JP2003212613A - ガラスまたは結晶の接合方法 - Google Patents

ガラスまたは結晶の接合方法

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JP2003212613A
JP2003212613A JP2002018141A JP2002018141A JP2003212613A JP 2003212613 A JP2003212613 A JP 2003212613A JP 2002018141 A JP2002018141 A JP 2002018141A JP 2002018141 A JP2002018141 A JP 2002018141A JP 2003212613 A JP2003212613 A JP 2003212613A
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Yukihiro Morimoto
幸裕 森本
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Ushio Denki KK
Ushio Inc
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Ushio Denki KK
Ushio Inc
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】必ずしも平面同士の接合とは限らないガラスま
たは結晶同士、あるいはガラスと結晶の接合方法を提供
することである。 【解決手段】ガラス(2a、2b)の接合部に波長17
2nm以下の紫外線を照射させ、この接合部(2a,2
b)の少なくとも一部にアルコキシド(T)に微粉末
(P)を分散させた液体(1)を塗布させて、その後、
ガラス同士を接触固定させて再度波長172nm以下の
紫外線を照射させることで被照射部をガラス層に変化さ
せることと特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガラスまたは結晶の
接合方法に関する。特に、ガラスまたは結晶からなる部
品同士等を高温耐熱性ガラスの接着層で固定するガラス
または結晶部品製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】産業用光照射装置のガラス窓は、被照射
物のサイズに合わせるために一辺が1m以上に及ぶ大型
の一枚板を使っていた。しかし、一般に使われる合成シ
リカガラス窓はスートを焼き固めたインゴットを軟化点
以上の温度に加熱し徐々に薄く広くすることで得るため
に作製時間は甚だ長く、大変高価である。また、高価で
あるがために作製に失敗は許されないリスクが多分にあ
った。
【0003】このような大面積の一枚窓板を得ることが
非常に困難な場合、小面積のものを複数枚用意してセラ
ミック製のボンドやフリットガラスを使って一体化させ
ることが考えられる。しかしながら、この方法で作成し
た窓部材では接着部において光を透過させることができ
ず、接着部の直下のみ照度が極端に低下するという問題
がある。また、十分な接着力を得るためには数百度とい
う高温まで加熱することが必要となり、大型の電気炉が
必要となったり、あるいは、ヒートガン等で接着部を処
理していた。
【0004】また、ガラスと結晶を接合する場合があ
る。例えば、真空紫外光放射ランプにおいてはフッ化マ
グネシウムやフッ化カルシウムなどの結晶とガラスを接
着して気密性を保たねばならない。この場合の結晶とガ
ラスの接着をするために加熱工程がどうしても必要とな
り、一般には、例えば、ホウ珪酸ガラスとフッ化マグネ
シウムの接着の場合には線膨張係数を合致させるために
線膨張係数が少しずることなるガラスを段階的に接続す
る、いわゆる段継ぎ接合が採用される。あるいは、シリ
カガラスとフッ化マグネシウムの接合では、シリカガラ
スにインジウムのツバをつけ、これとニッケルキャップ
を溶接しニッケルキャップとフッ化マグネシウムとはフ
リットガラスで溶着させる方法が採用されていた。いず
れの接合方法においても直接接合するものではないた
め、接合に煩雑さを要し、接合時間という点でも長時間
化するものであった。
【0005】また、プロジェクター装置に内蔵するミラ
ー一体型反射鏡においては、反射鏡と前面ガラスを接合
する必要があり、この場合はガラス同士を接合させるこ
とになる。この接合は、従来、両者の間に有機シリコン
系接着剤を使っていたが、ランプによる熱によって、当
該シリコンがガスを発生させ、ミラーやランプを汚すと
いう問題があった、
【0006】また、プロジェクター装置に内蔵するミラ
ー一体型反射鏡において、反射鏡とランプの接合にも両
者の間にフリットガラスを介在させて接着していた。こ
の場合、反射鏡はシリカガラスからなり、ランプの発光
管もシリカガラスからなるが、フリットガラスを有機溶
媒で溶いて溶着部となるランプ端部を塗布させて、例え
ば600℃で加熱することでフリットを溶融して一体化
させていた。この場合であっても、フリットが反射鏡の
反射面に流れ出ることにより、あるいはフリットの蒸発
物が反射面やランプを汚したりするという問題が存在し
た。
【0007】一方、特開平10−282339号、特開
平10−282499号には、短波長の紫外線(155
〜200nmの紫外線)を照射光とする物質の接着、接
合に関する技術として、光源から直線偏向を取り出す偏
向子について石英ガラスと石英ガラスをアルコキシドに
よって重ね合わせる技術が知られている。そして、本発
明は、このような公知技術に基づいて、必ずしも偏向子
のように平板ではないガラスや結晶および平板であって
もより強力に接合できるガラスや結晶の接合方法を提供
することを目的とする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しよう
とする課題は、必ずしも平面同士の接合とは限らないガ
ラスまたは結晶同士、あるいはガラスと結晶の接合方法
を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、この発明の請求項1に係るガラスまたは結晶の接合
方法は、ガラスまたは結晶の接合部に波長172nm以
下の紫外線を照射させ、この接合部の少なくとも一部に
アルコキシドに微粉末を分散させた液体を塗布させて、
その後、ガラス同士を接触固定させて再度波長172n
m以下の紫外線を照射させることで被照射部をガラス層
に変化させることと特徴とする。
【0010】さらに、請求項2に係る発明は、波長17
2nm以下の紫外線が、封入ガスとしてキセノン、アル
ゴン、クリプトンの少なくとも1つを含むエキシマラン
プであることを特徴とする。さらに、請求項3に係る発
明は、前記微粉末は、アルミニウム、ホウ素、ビスマ
ス、銅、セリウム、ゲルマニウム、リン、鉛、アンチモ
ン、ケイ素、テルル、チタン、バナジウム、ジルコニウ
ムから選ばれる少なくとも一つの元素を含むことを特徴
とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、ガラス(結晶も同様)
を接着させるための接着液としてアルコキシド(例えば
TMOS(Tetra MethoxyOxySilane Si(OCH3)4) に金属の微
粉末を分散させたものを使うことを特徴としている。こ
れは前記先行文献(特開平10−282339号、特開
平10−282499号)に開示された公知技術、すな
わち、平板である石英ガラス同士をアルコキシドを接着
剤として短波長の紫外線(155〜200nmの紫外
線)を照射することで両者を接合するという技術に基づ
くものであって、平板ではないガラス同士の接合および
平板であってもより強力に接合するためには、当該アル
コキシドに金属の微粉末を含ませることが極めて有用で
あることを見出したものである。
【0012】被接着ガラスを並べて固定し、照射雰囲気
に窒素を流し、エキシマランプ、エキシマレーザ、レー
ザの高調波、シンクロトロン放射光等を使って波長17
2nm以下の真空紫外光を照射して接着面の活性化を行
った後、接着部に前記接着液を塗布し、再びの波長17
2nm以下の光照射をさせると、当該接着液自体がガラ
ス化して接着層となり被接着ガラスは完全な一体物とし
てできあがる。さらには、接着液としてアルコキシドだ
けを使うならば、平面物同士の接着は可能ではあるが、
両者に凹凸が形成させるなどにより隙間が生ずる場合に
は良好に使用することはできない。本発明は、アルコキ
シドに金属の微粉末(平均粒径0.1〜0.8μm)を
混入させることで、この欠点を見事に解決するものであ
る。
【0013】また、本発明者は、平面物同士の接着であ
っても、アルコキシドのみを接着剤に使う場合に比べ
て、金属の微粉末を含ませたアルコキシドを接着剤とし
て使うことが接着強度という点においても格段の効果を
発揮することを見出したものである。これは、微粉末
が、隙間の比較的分厚い(μmオーダ)アルコキシド層
を効率的にSiO2ガラスに変化させることを助け、出来上
がりを高強度にする働きがあると推定される。アルコキ
シドがもともと真空紫外光を透過しないものであるが、
本発明に係る光接合による場合には、微粉末による真空
紫外光の散乱効果を生じ、これによって光化学反応が満
遍なく行き渡せることと、アルコキシドから形成される
ガラスの助けもあって(微粉末が)滞り無く形成されて
いくガラスの編み目構造とマッチすることによると推定
される。
【0014】真空紫外光の放射光源としては、接着面が
一様に平坦であったり、光を当てやすい形にあるとは限
らないため、比較的大きな自由度をもって照射箇所を移
動出来るものが適している。これは、例えばエキシマラ
ンプであって、特許第3043565号、特許第318
0548号に開示する構造のいわゆるヘッドオン型エキ
シマランプが適している。
【0015】また、放射光としては、アルコキシドに十
分な光重合反応を起こさせるために、波長172nm以
下の光が必要とされる。このため、エキシマランプ(誘
電体バリア放電ランプともいう)は、放電容器に少なく
ともキセノン、アルゴン、クリプトンを封入することが
必要となる。具体的には、キセノンガスを封入して波長
172nmの光を放射させたり、アルゴンガスを封入し
て波長126nmの光を放射させたり、さらにはクリプ
トンガスを封入して波長146nmの光を放射させるこ
とができ、また、これらガス同士あるいは他のガスを混
合させたその他の放射波長を得ることもできる。
【0016】このようなエキシマランプは、従来の放電
ランプにはない幾つかの特徴を有している。例えば、従
来の放電ランプでは実現できなかった波長172nm以
下の真空紫外光を効率よく発光するので、従来の放電ラ
ンプでは達成できなかった化学反応を引き起こすことが
でき、また、反応速度を高めることもできる。また、発
光波長は実質的に1波長だけであるため化学反応に必要
な紫外線エネルギーだけを効率よく放射できる。また、
赤外光を放射せず、時間も短いため処理物を短時間で低
温度処理することができる。さらに、従来の放電ランプ
に比べて入力電力から放射光への変換効率が高いため、
低電力でも大きなエネルギーを発生させることもでき
る。
【0017】アルコキシドに含有する微粉末としては、
アルミニウム、ホウ素、ビスマス、銅、セリウム、ゲル
マニウム、リン、鉛、アンチモン、ケイ素、テルル、チ
タン、バナジウム、ジルコニウムから選ばれる少なくと
も一つの元素を含んでいる。これらの封入形態は、金属
単体ではなく、上記の元素を酸化物やフッ化物の形で採
用する。具体的には、フッ化ジルコニウム(ZrF4)
やフッ化鉛(PbF2)である。さらには、ガラスの用
途によっては、アルカリ金属やアルカリ土類金属が混入
している場合がある。
【0018】本発明のガラス接合の具体的な形態として
は、複数枚の小型平板状ガラスを並べてその端面同士を
接合することで1枚の大型ガラス板を形成することにも
有用である。これは、前記のようにアルコキシドに微粉
末を混入させることが平板接着においても接着強度とい
う点で効果があるからである。例えば、特許第2789
557号に開示するようなエキシマランプを含有した光
照射装置の窓部材に適している。
【0019】また、アルコキシドとしてTMOSを採用
するが、これは成分としてTMOSモノマー88%、オ
リゴマー88%、メタノール9%のものが採用される。
さらに、微粉末として高純度シリカ(SiO2)を用い
ると、接着部においても光透過性を格段に向上させるこ
とができ、光照射装置の窓部材に採用すると、ほぼ完全
に照射光が均一なものとすることができる。また、接合
部においては完全な気密性を有することが好ましいが、
用途によっては多少のガスが流通(抜ける)ことは問題
とならない。
【0020】本発明に係るガラスや結晶の接合方法にお
いては、接合するガラスや結晶同士の接合面に対して両
者が係合(噛み合う)するように故意に凹凸を形成する
こともできる。
【0021】次に、本発明のガラス(結晶も同様)の接
合方法を具体的に説明する。図1は本発明に係るガラス
の接合方法の基本的手順を概略的に示すものである。
(a)において、アルコキシドTに微粉末Pを分散させ
て接着液1を作製する。アルコキシドTは、例えばTM
OSであって、微粉末はケイ素、アルミニウム、ホウ
素、チタン、リチウム、カリウム、ナトリウムを含有さ
せている。このような接着液1の製造方法は、溶融シリ
カガラスを粉砕して微粉末を生成、その後、当該微粉末
とその他の微粉末をサンプル瓶に純水と共に入れて、例
えば3時間放置する。その後に水中に浮遊するものを水
ごと集めて濾過させて作成する。微粉末の完全な乾燥は
行わない。微粉末Pは粒径0.1〜0.8μmの範囲か
ら選択される、例えば0.5μmのものが採用される。
【0022】(b)において、窒素雰囲気のチャンバー
3内にエキシマランプLとガラス2a,2bを配置させ
て、波長172nm以下のエキシマ光をガラス2a,2
bの接合面に照射させる。エキシマランプとしては、キ
セノンを封入したものであって、照射時間は例えば5分
間である。なお、(a)、(b)の作業に順番は要求さ
れず、(b)工程の後に(a)工程を行なってもよい
し、あるいは、両工程を同時に並行して行なってもかま
わない。
【0023】(c)において、接合部分に波長172n
m以下のエキシマ光の照射を終えたガラス2a,2bの
当該接合部分に、(a)で作製した接着液と塗布させ
る。なお、図においては両方のガラスに接着剤を塗布し
ているが、いずれかのガラスに接着剤を塗布するだけで
もかまわない。(d)において、ガラス2a,2bの接
合面同士を接触固定させて、当該接合部に対して、再
度、波長172nm以下のエキシマ光を照射させる。
尚、前記(b)工程と同様にチャンバー3内は窒素雰囲
気であり、エキシマランプLはキセノンガスを封入する
ものを採用した。この照射を例えば15分行なうこと
で、一体化したガラスを得ることができる。
【0024】このように接着剤であるアルコキシドに微
粉末を分散させることで、接合させるべき接合面が必ず
しも平面ではなく、すなわち凹凸が多少形成されていた
としても、両者の接合を良好に行なうことができ、ま
た、研磨などの事前の工程が不必要となる。また、接着
剤に分散させた微粉末は、エキシマ光の照射に対して散
乱効果を有するため、接合面に凹凸があるなどエキシマ
光が直接照射されにくい部位であっても良好に照射させ
ることが可能となる。なお、接着剤を塗布する前にエキ
シマ光を照射するのは、接合面を活性化させて、アルコ
キシドによる接着作用を高めるためである。
【0025】図2〜図5は、上記ガラスの接合方法の具
体的形態を表す。図2は、溶融シリカガラス製円筒21
と合成シリカガラス窓板22を接着するものである。な
お、前記(b)の工程の前に、溶融シリカガラス製円筒
21と合成シリカガラス板22を純水にて洗浄して真空
乾燥させてもよい。これは光で活性化されにくい金属粉
等の汚れ、不純物を取り除く効果があるためだからであ
る。そして、前記(a)〜(d)の工程によって円筒2
1と窓板22を接着させることができる。このように接
合することで、例えば、前記特許第3043565号、
特許第3180548号に開示する、いわゆるヘッドオ
ン型エキシマランプの放電容や、その他の筒状ガラスを
作ることができる。
【0026】なお、円筒状のガラス部材21と平板状の
ガラス部材22の接合において、例えば、溶融シリカガ
ラスの円筒とフッ化マグネシウムの平板を接合する場合
などにおいては、アルコキシドを塗布する前のエキシマ
ランプの照射、すなわち図1(b)に示す照射は、円筒
状ガラス部材21に対してはキセノンを封入したエキシ
マランプを使い、平板状ガラス部材22の照射に対して
はアルゴンを封入したエキシマランプを使うことがよ
い。溶融シリカガラスはキセノンエキシマ光で活性化さ
れるが、フッ化マグネシウムはアルゴンエキシマ光でな
いと活性化されないからである。
【0027】図3は、面積の小さい平板状ガラス板31
同士を碁盤の目のように並べて、このガラス板31同士
を相互に接合して一体化させた大型平板を形成する状態
を表す。ガラス板31は、例えば、厚さ10mmで、5
0mm×50mmの面積を持つものであり、これを25
枚準備された。以後、ガラス板の端面、すなわち、ガラ
ス板同士の接着面を接合する方法は前記(a)〜(d)
に示すものである。このような接合方法によって、1枚
の大型ガラス板を作成することができる。この大型ガラ
ス板は、例えば、特許第2789557号に開示するよ
うなエキシマランプを含有した光照射装置の窓部材に適
用することができる。
【0028】図4は、プロジェクター装置に内蔵する反
射鏡41であって、反射鏡41とその前面開口を塞ぐ透
光性の前面ガラス42を示す。反射鏡41はシリカガラ
スより構成され、前面ガラス42はホウ珪酸ガラスより
構成される。この実施形態においては、反射鏡41の前
面開口縁41aを接着シロとして、前面ガラスの外縁と
接着する。なお、反射鏡には放電ランプ43が内蔵され
ている。接着工程は、前記(a)〜(d)に示す内容で
あるが、ここで、接着液として微粉末を分散させないも
のも参考までに作製して、同様に、反射鏡と前面ガラス
の接着に適用した。しかしながら、微粉末を分散させて
いない接着剤を使ったものは、手で前面ガラスを容易に
外すことが可能であり、すなわち、接着強度が弱いこと
が立証された。しかしながら、微粉末を分散させた接着
剤を使ったものは同様の作業では前面ガラスを反射鏡か
ら分離することはできず、すなわち、両者の接着強度が
十分に強いことが示された。
【0029】図5は、プロジェクター装置に内蔵する反
射鏡51であって、反射鏡51とその内部の放電ランプ
52との接合状態を表す。この場合の接着部分は、反射
鏡51の首部内面51aと放電ランプ52の封止部外表
面52aになる。接着工程は、前記(a)〜(d)に示
す内容であるが、接着作業を終えて放電ランプを点灯さ
せてみたところ、接着剤が蒸発して反射鏡内面や放電ラ
ンプ外表面を汚すということはなく、また、接着剤が反
射鏡内面に流れ出てくるという問題も発生することはな
かった。なお、アルコキシドに微粉末を分散させていな
い接着剤も参考までに作製したが、この接着剤では、前
記(b)〜(d)の工程を行なっても反射鏡と放電ラン
プ接着させることはできなかった。
【0030】ここで、エキシマランプについて説明す
る。図6はエキシマランプの概略構造を示す。エキシマ
ランプは、全体形状が円筒状であり、材質は誘電体バリ
ア放電によって誘電体として機能するとともに、真空紫
外光を透過する合成石英ガラスから構成される。放電ラ
ンプ60は内側管61と外側管62が同軸に配置して二
重円筒管を構成するとともに、両端を閉じたことから内
側管61と外側管62の間に放電空間64が形成され
る。放電空間64には誘電体バリア放電によってエキシ
マ分子を形成するとともに、このエキシマ分子から真空
紫外光を放射する放電用ガス、例えばキセノンガスが封
入される。
【0031】外側管62の外面には網状電極65が設け
られ、内側管3の内部に他方の電極である内側電極66
が設けられる。網状電極65はシームレスに構成され、
全体として伸縮性を有することから外側管62への密着
性を良くすることができる。内側電極66はパイプ状、
あるいは断面において一部に切り欠きを有する概略C字
状のものであり内側管61に密着するように設けられ
る。放電空間64には必要に応じてゲッタが配置され
る。網状電極65、内側電極66の間には、図示略の交
流電源が接続され、これにより放電空間64にエキシマ
分子が形成されて真空紫外光を発光する。放電用ガスと
してキセノンガスを使った場合は波長172nmの光を
放射する。このような外部電極型エキシマランプは、放
電としては、例えば、50Hzから数MHzで行なわ
れ、放射照度は5〜50mW/cm、半値幅が2〜1
5nmぐらいとなる。
【0032】このようなエキシマランプは、従来の放電
ランプにはない幾つかの特徴を有している。例えば、従
来の放電ランプでは実現できなかった波長180nm以
下の真空紫外光を効率よく発光するので、従来の放電ラ
ンプでは達成できなかった化学反応を引き起こすことが
でき、また、反応速度を高めることもできる。また、発
光波長は実質的に1波長だけであるため化学反応に必要
な紫外線エネルギーだけを効率よく放射できる。また、
赤外光を放射せず、時間も短いため処理物を短時間で低
温度処理することができる。さらに、従来の放電ランプ
に比べて入力電力から放射光への変換効率が高いため、
低電力でも大きなエネルギーを発生させることもでき
る。
【0033】上記実施例のエキシマランプは、キセノン
ガスを封入して波長172nmの光を放射するものであ
るが、その他のエキシマランプを使うこともでき、例え
ば、アルゴンガスを封入して波長126nmの光を放射
するものや、クリプトンガスを封入して波長146nm
の光を放射するものも適用できる。
【0034】
【発明の効果】以上、説明したようにこの発明に係るガ
ラスの接着方法は、接着剤としてアルコキシドに金属微
粉末を分散させ、当該接着剤に対してエキシマ光を照射
させることで、接合させるべき接合面が必ずしも平面で
はなく、すなわち凹凸が多少形成されていたとしても、
両者の接合を良好に行なうことができる。また、接着剤
に分散させた微粉末は、エキシマ光の照射に対して散乱
効果を有するため、接合面に凹凸があるなどエキシマ光
が直接照射されにくい部位であっても良好に照射させる
ことが可能となる。さらには、接着作業において、加熱
温度を上げるなどの作業が不要となり、室温のままで行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガラスの接合方法を示す。
【図2】本発明に係るガラスの接合方法の具体的形態を
示す。
【図3】本発明に係るガラスの接合方法の具体的形態を
示す。
【図4】本発明に係るガラスの接合方法の具体的形態を
示す。
【図5】本発明に係るガラスの接合方法の具体的形態を
示す。
【図6】エキシマランプの概略図を示す。
【符号の説明】 1 接着液 2 ガラス 3 チャンバー T アルコキシド P 微粉末 L エキシマランプ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラスまたは結晶の接合部に波長172n
    m以下の紫外線を照射させ、 この接合部の少なくとも一部にアルコキシドに微粉末を
    分散させた液体を塗布させて、 その後、ガラスまたは結晶同士を接触固定させて再度波
    長172nm以下の紫外線を照射させることで被照射部
    をガラス層に変化させることと特徴とするガラスまたは
    結晶の接合方法。
  2. 【請求項2】前記波長172nm以下の紫外線は、封入
    ガスとしてキセノン、アルゴン、クリプトンの少なくと
    も1つを含むエキシマランプであることを特徴とする請
    求項1に記載のガラスまたは結晶の接合方法。
  3. 【請求項3】前記微粉末は、アルミニウム、ホウ素、ビ
    スマス、銅、セリウム、ゲルマニウム、リン、鉛、アン
    チモン、ケイ素、テルル、チタン、バナジウム、ジルコ
    ニウムから選ばれる少なくとも一つの元素を含むことを
    特徴とする請求項1のガラスまたは結晶の接合方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005281368A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Hideo Konuki 粉体の結着方法、粉体の結着装置、粉体結着体、光拡散板の製造方法、光拡散板の製造装置、光拡散板、光触媒体の製造方法、光触媒体の製造装置、及び光触媒体
JP2009009075A (ja) * 2006-11-21 2009-01-15 Masataka Murahara 光学部品の接着方法および素子製作装置

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