JP2003206741A

JP2003206741A - 小型滑走艇

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Publication number: JP2003206741A
Application number: JP2002008696A
Authority: JP
Inventors: Yoshimoto Matsuda; 義基松田
Original assignee: Kawasaki Heavy Industries Ltd
Current assignee: Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority date: 2002-01-17
Filing date: 2002-01-17
Publication date: 2003-07-25
Anticipated expiration: 2022-01-17
Also published as: JP3816007B2; US6739922B2; US20030134548A1

Abstract

(57)【要約】【課題】排気ガスによるトランサムボードの排気口周
辺の汚れ防止と排気音の低減が、全ての状態において可
能な小型滑走艇を提供することを目的とする。【解決手段】推進機を駆動するためのエンジンを船体
内に配置した小型滑走艇において、エンジンＥの排気ポ
ートＥｐから延びる排気通路Ｅｐの後端に形成される排
気口２ＤをトランサムボードＴｍに形成した開口Ｔｏに
臨むように配置し、該排気口２Ｄに、排気ガスが通過可
能な可撓性のシート部材３を配置するとともに、該シー
ト部材３の排気ガスの通過部分を周囲から囲み後方へ排
気ガスを導くパイプ状の短管部５Ｐを、トランサムボー
ドＴｍの外側に取着した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、水流を後方に噴出
してその反動で水上を航行する小型滑走艇（ Personal
Watercraft（パーソナルウォータークラフト）; ＰＷＣ
とも呼ばれる) に関し、特にエンジンから延設された排
気管の排気口に関する。

【０００２】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】所謂
ジェット推進型の小型滑走艇は、レジャー用，スポーツ
用としてあるいはレスキュー用として、近年多用されて
いる。この小型滑走艇では、一般に艇の底面に設けられ
た吸水口から吸い込んだ水を、ウォータージェットポン
プで加圧・加速して後方へ噴射することによって船体を
推進させる。

【０００３】そして、このジェット推進型の小型滑走艇
の場合、前記ウォータージェットポンプの噴射口の後方
に配置したステアリングノズルを、バー型操舵ハンドル
を左右に操作することによって左右に揺動させて、後方
への水の噴射方向を左右に変更させて、艇を右側あるい
は左側に操舵する。

【０００４】ところで、この小型滑走艇の場合、艇の略
中央に搭載されたエンジンからの排気ガスは、消音器に
導かれ、該消音器で消音処理された後、艇の後端のトラ
ンサムボードに開口した排気口から船外に排出される。

【０００５】従って、この排気口近傍のトランサムボー
ド等は排気ガスによって汚れ易いため、本出願人が、後
端部で斜め下方に屈曲させた延設管を、前記排気口の後
方に取着することによって、前記トランサムボードが排
気ガスで汚されることを防止するとともに、排気音を低
減させる提案をしている。

【０００６】この提案された延設管を装着した小型滑走
艇は、トランサムボードが汚れにくくなっている。

【０００７】しかしながら、前記延設管を装着した小型
滑走艇では、高速航行時には、排気音が低減されるが、
中・低速時のある速度域において排気音が水面と共鳴す
る場合があり、所望の排気音を低減させるという効果が
得られ難い。

【０００８】本発明は、このような状況の下におこなわ
れたもので、トランサムボードに開口する排気口から排
出される排気ガスによる、該トランサムボードの排気口
周辺の汚れ防止と排気音の低減が、全ての状態において
可能な小型滑走艇を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記課題は、以下のよう
な構成からなる小型滑走艇によって解決することができ
る。即ち、本第１の発明にかかる小型滑走艇は、推進機
を駆動するためのエンジンを船体内に配置した小型滑走
艇において、前記エンジンの排気ポートから延びる排気
通路の後端に形成される排気口をトランサムボードに形
成した開口に臨むように配置し、該排気口に、排気ガス
が通過可能（変形して形成される隙間から通過可能）な
可撓性のシート部材を配置するとともに、該シート部材
の排気ガスの通過部分を周囲から囲み後方へ排気ガスを
導くパイプ状の短管部を、前記トランサムボードの外側
に取着したことを特徴とする。

【００１０】しかして、このように構成された小型滑走
艇によると、以下のような作用を奏することができる。
つまり、トランサムボードに形成した開口に臨むように
配置された排気口から排出される排気ガスは、その排気
圧により、排気口に配置されたシート部材をその可撓性
に起因して変形させることによって該排気口とシート部
材との間に形成される通路（隙間）から、外部に排出さ
れる。しかも、このシート部材の排気ガスの通過部分を
周囲から囲み後方へ導く短管部が後方へ延設されている
ので、排気ガスはトランサムボードから後方に離れた位
置で外気側に排出されることから、トランサムボードを
汚すことはない。また、排気音は、前記可撓性のシート
部材に当接することによって、全ての航行状態あるいは
停止状態において低減されることになる。また、後方か
ら該排気口に向けて水等をかぶるような状況下では、シ
ート部材が、排気口からエンジン側への水の侵入を阻止
する。

【００１１】本第２の発明にかかる小型滑走艇は、推進
機を駆動するためのエンジンを船体内に配置した小型滑
走艇において、前記エンジンの排気ポートから延びる排
気通路の後端に形成される排気口をトランサムボードの
開口から船外に臨むように配置し、該排気口に、当該排
気口より大きな閉塞部が接続部を除いて周部から切り離
された可撓性のシート部材を配置するとともに、該シー
ト部材の後方から、前記閉塞部が接続部を中心に後方へ
揺動できる大きさの通気穴を有するパイプ状の短管部と
前記トランサムボードに取着するための取付部を有する
押さえ部材で、該シート部材をトランサムボード側に取
着したことを特徴とする。

【００１２】しかして、このように構成された小型滑走
艇によると、以下のような作用を奏することができる。
つまり、トランサムボードに開口した排気口から排出さ
れる排気ガスは、その排気圧により、接続部を中心に揺
動するシート部材の閉塞部を該接続部を中心に後方へ揺
動させることによって、外部へ排出される。この際、シ
ート部材の閉塞部の周囲には、後方に向けて押さえ部材
のパイプ状の短管部が延設されているので、排気ガス
は、周辺のトランサムボードを汚すことはない。また、
排気音は、前記可撓性のシート部材の閉塞部に当接する
ことによって、全ての航行状態あるいは停止状態におい
て低減されることになる。また、シート部材の閉塞部の
周囲の部分は、該閉塞部が排気口を塞ぐような配置状態
で、押さえ部材によってトランサムボード側に取着する
ことによって、簡単にトランサムボードにシールされた
状態で押さえ部材を取着することができる。さらに、後
方から該排気口に向けて水等をかぶるような状況下で
は、シート部材の閉塞部が、トランサムボードの開口の
周縁に密着して、排気口内への水の侵入を防止する。従
って、シート部材の閉塞部は、排気口の閉塞と解放が可
能になって前記作用効果を奏するとともに、該シート部
材の閉塞部の周囲の部分は、押さえ部材のパッキン材と
しての機能も奏するという、二つの作用効果を得ること
ができる。そして、何よりも、このように構成すると、
エンジンの特性に合わせて、可撓性の性能の異なるシー
ト部材を選択的に使用できるため、押さえ部材等は共通
部品として、シート部材のみ交換すればよい。従って、
部品の量産効果をも得ることもできる点で好ましい。

【００１３】また、前記小型滑走艇において、前記閉塞
部が、スリットにより、接続部を除いて、部分円状の形
状に周部から隔離形成されている構成であってよい。

【００１４】また、前記小型滑走艇において、前記閉塞
部が、スリットにより、接続部を除いて、下部に半円形
状の曲線部が位置しその上部がそのまま直線状に上方に
延びた、全体が舌状の形状に周部から隔離形成されてい
る構成であってもよく、かかる場合には接続部の長さを
長く設定することができ、耐久性を高く設定できる点で
好ましい構成となる。

【００１５】また、前記小型滑走艇において、前記押さ
え部材の取付部が、前記可撓性のシート部材の周部を挟
むように、トランサムボードに取着されていると、構成
的にシンプルな構成を実現できる。

【００１６】また、前記小型滑走艇において、前記可撓
性のシート部材が、ゴムシートであることが、耐水性の
点において可撓性の点において、現実的で安価な実施形
態となる。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態にかかる
小型滑走艇について、図面を参照しながら、具体的に説
明する。

【００１８】図１は小型滑走艇の排気口部分を後方から
見た図、図２は図１に示す排気口部分の構成を示す図
で、（ａ）は図１に示す排気口部分の構成を示す該図１
のIIa−IIa 矢視断面図、（ｂ）は図１に示す排気口部
分の取付け部分の構成を示す該図１のIIb −IIb 矢視部
分断面図、図３は図１，図２に示す排気口が形成された
小型滑走艇の後部のハル部分と排気通路との配置と排気
口部分の構成を示す要部を分解して示す斜視図、図９は
本発明の実施形態にかかる小型滑走艇の全体側面図、図
１０は図９の平面図である。

【００１９】図９，図１０において、Ａは船体で、この
船体Ａは、ハルＨとその上方を覆うデッキＤから構成さ
れ、これらハルＨとデッキＤを全周で接続する接続ライ
ンはガンネルラインＧと呼ばれる。Ｌは喫水線を示して
いる。

【００２０】そして、前記デッキＤの中央よりやや後部
には、図１０に図示するように、船体Ａの上面に長手方
向に延びる平面視において略長方形の開口部１６が形成
され、図９，図１０に図示するように、この開口部１６
上方に騎乗用のシートＳが配置されている。

【００２１】また、エンジンＥは、前記シートＳ下方の
ハルＨとデッキＤに囲まれた横断面形状が「凸」状の空
間２０内に配置される。この実施形態では、エンジンＥ
は、多気筒（この実施例では４気筒）の４サイクル式の
エンジンＥで、図９に図示するように、該エンジンＥの
クランクシャフト２６が船体Ａの長手方向に沿うような
向きで搭載されており、このクランクシャフト２６の出
力端は、プロペラ軸２７を介して、インペラ２１が取着
されているウォータージェットポンプＰのポンプ軸２１
Ｓ側に、一体的に回転可能に連結されている。そして、
このインペラ２１は、その外周方が、ポンプケーシング
２１Ｃで覆われ、小型滑走艇の底面に設けられた吸水口
１７から取り入れた水を吸水通路を介して取り込んで、
ウォータージェットポンプＰで加圧・加速して、通水断
面積が後方にゆくに従って小さくなったポンプノズル
（噴出部）２１Ｒを通って、後端の噴射口２１Ｋから吐
出して、推進力を得るよう構成されている。

【００２２】また、図９において、２１Ｖはウォーター
ジェットポンプＰ内を通過する水を整流するための静翼
である。また、図９，図１０おいて、２４はバー型の操
舵ハンドルで、このハンドル２４を左右に操作すること
によって、図１０に一点鎖線で示すケーブル２５を介し
て、前記ポンプノズル２１Ｒ後方のステアリングノズル
１８を左右に揺動させて、ウォータージェットポンプＰ
の稼働時に、艇を所望の方向に操舵できるよう構成され
ている。

【００２３】また、図９に図示するように、前記ステア
リングノズル１８の上後方には、水平に配置された揺動
軸１９ａを中心に下方に揺動可能に、ボウル形状のリバ
ース用のデフレクター１９が配置され、このデフレクタ
ー１９をステアリングノズル１８後方の下方位置へ揺動
動作させることによって、ステアリングノズル１８から
後方に吐出される水を前方に転向させて、後進できるよ
う構成されている。

【００２４】また、図９，図１０において、２２は後部
デッキで、この後部デッキ２２には、開閉式のハッチカ
バー２９が設けられ、ハッチカバー２９の下方に小容量
の収納ボックスが形成されている。また、図９あるいは
図１０において、２３は前部ハッチカバーで、このハッ
チカバー２３の下方には備品等を収納するボックス（図
示せず）が設けられている。また、図１０において、Ｌ
ｔはエンジンＥの回転数を操作するためのスロットルレ
バーである。

【００２５】ところで、本発明の実施形態にかかる小型
滑走艇では、図１０に図示するように、前記エンジンＥ
の排気ポートからトランサムボードＴｍ（図９参照）ま
で、マフラーＭｆを含む排気管路（排気通路）Ｅｐが延
設され、図３に図示するように、該トランサムボードＴ
ｍに形成された開口Ｔｏから、前記排気管路Ｅｐの後端
Ｅｐ₁ が船外を臨むように位置する。そして、この排気
管路Ｅｐの後端Ｅｐ₁ には、図２（ａ）に断面図として
拡大して図示し図４にベース部材単体の正面図として図
示するように、中央に排気口２Ｄとなる開口を有し、一
方（船内側）に延設された円筒状のパイプ部２ｐを有す
る、ベース部材２が、図３に図示する如く、前記開口Ｔ
ｏに船外側から装着される。つまり、図２（ａ）に図示
するように、このベース部材２のパイプ部２ｐの先端
（船体内側の端）の内周には、前記排気口２Ｄの船外端
の径より大きい径の拡径部２ａが形成され、この拡径部
２ａに、前記排気管路Ｅｐの後端Ｅｐ₁ が接続されてい
る。そして、このベース部材２は、図２（ｂ）に図示す
るように、前記トランサムボードＴｍに対して、該ベー
ス部材２の周囲に配設された取着穴２ｇを利用して、六
角穴ボルト１０によって、取着される。この実施形態で
は、このベース部材２は、全体の形状が中央に排気口２
Ｄとなる開口２ｄが形成された円板状の一方に、開口Ｔ
ｏに挿通される前記パイプ部２ｐが突設したような形状
に構成されている。また、この実施形態では、前記排気
口２Ｄの周囲に同芯状に、円形の溝２Ｅが形成され、こ
の円形の溝２Ｅと排気口２Ｄとの間に、シート部材３の
閉塞部３Ａの周縁を裏面から支持するための、支持部２
Ｆが形成されている。さらに、図４に図示するように、
このベース部材２の前記取着穴２ｇの周方向における中
間の位置には、このベース部材２に押さえ部材５を取着
するための、内周にめねじが形成された取付穴２ｊが設
けられている。

【００２６】次に、このベース部材２に対して、図５に
正面図として図示する、薄板状（シート状）の可撓性の
シート部材３が取着される（図３参照）。つまり、この
シート部材３には、接続部３Ｂとなる一部を残した周囲
にスリット３ａが形成され、このスリット３ａによっ
て、接続部３Ｂを除いて、周部３Ｃから隔離された閉塞
部３Ａが形成されている。つまり、この閉塞部３Ａがス
リット３ａによって隔離されていない部分、つまり図５
の上方に位置する接続部３Ｂによって、閉塞部３Ａはシ
ート部材３のその他の部分、具体的には閉塞部３Ａと接
続部３Ｂの外周方に設けられた周部３Ｃと接続されてい
る。そして、前記閉塞部３Ａは、図１に図示するよう
に、寸法的に、前記排気口２Ｄを閉塞可能となるよう該
排気口２Ｄより大きく、つまり排気口２Ｄを閉塞部３Ａ
が閉塞可能なように構成されている。この実施形態の場
合には、該閉塞部３Ａの周縁が、前記排気口２Ｄの外周
域に環状に形成されている支持部２Ｆよりさらに大きく
なって、前述のように、この閉塞部３Ａが排気口２Ｄに
よって裏面（船内側）から当接して支持できるような構
成になっている。また、前記スリット３ａの両端には、
該スリット３ａがその延長線上に向かって破断し難いよ
うに所謂「ストップホール」３ｂが形成されている。ま
た、このシート部材３の周部の上下左右の４箇所には、
前記ベース部材２の取付穴２ｊに合致するよう、ボルト
１２を挿通するための貫通穴３ｊが形成されている。

【００２７】そして、前記シート部材３に対して、図６
に正面図として図示するような、周囲の複数箇所、この
場合、上下・左右の４箇所に、取付部５Ａが周方向外方
へ突設され、図６の紙面手前側（トランサムボードＴｍ
に取着された状態において後方側）に突設されたパイプ
状の短管部５Ｐを備えた、押さえ部材５が、前記取付部
５Ａに形成された取付穴５ｊに挿通される取付ボルト１
２によって、前記シート部材３を間に挟んで、前記ベー
ス部材２側に取りつけられている（図２，図３参照）。
かかる場合、前記取付ボルト１２は、前記ベース部材２
の取付穴２ｊに螺合する。前記パイプ状の短管部５Ｐの
内方の空間は、前記シート部材３の閉塞部３Ａが、接続
部３Ｂを中心に後方に揺動できるような大きさの通気穴
５Ｒとなっている。

【００２８】また、前記実施形態にかかるシート部材３
に代えて、図７に図示するような、スリット１０３ａを
有するシート部材１０３を使用してもよい。つまり、閉
塞部１０３Ａが、下部に半円形状の曲線部が位置しその
上部がそのまま直線状に上方に延びた、全体が舌状の形
状を有するような構成であってもよい。かかる場合に
は、閉塞部１０３Ａを、周部１０３Ｃと接続する接続部
１０３Ｂが長くなり、つまり、スリット１０３ａの両端
に設けられているストップホール１０３ｂ間の非スリッ
ト部分の長さが長くなり、このため、前記揺動による疲
労破壊に対して、耐久性が増す点で好ましい実施形態と
なる。そして、かかるシート部材１０３を使用する際に
は、押さえ部材１０５としては、図８に図示するよう
に、前記スリット１０３ａの形態（形状）に合わせて、
該押さえ部材１０５の上部１０５Ｕの取付部１０５Ａが
上下左右方向に大きく構成されている。つまり、前記ス
リット１０３ａのストップホール１０３ｂが上部１０５
Ｕの取付部１０５Ａでベース部材側に押さえつけられる
ようになっている。その他の構成は、前記押さえ部材５
（図６参照）と同じであり、対応する主な構成につい
て、対応する参照番号に１００を加えた数を付す。

【００２９】しかして、前述した構成を具備する排気口
を具備する小型滑走艇によれば、以下のような作用を奏
する。つまり、図２に図示するように、排気管路Ｅｐか
ら排気ガスが排出されると、その排気圧によって、前記
ベース部材２（あるいは１０２）の支持部２Ｆと接触し
ていた、可撓性のシート部材３が、図２の二点鎖線で示
すように、該支持部２Ｆから離れ、図２の一点鎖線Ｙで
示すように、外気側に排気ガスを排出する。かかる場
合、排気圧の程度によって、つまり、エンジンＥの回転
数の程度によって、前記シート部材３の図２において左
側への屈曲程度が変化する。

【００３０】そして、このように排出される排気ガス
は、前記押さえ部材５（あるいは１０５）のパイプ状の
短管部５Ｐが後方に延設されていることに起因して、排
気ガスは後方に円滑に導かれて、小型滑走艇のトランサ
ムボードＴｍを汚すことなく、後方に排出される。ま
た、排気音は、前記シート部材３に当接することによっ
て、また、周囲が前記短管部５Ｐによって囲まれている
ことから、低減される。

【００３１】そして、このように構成されていると、エ
ンジンの出力によって、可撓性の性能の異なるシート部
材３を適宜選択することによって、好ましい前述した作
用効果が得られるように設定することができる。前記可
撓性の性能を変えるには、例えば、同じ材質のもので厚
みを変えることや、シート部材３の材質を変えることに
よって変えることもできる。また、前記シート部材３の
接続部３Ｂに有底の溝を形成することによって、可撓性
の性能を変えることもできる。

【００３２】また、前記シート部材３，１０３の材質と
しては、ゴム等が耐水性の点で好ましく、例えば、ＮＢ
Ｒのシートを使用することができる。しかし、軟質のプ
ラスチックであっても、あるいは可撓性と耐水性のある
ものであればその他の材質のものでもよい。

【００３３】さらに、前記ベース部材２の材質として
は、硬質のプラスチックであっても、ステンレスあるい
はアルミ等の金属製であっても、あるいは硬質のゴムを
使用することも可能である。

【００３４】また、前記押さえ部材５の材質としては、
硬質のプラスチックであっても、ステンレスあるいはア
ルミ等の金属製であっても、あるいは硬質のゴムを使用
することも可能である。

【００３５】

【発明の効果】本発明にかかる小型滑走艇によれば、ト
ランサムボードに開口する排気口から排出される排気ガ
スによって、該トランサムボードの排気口周辺の汚れが
防止できるとともに、全ての航行あるいは停止状態にお
いて排気音の低減を低減することが可能となる。また、
前記作用効果を得るために、エンジンの出力等に合わせ
て、シート部材の可撓性の性能を代えれば、簡単に対応
できるため、複数の種類の小型滑走艇に利用することが
でき、量産効果が期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態にかかる小型滑走艇の排気
口部分を後方から見た拡大図である。

【図２】図１に示す排気口部分の構成を示す図で、
（ａ）は図１に示す排気口部分の構成を示す該図１のII
a −IIa 矢視断面図、（ｂ）は図１に示す排気口部分の
取付け部分の構成を示す該図１のIIb −IIb 矢視部分断
面図である。

【図３】図１，図２に示す排気口が形成された小型滑
走艇の後部のハル部分と排気通路との配置と排気口部分
の構成を示す要部を分解して示す斜視図である。

【図４】図１〜図３に示す排気口を構成するベース部
材の正面図である。

【図５】図１〜図３に示す排気口を構成するシート部
材の正面図である。

【図６】図１〜図３に示す排気口を構成する押さえ部
材の正面図である。

【図７】図５に示すシート部材と別の実施形態にかか
るシート部材の構成を示す正面図である。

【図８】図７に示すシート部材に使用する、図６の押
さえ部材とは別の実施形態にかかる押さえ部材の構成を
示す正面図である。

【図９】本発明の実施形態にかかるジェット推進型の
小型滑走艇の全体側面図である。

【図１０】図８に示す小型滑走艇の全体平面図であ
る。

【符号の説明】

２……ベース部材２Ｄ……排気口３……シート部材３Ａ……閉塞部３Ｂ……接続部５……押さえ部材５Ａ……取付部５Ｐ……短管部５Ｒ……通気穴Ｅ……エンジンＥｐ……排気ポート

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】推進機を駆動するためのエンジンを船体
内に配置した小型滑走艇において、前記エンジンの排気ポートから延びる排気通路の後端に
形成される排気口をトランサムボードに形成した開口に
臨むように配置し、該排気口に、排気ガスが通過可能な
可撓性のシート部材を配置するとともに、該シート部材
の排気ガスの通過部分を周囲から囲み後方へ排気ガスを
導くパイプ状の短管部を、前記トランサムボードの外側
に取着したことを特徴とする小型滑走艇。
【請求項２】推進機を駆動するためのエンジンを船体
内に配置した小型滑走艇において、前記エンジンの排気ポートから延びる排気通路の後端に
形成される排気口をトランサムボードの開口から船外に
臨むように配置し、該排気口に、当該排気口より大きな
閉塞部が接続部を除いて周部から切り離された可撓性の
シート部材を配置するとともに、該シート部材の後方か
ら、前記閉塞部が接続部を中心に後方へ揺動できる大き
さの通気穴を有するパイプ状の短管部と前記トランサム
ボードに取着するための取付部を有する押さえ部材で、
該シート部材をトランサムボード側に取着したことを特
徴とする小型滑走艇。
【請求項３】前記閉塞部が、スリットにより、接続部
を除いて、部分円状の形状に周部から隔離形成されてい
ることを特徴とする請求項２記載の小型滑走艇。
【請求項４】前記閉塞部が、スリットにより、接続部
を除いて、下部に半円形状の曲線部が位置しその上部が
そのまま直線状に上方に延びた、全体が舌状の形状に周
部から隔離形成されていることを特徴とする請求項２記
載の小型滑走艇。
【請求項５】前記押さえ部材の取付部が、前記可撓性
のシート部材の周部を挟むように、トランサムボードに
取着されていることを特徴とする請求項２〜４のいずれ
か１の項に記載の小型滑走艇。
【請求項６】前記可撓性のシート部材が、ゴムシート
であることを特徴とする請求項２〜４のいずれか１の項
に記載の小型滑走艇。