JP2003210901A - 濃縮装置 - Google Patents

濃縮装置

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JP2003210901A
JP2003210901A JP2002329997A JP2002329997A JP2003210901A JP 2003210901 A JP2003210901 A JP 2003210901A JP 2002329997 A JP2002329997 A JP 2002329997A JP 2002329997 A JP2002329997 A JP 2002329997A JP 2003210901 A JP2003210901 A JP 2003210901A
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liquid
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gas
heater
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JP2002329997A
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Kazuyuki Akita
和之 秋田
Toshiharu Minoda
稔治 蓑田
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一定濃度で濃縮液を取り出すことのできる濃
縮装置を提供すること。 【解決手段】 供給された溶液を、操作圧力におけるそ
の溶液の沸点以上の温度に加熱された加熱媒体を用いて
加熱し、溶媒蒸気を蒸発させる加熱器と、前記加熱器に
よる加熱によって発生した気液混相流を液相と気相とに
分離する気液分離器と、前記気液分離器における液相を
前記加熱器に戻す返送手段と、前記気液分離器における
液相の一部を取り出す液相抜き取り手段と、前記液相抜
き取り手段により取り出された液相の濃度を検出する濃
度検出手段と、前記濃度検出手段により検出された液相
の濃度が所定の閾値を超えるときには液相の抜き取りを
開始し、前記液相の濃度が所定の閾値を下回るときには
前記液相の抜き取りを停止するように前記液相抜き取り
手段を制御する制御手段とを備えて成ることを特徴とす
る濃縮装置

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は濃縮装置に関し、
さらに詳しくは、適正濃度に濃縮可能な濃縮装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の一例としての、多くの化学プロセ
スにごく一般的に使用されている連続濃縮装置の一形態
である強制循環式流下薄膜型蒸発装置(FFE、Fallin
g FilmEvaporator)は、加熱器である多管式熱交換機
と、この多管式熱交換器において加熱される液体の運転
圧力における沸点以上の温度になっている加熱媒体によ
り加熱され、それによって発生した気液混合物を気相即
ち蒸気と液相とに分離する気液分離器と、この気液分離
器で分離された液相をプロセスへの供給液と共に前記多
管式熱交換器に返戻する返戻循環ラインと、この返戻循
環ラインに沿って液体を送出する循環ポンプと、前記気
液分離器より液相の一部を濃縮液として取り出す抜き出
しラインと、前記気液分離器で分離された気相を凝縮す
るコンデンサーと、このコンデンサーで凝縮されて生成
した液を取り出す取り出しラインとを備える。
【0003】この連続濃縮装置は、連続濃縮装置に仕込
む供給液の流量と気液分離器又は返戻循環ラインからの
濃縮液抜き取り流量との比を一定に保ちつつ、加熱器に
おける加熱量の増減により蒸気発生量を調整することに
より気液分離器の液面を一定にするように運転管理さ
れ、又は、連続濃縮装置に仕込む供給液の流量と加熱器
における蒸気発生量との比を加熱量の調整により一定に
保ちつつ、気液分離器又は返戻循環ラインからの濃縮液
抜き取り流量を調節することにより気液分離器の液面を
一定にするように運転管理されている。
【0004】一方、近年においては原薬又は重要医薬中
間体の製造において大型クロマトグラフィーにおける分
離技術を応用する例が急激に増加しつつある。特に、光
学異性体混合物を効率的に光学分割する方法として、連
続かつ大量生産の可能な連続クロマトグラフィー法の一
つである擬似移動床式分離法が普及しつつある。この擬
似移動床式分離法による光学異性体混合物の光学分割に
おいては、擬似移動床式分離法により光学分割が行われ
て希薄な目的成分を含む溶液を薄膜加熱器により濃縮
し、蒸発及びコンデンサーにおける凝縮により回収され
た溶媒を再利用しつつ、目的成分が濃縮されてなる濃縮
液から晶析操作により目的物の粉体又は結晶を取り出す
ことが、一般的に行われている。このような光学異性体
混合物は、熱に敏感なことが多いので、加熱器としては
伝熱効率が良く、しかも圧力損失が少ないという点で減
圧操作に適し、加熱源の温度を低く保つことができる流
下薄膜型(FFE)及び撹拌膜型(WFE、Wiped Film
Evaporator)等の薄膜型加熱器が一般的に用いられて
いる。
【0005】擬似移動床式分離法を利用して原薬又は重
要医薬中間体等を製造する技術においては、GMPに基
づく厳密な製造管理が求められる。何故ならば、原薬及
び重要医薬中間体はいずれも極めて高価であるからであ
る。
【0006】原薬又は重要医薬中間体等の製造における
厳密な製造管理は、その晶析工程にも当て嵌まる。つま
り、晶析工程に供される溶液の濃度が過小であると、ク
ロマトグラフに使用される溶媒は通常、目的物に対する
良溶媒であり、即ち晶析工程において結晶の析出を阻害
する性質を有するので、晶析工程での結晶析出不良をも
たらすおそれがあり、逆に、溶液の濃度が過大であると
晶析工程にその溶液を供給する途中で結晶析出が起こ
り、或いは溶液の粘度が大きくて送液不良を起こすと言
った問題を生じる。
【0007】したがって、擬似移動床式分離法を用いて
原薬及び重要医薬中間体等の高価な物質を光学分割して
光学活性な物質を製造する方法を実施する工程に、強制
循環式流下式薄膜型蒸発装置を使用する場合に、製造プ
ロセスの立ち上げ時には、連続濃縮装置における濃縮液
の濃度が低いレベルからスタートするので、連続濃縮装
置に供給する原料液の供給量に対する濃縮液抜き取り液
量を単純に設定するだけでは、その連続濃縮装置の運転
状態が定常状態に達するまでの濃縮液抜き取り量中の目
的物の濃度が低くなってしまう。その結果、晶析を効率
的に行うことができなくなる。
【0008】また、擬似移動床式分離装置における運転
条件の変更があったときには、迅速に連続濃縮装置の条
件を迅速に変更することができないと言う問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は前記
問題点を解決することにある。すなわち、この発明の目
的は、擬似移動床式クロマトグラフ装置から供給される
エキストラクト又はラフィネートを濃縮する際に、所定
の濃度に自動的に維持することのできる濃縮装置を提供
することにある。
【0010】この発明の他の目的は、前記エキストラク
ト又はラフィネートの濃縮液を効率的に晶析することが
できるように所定の濃度に維持された濃縮液を容易に製
造することのできる濃縮装置を提供することにある。こ
の発明の更に他の目的は、前記エキストラクト又はラフ
ィネートの濃縮液を効率的に晶析することができるよう
に目的成分が所定の濃度に維持された濃縮液が所定量溜
まると、自動的にその濃縮液を晶析装置に移送すること
ができるようにした濃縮装置を提供することにある。
【0011】この発明の他の目的は、擬似移動床式クロ
マトグラフ装置の運転開始時においても濃縮液の濃度を
高くすることができ、また運転条件の変更があっても濃
縮液の濃度を適正に維持することのできる濃縮装置を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、(1) 供給された溶液を、操作圧力におけ
るその溶液の沸点以上の温度に加熱された加熱媒体を用
いて加熱し、溶媒蒸気を蒸発させる加熱器と、前記加熱
器による加熱によって発生した気液混相流を液相と気相
とに分離する気液分離器と、前記気液分離器における液
相を前記加熱器に戻す返送手段と、前記気液分離器にお
ける液相の一部を取り出す液相抜き取り手段と、前記液
相抜き取り手段により取り出された液相に含まれる目的
成分の濃度を検出する濃度検出手段と、前記濃度検出手
段により検出された前記濃度が所定の閾値を超えるとき
には液相の抜き取りを開始し、前記濃度が所定の閾値を
下回るときには前記液相の抜き取りを停止するように前
記液相抜き取り手段を制御する制御手段とを備えて成る
ことを特徴とする濃縮装置であり、(2) 前記(1)
の濃縮装置において、前記濃度検出手段が、抜き出され
た液相に含まれる目的成分の濃度に関連する物性を測定
する物性測定手段と、この物性測定手段で測定された物
性値から液相の濃度を計算する演算手段とを含んでなる
濃縮装置であり、(3) 前記(2)の濃縮装置におい
て、前記物性測定手段が、質量流量計、ガンマ線透過式
密度計、又は抜き出された液相の粘度を測定する粘度測
定手段である濃縮装置であり、(4) 前記(1)の濃
縮装置において、前記返送手段は、前記気液分離器にお
ける液相を前記加熱器に戻す配管とこの配管に介装され
たポンプと前記ポンプの下流側である前記配管に取り付
けられ、配管内の液相の一部を取り出し、次いでこの一
部の液相を戻すバイパス流路とを備え、前記濃度検出手
段が、前記バイパス流路に配設された質量流量計及び流
量調節弁を備え、前記液相抜き取り手段が、前記バイパ
ス流路における前記質量流量計及び流量調節弁の下流側
に設けられた三方切替弁と、この三方切替弁に結合され
た流路とを備えて成る濃縮装置であり、(5) 前記
(1)〜(4)のいずれかの濃縮装置において、前記液
相抜き取り手段が前記気液分離器から晶析操作に付する
ために液相を移送する手段である濃縮装置であり、
(6) 前記(1)〜(5)のいずれかの濃縮装置にお
いて、前記液相抜き取り手段が移送手段によって複数の
貯蔵手段に結合され、前記移送手段は液相を貯留する前
記複数の貯蔵手段のうちの一つに液相を供給するように
液相の流路を切り換える流路切換手段を備え、前記制御
手段は、前記一つの貯蔵手段における液相中の目的成分
の量が所定量に達すると、その貯蔵手段への液相の流通
を停止し、他の貯蔵手段に液相が流通するように流路切
替手段の切換を制御可能にしてなる濃縮装置であり、
(7) 前記(6)に記載の濃縮装置において、前記液
相中の目的成分の量が、前記制御手段において液相の流
量と液相の濃度との乗算により計算される時間積分値で
あり、(8) 前記(6)に記載の濃縮装置において、
前記液相中の目的成分の量が、前記制御手段において貯
蔵手段中に貯留されている液相の容積とその液相の平均
濃度との乗算により計算される値である。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の一実施例であ
る濃縮装置を示す概略説明図である。図1に示されるよ
うに、この発明に係る濃縮装置1は、加熱器2と、気液
分離器3と、返送手段4と、液相抜き取り手段5と、濃
度検出手段6と、制御手段7とを有する。
【0014】前記加熱器2は、擬似移動床式クロマトグ
ラフ装置(図示せず。)から供給されるエキストラクト
又はラフィネート(以下において、これらを供給液と称
することがある。)と返送手段4により強制循環された
液相即ち濃縮液との混合液を、その操作圧における沸点
以上の温度に加熱することのできる加熱手段2Aで加熱
することにより、前記混合液の一部を蒸発させるように
設計される。この加熱器2が強制循環式流下薄膜型加熱
器の場合には、加熱器2として垂直長管型の多管式熱交
換器が用いられる。
【0015】したがって、この加熱器2は、その塔頂部
に、擬似移動床式クロマトグラフ装置から抜き出される
前記エキストラクト又はラフィネートと循環液との混合
液をこの加熱器2内に導入する供給液導入路8a,8b
が結合され、その塔底部に、濃縮された溶液(濃縮液又
は液相とも称する。)及び蒸気を気液分離器3に移送す
る移送路9が結合され、また、前記エキストラクト又は
ラフィネートを所定の蒸発量を得るために加熱する加熱
手段2Aを有してなる。
【0016】この加熱器2においては、システム全体の
運転開始直前に前記気液分離器3内に擬似移動床式クロ
マトグラフ装置に使用される溶媒、ラフィネート又はエ
キストラクトを液張りしておき、次いで、系内の圧力が
所定値に達した時点で前記液張りした液の循環を行い、
前記供給液の供給開始と同時に加熱器2における加熱を
始める。この加熱によって系内の圧力における前記液の
沸点に達すると、前記供給液と循環液との混合液の一部
が蒸発し、混合液が濃縮され、前記蒸発により生じた気
相と濃縮された液相との気液混相流が形成される。
【0017】この加熱器2における濃縮の程度は、この
濃縮装置1を組み込んだシステム全体を考慮して決定さ
れる。例えば、この濃縮装置1が擬似移動床式クロマト
グラフ装置に組み込まれている場合には、濃縮の程度
は、エキストラクト又はラフィネート中に溶解している
目的成分の溶解度、濃度、エキストラクト又はラフィネ
ートの粘度、晶析工程における溶剤の影響の程度によっ
て一概に決定することができるものではない。しかしな
がら、結晶が配管中に析出しないような溶解度及び配管
を通じて液を配送することのできるような粘度である限
り、濃縮度を大きくしたほうが、晶析工程での溶剤の影
響を小さくすること、及び溶剤回収がある場合には、溶
剤回収率を上げるという観点から、好ましい。このよう
な観点からすると、通常、擬似移動床式クロマトグラフ
装置から供給されるエキストラクトの目的成分濃度は
0.1〜2重量%、擬似移動床式クロマトグラフ装置か
ら供給されるラフィネートの目的成分濃度は0.3〜4
重量%程度であるが、この濃縮装置により、これらの目
的成分濃度が10〜50重量%程度になるまで濃縮する
ことが望ましい。
【0018】気液分離器3は、前記加熱器2で所定の濃
度に濃縮された溶液及び蒸気を気液分離するように設計
される。前記加熱器2内においては、頭頂部から供給さ
れる液の流速が大きいので、蒸発作用の結果、気液混相
流が形成されている。気液分離器3においては、気液混
相流の流速を急激に低下させることにより気液混相流が
気相と液相とに分離される。したがって、気液分離器3
としては、気液混相流の流速を低下させることのできる
ように充分な空間を備えた容器であって良い。飛沫同伴
を防止し、気液の分離を完全にするために、気液分離器
3は、ミストセパレータを備えていることが望ましい。
また、事情によっては、移送路9を省略して加熱器2の
塔底に、気液混相流の流速を低下させるに充分な空間を
備えた容器を直結して、この容器を気液分離器としても
良い。
【0019】この気液分離器3においては、気液分離器
3内の蒸気を系外に排出する蒸気排出路10を備える。
この蒸気排出路10は、図示しない凝縮装置(コンデン
サーとも称されることがある。)に接続され、この凝縮
装置により気液分離器3で発生した蒸気が凝縮して液化
される。
【0020】また、この気液分離器3は、濃縮された溶
液を前記加熱器2に返送する返送手段4としての配管4
aを備える。
【0021】図1に示される例においては、配管4a
は、気液分離器3の底部に一端が結合され、途中には送
液ポンプ11が介装され、他端が前記加熱器2の頭頂部
に結合されてなる。この送液ポンプ11には、通常の遠
心ポンプが用いられることが多い。この場合、バイパス
流路12を介する抜き取り量の制御は、そのバイパス流
路12に配設された質量流量計の指示値に基づいて制御
手段7がバイパス流路12に設けられた流量調節弁の開
度を調整することにより行うことができる。また、バイ
パス流路12を介する抜き取り量の調節方法としては、
送液ポンプ11とは別に、バイパス流路12にプランジ
ャーポンプやダイアフラムポンプ等の定量ポンプ及び流
量計を設け、流量計の指示値に基づいて制御手段7を用
いて定量ポンプのモータ回転数を周波数変換器で調節す
ることにより流量を制御する方法も採用することができ
る。
【0022】この配管4aの一部は、供給液導入路8a
と共用されている。換言すると、配管4aの送液ポンプ
11の下流側において供給液導入路8bが結合されてい
て、エキストラクト又はラフィネートと言った原料(供
給液でもある。)と共に、気液分離器3内の濃縮液が加
熱器2に送り込まれることができるように、なってい
る。供給液導入路8aの供給液導入路8bの下流側に
は、スタティックミキサー(図示せず。)が配設され、
返送される濃縮液と供給液との十分な混合が実現される
ようになっている。
【0023】なお、前述のように、この例においては、
返送手段4は供給液導入路8aを共用しているが、返送
手段4の一要素である配管4aと供給液導入路8aとを
別々の配管とすることも、均一な蒸発を得るという観点
からすると好ましくはないが、可能である。
【0024】この配管4aの送液ポンプ11の下流に、
液相抜き取り手段の一例であるバイパス流路12が接続
され、このバイパス流路12の途中には濃度検出手段6
が介装される。
【0025】濃度検出手段6は、濃縮液の濃度を検出す
ることができるように設計される。例えば、濃度検出手
段6は、濃縮液中に存在する目的成分に関連する物性を
測定する物性測定手段、及びこの物性測定手段で測定さ
れた物性値から濃縮液の濃度を計算する演算手段とを含
んで形成されることができる。前記物性測定手段として
は、流体を細管に流通させたときに発生するコリオリ力
を利用して流量及び密度を測定する質量流量計、微量の
ガンマ線を流体に照射したときに同じ透過距離であって
もガンマ線量が密度により相違することを測定原理とす
るガンマ線等価式密度計、濃縮液の粘度を測定する粘度
計等を挙げることができる。物性測定手段で測定された
物性値は演算手段によってその濃縮液の濃度が算出され
る。濃度検出手段6としては、濃縮液の流量及び密度を
測定することのできる手段が好ましく、例えば前記質量
流量計、及び流量計と密度計との組合せが好適である。
【0026】一方、図1に示す例においては、この濃度
検出手段6の下流側においてこのバイパス流路12に
は、三方切り替え弁13を介して液相抜き取り手段5の
一要素である支管14が結合されている。また、濃度検
出手段6と三方切り替え弁13との間の流路には、流量
調節弁6aが介装される。この流量調節弁6aは制御手
段7により、制御される。
【0027】この液相抜き取り手段5は、バイパス流路
12を流通する溶液を系外に取り出す手段であり、前記
支管14を備える。
【0028】三方切り替え弁13は、前記制御手段7に
より制御され、その流路を切り替えることができるよう
になっている。
【0029】前記制御手段7は、前記濃度検出手段によ
り検出された液相(濃縮液)の濃度が所定の閾値を超え
るときには液相の抜き取りを開始し、前記液相の濃度が
所定の閾値を下回るときには前記液相の抜き取りを停止
するように前記液相抜き取り手段を制御する。例えば、
前記制御手段7は、前記濃度検出手段6から出力される
濃縮液の濃度を示す濃度検出信号を入力することによ
り、検出された溶液の濃度が所定の値(閾値)以下であ
るかどうかを判断し、検出された濃縮液濃度が閾値を下
回るときには、前記三方切り替え弁13を制御してバイ
パス流路12から液相抜き取り手段5へ溶液が流れ出な
いようにし、他方、検出された溶液濃度が所定の閾値を
越えるときには、三方切り替え弁13を制御してバイパ
ス流路12から液相抜き取り手段5へ溶液が流れ出るよ
うに、制御を行う。
【0030】この制御手段7は、前記液相抜き取り手段
5を制御するに際し、液相抜き取り手段が吸引吐出流量
を可変することのできる定量ポンプであればその定量ポ
ンプに制御信号を出力して吸引吐出量を所定の値になる
ように定量ポンプの動作を制御し、また、液相抜き取り
手段が吸引吐出流量を可変することのできる流量制御バ
ルブと流量計とを有するのであれば、流量計で検知され
た溶液の流量に基づいて流量制御バルブを制御して流量
を調節するように制御することもできる。
【0031】以上の構成を有する濃縮装置は、以下のよ
うに動作する。
【0032】擬似移動床式クロマトグラフ装置から抜き
取られたエキストラクト又はラフィネートが供給液導入
路8a,8bを介して加熱器2に導入される。なお、エ
キストラクト及びラフィネートのいずれにあっても濃縮
装置における作用は同じであるから、以下においては、
便宜上、エキストラクトに関して説明する。
【0033】供給液導入路8aは返送手段4の一部を形
成するのであるが、返送手段4を形成する配管4aの途
中には送液ポンプ11が介装されているので、供給液導
入路8bを通って供給液導入路8aに流入するエキスト
ラクトは、配管4aの送液ポンプ11側に逆流すること
はない。
【0034】加熱器2においては、加熱手段2Aにおけ
る、導入されたエキストラクトがその操作圧力下におけ
るエキストラクトの沸点よりも高い温度の加熱媒体によ
り加熱され、エキストラクトが濃縮される。加熱器2に
よる濃縮によって濃縮液と蒸気との混合状態になってい
る気液混相流が形成されて、その気液混相流が移送路9
を介して気液分離器3に導入される。
【0035】気液分離器3では、気液混相流が導入され
るとその気流速度の急激な低下により、気相と液相とが
相互に分離する。
【0036】気液分離器3に結合された蒸気排出路10
からは、気相である蒸気が排出され、図示しないコンデ
ンサーに送られた蒸気は凝縮液となる。凝縮液は、再利
用され、或いは廃棄される。
【0037】気液分離器3で濃縮された溶液は、濃縮液
として返送手段4により加熱器2に戻される。図1にお
いては、気液分離器3で濃縮された濃縮液が配管4aを
通って、送液ポンプ11により強制的に移送され、供給
液導入路8aを経由して加熱器2に戻される。このと
き、配管4aを通る濃縮液は、バイパス流路12にも流
入する。バイパス流路12を流通する濃縮液は、濃度検
出手段6によりその濃度が測定される。濃度の測定が行
われた濃縮液は、三方切り替え弁13における切り替え
方向によって、再び配管4aに戻され、或いは支管14
を経由して取り出される。
【0038】ここで、擬似移動床式クロマトグラフ装置
からフレッシュなエキストラクトをこの濃縮装置に導入
する場合について、さらに詳述する。
【0039】フレッシュなエキストラクトを供給液導入
路8a,8bを介して加熱器2に導入する。加熱器2内
に導入されたエキストラクトの濃度は、運転開始直後に
おいては希薄であり、エキストラクトの濃度である0.
1〜2重量%かそれ以下の濃度範囲にある。
【0040】運転開始後にあっては希薄な濃度のエキス
トラクトは加熱器2内で所定の濃度に濃縮されることが
ないままに、僅かに濃縮された程度のエキストラクトの
液相と気化した蒸気とが気液混相流となって移送路9を
経由して気液分離器3に供給される。気液分離器3で
は、予め貯留しておいた溶剤に液相が加わり、溶液中の
揮発成分が蒸発する。一方、気液分離器3における溶液
の貯留容量が所定量に限定されている一方、加熱器2か
ら連続的かつ継続的に溶液と蒸気とが送られてくるの
で、気液分離器3から所定量の溶液が抜き取られて返送
手段4へ移送される。エキストラクト供給開始の初期に
おいては、気液分離器3で濃縮された溶液の濃縮率は十
分に大きなものではない。
【0041】気液分離器3から移送手段4により移送さ
れる濃縮液は供給液導入路8aを経由して、加熱器2に
戻される。
【0042】移送手段4を通じて移送される濃縮液は、
バイパス流路12にも流入し、濃度検出手段6例えば密
度計により濃縮液の密度が測定される。測定された密度
は、電気信号である密度検出信号として制御手段7に出
力される。
【0043】バイパス流路12に流入した濃縮液は、三
方切り替え弁13を経由して返送手段4における配管4
aに戻され、供給液導入路8aを経由して加熱器2に戻
される。
【0044】エキストラクトの供給開始初期においては
密度測定手段で測定された濃縮液の密度が低いので、当
然のことながら、密度検出信号を入力する制御手段7に
おいては、濃縮液の濃度が閾値よりも低いと判断する。
そして、制御手段7は、制御指令信号を出力して、三方
切替弁13を制御して濃縮液の抜き取りをしないように
する。
【0045】そうすると、気液分離器3においては、蒸
気が蒸気排出路10を通じて系外に排出されるので、溶
液からの揮発成分の蒸発が促進され、気液分離器3に収
容されている溶液の濃度がさらに向上する。
【0046】供給液導入路8a,8bを通じて擬似移動
床式クロマトグラフ装置からエキストラクトが継続的に
加熱器2に供給されるとともに、返送手段4を通じて気
液分離器3から加熱器2に濃縮液が供給される。
【0047】加熱器2では気液分離器3で濃縮された濃
縮液とエキストラクトとが供給され、濃縮操作が行われ
る。この濃縮操作においては、擬似移動床式クロマトグ
ラフ装置から供給されるエキストラクトに濃縮液が添加
されることになるので、エキストラクト供給開始時より
も高い濃度の溶液と蒸気とが気液分離器3に供給される
ことになる。換言すると、エキストラクト供給開始時か
らの時間経過とともに、加熱器2から排出される溶液の
濃度が高まっていく。
【0048】また、濃度が高まった溶液と蒸気とが気液
分離器3に送り込まれると、蒸気排出路10が解放状態
になっているので、気液分離器3において溶液の濃度が
さらに大きくなる。
【0049】このようにして、気液分離器3で濃縮され
た濃縮液を返送手段4により加熱器2に戻し、同時に擬
似移動床式クロマトグラフ装置から排出されるエキスト
ラクトを加熱器2に供給することにより、エキストラク
ト供給開始時から時間が経過するにつれて気液分離器3
における溶液の濃度が急速に大きくなる。
【0050】気液分離器3から排出される濃縮液の濃度
を測定した濃度検出手段6から出力される濃度検出信号
を入力する制御手段7が、濃縮液の濃度が閾値よりも大
きいと判断すると、制御指令信号を出力して、三方切り
替え弁13を切り替えてバイパス流路12を流れる流体
を液相抜き取り手段5における支管14に連通する。
【0051】そうすると、気液分離器3から液相の抜き
取りが始まるが、これ以降の気液分離器3内の溶液濃度
の挙動は、この液相の抜き取り量によって決定される。
もし、この時点で抜き取り量が適正に設定されている
と、抜き取られるエキストラクト成分と擬似移動床式ク
ロマトグラフ装置から供給されるエキストラクト成分と
の量が釣り合うことにより、気液分離器3内の溶液濃度
はこれ以降一定に保持されることになる。しかし、上記
適正範囲より抜き取り量が少なくて、しかも、その抜き
取られるエキストラクト成分の量が擬似移動床式クロマ
トグラフ装置から供給されるエキストラクト成分よりも
さらに少ない場合は、気液分離器3内の濃度は、増加速
度は遅くなるものの、擬似移動床式クロマトグラフ装置
から供給されるエキストラクト成分の供給量と液相抜き
取り手段5から抜き取られる液相中のエキストラクト成
分の抜き取り量とが釣り合う点まで更に増加を続けるこ
とになる。一方、抜き取られるエキストラクト成分と供
給されるエキストラクト成分の量が釣り合っている場合
のその抜き取られるエキストラクト成分の濃度が、濃度
上限の閾値を上回る場合には、制御手段7はアラームを
発して抜き取り量の増加を促すことになる。逆に、抜き
取り量が多く、抜き取られるエキストラクト成分の量が
擬似移動床式クロマトグラフ装置に供給されるエキスト
ラクト成分の量を上回る場合には、上記と全く逆の現象
が起きて、気液分離器3内の溶液濃度は低下を始める。
【0052】つまり、濃度検出手段6で測定される濃縮
液の濃度は、三方切り替え弁13を支管14側に切り替
えた時点から時間の経過とともに、減少傾向を示すこと
になることになるが、この場合には、特段の問題がない
ことを以下に示す。
【0053】濃度検出手段6により検出される濃縮液の
濃度が所定の値を超えている限り、制御手段7は、三方
切り替え弁13を支管14とバイパス流路12とが連通
する状態を維持する制御信号を出力し続ける。
【0054】濃度検出手段6により検出される濃縮液の
濃度が所定の値以下になると、制御手段7は、制御指令
信号を出力して、三方切り替え弁13をバイパス流路1
2と配管4aとを連通状態にする。
【0055】そうすると、液相抜き取り手段5による濃
縮液の抜き取り操作が中断し、その一方、気液分離器3
における蒸気が排出されて液相の濃度が高まる。
【0056】このように、この濃縮装置においては、気
液分離器3から排出されて加熱器2に戻される濃縮液の
濃度を濃度検出手段6により監視し、監視される濃縮液
の濃度が所定の値よりも大きいと加熱器2と気液分離器
3とによる濃縮操作を中断して濃縮液の抜き取り操作を
継続し、監視される濃縮液の濃度が所定の値以下である
と濃縮操作を再開する一方、濃縮液の抜き取り操作を中
断するようにしているので、抜き取る濃縮液の濃度は、
所定の値を中心にして若干の変動があるもののほぼ一定
の値に維持されることになる。
【0057】以上、この発明の一例について説明した
が、この発明は前記実施例に限定されるものではなく、
この発明の要旨の範囲内で様々に設計変更をすることが
できる。
【0058】前記濃度検出手段6は、バイパス流路に介
装されている必要はなく、気液分離器3で濃縮される濃
縮液の密度を測定することのできる場所であれば、いず
れの部位に設置することもできる。たとえば、バイパス
流路12を省略し、返送手段4の途中に濃度検出手段を
設置するようにしても良い。この場合、液相抜き取り手
段の一要素である支管には、例えば循環ポンプが遠心ポ
ンプであるときには、流量計と流量調節弁及び遮断弁が
介装され、循環ポンプが定量ポンプであるときには、流
量計と普通弁と遮断弁とが介装されることになる。
【0059】次に、この発明の他の態様について図2を
参照しながら説明する。
【0060】図2は、前記図1に示される濃縮装置が有
する機能に加えて、所定濃度の濃縮液が自動的に晶析槽
(晶析器と称されることもある。)に送り込まれる機能
が付加された濃縮装置を示す概略説明図である。
【0061】図2に示されるように、この濃縮装置1a
は、液相抜き取り手段5に移送手段15を介して結合さ
れた複数の貯留手段16と、移送手段15に設けられた
流路切換手段17と、この流路切換手段17を制御する
制御手段7aとを有する。
【0062】さらに言うと、液相抜き取り手段5の一部
をなす支管14に、移送手段15の一例である輸送管1
5aが結合される。図2においては、2基の貯留手段と
して2基の貯留槽16a、16bが設置され、前記輸送
管15aがこれら2基の貯留槽16a、16bに、流路
切換手段例17の一例である三方切り換え弁17aを介
して、結合される。
【0063】前記貯留槽16a、16bは、所定容積の
液を貯留することができるタンクであればよい。この貯
留槽16a、16bそれぞれには、液面計(図示せず)
が設置されており、液面計によりこの貯留槽16a、1
6b内の液面が所定の位置を越えたと判断されるときに
は、液面計から電気信号が制御手段7aに出力される。
液面計からの電気信号を入力した制御手段7aは三方切
り換え弁17aに制御信号を出力してこの三方切り換え
弁17aを閉状態に切り換えて、電気信号を出力する液
面計が設置されている貯留槽16a、16bへの液の供
給を停止するように成っている。
【0064】また、これら2基の貯留槽16a、16b
は、図示しない晶析槽に濃縮液を移送する移送管を結合
し、その移送管に濃縮液を移送可能にする開閉弁を設け
ている。この開閉弁は、その開閉動作が制御手段7aに
より制御される。
【0065】前記三方切り換え弁17aは、前記のよう
に制御手段7aによりその切り換え動作が制御されてい
る。
【0066】制御手段7aは、図1に示される制御手段
7が有する制御機能と三方切り換え弁17aの前記制御
機能との外に、次のような制御演算機能を有する。
【0067】すなわち、制御手段7aは、バイパス流路
12に設置された濃度検出器6と流量計(図示せず)と
から出力される濃縮液の濃度データとバイパス12を流
通する濃縮液の流速データとを入力すると、濃度×流量
を時間で積分してその時点における貯留槽16a、16
b内の例えばエキストラクトに含まれる目的物の重量X
を算出する。なお、前記「流量」は、時間当たりの重量
として計算され、また「濃度」は、液相即ち濃縮液例え
ばエキストラクト又はラフィネート中の目的物の濃度で
ある。
【0068】2基の貯留槽16a、16bのいずれに貯
留されるエキストラクトにつき、目的物の重量Xを算出
するかについては、三方切り換え弁17aが、2基の貯
留槽16a、16bのいずれに対して開放状態になって
いるかで、判断をする。
【0069】制御手段7aには、貯留槽16a、16b
に貯留されるべきエキストラクトに含まれる目的物の重
量を閾値Yとして記憶している。
【0070】制御手段7aは、前記目的物の重量Xが閾
値Yと一致したと判断すると、三方切り換え弁17aに
制御信号を出力して例えばそれまで濃縮液を供給してい
た貯留槽16aへの液供給を停止し、それまで濃縮液が
供給されていなかった貯留槽16bに濃縮液の供給が開
始されるよう三方切り換え弁17aの弁切り換え動作を
制御する。
【0071】三方切り換え弁17aの切り換え動作に連
動して、制御手段7aは、貯留槽16aに設置されたと
ころの、図示しない開閉弁を制御してこれを開状態にす
る。そうすると、貯留槽16aに貯留された濃縮液が晶
析槽に移送される。
【0072】三方切り換え弁17aの切り換え動作によ
り、他方の貯留槽16bに濃縮液の供給が開始される。
言うまでもなく、この貯留槽16bに設置されている開
閉弁は、制御手段7aからの制御によって、閉鎖状態に
維持されている。
【0073】制御手段7aは、図1に示される濃縮装置
1におけるのと同様に、前記濃度検出手段6により検出
された液相(濃縮液)における目的成分の濃度が所定の
閾値を超えるときには液相の抜き取りを開始し、前記目
的成分の濃度が所定の閾値を下回るときには前記液相の
抜き取りを停止するように前記液相抜き取り手段5を制
御する。
【0074】したがって、三方切り替え弁17aの切り
替え動作の後において、貯留槽16bへの濃縮液の供給
は、貯留槽16bに貯留されるべきエキストラクトの中
に含まれる目的成分の重量が閾値Yに到達するまでの期
間中、前記濃度検出手段6により検出された液相(濃縮
液)中の目的成分の濃度に応じて、中断され、あるいは
継続されたりする。
【0075】以上において、図2で示される濃縮装置を
一例とするこの発明に係る濃縮装置は、晶析装置におけ
る晶析操作をよりいっそう効率的にすることを目的と
し、かつそれを実現する。
【0076】前記した濃縮装置におけるような、濃度×
流量を時間で積分してその時点における貯留槽16a、
16b内の例えばエキストラクト中の目的成分重量Xを
算出する制御手段7aの代わりに、貯留槽内の濃縮液の
重量と濃縮液中に存在する目的成分の平均濃度とから貯
留槽内の例えばエキストラクトに含まれる目的成分の重
量Xを算出する制御手段を備えるようにするのも、良
い。
【0077】そのような制御手段を備える濃縮装置にあ
っては、貯留槽16a、16bそれぞれに液面計を設置
しておき、その液面計から出力される液面高さを反映す
るデータ(液面高さデータと省略する。)が制御手段7
aに出力される。一方、濃度検出手段6からは濃度を反
映するデータ(濃度データと省略する。)が制御手段7
aに出力される。制御手段7aは、液面高さデータと濃
度データとを入力し、時々刻々と入力する濃度データか
ら平均濃度Cbarを算出し、次いで液面高さデータに対
応する貯留槽16a又は16b内の濃縮液の容積及び濃
度データから換算した密度から重量Lを算出し、さらに
前記平均濃度Cbarと濃縮液の重量Lとを乗算すること
により濃縮液の中に含まれる目的成分の重量Xを算出す
る。
【0078】算出された目的成分の重量Xは、前記図2
に示された濃縮装置と同様にして、閾値Yと比較され、
目的成分の重量Xが閾値Yと同じに成る時点で制御手段
7aは、前記目的成分の重量Xが閾値Yと一致したと判
断し、三方切り換え弁17aに制御信号を出力して例え
ばそれまで濃縮液を供給していた貯留槽16aへの液供
給を停止し、それまで濃縮液が供給されていなかった貯
留槽16bに濃縮液の供給が開始されるよう三方切り換
え弁17aの弁切り換え動作を制御する。
【0079】いずれの計算方法によるにしても、貯留槽
16a、16bの何れかの貯留槽内の例えばエキストラ
クト中に含まれる目的成分の重量Xが所定の閾値Yに到
達すると貯留槽槽16a又は16b内の濃縮液が晶析槽
に送り出され、晶析操作が行われる。
【0080】いわゆる晶析操作は、溶媒を除去すること
により、それまで溶解していた溶質を結晶化させる操作
である。効率的な晶析操作は、晶析槽に移送する濃縮液
が途中で溶質の沈澱が起こらないよう、また晶析槽内で
溶媒を除去して溶質の析出開始までに長い時間がかから
ないように、晶析槽に移送される濃縮液の濃度を最大に
することを要する。
【0081】図2に示される濃縮装置1aのように、複
数の貯留槽16a、16bを設けて、液相抜き取り手段
5から抜き取られる濃縮液を何れかの貯留槽16a、1
6bに貯留するようにしておくと、一定量の濃縮液を一
度に晶析槽に移送することができるようになり、晶析操
作がそれだけ効率的になる。
【0082】なお、図2において貯留槽が2基である濃
縮装置を示したが、この発明においては貯留槽の数に制
限はない。
【0083】
【発明の効果】この発明に係る濃縮装置によると、擬似
移動床式クロマトグラフ装置でエキストラクトまたはラ
フィネートがこの濃縮装置に供給され初めてから所定の
期間中は、濃縮操作が優先して抜き取り操作が行われ
ず、前記所定の期間経過後において所定の濃度の濃縮液
が排出される。したがって、この濃縮装置を晶析装置と
組み合わせると、晶析装置で析出させるべき成分の濃度
の低い濃縮液がこの濃縮装置から晶析装置に供給される
ことにより、晶析装置で前記成分が析出しないというよ
うな不都合がなくなり、また逆に、濃度の高すぎる濃縮
液が排出されることにより濃縮装置から他の部所例えば
晶析装置へと延在する配管途中で結晶が析出する事によ
る等の配管の詰まりといった不都合を生じることもな
い。
【0084】この発明に係る濃縮装置によると、擬似移
動床式クロマトグラフ装置における運転条件が変化する
ことにより、擬似移動床式クロマトグラフ装置から供給
されるエキストラクトまたはラフィネートの濃度変化を
生じても、一定の濃度の濃縮液を提供することができ
る。
【0085】さらに、この発明に係る濃縮装置による
と、晶析可能な、かつ最適の晶析条件に適する濃度に調
整された所定量の濃縮液を晶析槽に移送することができ
るので、濃縮と晶析との連続自動制御が可能に成り、効
率的な晶析操作を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施例である濃縮装置を
示す概略説明図である。
【図2】図2は、この発明の一実施例である濃縮装置を
示す概略説明図である。
【符号の説明】
1・・・濃縮装置、1a・・・濃縮装置、2・・・加熱
器、3・・・気液分離器、4・・・返送手段、4a・・
・配管、5・・・液相抜き取り手段、6・・・濃度検出
手段、7・・・制御手段、8a,8b・・・供給液導入
路、9・・・移送路、10・・・蒸気排出路、11・・
・送液ポンプ、12・・・バイパス流路、13・・・三
方切り替え弁、14・・・支管、15・・・移送手段、
15a・・・輸送管、16・・・貯留手段、16a、1
6b・・・貯留槽、17・・・流路切替手段、17a・
・・三方切り替え弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 4/00 103 B01J 4/00 103 Fターム(参考) 4D076 AA07 AA24 BA12 CB06 DA03 EA04X EA04Y EA20X EA20Y EA47 EA49 FA02 FA03 FA04 FA11 FA12 FA17 HA11 JA02 4G068 AA01 AB15 AC20 AD46 AD47 AD49 AE03 AF02 AF31

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】供給された溶液を、操作圧力におけるその
    溶液の沸点以上の温度に加熱された加熱媒体を用いて加
    熱し、溶媒蒸気を蒸発させる加熱器と、 前記加熱器による加熱によって発生した気液混相流を液
    相と気相とに分離する気液分離器と、 前記気液分離器における液相を前記加熱器に戻す返送手
    段と、 前記気液分離器における液相の一部を取り出す液相抜き
    取り手段と、 前記液相抜き取り手段により取り出された液相に存在す
    る目的成分の濃度を検出する濃度検出手段と、 前記濃度検出手段により検出された前記濃度が所定の閾
    値を超えるときには液相の抜き取りを開始し、前記液相
    の濃度が所定の閾値を下回るときには前記液相の抜き取
    りを停止するように前記液相抜き取り手段を制御する制
    御手段とを備えて成ることを特徴とする濃縮装置。
  2. 【請求項2】前記濃度検出手段が、抜き出された液相に
    含まれる目的成分の濃度に関連する物性を測定する物性
    測定手段と、この物性測定手段で測定された物性値から
    液相の濃度を計算する演算手段とを含んでなる前記請求
    項1に記載の濃縮装置。
  3. 【請求項3】前記物性測定手段が、質量流量計、ガンマ
    線透過式密度計、又は液相の粘度を測定する粘度測定手
    段である前記請求項2に記載の濃縮装置。
  4. 【請求項4】前記返送手段は、前記気液分離器における
    液相を前記加熱器に戻す配管とこの配管に介装されたポ
    ンプと前記ポンプの下流側である前記配管に取り付けら
    れ、配管内の液相の一部を取り出し、次いでこの一部の
    液相を戻すバイパス流路とを備え、 前記濃度検出手段が、前記バイパス流路に配設された質
    量流量計及び流量調節弁を備え、 前記液相抜き取り手段が、前記バイパス流路における前
    記質量流量計及び流量調節弁の下流側に設けられた三方
    切替弁と、この三方切替弁に結合された流路とを備えて
    成る前記請求項1に記載の濃縮装置。
  5. 【請求項5】前記液相抜き取り手段が前記気液分離器か
    ら晶析操作に付するために液相を移送する手段である前
    記請求項1〜4のいずれか一項に記載の濃縮装置。
  6. 【請求項6】前記液相抜き取り手段が移送手段によって
    複数の貯蔵手段に結合され、前記移送手段は液相を貯留
    する前記複数の貯蔵手段のうちの一つに液相を供給する
    ように液相の流路を切り換える流路切換手段を備え、前
    記制御手段は、前記一つの貯蔵手段における液相中の目
    的成分の量が所定量に達すると、その貯蔵手段への液相
    の流通を停止し、他の貯蔵手段に液相が流通するように
    流路切換手段の切り換えを制御可能にしてなる前記請求
    項1〜5の何れか一項に記載の濃縮装置。
  7. 【請求項7】前記液相中の目的成分の量が、前記制御手
    段において液相の流量と液相の濃度との乗算により計算
    される時間積分値である前記請求項6に記載の濃縮装
    置。
  8. 【請求項8】前記液相中の目的成分の量が、前記制御手
    段において貯蔵手段中に貯留されている液相の容積とそ
    の液相の平均濃度との乗算により計算される値である前
    記請求項6に記載の濃縮装置。
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