JP2010112544A - 制御装置及び変速制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 運転者の意図を的確に把握し、変速装置を最適に制御することができる制御装置する。
【解決手段】 アクセル開度センサ23で測定されたアクセル開度の情報を入力する入力部11と、所定条件が成立すると変速装置を高変速側から低変速側にダウンシフトさせる変速制御において、この変速制御を終了させるか否かを判定する判定しきい値を、アクセル開度の変化率に基づいて変更する処理と、変更された判定しきい値と現在のアクセル開度とに基づいて、自動変速機50をダウンシフトさせている変速制御を終了させるか否かを判定する処理とを実行するマイコン12とを有している。
【選択図】 図2

Description

本発明は、制御装置及び変速制御方法に関する。特に、本発明は、所定条件が成立すると変速装置を高変速側から低変速側にダウンシフトさせるキックダウン制御の制御技術に関する。
従来より、アクセルペダルの踏み込み量が所定の基準値を超えると、運転者に加速意志があるものと判断し、自動変速機をシフトダウンして車両の加速性能の向上を図るキックダウン制御が知られている。また、登坂路や降坂路を走行時に、変速機のシフトダウンを解除せず、平坦路になった際にシフトダウンを解除する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−172209号公報
しかしながら、登坂路といっても傾斜の緩やかな箇所や、傾斜の急な箇所が存在し、このような登坂路に一律にキックダウン制御を行っても快適な操作性を得ることができない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、運転者のアクセル操作の意図を的確に把握し、変速装置を最適に制御することができる制御装置及び変速制御方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために本発明の制御装置は、測定手段で測定されたアクセル開度の情報を入力する入力部と、所定条件が成立すると変速装置を高変速側から低変速側にダウンシフトさせる変速制御において、この変速制御を終了させるか否かを判定する判定しきい値を、アクセル開度の変化率に基づいて変更する変更処理と、変更処理によって変更された判定しきい値と現在のアクセル開度とに基づいて、変速装置をダウンシフトさせている変速制御を終了させるか否かを判定する判定処理とを実行する実行部と、を有する構成を備えている。
本発明によれば、変速装置の変速制御を終了させるか否かを判定する判定しきい値を、アクセル開度の変化率に基づいて変更することで、運転者の運転操作に応じて最適なタイミングで変速制御を終了させることができる。
上記制御装置において、前記変更処理は、アクセルペダルの開度が所定開度以上になったことを検出するキックダウンスイッチの単位時間内でのオン回数に基づいて、前記判定しきい値を変更するとよい。
従って、キックダウンスイッチの単位時間内でのオン回数に基づいて、最適なタイミングで変速制御を終了させることができる。
上記制御装置において、前記実行部は、測定手段で測定された車両の走行状態を表す状態量に基づいて車両が登坂路又は降坂路を走行しているか否かを判定する判定処理をさらに実行し、前記変更処理は、登坂路を走行していると判定された場合の判定しきい値を降坂路を走行していると判定された場合の判定しきい値よりも小さい値に変更するとよい。
従って、登坂路における変速制御が降坂路のときよりも継続するように判定しきい値を補正することができる。
上記制御装置において、前記実行部は、車両に搭載されたアンチロックブレーキシステムを制御する他の制御装置との通信を行う通信処理と、測定手段で測定された車両の走行状態を表す状態量と、前記通信処理により他の制御装置から取得するアンチロックブレーキシステムの動作状況を示す情報とに基づいて、タイヤスリップが発生しているか否かを判定する判定処理と、をさらに実行し、前記変更処理は、タイヤスリップが発生していると判定された場合の判定しきい値を、タイヤスリップが発生していないと判定された場合の判定しきい値よりも小さい値に変更するとよい。
従って、タイヤスリップが発生している場合の変速制御が、スリップが発生していないときよりも継続するように判定しきい値を補正することができる。
本発明の変速制御方法は、測定手段で測定されたアクセル開度の情報を入力するステップと、所定条件が成立すると変速装置を高変速側から低変速側にダウンシフトさせる変速制御において、この変速制御を終了させるか否かを判定する判定しきい値を、アクセル開度の変化率に基づいて変更するステップと、変更処理によって変更された判定しきい値と現在のアクセル開度とに基づいて、変速装置をダウンシフトさせている変速制御を終了させるか否かを判定するステップと、を有している。
本発明によれば、運転者の意図を的確に把握し、把握した意図に基づいて変速装置を最適に制御することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の最良の実施例を説明する。
図1に、本発明を適用したエンジン制御装置(以下、エンジンECU(Electronic Control Unit)という)10と、エンジンECU10の接続構成とを示す。
エンジンECU10には、車両の走行状態、エンジンの運転状態や変速機の状態を測定するための各種センサが接続されている。図1には、各種センサとして、車速センサ21と、加速度センサ22と、アクセル開度センサ23と、スロットルポジションセンサ24と、シフトポジションセンサ25と、回転数センサ26と、傾斜センサ27とを示す。また、エンジンECU10には、各種スイッチからのスイッチ信号が出力される。図1に示す例では、キックダウンスイッチ28からのスイッチ信号がエンジンECU10に出力される。なお、図示のセンサやスイッチ以外にも複数のセンサやスイッチからの信号がエンジンECU10には出力される。
車速センサ21は、例えば、ドライブシャフトの回転数に基づいて車両の走行速度である車速を検出する。車速センサ21は、検出した車速を表すセンサ信号をエンジンECU10に出力する。
加速度センサ22は、車両の前後方向の加速度を検出する。加速度センサ22は、検出した加速度を表すセンサ信号をエンジンECU10に出力する。
アクセル開度センサ23は、運転者によるアクセルペダルの操作量(以下、アクセルペダル開度という)を検出する。アクセル開度センサ23は、検出したアクセル開度を表す信号をエンジンECU10に出力する。
スロットルポジションセンサ24は、エンジンの吸気管に設けられた電子制御スロットル33の開度に応じた信号をエンジンECU10に出力する。
シフトポジションセンサ25は、車両の自動変速機50の変速位置を切り替えるべく運転者により操作されるシフトレバーの操作位置(ドライブ(D)レンジ、ニュートラル(N)レンジ、リバース(R)レンジ、パーキング(P)レンジ)に応じた信号をエンジンECU10に出力する。
回転数センサ26は、トルクコンバータ(不図示)の出力軸回転数NTや、自動変速機50の出力軸回転数NOUT(出力回転数)を測定し、測定値をセンサ信号としてエンジンECU10に出力する。エンジンECU10は、回転数センサ26の測定したトルクコンバータの出力軸回転数NTと、自動変速機50の出力軸回転数NOUT(出力回転数)との比から自動変速機50の変速比(ギア比)を算出する。自動変速機50の変速比(ギア比)は、トルクコンバータ210の出力軸回転数NT/出力軸回転数NOUTで算出される。また、自動変速機50が無段変速機である場合には、プライマリプーリの入力軸の回転数NINをセカンダリプーリの出力軸の回転数NOUTで除算した値が変速比となる。無段変速機は、V溝状のプーリ溝を備えたプライマリプーリ(駆動側プーリ)とセカンダリプーリ(従動側プーリ)とにベルトを巻掛け、一方のプーリのプーリ溝の溝幅を拡大すると同時に他方のプーリのプーリ溝の溝幅を狭くすることにより、それぞれのプーリに対するベルトの巻掛け半径(有効径)を連続的に変化させて変速比を制御する。
傾斜センサ27は、車両の傾斜の変化を検出するセンサである。傾斜センサ27は、車両の前後方向の傾き、すなわち道路勾配を検出し、検出値を示すセンサ信号をエンジンECU10に出力する。
キックダウンスイッチ28は、アクセル開度センサ23によって測定されたアクセル開度が所定開度以上になるとオンするスイッチである。エンジンECU10は、キックダウンスイッチ28のオン/オフを監視して、キックダウン制御を実行するか否かを決定する。
キックダウン制御とは、運転者が勢いよくアクセルペダルを踏み込むと、加速意志があるものと判断し、自動変速機50をシフトダウンさせて車両の加速性能を向上させるものである。走行中においてアクセルペダルがそれまでの操作位置から強く踏み込まれて、アクセル開度が例えば80%程度に定められたしきい値を超えた場合には、エンジンECU10は自動変速機50をシフトダウンさせるためのキックダウン制御を実施する。また、アクセル開度が所定のしきい値以下となり、キックダウンスイッチ28がオンからオフとなると、エンジンECU10は、キックダウン制御を終了させる。
エンジンECU10は、センサ信号に基づいてエンジン点火タイミングや、燃料噴射量等を制御する制御信号を生成する。生成した制御信号はイグナイタ31やインジェクタ32に出力される。また、エンジンECU10は、アクセル開度センサ23によって測定されたアクセル開度に応じて、電子制御スロットル(スロットルバルブの開度)33を制御する。
また、エンジンECU10は、運転者の操作するアクセル開度と車両の速度とに基づいて、車両が必要とする要求出力を算出し、算出した要求出力が発揮されるように油圧制御部34を制御する。油圧制御部34は、エンジンECU10の制御に従ってソレノイドバルブを駆動し、自動変速機50の変速比を制御する。自動変速機50には、多段自動変速機や、無段変速機が用いられる。
また、エンジンECU10は、回転数センサ26の検出値に基づいて算出された変速比、車速センサ21で測定された車速、加速度センサ22で測定された加速度、スロットル開度センサ23で測定されたスロットル開度等に基づいて、車両の走行中の道路が登坂路であるのか、降坂路であるのかを判定する。
例えば、平坦路でのスロットル開度や、そのスロットル開度のときの車速、加速度、変速比等を基準値としてメモリ(RAM12b(図3参照))に記録している。そして、走行中の道路でのスロットル開度や、このスロットル開度のときの車速、加速度、変速比を基準値と比較することで、現在走行中の道路が登坂路であるのか、降坂路であるのかを判定する。また、図1に示すように傾斜センサ27を搭載している場合には、前述したスロットル開度、車速、加速度、変速比の基準値との比較の他に、傾斜センサ27の測定したセンサ値も用いて登坂路や降坂路を判断してもよい。また、傾斜センサ27のセンサ値だけから登坂路、降坂路を判断してもよい。
エンジンECU10の詳細について図2及び図3を参照して説明する。
図2は、エンジンECU10の要部構成を示すブロック図、図3は、マイコン12のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2に示すようにエンジンECU10内には、入力部11、マイコン12、出力部13、通信ドライバ14等が設けられている。
入力部11は、図1に示す各種センサからのセンサ信号や、キックダウンスイッチ28からのスイッチ信号を入力し、マイコン12に出力する。特に、入力部11は、アナログのセンサ信号を入力すると、センサ信号をデジタル信号に変換してマイコン12に出力する。
マイコン12は、入力部11や通信ドライバ14から入力した各種信号、情報、データ等に対し、RAM12b(図3参照)等のメモリに記録されたプログラムに応じた演算を行い、演算結果を出力部13に出力する。出力部13は、マイコン12の演算結果である制御信号を、図1に示すイグナイタ31、インジェクタ32、電子制御スロットル33、油圧制御部34等に出力する。
通信ドライバ14は、車両に搭載されたECUとの通信を行う。本実施例では、エンジンECU10は、ABS・ECU40との通信を行うので、図1には、ABS・ECU40だけを示す。通信ドライバ14は、CAN通信を行うためのドライバソフトウェアである。
マイコン12は、図3に示すように、CPU等の処理装置12a、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic RAM)やSDRAM(Synchronous DRAM)、NVRAM(Non Volatile RAM)等のRAM12b、フラッシュメモリ等のROM(Read Only Memory)12c、及び入出力を制御するI/F12dがバス12eにより接続されたハードウェア構成により実現される。
したがって、CPU12aがRAM12b等に格納された所要のプログラムを読み込み、当該プログラムに従った演算を行うことにより、マイコン12の機能が実現される。尚、このようなプログラムとしては後述するフローチャートに応じたプログラムとすることができる。
本実施例は、アクセル開度の変化率と、キックダウンスイッチ28の単位時間内でのオン回数とに基づいて、キックダウン制御を終了させる終了判定しきい値を変更する。終了判定しきい値を変更する条件と、終了判定しきい値の変更後の値について図4を参照しながら説明する。図4には、キックダウンスイッチ28が1分間にオン、オフされる回数と、キックダウンスイッチ28がオフからオンされるタイミングでのアクセル開度変化率と、キックダウンスイッチ28がオンからオフされるタイミングでのアクセル開度変化率と、これらの操作から読み取れる運転者の意図と、平坦路での終了判定しきい値の値と、登坂路の終了判定しきい値の値と、降坂路での終了判定しきい値の値とを示す。
例えば、図4(A)、(B)に示すように1分間のキックダウンスイッチ28のオン回数が2回未満の場合、マイコン12は、キックダウンスイッチ28がオンからオフへ切り替わったときのアクセル開度の変化率に基づいて終了判定しきい値を変更する。キックダウンスイッチ28のオン回数が2回未満の場合、キックダウンスイッチ28がオフからオンになるタイミングと、オンからオフになるタイミングとに時間の開きがある。従って、これらの操作には関連性が殆どないと判定し、マイコン12は、キックダウンスイッチ28がオンからオフになるタイミングでのアクセル開度の変化率だけに着目する。図4(A)に示すようにキックダウンスイッチ28がオンからオフになるタイミングでアクセル開度の変化率が大きい場合、運転者の意図は、早く減速したい、すなわち急減速したいという意図であると判定する。そこで、マイコン12は、走行路が平坦路であった場合の終了判定しきい値を「+1」に設定し、走行路が登坂路であった場合の終了判定しきい値を「0」に設定し、走行路が降坂路であった場合の終了判定しきい値を「+2」に設定する。なお、図4では、キックダウンスイッチ28がオフからオンするタイミングでのアクセル開度の変化率には(+)と表示し、オンからオフするタイミングでのアクセル開度の変化率には(−)と表示している。また、終了判定しきい値のレベルを「0」に設定した場合、本実施例ではアクセル開度が80度よりも小さくなるとキックダウン制御を終了させる。また、終了判定しきい値のレベルを「+1」に設定した場合、本実施例では80度に2度を加算した82度よりも小さくなるとキックダウン制御を終了させる。同様に、終了判定しきい値のレベルを「+2」に設定した場合、アクセル開度が84度よりも小さくなるとキックダウン制御を終了させる。
また、図4(B)に示すように、キックダウンスイッチ28がオンからオフになるタイミングでアクセル開度の変化率が小さい場合、運転者の意図は、あまり早く減速したいくない、すなわち緩減速したいという意図であると判定する。そこで、マイコン12は、走行路が平坦路であった場合の終了判定しきい値レベルを「−1」に設定し、走行路が登坂路であった場合の終了判定しきい値レベルを「−2」に設定し、走行路が降坂路であった場合の終了判定しきい値レベルを「0」に設定する。終了判定しきい値のレベルを「−1」に設定した場合、本実施例ではアクセル開度が78度よりも小さくなるとキックダウン制御を終了させ、終了判定しきい値のレベルを「−2」に設定した場合、本実施例ではアクセル開度が76度よりも小さくなるとキックダウン制御を終了させる。
また、図4(C)〜(F)には、1分間のキックダウンスイッチ28のオン回数が2回以上であった場合に設定される終了判定しきい値のレベルが示されている。1分間に2回以上キックダウンスイッチ28がオンされた場合、キックダウンスイッチ28がオフからオンに変更されてから、オンからオフに変更されるまでの間隔が短い。このため、キックダウンスイッチ28がオフからオンされるタイミングと、オンからオフされるタイミングでの運転者の車両の操作意図が同じであると判定する。そこで、マイコン12は、キックダウンスイッチ28がオフからオンに変更されたタイミングと、オンからオフに変更されたタイミングとの両方でアクセル開度しきい値の変化率を判定する。
図4(C)には、キックダウンスイッチ28がオフからオンに変更されたタイミングでのアクセル開度の変化率が大きく、キックダウンスイッチ28がオンからオフに変更されたタイミングでのアクセル開度の変化率も大きい場合を示す。
この場合、運転者は急加速、急減速を意図してドライビングしていると判定する。そこで、マイコン12は、走行路が平坦路であった場合の終了判定しきい値レベルを「+2」に設定する。また、走行路が登坂路であった場合の終了判定しきい値レベルを「+1」に設定し、走行路が降坂路であった場合の終了判定しきい値レベルを「+3」に設定する。終了判定しきい値のレベルを「+3」に設定した場合、本実施例ではアクセル開度が86度よりも小さくなるとキックダウン制御を終了させる。
図4(D)には、キックダウンスイッチ28がオフからオンに変更されたタイミングでのアクセル開度の変化率が大きく、キックダウンスイッチ28がオンからオフに変更されたタイミングでのアクセル開度の変化率が小さい場合を示す。この場合、運転者の意図は、急加速、緩減速であり、減速時に無意識にアクセルが緩んでいる状態にあると判定する。そこで、マイコン12は、走行路が平坦路であった場合の終了判定しきい値レベルを「−2」に設定する。また、走行路が登坂路であった場合の終了判定しきい値レベルを「−3」に設定し、走行路が降坂路であった場合の終了判定しきい値レベルを「−1」に設定する。終了判定しきい値のレベルを「−3」に設定した場合、本実施例ではアクセル開度が74度よりも小さくなるとキックダウン制御を終了させる。
図4(E)には、キックダウンスイッチ28がオフからオンに変更されたタイミングでのアクセル開度の変化率が小さく、キックダウンスイッチ28がオンからオフに変更されたタイミングでのアクセル開度の変化率が大きい場合を示す。この場合、運転者の意図は、緩加速、急減速であり、先行車両を追い越した後に減速したい場合であると判定する。そこで、マイコン12は、走行路が平坦路であった場合の終了判定しきい値レベルを「0」に設定する。また、走行路が登坂路であった場合の終了判定しきい値を「−1」に設定し、走行路が降坂路であった場合の終了判定しきい値を「+1」に設定する。
図4(F)には、キックダウンスイッチ28がオフからオンに変更されたタイミングでのアクセル開度の変化率が小さく、キックダウンスイッチ28がオンからオフに変更されたタイミングでのアクセル開度の変化率も小さい場合を示す。運転者の意図は、緩加速、緩減速であり、緩やかなアクセル操作を繰り返している状態であると判定する。そこで、マイコン12は、走行路が平坦路であった場合の終了判定しきい値レベルを「0」に設定する。また、走行路が登坂路であった場合の終了判定しきい値レベルを「−1」に設定し、走行路が降坂路であった場合の終了判定しきい値レベルを「+1」に設定する。
なお、本実施例では、キックダウンスイッチ28のオン回数を判定する単位時間を1分間に設定しているが、単位時間は任意に変更可能である。例えば、1分30秒に設定してもよいし、40秒に設定してもよい。また、本実施例では、アクセル開度の変化率が32msec間で2〜3度以上あった場合をアクセル開度の変化率大と判定している。また、アクセル開度の変化率が32msec間で0.1〜0.4度よりも小さい場合には、アクセル開度の変化率小と判定している。また、32msec間でのアクセル開度の変化率が0.1〜0.4度と、2〜3度との間にある場合には、アクセル開度の変化率は、中レベルにあると判定する。なお、32msec、アクセル開度2〜3度、0.1〜0.4度という数値も任意に変更可能である。
さらに本実施例は、走行路が登坂路であるか、降坂路であるかを判定し、判定した坂路に応じた終了判定しきい値を設定する。例えば、登坂路では、運転者は、通常、キックダウン制御を長く維持させたいと考える。このため、マイコン12は、登坂路を走行中であると判定すると、終了判定しきい値を小さい値に変更する。これによって、キックダウン制御が解除されるアクセル開度が低くなり、キックダウン制御が長く維持される。逆に、降坂路では、運転者は、通常、キックダウン制御を早めに終了させたいと考える。このため、マイコン12は、降坂路を走行中であると判定すると、終了判定しきい値を大きい値に変更する。これによって、キックダウン制御が解除されるアクセル開度が高くなり、キックダウン制御を早く終了させることができる。
なお、登坂路、降坂路の判定は、上述したように平坦路でのスロットル開度や、そのスロットル開度のときの車速、加速度、変速比等を基準値としてメモリ(RAM12b(図3参照))に記録しておく。そして、走行中の道路でのスロットル開度や、そのスロットル開度のときの車速、加速度、変速比を基準値と比較することで、現在走行中の道路が登坂路であるのか、降坂路であるのかを判定する。また、図1に示すように傾斜センサ27を搭載している場合には、傾斜センサ27のセンサ値を用いて登坂路、降坂路を判定してもよい。
また、本実施例は、タイヤスリップの発生を判定し、タイヤスリップが発生していると判定した場合にはキックダウン制御を早急に終了させる。タイヤスリップが発生している状態でキックダウン制御を続けると、発生しているタイヤスリップを解消できなくなる。このため、マイコン12は、ABS・ECU40と通信してABSシステムが動作しているか否かを判定する。ABSシステムが動作していると判定した場合、マイコン12は終了判定しきい値を大きい値に変更し、キックダウン制御を早急に終了させる。
なお、タイヤがスリップ状態にあるか否かの判定は、ABS・ECU40との通信以外に、センサによって測定された車両の状態情報により判定することもできる。例えば、車速センサ21、回転数センサ26等により車速、タイヤの回転数、エンジンの出力軸の回転数等を取得し、これらの情報によりタイヤスリップを判定することができる。
図5、図6を参照しながらキックダウン制御について具体的に説明する。
なお、図5及び図6に示す(A)には、キックダウン制御を開始させるか否かを判定する開始判定しきい値を示し、(B)には、キックダウン制御を終了させるか否かを判定する終了判定しきい値を示し、(C)には、アクセル開度の時間変化を示し、(D)には、キックダウンスイッチ28の状態変化を示し、(E)には、キックダウン制御の開始タイミングと終了タイミングとを示す。
まず、図5に示す例では、図5に示すタイミングt1において、アクセル開度が開始判定しきい値よりも大きく変更されている。このため、タイミングt1でキックダウンスイッチ28がオンされる(図5(D)のタイミングt1参照)。その後、タイミングt2でアクセル開度が開始判定しきい値を下回る。このため、タイミングt2でキックダウンスイッチ28がオフされる。
マイコン12は、キックダウンスイッチ28がオフからオンになったタイミングt1と、オンからオフになったタイミングt2とでアクセル開度の変化率をそれぞれ算出する。図5に示す例では、キックダウンスイッチ28がオフからオンになるタイミングでのアクセル開度の変化率は「大」であり、キックダウンスイッチ28がオンからオフになるタイミングでのアクセル開度の変化率も「大」である。
また、マイコン12は、タイミングt1でキックダウン制御が開始されてから1分間の間にキックダウンスイッチ28がオンになった回数をカウントする。タイミングt2のときには、キックダウンスイッチ28のオン回数は1回である。
キックダウン制御を開始してからのキックダウンスイッチ28のオン回数が1回であり、キックダウンスイッチ28がオンからオフになるタイミングでのアクセル開度の変化率が「大」であるので、マイコン12は、終了判定しきい値レベルを「+1」に設定する。なお、走行中の道路が登坂路であった場合には、終了判定しきい値レベルとして「0」が設定される。同様に、走行中の道路が降坂路であった場合には、終了判定しきい値レベルとして「+2」を設定する。
マイコン12は、設定した終了判定しきい値レベル(しきい値レベルが+1であるので、80度+2度で82度)とアクセル開度を比較し、アクセル開度が設定した終了判定しきい値を下回ると、キックダウン制御を終了させる(図5に示すタイミングt3)。
また、図5に示す例では、図5に示すタイミングt4で、アクセル開度が開始判定しきい値よりも大きくなり、タイミングt5で、アクセル開度が開始判定しきい値よりも小さくなっている。このため、タイミングt4でキックダウンスイッチ28がオンされ(図5(D)のタイミングt4参照)、タイミングt5でキックダウンスイッチ28がオフされる(図5(D)のタイミングt5参照)。
マイコン12は、キックダウンスイッチ28がオフからオンになったタイミングt4と、オンからオフになったタイミングt5とでアクセル開度の変化率をそれぞれ算出する。図5に示す例では、キックダウンスイッチ28がオフからオンになるタイミングでのアクセル開度の変化率は「大」であり、キックダウンスイッチ28がオンからオフになるタイミングでのアクセル開度の変化率も「大」である。
また、マイコン12は、タイミングt11でキックダウン制御が開始されてから1分間の間にキックダウンスイッチ28がオンになった回数をカウントしている。タイミングt5のときには、キックダウンスイッチ28のオン回数は2回である。
キックダウン制御を開始してからのキックダウンスイッチ28のオン回数が2回であり、キックダウンスイッチ28がオフからオンになるタイミングでのアクセル開度の変化率が「大」であり、キックダウンスイッチ28がオンからオフになるタイミングでのアクセル開度の変化率も「大」である。このため、マイコン12は、終了判定しきい値レベルを「+2」に設定する。なお、走行中の道路が登坂路であった場合には、終了判定しきい値レベルとして「+1」が設定される。同様に、走行中の道路が降坂路であった場合には、終了判定しきい値レベルとして「+3」を設定する。
マイコン12は、設定した終了判定しきい値(しきい値レベルが+2であるので、80度+4度で84度)とアクセル開度を比較し、アクセル開度が終了判定しきい値を下回ると、キックダウン制御を終了させる(図5に示すタイミングt6)。
図6には、アクセル開度の変化率が小さい場合が示されている。図6に示すタイミングt12のときには、マイコン12は、キックダウンスイッチ28がオフからオンになったタイミングt11と、オンからオフになったタイミングt12とでアクセル開度の変化率をそれぞれ算出している。図6に示す例では、キックダウンスイッチ28がオフからオンになるタイミングでのアクセル開度の変化率は「小」であり、キックダウンスイッチ28がオンからオフになるタイミングでのアクセル開度の変化率も「小」である。また、タイミングt12のときのキックダウンスイッチ28のオン回数は1回である。
キックダウン制御を開始してからのキックダウンスイッチ28のオン回数が1回であり、キックダウンスイッチ28がオンからオフになるタイミングでのアクセル開度の変化率が「小」である。このため、マイコン12は、終了判定しきい値レベルを「−1」に設定する。なお、走行中の道路が登坂路であった場合には、終了判定しきい値レベルとして「−2」が設定される。同様に、走行中の道路が降坂路であった場合には、終了判定しきい値レベルとして「0」を設定する。
マイコン12は、設定した終了判定しきい値(しきい値レベルが−1であるので、80度−2度で78度)とアクセル開度を比較し、アクセル開度が終了判定しきい値を下回ると、キックダウン制御を終了させる(図6に示すタイミングt13)。
図6に示すタイミングt15のときには、マイコン12は、キックダウンスイッチ28がオフからオンになったタイミングt13と、オンからオフになったタイミングt14とでアクセル開度の変化率をそれぞれ算出している。図6に示す例では、キックダウンスイッチ28がオフからオンになるタイミングでのアクセル開度の変化率は「大」であり、キックダウンスイッチ28がオンからオフになるタイミングでのアクセル開度の変化率は「小」である。また、タイミングt15のときのキックダウンスイッチ28のオン回数は2回である。
キックダウン制御を開始してからのキックダウンスイッチ28のオン回数が2回であり、キックダウンスイッチ28がオフからオンになるタイミングでのアクセル開度の変化率が「大」であり、キックダウンスイッチ28がオンからオフになるタイミングでのアクセル開度の変化率が「小」である。このため、マイコン12は、終了判定しきい値レベルを「−2」に設定する。なお、走行中の道路が登坂路であった場合には、終了判定しきい値レベルとして「−3」が設定される。同様に、走行中の道路が降坂路であった場合には、終了判定しきい値レベルとして「−1」を設定する。
マイコン12は、設定した終了判定しきい値(しきい値レベルが−2であるので、80度−4度で76度)とアクセル開度を比較し、アクセル開度が終了判定しきい値を下回ると、キックダウン制御を終了させる(図6に示すタイミングt16)。
次に、図7を参照しながらエンジンECU10(すなわち、マイコン12)の動作の概略について説明する。
図7は、マイコン12の動作の一例を示すフローチャートである。尚、マイコン12は、例えば、16ミリ秒ごとに図7に示すフローを実行する。
まず、マイコン12は、車速センサ21やアクセル開度センサ23によって測定されたセンサ信号や、キックダウンスイッチ28のオン/オフの状態を示すスイッチ信号を入力部11を介して入力する(ステップS1)。
次に、マイコン12は、キックダウンスイッチ28のオン/オフ状態を表すスイッチ信号に基づいて、自動変速機50の制御をキックダウン制御に移行させるか否かを判定する。キックダウンスイッチ28がオンとなっている場合には(ステップS2/YES)、マイコン12は、油圧制御部34を制御して、自動変速機50の変速比が低速側の変速比(小さくなるように)となるように制御し、キックダウン制御を開始させる(ステップS3)。次に、マイコン12は、車両の走行状態からキックダウン制御を終了させる終了判定しきい値(以下、PAPTHRとも表記する)を算出する(ステップS4)。この処理の詳細については、図8及び図9に示すフローチャートを参照しながら後ほど詳細に説明する。
終了判定しきい値(PAPTHR)を算出すると、マイコン12は、アクセル開度センサ23で測定された現在のアクセル開度(以下、papとも表記する)が、算出された終了判定しきい値(PAPTHR)未満であるか否かを判定する(ステップS5)。現在のアクセル開度(pap)が、算出された終了判定しきい値(PAPTHR)未満である場合には(ステップS5/YES)、キックダウン制御を終了させる(ステップS6)。また、現在のアクセル開度(pap)が、算出されたアクセル開度しきい値(PAPTHR)以上である場合には(ステップS5/NO)、キックダウン制御をそのまま継続させる。
マイコン12は、キックダウン制御を終了させた場合(ステップS6)、運転者の操作するアクセルの開度と車両の速度とに基づいて、車両が必要とする要求出力を算出し、算出した要求出力が発揮される自動変速機50の変速比を決定する(ステップS7)。そして、マイコン12は、算出した変速比となるように油圧制御部34を制御する(ステップS18)。油圧制御部34は、マイコン12の制御に従って、ソレノイドバルブを駆動し、自動変速機50が目標変速比となるように制御する。また、自動変速機50が無段変速機である場合には、マイコン12は、車両が必要とする要求出力を算出し、算出した要求出力が発揮される目標プライマリシーブの回転数を算出する。そして、マイコン12は、油圧制御部34を制御して、プライマリシーブの回転数が目標回転数となるように制御する。
次に、上述したステップS4の詳細について図8及び図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。
マイコン12は、まず、キックダウン制御を開始してから1分経過しているか否かを判定する(ステップS11)。キックダウン制御の開始から1分を経過していると判定した場合には(ステップS11/YES)、マイコン12はキックダウンスイッチ28がオンされた回数をカウントするカウンタの値をゼロクリアする(ステップS12)。キックダウン制御の解除判定では、キックダウン制御を開始してから1分の間に発生したキックダウンスイッチ28のオン回数を計数するためめ、1分を経過するとカウンタの値をゼロクリアする。
マイコン12は、次に、キックダウンスイッチ28がオフからオンの状態に切り替わっているか否かを判定し(ステップS13)、オフからオンの状態に切り替わっていると判定した場合には(ステップS13/YES)、この時のアクセル開度変化率を算出する(ステップS24)。アクセル開度センサ23によって測定されるアクセル開度に基づいて、単位時間の間のアクセル開度の変化率を算出する。また、キックダウンスイッチ28がオンされた回数をカウントするカウンタの値を1インクリメントする(ステップS15)。
次に、マイコン12は、キックダウンスイッチ28から取得したスイッチ信号によりキックダウンスイッチ28がオンからオフの状態に切り替わっているか否かを判定する(ステップS16)。キックダウンスイッチ28がオンからオフに切り替わっていると判定した場合には(ステップS16/YES)、この時のアクセル開度変化率を算出する(ステップS17)。
次に、マイコン12は、算出したアクセル開度変化率や、取得したキックダウンスイッチ28のオン回数に基づいて、終了判定しきい値を算出する(ステップS18)。この処理の詳細については、図9を参照しながら説明する。マイコン12は、終了判定しきい値を算出すると(ステップS18)、算出した終了判定しきい値をPAPTHRとして設定し、図7に示すステップS5〜S8の処理を行う。
次に、図9に示すフローチャートを参照しながら終了判定しきい値の算出手順を説明する。
まず、マイコン12は、ABS・ECU40と通信を行い、ABSシステムが作動し、タイヤスリップ状態が発生しているか否かを判定する(ステップS21)。マイコン12は、ABS・ECU40から取得した情報により、タイヤスリップ状態が発生していると判定した場合には(ステップS21/YES)、終了判定しきい値レベルを「+2」に設定し(ステップS22)、この処理を終了する。終了判定しきい値レベルが「+2」に設定されることで、例えば、アクセル開度が84度よりも低下した場合に、マイコン12はキックダウン制御を終了させる。
タイヤスリップが発生していないと判定すると(ステップS21/NO)、マイコン12は、キックダウンスイッチ28の1分間の間のオン回数を判定する(ステップS23)。キックダウンスイッチ28の1分間の間のオン回数が1回であった場合(ステップS23/NO)、マイコン12は、ステップS30の処理に処理を移行する。ステップS30では、マイコン12は、キックダウンスイッチ28がオンからオフに切り替わるタイミングでのアクセル開度の変化率が、「大」、「中」、「小」のいずれに該当するかを判定する。アクセル開度の変化率が「大」であると判定した場合、マイコン12は終了判定しきい値レベルに「+1」を加算する。また、アクセル開度の変化率が「中」であると判定した場合には、マイコン12は、終了判定しきい値レベルの変更は行わない。また、アクセル開度の変化率が「小」であると判定した場合には、マイコン12は、終了判定しきい値レベルに「−1」を加算する。
次に、マイコン12は、登坂路を走行中であるか、又は降坂路を走行中であるかを判定する(ステップS33、又はS35)。車両が登坂路を走行中であると判定すると(ステップS33/YES)、マイコン12は、ステップS31又はS33で設定した終了判定しきい値レベルにさらに「−1」を加算する(ステップS34)。すなわち、ステップS31又はS33で設定した終了判定しきい値レベルが「0」であれば、終了判定しきい値レベルは「−1」に設定される。又、ステップS31又はS33で設定した終了判定しきい値レベルが「−1」であれば、終了判定しきい値レベルは「−2」に設定される。
また、車両が降坂路を走行中であると判定すると(ステップS35/YES)、マイコン12は、ステップS31又はS33で設定した終了判定しきい値レベルにさらに「+1」を加算する(ステップS36)。
また、ステップS23において、キックダウンスイッチ28の1分間の間のオン回数が2回以上であった場合(ステップS23/YES)、マイコン12は、ステップS24の処理に処理を移行する。ステップS24では、マイコン12は、キックダウンスイッチ28がオンからオフに切り替わるタイミングでのアクセル開度の変化率が、「大」、「中」、「小」のいずれに該当するかを判定する。アクセル開度の変化率が「大」であると判定した場合、マイコン12は終了判定しきい値レベルに「+1」を加算する。また、アクセル開度の変化率が「中」であると判定した場合には、マイコン12は、終了判定しきい値レベルの変更は行わない。また、アクセル開度の変化率が「小」であると判定した場合には、マイコン12は、終了判定しきい値レベルに「−1」を加算する。
次に、マイコン12は、キックダウンスイッチ28がオフからオンに切り替わるタイミングでのアクセル開度の変化率が、「大」、「中」、「小」のいずれに該当するかを判定する。アクセル開度の変化率が「大」であると判定した場合、マイコン12は終了判定しきい値レベルに2を乗算「×2」する。また、アクセル開度の変化率が「中」であると判定した場合には、マイコン12は、終了判定しきい値レベルの変更は行わない。また、アクセル開度の変化率が「小」であると判定した場合には、マイコン12は、終了判定しきい値レベルを「0」とする。
次に、マイコン12は、キックダウンスイッチ28のオン回数が1回の場合と同様に、登坂路、降坂路の判定を行う(ステップS33、又はS35)。そして、車両が登坂路を走行中であると判定すると、マイコン12は、ステップS25又はS26と、ステップS28又はS29で設定した終了判定しきい値レベルに「−1」を加算する。また、車両が降坂路を走行中であると判定すると、マイコン12は、ステップS25又はS26と、ステップS28又はS29で設定した終了判定しきい値レベルを「+1」を加算する。
この後、マイコン12は、設定した終了判定しきい値レベルに基づいて、キックダウン制御を終了させるアクセル開度の判定しきい値を設定する。例えば、終了判定しきい値レベルが「+1」であれば、終了判定しきい値のアクセル開度は、82度に設定され、終了判定しきい値レベルが「+2」であれば、終了判定しきい値のアクセル開度は、84度に設定される。同様に、終了判定しきい値レベルが「−1」であれば、終了判定しきい値のアクセル開度は、78度に設定され、終了判定しきい値レベルが「−2」であれば、終了判定しきい値のアクセル開度は、76度に設定される。
そして、設定した終了判定しきい値とアクセル開度センサ23によって測定されたアクセル開度とを比較し、アクセル開度の実測値が終了判定しきい値として設定されたアクセル開度を下回ると、マイコン12は、キックダウン制御を終了させる。
このように本実施例は、運転者のアクセル操作、すなわち、アクセル開度の変化率やキックダウンスイッチ28の単位時間内でのオン回数等に基づいて、運転者のアクセル操作の意図を判断する。そして、マイコン12は、運転者からの操作入力に基づいて、運転者の意図する最適なタイミングでキックダウン制御が終了できるように制御する。このため、車両の操作性を向上させることができる。
また、アクセル開度の変化率やキックダウンスイッチ28の単位時間内でのオン回数等に基づいて、運転者のアクセル操作の意図を判断しているので、運転者のアクセル操作がどのような意図で入力されたのかを的確に判定することができる。
また、登坂路を走行中であると判定すると、終了判定しきい値を小さな値に変更するので、登坂路では、キックダウン制御を継続させるように制御することができる。
また、降坂路を走行中であると判定すると、終了判定しきい値を大きな値に変更するので、降坂路では、キックダウン制御を早めに終了させるように制御することができる。
さらに、タイヤスリップが発生しているか否かを判定して、タイヤスリップが発生していると判定した場合に、、終了判定しきい値を大きな値に変更している。このため、タイヤスリップ発生時には、キックダウン制御を早めに終了させるように制御することができる。
以上、本発明の望ましい実施形態について詳述したが、本発明に係る特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変化が可能である。
エンジンECUと各種センサ等のブロック図である。 エンジンECUの要部構成を例示するブロック図である。 マイコンのハードウェア構成を例示するブロック図である。 車両状態に応じて設定される終了判定しきい値の一例を示す図である。 キックダウン制御のタイミングを示すタイミングチャートであり、アクセル開度変化率が大きい場合を示す図である。 キックダウン制御のタイミングを示すタイミングチャートであり、アクセル開度変化率が小さい場合を示す図である。 エンジンECU(マイコン)の動作の概略を示す示すフローチャートである。 終了判定しきい値を算出する手順を示すエンジンECU(マイコン)の処理手順を示すフローチャートである。 終了判定しきい値レベルを設定するエンジンECU(マイコン)の処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10 エンジンECU
11 入力部
12 マイコン
13 出力部
14 通信ドライバ
21 車速センサ
22 加速度センサ
23 アクセル開度センサ
24 スロットルポジションセンサ
25 シフトポジションセンサ
26 回転数センサ
27 傾斜センサ
28 キックダウンスイッチ
31 イグナイタ
32 インジェクタ
33 電子制御スロットル
34 油圧制御部
40 ABS・ECU
50 自動変速機

Claims (5)

  1. 測定手段で測定されたアクセル開度の情報を入力する入力部と、
    所定条件が成立すると変速装置を高変速側から低変速側にダウンシフトさせる変速制御において、この変速制御を終了させるか否かを判定する判定しきい値を、アクセル開度の変化率に基づいて変更する変更処理と、
    変更処理によって変更された判定しきい値と現在のアクセル開度とに基づいて、変速装置をダウンシフトさせている変速制御を終了させるか否かを判定する判定処理と、を実行する実行部と、
    を備える制御装置。
  2. 前記変更処理は、アクセルペダルの開度が所定開度以上になったことを検出するキックダウンスイッチの単位時間内でのオン回数に基づいて、前記判定しきい値を変更する請求項1記載の制御装置。
  3. 前記実行部は、測定手段で測定された車両の走行状態を表す状態量に基づいて車両が登坂路又は降坂路を走行しているか否かを判定する判定処理をさらに実行し、
    前記変更処理は、登坂路を走行していると判定された場合の判定しきい値を降坂路を走行していると判定された場合の判定しきい値よりも小さい値に変更する請求項1又は2記載の制御装置。
  4. 前記実行部は、車両に搭載されたアンチロックブレーキシステムを制御する他の制御装置との通信を行う通信処理と、
    測定手段で測定された車両の走行状態を表す状態量と、前記通信処理により他の制御装置から取得するアンチロックブレーキシステムの動作状況を示す情報とに基づいて、タイヤスリップが発生しているか否かを判定する判定処理と、をさらに実行し、
    前記変更処理は、タイヤスリップが発生していると判定された場合の判定しきい値を、タイヤスリップが発生していないと判定された場合の判定しきい値よりも小さい値に変更する請求項1から3のいずれか一項記載の制御装置。
  5. 測定手段で測定されたアクセル開度の情報を入力するステップと、
    所定条件が成立すると変速装置を高変速側から低変速側にダウンシフトさせる変速制御において、この変速制御を終了させるか否かを判定する判定しきい値を、アクセル開度の変化率に基づいて変更するステップと、
    変更処理によって変更された判定しきい値と現在のアクセル開度とに基づいて、変速装置をダウンシフトさせている変速制御を終了させるか否かを判定するステップと、を有する変速制御方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20140048579A (ko) * 2012-10-16 2014-04-24 콘티넨탈 오토모티브 시스템 주식회사 자동 변속기의 입력토크 제어 장치 및 방법
JP2015144503A (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 三菱自動車工業株式会社 電動車の回生ブレーキ制御装置

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