JP2003211291A - 加圧装置 - Google Patents

加圧装置

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JP2003211291A JP2002011124A JP2002011124A JP2003211291A JP 2003211291 A JP2003211291 A JP 2003211291A JP 2002011124 A JP2002011124 A JP 2002011124A JP 2002011124 A JP2002011124 A JP 2002011124A JP 2003211291 A JP2003211291 A JP 2003211291A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 清潔さを必要とする食品加工その他の加圧
処理に好適であり、液圧回路のトラブルを少なくし、圧
力容器の蓋開閉が容易であり、短時間で加圧処理の準備
ができる簡素な構造の加圧装置を提供する。また、液圧
バルジ加工機にも応用できるような汎用性をもたせる。 【解決手段】 上下動作するピストン構造の蓋の底面か
ら側面にかけて外部に通じるL字状に貫通された高圧導
水路から水の注排出やエア抜きを行う。また、所定のク
ラッキング圧力に設定され、機能の異なるポンプの発生
する送水圧力の違いに対応して弁作用する逆止弁により
簡素な液圧回路を構成する。水圧駆動の作動水は注水加
圧処理の圧力媒体として兼用した。圧力媒体の水には水
道水と同様に次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)の水
溶液を用いて衛生対策をする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品の加圧処理や
パイプ材のバルジ加工に応用可能な超高圧を付与できる
液圧式の加圧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の加圧装置として、本願の発明者等
は特開2001−87891に開示する「等方加圧装
置」があった。その「等方加圧装置」は食品や粉体材料
に数千気圧の高圧を作用させることにより、食品の殺菌
作用、酵素の失活、タンパク質等の物性変化等の加圧処
理を行うことも含め、粉体材料の圧縮成形加工等を行う
ことができるようにした装置である。また、この加圧装
置は加熱などに比べて省エネルギーの面でも優れてお
り、特に熟成期間の短縮では著しい効果がある。そし
て、パイプ材のバルジ加工用として、タイロッド形式や
鋼板一体のフレーム構造の液圧バルジ加工機があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの加圧
装置は超高圧を扱うことから、装置が大型かつ複雑にな
るので、故障が多く衛生的でないなどの課題が残されて
おり、加圧装置が安定して加圧動作を行なうと共に、例
えば食品加圧処理装置においては蓋開閉が容易にでき
て、作業時間が短縮される装置が望まれ、バルジ加工機
において類似の課題があった。
【0004】そこで、本発明は、清潔を必要とする食品
加工その他の加圧処理に好適であり、液圧回路のトラブ
ルを少なくし、圧力容器の蓋開閉が容易であり、加圧処
理に要する作業時間が短縮されるような加圧装置をより
簡素な構造により提供することを目的としている。ま
た、バルジ加工機において、液圧回路およびその制御機
構を簡素にできて、しかもバルジ成形加工中にバルジ成
形型の締結が外れる危険を生じさせないだけの締結力を
得られて安全であり、液圧媒体が液洩れしても無害であ
り、環境衛生上の都合が良い装置を提供することも目的
としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、開口部を上向きに縦型設置
されたシリンダ状の圧力容器と、前記開口部で抜き差し
と任意固定を自在にするピストン構造の蓋と、前記蓋を
前記開口部へ液密に嵌着挿入して密封加圧する状態と、
前記蓋を前記開口部から外した状態と、を区別する制御
自在の液圧回路と、を備えた加圧装置において、前記蓋
の開閉が水圧駆動でなされ、その水圧駆動の作動水を加
圧処理の液圧媒体に兼用した。
【0006】このようにしたので、従来の油圧駆動にお
ける作動油のように、圧力容器の内外に作動油が垂れ落
ちることもなく衛生的であり、清潔を必要とする食品加
工その他の加圧処理に好適である。また、蓋の開閉およ
び密閉維持に要する水圧駆動の液圧媒体と加圧処理用の
液圧媒体を兼用した分だけ、液圧回路が簡素化され、安
価になる
【0007】また、請求項2に係る発明は、前記蓋を下
降するときおよび加圧処理するときに水圧を伝達する前
記液圧回路と、前記圧力容器の内外にわたり流通と閉塞
を自在にする高圧導水路とを接続する配管に、所定の順
方向阻止圧力(以下、「クラッキング圧力」という)に
設定され、送水圧力に対応して開閉動作する逆止弁を備
えた。逆止弁は、圧力媒体である水の送水圧力に対し、
そのクラッキング圧力の選択的な開閉動作により、以下
に説明する一連の操作に対して逆止弁の開閉操作は自動
的に行われる。
【0008】まず、蓋を開く(上昇させる)ときは、蓋
の駆動に係るシリンダの下部の容積を拡大させるよう
に、低レベルの送水圧力で給水ポンプから注水すると、
その圧力に応じて蓋が持ち上がって開く。このとき、容
積の縮小するシリンダ上部の余水はクラッキング圧力を
超える排水圧力の開弁作用で逆止弁を順方向に流通し、
排水されるので、蓋は上昇する。
【0009】つぎに、蓋を閉じる(下降させる)とき
は、蓋の駆動に係るシリンダの上部の容積を拡大させる
ように、低レベルの送水圧力で給水ポンプから注水する
と、その圧力に応じて蓋が下降する。このとき、給水ポ
ンプからの注水はクラッキング圧力より高いので開弁し
た逆止弁を通じて多少の漏水をともなうが、蓋の自重も
加勢して速やかにを下降させる。
【0010】ここで、圧力容器に補足注水するときは、
クラッキング圧力より高い圧力で送水すれば、逆止弁が
順方向に流通させるように開くので、減圧弁を閉じるこ
とで高圧導水路から圧力容器内へ補足注水できる。
【0011】さらに、蓋が完全に閉じた後に圧力容器へ
加圧注水するときは、加圧ポンプにより超高圧レベルの
送水をする。この超高圧レベルはクラッキング圧力をは
るかに超えるので、逆止弁は順方向の流通を許可する。
そうすると、圧力容器内を加圧するので、加圧ポンプで
発生した超高圧によりシリンダへ直接に加圧注水でき
る。
【0012】このような弁作用により、これら一連の加
圧処理の操作すなわち、はじめに蓋を上昇して圧力容器
の蓋を開け、その開口から被処理物を投入し、つぎに蓋
を下降して圧力容器の開口を完全に密閉し、その後に圧
力容器内を加圧するまでの操作に対し、逆止弁の開閉操
作は自動的に行われる。なお、逆止弁は弁作用により逆
方向に対しての流通は常に阻止する。
【0013】このように、ポンプ圧力に対応して開閉操
作が自動的に行われる逆止弁を備えた場合は、運転操作
も簡単になり、しかも自動制御が困難で故障の多い高圧
バルブの使用箇所を減らせるので、保守点検整備の負担
が軽減される。
【0014】また、請求項3に係る発明に係る発明は、
前記蓋の底面から側面にかけて貫通し前記圧力容器の内
外にわたり流通と閉塞を自在にする高圧導水路を備え
た。
【0015】このようにしたので、従来は圧力容器の底
部にあって圧力媒体の水または液体の被処理物を圧力容
器内に出し入れしていた注排水管に代わって、圧力容器
内の天井に位置する蓋の底面から外部に貫通された高圧
導水路を通して注排水できるため、圧力容器の底部に溜
まる沈殿物による目詰まり等、注排水管の故障を回避で
きる他、圧力容器内の上部に残留する空気も排除でき
る。
【0016】したがって、圧力容器内の水量調節および
排気減圧作業が容易にできるようになる他、もし必要な
らば加圧処理を実行する前に高圧導水路を通して注水す
ることにより、圧力容器内の水量を満水状態にしてから
加圧処理をはじめられるので、加圧処理に要する時間が
短縮される。
【0017】また、請求項4に係る発明は、バルジ成形
型に装填されたパイプ材の内側に高圧を作用させて前記
パイプ材の一部を膨出させる液圧回路を備え、前記バル
ジ成形型の内径に沿った形状に冷間成形するバルジ成形
加工する加圧装置であって、前記パイプ材の縦断面方向
に分割と合体を可能とする前記バルジ成形型が合体する
方向の加圧と解放を自在にする第一の液圧作動部と、前
記パイプ材の膨出変形に伴う肉厚変化を調整するための
軸圧縮方向の加圧と解放を自在にする前記第二の液圧作
動部と、を備えた加圧装置において、前記液圧回路によ
り前記第一の液圧作動部および/または前記第二の液圧
作動部とを作動させるようにした。
【0018】このようにしたことにより、被加工材料の
パイプ材を内側から外側へ膨出加工する液圧を、前記バ
ルジ成形型の離合締結動作にも兼用できるので、液圧回
路およびその制御機構を簡素にできる。同様に前記パイ
プ材の膨出変形に伴う肉厚変化を調整するための軸圧縮
方向の加圧と解放の動作にも兼用できる。また、バルジ
成形加工中にバルジ成形型の締結が外れる危険を生じさ
せないだけの締結力を、前記液圧により与えられるので
安全である。そして、液圧媒体に水を用いれば、液洩れ
しても無害であり、環境衛生上の都合が良い。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明に係
る加圧装置の実施の形態について説明する。なお、各部
の構成に関する詳細な説明は、加圧装置の動作説明を交
えて行う。 [全体構成の概略]図1は第一の実施形態において、蓋
を開けた(上昇した)状態を示す液圧回路図である。図
1において、臼(うす)のように設置された圧力容器1
には上部の開口5に開閉自在の蓋体3を被せて密封する
ことができる。この蓋体3を開けてから、圧力容器1に
被処理物を入れ、蓋体3を閉じて(下降して)固定し、
圧力容器1を密封した状態(図2参照)で、外部の加圧
ポンプ18から超高圧で加圧注水することにより、加圧
処理できる加圧装置を構成している。
【0020】[液圧回路の概略]圧力容器1の内部は加
圧処理室であるシリンダ1aを構成し、そのシリンダ1
aにはピストン3bが挿入と抜取りを自在に、上下動作
および任意の高さで固定可能に構成されている。このピ
ストン3bと一体構造の蓋体3には、その上部にピスト
ン3aが構成されている。このピストン3aは蓋体3の
開閉動作と、圧力容器1の密封維持のため蓋体3を下向
きに押圧固定できるように、水圧駆動するシリンダ2に
内挿されている。
【0021】加圧処理の液圧媒体である水の補足充填と
蓋体3の水圧駆動に要する低圧(5MPa)の水圧発生
のための給水ポンプ6と、加圧処理の液圧発生のための
超高圧の加圧ポンプ18が液圧回路中に配設されてい
る。そのほか液圧回路には蓋閉じ駆動の給水バルブ11
と排水バルブ13、蓋開け駆動の給水バルブ12が配設
されている。なお、給水バルブ11は加圧処理の液圧媒
体である水の補足充填するときも開く。なお、高圧バル
ブ14、減圧バルブ15、逆止弁16,17および配管
の詳細に関しては後述する。
【0022】シリンダ2は圧力容器1の上部に所定の間
隔を空け、図示しないフレーム等に支持され、そのシリ
ンダ2に内挿されたピストン3aが、後述する操作によ
り制御された液圧回路の設定する水圧の作用で上下動作
するように構成されている。そのピストン3aの下部で
一体構造のピストン3bが、圧力容器1における上部の
開口5からシリンダ1aに液密に嵌着挿入される。
【0023】[水質維持手段の概略]シリンダ2へは給
水ポンプ6が給水タンク7に蓄えられた水8を給水管9
より汲み上げて、配管20を通して、規定の水圧で圧入
する。給水タンク7の水8は、後述する理由により、衛
生的に保てるように、水質維持手段を伴って補水管10
より適宜に補給する。給水タンク7には薬液濃度維持装
置35が配設され、次亜塩素酸ナトリウム36を適量の
濃度で混入する。補水管10には流量計37が配設され
ており、この流量計37から補水管10の流量に応じて
発信されるパルス信号に基づいて薬液濃度維持装置35
の加薬ポンプ38を駆動し、有効塩素濃度1%の次亜塩
素酸ナトリウムが一万倍に希釈されることにより、給水
タンク7の水8に対して1ppmとなるように定量供給
する。
【0024】このように次亜塩素酸ナトリウムの水溶液
を適切な有効塩素濃度で用いれば、消毒などに好適であ
る。次亜塩素酸ナトリウムは水質維持手段として、水道
に0.1ppm、プールおよび公衆浴場等では0.4p
pm以上の濃度で混入されているが、濃度が高すぎると
金属腐食の原因になる他、人体にも有害である。したが
って、本実施の形態では次亜塩素酸ナトリウムの濃度を
1ppm程度に管理して腐敗防止と軽度の殺菌を行って
いる。
【0025】このように、適量の次亜塩素酸ナトリウム
は清潔を必要とする食品加工その他の加圧処理に用いる
圧力媒体の水に混入でき、その水は飲料水として調製さ
れた上水道の成分と略同一成分だから、被処理食品に直
接触れてもよく、わずかであれば被処理食品に混入して
も何ら問題ない。なお、水質維持手段に用いられる薬物
は、次亜塩素酸ナトリウムの代わりに他の殺菌剤でもよ
く、例えばカルキと通称される高度サラシ粉があり、こ
の高度サラシ粉の主成分である次亜塩素酸カルシウムC
a(ClO)2を用いてもよい。
【0026】[蓋を下降する(閉じる)工程]図2に蓋
を閉じた状態を示しているので、適宜に参照しながら説
明する。なお、図2が示す第二の実施形態の液圧回路の
動作は後述する。操作は、給水ポンプ6をON、加圧ポ
ンプ18はOFF、給水バルブ11、排水バルブ13、
減圧バルブ15を開、その他の開閉箇所は全部閉。逆止
弁16,17は順方向に流通状態である。前述したよう
にシリンダ2には水圧駆動で上下動作および任意の高さ
で固定可能な蓋体3が内挿されている。ここで、給水ポ
ンプ6は配管20、配管21、給水バルブ11、配管2
2、逆止弁16、配管23、逆止弁17、配管24およ
び配管25を経由し、シリンダ2の上部のシリンダ2a
に所定の圧力で注水する。そうすると、給水ポンプ6の
水圧、逆止弁41のクラッキング圧力および蓋体3の自
重により、シリンダ2に内挿されたピストン3aの上面
がそのピストン面積に比例した押圧力で押し下げられ
る。
【0027】このとき、ピストン3aの下部のシリンダ
2bの水が排水されない限り、ピストン面積に比例した
力で反発され、ピストン3aは下げられないので、下げ
るためには、下から反発されないように排水バルブ13
を開いてシリンダ2bから排水すると蓋体3は下降を続
ける。排水バルブ13を通った水は大気圧中に放出さ
れ、放出された水は樋34または図示しない溝等で受
け、排水できるように構成されている。なお、従来例の
ように液圧駆動の圧力媒体に作動油を用いていれば、作
動油を捨てずに循環利用するが、本実施形態における圧
力媒体は水なので、蓋体3の開閉の都度に捨てて更新し
てもよい。あるいは、適宜に循環利用してもよいが、水
質を維持することが衛生上の必須要件である。
【0028】水圧駆動で上下動作および任意の高さに固
定可能な蓋体3は、シリンダ1aにおいて、上向きに押
し戻される力には、確実に対抗できるように、一方向に
のみ水流を許可する弁作用のある逆止弁16,17が要
所に配設され、効力を発揮する。すなわち、給水ポンプ
6の水圧により蓋体3が下降するようにピストン3aが
押し下げられたとき、これら蓋体3を上向きに押し戻そ
うとする力が発生し、ピストン3aがシリンダ2aの水
を押し返して排出し、配管25,24を経由して給水ポ
ンプ6の方へ逆流しようにも逆止弁17,16で逆流を
阻止されるので、ピストン3aは上から抑えつけられ、
蓋体3が持ち上がることはない。
【0029】一方、シリンダ2aの水が配管25,31
を経由して漏出しようにも高圧バルブ14が閉じている
ので阻止される。したがって、蓋体3を下降(閉じる)
する工程において、ピストン3a,3bで構成された蓋
体3は下がる動作しかできない。そして、ピストン3a
の下部で一体構造のピストン3bが、圧力容器1におけ
る上部の開口5に液密に嵌着挿入されるので、圧力容器
1は必ず密閉される(図2参照)。また、蓋体3の下降
中は減圧バルブ15が開いているので、シリンダ1aの
余分な水や空気を排出させることも容易にできる。この
ときピストン3bの中央にある底面穴3d、高圧導水路
3e、側面穴3cから減圧バルブ15を経て空気は排気
され、水は樋34へと排水される。その排水はシリンダ
1a内の上澄みであり(図2参照)、沈殿物等の混濁物
がないので、高圧導水路3eが目詰まり故障する可能性
も少ない。なお、高圧導水路3eが請求項3でいう高圧
導水路である。
【0030】[蓋で密閉される前に圧力容器内を満水状
態にする工程]操作は、給水ポンプ6をON、加圧ポン
プ18はOFF、給水バルブ11、高圧バルブ14を
開、その他の開閉箇所は全部閉。逆止弁16,17は順
方向に流通状態である。ここで、蓋体3が密閉される前
に、圧力容器1内の水量を調節し、圧力容器1内を満水
状態にしてから加圧を始めることにより、加圧処理に要
する作業時間を短縮する方法もある。そのためには、蓋
体3を閉じる(下降する)前または途中で、給水ポンプ
6により配管24,25まで給水され、そこに接続され
ている配管24,31から高圧バルブ14までは水が届
いているので、必要ならば高圧バルブ14を開いて側面
穴3c、高圧導水路3eから圧力容器1内の天井に位置
する蓋体3の底面穴3dを通して給水できる。
【0031】しかし、高圧バルブ14は高価で耐用寿命
も短く、しかもその開閉操作は自動制御が困難であるた
め、できれば開閉操作の頻度を減らしたい。そこで、蓋
体3の開いた圧力容器1内への注水は、図示せぬ注水ホ
ースなどにより手作業で行なってもよい。さらに高圧バ
ルブ14を用いることによる問題点は後述する第二実施
形態で解決している。このように、高圧導水路3e経由
で圧力容器1内に注水させれば、蓋体3を下降させる動
作を止めて、圧力容器1内にも注水できるので満水させ
るかまたは水量を任意に調節できる。
【0032】[被処理物を収納する工程]圧力容器1の
加圧処理室であるシリンダ1aの口元まで圧力媒体とし
ての水を満たし、そのなかに例えば、被処理物であるハ
ム・ソーセージ類を浸し、加圧処理を施すようになって
いる。説明の順番は前後するものの、蓋体3を開けた状
態で被処理食品等を開口5から圧力容器1内に出し入れ
する。
【0033】一旦、ピストン3bが、圧力容器1におけ
る上部の開口5に液密に嵌着挿入され(図2参照)、圧
力容器1が蓋体3により密閉されたならば、これらの内
容物が圧力で収縮する体積分だけしかピストン3bは下
がらない。ただし、前述した減圧バルブ15を開いてい
れば、ピストン3bを下げながら、シリンダ1aに収納
された圧力媒体の水と被処理物のうち上澄みの水と空気
だけを排出できるので、それらを排出した容積分だけピ
ストン3bは下がる。このとき、空気が先に排出され、
次に余剰の水が排出されるので、加圧処理前のエア抜き
や水量調整が不要となる。
【0034】従来の圧力容器の底部にあって液体の内容
物を出し入れしていた底部入出管(図示せず)に代わっ
て、圧力容器1内の天井に位置する蓋体3の底面穴3d
から外部の側面穴3cに貫通された高圧導水路3eを通
して注排水できるため、圧力容器1の底部に溜まる沈殿
物による目詰まり等、注排水管の故障を回避できる他、
圧力容器1の上部に残留する空気も排除できる。したが
って、圧力容器1内の水量調節および排気減圧作業が容
易にできるようになる。このように、加圧処理を実行す
る前に、前記圧力容器1内の水量を満水状態にしてから
加圧処理を実行できるので、エア抜きの手間が省けて加
圧処理に要する作業時間が短縮される。ただし、圧力容
器1の蓋体3を開けて、開口5から被処理物を入れる際
に、実務上は水を多めに入れておき、蓋体3を閉じなが
ら余分な水を高圧導水路3eを通して自動排水する。し
たがって、解放状態においては高圧導水路3eを通した
補足注水はほとんど必要無い。
【0035】さらに詳しくは、蓋体3の底面穴3dから
側面穴3cに通じる高圧導水路3eにより、シリンダ1
aの外部へ余分な水と空気を排出できるので、給水ポン
プ6から給水しながら給水バルブ11と減圧バルブ15
を開いていれば、シリンダ1a内部の水量調整ができ、
水量調整した分だけピストン3bは下がる。そして、蓋
体3の上下動作するストロークは、下限は前記水量調整
可能な最低水位の深さまでとし、その下限端まで蓋体3
を下げてから加圧を行ない、上限は前記被処理食品等の
出し入れに必要な間口を確保できる程度とされる。な
お、前記被処理食品等の出し入れに必要な間口を確保す
るために、蓋体3の外れた圧力容器1を水平方向に移動
することにより、開口5を上の方から全開口面にわたり
平面視できるようにする技術は周知である。
【0036】[加圧する工程]操作は、給水ポンプ6と
加圧ポンプ18をON、給水バルブ11、高圧バルブ1
4を開、その他の開閉箇所は全部閉。逆止弁16,17
は順方向に流通状態である。注水量の確保できる給水ポ
ンプ6に代わって、超高圧を発生できる加圧ポンプ18
により、給水ポンプ6では得られない250MPaの水
圧(以下、「超高圧」という)をシリンダ2aに加え
る。ここでシリンダ2aに加圧注水する際に逆止弁1
6、17が逆流阻止の弁作用するので、給水ポンプ6に
超高圧の害は及ばないし、一度加圧したならば、シリン
ダ2の側で漏水しない限り、送水元である加圧ポンプ1
8へは圧力媒体の水が逆流することなく、加圧ポンプ1
8の動力に無駄がない。
【0037】さらに、圧力容器1に加圧するためには、
加圧ポンプ18の超高圧をシリンダ1aに直接に加圧注
水する。そのために、従来の圧力容器の底部に高圧導水
路の配管(図示せず)されていた代わりに、蓋体3に側
面穴3cと底面穴3dを穿孔し蓋体3の中心部でL字状
に貫通し高圧導水路3eを形成している。そして、加圧
ポンプ18の超高圧を配管30、配管23、逆止弁1
7、配管24、配管31、高圧バルブ14、配管32、
配管33および高圧導水路3eを経由してシリンダ1a
に加圧注水する。
【0038】ただし、蓋体3が圧力容器1における上部
の開口5の正常位置に液密に嵌着挿入され、圧力容器1
が蓋体3により密閉されるまでは、高圧導水路3eへは
加圧ポンプ18からの超高圧が加えられても解放状態で
は圧力洩れするだけで加圧されずに無駄だから、高圧バ
ルブ14を閉じて隔離している。当然に、加圧ポンプ1
8は蓋体3が完全に閉じ、圧力容器1が閉塞されてから
(図2参照)動作を開始する。
【0039】この時、加圧ポンプ18からは逆止弁17
のクラッキング圧力を超える超高圧が発生し、その超高
圧を圧力媒体である水が、配管24および配管31を経
由して高圧バルブ14まで到達する。高圧バルブ14は
開いており、矢印42の方向に超高圧が配管32,33
および高圧導水路3eを経由してシリンダ1aに加えら
れる。このとき、シリンダ1aに加えられる圧力と同じ
圧力がパスカルの原理でシリンダ2aに配管25経由で
共通に加わっており、ピストンの有効面積に比例した下
向きの押し圧力を発生している。
【0040】図示するように蓋体3の上部のピストン3
aのほうが下部のピストン3bよりも大きいので、大き
い方のピストン3aが蓋体3を押し下げようとする力の
方が強く作用し、蓋体3はこの加圧する工程で加圧した
圧力により持ち上がる心配はなく、シリンダ1aで圧縮
された容積分を常に隙間なく下部のピストン3bが追い
詰めるように蓋体3が下がるので、加圧処理に隙がなく
効率が良い。なお、逆止弁17の弁作用により、配管2
4においては、加圧する方向にしか液圧は作用しない。
【0041】[減圧する工程]操作は、給水ポンプ6と
加圧ポンプ18をOFF、減圧バルブ15を開、その他
の開閉箇所は全部閉である。シリンダ1a内が超高圧を
保持されたままで減圧せずにいきなり、圧力容器1から
蓋体3を抜き取ると、急激な圧力変化のため、高圧水が
噴射したり、蓋パッキンが飛び出したりすることがある
ため危険であり、機械装置全体が損傷する可能性もある
ので、蓋を開ける前にシリンダ1a内を大気圧まで減圧
する工程が不可欠である。したがって、減圧用のバルブ
15が開けば底面穴3d、高圧導水路3e、側面穴3c
から配管33を経由してシリンダ1a内と外部へ通気さ
れ、その減圧バルブ15を通って大気圧中に解放され、
圧力媒体の水があふれ出れば樋34で受け止めて、排水
または循環利用される。
【0042】しかし、高圧バルブ14と減圧バルブ15
は250MPの超える超高圧に耐えながら適切に液圧回
路の開閉切り換え機能する特殊仕様品であり、高価で寿
命も短いので、できれば使用を避けたい部品である。そ
こで、後述する第二の実施形態において、減圧バルブ1
5は残すが、高圧バルブ14を簡素かつ安価で堅牢な逆
止弁41に置き換えている。
【0043】[蓋を上昇する工程]操作は、給水ポンプ
6をON、加圧ポンプ18はOFF、給水バルブ12、
高圧バルブ14および減圧バルブ15を開、その他の開
閉箇所は全部閉である。給水ポンプ6から給水し、配管
20、配管26、給水バルブ12、配管27を経由して
シリンダ2bに注水する。このとき、シリンダ2に内装
されたピストン3aが自由に上昇できるように、高圧バ
ルブ14および減圧バルブ15を開いてあれば、その経
路からシリンダ2a内の水を排水し、蓋体3は上昇を続
ける。減圧バルブ15を通って大気圧中に解放され、あ
ふれ出した水は樋35か図示しない溝等で受け止めて、
排水または循環利用される。
【0044】図2は図1の構成を変形し、高圧バルブ1
4を簡素かつ安価で堅牢な逆止弁41に置き換えた第二
の実施形態において、蓋体3を閉じた状態を示す液圧回
路図である。以下、図2に沿って、第二の実施形態を詳
細に説明する。図2において、蓋体3を下降するときお
よび加圧処理するときに水圧を伝達する液圧回路の配管
24,25,31と、高圧導水路3eとを接続する配管
32,33との間に、1MPaのクラッキング圧力に設
定され、送水圧力に対応して開閉動作する逆止弁41
を、図1に示した高圧バルブ14に置き換えて配設して
いる。この逆止弁41が請求項2でいう逆止弁である。
なお、各図にわたり、同一効果の部分には同一符号を付
して、説明の重複を避ける。ここで、逆止弁41が流通
可能な状態になるタイミングは高圧バルブ14を開くタ
イミングと同じである。また、逆止弁16,17,41
の基本動作仕様は以下の通り、 1)矢印42の逆方向への流通は阻止する。 2)矢印42に沿った順方向の流通条件は規定圧力(ク
ラッキング圧力)を超えること。 3)クラッキング圧力に達しない限り、順逆両方向に対
して閉止状態を維持する。
【0045】逆止弁41または高圧バルブ14が流通状
態になるタイミングには、前述した蓋体3を上昇する工
程のほか、圧力容器1に補足注水または加圧注水する工
程があるので、以下に関連する工程の動作を示す。 [加圧する工程]操作は、給水ポンプ6と加圧ポンプ1
8をON、給水バルブ11を開、その他の開閉箇所は全
部閉。逆止弁16,17,41は順方向に流通状態であ
る。蓋体3が圧力容器1の開口5を完全に密閉し、圧力
容器1内に加圧するために、加圧ポンプ18で発生させ
る250MPaの超高圧によりシリンダ1aへ直接に加
圧注水する時である。この時、加圧ポンプ18からは逆
止弁41のクラッキング圧力1MPaをはるかに超える
超高圧が発生し、超高圧の水が配管24および配管31
を経由して逆止弁41まで到達すると、逆止弁41のク
ラッキング圧力を超えて逆止弁41の順方向(矢印4
2)に対して流通が許可され、配管32、配管33およ
び高圧導水路3eを経由してシリンダ1aに加圧注水さ
れる。なお、逆止弁41の逆方向に対しては圧力を伝達
させる必要はなく、許可されることもない。
【0046】[蓋を上昇する工程]操作は、給水ポンプ
6をON、加圧ポンプ18はOFF、給水バルブ12お
よび減圧バルブ15を開、逆止弁41は順方向に流通状
態である。その他の開閉箇所は全部閉である。給水ポン
プ6は配管20、配管26、給水バルブ12、配管27
を経由してシリンダ2bへ低圧レベルの給水圧力5MP
aで注水する。このとき、シリンダ2に内装されたピス
トン3aが自由に上昇できるように、逆止弁41および
減圧バルブ15を通してシリンダ2a内の水を排除す
る。すると、蓋体3は上昇を続ける。ここで、給水ポン
プ6からは逆止弁41のクラッキング圧力1MPaを超
える5MPaの水圧が発生しており、その水圧がピスト
ン3aを押し上げ、シリンダ2aの容積を縮めて排水
し、その排水が配管25および配管31を経由して逆止
弁41まで到達すると、逆止弁41のクラッキング圧力
1MPaを超える排水圧力が逆止弁41の順方向(矢印
42)に対して流通を許可され、バルブ15を通って大
気圧中に解放され、あふれ出た水は樋34か図示しない
溝等で受け止められて、排水される。
【0047】[蓋を下降する工程]操作は、給水ポンプ
6をON、加圧ポンプ18はOFF、給水バルブ11、
排水バルブ13、減圧バルブ15を開、その他の開閉箇
所は全部閉。逆止弁16,17、41は順方向に流通状
態である。利用の順番とは前後するが、給水ポンプ6が
逆止弁41のクラッキング圧力を超える給水圧力5MP
aにより配管21、バルブ11、配管22、逆止弁1
6、配管23、逆止弁17、配管24および配管25を
経由してシリンダ2aに低圧5MPaで注水する。この
とき、ピストン3aの下側の水がシリンダ2bから排水
バルブ13により排水されることは図1で説明した通り
である。ここで、逆止弁16,17,41のクラッキン
グ圧力は1MPa程度であり、低圧5MPa程度の給水
を抵抗なく順方向に通過させ、逆方向には超高圧の水で
も遮断できる。
【0048】ここで、逆止弁41も矢印42の示す順方
向に通水し、一部が減圧バルブ15から排水し、高圧導
水路3eからもある程度の漏水しながら、蓋体3は下降
する。なお、順方向に通水中の逆止弁41は、矢印42
の逆方向に対して圧力を伝達させる性質はないが、順方
向阻止圧力1MPaに相当する圧力を、逆止弁41の手
前側にあるシリンダ2aに加える作用があるので、ある
程度の漏水しながらもピストン3aを下向きに押し下げ
る。
【0049】まず、蓋体3を開く(上昇する)ときは給
水ポンプ6の低圧レベルの送水圧力5MPaでシリンダ
2bに注水し、ピストン3aの上昇に伴ってシリンダ2
aから発生した余水は、逆止弁41のクラッキング圧力
1MPaを超えるので順方向に流通し、シリンダ2aの
余水を排水する。つぎに、蓋体3を閉じる(下降する)
ときは給水ポンプ6からの低圧レベルの送水圧力5MP
aで駆動するほか蓋体3の自重によって下降する。
【0050】ここで、蓋体3が密閉される前に、圧力容
器1内の水量を調節し、満水状態にしてから加圧を開始
し、エア抜きを不要にすることにより、加圧処理に要す
る作業時間を短縮する方法もある。そのためには、蓋体
3を閉じる(下降する)ときに給水ポンプ6を運転し、
圧力5MPaで給水し、低レベルの送水圧力5MPaに
対して逆止弁41は順方向に流通する。したがって、蓋
体3を下降させる動作のみならず、圧力容器1内に注水
もできるので水量を自在に調節できる。ただし、圧力容
器1内には開口5から図示せぬ給水管等により直接に、
予め多めの水を入れておけば、特に圧力容器1内の水量
調節を行わなくても高圧導水路3eから余分な水は自動
排水される。
【0051】さらに、加圧注水するときは加圧ポンプ1
8の超高圧レベルの送水圧力250MPaに対しクラッ
キング圧力1MPaをはるかに超えるので逆止弁41は
順方向に流通する。そうすると、圧力容器1を加圧する
ために、加圧ポンプ18で発生させる超高圧によりシリ
ンダ1aへ加圧注水できる。これらの逆止弁16,1
7,41は、超高圧仕様であるにもかかわらず、高圧バ
ルブ14に比べて簡素な構造であるため安価で故障も少
ない。
【0052】つぎに、図3により第三の実施形態を示し
て説明する。図3において圧力容器1の底面に配設した
配管29および高圧導水路1eは、図2で示した第二の
実施形態における、圧力容器1の天井部に設けた高圧導
水路3eと、その高圧導水路3eに接続する配管33の
配設位置を変化させたものである。すなわち、高圧導水
路1eはシリンダ1aの底面から外部へ貫通し、配管2
9により開いた状態の減圧バルブ15に接続しているの
で、蓋体3を閉じる際に、高圧導水路1eからシリンダ
1aの内容物を押し出すように排出するとエアより先に
容器底部の水が抜けるのでエア抜きはできない。しか
し、蓋体3を閉じる際にエア抜きができない以外は、逆
止弁41の作用効果をはじめ、蓋体3の開閉や加圧処理
の動作は第二の実施形態と同様である。なお、高圧導水
路1eが請求項2でいう高圧導水路である。図3におい
て、蓋体3を下降するときおよび加圧処理するときに水
圧を伝達する液圧回路の配管24,25,31と、高圧
導水路1eとを接続する配管32,29との間に、逆止
弁41を配設している。この逆止弁41が請求項2でい
う逆止弁である。
【0053】また、実施の形態では、主に食品の加圧処
理を行う加圧装置に関する説明をしているが、本発明の
応用範囲は食品の加圧処理に限定することなく、その他
の材料に数千気圧の高圧を作用させ、加圧処理加工に応
用できる加圧装置である。また、クラッキング圧力が1
MPa、給水ポンプ6の給水圧力が5MPa、加圧ポン
プ18の超高圧250MPa等の数値は実施の一形態を
示したに過ぎず、他の数値に設定されても主要な構成要
件が一致すれば本発明の技術思想に含まれる。
【0054】図4は第四の実施形態において、バルジ加
工機に応用した液圧回路図である。動作原理は図2、図
3に示した第二、第三の実施形態による液圧回路と同様
である。したがって、各図にわたり同一符号で示した箇
所の説明は省略し、図4に示した第四の実施形態にのみ
固有の箇所の説明を以下に行う。
【0055】図4において、バルジ加工用の下型44が
フレーム50の低部で内部を上向きして固定されてい
る。この下型44は、これに対面するように、内部を下
向きにして上下動作自在の上型43と一対をなしてい
る。フレーム50の上部ではシリンダ2が下向きに突出
した上下動作自在のピストン3aを液密に嵌挿し、液圧
回路における第一の液圧作動部をなしている。
【0056】ピストン3aには給水ポンプ6の給水圧力
が5MPaまたは加圧ポンプ18の超高圧250MPa
が作用するので、そのピストン3aの下方に一体的に取
り付けられた上型43は上下動作自在で、しかも矢印1
03の示す下向きに強固な押し圧力を安定的に得られ
る。図示するように、パイプ材などの加工ワーク100
の縦断面方向に分割と合体を可能とする一対の上型43
と下型44でなる前記バルジ成形型は、合体する方向の
加圧と解放の動作を、シリンダ2内でピストン3aに作
用する液圧力により自在にする。
【0057】ここで、上型43の上下動作は給水ポンプ
6の給水圧力5MPaによりなされるので、前記バルジ
成形型が分離した状態で、加工ワーク100を所定位置
に装填した後に、上型43を下型44に被せて押し付け
る。それと同時に、逆止弁41を通過した水が配管32
aおよび高圧導水路33aを経由した加工ワーク100
の内壁にも充満する。
【0058】また、油圧ユニット46の発生する液圧は
配管47または配管48を経由して軸押しシリンダ45
に加えられ、シリンダ45に液密嵌挿された軸押しピス
トン49が、加工ワーク100の軸端から軸中央にパイ
プ材の膨出変形に伴う肉厚変化を調整するための軸圧縮
方向の加圧または解放を自在にする前記第二の液圧作動
部を構成している。
【0059】ここで、加工ワーク100が上型43と下
型44でなる前記バルジ成形型に装填され、軸押しピス
トン49が、油圧ユニット46の発生する液圧が配管4
7を経由してシリンダ45aに達すると、加工ワーク1
00は軸端から軸中央にパイプ材の膨出変形に伴う肉厚
変化を調整するよう軸圧縮方向の加圧される。なお、液
圧が配管47に代わり配管48を経由してシリンダ45
bに達すると、加工ワーク100をその軸端を両側から
押圧していた軸押しピストン49は押圧力が弛緩する方
向に作動し、加工ワーク100は解放される。
【0060】バルジ加工するとき、逆止弁41を通過し
た水が配管32aおよび高圧導水路33aを経由した加
工ワーク100の内壁にも充満しているので、この水を
加圧媒体として、加圧ポンプ18により例えば超高圧2
50MPaの加圧する。すると加工ワーク100の内壁
は矢印102の方向に膨出するので、前記バルジ成形型
の内壁に当接するまで変形し、バルジ加工される。な
お、超高圧250MPaは加圧装置全体の動作を説明す
る目安の数値であり、バルジ加工中における加圧の程度
は250MPaに限らず加工ワーク100の材質によっ
て適切に加減する。
【0061】バルジ加工の最中には、前記バルジ成形型
が分離する方向に上型43を下型44から持ち上げる応
力が発生するが、加圧ポンプ18から超高圧250MP
aの液圧がシリンダ2aに加えられており、ピストン3
aにより、前記持ち上げ応力に対抗できる矢印103方
向の押し下げ力が作用するので、バルジ成形型を強固か
つ安定的に締結させられる。
【0062】なお、前記第二の液圧作動部は、油圧ユニ
ット46の発生する液圧に代えて、前記第一の液圧作動
部を駆動する液圧と兼用するように液圧回路を構成(図
示せず)しても良い。そうすると、さらに液圧回路が簡
素な構成になるほか、液圧媒体を水で統一すれば、液洩
れしても無害である。
【0063】このように、被加工材料のパイプ材を内側
から外側へ膨出加工する液圧を、前記バルジ成形型の離
合締結動作にも兼用できるので、液圧回路およびその制
御機構を簡素にできる。同様に前記パイプ材の膨出変形
に伴う肉厚変化を調整するための軸圧縮方向の加圧と解
放の動作にも兼用できる。また、バルジ成形加工中にバ
ルジ成形型の締結が外れる危険を生じさせないだけの締
結力を、前記液圧により与えられるので安全である。そ
して、液圧媒体に水を用いれば、液洩れしても無害であ
り、環境衛生上の都合が良い。
【0064】
【発明の効果】以上、詳述したように構成したので、請
求項1に係る発明によれば、作動油を使用しないので、
圧力容器の内外に油が垂れ落ちることもなく衛生的であ
り、清潔を必要とする食品加工その他の加圧処理に好適
である。また、蓋の開閉および密閉維持に要する水圧駆
動の液圧媒体と加圧処理用の液圧媒体を兼用した分だ
け、液圧回路が簡素化され、安価になる。
【0065】また、請求項2に係る発明に係る発明によ
れば、弁作用により、一連の加圧処理の操作すなわち、
はじめに蓋を上昇して圧力容器の蓋を開け、その開口か
ら被処理物を投入し、つぎに蓋を下降して圧力容器の開
口を完全に密閉し、その後に圧力容器内を加圧するまで
の操作に対し、逆止弁の開閉操作は自動的に行われる。
【0066】このように、ポンプ圧力に対応して開閉操
作が自動的に行われる逆止弁を備えた場合は、運転操作
も簡単になり、しかも自動制御が困難で故障の多い高圧
バルブの使用箇所を減らせるので、保守点検整備の負担
が軽減される。
【0067】また、請求項3に係る発明に係る発明によ
れば、圧力容器内の天井に位置する蓋の底面から外部に
貫通された高圧導水路を通して注排水できるため、圧力
容器の底部に溜まる沈殿物による目詰まり等、注排水管
の故障を回避できる他、圧力容器内の上部に残留する空
気も排除できる。
【0068】したがって、圧力容器内の水量調節および
排気減圧作業が容易にできるようになる他、加圧処理を
実行する前に必要あれば高圧導水路を通して注水するこ
とにより、圧力容器内の水量を満水状態にしてから加圧
処理をはじめられるので、加圧処理に要する時間が短縮
される。
【0069】また、請求項4に係る発明によれば、被加
工材料のパイプ材を内側から外側へ膨出加工する液圧
を、前記バルジ成形型の離合締結動作にも兼用できるの
で、液圧回路およびその制御機構を簡素にできる。同様
に前記パイプ材の膨出変形に伴う肉厚変化を調整するた
めの軸圧縮方向の加圧と解放の動作にも兼用できる。ま
た、バルジ成形加工中にバルジ成形型の締結が外れる危
険を生じさせないだけの締結力を、前記液圧により与え
られるので安全である。そして、液圧媒体に水を用いれ
ば、液洩れしても無害であり、環境衛生上の都合が良
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施形態において、蓋を開けた状態を示
す液圧回路図である。
【図2】第二の実施形態において、蓋を閉じた状態を示
す液圧回路図である。
【図3】第三の実施形態において、蓋を閉じた状態を示
す液圧回路図である。
【図4】第四の実施形態において、バルジ加工機に応用
した液圧回路図である。
【符号の説明】
1 圧力容器 1a シリンダ(加圧処理室) 1e,3e,33a 高圧導水路 2 シリンダ(蓋開閉駆動) 3 蓋体 3a,3b ピストン 3c 側面穴 3d 底面穴 5 開口 6 給水ポンプ(蓋の開閉駆動と給水) 7 給水タンク 8 水(圧力媒体) 9 給水管 10 補水管 11 給水バルブ(蓋閉め給水) 12 給水バルブ(蓋開け専用) 13 排水バルブ 14 高圧バルブ 15 減圧バルブ 16,17,41 逆止弁 18 加圧ポンプ(超高圧) 20,21,22,23,24,25,26,27,2
8,29,30,31,32,32a,33,47,4
8 配管 34 樋 35 薬液濃度維持装置 36 次亜塩素酸ナトリウム(NaClO) 37 流量計 38 加薬ポンプ 42,102,103 矢印 43 上型 44 下型 45 軸押しシリンダ 45a,45b シリンダ 46 油圧ユニット 49 軸押しピストン 50 フレーム 100 パイプ材などの加工ワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高沢 義昭 富山県魚津市本江2410番 株式会社スギノ マシン内 Fターム(参考) 3H089 AA90 BB15 BB27 BB30 CC01 DA02 DA06 DB05 DB33 GG01 HH16 HH30 JJ03 JJ20 4B021 LP07 LT04 4E090 AB03 BA01 CA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開口部を上向きに縦型設置されたシリンダ
    状の圧力容器と、前記開口部で抜き差しと任意固定を自
    在にするピストン構造の蓋と、前記蓋を前記開口部へ液
    密に嵌着挿入して密封加圧する状態と、前記蓋を前記開
    口部から外した状態と、を区別する制御自在の液圧回路
    と、を備えた加圧装置において、前記蓋の開閉が水圧駆
    動でなされ、その水圧駆動の作動水を加圧処理の液圧媒
    体に兼用したことを特徴とする加圧装置。
  2. 【請求項2】前記蓋を下降するときおよび加圧処理する
    ときに水圧を伝達する前記液圧回路と、前記圧力容器の
    内外にわたり流通と閉塞を自在にする高圧導水路とを接
    続する配管に、所定の順方向阻止(クラッキング)圧力
    に設定され、送水圧力に対応して開閉動作する逆止弁を
    備えたことを特徴とする請求項1に記載の加圧装置。
  3. 【請求項3】前記蓋の底面から側面にかけて貫通し前記
    圧力容器の内外にわたり流通と閉塞を自在にする高圧導
    水路を備えたことを特徴とする請求項1に記載の加圧装
    置。
  4. 【請求項4】バルジ成形型に装填されたパイプ材の内側
    に高圧を作用させて前記パイプ材の一部を膨出させる液
    圧回路を備え、前記バルジ成形型の内径に沿った形状に
    冷間成形するバルジ成形加工する加圧装置であって、前
    記パイプ材の縦断面方向に分割と合体を可能とする前記
    バルジ成形型が合体する方向の加圧と解放を自在にする
    第一の液圧作動部と、前記パイプ材の膨出変形に伴う肉
    厚変化を調整するための軸圧縮方向の加圧と解放を自在
    にする前記第二の液圧作動部と、を備えた加圧装置にお
    いて、前記液圧回路により前記第一の液圧作動部および
    /または前記第二の液圧作動部とを作動させるようにし
    たことを特徴とする加圧装置。
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