JP4535637B2 - 直交積層不織布を用いた粘着テープ用基布およびこれを用いた粘着テープ - Google Patents
直交積層不織布を用いた粘着テープ用基布およびこれを用いた粘着テープ Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、梱包用等に用いられるヨコ引裂性を有する粘着テープに関し、さらに詳しくは、熱可塑性樹脂により紡糸されフィラメントがほぼ一方向に配列されたウェブを一方向に延伸してなる一方向配列不織布を、タテ基材およびヨコ基材として互いに積層した直交積層不織布を用いた粘着テープに関する。
【0002】
なお、本発明において、タテ基材とは、テープとしたときのフィラメントの配列方向がテープの長手方向と実質的に平行である基材をいい、ヨコ基材とは、テープとしたときのフィラメントの配列方向がテープの長手方向と実質的に直角、すなわちテープの幅方向と実質的に平行である基材をいう。
【0003】
【従来の技術】
従来、ヨコ引裂性を有する粘着テープの分野においては、主としてレーヨンスフや綿からなる紡績糸による織物が基布として使用されてきた。しかし、これらの紡績糸は強度が小さく、湿潤時に強度が低下したり膨潤するという問題があり、また近年特に要望されている薄い粘着テープの製造が困難であった。さらに経済的な面では、レーヨンスフや綿は時々の相場により価格の変動が著しく、粘着テープのように安定供給が要求される産業資材の原料としては不適格であった。
【0004】
そこで、ビニロンやポリエステルの長繊維フィラメントによる布粘着基布が検討されてきた。しかし、これらの合成繊維の織物はヨコ引裂性に劣るため、それを改善するために細いヤーンを密に織る必要があり(特開昭58−91845号公報、特開昭60−71735号公報、特開昭63−306037号公報、特開平5−44135号公報等参照)、品質および経済性に劣るので、レーヨンスフと完全に交代するまでに至っていない。同様に、実開平2−3821号公報等に開示されるように、ポリオレフィンのフラットヤーンを原料にしたものもあるが、これもヨコ引裂性が低く、細いヤーンを密に織る必要があるため品質および経済性が同様に劣り、さらにポリオレフィンを原料にしているので耐熱性も低いものとなる。
【0005】
また、近年の自動梱包機等の自動化機械の発達により機械の処理速度が速くなり、それに伴い、使用される粘着テープの交換頻度も高くなってきている。粘着テープの交換は煩雑な作業であり、しかもその間は機械を停止させなければならず機械の稼働率が低下するため、粘着テープの厚さを薄くして同一径の巻物であってもテープの巻き長さを増大することが求められてきた。しかし、織物ではヤーンが屈曲しているためテープの厚さを薄くするのは困難であった。
【0006】
本出願人は、タテ方向に高い強度を有するタテ延伸不織布と、ヨコ方向に高い強度を有するヨコ延伸不織布とを経緯積層した種々のタイプの直交積層不織布を開発してきた(特公平1−60408号公報、特公平3−36948号公報等)。また、これら直交積層不織布を粘着テープに応用した発明も行っている(特開昭58−106737号公報、特開平1−204983号公報、特開平10−36795号公報等)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
直交積層不織布は、タテ延伸不織布とヨコ延伸不織布とを経緯積層する方式により、40m/分〜100m/分の高い生産性で製造することが可能である。一方、粘着テープ用基布の織物では、ヨコ引裂性を高めるため細いヤーンを用いて密な織物にする必要があるので、近年の革新的織機を使用しても1m/分以上で生産することは困難である。すなわち、直交積層不織布は布粘着テープ用織物の100倍程度の生産性を有している。
【0008】
また、ヨコ引裂性は、引裂応力がヨコ方向に効果的に伝播していく引裂機構により得られるため、織物の場合には組織の融通性がなくなるほど密に織る必要があるが、密の織物はヤーンが屈曲しているためフィラメントの強度が有効に発揮できず、本来のヤーン強度の7〜8割程度しか利用されていない。それに対して直交積層不織布では、フィラメントが屈曲していないので、構成するフィラメントの強度が十分に発揮される。さらに、直交積層不織布では、フィラメントの量が少なくてもフィラメントの強度が有効に利用され、結果的に高い強度を有し、またフィラメントが屈曲していないためフィラメント層の厚さが薄くなり、その結果、薄い粘着テープを得ることができる。
【0009】
このような特性を有する直交積層不織布であるが、粘着テープ用基布として用いるとき、タテ延伸不織布とヨコ延伸不織布とが独立しているため、タテ延伸不織布は、ヨコ引裂応力が効果的にヨコ方向に伝播していくことを阻害する。つまり、ヨコ引裂性が低下する。このように、直交積層不織布を粘着テープ用の基布として用いた場合には、直交積層不織布に特有の構造に基づく引裂性の問題を解決する必要があった。
【0010】
本発明の目的は、厚さが薄くても十分な強度を有する基布とするために基布に直交積層不織布を使用しつつも、ヨコ引裂性に優れた粘着テープ用基布およびこれを用いた粘着テープを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、熱可塑性樹脂からなる延伸一方向配列不織布をタテ基材およびヨコ基材として経緯積層した直交積層不織布を特定の条件で用いることにより、優れた粘着テープ用基布が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち本発明の粘着テープ用基布は、粘着テープに用いられる基布であって、
熱可塑性樹脂により紡糸されフィラメントが一方向に配列されかつ延伸された延伸一方向配列不織布をタテ基材およびヨコ基材としてフィラメントの配列方向が直交するように互いに積層してなる直交積層不織布と、
前記直交積層不織布の少なくとも前記タテ基材側の面に形成された、厚さが20μm以上の合成樹脂層とを有し、
前記タテ基材の坪量をT、前記ヨコ基材の坪量をYとしたとき、これらの比Y/Tが1.0以上かつ2.5以下の範囲にある。
【0013】
本発明の粘着テープ用基布では、タテ基材およびヨコ基材として、熱可塑性樹脂により紡糸されたフィラメントが一方向に配列されかつ延伸された延伸一方向配列不織布を、フィラメントの配列方向が直交するように互いに積層した直交積層不織布を用いているので、厚さが薄くても高い強度を有する基布となる。また、直交積層不織布の少なくともタテ基材側の面に厚さが20μm以上の合成樹脂層を形成し、しかも、タテ基材の坪量(T)とヨコ基材の坪量(Y)との比Y/Tを1.0以上かつ2.5以下とすることにより、タテ基材が有効に固定され、基布にヨコ引裂応力が作用したとき、タテ基材を切断する応力が効果的に伝播されるので、ヨコ引裂性が向上する。
【0014】
ヨコ引裂性をより向上させるためには、直交積層不織布を構成するフィラメントの繊度が1.5dTex以下であり、かつ、フィラメントの配列方向についての直交積層不織布の強度が90mN/Tex以上であることが好ましい。フィラメントを構成する熱可塑性樹脂としてはポリエステルまたはポリプロピレンを使用することができ、これにより、湿潤強度および耐熱性に優れた粘着テープ用基布となる。さらに、タテ基材を、タテ基材となる延伸一方向配列不織布を製造する際の送り方向にフィラメントが配列され延伸されたタテ延伸不織布とし、ヨコ基材を、ヨコ基材となる延伸一方向配列不織布を製造する際の送り方向と直角な方向にフィラメントが配列され延伸されたヨコ延伸不織布とすることで、直交積層不織布が効率的に製造される。
【0015】
本発明の粘着テープは、上述した本発明の粘着テープ用基布と、この粘着テープ用基布のヨコ基材側の面に設けられた粘着剤層とを有する。
【0016】
このように、本発明の粘着テープは、本発明の粘着テープ用基布を用いているので、厚さが薄くかつ高い強度を有しつつも、ヨコ引裂性に優れた粘着テープが得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態による粘着テープの断面図である。図1に示すように、粘着テープ10は、直交積層不織布11を有する基布12と、その片面に設けられた粘着剤層4とからなる。直交積層不織布11は、タテ基材1とヨコ基材2とを積層したもので、そのタテ基材1側に合成樹脂層3が形成されたもので基布12が構成される。
【0019】
直交積層不織布11を構成するタテ基材1およびヨコ基材2には、熱可塑性樹脂からなるフィラメントがほぼ一方向に配列され、かつフィラメントの配列方向に延伸された延伸一方向配列不織布(特公平3‐36948号公報、特開平10−204767号公報参照)が使用され、これをフィラメントの配列方向が交差するように積層することで直交積層不織布11とされる。この方法によれば、紡糸段階では通常の不織布と同様に繊度(太さ)が2〜3dTexのフィラメントを紡糸するが、これをフィラメントの配列方向に5〜8倍に延伸することにより、フィラメントとしては、1.5dTex以下とされる。特に、タテ基材1に用いるフィラメントは、ヨコ引裂性を向上させるために、好ましくは1dTex以下とする。この場合、紡糸段階においてはフィラメントが未配向であり、かつ集積されたフィラメントが一定方向に配列されているので、フィラメントの配列方向に延伸することで延伸後の強度が向上する。しかし、紡糸段階におけるフィラメントの配列は完全ではないので、延伸された延伸一方向配列不織布には、未延伸フィラメントや未配向フィラメントが若干混じっており、主として1.5dTex以下のフィラメントからなるタテ基材1またはヨコ基材2となる。未延伸フィラメントは、融点も低く、その後の延伸や熱処理で融解し、基材中のフィラメントの接着剤的機能を果たし、フィラメントの融通性を減少させてヨコ引裂性を向上させる働きをする。
【0020】
延伸一方向配列不織布には、タテ延伸不織布とヨコ延伸不織布とがあるが、フィラメントの配列方向が互いに交差するように積層されていれば、これらの何れも使用することができ、また、組み合わせも任意である。タテ延伸不織布とは、不織布を製造する際の送り方向であるタテ方向にフィラメントが配列され延伸された不織布であり、ヨコ延伸不織布とは、不織布を製造する際の送り方向と直角な方向であるヨコ方向にフィラメントが配列され延伸された不織布である。
【0021】
以下に、タテ延伸不織布およびヨコ延伸不織布について、詳細に説明する。
【0022】
タテ延伸不織布としては、例えば、特開平10−204767号公報に開示されている不織布を使用することができる。以下に、タテ延伸不織布についてその製造方法とともに説明する。
【0023】
まず、ダイスに設けられたノズルから押し出されたフィラメントにドラフト張力を与え、これによってフィラメントを細径化し、コンベア上に集積する。このとき、ノズルを出た直後のフィラメント融液を積極的に加熱し、またはノズル近傍(フィラメントがノズルから紡出された直後の位置)の雰囲気温度を高温に維持する。この間の温度はフィラメントの融点よりも十分に高くし、フィラメントのドラフトによるフィラメントの分子配向をできるだけ小さくする。ノズル近傍の雰囲気温度を高温にする手段としては、ダイスからの熱風吹き出し、ヒータ加熱、保温筒など何れも用いることができる。また、フィラメント融液を加熱する手段としては、赤外線放射やレーザ放射を用いることができる。
【0024】
フィラメントにドラフト張力を与える方法として、メルトブロー(MB)ダイスを使用する方法がある。この方法は、熱風の温度を高くすることによりフィラメントの分子配向を小さくすることができるという利点がある。ただし、通常のMB法ではコンベア上でフィラメントがランダムに集積し、また、熱風の影響によりフィラメントがコンベア上で熱処理を受け、延伸性の低いものとなる。そこで、ノズルから紡出されたフィラメントに、霧状の水分を含むエアー等をコンベアの搬送面に対して斜めに噴射する。これによって、フィラメントのタテ方向への配列および冷却が行われる。
【0025】
フィラメントにドラフト張力を与える他の方法として、狭義のスパンボンド(SB)法、すなわち、多数のノズルの下方にいわゆるエジェクタあるいはエアサッカーを使用する方法がある。通常のSB方法も、フィラメントはノズルから出た直後に冷却されるのでフィラメントに分子配向が生じ、また、コンベア上でフィラメントがランダムに集積する。そこで、上述したMB方の場合と同様に、ノズル近傍でのフィラメントを高温に維持する手段を組み合わせて分子配向を小さくし、また、エジェクタ内に霧状の水分や冷風等を供給してフィラメントを十分に冷却して延伸性の良好なフィラメントとし、さらに、このフィラメントを含む流体をコンベアの搬送面に対して斜めに供給し、フィラメントの配列性を向上させることができる。
【0026】
このように、コンベアの搬送面に対して傾斜させてフィラメントを紡糸することにより、フィラメントをタテ方向に良好に配列させることができる。フィラメントを搬送面に対して傾斜させる手段としては、ノズル方向をコンベアに対して傾けることや、流体の補助によりフィラメントを斜行させることや、コンベアをフィラメントの紡出方向に対して傾斜させることなどが有効である。これらは、単独で用いてもよいし、複数の手段を適宜組み合わせて用いてもよい。なお、ノズル近傍で流体を使用する場合は、流体は加熱されていることが望ましい。また、ノズル近傍で流体を使用しない場合は、フィラメントとノズル近傍で積極的に加熱する。これは、フィラメントがドラフトにより細径化される際に、できるだけ分子配向を伴わないようにするためである。
【0027】
上述したMB法およびSB法の何れの方法においても、フィラメントをコンベアの搬送面に対して傾斜させるために流体を使用しているが、この流体としては、コンベア近傍では冷流体、特に霧状の水を含んだ流体が最も望ましい。紡出されたフィラメントを急冷することにより、結晶化を進行させないようにするためである。結晶化が進むと延伸性が低下してしまう。また、霧状の水を噴射することは、コンベア上に集積したウェブをコンベア上に貼り付けさせる作用もあり、その結果、紡糸の安定性、およびフィラメントの配列性の向上により効果がある。
【0028】
以上のようにして、フィラメントがコンベア上に集積してウェブが形成されるが、コンベアの裏面側からウェブを吸引することにより、コンベアの搬送面に対して斜行させられて不安定になったウェブを安定化させることができ、しかも熱を除去する効果も得られる。この場合、ウェブの吸引は、コンベアの幅方向に直線状にかつ狭い幅で行うことが重要である。通常のSB法においても吸引を行うことは多いが、その場合には広い面積で吸引を行っており、ウェブ平面内の坪量の均一性を高め、かつフィラメントの配列をできるだけランダムとすることを目的としており、本実施形態での吸引の目的とは異なる。さらに、本実施形態での吸引は、冷却のために霧状に噴射された水分も除去するため、後の延伸工程における水分の影響を低下させる効果もある。ポリエステルにおいては、水分が延伸性に大きく影響し、部位による水分のばらつきにより延伸の均一性が損なわれ、延伸倍率や延伸後のウェブの強度が低くなる。
【0029】
コンベア上に集積したウェブはタテ方向に延伸され、これによりタテ延伸不織布とされる。ウェブをタテ方向に延伸することにより、フィラメントのタテ方向への配列性をより向上させることができる。このとき、フィラメントのタテ方向への配列性が良いものほど、ウェブのタテ延伸時にフィラメントが実質的に延伸される確率が高くなり、最終延伸ウェブの強度も大きくなる。フィラメントの配列が悪いと、ウェブを延伸してもフィラメントの間隔が広がるだけでフィラメントが実質的に延伸される確率が低くなり、延伸後の十分な強度が得られなくなる。
【0030】
ウェブのタテ延伸には、1段で全延伸する場合もあるが、主に多段延伸法が用いられている。多段延伸法においては、1段目の延伸は紡糸直後の予備延伸として行われ、さらにその後に延伸する2段目以降の延伸が主延伸として行われている。その中でも特に、多段延伸の1段目の延伸に近接延伸法を用いることが本発明に適している。
【0031】
近接延伸とは、隣接する2組のロールの表面速度の差によりウェブを延伸する方式において、短い延伸間距離(延伸の開始点から終点までの距離)を保って延伸を行うものであり、延伸間距離が100mm以下であることが望ましい。特に、フィラメントが全体としてタテ方向に配列していても個々にはある程度屈曲している場合には、近接延伸においてできるだけ延伸間距離を短く保つことが、個々のフィラメントを有効に延伸する上で重要である。近接延伸における熱は、通常は延伸するロールを加熱することにより与えられ、その延伸点が熱風や赤外線により補助的に加熱される。また、近接延伸の際の熱源としては、温水や蒸気等も使用することができる。
【0032】
一方、多段延伸においては、2段目以降の延伸には近接延伸ばかりでなく、通常のウェブ(不織布などにおける繊維やフィラメントの集合体)の延伸に用いられる種々の手段を適用することができる。例えば、ロール延伸、温水延伸、蒸気延伸、熱盤延伸、ロール圧延等の延伸方式である。近接延伸が必ずしも必要ないのは、1段目の延伸で既に個々のフィラメントがタテ方向に長くわたっているためである。
【0033】
次に、ヨコ延伸不織布について説明する。ヨコ延伸不織布としては、例えば、特公平3−36948号公報に開示されている不織布を使用することができる。
【0034】
ヨコ延伸不織布を製造するには、まず、フィラメントがほぼヨコ方向に配列したウェブを形成する。フィラメントがほぼヨコ方向に配列したウェブは、紡糸ノズルより押し出されたフィラメントを、紡糸ノズルの周囲に配したエア噴出孔からのエア噴射によりヨコ方向に振らせ、コンベア上に集積させることによって形成することができる。
【0035】
紡糸ノズルの周囲からのエア噴射でフィラメントをヨコ方向に振らせるためには、紡糸ノズルの周囲に、それぞれ紡糸ノズルを中心とした円周方向の成分を持ってエアを噴射する複数(通常は3〜8個)の第1のエア噴出孔を設け、さらに、これら第1のエア噴出孔の外側に、噴射したエアがコンベアによるウェブの搬送方向と平行な方向で互いに衝突するように配された2つの第2のエア噴出孔を設ける。紡糸ノズルから押し出されたフィラメントは、第1のエア噴出孔からのエア噴射によりスパイラル状に回転させられる。一方、第2のエア噴出孔から噴射されたエアは、回転しているフィラメントの通過経路上で互いに衝突し、コンベアによる搬送方向と直角すなわちヨコ方向に広がる。回転しているフィラメントは、このエアの勢いでヨコ方向に散らされる。これにより、コンベア上には、ヨコ方向に配列成分が多い状態でフィラメントが集積される。
【0036】
このようにして得られたウェブは、ヨコ方向に延伸される。ウェブをヨコ方向に延伸する方法としては、テンター方式やプーリ方式などが挙げられる。テンター方式は、フィルムなどを拡幅する方式として一般に用いられるが、広い床面積が必要なこと、および製品幅や拡幅倍率の変更が困難である。不織布は用途に応じて製品幅を自由に変える必要があり、また、原料の厚さ等に応じて延伸倍率を変更しなければならない。そこで、これらの変更を運転操作中でも簡単に行えるプーリ方式を用いるのが好ましい。
【0037】
プーリ方式による延伸装置は、ウェブの両側端部を把持するためにウェブの幅方向に間隔をあけて配置された一対のプーリとベルトとを有する。プーリは、ウェブの幅方向の中心線に対して左右対称にその外周が末広がりの軌道を持つように配置され、それぞれ同一周速で回転される。一方、ベルトは各プーリに対応して張力下で掛け回されており、このベルトの一部位が、プーリの間隔の狭まった位置から広がった位置にわたる領域にかけて、それぞれプーリの外周端面に形成された溝にはめ込まれている。
【0038】
ウェブは、プーリの間隔の狭まった箇所から導入され、両側端部がプーリとベルトとにより把持される。プーリの回転に伴い、ウェブはベルトとの間で把持されながら一対のプーリが作る末広がりの軌道を通り、これによりウェブはヨコ方向に延伸される。この間の加熱は、熱水や熱風が利用できる。
【0039】
以上のようにして、フィラメントがヨコ方向に配列され延伸されたヨコ延伸不織布が得られる。
【0040】
なお、タテ延伸不織布およびヨコ延伸不織布を構成するフィラメントは長繊維フィラメントである。ここでいう長繊維フィラメントとは、実質的に長繊維であればよく、平均長さが100mmを超えているものをいう。フィラメントの直径は、50μm以上では剛直で交絡が不十分になるため、望ましくは30μm以下、さらに望ましくは25μm以下である。特に強度の強い不織布を目的とする場合は、フィラメント径が5μm以上であることが望ましい。フィラメントの長さおよび径は顕微鏡写真により測定する。
【0041】
以上のようにしてタテ延伸不織布およびヨコ延伸不織布が得られるが、これらはそれぞれタテ基材1およびヨコ基材2として用いるのが望ましい。タテ基材1とヨコ基材2とは、例えば熱エンボス法によって積層され、直交積層不織布11となるが、この際に、タテ延伸不織布とヨコ延伸不織布とをそのまま連続的に繰り出して、繋ぎ目のない連続した均一な直交積層不織布11を得ることができるからである。また、予めタテ延伸不織布を作製しておき、ヨコ延伸不織布の製造段階で、タテ延伸不織布を繰り出しながらこのタテ延伸不織布上にヨコ延伸不織布を重ね、これらを熱エンボス法により積層することで、直交積層不織布11を効率よく製造することができる。エンボス条件は用いる熱可塑性樹脂の種類によって異なるが、好ましくは熱可塑性樹脂の融点よりも30〜60℃低い温度で熱エンボスされる。
【0042】
直交積層不織布11は、フィラメントがタテ方向およびヨコ方向に交差した構造を有するので、タテ方向およびヨコ方向の何れの方向にも十分な強度を有し、しかもタテ方向およびヨコ方向の強度のバランスがとれている。したがって、直交積層不織布11は、従来の基材と比較して坪量(目付量)の小さいものを使用することができ、従来と比較して同等またはそれ以上の強度を有しながらも薄手の基材とすることができる。
【0043】
タテ基材1とヨコ基材2との坪量のバランスは、ヨコ引裂性に重要である。タテ基材1の坪量をT、ヨコ基材2の坪量をYとしたとき、Y/Tは、1.0以上かつ2.5以下の範囲にあることが望ましい。タテ基材1の坪量とヨコ基材2の坪量との比Y/Tをこの範囲とすることで、タテ基材1とヨコ基材2とが良好に密着し、基布12にヨコ引裂応力が作用したとき、効果的にタテ基材1を切断する応力が伝播するので、ヨコ引裂性が向上する。すなわち基布12をヨコ方向に引き裂く際に、小さな力で、ヨコ基材2のフィラメントの配列方向に沿って切断することができる。
【0044】
一方、Y/Tが1.0未満、すなわちヨコ基材2の坪量がタテ基材1の坪量よりも小さい場合は、ヨコ基材2の引裂性に比べてタテ基材1の引裂性が困難となるため、引裂性のバランスが異なり効果的にタテ基材1を切断する応力が伝播しなくなり、ヨコ引裂性が劣る。すなわちヨコ方向に引き裂く際に大きな力を必要とする。Y/Tが2.5を超えると、タテ基材1とヨコ基材2との密着性が低下し、ヨコ引裂性が悪化する。また、ヨコ基材2の生産速度が低下し、インラインにてタテ基材1と積層する場合には、結果的には全体の生産性が低下するのでコスト面で不利となる。
【0045】
上記のようにして得られた直交積層不織布は、タテ方向およびヨコ方向とも90mN/Tex以上の強度を有し、好ましくは130mN/Tex以上、より好ましくは180mN/Tex以上の強度を有する。90mN/Tex以上の強度を有するということは、フィラメントの配列や延伸が十分でありフィラメントにゴム弾性が残っていないことを意味し、結果的にヨコ引裂性が向上する。
【0046】
直交積層不織布11の個々のフィラメントの多くは、3dTexから5dTexの太さであるが、種々のフィラメントが混在し煩雑であるため、本明細書では強度としてはウェブの強度で表示する。なお、ウェブの強度は、単位面積あたりの強度で表示する方法が一般的であるが、本発明に用いる直交積層不織布はフィラメントの集合体であり、断面形状が圧力によって変化し、一定でないため、mN/Texで表示することとした。その測定方法は、幅50mm、長さ300mmの試験片を10片切り出し、繊度(Tex)を測定した後、チャック間200mmで試験片をチャックし、100mm/分の引っ張り速度で試験片を引っ張り、破断したときの荷重を測定した。これを10枚の試験片について行い、その平均値を直交積層不織布の強度(mN/Tex)を求めた。
【0047】
タテ基材1およびヨコ基材2のフィラメントを構成する熱可塑性樹脂としては、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロンやポリエステルが挙げられる。中でもポリプロピレンやポリエステルが、コストや取り扱いなどの点で優れている。本発明の大きな特徴の一つは、耐湿潤強度や耐熱性およびコストの点から従来強く要望されていたポリエステルを実用化したことである。
【0048】
直交積層不織布11のタテ基材1側には、合成樹脂層3が形成されている。直交積層不織布11の特にタテ基材1側に合成樹脂層3を設けることにより、タテ基材1を構成するフィラメントが合成樹脂層3によって固定され、フィラメントの動きが拘束される。その結果、ヨコ引裂性が向上するとともに基布12全体の強度が増す。タテ基材1のフィラメントが固定されていないと、タテ基材1のフィラメントにヨコ引裂応力が作用したとき、タテ基材1のフィラメントが逃げる状態となるため、タテ基材1の細いフィラメントを個々に切断して小さい引裂応力で基布12をヨコ方向に切断するという効果が発揮されず、大きな引裂応力が必要となる。
【0049】
合成樹脂層3の厚さは、20〜100μm、より好ましくは30〜80μmである。合成樹脂層3の厚さが20μm未満では、フィラメントの動きを拘束するには不十分であり、100μmを超えるとコストの面で不利になる。
【0050】
合成樹脂層3は、通常の押出しラミネーション法、ドライラミネーション法、または両者を併用することで形成することができる。特に合成樹脂層3の厚さが100μm程度まで厚くなると、押出しラミネーション法では生産速度が遅くなるため、予め作製しておいたインフレーションフィルム等でサンドイッチして押出しラミネーションを行うことで、膜厚の厚い合成樹脂層3を効率的に低コストで形成することができる。
【0051】
合成樹脂層3を構成する樹脂としては、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンを含む)やポリプロピレン(ホモポリマー、ランダムポリマー、ブロックポリマー)などのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステルなどが好適に用いられる。直交積層不織布11との接着性を高めるために、直交積層不織布11のフィラメントと同一の素材の樹脂を用いることもできる。また、接着成分が共重合された熱可塑性樹脂を用いることも、フィラメントとの馴染みが良く好適である。接着成分としては、(メタ)アクリル酸、アクリル酸エステル、無水マレイン酸や酢酸ビニル等のオレフィンよりも極性の高いビニル系モノマーを挙げることができる。さらに、これらのビニル系モノマーとエチレンやプロピレン等のオレフィンとの共重合体が好ましい。共重合体の例としては、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリルレート共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられる。
【0052】
さらに接着性を高めるためには、押出しラミネーションを行う直前に直交積層不織布11にコロナ処理を施すことが特に有効である。コロナ処理は、直交積層不織布11を構成するフィラメントがポリエステルである場合には特に効果が著しい。なお、コロナ処理は、同等の効力を有するプラズマ処理、火炎処理等で代替することができ、本明細書ではこれらを総称してコロナ処理と呼ぶ。
【0053】
合成樹脂層3は、粘着テープ10とした場合の離型層の役割を果たす。通常の布粘着テープで使用される離型層は、押出しラミネーションにより形成された低密度ポリエチレンが用いられる。そのポリエチレンと基布のスフやポリエステルの布との接着性を付与するアンカー処理として、アルキルチタネートのトルエン溶液等で布の表面を処理する必要がある。本実施形態で用いる合成樹脂層3は、コロナ処理を施した直後に押出しラミネーションによって形成されるので、アンカー処理は不要となり、有機溶剤から発生するガスを排気する設備も不要である。その結果、コストを削減するばかりでなく、安全性、対環境性にも優れる。
【0054】
粘着剤層4は、基布12のヨコ基材2側に設けられる。粘着剤層4としては、天然ゴム、合成ゴム系、アクリル系、ホットメルト系等の種々の粘着剤を使用することができる。厚さの薄い粘着剤層4が要求される場合には、薄くて接着力の大きいアクリル系の粘着剤が好適に用いられる。
【0055】
なお、図1に示した例では直交積層不織布11のタテ基材1側にのみ合成樹脂層3を設けた例を示したが、図2に示すように、直交積層不織布11のヨコ基材2側にも合成樹脂層3’を設けた基布12’とすることもできる。このようにヨコ基材2側にも合成樹脂層3’を設けることで、タテ基材1側の合成樹脂層3と同様にヨコ基材2を構成するフィラメントの動きを拘束するとともに、タテ基材1とヨコ基材2とを一体化させ、これによりヨコ引裂性がタテ基材1に効果的に伝播し、ヨコ引裂性がさらに向上する。また、直交積層不織布11の腰が強くなるため、後の粘着剤層4を形成する工程で、基布12’の搬送性が良好となる。なお、図2において図1と同一の構成要素については図1と同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
【0056】
【実施例】
次に、本発明の具体的な実施例について、その評価結果とともに説明する。
【0057】
(実施例1)
まず、タテ基材を以下のようにして作製した。原料樹脂としてポリエステル樹脂(帝人(株)製:IV値0.63、融点260℃)を用いて押出機により溶融混練し、ギアポンプにより定量的に押出し、熱風とともにメルトブローダイスよりフィラメント状に紡出した。紡出したフィラメントをコンベア上に集積し、これを延伸ロールを用いてタテ方向に6倍に延伸し、タテ基材を得た。得られたタテ基材の坪量は10g/m2であった。タテ基材を構成するフィラメントの太さは、写真に撮影して換算したところ、1dTexを中心とする太さであった。また、タテ基材の強度は150mN/Texであった。
【0058】
一方、ヨコ基材を以下のようにして作製した。原料樹脂としてポリエステル樹脂(帝人(株)製:IV値0.63)を用いて押出機により溶融混練し、ギアポンプにより定量的に押出し、スプレーノズルに導いた。ノズルから紡出されたフィラメントをコンベアの進行方向に直角な方向(ヨコ方向)に飛散させ、フィラメントがヨコ方向に配列されたウェブを形成した。続いて、このウェブをプーリ式のヨコ延伸装置によりヨコ方向に6.5倍に延伸してヨコ基材を得た。得られたヨコ基材の坪量は10g/m2であった。ヨコ基材を構成するフィラメントの太さは、写真に撮影して換算したところ、1dTexを中心とする太さであった。
【0059】
上述のようにして得られたタテ基材とヨコ基材とを重ね合わせ、これを220℃に加熱されたエンボスロールによって連続的にエンボス処理し、タテ基材とヨコ基材とを積層した直交積層不織布を得た。得られた直交積層不織布の強度は、タテ方向で150mN/Tex、ヨコ方向で170mN/Texであった。
【0060】
次いで、直交積層不織布のタテ基材側に、100kw/m2/minのコロナ処理を施し、低密度ポリエチレン(日本ポリオレフィン(株)製:JH707D)を押出しラミネーション法により50μmの厚さで積層し、これを合成樹脂層(離型層)とした。一方、ヨコ基材側には、ホットメルト系粘着剤(旭合成化学(株)製:アサヒタックAZ4095)を50μmの厚さで塗工して粘着剤層を形成し、粘着テープとした。
【0061】
(実施例2)
直交積層不織布を実施例1と同様に作製した。この直交積層不織布の両面すなわちタテ基材側およびヨコ基材側に、100kw/m2/minのコロナ処理を施し、低密度ポリエチレン(日本ポリオレフィン(株)製:JH707D)を押出しラミネーション法により50μmの厚さで積層し、合成樹脂層とした。さらに、ヨコ基材側には、実施例1と同様に粘着剤を塗工し、粘着テープとした。
【0062】
(実施例3)
タテ基材は実施例1と同様に作製した。ヨコ基材は、ウェブを形成する際のコンベアの進行速度を調整することにより坪量を25g/m2とした以外は実施例1と同様に作製した。これらタテ基材とヨコ基材とを用いて実施例1と同様にして直交積層不織布を作製した。その後、実施例1と同様に、ヨコ基材側に合成樹脂層を形成するとともに粘着剤を塗工し、粘着テープとした。
【0063】
(実施例4)
直交積層不織布を実施例3と同様に作製し、その後、実施例2と同様に、両面に合成樹脂層を形成するとともに、ヨコ基材側に粘着剤を塗工し、粘着テープとした。
【0064】
(実施例5)
タテ基材およびヨコ基材は、それぞれウェブを形成する際のコンベアの進行速度を調整することにより坪量を15g/m2とした以外は、実施例1と同様に作製した。これらタテ基材とヨコ基材とを用いて実施例1と同様にして直交積層不織布を作成した。その後、実施例2と同様に、両面に合成樹脂層を形成するとともに、ヨコ基材側に粘着剤を塗工し、粘着テープとした。
【0065】
(比較例1)
合成樹脂層の厚さを15μmとした以外は、実施例1と同様にして粘着テープを作製した。
【0066】
(比較例2)
タテ基材について、ウェブを形成する際のコンベアの進行速度を調整することにより坪量を15g/m2とした以外は、実施例1と同様にして粘着テープを作製した。
【0067】
(比較例3)
ヨコ基材側にも、タテ基材側と同様の合成樹脂層を形成した以外は比較例2と同様に粘着テープを作製した。
【0068】
上述の実施例1〜5および比較例1〜3で用いた粘着テープ用基布の物性を表1に示す。なお、直交積層不織布の物性、およびこれに押出しラミネーションにより合成樹脂層を形成することによって得られた基布の物性は、JIS L1906に準拠して測定を行った。引張強さはタテ方向のみ測定し、引裂強さはヨコ方向のみ測定した。また、ヨコ引裂性の評価は、基布からサンプルを幅50mm×長さ500mmの寸法で採取し、タテ基材側を手前に向け(粘着剤側を反対面に向け)、片手で引くように基布を引き裂き、幅方向に直線的に引き裂くことができた場合を○、斜めに切れたりタテ基材のフィラメントが出たりした場合を△、タテ基材とヨコ基材とが剥離して破断した場合を×として表した。
【0069】
【表1】
【0070】
表1より、タテ基材とヨコ基材の坪量および合成樹脂層の厚さを最適化することにより、高いタテ引張強さを保持しつつ、ヨコ引裂強度が小さく、手切れ性が良好な粘着テープが得られることが分かる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、基布として、タテ基材側に合成樹脂層が形成された直交積層不織布を用い、しかもタテ基材の坪量に対するヨコ基材の坪量の割合を1.0以上かつ2.5以下とすることで、厚さを薄くしながらも高い強度を有し、かつヨコ引裂性に優れた粘着テープ用基布および粘着テープを提供することができる。また、フィラメントを構成する熱可塑性樹脂としてポリエステルまたはポリプロピレンを使用することができ、これにより湿潤強度および耐熱性に優れたものとすることができる。さらに、タテ基材としてタテ延伸不織布を用い、ヨコ基材としてヨコ延伸不織布を用いることで、粘着テープ用基材の生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による粘着テープの断面図である。
【図2】図1に示す粘着テープの一変形例の断面図である。
【符号の説明】
1 タテ基材
2 ヨコ基材
3,3’ 合成樹脂層
4 粘着剤層
10 粘着テープ
11 直交積層不織布
12,12’ 基布
Claims (5)
- 粘着テープに用いられる基布であって、
熱可塑性樹脂により紡糸されフィラメントが一方向に配列されかつ延伸された延伸一方向配列不織布をタテ基材およびヨコ基材としてフィラメントの配列方向が直交するように互いに積層してなる直交積層不織布と、
前記直交積層不織布の少なくとも前記タテ基材側の面に形成された、厚さが20μm以上の合成樹脂層とを有し、
前記タテ基材の坪量をT、前記ヨコ基材の坪量をYとしたとき、これらの比Y/Tが1.0以上かつ2.5以下の範囲にある、粘着テープ用基布。 - 前記直交積層不織布を構成するフィラメントの繊度は1.5dTex以下であり、前記直交積層不織布の、前記フィラメントの配列方向についての強度が90mN/Tex以上である、請求項1に記載の粘着テープ用基布。
- 前記熱可塑性樹脂は、ポリエステルまたはポリプロピレンである、請求項1または2に記載の粘着テープ用基布。
- 前記タテ基材は、前記タテ基材となる延伸一方向配列不織布を製造する際の送り方向にフィラメントが配列され延伸されたタテ延伸不織布であり、前記ヨコ基材は、前記ヨコ基材となる延伸一方向配列不織布を製造する際の送り方向と直角な方向にフィラメントが配列され延伸されたヨコ延伸不織布である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の粘着テープ用基布。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の粘着テープ用基布と、
前記粘着テープ用基布のヨコ基材側の面に設けられた粘着剤層とを有する粘着テープ。
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