JP2003213560A - 直交積層不織布 - Google Patents

直交積層不織布

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JP2003213560A
JP2003213560A JP2002008647A JP2002008647A JP2003213560A JP 2003213560 A JP2003213560 A JP 2003213560A JP 2002008647 A JP2002008647 A JP 2002008647A JP 2002008647 A JP2002008647 A JP 2002008647A JP 2003213560 A JP2003213560 A JP 2003213560A
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nonwoven fabric
stretched
filament
stretching
melting point
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JP2002008647A
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English (en)
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Tomoaki Fujita
倫明 藤田
Yorio Kumehara
偉男 粂原
Yoshiro Morino
嘉郎 森野
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Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直交積層不織布の特徴である印刷性や染色性
を低下させることなくヒートシール性を向上させ、特に
包装資材として適した直交積層不織布を提供する。 【解決手段】 直交積層不織布11は、2枚の延伸一方
向配列不織布11a,11bを、互いの繊維の配列方向
が直交するように積層されて構成される。各延伸一方向
配列不織布11a,11bは、互いに20℃以上の融点
または軟化点の差を有するポリエステル樹脂で構成され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル樹脂
で紡糸された繊維からなる2枚の延伸一方向配列不織布
を、互いの繊維の配列方向が互いに直交するように積層
した直交積層不織布に関し、特に、ヒートシール性に優
れ、包装資材等に好適に用いられる直交積層不織布に関
する。 【0002】 【従来の技術】従来、坪量が小さいながらも高い強度を
有する不織布として、ポリエステルか樹脂らなる繊維を
一方向に配列し延伸させた延伸一方向配列不織布を互い
の繊維の配列方向が直交するように積層した直交積層不
織布が知られている(特公平3−36948号等参
照)。 【0003】直交積層不織布は、延伸作用により繊維の
配列性が向上し、坪量が小さいながらも地合いが均一で
あり、伸度が低くかつ強度が高いという特徴を有する。
さらに、直交積層不織布は、繊維が一方向に配列されて
おり表面の平滑性も良好であるため、意匠性に優れ、し
かも光沢感があり、印刷特性にも優れているので、包装
資材として好適に用いられる。 【0004】一方、充填包装の分野では、近年、自動充
填包装機の高速化が進んでおり、包装機自身の性能を向
上させるだけでなく、さらに包装資材に対しても、低い
温度かつ短時間で充填を完了させることができ、しかも
シール強度が高い包装資材が望まれている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
直交積層不織布は、ポリエステル樹脂の中でも通常のポ
リエチレンテレフタレート樹脂を用いていたため、融点
が高く、ヒートシールを行う場合には高いシール温度と
長いシール時間を要し、高速で行う充填包装で用いられ
る包装資材に要求される性能を満足するのは困難であっ
た。ヒートシール性を向上させるために、ポリプロピレ
ン樹脂を用いて直交積層不織布を作ることも考えられ
る。しかし、ポリプロピレン樹脂は染色性に劣るため、
鮮やかな色を呈する包装資材とするのは困難であった。 【0006】そこで本発明は、直交積層不織布の特徴で
ある印刷性や染色性を低下させることなくヒートシール
性を向上させ、特に包装資材として適した直交積層不織
布を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の直交積層不織布は、ポリエステル樹脂から紡
糸された繊維を互いに同一または異なる一方向に配列し
延伸してなる2枚の延伸一方向配列不織布を、互いの繊
維の配列方向を直交させて積層した直交積層不織布にお
いて、前記2枚の延伸一方向配列不織布は、互いに20
℃以上の融点または軟化点の差を有するポリエステル樹
脂で構成されていることを特徴とする。 【0008】本発明の直交積層不織布は、2枚の延伸一
方向配列不織布を互いの繊維の配列方向が直交するよう
に積層されているので、縦方向と横方向との強度バラン
スが優れたものとなる。しかも、互いの延伸一方向配列
不織布の融点または軟化点の差が20℃以上であるの
で、結果的に一方の延伸一方向配列不織布の融点または
軟化点が低くなる。従って、融点または軟化点の低い延
伸一方向配列不織布同士を対面させてヒートシールを行
うことにより、短時間でヒートシールを行っても十分な
シール強度が得られ、しかも、融点または軟化点の高い
ほうの延伸一方向配列不織布が溶融してシールバーに付
着することもない。さらに、直交積層不織布はポリエス
テル樹脂で構成されているので印刷性、染色性にも優れ
ている。 【0009】融点または軟化点の低いほうの延伸一方向
配列不織布を構成する樹脂としては、変性ポリエステル
樹脂が好ましい。変性ポリエステル樹脂としては、例え
ばイソフタル酸で変性させたものが好ましく挙げられ
る。さらに、本発明の直交積層不織布を包装資材として
用いる場合、坪量が5〜100g/m2であることが好
ましい。 【0010】なお、本発明において、不織布の繊維の配
列方向や延伸方向の説明に用いる「縦方向」とは、不織
布を製造する際の機械方向すなわち不織布の送り方向を
意味し、また「横方向」とは、縦方向と直角な方向すな
わち不織布の幅方向を意味している。 【0011】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。 【0012】図1は、本発明の一実施形態による直交積
層不織布の断面図である。図1に示すように、直交積層
不織布11は、それぞれポリエステル樹脂からなるフィ
ラメント(繊維)がほぼ一方向に配列され、かつフィラ
メントの配列方向に延伸されて形成された2枚の延伸一
方向配列不織布11a,11bを、フィラメントの配列
方向が交差(好ましくは直交)するように積層されたも
のである。 【0013】延伸一方向配列不織布11a,11bは、
紡糸段階では通常の不織布と同様に、繊度が2〜3dT
exのフィラメントで紡糸されるが、これをフィラメン
トの配列方向に5〜10倍に延伸することにより、フィ
ラメントの繊度は主として1.5dTex以下とされ
る。この場合、紡糸段階においてはフィラメントが未配
向であり、かつ集積されたフィラメントが一定方向に配
列されているので、フィラメントの配列方向に延伸する
ことで延伸後の強度が向上する。しかし、紡糸段階にお
けるフィラメントの配列は完全ではないので、延伸され
た延伸一方向配列不織布11a,11bには、未延伸フ
ィラメントや未配向フィラメントが若干混じっている。
未延伸フィラメントは、融点も低く、その後の延伸や熱
処理で融解し、フィラメントの接着剤的機能を果たす。 【0014】延伸一方向配列不織布11a,11bに
は、タテ延伸不織布とヨコ延伸不織布とがあるが、フィ
ラメントの配列方向が互いに交差するように積層されて
いれば、これらの何れも使用することができ、また、組
み合わせも任意である。タテ延伸不織布とは、不織布を
製造する際の送り方向である縦方向にフィラメントが配
列され延伸された不織布であり、ヨコ延伸不織布とは、
不織布を製造する際の送り方向と直角な方向である横方
向にフィラメントが配列され延伸された不織布である。 【0015】以下に、タテ延伸不織布およびヨコ延伸不
織布について、詳細に説明する。 【0016】タテ延伸不織布としては、例えば、特開平
10−204767号公報に開示されている不織布を使
用することができる。以下に、タテ延伸不織布について
その製造方法とともに説明する。 【0017】まず、ダイスに設けられたノズルから押し
出されたフィラメントに引張力を与え、これによってフ
ィラメントを細径化し、コンベア上に集積する。このと
き、ノズルを出た直後のフィラメント融液を積極的に加
熱し、またはノズル近傍(フィラメントがノズルから紡
出された直後の位置)の雰囲気温度を高温に維持する。
この間の温度はフィラメントの融点よりも十分に高く
し、フィラメントのドラフトによるフィラメントの分子
配向をできるだけ小さくする。ノズル近傍の雰囲気温度
を高温にする手段としては、ダイスからの熱風吹き出
し、ヒータ加熱、保温筒など何れも用いることができ
る。また、フィラメント融液を加熱する手段としては、
赤外線放射やレーザ放射を用いることができる。 【0018】フィラメントに引張力を与える方法とし
て、メルトブロー(MB)ダイスを使用する方法があ
る。この方法は、熱風の温度を高くすることによりフィ
ラメントの分子配向を小さくすることができるという利
点がある。ただし、通常のMB法ではコンベア上でフィ
ラメントがランダムに集積し、また、熱風の影響により
フィラメントがコンベア上で熱処理を受け、延伸性の低
いものとなる。そこで、ノズルから紡出されたフィラメ
ントに、霧状の水分を含むエア等をコンベアの搬送面に
対して斜めに噴射する。これによって、フィラメントの
縦方向への配列および冷却が行われる。 【0019】フィラメントに引張力を与える他の方法と
して、狭義のスパンボンド(SB)法、すなわち、多数
のノズルの下方にいわゆるエジェクタあるいはエアサッ
カーを使用する方法がある。通常のSB方法も、フィラ
メントはノズルから出た直後に冷却されるのでフィラメ
ントに分子配向が生じ、また、コンベア上でフィラメン
トがランダムに集積する。そこで、上述したMB法の場
合と同様に、ノズル近傍でのフィラメントを高温に維持
する手段を組み合わせて分子配向を小さくし、また、エ
ジェクタ内に霧状の水分や冷風等を供給してフィラメン
トを十分に冷却して延伸性の良好なフィラメントとし、
さらに、このフィラメントを含む流体をコンベアの搬送
面に対して斜めに供給し、フィラメントの配列性を向上
させることができる。 【0020】このように、コンベアの搬送面に対して傾
斜させてフィラメントを紡糸することにより、フィラメ
ントを縦方向に良好に配列させることができる。フィラ
メントを搬送面に対して傾斜させる手段としては、ノズ
ル方向をコンベアに対して傾けることや、流体の補助に
よりフィラメントを斜行させることや、コンベアをフィ
ラメントの紡出方向に対して傾斜させることなどが有効
である。これらは、単独で用いてもよいし、複数の手段
を適宜組み合わせて用いてもよい。なお、ノズル近傍で
流体を使用する場合は、流体は加熱されていることが望
ましい。また、ノズル近傍で流体を使用しない場合は、
フィラメントとノズル近傍で積極的に加熱する。これ
は、フィラメントが引張力により細くされる際に、でき
るだけ分子配向を伴わないようにするためである。 【0021】上述したMB法およびSB法の何れの方法
においても、フィラメントをコンベアの搬送面に対して
傾斜させるために流体を使用しているが、この流体とし
ては、コンベア近傍では冷流体、特に霧状の水を含んだ
流体が最も望ましい。紡出されたフィラメントを急冷す
ることにより、結晶化を進行させないようにするためで
ある。結晶化が進むと延伸性が低下してしまう。また、
霧状の水を噴射することは、コンベア上に集積したウェ
ブをコンベア上に貼り付けさせる作用もあり、その結
果、紡糸の安定性、およびフィラメントの配列性の向上
により効果がある。 【0022】以上のようにして、フィラメントがコンベ
ア上に集積してウェブが形成されるが、コンベアの裏面
側からウェブを吸引することにより、コンベアの搬送面
に対して斜行させられて不安定になったウェブを安定化
させることができ、しかも熱を除去する効果も得られ
る。この場合、ウェブの吸引は、コンベアの幅方向に直
線状にかつ狭い幅で行うことが重要である。通常のSB
法においても吸引を行うことは多いが、その場合には広
い面積で吸引を行っており、ウェブ平面内の坪量の均一
性を高め、かつフィラメントの配列をできるだけランダ
ムとすることを目的としており、本実施形態での吸引の
目的とは異なる。さらに、本実施形態での吸引は、冷却
のために霧状に噴射された水分も除去するため、後の延
伸工程における水分の影響を低下させる効果もある。ポ
リエステル樹脂においては、水分が延伸性に大きく影響
し、部位による水分のばらつきにより延伸の均一性が損
なわれ、延伸倍率や延伸後のウェブの強度が低くなる。 【0023】コンベア上に集積したウェブは縦方向に延
伸され、これによりタテ延伸不織布とされる。ウェブを
縦方向に延伸することにより、フィラメントの縦方向へ
の配列性をより向上させることができる。このとき、フ
ィラメントの縦方向への配列性が良いものほど、ウェブ
の縦方向への延伸時にフィラメントが実質的に延伸され
る確率が高くなり、最終延伸ウェブの強度も大きくな
る。フィラメントの配列が悪いと、ウェブを延伸しても
フィラメントの間隔が広がるだけでフィラメントが実質
的に延伸される確率が低くなり、延伸後の十分な強度が
得られなくなる。 【0024】ウェブの縦方向への延伸には、1段で全延
伸する場合もあるが、主に多段延伸法が用いられてい
る。多段延伸法においては、1段目の延伸は紡糸直後の
予備延伸として行われ、さらにその後に延伸する2段目
以降の延伸が主延伸として行われている。その中でも特
に、多段延伸の1段目の延伸に近接延伸法を用いること
が本発明に適している。 【0025】近接延伸とは、隣接する2組のロールの表
面速度の差によりウェブを延伸する方式において、短い
延伸間距離(延伸の開始点から終点までの距離)を保っ
て延伸を行うものであり、延伸間距離が100mm以下
であることが望ましい。特に、フィラメントが全体とし
て縦方向に配列していても個々にはある程度屈曲してい
る場合には、できるだけ延伸間距離を短く保つことが、
個々のフィラメントを有効に延伸する上で重要である。
近接延伸における熱は、通常は延伸するロールを加熱す
ることにより与えられ、その延伸点が熱風や赤外線によ
り補助的に加熱される。また、近接延伸の際の熱源とし
ては、温水や蒸気等も使用することができる。 【0026】一方、多段延伸においては、2段目以降の
延伸には近接延伸ばかりでなく、通常のウェブ(不織布
などにおける繊維やフィラメントの集合体)の延伸に用
いられる種々の手段を適用することができる。例えば、
ロール延伸、温水延伸、蒸気延伸、熱盤延伸、ロール圧
延等の延伸方式である。近接延伸が必ずしも必要ないの
は、1段目の延伸で既に個々のフィラメントが縦方向に
長くわたっているためである。 【0027】次に、ヨコ延伸不織布について説明する。
ヨコ延伸不織布としては、例えば、特公平3−3694
8号公報に開示されている不織布を使用することができ
る。 【0028】ヨコ延伸不織布を製造するには、まず、フ
ィラメントがほぼ横方向に配列したウェブを形成する。
フィラメントがほぼ横方向に配列したウェブは、紡糸ノ
ズルより押し出されたフィラメントを、紡糸ノズルの周
囲に配したエア噴出孔からのエア噴射により横方向に振
らせ、コンベア上に集積させることによって形成するこ
とができる。 【0029】紡糸ノズルの周囲からのエア噴射でフィラ
メントを横方向に振らせるためには、紡糸ノズルの周囲
に、それぞれ紡糸ノズルを中心とした円周方向の成分を
持ってエアを噴射する複数(通常は3〜8個)の第1の
エア噴出孔を設け、さらに、これら第1のエア噴出孔の
外側に、噴射したエアがコンベアによるウェブの搬送方
向と平行な方向で互いに衝突するように配された2つの
第2のエア噴出孔を設ける。紡糸ノズルから押し出され
たフィラメントは、第1のエア噴出孔からのエア噴射に
よりスパイラル状に回転させられる。一方、第2のエア
噴出孔から噴射されたエアは、回転しているフィラメン
トの通過経路上で互いに衝突し、コンベアによる搬送方
向と直角すなわち横方向に広がる。回転しているフィラ
メントは、このエアの勢いで横方向に散らされる。これ
により、コンベア上には、横方向に配列成分が多い状態
でフィラメントが集積される。 【0030】このようにして得られたウェブは、横方向
に延伸される。ウェブを横方向に延伸する方法として
は、テンター方式やプーリ方式などが挙げられる。テン
ター方式は、フィルムなどを拡幅する方式として一般に
用いられるが、広い床面積が必要なこと、および製品幅
や拡幅倍率の変更が困難である。不織布は用途に応じて
製品幅を自由に変える必要があり、また、原料の厚さ等
に応じて延伸倍率を変更しなければならない。そこで、
これらの変更を運転操作中でも簡単に行えるプーリ方式
を用いるのが好ましい。 【0031】プーリ方式による延伸装置は、ウェブの両
側端部を把持するためにウェブの幅方向に間隔をあけて
配置された一対のプーリとベルトとを有する。プーリ
は、ウェブの幅方向の中心線に対して左右対称にその外
周が末広がりの軌道を持つように配置され、それぞれ同
一周速で回転される。一方、ベルトは各プーリに対応し
て張力下で掛け回されており、このベルトの一部位が、
プーリの間隔の狭まった位置から広がった位置にわたる
領域にかけて、それぞれプーリの外周端面に形成された
溝にはめ込まれている。 【0032】ウェブは、プーリの間隔の狭まった箇所か
ら導入され、両側端部がプーリとベルトとにより把持さ
れる。プーリの回転に伴い、ウェブはベルトとの間で把
持されながら一対のプーリが作る末広がりの軌道を通
り、これによりウェブは横方向に延伸される。この間の
加熱は、熱水や熱風が利用できる。 【0033】以上のようにして、フィラメントが横方向
に配列され延伸されたヨコ延伸不織布が得られる。 【0034】なお、タテ延伸不織布およびヨコ延伸不織
布を構成するフィラメントは長繊維フィラメントであ
る。長繊維フィラメントとは、実質的に長繊維であれば
よく、平均長さが100mmを超えているものをいう。 【0035】以上、タテ延伸不織布およびヨコ延伸不織
布を例に挙げて延伸一方向配列不織布11a,11bの
代表的な製造方法について詳細に説明したが、本発明に
おいて、延伸一方向配列不織布11a,11bの製造方
法は上述した方法に限定されるものではなく、フィラメ
ントをほぼ一方向に配列し、かつフィラメントをその配
列方向に延伸することができる方法であれば任意の方法
を利用することができる。 【0036】得られたタテ延伸不織布およびヨコ延伸不
織布はそのまま、一方を延伸一方向配列不織布11a、
他方を延伸一方向配列不織布11bとして用いるのが望
ましい。タテ延伸不織布とヨコ延伸不織布とは、例えば
熱エンボス法によって積層され、直交積層不織布11と
なる。この際に、タテ延伸不織布とヨコ延伸不織布とを
そのまま連続的に繰り出して、繋ぎ目のない連続した均
一な直交積層不織布11を得ることができる。また、予
めタテ延伸不織布を作製しておき、ヨコ延伸不織布の製
造段階で、タテ延伸不織布を繰り出しながらこのタテ延
伸不織布上にヨコ延伸不織布を重ね、これらを熱エンボ
ス法により積層することで、直交積層不織布11を効率
よく製造することができる。エンボス条件は用いるポリ
エステル樹脂の種類によって異なるが、好ましくはその
融点または軟化点よりも20〜80℃低い温度で熱エン
ボスされる。 【0037】延伸一方向配列不織布11a,11bのフ
ィラメントとしては、前述したようにポリエステル樹脂
が用いられるが、2枚の延伸一方向配列不織布11a,
11bは、互いに20℃以上の融点、または、融点が存
在しない樹脂の場合は軟化点の差を有するポリエステル
樹脂である。このようなポリエステル樹脂としては、エ
チレングリコール、テレフタル酸、イソフタル酸の共重
合体である変性ポリエステル樹脂を挙げることができ
る。この変性ポリエステル樹脂は、イソフタル酸の濃度
を調整することによって融点または軟化点を調整するこ
とができ、イソフタル酸の濃度は5〜30mol%が一般
的である。 【0038】このように、2枚の延伸一方向配列不織布
11a,11bにおいて、互いに20℃以上の融点また
は軟化点の差を有するポリエステル樹脂を用いることに
よって、この融点または軟化点が低いポリエステル樹脂
で作られた延伸一方向配列不織布のヒートシール性を向
上させることができる。言い換えれば、融点または軟化
点が低いポリエステル樹脂で作られた延伸一方向配列不
織布同士は低いシール温度でも十分なシール強度を有す
る。 【0039】従って、このような延伸一方向配列不織布
11a,11bを用いた直交積層不織布は、短いシール
時間でヒートシールを行うことができるので、包装資材
として用いることにより、高速化が進んだ自動充填包装
機の性能を十分に発揮させることができる。また、延伸
一方向配列不織布11a,11bは、互いの融点または
軟化点の差が20℃以上であるので、融点または軟化点
の低いほうの延伸一方向配列不織布同士を対面させてヒ
ートシールを行った際に、融点または軟化点の高いほう
の延伸一方向配列不織布が溶融してヒートシール機のシ
ールバーに付着することはない。 【0040】直交積層不織布11は、2枚の延伸一方向
配列不織布11a,11bを互いの繊維の配列方向を直
交させて積層したものなので、縦方向と横方向との強度
バランスにも優れている。さらに、延伸一方向配列不織
布11a,11bはポリエステル樹脂で構成されている
ので印刷性、染色性にも優れており、カラフルなデザイ
ンを容易に施すことができる。以上のことから、直交積
層不織布11は、包装資材として特に優れているといえ
る。 【0041】熱可塑性樹脂で構成された不織布を熱融着
する場合、熱融着は、不織布を構成する熱可塑性樹脂の
融点(融点が存在しない樹脂の場合は軟化点)以上の温
度で熱融着する必要がある。不織布を構成するフィラメ
ントは融点(または軟化点)以上で軟化し、この状態で
加圧することで、フィラメント同士が相互に融着する。 【0042】直交積層不織布11の坪量は、5〜100
g/m2であることが好ましい。坪量は、直交積層不織
布11の用途に応じて適宜選択される。直交積層不織布
11が包装資材として使用される場合、通気性を必要と
する包装資材であれば、坪量が30g/m2以下の直交
積層不織布11が好適である。一方、乾燥剤や脱酸素剤
用の包装資材であれば、簡単に破れないように高い強度
が必要であるので、坪量の大きい直交積層不織布11が
用いられる。 【0043】また、直交積層不織布11は、上述のよう
に2層構造になっているため、各延伸一方向配列不織布
11a,11bの坪量を調整することによって、縦方向
の強度と横方向の強度とを自由に調整することができ
る。例えば、包装袋の開封を容易にするために横方向に
引裂性を持たせる場合には、フィラメントが横方向に配
列された延伸一方向配列不織布の坪量を大きくし、フィ
ラメントが縦方向に配列された延伸一方向配列不織布の
坪量を小さくすればよい。このように、縦方向と横方向
の強度を制御することにより、直交積層不織布11の応
用範囲を広げることができる。 【0044】 【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について比較
例とともに説明する。 【0045】以下に示す実施例1〜3および比較例1の
直交積層不織布を作製し、それぞれについて幾つかの温
度条件でヒートシールを行い、そのシール強度を測定し
た。 【0046】シール強度は以下のようにして測定した。
まず、それぞれの直交積層不織布から、縦方向150m
m×横方向150mmの大きさのサンプルを、測定に必
要な枚数だけ切り出した。そして、各サンプルを、融点
が低い延伸一方向配列不織布同士が対面するように重ね
合わせ、テスター産業(株)製のヒートシールテスター
TP−701−Bを用いてヒートシールした。ヒートシ
ールの条件は、シール面積を25mm×200mm、シ
ール圧力を49Pa、シール時間を1.0秒とした。シ
ール温度は、140℃から220℃まで20℃ごとに5
通りの温度で行った。また、ヒートシールは、縦方向お
よび横方向のそれぞれについて行った。その後、ヒート
シールされたサンプルを15mm幅で5本ずつ切り出
し、それぞれについてT字剥離法にてシール部分を剥離
させてシール強度を測定し、5本の平均を求めた。この
ときのチャック間距離は100mm、引張速度は10m
m/minとした。 【0047】(実施例1)フィラメントが縦方向に配列
された延伸一方向配列不織布(タテ延伸不織布)を以下
のようにして作製した。原料樹脂として、イソフタル酸
で変性させたポリエステル樹脂(融点:180℃、IV
値:0.57)を用いて押出機により溶融混練し、ギア
ポンプにより定量的に押出し、熱風とともにメルトブロ
ーダイスよりフィラメント状に紡出した。紡出したフィ
ラメントをコンベア上に集積し、これを、延伸ロールを
用いて縦方向に6倍に延伸し、タテ延伸不織布を得た。
得られたタテ延伸不織布の坪量は10g/m2であっ
た。フィラメントの太さは、写真に撮影して測定したと
ころ、1.1dTexを中心とする太さであった。 【0048】一方、フィラメントが横方向に配列された
延伸一方向配列不織布(ヨコ延伸不織布)を以下のよう
にして作製した。原料樹脂として、ポリエステル樹脂
(融点:260℃、IV値:0.60)を用いて押出機
により溶融混練し、ギアポンプにより定量的に押出し、
スプレーノズルに導いた。スプレーノズルから紡出され
たフィラメントに横方向から熱風を吹き付けることによ
り、フィラメントをコンベアの進行方向に直角な方向
(横方向)に飛散させ、コンベア上に、フィラメントが
横方向に配列されたウェブを形成した。続いて、このウ
ェブをプーリ式の横延伸装置により横方向に6.5倍に
延伸し、ヨコ延伸不織布を作製した。作製されたヨコ延
伸不織布の坪量は15g/m2であった。 【0049】そして、このヨコ延伸不織布上に上述のタ
テ延伸不織布を繰出し、150℃に加熱されたエンボス
ロールによって連続的にエンボス処理を行うことでヨコ
延伸不織布とタテ延伸不織布とを積層し、直交積層不織
布を作製した。作製された直交積層不織布の坪量は25
g/m2であった。 【0050】(実施例2)タテ延伸不織布の原料樹脂と
して、融点が150℃、IV値が0.6の、イソフタル
酸で変性させたポリエステル樹脂を用い、さらに、タテ
延伸不織布とヨコ延伸不織布との積層時のエンボスロー
ラの温度を130℃としたこと以外は、実施例1と同様
にして直交積層不織布を作製した。作製された直交積層
不織布の坪量は25g/m2であった。 【0051】(実施例3)タテ延伸不織布を以下のよう
にして作製した。原料樹脂として、ポリエステル樹脂
(融点:260℃、IV値:0.63)を用いて押出機
により溶融混練し、ギアポンプにより定量的に押出し、
熱風とともにメルトブローダイスよりフィラメント状に
紡出した。紡出したフィラメントをコンベア上に集積
し、これを、延伸ロールを用いて縦方向に6倍に延伸
し、タテ延伸不織布を得た。得られたタテ延伸不織布の
坪量は15g/m2であった。フィラメントの太さは、
写真に撮影して測定したところ、1.1dTexを中心
とする太さであった。 【0052】一方、ヨコ延伸不織布を以下のようにして
作製した。原料樹脂として、イソフタル酸で変性させた
ポリエステル樹脂(融点:180℃、IV値:0.5
7)を用いて押出機により溶融混練し、ギアポンプによ
り定量的に押出し、スプレーノズルに導いた。スプレー
ノズルから紡出されたフィラメントに横方向から熱風を
吹き付けることにより、フィラメントをコンベアの進行
方向に直角な方向(横方向)に飛散させ、コンベア上
に、フィラメントが横方向に配列されたウェブを形成し
た。続いて、このウェブをプーリ式の横延伸装置により
横方向に6.5倍に延伸し、ヨコ延伸不織布を作製し
た。作製されたヨコ延伸不織布の坪量は15g/m2
あった。 【0053】そして、このヨコ延伸不織布上に上述のタ
テ延伸不織布を繰出し、150℃に加熱されたエンボス
ロールによって連続的にエンボス処理を行うことでヨコ
延伸不織布とタテ延伸不織布とを積層し、直交積層不織
布を作製した。作製された直交積層不織布の坪量は30
g/m2であった。 【0054】(実施例4)実施例1と同様の融点が18
0℃のポリエステル樹脂を用い、実施例1と同様にして
坪量が10g/m2のタテ延伸不織布を作製した。一
方、実施例2と同様の融点が150℃のポリエステル樹
脂を用い、実施例2と同様にして坪量が15g/m2
ヨコ延伸不織布を作製した。そして、実施例2と同様に
して両者を積層し、直交積層不織布を作製した。作製さ
れた直交積層不織布の坪量は25g/m2であった。 【0055】(比較例1)タテ延伸不織布を構成する原
料樹脂としてポリエステル樹脂(融点260℃:IV
値:0.63)を用いたこと以外は実施例1と同様にし
て直交積層不織布を作製した。本比較例では、タテ延伸
不織布もヨコ延伸不織布も融点(軟化点)は同じである
ので、シール強度の測定のためのヒートシールは、タテ
延伸不織布同士が対面するように直交積層不織布を重ね
合わせて行った。 【0056】表1に、各実施例および比較例のシール強
度の測定結果を示す。表1に示すシール強度の単位はN
/15mmである。なお、実施例4においては、融点が
150℃と180℃の延伸一方向配列不織布を用いてお
り、180℃以上のシール温度では両方の延伸一方向配
列不織布が溶融してしまうため、180℃以上のシール
温度での試験は行っていない。 【0057】 【表1】 【0058】表1に示すように、比較例1は、140〜
180℃でヒートシールを行った場合、簡単に剥離して
しまってシール強度を測定することができなかった。ま
た、比較例1では、200℃以上でヒートシールを行っ
た場合にシール強度を測定することができたものの、実
施例1〜3に比べてシール強度は極めて低かった。一
方、実施例1〜4においては、ヒートシール温度が低く
なるにつれてシール強度が小さくなる傾向はあるもの
の、140℃でヒートシールを行った場合でも十分に高
いシール強度が得られた。言い換えれば、実施例1〜4
は比較例に比べて短時間でヒートシールを行うことがで
き、高速化が進んだ自動充填包装機に用いられる包装資
材として好適である。さらに、実施例1〜4はポリエス
テル樹脂を用いているのでカラフルな染色も容易であ
り、意匠性にも優れた包装資材とすることもできる。こ
のように、十分なシール強度を有しかつ意匠性に優れた
不織布は、自動充填包装機に用いられる包装資材以外
に、小物入れ等の袋物の原材料としても有用である。 【0059】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、直
交積層不織布を構成する2枚の延伸一方向配列不織布
を、互いに20℃以上の融点または軟化点の差を有する
ポリエステル樹脂で構成することで、縦方向にも横方向
にも大きな強度を有しつつ、ヒートシール性および印刷
・染色性に優れた直交積層不織布とすることができる。
従って、本発明の直交積層不織布は、包装資材として好
適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施形態による直交積層不織布の断
面図である。 【符号の説明】 11 直交積層不織布 11a,11b 延伸一方向配列不織布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森野 嘉郎 東京都千代田区内幸町一丁目3番1号 日 本石油化学株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AK41A AK41B BA02 BA22 DG15A DG15B EJ37A EJ37B EJ40 GB15 JA04A JA04B JL12 YY00 4L047 AA21 AB03 AB10 BA08 BD02 CA05 CB01 CB09 CC16

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ポリエステル樹脂から紡糸された繊維を
    互いに同一または異なる一方向に配列し延伸してなる2
    枚の延伸一方向配列不織布を、互いの繊維の配列方向を
    直交させて積層した直交積層不織布において、 前記2枚の延伸一方向配列不織布は、互いに20℃以上
    の融点または軟化点の差を有するポリエステル樹脂で構
    成されていることを特徴とする直交積層不織布。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006296463A (ja) * 2005-04-15 2006-11-02 Nippon Petrochemicals Co Ltd カーテン用基布およびカーテン
JP2013185264A (ja) * 2012-03-06 2013-09-19 Unitika Ltd 積層不織布およびその製造方法
EP2775021A1 (en) 2013-03-04 2014-09-10 Finetrack Long fiber nonwoven fabric and laminate of fabrics having long fiber nonwoven fabric
CN109350140A (zh) * 2018-11-13 2019-02-19 浙江海创医疗器械有限公司 X光可显影的可塑型医用支撑装置

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