JP2003211510A - 発泡体の製造方法、およびこの方法により製造された発泡体 - Google Patents

発泡体の製造方法、およびこの方法により製造された発泡体

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JP2003211510A JP2002017707A JP2002017707A JP2003211510A JP 2003211510 A JP2003211510 A JP 2003211510A JP 2002017707 A JP2002017707 A JP 2002017707A JP 2002017707 A JP2002017707 A JP 2002017707A JP 2003211510 A JP2003211510 A JP 2003211510A
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稔 菅原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面外観に優れるとともに、手軽に製造で
きる発泡体の製造方法、およびこの方法で製造された発
泡体を提供すること。 【解決手段】発泡剤を含有しないポリプロピレン10を
ポリプロピレン10の結晶化温度以上に設定された金型
12内に射出成形する。次に、雌型121の可動部の温
度をヒータ装置により結晶化温度以上で融点近傍温度以
下まで昇温し、ポリプロピレン10の比容積が増加する
まで保持する。この際、ポリプロピレン10の比容積の
増加に応じて、可動部を外部側へ後退させる。次に、金
型12を結晶化温度未満まで降温し、ポリプロピレン1
0を冷却して硬化させる。このような射出成形品におけ
る可動部の対応部分では、その表面を外観性の高いスキ
ン層にでき、コア層には微細で均一なセルを形成でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡体の製造方
法、およびこの方法によって製造された発泡体に関す
る。
【0002】
【背景技術】従来、電子機器、雑貨、および自動車用の
部品等は、強度や耐衝撃性などの物性の維持・改善に加
えて、軽量化が求められている。このため、各部品等を
構成する素材には、化学発泡方式やマイクロセルラー方
式等の各種手段によって、樹脂内にセルと呼ばれる空隙
が形成され、軽量化された発泡体が開発されている。こ
こで、例えば、化学発泡方式とは、所定の発泡剤と熱可
塑性樹脂とを含有する樹脂組成物を用いて形成する方法
である。また、マイクロセルラー方式とは、熱可塑性樹
脂に超臨界ガスを浸透させた後に、この超臨界ガスを脱
ガスすることによって形成する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
場合には、発泡によって、表面にシルバストリークと称
する銀白色のすじ状のものが生じて、一般の射出成形品
等に比べると外観表面が良くないという問題があった。
その上、成形品内に形成されるセルが大きくなりすぎ
て、得られた成形品の強度が低下するという問題もあっ
た。このような外観不良を回避するために、前者の方法
に加えてカウンタープレッシャー法を併用することも考
えられるが、この場合には、製造設備やこの設備の制御
が複雑になって、手軽に製造できないという問題があっ
た。一方、後者の場合には、成形品内部に形成されるセ
ルが比較的小さくなるため、得られた成形品が十分な強
度を有するものの、前述の化学発泡の場合と同様にシル
バストリーク等による外観不良が発生しやすいという問
題があった。
【0004】本発明の目的は、表面外観に優れるととも
に、手軽に製造できる発泡体の製造方法、およびこの方
法で製造された発泡体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る発泡体の製
造方法は、コア層にセルを有する発泡体を製造する発泡
体の製造方法であって、発泡剤を含有しない結晶性熱可
塑性樹脂を、金型温度がこの樹脂の結晶化温度Tc以上
に設定された金型内に射出成形する成形工程と、この成
形工程の後に、金型温度を樹脂の結晶化温度Tc以上
で、かつ融点近傍温度Tm’以下まで昇温して、樹脂の
比容積が増加するまで保持する保持工程と、この樹脂の
比容積の増加に応じて、金型内の容積を増加させる金型
容積増加工程と、この金型容積増加工程の後に、金型を
樹脂の結晶化温度Tc未満まで降温して、樹脂を冷却し
て硬化させる硬化工程とを備えることを特徴とする。な
お、融点近傍温度Tm’とは、結晶性熱可塑性樹脂の融
点Tm±5℃の範囲内の温度のことである。
【0006】ここで、結晶性熱可塑性樹脂としては、ポ
リエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリア
ミド(6Ny、6,6Ny等;PA)、ポリアセタール
(POM)、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、
シンジオタクチック・ポリスチレン(SPS)、ポリフ
ェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテ
ルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエー
テルニトリル(PEN)等を採用できる。また、前記ポ
リプロピレン(PP)には、ポリプロピレンのホモポリ
マー、ランダムコポリマー、及びこれらの混合物や多層
複合物が含まれる。また、前記フッ素樹脂には、ポリテ
トラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレ
ン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラ
フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体
等が含まれる。なお、以下の発明においても同じであ
る。
【0007】発泡剤を含有しない結晶性熱可塑性樹脂と
は、前述した結晶性熱可塑性樹脂に対して、所定の化学
発泡剤や、結晶水を含む無機・有機フィラーのように樹
脂内部を膨張させるもの、または、超臨界ガス等のよう
に脱ガスすることで樹脂内にセルを発生させる機能を持
つもの等が含有されていないものである。なお、これら
の発泡剤が十分に発泡しない程度の量のみ含有されてい
る場合も、「発泡剤を含有しない結晶性熱可塑性樹脂」
に該当する。なお、以下の発明においても同じである。
【0008】金型の温度を制御する手段としては、例え
ば、エチレングリコール等の媒体を使用して、この媒体
を加熱してポンプ等で金型内を循環させ、金型の温度を
調整または保持するような調温装置を採用できる。な
お、金型の温度を制御する手段における加熱方法として
は、スチームや、高周波加熱、カートリッジヒーター、
熱媒等の既存の温調システムを採用できる。なお、以下
の発明においても同じである。
【0009】本発明の発泡体の製造方法では、相互に進
退自在に構成された2つ以上の型を有する金型を備えた
所定の射出成形機を用いて、例えば、以下の手順で行わ
れる。すなわち、(1)成形工程において、発泡剤を含有
しない結晶性熱可塑性樹脂を、樹脂の結晶化温度Tc以
上に設定された金型内に射出成形する。(2)保持工程
において、この金型内に射出成形された樹脂を、樹脂の
結晶化温度Tc以上で、かつ融点近傍温度Tm’以下に
設定した金型で樹脂の比容積が増加するまで保持する。
(3)金型容積増加工程において、樹脂の比容積の増加に
応じて、金型における一方の型を他方の型から後退させ
ることにより、金型内の容積を増加させる。(4)硬化工
程において、金型を樹脂の結晶化温度Tc未満に設定し
て、金型内の樹脂を冷却して硬化させる。
【0010】このような本発明において、保持工程で
は、樹脂の比容積が増加するまで保持するが、この際、
樹脂は、表面部分はそのままの状態でありながら、内部
(非晶部)のみが徐々に膨張するため、発泡体(成形
品)全体としても膨張する。このため、結果として、樹
脂全体の比容積が増加する。なお、実際に膨張するの
は、金型容積増加工程を実施して膨張用のスペースを確
保した後である。
【0011】ここで、前記金型容積増加工程では、前述
したように、2つの型からなる金型を用意し、これら金
型の一方の型を他方の型から後退させて、2つの型間の
空間の容積を増加させる構成を採用できる。なお、成形
品である発泡体内部のセル径としては、成形品の強度を
確保するために、平均長径が50μm以下であることが
好ましい。
【0012】また、このような発泡体の製造方法におい
て、成形工程は、金型温度を樹脂の結晶化温度Tc以上
で、かつ融点近傍温度Tm’以下に設定して射出成形
し、保持工程は、この成形工程における温度を維持した
状態で、樹脂の比容積が増加するまで保持することが好
ましい。
【0013】以上のような本発明において、成形工程に
おける金型温度を樹脂の結晶化温度Tc未満とすると、
発泡体の表面転写性が改良されず、また、結晶化度も高
くならないため、表面の光沢性および耐傷付性が改良さ
れ難いという欠点がある。また、成形工程における金型
温度を樹脂の融点近傍温度Tm’よりも高くすると、発
泡体の表面が溶融して十分な外観性を確保できない上、
結晶化度もあまり高くできないという欠点がある。
【0014】以上より、本発明によれば、非晶部・欠陥
部が空隙となり射出成形品である発泡体において、その
表面を外観性の高いスキン層にできるとともに、内部の
コア層を微細で均一なセルを有する成形品にできる。ま
た、本発明を実施するにあたり、既存の射出成形機を用
いて金型温度を制御するだけでよいから、手軽に発泡体
を製造できる。
【0015】ここで、成形工程では、金型温度を樹脂の
結晶化温度Tc以上で、かつ融点近傍温度Tm’未満に
設定し、保持工程では、金型温度を樹脂の融点近傍温度
Tm’に設定することが好ましい。このような場合にお
いて、成形工程から保持工程への移行時に金型を加温す
るため、この温度上昇に応じて、樹脂全体の結晶化度が
進行し、樹脂の融点Tmが少なくとも5℃程度上昇する
ことになる。このため、樹脂の融点+5℃(融点近傍温
度Tm’の上限)まで金型温度を上昇させても、この樹
脂の溶融のおそれが少ない上、より高い温度とすること
により樹脂の結晶化度も高くできる。
【0016】ここで、温度設定される金型は、該金型の
一部であってもよい。このような場合には、成形品の一
部分だけを発泡体とすることができ、用途や目的に合わ
せた多種多様な成形品を簡単に形成できる。
【0017】本発明に係る発泡体の製造方法は、コア層
にセルを有する発泡体を製造する発泡体の製造方法であ
って、発泡剤を含有しない結晶性熱可塑性樹脂をパリソ
ンとして押し出すとともに、このパリソン内の気圧を高
めて、この樹脂を、金型温度がこの樹脂の結晶化温度T
c以上に設定された金型の内面に沿って中空成形する成
形工程と、この成形工程の後に、金型温度を樹脂の結晶
化温度Tc以上で、かつ融点近傍温度Tm’以下まで昇
温して、樹脂の比容積が増加するまで保持する保持工程
と、樹脂の比容積の増加に応じて、パリソン内の気圧を
減少させる減圧工程と、この減圧工程の後に、金型を樹
脂の結晶化温度Tc未満まで降温して、樹脂を冷却して
硬化させる硬化工程とを備えることを特徴とする。
【0018】この減圧工程では、前記射出成形における
金型内容積増加工程と同様の役割を果たすものであり、
パリソン内側の中空部分を減圧することにより、樹脂が
中空部分の中心側に向かって徐々に膨張するため、発泡
体(成形品)全体としても内側に膨張して、結果とし
て、樹脂全体の比容積が増加することになる。この後、
硬化工程において樹脂の温度も樹脂の結晶化温度Tc未
満とするため、樹脂に収縮が生じて、内部に微細なセル
が発生することになる。
【0019】ここで、成形工程は、金型温度を樹脂の結
晶化温度Tc以上で、かつ融点近傍温度Tm’以下に設
定して中空成形し、保持工程は、この成形工程における
温度を維持した状態で、樹脂の比容積が増加するまで保
持することが好ましい。
【0020】以上のような本発明において、成形工程で
の金型温度を樹脂の結晶化温度Tc未満とすると、前述
の射出成形等の場合と同様に、発泡体の表面転写性が改
良されず、また、結晶化度も高くならないため、表面の
光沢性および耐傷付性が改良され難いという欠点があ
る。一方、成形工程での金型温度を樹脂の融点近傍温度
Tm’よりも高くすると、前述同様に、発泡体表面の十
分な外観性を確保できず、また、結晶化度もあまり高く
できないという欠点がある。
【0021】以上より、本発明によれば、非晶部・欠陥
部が空隙となり中空成形品である発泡体において、その
表面を外観性の高いスキン層にできるとともに、内部の
コア層を微細で均一なセルを有する成形品にできる。ま
た、本発明を実施するにあたり、既存のブロー成形機を
用いて金型温度を制御するだけでよいから、手軽に発泡
体を製造できる。
【0022】ここで、成形工程では、金型温度を樹脂の
結晶化温度Tc以上で、かつ融点近傍温度Tm’未満に
設定し、保持工程では、金型温度を樹脂の融点近傍温度
Tm’に設定することが好ましい。このような場合にお
いて、成形工程から保持工程への金型の加温の際に、樹
脂全体の結晶化度が進行し、樹脂の融点Tmが5℃程度
上昇するため、樹脂の融点+5℃(融点近傍温度の上
限)まで金型温度を加温することにより、樹脂の溶融を
抑えた上で、樹脂の結晶化度を非常に高くできる。
【0023】また、温度設定される金型は、該金型の一
部であってもよい。このような場合には、成形品の一部
分だけを発泡体とすることができ、用途や目的に合わせ
た多種多様な成形品を簡単に形成できる。
【0024】本発明に係る発泡体の製造方法は、コア層
にセルを有する発泡体を製造する発泡体の製造方法であ
って、発泡剤を含有しない結晶性熱可塑性樹脂を押出成
形機のダイからシート状に押出し、ロール表面の温度が
この樹脂の結晶化温度Tc以上に設定された第1ロール
を当接させ、樹脂を成形する成形工程と、この成形工程
の後に、ロール表面の温度が樹脂の結晶化温度Tc以上
で、かつ融点近傍温度Tm’以下に設定された第2ロー
ルを当接させ、樹脂の比容積を増加させる比容積増加工
程と、この比容積増加工程の後に、ロール表面の温度が
樹脂の結晶化温度Tc未満に設定された第3ロールを当
接させ、樹脂を冷却して硬化させる硬化工程とを備える
ことを特徴とするものである。
【0025】本発明において、第1ロールの表面温度を
樹脂の結晶化温度Tc未満とすると、前述の射出成形等
の場合と同様に、発泡体の表面転写性が改良されず、ま
た、結晶化度も高くならないため、表面の光沢性および
耐傷付性が改良され難いという欠点がある。このような
本発明によれば、押出成形品である発泡体において、そ
の表面を外観性の高いスキン層にできるとともに、内部
のコア層を微細で均一なセルを有する成形品にできる。
また、本発明を実施するにあたり、既存の押出成形機を
用いて、各ロール温度を制御するだけでよいから、手軽
に発泡体を製造できる。
【0026】ここで、成形工程では、第1ロールの表面
温度を樹脂の結晶化温度Tc以上で、かつ融点近傍温度
Tm’未満に設定し、保持工程では、第2ロールの表面
温度を樹脂の融点近傍温度Tm’に設定することが好ま
しい。このような場合において、成形工程から保持工程
への間におけるロール温度の上昇によって、樹脂全体の
結晶化度が進行し、樹脂の融点Tmが5℃程度上昇する
ため、樹脂の融点+5℃(融点近傍温度の上限)まで加
温することになり、樹脂の溶融を抑えた上で、樹脂の結
晶化度を非常に高くできる。
【0027】本発明に係る発泡体の製造方法は、コア層
にセルを有する発泡体を製造する発泡体の製造方法であ
って、発泡剤を含有しない結晶性熱可塑性樹脂を押出成
形機のダイからシート状に押出し、ロール表面の温度が
この樹脂の結晶化温度Tc以上で、かつ融点近傍温度T
m’以下に設定された第1ロールを当接させ、樹脂を成
形し、樹脂の比容積を増加させる成形工程と、この成形
工程の後に、ロール表面の温度が樹脂の結晶化温度Tc
未満に設定された第2ロールを当接させ、樹脂を冷却し
て硬化させる硬化工程とを備えることを特徴とするもの
である。
【0028】本発明において、第1ロールの表面温度を
樹脂の結晶化温度Tc未満とすると、前述の射出成形等
の場合と同様に、発泡体の表面転写性が改良されず、ま
た、結晶化度も高くならないため、表面の光沢性および
耐傷付性が改良され難いという欠点がある。一方、成形
工程での第1ロールの表面温度を樹脂の融点近傍温度T
m’よりも高くすると、前述同様に、発泡体表面の十分
な外観性を確保できず、また、結晶化度もあまり高くで
きないという欠点がある。このような本発明によれば、
押出成形品である発泡体において、その表面を外観性の
高いスキン層にできるとともに、内部のコア層を微細で
均一なセルを有する成形品にできる。また、本発明を実
施するにあたり、既存の押出成形機を用いて各ロール温
度を制御するだけでよいから、手軽に発泡体を製造でき
る。
【0029】以上のような発泡体の製造方法において、
第1ロールは、ロール表面の一部が結晶性熱可塑性樹脂
の結晶化温度Tc以上に設定されていてもよい。このよ
うな場合には、前述同様に、用途や目的等に合わせた多
種多様な発泡体を簡単に形成できる。
【0030】本発明に係る発泡体は、以上のような発泡
体の製造方法によって製造されることを特徴とするもの
である。このような場合には、前述の発泡体の製造方法
と同様の作用効果を享受でき、表面外観に優れた成形品
を簡単に製造できる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。 [第1実施形態]図1および図2は、本発明の発泡体を
製造するための射出成形機1を示す図である。この射出
成形機1は、図1,2に示すように、発泡剤を含有しな
い結晶性熱可塑性樹脂であるポリプロピレン(PP)1
0を原料として、所定形状の射出成形品を製造する機械
であり、射出成形機本体11と、金型12とを備える。
【0032】ポリプロピレン10は、ペレット状に形成
されたものであり、例えば、結晶化温度Tcが105℃
で、融点Tmが161℃のもの等がある。この場合に
は、融点近傍温度Tm’は、156℃〜166℃の範囲
内となる。ここで、図3は、ポリプロピレン10におけ
る温度と比容積との関係を示すグラフである。ポリプロ
ピレン10は、図3に示すように、温度の上昇に伴って
比容積も増加し、特に、結晶化温度Tc〜融点Tm(融
点近傍温度)において結晶化が進行し、比容積が劇的に
増加している。なお、図3中の符号であるTgはガラス
転移温度、Tcは結晶化温度、Tmは融点である。
【0033】図1に戻って、射出成形機本体11は、投
入されるポリプロピレン10を可塑化して金型12内に
射出するものであり、熱伝達媒体を利用するヒータ11
1Aを有するシリンダ111と、このシリンダ111内
に配置されるスクリュ112と、シリンダ111内にポ
リプロピレン10を投入するホッパ113と、スクリュ
112を回転させる油圧装置114と、シリンダ111
および金型12を繋ぐノズル115とを備える。
【0034】このような射出成形機本体11において、
ホッパ113から投入されたペレット状のポリプロピレ
ン10は、シリンダ111のヒータ111Aによって加
熱されて、油圧装置114によって回転するスクリュ1
12によって、可塑化されながら、先端のノズル115
側へと移動し、ノズル115を介して、金型12内へと
高圧で射出される。
【0035】金型12は、射出成形機本体11から射出
された可塑化ポリプロピレン10を所定形状の内部側の
間隙に充填し、この充填したポリプロピレン10を間隙
形状に成形するものであり、雌型121と、雄型122
と、これらの型121,122を加熱・冷却する図示し
ない調温装置とを備える。
【0036】雌型121は、ノズル115と繋がった状
態で固定配置されている。雄型122は、図示しない型
締装置により、雌型121に対して進退可能に構成さ
れ、この進退機構により、充填したポリプロピレン10
の発泡ができるとともに、硬化後の射出成形品が取り出
せるようになっている。
【0037】以上のような射出成形機1を用いて、発泡
体としての部分を有する射出成形品を製造する手順につ
いて説明する。 <1-1>まず、事前準備として、ヒータ111Aによりシ
リンダ111を予熱した上で、前記調温装置により、金
型12の温度を110℃等のTc以上でTm’未満の温
度に設定しておく。次いで、油圧装置114を作動させ
てスクリュ112を回転させる。
【0038】<1-2>この状態で、ペレット状のポリプロ
ピレン10を、ホッパ113を介して、シリンダ111
内に投入する。この投入されたポリプロピレン10を、
シリンダ111の熱およびスクリュ112からの圧力に
よって可塑化する。この可塑化されたポリプロピレン1
0をスクリュ112の回転によって移動させ、ノズル1
15を介して、金型12内の間隙において射出成形する
(成形工程)。
【0039】<1-3>次に、金型12内に射出成形された
射出成形品100を図示しない調温装置を用いて加温す
る。具体的には、金型12を融点近傍温度Tm’に設定
して射出成形品100を加温し、射出成形品100にお
けるポリプロピレン10の比容積が増加するまで保持す
る(保持工程)。
【0040】<1-4>このような保持工程の途中で、ポリ
プロピレン10の比容積の増加に合わせて、雄型122
を外部側(図2中の矢印方向)へ後退させる(金型容積
増加工程)。具体的には、射出成形品100の厚さ寸法
分だけ後退させる。
【0041】<1-5>次に、前記調温装置により、金型1
2全体の温度を結晶化温度Tc未満の温度に設定して、
射出成形品100を冷却して硬化する(硬化工程)。 <1-6>最後に、雄型122を雌型121から後退させ
て、金型12から取り出すことにより、図2に示すポリ
プロピレン10製の射出成形品100を得る。このよう
な射出成形品100は、図2に示すように、内部のコア
層に所定寸法のセルが形成された発泡体となっている。
【0042】以上のような本実施形態によれば、以下の
ような効果がある。 (1) 雄型122を温度調整に合わせて後退させるの
で、表面が外観性の高いスキン層であって、内部のコア
層が微細で均一なセルを有する射出成形品100を製造
できる。
【0043】(2) 既存の射出成形機1を用いた上で、
温度調整を行うだけの構成としたので、設備改良のため
の投資や労力等を少なくでき、発泡体を手軽に製造でき
る。
【0044】(3) 雄型122の後退量を、成形品の寸
法と同程度としたので、発泡体内のセル径が適度な大き
さとなり、成形品の強度を十分に確保できる。
【0045】(4)成形工程において、金型12の温度を
結晶化温度Tc以上で融点近傍温度Tm’未満に設定
し、保持工程において、金型12の温度を融点近傍温度
Tm’に設定したので、成形工程から保持工程への移行
時の金型12の温度上昇に応じて、射出成形品100に
おけるポリプロピレン10全体の結晶化度が進行して融
点Tmが少なくとも5℃程度上昇するから、融点+5℃
まで金型12の温度を上昇させても、この射出成形品1
00におけるポリプロピレン10の溶融を防止した上
で、ポリプロピレン10の結晶化度をより一層高くでき
る。
【0046】[第2実施形態]次に、本発明の第2実施
形態について説明する。なお、前記第1実施形態と同一
または相当構成品には同じ符号を付し、説明を省略また
は簡略する。図4および図5は、本発明の発泡体を製造
するための射出成形機1Aを示す図である。この射出成
形機1Aは、前記第1実施形態の射出成形機1とは、金
型12の構成のみが相違しており、金型12とは異なる
構成である金型50の構成について、以下に説明する。
【0047】金型50は、射出成形機本体11から射出
された可塑化ポリプロピレン10を所定形状の内部側の
間隙に充填し、この充填したポリプロピレン10を間隙
形状に成形するものであり、雌型51と、雄型52と、
これらの型51,52を加熱・冷却する図示しない調温
装置とを備える。雌型51は、ノズル115と繋がった
状態で固定配置されている。この雌型51は、図5に示
すように、雄型52が進退する方向と直交する方向、つ
まり外側へ進退する可動部51Aを備える。この可動部
51A内には、ヒータ装置51Bが収納されており、金
型50内の射出成形品を部分的に調温できるようになっ
ている。雄型52は、図示しない型締装置により、雌型
51に対して進退可能に構成され、この機構により、硬
化後の射出成形品が取り出せるようになっている。
【0048】以上のような射出成形機1Aを用いて、発
泡体としての部分を有する射出成形品を製造する手順に
ついて説明する。 <2-1>まず、事前準備として、ヒータ111Aによりシ
リンダ111を予熱した上で、前記調温装置により、金
型50の温度を110℃等のTc以上でTm’未満の温
度に設定しておく。次いで、油圧装置114を作動させ
てスクリュ112を回転させる。
【0049】<2-2>この状態で、ペレット状のポリプロ
ピレン10を、ホッパ113を介して、シリンダ111
内に投入する。この投入されたポリプロピレン10を、
シリンダ111の熱およびスクリュ112からの圧力に
よって可塑化する。この可塑化されたポリプロピレン1
0をスクリュ112の回転によって移動させ、ノズル1
15を介して、金型50内の間隙において射出成形する
(成形工程)。
【0050】<2-3>次に、金型50内に射出成形された
射出成形品100のうち、雌型51の可動部51Aに対
応する部分だけを、可動部51A内のヒータ装置51B
を用いて加温する。具体的には、可動部51Aを融点近
傍温度Tm’に設定して射出成形品100を加温し、射
出成形品100におけるポリプロピレン10の比容積が
増加するまで保持する(保持工程)。
【0051】<2-4>このような保持工程の途中で、ポリ
プロピレン10の比容積の増加に合わせて、可動部51
Aを外部側(図5中の矢印方向)へ後退させる(金型容
積増加工程)。具体的には、射出成形品100におい
て、可動部51Aに対応する部分100Aの厚さ寸法と
同程度の寸法分だけ後退させる。
【0052】<2-5>次に、前記調温装置により、金型5
0全体の温度を結晶化温度Tc未満の温度に設定して、
射出成形品100を冷却して硬化する(硬化工程)。 <2-6>最後に、雄型52を雌型51から後退させて、金
型50から取り出すことにより、図5に示すポリプロピ
レン10製の射出成形品100を得る。このような射出
成形品100は、図5に示すように、可動部51Aに対
応する部分100Aのみが、内部のコア層に所定寸法の
セルが形成された発泡体となっている。
【0053】以上のような本実施形態によれば、前記第
1実施形態の(1)〜(4)と同様の効果に加えて、以下の
ような効果がある。 (5)金型50の一部に進退可能な可動部51Aを設けた
上で、この可動部51Aにおける温度調整が可能となる
ように金型50を構成したので、射出成形品の一部分だ
けを発泡体にできる。このため、用途や目的に合わせた
多種多様な成形品を簡単に形成できる。
【0054】[第3実施形態]次に、本発明の第3実施
形態について説明する。なお、前記第1,2実施形態と
同一または相当構成品には同じ符号を付し、説明を省略
または簡略する。図6は、本発明の発泡体である中空成
形品を製造するためのブロー成形機2を示す図である。
ブロー成形機2は、図6に示すように、発泡剤を含有し
ない前記ポリプロピレン10を原料として、所定形状の
中空成形品を製造する機械であり、ブロー成形機本体2
1と、アキュムレータ22と、金型装置23とを備え
る。
【0055】ブロー成形機本体21は、可塑化されたポ
リプロピレン10をアキュムレータ22内へ射出するも
のであり、ヒータ211Aが設けられたシリンダ211
と、このシリンダ211内に配置されるスクリュ212
と、シリンダ211内にポリプロピレン10を投入する
ホッパ213と、スクリュ212を回転させる油圧装置
214とを備える。
【0056】このようなブロー成形機本体21におい
て、ホッパ213から投入されたポリプロピレン10
は、シリンダ211におけるヒータ211Aで加熱され
て、油圧装置214により回転するスクリュ212によ
って、可塑化されながらアキュムレータ22側へと移動
し、アキュムレータ22内へ射出される。
【0057】アキュムレータ22は、ブロー成形機本体
21から射出された可塑化ポリプロピレン10を内側に
溜めておき、この溜まったポリプロピレン10を所定の
タイミングで金型装置23の内側へ2枚のシート状のパ
リソン110として押し出すものであり、アキュムレー
タ本体221と、ノズル222Bを介して、押し出され
たパリソン110内側の空気圧を調整する調圧装置22
2とを備える。なお、アキュムレータ22は、図示しな
いスチームを使用する所定の調温装置により温度調整が
可能である。
【0058】アキュムレータ本体221は、プランジャ
221Aが上下方向に進退して、内部のポリプロピレン
10を所定のタイミングで2枚のシート状のパリソン1
10として押し出す機械である。調圧装置222は、具
体的な図示を省略するが、所定のコンプレッサ等を備え
て構成され、このコンプレッサ等を制御することによ
り、ノズル222Bを介して、パリソン110内側に空
気を送ったり、パリソン110内側の空気を吸い込む装
置である。
【0059】このようなアキュムレータ22において、
アキュムレータ本体221内のプランジャ221Aが、
図6中の下方向に進行すると調圧装置222がパリソン
110内側に空気を吹き込むようになっている。これに
より、パリソン110同士がくっつかないようになって
いる。
【0060】金型装置23は、アキュムレータ22から
射出されたパリソン110を内部の間隙に沿って所定形
状の中空成形品を形成する装置であり、一対の金型23
1と、これらの金型231の一部(図6中の下部)を加
熱・冷却する調温装置232と、一対の金型231を互
いに接近・離間させる型締め装置233とを備えて構成
される。
【0061】一対の金型231は、内面が所定形状に形
成された凹状の部材であり、内側に射出されたパリソン
110を、この内面形状に沿って倣わせることにより、
所定形状に形成する。調温装置232は、所定のカート
リッジヒータで構成されており、一対の金型231内側
にあるパリソン110の下部側のみを部分的に調温でき
るようになっている。
【0062】このような金型装置23では、型締め装置
233によって、一対の金型231が互いに接近する方
向に進行すると、図6中の左右側からパリソン110を
挟み込んで、パリソン110における金型231下部側
部分が、互いに重なりあうことになり、中空成形がなさ
れることになる。
【0063】以上のようなブロー成形機2を用いて、下
部側が発泡体とされた中空成形品を製造する手順につい
て説明する。 <3-1>まず、事前準備として、シリンダ211およびア
キュムレータ本体221を予熱する。また、図示しない
調温装置により金型231の温度を結晶化温度Tc以上
で融点近傍温度Tm’未満の温度に設定しておく。
【0064】<3-2>この状態で、ペレット状のポリプロ
ピレン10を、ホッパ213を介して、シリンダ211
内に投入する。この投入されたポリプロピレン10を、
シリンダ211の熱、および油圧装置214により回転
するスクリュ212の圧力によって可塑化する。この可
塑化されたポリプロピレン10を、スクリュ212の回
転によって移動させ、アキュムレータ本体221内に射
出する。
【0065】<3-3>次に、アキュムレータ本体221内
に射出されたポリプロピレン10を、その内部に所定量
分溜めた後に、プランジャ221Aにより、金型装置2
3の内部側へパリソン110として射出する。この際、
パリソン110の内側には、調圧装置222から空気を
送っておく。
【0066】<3-4>次に、金型装置23において、一対
の金型231を互いに接近する方向に移動させ、一対の
金型231を互いに接合した箱状とする。この際、パリ
ソン110の内側に依然として調圧装置222から空気
を送り続けておくことにより、パリソン110を外部側
へと押圧して一対の金型231の内面に倣わせる。この
ようにして中空成形品を形成する(成形工程)。
【0067】<3-5>次に、一対の金型231内における
中空成形品の下部側の部分だけを、一対の金型231内
の調温装置232を用いて、一対の金型231を融点近
傍温度Tm’まで加温し、パリソン110におけるポリ
プロピレン10の比容積が増加するまで保持する(保持
工程)。 <3-6>このように保持している途中で、ポリプロピレン
10の比容積の増加に応じて、調圧装置222によりパ
リソン110内部側の空気を吸い込み、内部側を減圧す
る(減圧工程)。
【0068】<3-7>次に、一対の金型231全体の温度
を結晶化温度Tc未満まで冷却し、中空成形品を硬化さ
せる(硬化工程)。 <3-8>最後に、一対の金型231同士を離間させて、一
対の金型231から取り出すことにより、ポリプロピレ
ン10製の中空成形品を得る。このようにして得られた
中空成形品は、図示しないが、下部側のみが、内部のコ
ア層に所定寸法のセルが形成された発泡体となってい
る。
【0069】以上のような本実施形態によれば、前記第
1,2実施形態の(2),(4),(5)に加えて、以下のよ
うな効果がある。 (6)一対の金型231の下部側の温度調節に合わせて、
パリソン110の内部側を減圧することにより、成形品
の下部側部分において、その表面が外観性の高いスキン
層にできて、かつ内部のコア層に微細で均一なセルを形
成できる。
【0070】[第4実施形態]次に、本発明の第4実施
形態について説明する。なお、前記第1〜3実施形態と
同一または相当構成品には同じ符号を付し、説明を省略
または簡略する。図7は、本発明の発泡体である押出成
形品としてのシート120を製造するためのシート成形
機3を示す図である。シート成形機3は、前記ポリプロ
ピレン10を可塑化して、シート状に連続的に押し出す
機械であり、図7に示すように、シート成形機本体31
と、第1ロール32と、第2ロール33と、第3ロール
34とを備える。
【0071】シート成形機本体31は、前記第1実施形
態の射出成形機本体11と略同様のものであるが、押し
出されるポリプロピレン10がシート状となるように、
Tダイ311の開口部311Aが細長いスリット状に形
成されている。
【0072】各ロール32〜34は、それぞれ回転軸3
21,331,341を中心として回転自在な2つのロ
ール部材322,332,342を備え、これらの2つ
のロール部材322,332,342は、成形品の厚み
寸法を調整するために、所定の間隔で配置されている。
なお、この間隔は適宜変更可能となっている。また、各
ロール32〜34は、それぞれのロール32〜34全体
の表面温度を調節するために、ロール32〜34内に熱
伝達媒体が流入自在となっている。さらに、第1ロール
32および第2ロール33は、前述の熱伝達媒体による
調温機構とは別に、2つのロール部材322,332の
中央部分322A,332Aの表面温度だけを調整でき
る図示しない調温装置が設けられている。
【0073】第1ロール32は、ロール全体については
特に加温・冷却がなされておらず、その中央部分322
Aの温度だけが結晶化温度Tc以上で融点近傍温度T
m’未満に設定されている。第2ロール33も、ロール
全体については特に加温・冷却がなされていないが、そ
の中央部分332Aの温度だけが融点近傍温度Tm’に
設定されている。第3ロール34は、ロール全体が結晶
化温度Tc未満に設定されている。
【0074】以上のようなシート成形機3を用いて、中
央部分が発泡体とされたシート120を製造する手順に
ついて説明する。 <4-1>まず、シート成形機本体31において、ポリプロ
ピレン10を混練および可塑化し、Tダイ311の開口
部311Aを介してシート状に押し出す。 <4-2>次に、押し出されたシート120を、第1ロール
32において、ロール部材321間の間隙により、所定
の厚み寸法まで圧延し成形する。この際、シート120
におけるロール部材322の中央部分322Aに対応す
る中央部分だけを、表面温度を結晶化温度Tc以上で融
点近傍温度Tm’未満とした第1ロール32によって成
形する(成形工程)。
【0075】<4-3>次いで、第1ロール32を通過した
後のシート120を、第2ロール33において、さらに
所定の厚み寸法に圧延する。この際、第1ロール32通
過後のシート120における中央部分を、表面温度を融
点近傍温度Tm’とした第2ロール33で成形し、この
中央部分の比容積だけを増加させる(比容積増加工
程)。 <4-4>次いで、第2ロール33を通過した後のシート1
20を、その全体の表面温度を結晶化温度Tc未満とし
た第3ロール34で、その全体を冷却し硬化させる(硬
化工程)。
【0076】<4-5>最後に、第3ロール34を通過した
後のシート120を、図示しない所定の巻き取り装置に
よりロール状に巻いて完成品とする。このようにして得
られたポリプロピレン10製のシート120は、中央部
分において、その表面がスキン層であり、かつ内部のコ
ア層に所定寸法のセルが形成された発泡体である。
【0077】以上のような本実施形態によれば、前記第
1〜3実施形態の(4),(5)と同様の効果に加えて、以
下のような効果がある。 (7)各ロール32,33における中央部分322A,3
32Aの温度や、第3ロール34のロール部材341全
体の温度を調節するだけで、シート120の中央部分に
おいて、その表面が外観性の高いスキン層であって、内
部のコア層が微細で均一なセルを有するシートを製造で
きる。
【0078】(8)各ロール32,33は、既存のロール
に対して、その中央部分322A,332Aの温度調節
を行う所定の調温装置を配置するだけで構成したので、
設備改良のための投資や労力等を少なくでき、発泡体を
手軽に製造できる。
【0079】[第5実施形態]次に、本発明の第5実施
形態について、図7を参照しながら説明する。第5実施
形態は、前記第4実施形態におけるシート成形機3を用
いた上で、各ロール32〜34の温度を前記第4実施形
態の温度とは異なる温度に設定して、シート120を製
造する。なお、前記第4実施形態と同一または相当構成
品には同じ符号を付し、説明を省略または簡略する。
【0080】ここで、各ロール32〜34における設定
温度は以下の通りである。第1ロール32は、ロール全
体については特に加温・冷却がなされておらず、その中
央部分322Aだけが結晶化温度Tc以上で融点近傍温
度Tm’以下の温度に設定されている。また、第2ロー
ル33は、ロール全体が結晶化温度Tc未満の温度に設
定されている。なお、第3ロール34は、特に温度は設
定されない。このため、第3ロール34を取り外して、
第2ロール34以降ではシート130を徐冷するように
構成してもよい。
【0081】以上のようなシート成形機3を用いて、中
央部分が発泡体とされたシート130を製造する手順に
ついて説明する。 <5-1>前述同様に、シート成形機本体31からポリプロ
ピレン10製のシート130を押し出し、このシート1
30を、第1ロール32において所定の厚み寸法まで圧
延する。この際、シート130の中央部分だけを、表面
温度を結晶化温度Tc以上で融点近傍温度Tm’以下と
した第1ロール32で成形する。これにより、シート1
30における中央部分だけ、その比容積を増加させる
(成形工程)。
【0082】<5-2>次いで、第2ロール33を通過した
後のシート130を、表面温度を結晶化温度Tc未満と
した第3ロール34において、その全体を冷却し硬化さ
せる(硬化工程)。 <5-3>最後に、前述同様に、第3ロール34を通過した
後のシート130をロール状に巻いて完成品とする。
【0083】このようにして得られたポリプロピレン1
0製のシート130は、中央部分において、その表面が
スキン層であり、かつ内部のコア層に所定寸法のセルが
形成された発泡体である。以上の本実施形態によれば、
前記第4実施形態と同様の効果が得られる。
【0084】なお、本発明は、前記各実施の形態に限定
されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で
の変形、改良等は本発明に含まれるものである。例え
ば、前記各実施形態において、結晶性熱可塑性樹脂とし
てポリプロピレン10を採用していたが、これに限ら
ず、前述したように、ポリエチレンやポリアミド、フッ
素樹脂等のその他の結晶性熱可塑性樹脂を採用してもよ
い。また、成形工程および保持工程での温度は、前記所
定の範囲内であれば特に限定されない。この際、採用す
る結晶性熱可塑性樹脂の物性等に応じて、適宜、最適な
温度に設定すればよい。
【0085】また、成形品の中央部分等の一部分が発泡
体となるように金型等を構成したが、成形品の全体が発
泡体となるように構成してもよい。この場合には、成形
品の形状や用途等に合わせて、温度調節の範囲を適宜変
更すればよい。また、成形品において発泡体となる部分
は、中央部分以外のその他の部分であってもよく、その
位置は特に限定されない。
【0086】また、金型やロール、加熱炉を調温する装
置としては、前記各実施形態で採用したものには限定さ
れず、スチームや、高周波加熱、カートリッジヒータ、
熱伝達媒体等の既存の温調システムを採用できる。その
他、本発明を実施する際の具体的な構造および形状等
は、本発明の目的を達成できる範囲内で他の構造として
もよい。
【0087】
【実施例】〔実施例1〕前記第1実施形態の射出成形機
1Aを用いて下記の条件で実施した。なお、本実施例1
では、金型50全体の温度を変化させるとともに、可動
部51Aを含む雌型51はそのままの位置で固定し、雄
型52を後退させた。結晶性熱可塑性樹脂は、ポリプロ
ピレン(PP),商品名:J-2000GP,結晶化温度T
c;105℃,融点Tm;161℃,融点近傍温度T
m’;156℃〜165℃),出光石油化学社製を採用
した。
【0088】本実施例では、図8に示すように、金型温
度を110℃として射出成形した後に160℃まで昇温
した。この後、金型温度を160℃で10分間保持し
た。次に、金型温度を160℃から60℃まで降温し
た。この射出成形品をマイクロスコープにより200倍
率で観察したものを図9に示す。図9に示す射出成形品
は、そのコア層のセルの平均径が約15μmであった。
【0089】〔実施例2〕前記第1実施形態の射出成形
機1Aを用いて下記の条件で実施した。なお、本実施例
2でも金型50全体の温度を変化させ、雌型51を固定
した状態で雄型52を後退させた。結晶性熱可塑性樹脂
は、前記実施例1と同じポリプロピレンを採用した。各
工程における金型温度は、成形工程:140℃、保持工
程:140℃、硬化工程:60℃とした。この際の温度
変化を図10に示す。
【0090】本実施例では、図10に示すように、金型
温度を110℃として射出成形した後に、金型温度を1
40℃まで昇温した。この後、すぐに金型温度を140
℃から60℃まで降温した。この射出成形品をマイクロ
スコープにより200倍率で観察したものを図11に示
す。図11に示す射出成形品は、そのコア層のセルの平
均径が約35μmであった。
【0091】
【発明の効果】本発明の発泡体の製造方法、およびこの
方法で製造された発泡体によれば、表面外観に優れると
ともに、手軽に製造できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る発泡体を製造する
ための射出成形機を示す図である。
【図2】前記射出成形機において、雄型を後退させた図
である。
【図3】ポリプロピレンにおける温度と比容積の関係を
示すグラフである。
【図4】本発明の第2実施形態に係る発泡体を製造する
ための射出成形機を示す図である。
【図5】前記第2実施形態の射出成形機において、可動
部を後退させた図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る発泡体を製造する
ためのブロー成形機を示す図である。
【図7】本発明の第3,4実施形態に係る発泡体を製造
するためのシート成形機を示す図である。
【図8】実施例1における金型温度の変化を示すグラフ
である。
【図9】前記実施例1におけるコア層のセルを示す図で
ある。
【図10】実施例2における金型温度の変化を示すグラ
フである。
【図11】前記実施例2におけるコア層のセルを示す図
である。
【符号の説明】
1,1A 射出成形機 2 ブロー成形機 3 押出成形機であるシート成形機 10 結晶性熱可塑性樹脂としてのポリプロピレン 12,50 金型 32 第1ロール 33 第2ロール 34 第3ロール 51A 可動部 51B ヒータ装置 100 発泡体を含む射出成形品 110 パリソン 120,130 押出成形品である発泡体を含むシ
ート 222 調圧装置 231 一対の金型 Tc 結晶化温度 Tm 融点 Tm’ 融点近傍温度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29C 49/64 B29C 49/64 49/78 49/78 // B29K 105:04 B29K 105:04 (72)発明者 菅原 稔 千葉県市原市姉崎海岸1番地1 Fターム(参考) 4F202 AG20 AR06 AR14 CA11 CA15 CA27 CB01 CB02 CK19 CN01 CN05 CN21 CN27 4F206 AG20 AR064 AR14 JA04 JF01 JL02 JM04 JM05 JN11 JN21 JN25 JN43 JQ81 4F207 AG01 AG20 AR06 AR14 KA01 KA11 KK51 KK64 KL63 KM16 4F208 AG07 AG20 AR02 AR06 AR14 LA01 LB01 LB30 LG22 LH06 LH10 LH13 LJ01 LJ09 LN13

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア層にセルを有する発泡体を製造する
    発泡体の製造方法であって、 発泡剤を含有しない結晶性熱可塑性樹脂を、金型温度が
    この結晶性熱可塑性樹脂の結晶化温度以上に設定された
    金型内に射出成形する成形工程と、 この成形工程の後に、前記金型温度を前記結晶性熱可塑
    性樹脂の結晶化温度以上で、かつ融点近傍温度以下まで
    昇温して、前記結晶性熱可塑性樹脂の比容積が増加する
    まで保持する保持工程と、 この結晶性熱可塑性樹脂の比容積の増加に応じて、前記
    金型内の容積を増加させる金型容積増加工程と、 この金型容積増加工程の後に、前記金型を前記結晶性熱
    可塑性樹脂の結晶化温度未満まで降温して、前記結晶性
    熱可塑性樹脂を冷却して硬化させる硬化工程とを備える
    ことを特徴とする発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発泡体の製造方法にお
    いて、 前記成形工程は、前記金型温度を前記結晶性熱可塑性樹
    脂の結晶化温度以上で、かつ融点近傍温度以下に設定し
    て射出成形し、 前記保持工程は、この成形工程における温度を維持した
    状態で、前記結晶性熱可塑性樹脂の比容積が増加するま
    で保持することを特徴とする発泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の発泡体
    の製造方法において、 前記温度設定される金型は、該金型の一部であることを
    特徴とする発泡体の製造方法。
  4. 【請求項4】 コア層にセルを有する発泡体を製造する
    発泡体の製造方法であって、 発泡剤を含有しない結晶性熱可塑性樹脂をパリソンとし
    て押し出すとともに、このパリソン内の気圧を高めて、
    前記結晶性熱可塑性樹脂を、金型温度がこの結晶性熱可
    塑性樹脂の結晶化温度以上に設定された金型の内面に沿
    って中空成形する成形工程と、 この成形工程の後に、前記金型温度を前記結晶性熱可塑
    性樹脂の結晶化温度以上で、かつ融点近傍温度以下まで
    昇温して、前記結晶性熱可塑性樹脂の比容積が増加する
    まで保持する保持工程と、 この結晶性熱可塑性樹脂の比容積の増加に応じて、前記
    パリソン内の気圧を減少させる減圧工程と、 この減圧工程の後に、前記金型を前記結晶性熱可塑性樹
    脂の結晶化温度未満まで降温して、前記結晶性熱可塑性
    樹脂を冷却して硬化させる硬化工程とを備えることを特
    徴とする発泡体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の発泡体の製造方法にお
    いて、 前記成形工程は、前記金型温度を前記結晶性熱可塑性樹
    脂の結晶化温度以上で、かつ融点近傍温度以下に設定し
    て中空成形し、 前記保持工程は、この成形工程における温度を維持した
    状態で、前記結晶性熱可塑性樹脂の比容積が増加するま
    で保持することを特徴とする発泡体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5に記載の発泡体
    の製造方法において、 前記温度設定される金型は、該金型の一部であることを
    特徴とする発泡体の製造方法。
  7. 【請求項7】 コア層にセルを有する発泡体を製造する
    発泡体の製造方法であって、 発泡剤を含有しない結晶性熱可塑性樹脂を押出成形機の
    ダイからシート状に押出し、ロール表面の温度がこの結
    晶性熱可塑性樹脂の結晶化温度以上に設定された第1ロ
    ールを当接させ、前記結晶性熱可塑性樹脂を成形する成
    形工程と、 この成形工程の後に、ロール表面の温度が前記結晶性熱
    可塑性樹脂の結晶化温度以上で、かつ融点近傍温度以下
    に設定された第2ロールを当接させ、前記結晶性熱可塑
    性樹脂の比容積を増加させる比容積増加工程と、 この比容積増加工程の後に、ロール表面の温度が前記結
    晶性熱可塑性樹脂の結晶化温度未満に設定された第3ロ
    ールを当接させ、前記結晶性熱可塑性樹脂を冷却して硬
    化させる硬化工程とを備えることを特徴とする発泡体の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 コア層にセルを有する発泡体を製造する
    発泡体の製造方法であって、 発泡剤を含有しない結晶性熱可塑性樹脂を押出成形機の
    ダイからシート状に押出し、ロール表面の温度がこの結
    晶性熱可塑性樹脂の結晶化温度以上で、かつ融点近傍温
    度以下に設定された第1ロールを当接させ、前記結晶性
    熱可塑性樹脂を成形し、前記結晶性熱可塑性樹脂の比容
    積を増加させる成形工程と、 この成形工程の後に、ロール表面の温度が前記結晶性熱
    可塑性樹脂の結晶化温度未満に設定された第2ロールを
    当接させ、前記結晶性熱可塑性樹脂を冷却して硬化させ
    る硬化工程とを備えることを特徴とする発泡体の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項7または請求項8に記載の発泡体
    の製造方法において、 前記第1ロールは、ロール表面の一部が前記結晶性熱可
    塑性樹脂の結晶化温度以上に設定されていることを特徴
    とする発泡体の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜請求項9のいずれかに記載
    の発泡体の製造方法によって製造されることを特徴とす
    る発泡体。
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