JP2003206956A - 発進クラッチの制御装置 - Google Patents

発進クラッチの制御装置

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JP2003206956A
JP2003206956A JP2002005709A JP2002005709A JP2003206956A JP 2003206956 A JP2003206956 A JP 2003206956A JP 2002005709 A JP2002005709 A JP 2002005709A JP 2002005709 A JP2002005709 A JP 2002005709A JP 2003206956 A JP2003206956 A JP 2003206956A
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transmission torque
clutch
brake operation
engine rotation
gear ratio
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JP2002005709A
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Yoshiteru Ito
芳輝 伊藤
Kazutoshi Ohashi
和俊 大橋
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキをかけてから停車に至るまでのクラ
ッチ伝達トルクを適切に制御する。 【解決手段】 本発明の制御装置10は、センサ部12
とコントロ−ラ部14とを備えている。センサ部12
は、エンジン回転速度a、プーリ位置b’、ブレーキス
イッチ信号d等を検出する。コントロ−ラ部14は、ブ
レーキスイッチ信号d、エンジン回転速度a及びエンジ
ン回転速度−クラッチ伝達トルク特性に基づき基本伝達
トルク値eを算出し、プーリ位置b’から実変速比bを
検出し、実変速比bに基づき変速比補正係数fを算出
し、基本伝達トルク値eを変速比補正係数fによって補
正し最終的な伝達トルク値gを算出し、伝達トルク値g
に対応する制御信号cを発進クラッチ16へ出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機に用い
られる発進クラッチに関し、詳しくは、この発進クラッ
チを制御するための制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このような発進クラッチの制御装
置として、エンジン回転速度に応じてクラッチ伝達トル
クを予め設定しておき、検出したエンジン回転速度に応
じてクラッチ伝達トルクを制御することにより、滑らか
な発進特性を得るようにしたものが、特開平9−317
873号公報、特開平8−4796号公報等に開示され
ている。
【0003】これらの従来技術では、発進クラッチがエ
ンジンと無段変速機との間に配置されている。そのた
め、駆動輪と無段変速機の出力軸とが直結されているこ
とにより、急ブレーキにより車輪の回転速度が急激に減
少して停車すると、無段変速機の動作が追い着かないた
めに変速比がハイ側のままになってしまう。したがっ
て、再び発進する際に駆動力が不足して発進が困難にな
る。
【0004】この問題点を解決するために、無段変速機
の出力側に発進クラッチを設置したものが、特開平10
−159960号公報、特開平9−72353号公報等
に開示されている。無段変速機の出力側に発進クラッチ
を設置したことにより、発進クラッチを用いて無段変速
機を駆動輪から切り離すことができるため、車両停止時
でも変速が可能になる。したがって、急ブレーキによっ
て車輪の回転速度が急激に減少して変速比がハイ側のま
ま停車しても、その後、変速比をロー側へ変更できるの
で、良好な発進が可能となる。
【0005】しかし、発進クラッチを無段変速機の出力
側に設置した場合、次のような問題があった。エンジン
回転速度に応じてクラッチ伝達トルクを予め設定してお
き、検出したエンジン回転速度に対応したクラッチ伝達
トルクとなるように、クラッチ伝達トルクを制御する場
合、発進時を前提としてエンジン回転速度に応じてクラ
ッチ伝達トルクを設定する。すなわち、無段変速機の変
速比がローの状態で最適な発進ができるように、クラッ
チ伝達トルクを設定する。したがって、急ブレーキによ
って車輪の回転速度が急激に減少したため、無段変速機
の動作が追い着かずに変速比がハイの状態にあるとき、
無段変速機の出力トルク(クラッチ入力トルク)に対し
クラッチ伝達トルクが過大となることにより、必要以上
にエンジン回転速度が低下する。その結果、車両が振動
したり、最悪の場合にはエンストが起きたりする、とい
う問題があった。
【0006】一方、本発明者は、この問題を解決した発
進クラッチの制御装置を既に開示している(特開200
1−208109号公報)。すなわち、無段変速機の出
力側に設置された発進クラッチのクラッチ伝達トルクを
エンジン回転速度に応じて予め設定しておき、検出した
エンジン回転速度に応じてクラッチ伝達トルクを制御す
る、発進クラッチの制御装置において、無段変速機の変
速比を検出し、この変速比に応じてクラッチ伝達トルク
を補正するものである。
【0007】発進クラッチは、無段変速機の出力側に設
置されている。クラッチ伝達トルクは、エンジン回転速
度に応じて予め設定された値になるように制御される。
このとき、クラッチ伝達トルクは変速比に応じて補正さ
れる。したがって、車速が急激に減少したため、無段変
速機の動作が追い着かずに変速比がハイの状態にあって
も、クラッチ伝達トルクが変速比に応じて適切に制御さ
れる。これにより、減速の動作が滑らかになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、無段変速
機の変速比を検出する手段を設け、その変速比がハイで
あるほどクラッチ伝達トルクが小さくなるように制御す
ることにより、かなりの効果が得られた。しかしなが
ら、この従来技術では、次のような問題があった。
【0009】運転者は、同じ減速時でも、ブレーキを作
動させた場合に、ブレーキを作動させない場合に比べ
て、当然のことながら大きく減速することを期待する。
しかし、この従来技術では、ブレーキの作動の有無には
関係なく、画一的に減速時のクラッチ伝達トルクを制御
するので、ブレーキをかけた場合でも、駆動輪に対する
制動力に抗して、無段変速機からある程度の駆動力が発
生することになる。そのためブレーキをかけたときに、
変速の遅れによりエンジン回転が引き下げられる感覚、
すなわち車両を駆動する感覚を運転者に与えていた。こ
のように、ブレーキをかけて減速する意思に反した挙動
となることにより、違和感が生じるので、未だ改善の余
地があることがわかった。
【0010】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、ブレーキをか
けてから停車に至るまでのクラッチ伝達トルクを適切に
制御することができる、発進クラッチの制御装置を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る制御装置
は、無段変速機の出力側に設置された発進クラッチのク
ラッチ伝達トルクをエンジン回転速度に応じて予め設定
しておき、検出したエンジン回転速度に応じてクラッチ
伝達トルクを制御するものである。そして、ブレーキ作
動の有無を検出し、この有無に応じてクラッチ伝達トル
クを補正する、ことを特徴とする。例えば、ブレーキ作
動が有りの場合にブレーキ作動が無しの場合よりもクラ
ッチ伝達トルクが小さくなるように補正する(請求項
4)。また、ブレーキ作動の有無に加えスロットル開度
を検出し、このスロットル開度が増加した場合には、ブ
レーキ作動が無いものとしてクラッチ伝達トルクを補正
する、としてもよい(請求項5)。
【0012】発進クラッチは、無段変速機の出力側に設
置されている。クラッチ伝達トルクは、エンジン回転速
度に応じて予め設定された値になるように制御される。
このとき、クラッチ伝達トルクはブレーキ作動の有無に
応じて補正される。例えば、ブレーキ作動が有りの場合
は、ブレーキ作動が無しの場合よりも、クラッチ伝達ト
ルクが小さくなるように補正する。したがって、急ブレ
ーキによって車速が急激に減少したため、無段変速機の
動作が追い着かずに変速比がハイの状態にあっても、無
段変速機の出力トルクに対しクラッチ伝達トルクが過大
となることがない。言い換えると、ブレーキをかけた場
合に、ブレーキをかけない場合に比べて、いわゆる半ク
ラッチ状態を緩くするので、無段変速機からの駆動力が
駆動輪に伝達しにくくなる。これにより、ブレーキをか
けて減速する意思に沿った動作となることにより、違和
感が生じないので、乗り心地が改善される。
【0013】例えば自動二輪車の坂道発進のように、ブ
レーキをかけた状態で発進するときは、駆動輪に対して
できるだけ大きい駆動力を与える必要がある。そこで、
スロットル開度を検出し、このスロットル開度が増加し
た場合には、ブレーキ作動が有っても無いものとしてク
ラッチ伝達トルクを補正する。
【0014】本発明の構成例としては、エンジン回転速
度、変速比及びブレーキ作動の有無を検出するセンサ部
と、このセンサ部で検出されたエンジン回転速度、変速
比及びブレーキ作動の有無に基づき制御信号を発進クラ
ッチへ出力するコントロ−ラ部とを備え、コントロ−ラ
部は、ブレーキ作動の有無ごとに予め設定されたエンジ
ン回転速度−クラッチ伝達トルク特性に基づき、センサ
部で検出されたエンジン回転速度及びブレーキ作動の有
無に対応するクラッチ伝達トルクを算出し、この算出し
たクラッチ伝達トルクをセンサ部で検出された変速比に
応じて補正し、この補正したクラッチ伝達トルクに対応
する制御信号を出力する、としてもよい(請求項2)。
【0015】このとき、センサ部は、エンジン回転速度
を検出するエンジン回転センサと、実変速比に対応する
プーリ位置を検出するプーリ位置センサと、ブレーキ作
動の有無を検出するブレーキスイッチとを備え、コント
ロ−ラ部は、ブレーキ作動の有無、エンジン回転速度及
びエンジン回転速度−クラッチ伝達トルク特性に基づき
基本伝達トルク値を算出する基本伝達トルク算出手段
と、プーリ位置から実変速比を検出する実変速比検出手
段、実変速比に基づき変速比補正係数を算出する変速比
補正係数算出手段と、基本伝達トルク値を変速比補正係
数によって補正し最終的な伝達トルク値を算出する伝達
トルク算出手段と、この伝達トルク値に対応する制御信
号を発進クラッチへ出力する制御信号出力手段とを備え
た、としてもよい(請求項3)。
【0016】換言すると、本発明に係る制御装置の主要
な構成は次のとおりである。.発進クラッチを無段変
速機の出力側に設置し、クラッチ伝達トルクをエンジン
回転速度に応じて予め設定しておき、エンジン回転速度
に対応して設定した伝達トルクとなるように、クラッチ
伝達トルクを制御する発進クラッチの制御装置におい
て、ブレーキ作動の有無に応じてクラッチ伝達トルクを
補正する。.ブレーキ作動有りの場合は、ブレーキ作
動無しの場合よりもクラッチ伝達トルクが小さくなるよ
うに補正する。.ブレーキ作動時でも加速意図がある
場合(例えばスロットルが開けられた場合)には、ブレ
ーキ作動無しとして制御する。
【0017】このように、ブレーキ作動の有無及び無段
変速機の変速比に応じて、クラッチ伝達トルクを補正す
る。つまり、減速時に変速が追い着かなくなって目標変
速比よりハイ側になっても、ブレーキ作動時にはブレー
キ非作動時に比べてクラッチ伝達トルクを小さくする。
これにより、駆動側のトルクを小さくすることができる
ので、違和感を小さくすることができる。また、ブレー
キ作動時でも加速意図がある場合には、ブレーキ作動無
しとして制御するので、加速意図に反することなく良好
なフィーリングを得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る発進クラッ
チの制御装置の一実施形態を示すブロック図である。以
下、この図面に基づき説明する。
【0019】本実施形態の制御装置10は、センサ部1
2とコントロ−ラ部14とを備えている。センサ部12
は、エンジン回転速度aを検出するエンジン回転センサ
と、実変速比bに対応するプーリ位置b’を検出するプ
ーリ位置センサ122と、ブレーキ作動の有無に対応す
るブレーキスイッチ信号dを出力するブレーキスイッチ
123とを備えている。コントロ−ラ部14は、ブレー
キスイッチ信号d、エンジン回転速度a及びエンジン回
転速度−クラッチ伝達トルク特性(図4[1])に基づ
き基本伝達トルク値eを算出する基本伝達トルク算出手
段141と、プーリ位置b’から実変速比bを検出する
実変速比検出手段142、実変速比bに基づき変速比補
正係数fを算出する変速比補正係数算出手段143と、
基本伝達トルク値eを変速比補正係数fによって補正し
最終的な伝達トルク値gを算出する伝達トルク算出手段
144と、伝達トルク値gに対応する制御信号cを発進
クラッチ16へ出力する制御信号出力手段145とを備
えている。
【0020】エンジン回転センサ121は、例えばエン
ジン回転速度aに応じた出力電圧を発生するタコジェネ
レータである。プーリ位置センサ122は、例えば後述
する駆動プーリのプーリ幅に応じた出力電圧を発生する
ポテンショメータである。変速比は駆動プーリのプーリ
幅に応じて一義的に定まる(図4[2])。ブレーキス
イッチ123は、例えばブレーキ操作に連動するスイッ
チであり、ブレーキランプの点灯用として既設のもので
ある。コントロ−ラ部14を構成する各手段は、例えば
マイクロコンピュータ及びそのプログラムによって実現
されている。発進クラッチ16は、一般的な電磁クラッ
チであり、印加される電流に応じてクラッチ伝達トルク
を変えることができる。
【0021】図2は、図1の制御装置が搭載された無段
自動変速機を示すブロック図である。以下、この図面に
基づき説明する。ただし、図1と同じ部分は同じ符号を
付すことにより説明を省略する。
【0022】無段自動変速機20は、自動二輪車用であ
る。エンジン21の出力は、エンジン21→駆動プーリ
22→Vベルト24→被動プーリ26→発進クラッチ1
6→リアタイヤ30と伝達される。変速比可変機構32
は、モータ42、駆動プーリ22、Vベルト24、被動
プーリ26及びその付随物からなる一般的なものであ
る。例えば、モータ42によって駆動プーリ22のプー
リ幅を広くすると、Vベルト24に対する駆動プーリ2
2のプーリ径が小さくなる。すると、Vベルト24の長
さは一定であり、かつ被動プーリ26には一定のクラン
プ力が付勢されていることにより、被動プーリ26のプ
ーリ幅が自動的に狭くなる、すなわちVベルト24に対
する被動プーリ26のプーリ径が自動的に大きくなる。
その結果、変速比が小さくなる、すなわち変速比がハイ
側になる。なお、ここでいう「変速比が小さい」とは変
速比がハイ側にあることであり、「変速比が大きい」と
は変速比がロー側にあることである。
【0023】コントロ−ラ部14は、変速比が無段階で
自動的に変化する無段自動変速モードと、運転者が所定
の変速比を選ぶ有段手動変速モードとを備え、実変速比
を目標変速比に一致させるようにフィードバック制御を
実行する機能を併せ持っている。スロットル開度hはス
ロットルセンサ36により検出され、エンジン回転速度
aはエンジン回転センサ121により検出され、被動プ
ーリ回転速度は被動プーリ回転センサ38により検出さ
れ、車輪回転速度(車速)は車速センサ40によって検
出され、それぞれコントロ−ラ部14に入力される。す
ると、コントロ−ラ部14は、これらのデータから算出
した制御信号c(変速比変更信号)をモータ42へ出力
する。その結果、モータ42が回転して駆動プーリ22
のプーリ幅を変更することにより、変速比が変更され
る。なお、Vベルト24に対するクランプ力は、被動プ
ーリ26に設けたトルクカム(図示せず)によって発生
している。
【0024】また、コントロ−ラ部14には、変速比を
大きく(低く)するためのダウンシフトスイッチ34
1、変速比を小さく(高く)するためのアップシフトス
イッチ342、無段自動変速モードと有段手動変速モー
ドとのどちらか一方を選択するためのマニュアルモード
スイッチ343が接続されている。マニュアルモードス
イッチ343がオフの状態では無段自動変速モードが選
択され、マニュアルモードスイッチ343がオンの状態
では有段手動変速モードが選択される。有段手動変速モ
ードのとき、アップシフトスイッチ342が所定時間オ
ンした場合はアップシフトが実行され、ダウンシフトス
イッチ341が所定時間オンした場合はダウンシフトが
実行される。
【0025】次に、制御装置10の動作を概略的に説明
する。
【0026】エンジン回転速度a、変速比b及びブレー
キスイッチ信号dは、エンジン回転センサ121、プー
リ位置センサ122及びブレーキスイッチ123で検出
され、コントロ−ラ部14へ出力される。コントロ−ラ
部14では、ブレーキ作動の有無に応じてエンジン回転
速度aに対応するクラッチ伝達トルクが算出され、この
算出されたクラッチ伝達トルクが変速比bに応じて補正
され、補正されたクラッチ伝達トルクが制御信号cとし
て発進クラッチ16へ出力される。発進クラッチ16で
は、制御信号cに応じたクラッチ伝達トルクが発生す
る。
【0027】ブレーキ作動が有りの場合は、ブレーキ作
動が無しの場合よりも、クラッチ伝達トルクが小さくな
るように補正する。したがって、ブレーキをかけた場合
に、ブレーキをかけない場合に比べて、発進クラッチ1
6のいわゆる半クラッチ状態を緩くするので、変速比可
変機構32からの駆動力が駆動輪30に伝達しにくくな
る。これにより、ブレーキをかけて減速する意思に沿っ
た動作となることにより、違和感が生じない。したがっ
て、減速して停車に至るまでが極めて滑らかに動作する
ので、乗り心地は快適である。
【0028】ただし、坂道発進のように、ブレーキをか
けた状態で発進するときは、駆動輪30に対してできる
だけ大きい駆動力を与える必要がある。そこで、コント
ロ−ラ部14は、スロットルセンサ36からスロットル
開度hを検出し、スロットル開度hが増加した場合に
は、ブレーキ作動が有っても無いものとしてクラッチ伝
達トルクを補正する。
【0029】図3は、コントロ−ラ部14の動作を示す
フローチャートである。図4は図3の動作の基準となる
各特性を示すグラフであり、図4[1]はブレーキ作動
の有無ごとに設定されたエンジン回転速度−クラッチ伝
達トルク特性、図4[2]はプーリ位置−変速比特性、
図4[3]はクラッチ伝達トルク−制御信号(制御電
流)特性である。以下、図1乃至図4に基づき、制御装
置10の動作を詳細に説明する。
【0030】図3に示す処理は、コントロ−ラ部14の
各手段の動作の組み合わせからなり、一定制御周期ごと
に実行される。まず、エンジン回転センサ121からエ
ンジン回転速度aを、プーリ位置センサ122からプー
リ位置b’を、ブレーキスイッチ123からブレーキス
イッチ信号dを、スロットルセンサ36からスロットル
開度hを、それぞれ取り込む(ステップ101)。
【0031】続いて、ブレーキ作動の有無ごとに予め設
定してあるエンジン回転速度−クラッチ伝達トルク特性
(図4[1])に従い、取り込んだブレーキスイッチ信
号d及びエンジン回転速度aに対応する基本伝達トルク
値eを線形補間により算出する(ステップ102)。こ
こで参照するエンジン回転速度−クラッチ伝達トルク特
性は、図4[1]に示すように、エンジン回転速度aが
高いほどクラッチ伝達トルクが増加するように、かつ同
じエンジン回転速度aであってもブレーキ作動時をブレ
ーキ非作動時に比べてクラッチ伝達トルクが小さくなる
ように設定されている。ただし、ブレーキ作動時でも加
速意図がある場合、すなわちスロットル開度hが増加し
ている場合は、駆動力が発生しても違和感とならないの
で、ブレ一キ作動無しとして基本伝達トルク値eを算出
する。
【0032】続いて、予め設定されているプーリ位置−
変速比特性(図4[2])に従い、取り込んだプーリ位
置b’に対応する実変速比bを線形補間により算出する
(ステップ103)。続いて、最大変速比(ロー)に対
する実変速比bの比を変速比補正係数fとして算出する
(ステップ104)。続いて、基本伝達トルク値eに変
速比補正係数fを乗算することにより、実変速比bに応
じてクラッチ伝達トルクを補正し、これを伝達トルク値
gとする(ステップ105)。
【0033】続いて、予め設定されているクラッチ伝達
トルク−制御信号(制御電流)特性(図4[3])に従
い、算出した伝達トルク値gに対応する制御信号cを線
形補間により算出し、この制御信号cを発進クラッチ1
6へ出力しリターンへ進む(ステップ106)。ここで
参照するクラッチ伝達トルク−制御信号(制御電流)特
性は、図4[3]に示すようにヒステリシスを有してお
り、クラッチ伝達トルクを増加させる場合と減少させる
場合とでそれぞれ異なる制御電流値となる。
【0034】なお、言うまでもないが、本発明は上記実
施形態に限定されるものではない。例えば、プーリとベ
ルトを用いた無段変速機に限らず、トロイダル式無段変
速機を用いても同様の効果を得ることができる。また、
プーリ位置を検出するプーリ位置センサを用いて実変速
比を算出することに限らず、無段変速機の入力回転速度
と出力回転速度とから実変速比を算出するようにしても
よい。
【0035】
【発明の効果】本発明に係る本発明に係る制御装置は、
無段変速機の出力側に設置された発進クラッチのクラッ
チ伝達トルクをエンジン回転速度に応じて予め設定して
おき、検出したエンジン回転速度に応じてクラッチ伝達
トルクを制御する際に、ブレーキ作動の有無を検出し、
この有無に応じてクラッチ伝達トルクを補正することに
より、ブレーキをかけてから停車に至るまでのクラッチ
伝達トルクを適切に制御できる。
【0036】例えば、ブレーキ作動が有りの場合にブレ
ーキ作動が無しの場合よりもクラッチ伝達トルクが小さ
くなるように補正することにより、ブレーキをかけた場
合に半クラッチ状態が緩くなるので、無段変速機からの
駆動力が駆動輪に伝達しにくくなり、これによりブレー
キをかけて減速する意思に沿った動作となるので、乗り
心地を改善できる。
【0037】また、スロットル開度が増加した場合に
は、ブレーキ作動が有っても無いものとしてクラッチ伝
達トルクを補正することにより、ブレーキをかけた状態
で発進するときに、駆動輪に対して十分な駆動力を与え
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る発進クラッチの制御装置の一実施
形態を示すブロック図である。
【図2】図1の制御装置が搭載された無段自動変速機を
示すブロック図である。
【図3】図1の制御装置におけるコントロ−ラ部の動作
を示すフローチャートである。
【図4】図3の動作の基準となる各特性を示すグラフで
あり、図4[1]はブレーキ作動の有無ごとに設定され
たエンジン回転速度−クラッチ伝達トルク特性、図4
[2]はプーリ位置−変速比特性、図4[3]はクラッ
チ伝達トルク−制御信号(制御電流)特性である。
【符号の説明】
10 制御装置 12 センサ部 121 エンジン回転センサ 122 プーリ位置センサ 123 ブレーキスイッチ 14 コントロ−ラ部 141 基本伝達トルク算出手段 142 実変速比検出手段 143 変速比補正係数算出手段 144 伝達トルク算出手段 145 制御信号出力回路 16 発進クラッチ 20 無段変速機 36 スロットルセンサ a エンジン回転速度 b 変速比 c 制御信号 d ブレーキ作動信号 h スロットル開度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 59:54 F16H 59:54 59:70 59:70 Fターム(参考) 3J057 AA01 GA26 GA64 GB02 GB25 GB29 GC09 HH06 JJ04 3J552 MA04 MA07 MA09 MA14 NA08 NB01 PA32 PA33 RB17 RB20 SA30 UA03 VA17W VA74W VC01W VC03W VD11W

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無段変速機の出力側に設置された発進ク
    ラッチのクラッチ伝達トルクをエンジン回転速度に応じ
    て予め設定しておき、検出したエンジン回転速度に応じ
    て前記クラッチ伝達トルクを制御する、発進クラッチの
    制御装置において、 ブレーキ作動の有無を検出し、この有無に応じて前記ク
    ラッチ伝達トルクを補正する、 ことを特徴とする発進クラッチの制御装置。
  2. 【請求項2】 前記エンジン回転速度、変速比及び前記
    ブレーキ作動の有無を検出するセンサ部と、このセンサ
    部で検出されたエンジン回転速度、変速比及びブレーキ
    作動の有無に基づき制御信号を前記発進クラッチへ出力
    するコントロ−ラ部とを備え、 前記コントロ−ラ部は、前記ブレーキ作動の有無ごとに
    予め設定されたエンジン回転速度−クラッチ伝達トルク
    特性に基づき、前記センサ部で検出されたブレーキ作動
    の有無及びエンジン回転速度に対応する前記クラッチ伝
    達トルクを算出し、この算出したクラッチ伝達トルクを
    前記センサ部で検出された変速比に応じて補正し、この
    補正したクラッチ伝達トルクに対応する前記制御信号を
    出力する、 請求項1記載の発進クラッチの制御装置。
  3. 【請求項3】 前記センサ部は、前記エンジン回転速度
    を検出するエンジン回転センサと、実変速比に対応する
    プーリ位置を検出するプーリ位置センサと、前記ブレー
    キ作動の有無を検出するブレーキスイッチとを備え、 前記コントロ−ラ部は、前記ブレーキ作動の有無、前記
    エンジン回転速度及び前記エンジン回転速度−クラッチ
    伝達トルク特性に基づき基本伝達トルク値を算出する基
    本伝達トルク算出手段と、前記プーリ位置から実変速比
    を検出する実変速比検出手段、前記実変速比に基づき変
    速比補正係数を算出する変速比補正係数算出手段と、前
    記基本伝達トルク値を前記変速比補正係数によって補正
    し最終的な伝達トルク値を算出する伝達トルク算出手段
    と、この伝達トルク値に対応する前記制御信号を発進ク
    ラッチへ出力する制御信号出力手段とを備えた、 請求項2記載の発進クラッチの制御装置。
  4. 【請求項4】 前記ブレーキ作動が有りの場合に前記ブ
    レーキ作動が無しの場合よりも前記クラッチ伝達トルク
    が小さくなるように補正する、 請求項1,2又は3記載の発進クラッチの制御装置。
  5. 【請求項5】 前記ブレーキ作動の有無に加えスロット
    ル開度を検出し、このスロットル開度が増加した場合に
    は、前記ブレーキ作動が無いものとして前記クラッチ伝
    達トルクを補正する、 請求項1,2,3又は4記載の発進クラッチの制御装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008169971A (ja) * 2007-01-15 2008-07-24 Yamaha Motor Co Ltd ベルト式無段変速機、ベルト式無段変速機の制御装置および車両
CN100450811C (zh) * 2004-09-29 2009-01-14 本田技研工业株式会社 无级变速器的变速控制装置
JP2012211680A (ja) * 2011-03-31 2012-11-01 Honda Motor Co Ltd 電子式変速制御ユニット

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