JP2020033939A - 駆動力制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】登り坂における車両の発進時に、クラッチの状態及びブレーキの状態を考慮してエンジンの駆動力を制御することにより、車両を適切に発進させることができる駆動力制御装置を提供する。【解決手段】駆動力制御装置10は、車両のピッチアングルに応じて、坂道発進時のスロットル開度を制御する制御部13を有する。制御部13は、クラッチ油圧に応じたスロットル開度とブレーキ油圧に応じたスロットル開度との和に、ピッチアングルに応じた補正係数を乗算して坂道発進時のスロットル開度とする。【選択図】図1
Description
本発明は、登り坂における車両の発進時に車両の駆動力を制御する駆動力制御装置に関する。
従来、登り坂からの発進時においてブレーキを動作させて、後退することを防止するヒルホールド機能を備えている車両が知られている。かかるヒルホールド機能は、登り坂において傾斜角度が有る状態で車両の運転者がブレーキ操作をして車両を停止させた際に、車両が後退しない程度にブレーキ圧力を加圧して車両を停止させる。そして、運転者がブレーキ操作を解除した場合でも所定時間は加圧したブレーキ圧力を保持し、車両の後退を防止する。所定時間内にスロットル開度等の検出結果に基づいて車両が発進したことを検出した場合には、加圧したブレーキ圧を減少させて通常のブレーキ状態に戻る。
かかる状況下で、特許文献1は、ヒルホールド機能を備えた車両のブレーキシステムに関し、ヒルホールド機能の作動状態で車両が登坂路に停車しているとき、車両の位置する道路の水平に対する傾斜角等の勾配情報と、車両諸元情報と、に基づいて、車両の登坂力を演算すると共に、車両の登坂力に基づいて登坂路を発進するために必要なエンジンの必要トルクを演算する構成を開示している。また、特許文献1は、車両諸元情報として坂路走行、停車、車輪速度等の車両走行情報と、イグニッションキースイッチのオンオフ状態、ブレーキ操作状態(ブレーキペダルの踏み込み状態等)と、ギア投入状況等の車両運転操作情報、および車両自体の重量、車両のエンジン出力能力、空載時の車両のサスペンションの長さ等の車両情報を例示している。
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1においては、エンジンの必要トルクを求める際に、クラッチの状態を考慮していないと共に、勾配情報に対してブレーキ操作状態を適用する具体的な構成が開示されていないため、登り坂における車両の発進時に、クラッチの状態及びブレーキの状態を考慮してエンジンの駆動力を制御することに関しては改善の余地がある。
本発明は、以上の検討を経てなされたものであり、登り坂における車両の発進時に、クラッチの状態及びブレーキの状態を考慮してエンジンの駆動力を制御することにより、車両を適切に発進させることができる駆動力制御装置を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するべく、本発明は、第1の局面において、車両のピッチアングルに応じて、坂道発進時のスロットル開度を制御する制御部を有する駆動力制御装置であって、前記制御部は、クラッチ油圧に応じた前記スロットル開度とブレーキ油圧に応じた前記スロットル開度との和に、前記ピッチアングルに応じた補正係数を乗算して前記坂道発進時の前記スロットル開度とする駆動力制御装置である。
本発明の第1の局面にかかる駆動力制御装置においては、車両のピッチアングルに応じて、坂道発進時のスロットル開度を制御する制御部を有する駆動力制御装置であって、制御部は、クラッチ油圧に応じたスロットル開度とブレーキ油圧に応じたスロットル開度との和に、ピッチアングルに応じた補正係数を乗算して坂道発進時のスロットル開度とするものであるため、登り坂における車両の発進時に、クラッチの状態及びブレーキの状態を考慮してエンジンの駆動力を制御することにより、車両を適切に発進させることができる。
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態における駆動力制御装置につき、詳細に説明する。
<駆動力制御装置の構成>
図1を参照して、本実施形態における駆動力制御装置の構成について説明する。
図1を参照して、本実施形態における駆動力制御装置の構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態における駆動力制御装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態における駆動力制御装置10は、ECU(Electronic Control Unit)等の電子制御装置によって構成され、いずれも図示を省略する油圧作動式の油圧クラッチ及びそれに接続された手動式トランスミッションを順に介して内燃機関であるエンジンの駆動力を駆動輪に伝達する鞍乗型車両等の車両に搭載されている。
駆動力制御装置10は、クラッチ状態検出部11、ブレーキ状態検出部12、制御部13、及びモータ駆動回路14を備えると共に、図示を省略するメモリ等を備えており、メモリには必要な制御プログラム及び制御データ等が格納されている。なお、これらのクラッチ状態検出部11、ブレーキ状態検出部12及び制御部13は、各々、駆動力制御装置10が備えるCPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置がメモリから必要な制御プログラム及び制御データを読み出して内燃機関の駆動力を制御する際の機能ブロックとして示している。
具体的には、クラッチ状態検出部11は、油圧センサ21からの入力信号に基づいて、クラッチ圧(クラッチ油圧)を算出すると共に油圧クラッチの状態を検出する。ここで、油圧センサ21がクラッチ状態検出部11に出力する信号は、いずれも図示を省略する車両のクラッチレバーの操作量に応じてマスタシリンダで発生された油圧に応じて油圧クラッチを断続させる際の油圧の値に対して、線形(リニア)に変化する電圧の値を呈する油圧・電圧特性を有する電気信号である。クラッチ状態検出部11は、このように検出した油圧クラッチの状態に応じた電気信号を制御部13に入力すると共に算出したクラッチ圧に応じた電気信号を制御部13に入力する。
ブレーキ状態検出部12は、油圧センサ28からの入力信号に基づいて、油圧ブレーキのブレーキ圧(ブレーキ油圧)を検出する。ここで、油圧センサ28がブレーキ状態検出部12に出力する信号は、いずれも図示を省略する車両のブレーキレバー等の制動操作部材の操作量に応じてマスタシリンダで発生された油圧に応じて油圧ブレーキを動作させる際の油圧の値に対して、線形(リニア)に変化する電圧の値を呈する油圧・電圧特性を有する電気信号である。ブレーキ状態検出部12は、このように検出した油圧ブレーキのブレーキ圧に応じた電気信号を制御部13に出力する。
制御部13は、クラッチ状態検出部11、ブレーキ状態検出部12、ギヤポジションセンサ22、車速センサ23、スロットルポジションセンサ24、アクセル開度センサ25、クランク角センサ26、及びピッチアングルセンサ27から入力される電気信号を用いて、スロットルモータ27の駆動によるエンジンのスロットルバルブの開度(スロットル開度)、つまり実際のスロットル開度である実スロットル開度を調整して、エンジンの出力を制御する。
制御部13は、クラッチ状態検出部11、ブレーキ状態検出部12、車速センサ23、スロットルポジションセンサ24、アクセル開度センサ25、クランク角センサ26、及びピッチアングルセンサ27から入力される電気信号を用いて、後述のヒルスタート制御処理を実行して実スロットル開度を調整することにより、坂道発進時のエンジンの出力を制御する。
制御部13は、このようにスロットル開度を調整するための制御信号を、モータ駆動回路14に入力する。
ここで、ギヤポジションセンサ22は、変速段(ギヤポジション)に応じた電気信号を入力する。車速センサ23は、鞍乗型車両の速度(車速)に応じた電気信号を入力する。スロットルポジションセンサ24は、エンジンのスロットル開度に応じた電気信号を入力する。アクセル開度センサ25は、鞍乗型車両のアクセルグリップ等のアクセル操作部材の操作量(アクセル開度)に応じた電気信号を入力する。クランク角センサ26は、エンジンのクランク角(クランク軸の回転角度)に応じた電気信号を入力する。ピッチアングルセンサ27は、車両のピッチ角(ピッチアングル)に応じた電気信号を入力する。車両のピッチ角とは、車幅方向と平行な軸の周りの角度である。
モータ駆動回路13は、制御部12からの制御信号に従って、スロットルモータ27を駆動することによってスロットル開度を制御する。
以上のような構成を有する駆動力制御装置10は、以下に示すヒルスタート制御処理を実行することによって、登り坂における車両の発進時に、車両を適切に発進させることを可能にする。以下、更に図2及び図3をも参照して、ヒルスタート制御処理を実行する際の駆動力制御装置10の動作について、詳細に説明する。
<ヒルスタート制御処理>
図3を参照して、本実施形態におけるヒルスタート制御処理の流れについて詳しく説明する。
図3を参照して、本実施形態におけるヒルスタート制御処理の流れについて詳しく説明する。
図3は、本発明の実施形態におけるヒルスタート制御処理を示すフロー図である。
図3に示すヒルスタート制御処理は、車両の図示しないイグニッションスイッチがオンされて駆動力制御装置10が起動されたタイミングで開始となり、ヒルスタート制御処理はステップS1の処理に進む。ヒルスタート制御処理は、車両が起動されて駆動力制御装置10が起動されている間、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
ステップS1の処理では、制御部13が、ヒルスタートプレ条件(Pre条件)の判断済みであるか否かを判定する。ここで、ヒルスタートプレ条件とは、後述のステップS2の処理からステップS4の処理において判断される全ての条件である。判定の結果、ヒルスタートプレ条件を判断済みの場合には、制御部13は、ヒルスタート制御処理をステップS7の処理に進める。一方、ヒルスタートプレ条件を未判断の場合には、制御部13は、ヒルスタート制御処理をステップS2の処理に進める。
ステップS2の処理では、制御部13が、油圧センサ21、ギヤポジションセンサ22、車速センサ23、スロットルポジションセンサ24、アクセル開度センサ25、クランク角センサ26、ピッチアングルセンサ27及び油圧センサ28のセンサ群に故障が無いかを判定する。判定の結果、センサ群に故障が無い場合には、制御部13は、ヒルスタート制御処理をステップS3の処理に進める。一方、センサ群に故障が有る場合には、制御部13は、ヒルスタート制御処理をステップS6の処理に進める。
ステップS3の処理では、制御部13が、車速センサ23から入力される電気信号に基づいて、車両が停止しているか否かを判定する。判定の結果、車両が停止している場合には、制御部13は、ヒルスタート制御処理をステップS4の処理に進める。一方、車両が停止していない場合には、制御部13は、ヒルスタート制御処理をステップS6の処理に進める。なお、ステップS3の処理において、制御部13が、車速が所定速度以下であるか否かを判定し、車速が所定速度以下の場合にはヒルスタート制御処理をステップS4の処理に進め、車速が所定速度よりも大きい場合にはヒルスタート制御処理をステップS6の処理に進めるようにしてもよい。
ステップS4の処理では、制御部13が、ピッチアングルセンサ27から入力される電気信号に基づいて、車両の後方へのピッチ角が所定角度以上であることにより車両が後方に対して所定角度以上傾斜しているか否かを判定する。判定の結果、車両が所定角度以上傾斜している場合には、制御部13は、ヒルスタート制御処理をステップS5の処理に進める。一方、車両が所定角度未満の傾斜である場合には、制御部13は、ヒルスタート制御処理をステップS6の処理に進める。
ステップS5の処理では、制御部13が、ヒルスタートプレ条件が成立したものと判断する。これにより、ステップS5の処理は完了し、ヒルスタート制御処理はステップS7の処理に進む。
ステップS6の処理では、制御部13が、ヒルスタートプレ条件が非成立であると判断する。これにより、ステップS6の処理は完了し、ヒルスタート制御処理はステップS7の処理に進む。
ステップS7の処理では、制御部13が、ヒルスタートプレ条件が成立したか否かを判定する。判定の結果、ヒルスタートプレ条件が成立した場合には、制御部13は、ヒルスタート制御処理をステップS8の処理に進める。一方、ヒルスタートプレ条件が非成立の場合には、制御部13は、ヒルスタート制御処理をステップS19の処理に進める。
ステップS8の処理では、制御部13が、油圧センサ21、ギヤポジションセンサ22、車速センサ23、スロットルポジションセンサ24、アクセル開度センサ25、クランク角センサ26、ピッチアングルセンサ27及び油圧センサ28のセンサ群に異常が無いかを判定する。判定の結果、センサ群に異常が無い場合には、制御部13は、ヒルスタート制御処理をステップS9の処理に進める。一方、センサ群に異常が有る場合には、制御部13は、ヒルスタート制御処理をステップS19の処理に進める。
ステップS9の処理では、制御部13が、クラッチ状態検出部11から入力される電気信号に基づいて、クラッチが結合されていて変速機がニユートラルの位置に無いイン(IN)ギヤであるか否かを判定する。判定の結果、インギヤである場合には、制御部13は、ヒルスタート制御処理をステップS10の処理に進める。一方、インギヤである場合には、制御部13は、ヒルスタート制御処理をステップS19の処理に進める。
ステップS10の処理では、制御部13が、車速センサ23から入力される電気信号に基づいて、車速が所定車速以上であるか否かを判定する。判定の結果、車速が所定車速未満で低車速の場合には、制御部13は、ヒルスタート制御処理をステップS11の処理に進める。一方、車速が所定車速以上の場合には、制御部13は、ヒルスタート制御処理をステップS19の処理に進める。
ステップS11の処理では、制御部13が、ピッチアングルセンサ27から入力される電気信号に基づいて、ピッチ角が所定値以下であるか否かを判定する。判定の結果、ピッチ角が所定値よりも大きい場合には、制御部13は、ヒルスタート制御処理をステップS12の処理に進める。一方、ピッチ角が所定値以下で平坦路の場合には、制御部13は、ヒルスタート制御処理をステップS19の処理に進める。
ステップS12の処理では、制御部13が、ブレーキ状態検出部12から入力される電気信号の示すブレーキ圧が所定圧力以下であるか否かを判定する。判定の結果、ブレーキ圧が所定圧力以下である場合には、制御部13は、ヒルスタート制御処理をステップS13の処理に進める。一方、ブレーキ圧が所定圧力より大きい場合には、制御部13は、ヒルスタート制御処理をステップS19の処理に進める。
ステップS13の処理では、制御部13が、クラッチ状態検出部11から入力された電気信号の示すクラッチ圧に応じた補正開度TH1を算出する。例えば、制御部13は、図示しないメモリに予め記憶されているクラッチ圧と補正開度TH1とを対応付けたテーブルを参照して、このテーブルにおいてクラッチ状態検出部11から入力された電気信号の示すクラッチ圧に対応付けられている補正開度TH1を算出する。これにより、ステップS13の処理は完了し、ヒルスタート制御処理はステップS14の処理に進む。
ステップS14の処理では、制御部13が、ブレーキ状態検出部12から入力された電気信号の示すブレーキ圧に応じた補正開度TH2を算出する。例えば、制御部13は、図示しないメモリに予め記憶されているブレーキ圧と補正開度TH2とを対応付けたテーブルを参照して、このテーブルにおいてブレーキ状態検出部12から入力された電気信号の示すブレーキ圧に対応付けられている補正開度TH2を算出する。これにより、ステップS14の処理は完了し、ヒルスタート制御処理はステップS15の処理に進む。
ステップS15の処理では、制御部13が、ピッチアングルセンサ27から入力される電気信号に基づいてピッチ角を算出し、算出したピッチ角に応じた補正係数としての補正開度TH3を算出する。例えば、制御部13は、図示しないメモリに予め記憶されているピッチ角と補正開度TH3とを対応付けたテーブルを参照して、このテーブルにおいて算出したピッチ角に対応付けられている補正開度TH3を算出する。これにより、ステップS15の処理は完了し、ヒルスタート制御処理はステップS16の処理に進む。
ステップS16の処理では、制御部13が、上記により算出した補正開度TH1と補正開度TH2とを加算した加算値に対して、上記により算出した補正開度TH3を乗算することによりヒルスタート開度を算出する。これにより、ステップS16の処理は完了し、ヒルスタート制御処理はステップS17の処理に進む。
ステップS17の処理では、制御部13が、スロットルポジションセンサ22から入力される電気信号に基づいてライダー要求開度を求め、ヒルスタート開度がライダー要求開度以上であるか否かを判定する。判定の結果、ヒルスタート開度がライダー要求開度以上である場合には、制御部13は、ヒルスタート制御処理をステップS18の処理に進める。一方、ヒルスタート開度がライダー要求開度未満である場合には、制御部13は、ヒルスタート制御処理をステップS19の処理に進める。
ステップS18の処理では、制御部13が、ヒルスタート開度を目標スロットル開度に設定する。これにより、ステップS18の処理は完了し、ヒルスタート制御処理を終了する。
ステップS19の処理では、制御部13が、ライダー要求開度を目標スロットル開度に設定する。これにより、ステップS19の処理は完了し、ヒルスタート制御処理を終了する。
続いて、本実施形態におけるヒルスタート制御処理の流れについて、図2を参照しながら、更に具体的に説明する。
図2は、本発明の実施形態における駆動力制御装置がヒルスタート制御処理を実行する場合の車両の運転状態の推移を示す図である。
図2において、(a)はクラッチ状態検出部11で算出されるクラッチ圧の推移を示しており、(b)はブレーキ状態検出部12で算出されるブレーキ圧の推移を示しており、(c)はピッチアングルセンサの出力値より算出されるピッチ角の推移を示しており、(d)はアクセル開度センサ25の出力値より算出されるライダー要求開度、制御部13にて算出されるヒルスタート開度、及び実スロットル開度の推移を示している。
なお、図2において、制御部13は、ヒルスタートプレ条件が成立したものと判定している。
時刻t=t1までにおいて、制御部13は、ステップS12の処理においてブレーキ圧が所定圧力より大きいと判定し、ステップS19の処理においてライダー要求開度を目標スロットル開度に設定する。これにより、実スロットル開度は、ライダー要求開度に追従する。なお、時刻t=t1までにおいて、ライダーが制動操作部材の操作を徐々に解除することにより、ブレーキ状態検出部12から制御部13に出力される電気信号の示すブレーキ油圧は、時間の経過と共に徐々に小さくなる。
時刻t=t1において、ライダーはクラッチレバーの操作を解除し始める。
時刻t=t1からt2の間において、制御部13は、ステップS10の処理において車速が所定車速未満であると判定し、ステップS11の処理においてピッチ角が所定値より大きいと判定し、ステップS12の処理においてブレーキ圧が所定圧力以下であると判定することにより、ステップS13からステップS16の処理においてヒルスタート開度を算出する。この際に、制御部13は、時間の経過と共に、ピッチ角は所定値より大きい値で一定であると共にクラッチ圧とブレーキ圧の双方は徐々に小さくなり、徐々に小さくなるヒルスタート開度を算出する。そして、制御部13は、ステップS17の処理においてヒルスタート開度はライダー要求開度以上であると判定し、ステップS18の処理においてヒルスタート開度を目標スロットル開度に設定する。これにより、実スロットル開度は、ヒルスタート開度に追従する。
時刻t=t2において、ライダーが制動操作部材の操作の解除を完了することにより、ブレーキ圧は制動操作部材が操作されていない場合の圧力値となる。
時刻t=t2からt3の間において、制御部13は、ステップS10の処理において車速が所定車速未満であると判定し、ステップS11の処理においてピッチ角が所定値より大きいと判定し、ステップS12の処理においてブレーキ圧が所定圧力以下であると判定することにより、ステップS13からステップS16の処理においてヒルスタート開度を算出する。この際に、制御部13は、時間の経過と共に、ピッチ角は所定値より大きい値で一定及びブレーキ圧は制動操作部材が操作されていない場合の圧力値で一定であると共にクラッチ圧は徐々に小さくなり、徐々に大きくなるヒルスタート開度を算出する。そして、制御部13は、ステップS17の処理においてヒルスタート開度はライダー要求開度以上であると判定し、ステップS18の処理においてヒルスタート開度を目標スロットル開度に設定する。これにより、実スロットル開度は、ヒルスタート開度に追従する。
時刻t=t3において、車両の前輪が平坦路上に有るため、ピッチ角が徐々に小さくなり始める。
時刻t=t3からt4の間において、制御部13は、ステップS10の処理において車速が所定車速未満であると判定し、ステップS11の処理においてピッチ角が所定値より大きいと判定し、ステップS12の処理においてブレーキ圧が所定圧力以下であると判定することにより、ステップS13からステップS16の処理においてヒルスタート開度を算出する。この際に、制御部13は、時間の経過と共に、ブレーキ圧は制動操作部材が操作されていない場合の圧力値で一定であると共に、ピッチ角及びクラッチ圧は徐々に小さくなり、クラッチ圧が徐々に小さくなったことにより補正開度TH1が減少すると共に、ピッチ角が徐々に小さくなったことにより補正開度TH3が減少したために、時刻t=t2からt3の間よりは緩やかに徐々に大きくなるヒルスタート開度を算出する。そして、制御部13は、ステップS17の処理においてヒルスタート開度はライダー要求開度以上であると判定し、ステップS18の処理においてヒルスタート開度を目標スロットル開度に設定する。これにより、実スロットル開度は、ヒルスタート開度に追従する。
時刻t=t4において、ライダーがクラッチレバーの操作の解除を完了することによりクラッチ圧はクラッチレバーが操作されていない場合の圧力値となると共に、車両の後輪が平坦路上に有るためにピッチ角が「0」となる。
時刻t=t4以降において、制御部13は、ステップS11の処理においてピッチ角が所定値以下であると判定し、ステップS19の処理においてライダー要求開度を目標スロットル開度に設定する。これにより、実スロットル開度は、ライダー要求開度に追従する。
なお、制御部13は、図2のヒルスタート制御処理において、ステップS8の処理においてセンサ群に異常が無いと判定していると共に、ステップS9の処理においてインギヤであると判定している。
このように、上記のヒルスタート制御処理を実行して、登り坂で停止している車両のライダー又はABSユニットがブレーキを解除又はブレーキ圧を低下させてから実スロットル開度を制御することにより、車両の坂道発進時におけるエンストを防止することができ、車両の登坂道路における発進性能を向上させることができる。
以上の本実施形態における駆動力制御装置では、車両のピッチ角に応じて、坂道発進時のスロットル開度を制御する制御部13を有する駆動力制御装置10であって、制御部13は、クラッチ油圧に応じたスロットル開度とブレーキ油圧に応じたスロットル開度との和に、ピッチ角に応じた補正係数を乗算して坂道発進時のスロットル開度とするものであるため、登り坂における車両の発進時に、クラッチの状態及びブレーキの状態を考慮してエンジンの駆動力を制御することにより、車両を適切に発進させることができる。
本発明は、部材の種類、形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
具体的には、本実施形態において、クラッチ圧、ブレーキ圧及びピッチ角によりヒルスタート開度を算出したが、クラッチ圧及びピッチ角によりヒルスタート開度を算出して、走行負荷となるブレーキ圧に応じてヒルスタート開度を補正するようにしてもよい。
また、本実施形態において、クラッチ圧、ブレーキ圧及びピッチ角によりヒルスタート開度を算出したが、クラッチ圧に応じたスロットル開度である補正開度TH1と、ブレーキ圧に応じたスロットル開度である補正開度TH2と、のうちの少なくとも一方をピッチ角に応じて補正してヒルスタート開度を算出してもよい。
以上のように、本発明においては、登り坂における車両の発進時に、クラッチの状態及びブレーキの状態を考慮してエンジンの駆動力を制御することにより、車両を適切に発進させることができる駆動力制御装置を提供することができるものであり、その汎用普遍的な性格から自動二輪車等の鞍乗型車両の駆動力制御装置に広範に適用され得るものと期待される。
10…駆動力制御装置
11…クラッチ状態検出部
12…ブレーキ状態検出部
13…制御部
14…モータ駆動回路
21…油圧センサ
22…ギヤポジションセンサ
23…車速センサ
24…スロットルポジションセンサ
25…アクセル開度センサ
26…クランク角センサ
27…ピッチアングルセンサ
28…油圧センサ
29…スロットルモータ
11…クラッチ状態検出部
12…ブレーキ状態検出部
13…制御部
14…モータ駆動回路
21…油圧センサ
22…ギヤポジションセンサ
23…車速センサ
24…スロットルポジションセンサ
25…アクセル開度センサ
26…クランク角センサ
27…ピッチアングルセンサ
28…油圧センサ
29…スロットルモータ
Claims (1)
- 車両のピッチアングルに応じて、坂道発進時のスロットル開度を制御する制御部を有する駆動力制御装置であって、
前記制御部は、
クラッチ油圧に応じた前記スロットル開度とブレーキ油圧に応じた前記スロットル開度との和に、前記ピッチアングルに応じた補正係数を乗算して前記坂道発進時の前記スロットル開度とする、
ことを特徴とする駆動力制御装置。
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