JP2003210189A - ピリドキシン−4’−α−グルコシドの製造方法 - Google Patents

ピリドキシン−4’−α−グルコシドの製造方法

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JP2003210189A JP2002012878A JP2002012878A JP2003210189A JP 2003210189 A JP2003210189 A JP 2003210189A JP 2002012878 A JP2002012878 A JP 2002012878A JP 2002012878 A JP2002012878 A JP 2002012878A JP 2003210189 A JP2003210189 A JP 2003210189A
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Koichi Wada
浩一 和田
Keiji Sakamoto
恵司 坂本
Yasuhisa Asano
泰久 浅野
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Kyowa Pharma Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ピリドキシンの4’位を配糖化してピリ
ドキシン−4’−α−グルコシドを製造する方法であっ
て、ピリドキシンの4’位を選択的に配糖化してピリド
キシン−4’−α−グルコシドを生成する能力を有する
微生物の菌体、その培養物、又は菌体処理物でピリドキ
シン又はその塩を処理する工程を含む方法。 【効果】 本発明によれば、ピリドキシン又はその塩か
らピリドキシン−4’−α−グルコシドを容易にかつ効
率的に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ピリドキシン−
4’−α−グルコシドの製造方法、より詳しくは、ピリ
ドキシンの4’位を選択的に配糖化してピリドキシン−
4’−α−グルコシドを生成する能力を有する微生物菌
株を用いるピリドキシン−4’−α−グルコシドの製造
方法に関する。 【0002】 【従来の技術】ピリドキシン(PN)は、ピリドキサー
ル(PL)、ピリドキサミン(PM)とともにビタミン
B6作用を持つ物質の一つである。細胞に取り込まれた
PNはリン酸化されてピリドキシン5’−リン酸(PN
P)となり、さらに酸化されてピリドキサール5’−リ
ン酸(PLP)に変換され、アミノ酸代謝にあずかる酵
素の補酵素として重要な役割を果たしている。 【0003】ピリドキシンの塩酸塩(PN・HCl)
は、水によく溶けるが、光に対して不安定であり、ま
た、酸味や苦味があるという問題を有している。一方、
その配糖体であるピリドキシン−4’−α−グルコシド
は、光安定性に優れており[J.Vitaminol., 17, 121-124
(1971)]、酸味や苦味がないかあるいは緩和されてお
り、また経口投与された場合、腸管でそのままの形で吸
収され、速やかにピリドキサールリン酸に変換されるこ
とが動物実験で確認されており、医薬としての有用性が
高い[J.Nutr.Sci.Vitaminol., 42, 377-386 (1996)]。 【0004】これまで報告されているピリドキシン−
4’−α−グルコシドの製造法としては、Baker's yeas
t由来、rice由来、Bacillus stearothermophilus由来の
α-グルコシダーゼ#を用いる方法[岡山大学、鈴木ら、
ビタミン、70、275(1996)]があるが、いずれも生成率
が低かったり、4'選択率が低く、生産量において満足
のいく結果が得られていない。また、4'選択率が低い
場合は、副生成物のピリドキシン−5’−α−グルコシ
ドの量が多いため、これを除去するためにさらなる精製
処理が必要で工程が複雑になり、また、ピリドキシン−
5’−α−グルコシドの基質としての再利用が難しくな
るなどの問題があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、ピリドキシンの4’位を選択的に配糖化する方法を
提供することにある。より具体的には、ピリドキシン−
4’−α−グルコシドを生成する能力を有する微生物菌
株を見出し、当該微生物の菌体、その培養物、又は菌体
処理物を用いてピリドキシン又はその塩からピリドキシ
ン−4’−α−グルコシドのみを容易にかつ効率よく製
造する方法を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく属種が同定されている微生物を対象として
4’選択性が高い菌株を広くスクリーニングした結果、
細菌、真菌、酵母などの中に4’選択率が特に高い微生
物を見出し、ピリドキシン−4’−α−グルコシドを選
択的に生成することに成功し、本発明を完成するに至っ
た。 【0007】即ち、本発明は、ピリドキシンの4’位を
配糖化してピリドキシン−4’−α−グルコシドを製造
する方法であって、下記のいずれかの属に属し、ピリド
キシンの4’位を選択的に配糖化してピリドキシン−
4’−α−グルコシドを生成する能力を有する微生物の
菌体、その培養物、又は菌体処理物でピリドキシン又は
その塩を処理する工程を含む方法を提供するものであ
る。 アルスロバクター(Arthrobacter)属 バチルス(Bacillus)属 クロモバクテリウム(Chromobacterium)属 エドヴァルドシエラ(Edwardsiella)属 ハフニア(Hafnia)属 オクロバクトュルム(Ochrobactrum)属 サルモネラ(Salmonella)属 セラチア(Serratia)属 キサントバクター(Xanthobater)属 コリネバクテリウム(Corynebacterium)属 ノカルディア(Nocardia)属 ロドコッカス(Rhodococcus)属 サッカロミセス(Saccharomyces)属 ザイゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)属 ナカザワエア(Nakazawaea)属 ビューベリア(Beauveria)属 ダエダレオプシス(Daedaleopsis)属 フサリウム(Fusarium)属 モルティエレラ(Mortierella)属 ペニシリウム(Penicillium)属 トリティラキウム(Tritirachium)属 ベルティシリウム(Verticillium)属 【0008】 【発明の実施の形態】本発明の方法は、ピリドキシン−
4’−α−グルコシドを製造するにあたり、ピリドキシ
ン又はその塩を原料化合物として用い、ピリドキシンの
4’位を選択的に配糖化してピリドキシン−4’−α−
グルコシドを生成する能力を有する微生物の菌体、その
培養物、又は菌体処理物を用いることを特徴としてい
る。 【0009】本発明においてピリドキシン−4’−α−
グルコシドの生産に使用する微生物は、例えばアルスロ
バクター(Arthrobacter)属、バチルス属(Bacillus)
属、クロモバクテリウム(Chromobacterium)属、エドヴ
ァルドシエラ(Edwardsiella)属、ハフニア(Hafnia)
属、オクロバクトュルム(Ochrobactrum)属、サルモネ
ラ(Salmonella)属、セラチア(Serratia)属、キサント
バクター(Xanthobater)属、コリネバクテリウム(Cory
nebacterium)属に属する細菌;ノカルディア(Nocardi
a)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属に属する放線菌;
サッカロミセス(Saccharomyces)属、ザイゴサッカロミ
セス(Zygosaccharomyces)属、ナカザワエア(Nakazawa
ea)属に属する酵母;ビューベリア(Beauveria)属、ダ
エダレオプシス(Daedaleopsis)属、フサリウム(Fusar
ium)属、モルティエレラ(Mortierella)属、ペニシリウ
ム(Penicillium)属、トリティラキウム(Tritirachiu
m)属、ベルティシリウム(Verticillium)に属するカビ
から選択される。上記の属に属する微生物であって、ピ
リドキシンの4’位を選択的に配糖化し、ピリドキシン
−4’−α−グルコシドを生成する能力を有する菌株
(以下、「ピリドキシン−4’−α−グルコシド選択的
生産菌」と呼ぶ場合がある)は、本発明の実施例に具体
的に説明した方法により当業者が容易に選択可能であ
る。 【0010】ピリドキシン−4’−α−グルコシド選択
的生産菌の具体例としては、例えば、アルスロバクター
サルフレウス(Arthrobacter sulfureus)、バチルス
セレウス(Bacillus cereus)、バチルス メガテリ
ウム(Bacillus megaterium)、バチルス スファエリ
カス(Bacillus sphaericus)、バチルス スリンギエ
ンシス(Bacillus thuringiensis)、クロモバクテリウム
ビオラセウム(Chromobacterium violaceum)、エド
ヴァルドシエラ ホシナエ(Edwardsiella hoshina
e)、エドヴァルドシエラ タルダ(Edwardsiella tard
a)、ハフニア アルベイ(Hafnia alvei)、オクロバ
クトュルム アンスロピ(Ochrobactrum anthropi)、
サルモネラ ティフィムリウム(Salmonella typhimuri
um)、セラチアフォンチコラ(Serratia fonticola)、
セラチア マルセセンス(Serratia marcescens)、キ
サントバクター フラブス(Xanthobacter flavus)、
コリネバクテリウム アンモニアゲネス(Corynebacter
ium ammoniagenes)、ノカルディアフラボロセア(Noca
rdia flavorosea)、ロドコッカス ロドクロス(Rhodo
coccus rhodochrous)、サッカロミセス バヤヌス(Sa
ccharomyces bayanus)、ザイゴサッカロミセス フェ
ルメンタチ(Zygosaccharomyces fermentati)、ナカザ
ワエア ホルスティ(Nakazawaea holstii)、ビューベ
リア バシアナ(Beauveria bassiana)、ダエダレオプ
シス スチラシナ(Daedaleopsis styracina)、フサリ
ウム アングイオイデス(Fusarium anguioides)、フ
サリウム クラミドスポルム バー クラミドスポルム
(Fusarium chlamydosporum var.chlamydosporum)、フ
サリウム オキシスポルム(Fusarium oxysporum)、モ
ルティエレラ イサベリナ(Mortierella isabellin
a)、ペニシリウム クリソゲヌム(Penicillium chrys
ogenum)、ペニシリウム シアネウム(Penicillium cy
aneum)、ペニシリウム オキサリカム(Penicillium o
xalicum)、トリティラキウム ディペンデンス(Triti
rachium dependens)、トリティラキウム オリザエ(T
ritirachium oryzae)、ベルティシリウム フンギルコ
ラ バー アレオフィラム(Verticillium fungilcola
var.aleophilum)、およびベルティシリウムニベオスト
ラトサム(Verticillium niveostratosum)に属する微
生物の菌株を挙げることができる。その代表的な菌株と
しては、例えば、Arthrobacter sulfureus JCM 1338、A
rthrobacter sulfureus IAM 1488、Arthrobacter sulfu
reusIFO 12678、 Bacillus cereus IFO 3466、Bacillus
megaterium IAM 1032、Bacillus sphaericus IFO 352
5、Bacillus sphaericus IAM 1286、Bacillus thuringi
ensis IFO 3951、Chromobacterium violaceum IAM 1247
0、Edwardsiella hoshinae JCM 1679、Edwardsiella ta
rda JCM 1656、Hafnia alvei IFO 3731、Ochrobactrum
anthropi NCTC 12168、Salmonella typhimurium IFO 13
245、Serratiafonticola IAM 13541、Serratia marcesc
ens IFO 3736、Serratia marcescens IAM 12143、Serra
tia marcescens IAM 12142、Xanthobacter flavus NCIM
B 10071、Corynebacterium ammoniagenes IFO 12612、N
ocardia flavorosea IFO 14341、Rhodococcus rhodochr
ous IFO 3338、Saccharomyces bayanus IFO 0539、Zygo
saccharomyces fermentati IFO 0021、Nakazawaea hols
tii IFO 0980、Beauveria bassiana IFO 4848、Daedale
opsis styracina IFO 4910、Fusarium anguioides IFO
4467、Fusarium chlamydosporum var.chlamydosporum I
FO 31096、Fusarium oxysporum IFO 31629、Mortierell
a isabellina IFO 8572、Penicillium chrysogenum ATC
C 26818、Penicillium chrysogenum IFO 4897、Penicil
lium cyaneum IFO 5337、Penicillium oxalicum IFO 57
48、Tritirachium dependens IFO 9390、Tritirachium
oryzae IFO 7544、Verticillium fungilcola var.aleop
hilum IFO 30621、Verticillium niveostratosum IFO 5
435が挙げられるが、これらに限定されることはない。
上記微生物菌株はいずれも微生物保存機関から入手可能
である。 【0011】前記微生物における培養条件は、通常用い
られる方法で行われ、細菌、真菌、酵母それぞれ適した
培地で行われる。培地としては、通常使用されるもので
あればよく、これら微生物が生育することができ、かつ
資化可能な炭素源、窒素源、無機物及び必要な生育促進
物質を適当に含有する培地であれば液体、固体のいずれ
でも良く、また合成培地、天然培地のいずれも用いるこ
とができる。 【0012】炭素源としては、菌体が資化し生育できる
炭素化合物であればいずれでも使用可能である。例え
ば、グルコース、フルクトース、マルトース、スクロー
ス、デキストリン、可溶性デンプン、糊化デンプン、ソ
ルビトールなどの糖類、メタノール、エタノール、グリ
セロールなどのアルコール類、フマル酸、クエン酸、酢
酸、プロピオン酸などの有機酸類及びその塩類、パラフ
ィンなどの炭化水素類、糖蜜、菜種油などを単独で又は
混合して使用することができる。 【0013】窒素源としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン
酸等の無機酸のアンモニウム塩、フマル酸、クエン酸な
どの有機酸のアンモニウム塩、硝酸ナトリウム、硝酸カ
リウムなどの硝酸塩、酵母エキス、ペプトン、肉エキ
ス、コーンスティープリカー、大豆加工品、尿素などの
有機窒素源を単独で又は混合して用いることができる。 【0014】無機塩類としては、カリウム、ナトリウ
ム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、鉄等の硫酸
塩、塩酸塩、炭酸塩、硝酸塩、リン酸塩等をそれぞれ単
独または混合して用いることができる。さらに、ビタミ
ン類などの通常の培養に用いられる栄養源を適宜添加し
てもよい。 【0015】培養は、振とう培養、ジャーファーメンタ
ーなどを用いた通気条件下で行う他、嫌気的条件下で行
うことができる。培地のpHは3〜10の範囲が好まし
く、温度は10〜50℃の範囲が好ましく、培養時間は
10〜500時間が好ましく、それぞれの微生物によっ
て適宜決められる。 【0016】本発明の方法では、培養物から分離した微
生物の菌体のほか、微生物の培養物、あるいは分離した
微生物の菌体を適宜の処理に付して得られる菌体処理物
を用いてもよい。菌体処理物としては、例えば、菌体の
凍結乾燥物、トルエン、アセトンなどで処理して得られ
る処理物のほか、さらに、菌体を公知の固定化法、例え
ば包括法、担体結合法、架橋法などで固定化した固定化
物などを挙げることができる。包括法としては、カラギ
ーナンやアルギン酸などの天然高分子又はモノマーやプ
レポリマーによる合成高分子を用いる方法、担体結合法
としては、キトサンなどに吸着させる方法、架橋法とし
ては、グルタルアルデヒドなどを用いる方法が挙げられ
る。 【0017】また、菌体処理物として菌体の破砕物又は
抽出物を用いてもよい。菌体の破砕物は、公知の菌体破
砕法、例えば超音波破砕法、フレンチプレス破砕法、ガ
ラスビーズ破砕法、ダイノミル破砕法などにより得るこ
とができる。また、菌体の抽出物は、前記菌体破砕物か
ら遠心分離などにより菌体を除いて得ることができる。
菌体の抽出物は、粗酵素液として菌体と同様に固定化し
て固定化酵素として用いることができる。粗酵素液は、
硫安沈殿による塩析法、限外濾過膜による濃縮法、イオ
ン交換クロマトグラフィー、疎水相互作用クロマトグラ
フィー又はゲル濾過クロマトグラフィーによる分離など
の組み合わせにより精製して精製酵素として用いること
もできる。本明細書において、菌体処理物とは、上記の
ような菌体の破砕物、磨砕物、抽出物、固定化菌体、又
はそれらから単離した粗製もしくは精製酵素、それら酵
素を固定化した固定化酵素などを含む概念として用い
る。 【0018】菌体処理物として粗製もしくは精製酵素を
担体に固定化することにより、その固定化菌体又は固定
化酵素を繰り返し使用でき、その結果、連続的に大量に
ピリドキシン−4’−α−グルコシドをピリドキシン又
はその塩から製造することができる。固定化菌体又は固
定化酵素として使用する場合、連続法によって目的物の
製造を行うこともでき、例えばそれらをカラムに充填し
てバイオリアクターとして、回分式と同様の反応条件で
一カ月から一年間連続通液を行うことにより、ピリドキ
シン−4’−α−グルコシドを安価に連続的に大量生産
することができる。 【0019】配糖化反応は、微生物の培養と同時に行わ
せることも可能である。その場合、微生物培養の培地中
に糖供与体を含有させ反応させる。配糖化反応における
糖の供与体としては、スクロース、デンプン質、ニゲロ
ースなどのグルコースのα1→3結合体、コージビオー
スなどのグルコースのα1→2結合体、あるいはこれら
の混合物などが使用される。上記デンプン質とは菌体が
作用して分子間グルコシル化を起こしうるデンプン質で
あればその種類は問わない。例えば、可溶性デンプン、
糊化デンプン、アミロース、アミロペクチン、マルトー
ス、デキストリンなどが挙げられる。基質としてのピリ
ドキシンはその塩を用いてもよく、塩酸塩などが挙げら
れる。ピリドキシン又はその塩は、適当な有機溶媒に溶
解し反応に供することができる。ここで用いる有機溶媒
としては、ヘキサン、酢酸エチル、エーテル、アセト
ン、エタノールなどを単独で又は組み合わせて、さらに
は該溶解液を水性溶液として用いることができる。 【0020】ピリドキシン又はその塩の濃度は特に限定
されないが、例えばピリドシキン塩酸塩を用いる場合、
0.01〜1Mが好ましい。また、反応温度は10〜7
0℃、pHは3〜10が好ましく、1〜500時間反応
させるのが好ましい。pHを一定に維持するためには、
例えば、リン酸緩衝液などの緩衝液を使用することがで
きる。 【0021】反応終了後、遠心分離又は限外濾過などの
濾過分離により目的物を晶析させるか、あるいは反応液
から菌体又は菌体処理物を除去して適宜の後処理を施す
ことにより目的物を単離することができる。例えば、得
られた上清又は濾液より、活性炭やイオン交換樹脂クロ
マトグラフィーを用いてピリドキシン−5’−α−グル
コシド画分を集めることができる。イオン交換樹脂クロ
マトグラフィーは、Na型又はCa型の陽イオン交換樹
脂を用いて擬似移動床法によって行うのが好ましい。次
いで、得られた画分を濃縮して、煎糖晶析法、冷却晶析
法、エタノールによる晶析法などによりピリドキシン−
5’−α−グルコシドを晶出させることができ、必要に
より再結晶を行って目的物を精製することができる。 【0022】なお、ピリドキシン−4’−α−グルコシ
ドの検出及び定量は、例えば、HPLCにより行うこと
ができ、目的物の純度はピーク面積比により定量するこ
とができる。 【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるもの
ではない。 (実施例1) 培養に伴う配糖化反応によるPN−4’
−α−Gの生成 各種微生物の菌叢1〜2白金耳をかきとり、0.1%ピリ
ドキシン塩酸塩(PN・HCl)を含む下記表1に示す
培地(5mL/Tube)に入れ、24〜30℃にて3
〜20日振盪あるいは静止培養した。培養後、培養液を
5分間煮沸した後、遠心分離(15000rpm)を10分間行
った。得られた上清について下記表2に示す条件下でH
PLC分析を行い、培養液中のピリドキシン−4’−α
−グルコシド(PN−4’−α−G)又はピリドキシン
−5’−α−グルコシド(PN−5’−α−G)を定量
し、4’選択率(%)を下式によって求めた。 【0023】4’選択率(%)=(PN−4’−α−G
のピーク面積/PN−4’−α−Gのピーク面積+PN
−5’のピーク面積)×100 【0024】 【表1】 【0025】 【表2】 【0026】培養中にPNから1.5%以上の生成率で
PN−4’−α−Gを生成し、4’選択性が75%以上
であった株を表3に示した。 【0027】 【表3】JCM: Japan Collections of Microorganisms, Institut
e of Physical and Chemical Research, Wako, Japan IFO: Institute for Fermentation, Osaka, Japan IAM: Institute of Molecular and Cellular Bioscienc
e, The University of Tokyo, Japan NCIMB: National Colellection of Industrial and Mar
ine Bacteria, Ltd., Aberdeen, Scotland NCTC: National Collection of Type Cultures, Centra
l Public Health Laboratory, London, England CBS: Centraalbureau voor Schimmelcultures, Baarn,
The Netherland ATCC: American Type Culture Collection, Rockville,
USA 【0028】 【発明の効果】本発明によれば、ピリドキシン又はその
塩からピリドキシン−4’−α−グルコシドを容易にか
つ効率的に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 泰久 富山県富山市千石町2丁目6−4−803 Fターム(参考) 4B064 AF21 CA02 CA03 CA05 CA06 CC01 CC03 CC04 CD01 CD02 CD12 CD19 CD21 CD25 DA01 DA10

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ピリドキシンの4’位を配糖化してピリ
    ドキシン−4’−α−グルコシドを製造する方法であっ
    て、下記のいずれかの属に属し、ピリドキシンの4’位
    を選択的に配糖化してピリドキシン−4’−α−グルコ
    シドを生成する能力を有する微生物の菌体、その培養
    物、又は菌体処理物でピリドキシン又はその塩を処理す
    る工程を含む方法。 アルスロバクター(Arthrobacter)属 バチルス(Bacillus)属 クロモバクテリウム(Chromobacterium)属 エドヴァルドシエラ(Edwardsiella)属 ハフニア(Hafnia)属 オクロバクトュルム(Ochrobactrum)属 サルモネラ(Salmonella)属 セラチア(Serratia)属 キサントバクター(Xanthobater)属 コリネバクテリウム(Corynebacterium)属 ノカルディア(Nocardia)属 ロドコッカス(Rhodococcus)属 サッカロミセス(Saccharomyces)属 ザイゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)属 ナカザワエア(Nakazawaea)属 ビューベリア(Beauveria)属 ダエダレオプシス(Daedaleopsis)属 フサリウム(Fusarium)属 モルティエレラ(Mortierella)属 ペニシリウム(Penicillium)属 トリティラキウム(Tritirachium)属 ベルティシリウム(Verticillium)属
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