JP2003205576A - 樹脂複合型ステンレス制振鋼板およびこれを用いたプレス成形体ならびにハードディスクドライブ用ケースカバー - Google Patents
樹脂複合型ステンレス制振鋼板およびこれを用いたプレス成形体ならびにハードディスクドライブ用ケースカバーInfo
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Abstract
性と、カバーの外観品位を両立させることが可能となる
樹脂複合型ステンレス制振鋼鈑およびこれを用いたプレ
ス成形体ならびにハードディスクドライブ用ケースカバ
ーを提供する。 【解決手段】 ステンレス鋼板を粘弾性樹脂を介して積
層した精密機器カバー類の成形などに用いる樹脂複合型
ステンレス制振鋼板において、少なくとも内面側になる
方のステンレス鋼板の表面粗さRaを0.045μm 以
下とし、かつ、外面側となる方のステンレス鋼板の表面
粗さRaを0.07μm 以上とする。また、この樹脂複
合型ステンレス制振鋼鈑を用いてプレス成形体とし、或
いはハードディスクドライブ用ケースカバーとする。
Description
に樹脂層を積層してなる樹脂複合型制振金属板に関し、
主に機器から発生する振動騒音を低減させることを目的
として、電子機器部品や精密機械のケース等に使用され
るものである。特に、材料自身から発生するガス(以下
アウトガスと呼ぶ) や材料が持込む塵埃等を極端に嫌う
ハードディスクドライブ等の精密電子機器製品のケース
カバー類に対して好適である。
製品のケースカバーには、主にアルミ単板が使用されて
いたが、高速回転化によって振動が大きくなったため、
カバーの振動による騒音が問題となるようになった。こ
のため低騒音化対策として、アルミ板に代わって質量の
あるステンレス鋼板をカバーに採用されるようになって
きたが、質量増だけでは十分な低騒音化が達成されない
ため、近年ではカバー全体をステンレス表皮の制振鋼板
で作製される場合が多くなってきた。
器製品では機器内部にガスや塵が発生すると、磁気記録
ディスク表面等を変質損傷させる恐れがあるため、カバ
ーに使用する材料においても、材料自身がガスや塵を発
生しないようなものでなければならない。この点におい
てステンレス鋼板、アルミニウム板は、メッキ板や塗装
板と異なり、長期の使用においても錆やガスを発生する
ことがないため、ハードディスク等の精密電子機器製品
のケースカバー類に好適な材料といえる。
イブの高容量化・高回転化が著しいことから、使用され
る材料に関しても一層の信頼性を要求されるようになっ
てきており、ケースカバー用の制振鋼板においても、ア
ウトガス・ 塵発生量の大幅な低減化が必要となってき
た。
等精密機器のカバーとして用いられているステンレス制
振鋼板の表皮ステンレス板は、最も汎用的なSUS304/2
B仕上げが殆どである。SUS304の2B仕上げは焼鈍酸洗工
程で、その前の焼鈍時に形成した粒界酸化物が除去され
ているため、または焼鈍時の表面酸化に起因して、表面
近傍の粒界付近に形成するCr欠乏層が酸洗によって優
先して溶削されるため、結果として鋼板表面の粒界に沿
って微小な粒界溝(いわゆる、ミクログルーブ)が形成
されており、表面が凹凸になっている。このように金属
板の表面の凹凸が大きいと、プレス工程後の洗浄によっ
ても、微小凹部にプレス油や金属粉が残る場合があり、
アウトガスや塵発生の原因となりやすい欠点があった。
電子機器製品の信頼性向上という観点からは、ケースカ
バーに使用される金属板の表面の凹凸がない方が好まし
いと言えるが、金属板の表面の凹凸が小さくなると外観
が鏡面状になるため、製品の外側面に用いた場合、逆に
キズが目立ち易くなる。キズの目立ち難さの点では、表
面が粗い(凹凸が大きい)方が光が乱反射するためキズ
が分かり難くなるので、むしろ、好ましい。
表面を鏡面状に維持させるためには、製造、流通過程の
設備改造等も必要であるし、微小なキズでも不良となる
ため、歩留も悪化する方向となるため工業的に好ましい
とは言えない。
では、ハードディスクドライブ等の精密電子機器製品の
ケースカバーとして求められる、低アウトガス・ 低塵埃
(以下、アウトガスと塵埃を総称してコンタミと呼ぶ)
の実現と、製品の外観品位を両立させることは困難であ
った。
点を解決するため鋭意検討を行った結果、樹脂複合型ス
テンレス制振鋼板に使用する金属板表面の表面性状を最
適化することにより、耐コンタミ性を向上させながら、
精密機器類のカバーに使用された場合の外観品位を向上
させることができることを見出した。
機器ケース類の成形などに用いる樹脂複合型ステンレス
制振鋼板において、少なくとも内面側になる方のステン
レス鋼板の表面粗さRaが0.045μm 以下であり、
かつ、外面側となる方のステンレス鋼板の表面粗さRa
が0.07μm 以上であることを特徴とする樹脂複合型
ステンレス制振鋼板、 2)請求項1に記載の樹脂複合型制振金属板を用いたこ
とを特徴とするプレス成形体、 3)請求項1に記載の樹脂複合型制振金属板を用いたこ
とを特徴とするハードディスクドライブ用ケースカバ
ー、 である。
に説明する。本発明者らの検討によれば、鋼板表面の微
小凹凸が多いと、洗浄後の耐コンタミ性は、悪くなるこ
とを確認しており、ステンレス鋼鈑表面の表面粗さ(J
ISB 0601に規定される算術平均粗さRa;以下
単にRaと呼ぶ)が0.045μm 以下であれば、プレ
ス品洗浄後の耐コンタミ性が非常に良くなることを見出
した。表面粗さRaが0.045μm を超えるとカバー
のプレス加工後の洗浄回数を増やす等しないと完全に油
分や塵が除去することが出来なくなるため好ましくな
い。
る方法について述べる。SUS304の2B仕上げの場合を例に
上げると、表面粗さが粗くなる原因としては、酸洗工程
で、その前の焼鈍時に形成した粒界酸化物が除去されて
いるため、または焼鈍時の表面酸化に起因して、表面近
傍の粒界付近に形成するCr欠乏層が酸洗によって優先
して溶削されるため、結果として鋼板表面の粒界に沿っ
てミクログルーブが形成されることが挙げられる。従っ
て、表面酸化し難い方法でステンレス鋼板を製造すれ
ば、耐コンタミ性を向上させることが可能となる。
いてであるが、SUS304を代表とするオーステナイ
ト系ステンレス鋼板を例に採ると、スラブ加熱についで
熱間圧延、(熱間圧延後、熱延板焼鈍、前処理酸洗を行
う場合もある)、冷間圧延からなる一連の工程を経た
後、仕上焼鈍を行い所定の材質に調整し、その後、品種
によって酸洗による脱スケール処理を行う。仕上焼鈍の
方法には、強還元性雰囲気で処理する方法と燃焼雰囲気
中で処理する方法とがある。
鈍(BA)と呼ばれ、生成する酸化皮膜(スケール)
は、極めて薄く、ほとんど圧延ままの光沢が得られる。
強還元性ガスとしては、H2 、または、H2 +N2 を用
いるのが一般的であり、表面酸化皮膜の厚みを100n
m以下に制御するのに適している。光輝焼鈍材は、酸化
皮膜厚が非常に薄いので、仕上焼鈍後の酸洗による脱ス
ケール処理を省略する場合も多い。
上げ焼鈍時に、鋼板表面に一定厚さ以上のスケールが生
じるため、通常、焼鈍した後に脱スケールのための酸洗
を行う。脱スケール処理としては、溶融アルカリ塩に浸
漬するソルト処理、もしくは、硫酸ナトリウム、硝酸ナ
トリウム等の中性塩中における電解処理などの前処理を
行った後、硫酸、硝酸、硝弗酸等の酸溶液に浸漬または
電解処理する工程を組み合わせる方法がある。特に前処
理後の酸処理としては、硝酸と弗酸からなる混酸または
硝酸を用いて、電解処理または浸漬処理を行うのが一般
的である。このような脱スケール処理を行った場合、ス
ケール層は除去されるものの、酸洗後のステンレス鋼板
の表面は粒界あるいは粒内が侵食され、溝ができた状態
となる。このため、表面粗さが粗くなり、油や埃が溝に
入り込み易くなり、強力に洗浄しないと溝の奥に入り込
んだ油や埃が出難くなる。
主な要因は、粒界溝(ミクログルーブ)であるので、ス
テンレス鋼板の表面粗さRaを0.045μm 以下にす
る方法としては、冷間圧延後の仕上焼鈍を光輝焼鈍、な
いしは、無酸化焼鈍として粒界溝が発生しないように処
理する方法が最も適している。仕上焼鈍後の酸洗処理は
必須ではないが、必要に応じて適宜処理されれば良い。
酸洗処理は硝酸と弗酸からなる混酸または硝酸を用い
て、電解処理または浸漬処理を行うのが一般的である
が、電解処理と浸漬処理で特に表面性状に違いはないの
で酸洗処理する場合はどちらか適宜選択されれば良い。
小さくする方法としては、一般圧延材のNo.2B仕上
材をバフ(400番程度)によって研磨仕上げする方法
などがある。研磨でもっとRaを小さくするには、順々
に細かい粒度の研磨剤で研磨したあと、鏡面用バフによ
って研磨する方法もある。
ス鋼板の表面についてであるが、カバー外面側は、機器
内部の空気と直接触れることはないので、コンタミ性は
さほど重要ではないが、カバーの外観品位が商品価値を
左右するので、カバー外面側鋼板表面の疵は極力目立た
ないようにしなければならない。本発明者らの検討によ
れば、キズおよび指紋等の表面キズおよび汚れの目立ち
易さは、ステンレス鋼板の表面粗さRaが0.07μm
未満の場合に顕著であり、逆にステンレス鋼板の表面粗
さRaが0.07μm 以上ある場合は光が乱反射し、鋼
板表面に入った細かな疵が目立たなくなることが確認さ
れれいる。従って、カバー外面側となるステンレス鋼板
の表面粗さRaを0.07μm 以上にすることにより、
取扱い時に入り易い微小な疵や指紋等を目立たなくさせ
ることが可能となる。
μm 以上にする方法としては、ステンレス鋼板の焼鈍を
燃焼雰囲気中で行い、焼鈍後に脱スケールのための酸洗
を行う方法によって粒界溝を深くする方法か、あるい
は、鋼板表面をツヤ消しロールで圧延し表面に凹凸を付
けてダル仕上にする方法が一般的である。ツヤ消しロー
ルで圧延して表面に凹凸を付けてダル仕上にする方法
は、スキンパス圧延時にロールの粗度によって鋼板表面
に凹凸をつける処理であり、粒界溝よりも、凹凸の間隔
が広く粗いため、より表面の疵が目立たなくなるので好
ましい方法である。この他の方法として、サンド、ビー
ズ、ワイヤーカットなどを鋼板表面にエアーで吹き付け
るショットブラスト法やエッチングあるいは放電加工で
ロールを加工したエンボス用ロールで圧延するエンボス
法などもある。
振樹脂について述べる。制振樹脂は、外界から伝達され
た振動を粘弾性樹脂の粘性抵抗によって減衰させるもの
である。このため、使用される温度域では高分子鎖がミ
クロ的に流動する程度に軟化している必要があるが、接
着性の観点から言えば、樹脂の弾性率が高い程、高接着
強度となる。従って、制振性と高接着性を両立させるた
めには、軟化しても温度上昇に伴う極端な弾性率の低下
をさせないようにすることが必要である。軟化後の温度
上昇に伴う極端な弾性率の低下を防止する方法として、
粘弾性樹脂を熱硬化性樹脂とする方法があるが、硬化成
分として反応性の高い塩素系や硫黄系の化合物を用いる
とアウトガスとなった場合に腐食の原因となる危険性が
あるので好ましくない。同様な理由で低分子可塑成分を
添加して軟化させる方法もアウトガス上好ましくない。
硬化速度を早める目的で、種々の硬化触媒を添加しても
構わない。プレス後の剥離はシワの発生を防止するため
には少なくとも80N/25mm以上のTピール強度を有してい
ることが望ましい。
着性を両立させる方法としては、本発明者らが開発した
熱硬化性の非晶性ポリエステル系樹脂(特開平04-10365
7 号、特開平04-353514 号、特開平06-329770 号、特開
平06-329771 号、特開平07-179735 号)が制振樹脂とし
ては好適である。これは特定の構造、構成の非晶質ポリ
エステル樹脂をイソシアナート化合物やエポキシ樹脂と
酸無水物、あるいはアミン系などの硬化剤によって架橋
させることを特徴とした制振樹脂である。また、制振樹
脂の厚みについては、20〜80μm の範囲が接着性、加工
性が良好なので好ましい。樹脂厚が20μm 未満だと接着
強度が安定せず、80μm を超えるとプレス加工シワが発
生したり樹脂がはみ出したりするので好ましくない。
コンタミ防止の観点から気密性が高いことが必要であ
る。気密性を保つためには、カバー取り付け面の気密性
が変化しないことが重要であるが、カバーの気密性を維
持するためには、固定しているビスの経時的な緩みが無
いことが重要である。しかしながら制振鋼板は中間層が
粘弾性樹脂であるため、樹脂のクリープが起り、ビス締
付けトルクの経時的な低下が発生する。そこで、本発明
者らは、カバーのビス止め時に締付けトルクが低下する
のを防止することを目的として、粘弾性樹脂中にステン
レス、ニッケル粉等の金属粉を添加して金属粉の厚み以
上に樹脂のクリープが進行しないようにすることを考案
した。
く、ステンレス、ニッケル、鉄、銅、黄銅などの金属を
粉末状、フレーク状、ファイバー状、ワイヤー状などに
加工したものを1重量%以上添加すればビスの締付けト
ルクの低下は防止できる。耐食性の観点からはニッケル
粒子および/またはステンレス粒子が最も好ましく、添
加量は接着性の点から樹脂重量に対して30重量%以下と
するのが良い。また、ニッケル粒子および/またはステ
ンレス粒子は焼鈍軟質化したものの方が制振鋼板製造時
の圧着工程で潰れ易いので好ましい。金属粒子が硬質過
ぎると金属粒子の部分がつぶれず気泡を巻き込んだり、
未接着部が出来易くなり、接着強度の低下を招く恐れが
あるので好ましくない。逆に金属粉が柔らかすぎても潰
れ過ぎるので、金属粉の硬度は50〜200 μHvの範囲とす
るのが好ましい。金属粒子の粒径は特に限定されない
が、制振鋼板製造時の圧着工程で金属粒子が圧潰された
時の金属粒子の厚みと樹脂厚の比が0.9 〜1.2 となるよ
うにするのが接着強度を低下させることなくトルク低下
防止できるのでより好ましい。
ては、表裏金属板を加熱炉あるいは加熱ロール等で加熱
し、表裏金属板間に熱可塑性樹脂のフィルムを挿入圧着
することにより熱融着させるフィルムタイプの方法と、
塗料型の樹脂をロールコーターやナイフエッヂコータ
ー、カーテンフローコーター等によって表裏鋼板の樹脂
接着面側に塗布し乾燥炉等を通して溶剤を揮発させた
後、加熱圧着する塗布タイプの方法があるが、前述した
熱硬化性樹脂に関してはフィルムタイプだとフィルム製
造段階で硬化反応が進んでしまうため、金属板とフィル
ムを貼り合せるのが困難となり好ましくない。塗付タイ
プならば、乾燥・ 圧着温度を最適化すれば樹脂が硬化す
る前に鋼板どうしを貼り合わせられるので、製造性の観
点からは塗付タイプの方がフィルムタイプよりも容易で
あるので好ましい。
鋼板の板厚の組合せについて述べる。表裏のステンレス
鋼板の組合せとしては、表面粗さの組合せが上述の組合
せであれば良く、種類、板厚はどのような組合せであっ
ても構わない。鋼板の種類としては例えば、SUS30
4、SUS430などが挙げられる。板厚の組合せは、
制振性能の点から言えば、表裏とも同じ板厚とするのが
最も効率が高いが、部品としての剛性確保という点から
は表と裏の板厚を変える異厚構成のものの方が等厚構成
の制振鋼板より剛性が高くできるので、必要に応じて表
裏の板厚構成は変えても差し支えない。
る。本実施例において使用した制振樹脂は、溶剤に溶解
させた非晶質ポリエステル樹脂(ガラス転移点温度(Tg)
-16 ℃、 数平均分子量25000 の非晶質ポリエステルと、
ガラス点移転温度71℃、 数平均分子量12000 の非晶質ポ
リエステルをブレンドしたもの) にエポキシ樹脂(ビス
フェノールA型)と酸無水物(ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物) を添加した熱硬化性のポリエステル
系制振樹脂である。表皮ステンレス鋼板の接着面側につ
いては、接着強度安定化を目的として、予め、クロメー
ト処理等の下地処理を施した。
以下の通りである。 鋼板接着面下地処理:鋼板の制振樹脂接着面になる側
にクロメート処理液をロールコーターで塗布し、乾燥炉
で乾燥処理(板温約100 ℃) する。 樹脂塗布:溶剤希釈された樹脂をロールコーターを用
いて片側金属板の接着面に乾燥貼り合わせ後の樹脂厚が
50μm の厚みになるような厚みで塗付した。 溶剤乾燥:乾燥炉で溶剤を完全に揮発させる(板温約
175 ℃) 。この時、もう一方の金属板も同じ炉内で加熱
しておき、乾燥終了と同時に貼り合わせられるようにし
ておく。 圧着:樹脂塗布した金属板と他方の金属板を乾燥炉か
ら取出したら、速やかに加熱ロール(約200 ℃) によっ
て圧着する。 冷却:圧着後空冷によって板温度を室温まで冷却す
る。
法について述べる。まず、接着強度の評価方法について
であるが、接着強度の測定はTピール試験によって行
う。Tピール試験片のサイズは幅25mm長さ200mm とし、
試験片の片方を50mm程剥離させて引張試験時のつかみ部
とする。引張試験は、試験片つかみ部を30mmとして、室
温(23℃)下で引張速度50mm/min. で試験を行う。
した時の洗浄液中のコンタミ粒子を測定する方法によっ
て評価した。洗浄液中のコンタミ粒子を測定する方法に
ついて述べる。まず、12cm×17cmの大きさのステンレス
制振鋼板を潤滑油を使用してプレス加工した後、プレス
品を1000mlの炭化水素洗浄液中に浸漬して超音波洗浄す
る。洗浄は新しい液で2回行い、2回目の洗浄液中の0.
1 μm 以上の粒子の数をLPCカウンターで測定し、洗
浄液100 ml当たりのコンタミ粒子数に換算した値をコ
ンタミ性評価値とした。
上に#1000サンドペーパーを乗せ2g/cm2の面圧をかけて
1回摺動させた後、ステンレス鋼板表面に垂直に50cm離
した位置で目視観察して疵が分かるかどうかで良、不良
の判定を行った。
量の測定方法について述べる。直径3mm深さ10mm以上の
ビス穴加工を施した厚さ1cm以上の平滑な厚鋼板に、直
径3.2mm のバリの無い打抜き穴を開けたステンレス制振
鋼板を、直径3mm、首下8mm、ビス頭径5.2mm のビスを
用いて1N/mの締付けトルクで締付ける。ネジ締め後、ビ
ス留めしたステンレス鋼板を厚鋼板ごと雰囲気温度80℃
の恒温槽に30分間入れる。熱処理後試験体を取出し、厚
鋼板が冷えるまで待ってから、再びビスをトルクドライ
バーでゆっくりと締付ける。締付けトルクが低下してい
ると初期の締付けトルクの1N/mに達する前にビスが回り
始めるので、回り始める時の締付けトルクを読み取る。
初期の締付けトルクと加熱処理後のビスが始めた時のト
ルクの差と初期締付けトルクの比率をトルク低下率とし
た。
の表皮材に用いたステンレス鋼板の詳細を表1に示す。
表面粗さは触針式表面粗度系を用いてステンレス鋼板の
圧延方向に並行な表面粗度を10箇所、圧延方向に直角
な方向の表面粗度を10箇所それぞれ測定したもの全て
の平均値である。
よって作製したステンレス制振鋼板の特性評価結果を示
した。実施例1〜実施例13 は、制振鋼板の表側のステ
ンレス鋼板の表面粗さRaが0.07μm 以上であり、裏側
になるステンレス鋼板の表面粗さRaが0.045 μm 以下
であるステンレス制振鋼板の例である。
のステンレス鋼板の表面粗さRaが0.07μm 以上あり、
裏側になるステンレス鋼板の表面粗さRaが0.045 μm
以下であるステンレス制振鋼板は、耐コンタミ性も外面
側疵の目立ち難さとも良好であることが分かる。これに
対し、表側のステンレス鋼板の表面粗さRaが0.07μm
未満の場合や、裏側になるステンレス鋼板の表面粗さR
aが0.045 μm を超えるようなステンレス制振鋼板の場
合は、比較例1〜比較例4からも分かる通り、耐コンタ
ミ性と外面側疵の目立ち難さを同時に満足することは困
難であることが分かる。
ミ性に優れた樹脂複合型ステンレス制振鋼板は、例えば
ハードディスクドライブ等の精密電子機器製品のケース
カバーとして求められる、耐コンタミ性、および、外観
品位の向上を同時に満足できる優れた特徴を有するの
で、工業的に極めて価値の高い発明であると言える。
Claims (3)
- 【請求項1】 ステンレス鋼板を粘弾性樹脂を介して積
層した精密機器ケース類の成形などに用いる樹脂複合型
ステンレス制振鋼板において、少なくとも内面側になる
方のステンレス鋼板の表面粗さRaが0.045μm 以
下であり、かつ、外面側となる方のステンレス鋼板の表
面粗さRaが0.07μm 以上であることを特徴とする
樹脂複合型ステンレス制振鋼板。 - 【請求項2】 請求項1に記載の樹脂複合型制振金属板
を用いたことを特徴とするプレス成形体。 - 【請求項3】 請求項1に記載の樹脂複合型制振金属板
を用いたことを特徴とするハードディスクドライブ用ケ
ースカバー。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001393409A JP2003205576A (ja) | 2001-11-09 | 2001-12-26 | 樹脂複合型ステンレス制振鋼板およびこれを用いたプレス成形体ならびにハードディスクドライブ用ケースカバー |
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JP2001344913 | 2001-11-09 | ||
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- 2001-12-26 JP JP2001393409A patent/JP2003205576A/ja active Pending
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