JP2003209995A - 永久磁石型同期電動機の電動機定数及び負荷トルクの同定方法 - Google Patents

永久磁石型同期電動機の電動機定数及び負荷トルクの同定方法

Info

Publication number
JP2003209995A
JP2003209995A JP2002005718A JP2002005718A JP2003209995A JP 2003209995 A JP2003209995 A JP 2003209995A JP 2002005718 A JP2002005718 A JP 2002005718A JP 2002005718 A JP2002005718 A JP 2002005718A JP 2003209995 A JP2003209995 A JP 2003209995A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
synchronous motor
permanent magnet
magnet type
motor
type synchronous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002005718A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4070467B2 (ja
Inventor
Hideo Domeki
英雄 百目鬼
Kiyoshi Oishi
潔 大石
Tomonori Mashita
知紀 間下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oriental Motor Co Ltd
Original Assignee
Oriental Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oriental Motor Co Ltd filed Critical Oriental Motor Co Ltd
Priority to JP2002005718A priority Critical patent/JP4070467B2/ja
Publication of JP2003209995A publication Critical patent/JP2003209995A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4070467B2 publication Critical patent/JP4070467B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 試供永久磁石型同期電動機(テスト用の同期
電動機)を駆動するための駆動用電動機や、試供同期電
動機に流れる電流を検出する電流検出器を用いることな
く、永久磁石型同期電動機の電動機定数及び負荷トルク
の同定を行う。 【解決手段】 永久磁石型同期電動機のd−q軸モデル
を用いて、永久磁石型同期電動機12に対し、d軸電圧
を特定して、オープンループ駆動における、供給される
q軸電圧と該永久磁石型同期電動機12の機械角速度と
の関係式を導出し、この関係式を解析することによっ
て、前記永久磁石型同期電動機12の電動機定数及ぴ負
荷トルクをそれぞれ同定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久磁石型同期電
動機の定数等の同定方法に関し、詳しくは、d−q軸モ
デルを用いて、永久磁石型同期電動機の電動機定数及ぴ
負荷トルクの同定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の永久磁石型同期電動機に
おける磁束鎖交数の同定方法としては、例えば、図7に
示すブロック構成図がある。図7において、1は試供永
久磁石型同期電動機(テスト用の前記電動機)、2は試
供同期電動機1を逆から駆動する駆動用電動機、3は駆
動用電動機2により駆動された試供同期電動機1に発生
する誘導起電力を測定する測定器(例えば、オシロスコ
ープ等)、4は試供同期電動機1の回転速度を測定する
回転計である。
【0003】試供同期電動機1の回転子が、電動機シャ
フトを介して駆動用電動機2の回転子によって回転駆動
されると、それに伴って試供同期電動機1の巻線中に誘
導起電力を生じる。この場合に生じる誘導起電力は、例
えばu相の場合、永久磁石型同期電動機の特性により、
下記の式(1)によって表される。
【数2】 ここで、euはu相誘導起電力、ωrmは試供同期電動機
1の機械角速度(回転速度)、φfaは磁束鎖交数、θre
は電気角及びpは試供同期電動機1の極対数で定数であ
る。従来の方法では、測定機器等により、前記変数中の
磁束鎖交数φfaを除く各変数を得ることにより、磁束鎖
交数φfaを同定している。
【0004】他方、試供永久磁石型同期電動機1の電気
的時定数τEの同定方法としては、通常は試供同期電動
機1の巻線抵抗Raと巻線インダクタンスLaが既知の場
合、下記の式(2)より算出される。
【数3】
【0005】しかし、試供同期電動機1の巻線抵抗Ra
及ぴインダクタンスLaが、未知の場合には、例えば図
8のブロック構成図に示すような方法により電気的時定
数τEの同定を行うようにしている。なお、図8におい
て、1は試供同期電動機、5は交流電源、6は交流電源
5に、電力用ケーブルを介して接続されるインバータ、
7はインバータ6に、3本の電力用ケーブルを介して接
続されて試供同期電動機1に供給される電流を検出する
電流検出器、8は試供同期電動機1の回転子の電気的位
置を検出する位置検出器、9は、インバータ6、電流検
出器7及び位置検出器8にそれぞれ接続されるCPU
(中央演算処理装置)である。このCPU9は、3相交流
座標系からd−q座標系への変換、及びd−q座標系か
ら3相交流座標系への変換を行うとともに、インバータ
6にPWM信号(パルス幅変調信号)を出力するための
ものである。
【0006】図8において、交流電源5からインバータ
6に交流電源が印加されると、交流電源5から印加され
た交流電圧がインバータ6にて直流電圧に変換され、C
PU9から試供同期電動機1へ入力されるd軸電圧指令
d refをvd ref=0、q軸の電圧指令をvq refとしてス
テップ状の指令が与えられる。CPU9では、これらの
指令値に対してd−q座標系から3相交流座標系への変
換が行われて3相の電圧指令値vu ref,vv ref,vw ref
がそれぞれ算出され、PWM信号としてインバータ6へ
出力される。そして、CPU9からインバータ6に入力
されるPWM信号によって、3本の電力用ケーブルを用
いて電流検出器7を経て接続される試供同期電動機1の
巻線にPWM波形に変換された電圧が印加されて試供同
期電動機1が駆動される。
【0007】この際、位置検出器8により、試供同期電
動機1の回転子の電気的位置が検出され、その回転位置
情報としての電気的位置θre等が、位置検出器8からC
PU9にパルスとして入力される。そして、位置検出器
8からCPU9に入力される回転位置情報に基づいて、
CPU9からインバータ6へ出力されるPWM信号がC
PU9によって生成される。また、電力ケーブルに電流
が流れるのに伴って、電流値に応じた電圧が電流検出器
7から3相の電流情報(iu,iv,iw等)として発生さ
れ、この電流情報がCPU9にパルスとして入力され
る。そして、この3相の電流情報は、既述の位置情報を
用いて3相交流座標系からd−q座標系の電流情報に変
換される。
【0008】試供同期電動機1の駆動中における2相分
の電流、例えばu相電流iu及びv相電流ivが電流検出
器7からCPU9に入力されるとともに、試供同期電動
機1の回転子の電気的位置θreが、位置検出器8よりC
PU9に入力されると、このCPU9において、これら
のパラメータ(iu,iv及びθre)を用いて、下記の式
(3)を計算することにより、q軸電流iqが得られ
る。
【数4】 かくして、このq軸電圧指令vq refに対するq軸電流i
qの過渡現象より、電気的時定数τEを求めることができ
る。
【0009】また、このときに無負荷で実験を行えぱ、
定常状態での電流における負荷トルクは前記の式(3)
によって得られた定常状態におけるq軸電流iqから下
記の式(4)で求めることができる。
【数5】
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ような従来の電動機定数の同定方法にあっては、電動機
定数及び負荷トルクを同定する際に、それぞれ前記駆動
用電動機2(図7参照)や電流検出器7(図8参照)が
必要であるという問題点があった。また、粘性摩擦項D
については現在明確な同定法はない。
【0011】本発明はかかる点に鑑みなされたもので、
その目的は前記問題点を解消し、試供永久磁石型同期電
動機(テスト用の該同期電動機)を駆動するための駆動
用電動機や、前記試供同期電動機に流れる電流を検出す
るための電流検出器を用いることなく、前記試供同期電
動機の電動機定数及び負荷トルクの同定を行うことがで
きる永久磁石型同期電動機の電動機定数及び負荷トルク
の同定方法を提案することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の構成は、永久磁石型同期電動機のd−q軸モ
デルを用いて、前記永久磁石型同期電動機に供給される
q軸電圧と該永久磁石型同期電動機の機械角速度との関
係式を導出し、この関係式を解析することによって、前
記永久磁石型同期電動機の電動機定数及ぴ負荷トルクを
それぞれ同定する方法である。
【0013】また、永久磁石型同期電動機のd−q軸モ
デルを用いて、前記永久磁石型同期電動機に対し、d軸
電圧を特定して、オープンループ駆動における、供給さ
れるq軸電圧と該永久磁石型同期電動機の機械角速度と
の関係から、d軸電流及びq軸電流が消去された関係式
を導出し、この関係式から前記永久磁石型同期電動機の
電動機定数及ぴ負荷トルクのそれぞれを同定する方法で
ある。
【0014】また、永久磁石型同期電動機に、少なくと
も2相又は3相の駆動電力を供給するインバータと、前
記永久磁石型同期電動機の回転位置を検出する回転検出
器と、前記回転検出器から出力される位置信号に基づい
て、前記インバータにPWM(パルス幅変調)信号を出
力するCPU(中央演算処理装置)とからなるもので、
前記CPUは、前記永久磁石型同期電動機のd−q軸モ
デルを用いて、前記回転検出器から出力される位置信号
をd−q座標系に変換し、設定されているd軸電圧及び
q軸電圧とともに演算し、その結果を、さらに3相交流
座標系に再変換するものにより、前記永久磁石型同期電
動機に対し、前記d軸電圧を特定して、オープンループ
駆動における、供給される前記q軸電圧と該永久磁石型
同期電動機の機械角速度との関係から、前記d軸電流及
び前記q軸電流が消去された関係式を導出し、この関係
式から前記永久磁石型同期電動機の電動機定数及ぴ負荷
トルクのそれぞれを同定する方法である。
【0015】前記関係式は、
【数6】 (ここで、v refはq軸電圧指令値、ΔVはq軸の
出力誤差値、ωrmは前記電動機の機械角速度、Laは前
記電動機の巻線インダクタンスのd−q座標系での値、
aは前記電動機の巻線抵抗、φfaは磁束鎖交数、pは
前記電動機の極対数、TLは負荷トルク)である永久磁
石型同期電動機の電動機定数及び負荷トルクの同定方法
である。
【0016】本発明は以上のように構成されているの
で、試供用の前記同期電動機を駆動するための駆動用電
動機や電流検出器を用いることなく、前記同期電動機の
電動機定数及び負荷トルクを同定することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図1ないし図6に示す図面
に基づいて、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳し
く説明する。図1は、永久磁石型同期電動機の一般的な
d−q座標系(前記同期電動機の回転子の位相角に同期
して回転する2相直交座標系(2相直流モデル)であ
り、磁極方向をd軸とし、そのd軸と電気的に直行する
方向をq軸とするモデル)のブロック図である。ここ
で、vd ref,vq refは、d−q座標系での前記同期電動
機への印加電圧の指令値、id,iqは、d−q座標系で
の電流、Laは前記同期電動機巻線のインダクタンスの
d−q座標系での値、Raは同期電動機巻線の抵抗値で
ある。また、φfaは磁束鎖交数、pは前記同期電動機1
の極対数、Jは慣性モーメント、Dは粘性摩擦項、ωrm
は該同期電動機の機械角速度、ωreは該同期電動機の電
気角速度、TLは外乱トルクである。さらに、sはラプ
ラス演算子である。
【0018】図1のd−q座標軸モデルを簡単に説明す
ると、次のとおりである。まず、トルク分電流であるi
qは、q軸の電圧値vqとd軸電流からの干渉項であるω
re(Lad+φfa)との差に、前記同期電動機1のイン
ピーダンスの逆数である1/(Las+Ra)を掛けるこ
とによって得られる。同様に、磁界分電流であるi
dは、d軸の電圧値vdとq軸電流による干渉項のωre
aqとの和に、前記同期電動機1のインピーダンスの逆
数である1/(Las+Ra)を掛けることによって得ら
れる。また、トルク分電流iqは、前記同期電動機の極
対数p及び磁束鎖交数φfaを乗算することによってトル
クとなる。この同期電動機から得られるトルクから、該
同期電動機にかかる外部からのトルクである負荷トルク
Lを引いたものに、該同期電動機の慣性摩擦項及び粘
性摩擦項の1/(Js+D)を掛けることによって、該
同期電動機の機械角速度ωrmとなる(力F、質量m及び
加速度αの物理式F=mαによる)。また、該同期電動
機の電気角速度ωreは、前記機械角速度ωrmに極対数p
を掛けることによって得られる。
【0019】そこで、本発明者らは、このようなd−q
座標軸モデルから、独自に、q軸電圧vqと前記同期電
動機1の機械角速度ωrmとの関係式を次の如く導出し
た。
【0020】まず、永久磁石型同期電動機の一般的な電
圧・電流方程式及び外乱トルクの式は、図1のd−q座
標軸モデルより、下記の式(5)〜(7)である。
【数7】
【0021】前記式(5)及び(6)をそれぞれid
qについて解くと、下記の式(8)及び(9)の如く
になる。また、前記の式(7)は下記の式(10)の如
くになる。
【数8】
【0022】ここで、最終値の定理により前記式
(8)、(9)、(10)は、下記の式(11)、(1
2)、(13)でそれぞれ表される。
【数9】
【0023】さらに、前記の式(11)を、式(12)
に代入し、vqについて解くと、下記の式(14)を得
る。
【数10】
【0024】次に、前記の式(14)のiqに式(1
3)を代入して、ωrmの3次関数である下記の式(1
5)を導出する。
【数11】
【0025】ここで、一般に、図2に示す、前記同期電
動機Mを駆動する電圧型インバータを用いる場合、q軸
電圧vqはq軸電圧指令vq refに対して、デッドタイム
とフォワードドロップによる電圧降下がある。そこで、
これらについて考慮する必要がある。図2において、S
1〜S6はインバータ11のスイッチング素子、D1〜D6
は還流ダイオードである。また、EはDCリンク電圧で
あり、直流仮想中性点をnとしている。
【0026】図2に示すDCリンク仮想中性点nの電圧
unを、図3に示す。図3によれば、図の上からu相電
圧指令vu ref、スイッチング素子S1をon/offする入力
タイミング信号、S2をon/offする入力タイミング信
号、S1の動作状態、S2の動作状態、u相電流iuが負
荷に流れ込む方を正とした場合のiu>0のDCリンク
仮想中性点電圧Vun、u相電流iuが、iu<0の場合の
DCリンク仮想中性点電圧Vunである。また、デッドタ
イムをTdとする。スイッチング素子S1,S2のターン
オン時聞をton、ターンオフ時聞をtoffとすれば、実
際の出力電圧は、図3のVunのようにiuが正のときは
立ち上がり時にtL、立下り時にtSだけ遅れ、iuが負
の時には立ち上がり時にtS、立下り時にtLだけ遅れ
る。
【0027】以上により、定常状態における交流電圧指
令1周期の三角波比較方式PWM電圧波形のデッドタイ
ムの影響を図4に示す。図4によれば、図の上からu相
電圧vu及び三角波比較方式PWMのキャリア(周波数
c)、u相電流iuの正負、瞬時のDCリンク仮想中性
点電圧指令値vun ref、デッドタイムを考慮したDCリ
ンク仮想中性点電圧値vun、デッドタイムによる電圧誤
差ΔV′である。ここで、φは式(16)で表される電
圧と電流の位相差である。なお、図3及び図4におい
て、3相のうちu相電圧について説明したが、v相電圧
及びw相電圧についても同様である。
【数12】
【0028】図4より、位相差φに対するデッドタイム
の影響は下表に示す関係となる。
【表1】
【0029】また、図2において、DCリンク電圧E
は、フォワードドロップ電圧Vfdの影響を受ける。した
がって、デッドタイムTd、フォワードドロップ電圧V
fdを考慮した1相の出力電圧誤差ΔVは、下記の式(1
7)となる。
【数13】
【0030】d−q座標系における出力電圧誤差は、3
相座標上の出力電圧誤差を平均化し、負荷をスター結線
とした場合の各負荷相電圧vu,vv,vwを、d−q座
標変換することにより求める。つまり、q軸での出力電
圧誤差ΔVqは、各相の出力電圧誤差を、Δvu=2/3
(ΔV),Δvv=2/3(ΔV),Δvw=2/3(Δ
V)とすれば、下記の式(18)のようになる。
【数14】
【0031】したがって、q軸電圧vqは、下記の式
(19)で表される。
【数15】
【0032】前記式(14)と式(19)から、前記フ
ォワードドロップ電圧VfdとデッドタイムTdによる電
圧降下を考慮したd−q座標系の前記同期電動機1の方
程式は下記の式(20)のように導出される。
【数16】
【0033】図5は、図1に示す前記同期電動機のd−
q座標軸モデルより該同期電動機の機械角速度ωrmと、
q軸電圧vqとの関係式(id,iqを消去した関係式)
を用いて該同期電動機の磁束鎖交数及び電気的時定数を
同定するテスト装置のブロック図を示す。このテスト装
置は、図5に示すように、交流電源10と、前記交流電
源10に接続されたインバータ11と、前記インバータ
11から3相電流が供給される試供永久磁石型同期電動
機(テスト用の前記同期電動機)12と、前記試供同期
電動機12の回転子の回転位置を検出する位置検出器
(又は速度検出器)13と、前記位置検出器13から得
られる検出情報に基づいて、前記インバータ11へPW
M指令信号を出力するCPU14とから構成される。
【0034】ここで、図5に示すテスト装置を用いると
ともに、前記式(15)を利用することにより、前記永
久磁石型同期電動機12の磁束鎖交数及ぴ電気的時定数
を同定する方法について述べると、次の通りである。
【0035】まず、前記の式(20)より、q軸電圧v
qに対する電動機の機械角速度ωrmの特性は3次関数と
なるので、最小2乗法を用いて、3次関数の各係数を求
める。つまり、本実施の形態では、まず電気的時定数を
同定するためには次のような方法を用いる。
【0036】図5において、前記CPU14はd軸電圧
指令をvd ref=0として、前記式(20)の第2項で、
前記同期電動機12の電気的時定数τEの影響を消去す
るような、q軸電圧指令vqを与える。また、q軸電圧
指令vq refに対する前記同期電動機12の機械角速度ω
rmのオープンループ駆動特性を得るために、q軸電圧指
令vq refは指令値としで複数点を与える。
【0037】このq軸電圧指令値は、前記CPU14で
d−q座標系から3相交流座標系に変換されて、該CP
U14からPWM(パルス幅変調)信号として、前記イ
ンバータ11に入力される。そして、前記インバータ1
1に入力されたPWM信号により、適切な3相電圧が前
記試供同期電動機12の3相巻線に印加される。前記試
供同期電動機12の回転子位置は、前記位置検出器13
により検出されて、その検出信号が前記CPU14に入
力される。この検出位置信号は前記CPU14で再びd
−q座標系に変換されるとともに、該検出位置信号の値
に基づいて、前記CPU14では、前記試供同期電動機
12の機械角速度ωrmを得ることができる。このときの
d軸電圧指令vq refに対する電動機の機械角速度ωrm
オープンループ駆動特性は、図6の符号Aで示すような
曲線として得られる。
【0038】次に、d軸電圧指令値vd refとして、適切
な値を与えて弱め界磁を付与した状態の下で、前記と同
様のq軸電圧指令値vq refに対する前記試供同期電動機
12の機械角速度ωrmのオープンループ駆動特性は、図
6の符号Bで示すような曲線として得られる。このとき
得られる図6において、符号Aのデータより最小2乗法
を用いて得られた式を下記の式(21)とし、符号Bの
データより最小2乗法を適用し得られた式を下記の式
(22)とする。
【0039】
【数17】
【0040】前記式(20)、式(21)及び式(2
2)の第3項より、電気的時定数τEは、下記の式(2
3)で求められる。ここで、前記試供同期電動機12の
巻線抵抗Raを既知とすれば、巻線の自己インダクタン
スLaは、下記の式(24)より導出される。
【数18】
【0041】次に、磁束鎖交数φfaと粘性摩擦項Dは、
前記式(20)の第2項と、前記式(21)の第2項及
び式(21)又は式(22)の第4項と、前記式(2
0)の第4項を下記の式(25)及び(26)のよう
に、連立方程式とすることで、下記式(27)及び式
(28)のように得られる。
【数19】
【0042】さらに、負荷トルクは前記式(20)の第
1項と、前記式(21)又は式(22)の第1項より、
下記の式(29)の如く得ることができる。
【数20】
【0043】なお、本発明の技術は前記実施の形態にお
ける技術に限定されるものではなく、同様な機能を果た
す他の態様の手段によってもよく、また本発明の技術は
前記構成の範囲内において種々の変更、付加が可能であ
る。
【0044】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
永久磁石型同期電動機の電動機定数及び負荷トルクの同
定方法によれば、永久磁石型同期電動機のd−qモデル
を用いて、前記永久磁石型同期電動機に供給されるq軸
電圧と該永久磁石型同期電動機の機械角速度との関係式
(d−q座標系での電流を消去した関係式)を導出し、
この関係式を解析することによって、前記永久磁石型同
期電動機の電動機定数(パラメータ)及ぴ負荷トルクを
それぞれ同定するので、試供用の前記同期電動機を駆動
するための駆動用電動機や電流検出器を用いることな
く、前記同期電動機の電動機定数及び負荷トルクを同定
することができる。すなわち、前記同期電動機の電動機
定数(磁束鎖交数)を同定するために駆動用の電動機を用
いる必要がなくなるという効果を奏する。
【0045】また、前記永久磁石型同期電動機の電動機
定数及び負荷トルクは、d軸電圧指令、q軸電圧指令及
び前記同期電動機の機械角速度情報のみで同定が可能な
ため、負荷トルク、電動機定数(電気的時定数、巻線イ
ンダクタンス)を同定するための電流検出器を必要とし
ない。
【0046】さらに、前記永久磁石型同期電動機の負荷
トルクの項が、電動機定数の導出式(前記式(20)参
照)において、第1項、第3項に含まれないため、前記
電動機定数(電気的時定数、巻線インダクタンス、粘性
摩擦項及び誘導起電力定数)の同定の際、負荷トルクの
影響を受けにくいという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】永久磁石型同期電動機の一般的なd−q座標軸
モデルを示すブロック図である。
【図2】前記同期電動機を駆動する電圧型インバータの
DCリンク電圧以降の等価回路である。
【図3】前記同期電動機の線電流の極性に対するインバ
ータ出力電圧のタイミングを示す図である。
【図4】インバータにおける三角波比較方式PWM電圧
波形に対するデッドタイムの影響を示す図である。
【図5】本発明の永久磁石型同期電動機の電動機定数及
び負荷トルクの同定方法の一実施の形態を示すテスト装
置のブロック構成図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る前記同定方法を実
施する際に得られるq軸電圧と前記永久磁石型同期電動
機の機械角速度との関係で、オープンループ駆動特性を
示す図である。
【図7】永久磁石型同期電動機の磁束鎖交数を測定する
ための従来方法を説明するブロック構成図である。
【図8】永久磁石型同期電動機の電気的時定数を測定す
るための従来方法を説明するブロック構成図である。
【符号の説明】
1,12 試供永久磁石型同期電動機 2 駆動電動機 3 測定器 4 回転計 5,10 交流電源 6,11 インバータ 7 電流検出器 8,13 位置検出器 9,14 CPU(中央演算処理装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 間下 知紀 千葉県柏市篠籠田1400 オリエンタルモー ター株式会社内 Fターム(参考) 5H576 BB07 CC01 DD02 DD07 EE01 EE15 HA04 HB02 JJ03 JJ04 LL01 LL24 LL34 LL38 LL40 LL41

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石型同期電動機のd−q軸モデル
    を用いて、前記永久磁石型同期電動機に供給されるq軸
    電圧と該永久磁石型同期電動機の機械角速度との関係式
    を導出し、この関係式を解析することによって、前記永
    久磁石型同期電動機の電動機定数及ぴ負荷トルクをそれ
    ぞれ同定することを特徴とする永久磁石型同期電動機の
    電動機定数及び負荷トルクの同定方法。
  2. 【請求項2】 永久磁石型同期電動機のd−q軸モデル
    を用いて、前記永久磁石型同期電動機に対し、d軸電圧
    を特定して、オープンループ駆動における、供給される
    q軸電圧と該永久磁石型同期電動機の機械角速度との関
    係から、d軸電流及びq軸電流が消去された関係式を導
    出し、この関係式から前記永久磁石型同期電動機の電動
    機定数及ぴ負荷トルクのそれぞれを同定することを特徴
    とする永久磁石型同期電動機の電動機定数及び負荷トル
    クの同定方法。
  3. 【請求項3】 永久磁石型同期電動機に、少なくとも2
    相又は3相の駆動電力を供給するインバータと、前記永
    久磁石型同期電動機の回転位置を検出する回転検出器
    と、前記回転検出器から出力される位置信号に基づい
    て、前記インバータにPWM(パルス幅変調)信号を出
    力するCPU(中央演算処理装置)とからなるもので、
    前記CPUは、前記永久磁石型同期電動機のd−q軸モ
    デルを用いて、前記回転検出器から出力される位置信号
    をd−q座標系に変換し、設定されているd軸電圧及び
    q軸電圧とともに演算し、その結果を、さらに3相交流
    座標系に再変換するものにより、 前記永久磁石型同期電動機に対し、前記d軸電圧を特定
    して、オープンループ駆動における、供給される前記q
    軸電圧と該永久磁石型同期電動機の機械角速度との関係
    から、前記d軸電流及び前記q軸電流が消去された関係
    式を導出し、この関係式から前記永久磁石型同期電動機
    の電動機定数及ぴ負荷トルクのそれぞれを同定すること
    を特徴とする永久磁石型同期電動機の電動機定数及び負
    荷トルクの同定方法。
  4. 【請求項4】 前記関係式は、 【数1】 (ここで、v refはq軸電圧指令値、ΔVはq軸の
    出力誤差値、ωrmは前記電動機の機械角速度、Laは前
    記電動機の巻線インダクタンスのd−q座標系での値、
    aは前記電動機の巻線抵抗、φfaは磁束鎖交数、pは
    前記電動機の極対数、TLは負荷トルク)であることを
    特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の
    永久磁石型同期電動機の電動機定数及び負荷トルクの同
    定方法。
JP2002005718A 2002-01-15 2002-01-15 永久磁石型同期電動機の電動機定数及び負荷トルクの同定方法 Expired - Fee Related JP4070467B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002005718A JP4070467B2 (ja) 2002-01-15 2002-01-15 永久磁石型同期電動機の電動機定数及び負荷トルクの同定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002005718A JP4070467B2 (ja) 2002-01-15 2002-01-15 永久磁石型同期電動機の電動機定数及び負荷トルクの同定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003209995A true JP2003209995A (ja) 2003-07-25
JP4070467B2 JP4070467B2 (ja) 2008-04-02

Family

ID=27644682

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002005718A Expired - Fee Related JP4070467B2 (ja) 2002-01-15 2002-01-15 永久磁石型同期電動機の電動機定数及び負荷トルクの同定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4070467B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009232573A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Meidensha Corp Pmモータのインダクタンス計測方法
KR101348338B1 (ko) 2012-10-30 2014-01-16 한국전기연구원 부하관측기를 이용한 슬립방지 제어장치

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20240007035A1 (en) * 2022-06-29 2024-01-04 Texas Instruments Incorporated Open-loop motor control

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009232573A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Meidensha Corp Pmモータのインダクタンス計測方法
KR101348338B1 (ko) 2012-10-30 2014-01-16 한국전기연구원 부하관측기를 이용한 슬립방지 제어장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP4070467B2 (ja) 2008-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4063166B2 (ja) 電動機の制御装置
JP4665360B2 (ja) 電動機制御装置
JP4716118B2 (ja) モータ制御装置
US20070296371A1 (en) Position sensorless control apparatus for synchronous motor
JP4420170B2 (ja) 同期機の回転状態検出装置および同期機の回転状態検出方法
JP4131421B2 (ja) インバータ試験装置
JP6637185B2 (ja) インバータ制御装置およびドライブシステム
JP2008167655A (ja) インバータ試験装置
CN105580267A (zh) 电力转换装置和电力转换方法
JP6536473B2 (ja) 回転電機の制御装置
JP2009273256A (ja) 多相回転機の制御装置
Jannati et al. Speed sensorless fault-tolerant drive system of 3-phase induction motor using switching extended kalman filter
JP4899509B2 (ja) 交流電動機の回転子位相推定装置
JP4032731B2 (ja) インバータ試験装置
JP4042403B2 (ja) インバータ試験装置
JP4670162B2 (ja) 同期電動機の制御装置
JP4070467B2 (ja) 永久磁石型同期電動機の電動機定数及び負荷トルクの同定方法
JP5148789B2 (ja) 永久磁石型同期電動機の磁束鎖交数及び電気的時定数の同定方法
JP2020039227A (ja) 電動機の駆動装置
JP2020036440A (ja) 同期リラクタンスモータの制御装置
JP4035991B2 (ja) インバータ用試験装置及び回転角信号発生装置
JP6768753B2 (ja) モータ制御装置
JP2007267547A (ja) モータ制御装置
CN110086394B (zh) 控制装置
JP6465236B1 (ja) 制御装置、制御方法、制御システム、学習装置、及びモデルデータの生成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070508

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110125

Year of fee payment: 3

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070622

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110125

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120125

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120125

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130125

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140125

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees