネルを得る。
【0057】パネルを冷却した後、外周部を切り揃える
ことで、厚さ10mm、幅900mm、長さ1800m
m、比重約0.4g/cm3 の芯板2としてのパネルが
得られる。
【0058】このパネルの表面に上述した大塚化学株式
会社製のケムキャッチを塗布する。このようにして製造
した本願発明の畳(ケムキャッチ塗布量20g/m2
を、人が不快感を感じるホルムアルデヒド5ppm雰囲
気の実験室(6畳間)に設置したところ、6時間後には
ホルムアルデヒドは検知されなかった。また、翌日、1
週間後も検出されなかった。
【0059】なお、上記実施例は、成形後のパネルにV
OC吸着剤を塗布した場合、すなわち請求項1に対応す
る実施形態であるが、請求項2との関係では成形段階
で、カール状に収縮させた磁気テープ片とバインダーと
しての樹脂に、所要量のVOC吸着剤を混入させること
で、パネル表面へのVOC吸着剤塗布の手間が省け、製
造工程を1工程減らすことができる。
【0060】ただし、吸着剤のロスや性能の劣化を考え
た場合には、成形されたパネル表面への塗布が好まし
い。
【0061】
【発明の効果】本願発明で用いている芯板は、従来のイ
ンシュレーションファイバーボードや発泡スチロールの
芯板に比べ、芯板が高い通気性、透水性を有するため、
適度な保湿効果が得られ、かつ水等をこぼした場合で
も、インシュレーションファイバーボードのように芯板
が腐るといった恐れがなく、湿気の発散によりすぐ乾
き、またかびにくいという利点がある。
【0062】一方、成形における樹脂使用によるVOC
の放出に関しては、芯板の表面に噴霧などによりVOC
吸着剤を塗布するか、あるいは芯板の成形の段階でVO
C吸着剤を混合することで、芯板からのVOCの放出を
直接抑え、快適な室内空間を形成させることができる。
【0063】特に、本願発明の畳の場合、カールした磁
気テープで形成される空隙により高い通気性が得られ、
芯板の成形段階でVOC吸着剤を混合する場合にはその
空隙にVOC吸着剤を保持させることができ、化学的に
吸着したVOCを再放出することなく芯板内に封じ込め
ることができる。
【0064】なお、他の建材や接着剤の使用による室内
空間のVOCによる汚染に対しては、別途、VOC吸着
剤を使用することができるが、本願発明の畳に含有させ
たVOC吸着剤によっても汚染された室内空気中のVO
Cに対する消臭効果を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の畳の一実施形態を示したもので、
(a) は部分的に切り欠いて示した平面図、(b) は断面
図、(c) は左側面図である。
【符号の説明】
1…薄畳、2…芯板、3…不織布、4…畳表、5…縫
糸、6…畳縁、7…補助シート
フロントページの続き Fターム(参考) 4G066 AB06B AB07B AB10B AB12B AB15B AB21B AC23C AC24C AC39C FA03 FA20 FA21 FA28

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気テープ片を加熱処理してなるカール
    状の磁気テープ収縮片と、バインダーとして加えた硬化
    性樹脂とを混合し、常温または加熱下で加圧成形してな
    るパネルの表面に揮発性有機化合物を化学的に吸着させ
    るVOC吸着剤を塗布し、該パネルを芯板としてその上
    部に畳表を取り付けたことを特徴とする畳。
  2. 【請求項2】 磁気テープ片を加熱処理してなるカール
    状の磁気テープ収縮片と、バインダーとしての硬化性樹
    脂および揮発性有機化合物を化学的に吸着させるVOC
    吸着剤を混合し、常温または200℃以下の加熱下で加
    圧成形してなるパネルを芯板としてその上部に畳表を取
    り付けたことを特徴とする畳。
  3. 【請求項3】 前記VOC吸着剤はヒドラジド化合物、
    アゾール化合物及びアジン化合物の少なくとも1種を含
    有するものであることを特徴とする請求項1記載の畳。
JP2002009971A 2002-01-18 2002-01-18 磁気テープ収縮片を原料とする芯板を用いた畳 Pending JP2003213907A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005075987A (ja) * 2003-09-02 2005-03-24 Chugoku Marine Paints Ltd エネルギー線硬化性組成物、その塗膜、該塗膜で被覆された建築資材および建築物内のホルマリン臭の除去方法
CN106393294A (zh) * 2016-06-15 2017-02-15 深圳市松博宇科技股份有限公司 一种具有抗蠕变变形性能的预应力碳化木板材及其制备方法
CN110209240A (zh) * 2019-04-30 2019-09-06 郭凯 一种便携式可变显示面积的3c电子设备
JP7370057B2 (ja) 2020-03-11 2023-10-27 株式会社セイキ

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