JP2003202707A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JP2003202707A
JP2003202707A JP2002000393A JP2002000393A JP2003202707A JP 2003202707 A JP2003202707 A JP 2003202707A JP 2002000393 A JP2002000393 A JP 2002000393A JP 2002000393 A JP2002000393 A JP 2002000393A JP 2003202707 A JP2003202707 A JP 2003202707A
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toner
developing
electrostatic charge
particles
image
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JP2002000393A
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Katsuhiko Mizushima
克彦 水嶋
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、帯電性、耐久性に優れ、流動
性、耐オフセット性、ブロッキングなどの問題もなく、
かつ長期にわたり複写機、プリンター等での使用におい
て、良質の現像画像を安定して得ることのできるトナー
を提供することを目的とするものである。 【解決手段】結着樹脂、着色剤、および電荷調整剤から
なる静電荷像現像用トナー粒子と外添剤とを含有する静
電荷像現像用トナーにおいて、該電荷調整剤として芳香
族ヒドロキシカルボン酸の金属化合物を含有し、フロー
式粒子像測定装置にて得られた円相当径で3μm以上の
トナーの平均円形度が0.88〜0.95であることを
特徴とする静電荷像現像用トナーである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法等を利用して画像の形成がなされる電子写真複写
機、レーザービームプリンター、ファクシミリ装置等に
おいて、静電荷像の現像のために用いられる静電荷像現
像用トナー粒子(以下、「トナー粒子」という)、およ
び外添剤を含むトナー(以下、「トナー」という)に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真複写機、レーザービーム
プリンター、ファクシミリ装置等においては、所望の複
写物或いは送信画像などの記録物を得るため、電子写真
感光体や静電記録体などの静電荷像担持体上に種々の手
段で静電荷像を形成し、この静電荷像担持体上に形成さ
れた静電荷像を現像した後、得られたトナー像を転写紙
などの転写材に転写し、次いで転写されたトナー像を加
熱、加圧或いは加熱・加圧して定着する方法が広く採用
されている。そして、静電荷像の現像法としては、電気
絶縁性液体に分散された微細トナーからなる液体現像剤
を用いて現像する湿式現像法、及び結着樹脂中に着色剤
などを分散、含有する粉体トナーとキャリア粒子を用い
る二成分現像剤、或いは結着樹脂中に磁性粉体などを分
散、含有する一成分磁性トナーを用いた乾式現像法が知
られており、後者の乾式現像法が一般的に用いられてい
る。
【0003】ところで、電子写真複写機での複写やレー
ザービームプリンターによる画像あるいはデータの打ち
出し、更にはファクシミリなどによる送信画像の打ち出
しなどにおいては、近年、装置の小型化、低価格化、パ
ーソナル化、出力の高速化、低エネルギー化が要求され
ている。
【0004】しかし、高速化に伴いトナーの使用条件、
例えばトナーの流動性が不十分なためにトナーの供給不
足が生じて発生する画像欠陥、高速回転摩擦によるトナ
ー凝集または過帯電、また定着不良に伴う印字画像の欠
落やオフセットによる出力画像および機内の汚れ等が挙
げられる。これらのことから、安定した画像品質を提供
する為に耐久性のあるトナーを製造することが難しい課
題の一つとなっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような現状を踏ま
え、本発明は、上述した問題を解決した静電荷像現像用
トナーを提供することを目的とする。具体的には、帯電
性、耐久性に優れ、流動性、耐オフセット性、ブロッキ
ングなどの問題もなく、かつ長期にわたり良質の現像画
像を安定して得ることのできるトナーを提供することを
目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を行った結果、芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属化合
物を使用し、またトナーの平均円形度を特定の範囲のも
のとすることにより、好ましくは特定の結着樹脂、さら
には特定の外添剤を選択することにより上記目的を達成
することができることを見出して、本発明を成したもの
である。
【0007】本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤、
および電荷調整剤からなる静電荷像現像用トナー粒子と
外添剤とを含有する静電荷像現像用トナーにおいて、芳
香族ヒドロキシカルボン酸の金属化合物を含有し、フロ
ー式粒子像測定装置にて得られた円相当径で3μm以上
のトナー粒子の平均円形度が0.88〜0.95である
ことを特徴とする。
【0008】また、本発明のトナーは、フロー式粒子像
測定装置にて得られた円相当径で、3μm以上のトナー
粒子の円形度0.85以下の割合が5%以上、45%未
満であることを特徴とすることを特徴とする。
【0009】また、本発明のトナーは、少なくとも外添
剤が流動化剤と研磨剤であることを特徴とする。
【0010】また、本発明のトナーは、BET法により
求められる比表面積が40〜300m2/gである疎水
化処理された無機微粒子を流動化剤として含有している
ことを特徴とする。
【0011】また、本発明のトナーは、BET法により
求められる比表面積が0.5〜40m2/gの無機微粒
子を研磨剤として含有していることを特徴とする。
【0012】また、本発明のトナーは、流動化剤のメタ
ノール法にて求めた疎水化度が40%以上であることを
特徴とする。
【0013】また、本発明のトナーは、研磨剤が無機炭
化物、無機窒化物、塩化合物のいずれかであることを特
徴とする。
【0014】また、本発明のトナーは、結着樹脂がポリ
エステル樹脂であって、該ポリエステル樹脂の酸価が3
〜17mg/gであることを特徴とする。
【0015】また、本発明のトナーは、着色剤として磁
性体を含有することを特徴とする。
【0016】また、本発明のトナーは、トナーの4mm
針入度が150℃以上、210℃以下であることを特徴
とする。
【0017】また、本発明のトナーは、トナー粒子が、
機械式粉砕機により粉砕され、その後気流式分級機にて
分級され得られたものであることを特徴とする。
【0018】
【課題を解決するための詳細説明】以下、本発明を更に
詳細に説明する。本発明においては、トナー粒子につい
て、フロー式粒子像測定装置にて得られた円相当径で3
μm以上のトナー粒子の平均円形度を0.88〜0.9
5、好ましくは0.90〜0.94とすることにより、
また更に好ましくは、フロー式粒子像測定装置にて得ら
れた円相当径で3μm以上のトナー粒子の円形度におい
て、0.85以下の円形度を有するトナー粒子の割合が
5%以上45%未満、好ましくは10%以上40%以下
とすることにより、芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属
化合物の使用と相俟って、帯電性に優れたトナーを得る
ことができる。本発明において、トナー粒子の円形度
は、トナー粒子の形状を定量的に表現するための方法と
して用いられているものであり、フロー式粒子像測定装
置としてシスメックス株式会社製FPIA−2100を
用いて測定を行い、下記式(1)により得られた値とし
て定義される。
【0019】 円形度a=Lo/L …(1) (式中、Loは、粒子像と同じ投影面積の円の周囲長を
示し、Lは、粒子の投影像の周囲長を示す。)
【0020】測定法は、具体的には次のとおりに行われ
る。すなわち、容器中の予め不純固形物を除去した水1
00〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好まし
くはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜0.5
ml加え、さらに測定試料を0.1〜0.5g程度加え
る。試料を分散した懸濁液は、超音波分散器で約1〜3
分間処理を行い、分散液濃度を3,000〜10,00
0個/μlとして前記装置によりトナーの形状、粒度を
測定する。この円形度はトナー粒子の凹凸の度合いの指
標であり、トナーが完全な球形の場合1を示し、表面形
状が複雑になる或いは球形から外れるほど円形度の値は
小さくなる。
【0021】また、本発明においては、フロー式粒子像
測定装置にて得られた円相当径で3μm以上のトナー粒
子の平均円形度Cは、円相当径で3μm以上のトナー粒
子の円形度頻度分布の平均値を意味するものであり、粒
度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、頻度を
fciとすると、下記式(2)により算出される。
【0022】
【数1】
【0023】上記式で得られる平均円形度Cが0.88
より小さいと、トナー粒子の形状は全体として円形から
離れて複雑な形状を有する粒子が多くなり、トナーが過
度に帯電することになり、画像濃度の低下が生じてしま
う。また流動性が低下してしまい、トナー収納容器から
現像器へのトナーの供給が困難になったり、トナー回収
経路にてブロッキングを起こしてしまうなどの問題も生
じることがある。他方、平均円形度Cが0.95より大
きいと、粒子の形状は全体として円い粒子が多くなり、
初期的には帯電量は良好であるが、例えば、補給等によ
りトナーがホッパー部から現像部に加わっていくとトナ
ーに十分な摩擦帯電を与えることができずに帯電量が下
がり、連続使用による画像濃度の低下、かぶりの発生、
更には機内飛散の発生に繋がってしまう。また過度に流
動性が良くなることも十分な摩擦帯電を付与できないこ
とと関係がある。
【0024】更に、円相当径で3μm以上の粒径のトナ
ー粒子について、円形度が0.85以下であるトナー粒
子の割合についてみると、次のような傾向がある。すな
わち、円形度は0.85以下になると円形から掛け離れ
た形状であると言える。トナーの形状と帯電性、流動性
は密接な関わりがあり、円くなると粒子の比表面積が小
さくなることと、キャリア等の摩擦帯電部材との接触に
おける摩擦係数が小さくなることによって帯電量は小さ
くなる傾向がある。流動性が良くなることも帯電量低下
と関係がある。トナーの帯電量が低下すると、かぶり、
トナーの機内飛散の問題が生じ易くなる。また0.85
より小さい、円から離れて複雑な形状になると、粒子の
比表面積が大きくなることと、現像器内の帯電部材やキ
ャリアとの接触における摩擦係数が大きくなることによ
って帯電量が高くなる。これにより過度の帯電量が付与
され、画像濃度低下の問題が生じ易くなる。また実際、
複写機およびプリンター等での使用に伴ってトナーの形
状が徐々に変化して、それに伴う画質の変化率が大きく
画質安定性に欠ける等の傾向がある。円相当径で3μm
以上のトナーの円形度が0.85以下の割合が5%以上
45%未満、より好ましくは10%以上40%以下であ
る場合には、これらの特性のバランスがとれた状態とな
り、より良好なトナー特性を得ることができる。
【0025】また、電荷調整剤として芳香族ヒドロキシ
カルボン酸の金属化合物を用いることにより、安定した
摩擦帯電性を示し、画像安定性が向上し、且つ耐久性の
優れたトナーを提供することが出来る。
【0026】芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属化合物
に用いる金属としてはリチウム、ナトリウム、マグネシ
ウム、カリウム、カルシウム、ルビジウム、ストロンチ
ウム、セシウム、バリウム、スカンジウム、チタン、バ
ナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、
銀、ランタン、タンタル、タングステン等が挙げられる
が、好ましくはクロム、亜鉛、鉄、チタン、マンガン、
ニッケル、ジルコニウム、カルシウム、マグネシウム、
ストロンチウム、更に好ましくはクロム、亜鉛、鉄、チ
タン、カルシウム、マグネシウムであり、より高い電子
受容作用が生じ、安定した摩擦帯電特性を示し、故に安
定した画像特性を示すものと考えられる。
【0027】また、本発明において使用される電荷調整
剤の芳香族ヒドロキシカルボン酸としては、下記一般式
(1)〜(5)で表されるものを用いることができる。
【化1】 式中Rn(n=1〜32)は、水素原子、飽和または不
飽和である1価の脂肪族の基、または芳香族炭化水素基
の残基であるアリール基を表す。Rnとしては例えばメ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基、アミル基、イソアミル基、オクチル基、ter
t−オクチル基、ドデシル基等の炭素数1〜12の直鎖
または分岐鎖アルキル基、アリル基、プロペニル基、ブ
テニル基等のアルケニル基、またはフェニル基、トリル
基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基が好ましい
ものとしてあげられる。その中で、炭素数1〜8の直鎖
または分岐鎖の飽和または不飽和である1価の脂肪族の
基とアリール基がより好ましく、更にはtert−ブチ
ル基、tert−オクチル基が特に好ましいものであ
る。具体的には、サリチル酸、3,5−ジ−tert−
ブチルサリチル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、
3−フェニルサリチル酸が特に好ましい化合物としてあ
げられる。
【0028】本発明の静電荷像現像用トナーは、芳香族
ヒドロキシカルボン酸の金属化合物を電荷調整剤として
含有するものであるが、該電荷調整剤の量は、トナーを
所望する電荷量とするに必要な量であればよく、結着樹
脂100重量部に対して0.05〜10重量部とするの
が好ましく、より好ましくは0.5〜5重量部である。
【0029】本発明のトナーの結着樹脂としては、スチ
レン系樹脂、ポリエステル樹脂など、従来から静電荷像
現像用トナーの結着樹脂として使用されるものをいずれ
も用いることができる。より具体的には、スチレン系重
合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロ
ルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよび
その置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン
共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−
ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン
共重合体、スチレン−アクリル系共重合体、スチレン−
α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体、スチレン−ジメチルアミノエチルアクリ
レート共重合体、スチレン−ジエチルアミノエチルアク
リレート共重合体、スチレン−ブチルアクリレート−ジ
エチルアミノエチルメタクリレート共重合体等のスチレ
ン系共重合体、架橋されたスチレン系重合体などが挙げ
られる。
【0030】上記スチレン−アクリル系共重合体に使用
されるアクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸
やメタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル
酸オクチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸
フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチルなどの(メ
タ)アクリル酸エステル類が挙げられ、更にはこれらと
共に用いることができる単量体として、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、マレイン
酸、マレイン酸ブチルなどのマレイン酸ハーフエステ
ル、あるいはジエステル類、酢酸ビニル、塩化ビニル、
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル
プロピルエーテル、ビニルブチルエーテルなどのビニル
エーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケト
ン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類を挙げ
ることができる。
【0031】また、上記の架橋したスチレン系重合体を
製造するために用いる架橋剤としては、主として不飽和
結合を2個以上有する化合物を挙げることができ、具体
的には、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン
等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアク
リレート、エチレングリコールジメタクリレート等の不
飽和結合を2個以上有するカルボン酸エステル;ジビニ
ルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、
ジビニルスルホン等のジビニル化合物;および不飽和結
合を3個以上有する化合物を、単独で或いは混合して使
用することができる。上記架橋剤は、結着剤樹脂に対し
て、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重
量%で用いられる。
【0032】これらスチレン系樹脂は、単独であるいは
2種以上を併用して用いることができる。これらスチレ
ン系樹脂のうち、GPC(ゲルパーミエイション・クロ
マトグラフィー)により測定される分子量分布で二山の
ピークを有するものであってもよい。更には2種以上の
樹脂の併用としては、例えば前記スチレン樹脂とスチレ
ン−アクリル系共重合体との併用あるいは2種以上のス
チレン−アクリル系共重合体の併用などが好ましいもの
である。
【0033】また、本発明のトナーにおいては、結着樹
脂としてポリエステル樹脂も用いられる。このポリエス
テル樹脂を構成するアルコール成分および酸成分は、従
来トナー用ポリエステル樹脂に使用されているものがい
ずれも使用できる。またポリエステル樹脂は、ホモポリ
エステル或いはコポリエステルの単独でも、或いはこれ
らの2種以上からなるブレンド物であってもよい。さら
に、ポリエステル樹脂は、架橋したポリエステル樹脂で
あってもよい。その合成法も特に制限されるものではな
い。
【0034】ポリエステル樹脂を構成する酸成分および
アルコール成分について具体的に説明すると、酸成分と
しては、例えば、二価のカルボン酸として、フタル酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベン
ゼンジカルボン酸類またはその無水物;コハク酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカ
ルボン酸類またはその無水物;炭素数16〜18のアル
キル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマ
ル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタ
コン酸などの不飽和ジカルボン酸またはその無水物;シ
クロヘキサンジカルボン酸;ナフタレンジカルボン酸;
ジフェノキシエタン−2,6−ジカルボン酸等が挙げら
れ、三価以上のカルボン酸としてはトリメリット酸、ピ
ロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ブタントリ
カルボン酸、ヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレ
ンカルボキシル)メタン、オクタンテトラカルボン酸、
ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等が挙げ
られ、これらは単独で或いは2種以上の組み合わせで使
用される。
【0035】一方、アルコール成分を例示すると、例え
ば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオ
ール、1,4−ブテンジオール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ビスフェ
ノールA、水素添加ビスフェノールA、1,4−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、下記一般式
(I)で示されるビスフェノール誘導体等のジオール
類、グリセロール、ジグリセロール、ソルビット、ソル
ビタン、ブタントリオール、トリメチロールエタン、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペン
タエリスリトール、トリペンタエリスリトール、等の多
価アルコール類が挙げられ、これらは単独で或いは2種
以上の組み合わせで使用される。
【0036】
【化2】 (式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x、
yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値
は2〜10である。)
【0037】本発明においては、ポリエステル樹脂は、
飽和共重合ポリエステル樹脂が特に好ましい。この好ま
しい飽和共重合ポリエステル樹脂を製造するために好ま
しく用いることができる酸成分としては、フタル酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸またはその無水物等のジカル
ボン酸類、トリメリット酸またはその無水物等のトリカ
ルボン酸類などが挙げられる。また、好ましいアルコー
ル成分としては、前記一般式(I)で表されるビスフェ
ノール誘導体、およびエチレングリコール、1,2−プ
ロピレングリコールなどの脂肪族ジアルコールである。
【0038】また、ポリエステル樹脂は、酸価が3〜1
7mgKOH/gであるものがトナーの帯電性の観点か
ら好ましく、より好ましくは5〜15mgKOH/gで
ある。ポリエステル樹脂の酸価が3mgKOH/gより
低い場合には、トナーの帯電量が低く、カブリが生じる
傾向が大きくなる。またポリエステル樹脂の酸価が17
mgKOH/gを超える場合には、得られたトナーの帯
電量が高くなりすぎ、画像濃度が低下するという問題が
発生するとともに、酸価が高すぎると高温多湿下では吸
湿により帯電量が不足し、結果的に画像の劣化が生じる
ことがある。ポリエステル樹脂の酸価が5〜15mgK
OH/gである場合には、連続多数枚複写、複写環境の
変化によっても、これら特性の劣化はみられず、良好な
現像を行うことができる。なお、本発明においては、ポ
リエステルの酸価は、JIS K0070に規定される
方法に準じて測定されたものである。
【0039】更に、ポリエステル樹脂は、耐オフセット
性および低温定着性の点から、ゲルパーミエイションク
ロマトグラフィー(GPC)で測定される分子量におい
て、重量平均分子量(Mw)が5,000以上のものが
好ましく、10,000〜60,000のものがより好
ましい。また、数平均分子量(Mn)は1,500〜
6,500、より好ましくは1,500〜4,000、
重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/M
n)が4〜18、より好ましくは6〜17であるものが
好ましい。ポリエステル樹脂の重量平均分子量が小さく
なると、トナーの耐オフセット性が低下する傾向にあ
り、また、重量平均分子量が大きくなると定着性が低下
する傾向を示す。また、数平均分子量Mnが小さいとト
ナーのブロッキングを起こしやすく、大きすぎると定着
性が低下する傾向がある。また、Mw/Mnが小さい場
合には画像のゆがみが生じやすく、大きすぎる場合には
定着性が低下する傾向がある。このためトナーの定着性
の点から上記MwおよびMnの範囲が好ましい。さら
に、用いられるポリエステル樹脂は、特定の低分子量の
縮重合体成分と特定の高分子量の縮重合体成分とからな
る二山の分子量分布曲線を有するタイプ、或いは一山の
単分子量分布曲線を有するタイプのいずれのものであっ
てもよい。また、ポリエステル樹脂は、下記一般式
(1)〜(5)で示されるイソシアネート化合物などに
より変性した変性ポリエステル樹脂であってもよい。ま
た、トナーの凝集防止の点からは、ポリエステル樹脂
は、示差走査熱量計(DSC)によって測定されるガラ
ス転移点温度が45℃以上であるものが好ましい。
【0040】
【化3】
【0041】これらポリエステル樹脂のうち、特に好ま
しいポリエステル樹脂を具体的に例示すると、70〜9
5モル%、より好ましくは70〜85モル%の芳香族ジ
カルボン酸成分(a)と30〜5モル%、より好ましく
は30〜15モル%の3価以上の多価カルボン酸成分
(b)とからなるカルボン酸成分1モルに対し、0.1
〜1.2モルのプロポキシ化及び/またはエトキシ化し
たエーテル化ジフェノール成分(c)及び0.15モル
以下、より好ましくは0.01〜0.15モルの脂肪族
ジオール成分(d)を重縮合させることにより得られ
た、酸価が4〜17mgKOH/g、より好ましくは6
〜15mgKOH/g、重量平均分子量Mwが15,0
00〜60,000、より好ましくは20,000〜6
0,000、数平均分子量Mnが2,000〜6,50
0、より好ましくは2,500〜4,000、重量平均
分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が4
〜18、より好ましくは6〜17、メインピークが1
5,000以下にあり、ガラス転移温度(Tg)が50
〜60℃、軟化点(Tm)が100〜120℃である飽
和共重合ポリエステル樹脂が挙げられる。
【0042】なお、スチレン系樹脂およびポリエステル
樹脂以外の樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、フェ
ノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、ロジ
ン変成マレイン樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹
脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テル
ペン樹脂、キシレン樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素
樹脂、石油樹脂などを挙げることができる。
【0043】さらに、本発明においては、外添剤とし
て、50〜200m2 /gの比表面積を有する、従来流
動化剤として用いられている疎水化処理された無機微粒
子が好ましいものとして用いられる。流動化剤の比表面
積が50m2 /gより小さい場合には、帯電量が低くな
り、かぶり、機内飛散の原因となってしまう。また流動
化剤の比表面積が200m2 /gを超える場合には、過
度に帯電量が上昇してしまい画像濃度低下の原因となる
ので好ましくない。流動化剤に用いられる疎水化処理さ
れた無機微粒子としては、疎水化処理された無機酸化物
微粒子、特に疎水化処理された酸化チタン微粒子、疎水
化処理されたシリカ微粒子、疎水化処理された珪素アル
ミニウム共酸化物微粒子、疎水化処理された珪素チタン
共酸化物微粒子などが好ましいものとして挙げられる。
これらの中では疎水化処理された酸化チタン、疎水化処
理されたシリカ微粒子がより好ましいものである。これ
ら微粒子の疎水化処理には、シリコーンオイル、変性シ
リコーンオイル、シリコーンワニス、テトラメチルジシ
ラザン、オルガノアルコキシシラン類、オルガノクロロ
シラン類などのシランカップリング剤、その他の有機珪
素化合物、有機チタン化合物による処理等があげられ
る。本発明において、流動化剤の比表面積の測定は、ド
イツのストレーライン社製エリアメーターを用いて行
い、吸着ガスとして窒素ガス(乾燥したもの)を用い、
脱気条件として、予め恒温乾燥器にて試料を適当量分散
し(約0.2g)試料管に移し入れた後窒素ガスにより
150℃×30分以上脱気を行う、BET一点法(定圧
法)により行った。また、流動化剤に用いる疎水化処理
された無機微粒子の平均粒径としては、例えば、0.0
05〜0.05μmのものを好ましく用いることができ
る。これら疎水化処理された無機微粒子は、単独で用い
られてもよいし、2種以上が併用されていてもよい。
【0044】さらに、疎水化処理された無機微粒子の疎
水化度は、アルコール法により測定した値で、40%以
上であるものが好ましい。このアルコール法による疎水
化度は、25mlの共栓付試験管に2.5重量%のメタ
ノール溶液を10ml採取し、少量(約10mg)の試
料を投入し、沈降しない試料の重量%を疎水化度とした
ものである。疎水化処理されたシリカなど疎水化無機微
粒子の使用量は、トナー重量当たり、0.01〜20
%、好ましくは0.03〜5%である。疎水化度が40
%より低い場合には、帯電安定性が悪く耐刷試験を行っ
ていくうちに画像濃度が低下する問題がある。逆に疎水
化度が40%より高い場合には帯電安定性が高く、また
高温多湿環境においても画像安定性がある。
【0045】さらに、本発明においては、外添剤とし
て、0.5〜40m2 /gの比表面積を有する、従来研
磨剤として用いられている無機微粒子が好ましいものと
して用いられる。BET比表面積の測定は、ドイツのス
トレーライン社製エリアメーターを用いて行い、吸着ガ
スとして窒素ガス(乾燥したもの)を用い、脱気条件と
して、予め恒温乾燥器にて試料を適当量分散し(約0.
2g)試料管に移し入れた後窒素ガスにより150℃×
30分以上脱気を行う、BET一点法(定圧法)によっ
て行った。外添剤の比表面積が0.5m2 /gより小さ
い場合には、本来の目的である感光体の研磨効果が見ら
れず、また15m2 /gを越えるとカブリや機内飛散の
原因となってしまう。無機微粒子としては、酸化チタ
ン、シリカ、珪素アルミニウム共酸化物、酸化アルミニ
ウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化クロ
ム等の無機酸化物や、チタン酸ストロンチウム、チタン
酸カルシウム、チタン酸バリウム等のチタン酸化合物、
また炭酸カルシウムや炭酸ストロンチウム、硫酸バリウ
ム等の塩化合物等が挙げられる。また更には、炭化珪
素、炭化タングステン、炭化ジルコニウム、炭化モリブ
デン、炭化チタン、炭化ニオブ、炭化タンタル等の無機
炭化物、あるいは窒化珪素、窒化チタン、窒化ジルコニ
ウム、窒化バナジウム、窒化ニオブ、窒化クロム、窒化
タングステン等の無機窒化物、更には珪化チタン、珪化
ジルコニウム、珪化ニオブ、珪化クロム、珪化タングス
テン等の無機珪化物等、従来の冶金用として用いられる
無機粉末が挙げられるが、好ましくは酸化チタン、シリ
カ、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタ
ン酸カルシウム、炭化珪素、炭化タングステン、炭化ジ
ルコニウム、窒化珪素、窒化チタン等であり、更に好ま
しくは酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸
カルシウム、炭化珪素、炭化タングステン、炭化珪素、
窒化珪素である。またこれら無機微粒子は必要に応じ
て疎水化処理しても良い。また、これら無機微粒子は単
独で用いられても良いし、2種以上が併用されていても
良い。
【0046】本発明のトナー粒子の着色剤として、従来
トナーの製造において用いられることが知られた着色剤
がいずれも使用可能であり、磁性体としては、例えば、
マグネタイト、γ−酸化鉄、フェライト、鉄過剰型フェ
ライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金
属またはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、
鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウ
ム、ビスマス、カルシウム、マンガン、チタン、タング
ステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合
物等が使用でき、平均粒径0.1 〜1.0μm程度の
大きさのものが好ましい。またこれら磁性粉は、結着樹
脂100 重量部に対して50〜100重量部含有され
ることが好ましい。50重量部未満では、マグネットに
対する着磁力が弱いため、飛散し易く、100 重量部
を越えると、マグネットに対する着磁力が強すぎるた
め、感光体に対する静電吸引力を強くしても画像濃度が
低くなり、好ましくない。また、他の染料及び顔料を着
色剤として使用することも可能であり、これらの染料及
び顔料としては、例えば、脂肪酸金属塩、種々のカーボ
ンブラック、フタロシアニン系、ローダミン系、キナク
リドン系、トリアリルメタン系、アントラキノン系、ア
ゾ系、ジアゾ系などの染顔料があげられる。これらは単
独で或いは2種以上を混合して使用することもできる。
【0047】本発明においてのトナーの針入度は、トナ
ー約1gを径1cm2の錠剤成型器を用いて100kg
/cm2の荷重でトナーを錠剤にし、島津製作所製フロ
ーテスタCFT−500Dを用いて行った。測定条件と
してはプランジャ径1cm2、ダイ穴径0.5mm、昇
温速度6℃/分、荷重20kg/cm2で行う。4mm
針入時の温度の値(T4)が150℃以下の場合におい
ては、定着時に定着ロール、定着クリーニングパットや
定着ウェブクリーナ等の定着部材に付着して、出力画像
を汚してしまう高温オフセットが発生し、また紙等の転
写部材が定着ロール等に巻き付き、紙詰まりを生じる定
着リフティングが発生する。他方T4が210℃以上に
なると転写部材上に載ったトナーが十分に転写部材上に
定着されずに出力画像が汚れ、また転写部材に定着せず
に定着部材上に残留したトナーが汚れを発生させる低温
オフセットが発生する。トナーのT4が150℃以上2
10℃以下の範囲であれば、上記の高温あるいは低温で
のオフセットが発生せず、良好な定着性能を示す。
【0048】本発明のトナー粒子には、必要であれば、
140℃における溶融粘度が100mPa・s以下のワ
ックスを離型剤として用いることができる。このような
ワックスとしては、例えばポリプロピレンワックス、ポ
リエチレンワックスなどのポリオレフィンワックス及び
その誘導体、パラフィンワックス、マイクロクリスタリ
ンおよびペトロラクタムなどの石油系ワックスおよびそ
の誘導体、フェッシャートロプシュ法による炭化水素ワ
ックスおよびその誘導体、カルナウバワックス、ライス
ワックスおよびモンタンワックスなどの天然ワックス、
部分けん化脂肪酸エステルワックス、脂肪酸金属塩等が
挙げられる。なお、ワックスの140℃における溶融粘
度は、ブルックフィールド型回転粘度計を用いて測定し
たもので、測定温度以外の条件は、JIS K1557
に準じて測定したものである。
【0049】本発明のトナーには、必要であれば、滑
剤、導電性付与剤、画像剥離防止剤等トナーの製造に当
たり使用されている公知の添加剤を内添、あるいは外添
することもできる。これら添加剤の例としては、滑剤と
しては、ポリフッ化ビニリデン、ステアリン酸亜鉛等
が、導電性付与剤としては酸化スズ等があげられる。
【0050】本発明のトナー粒子の重量平均粒径は、1
〜30μmが好ましく、より好ましくは3〜15μmが
望ましい。
【0051】本発明のトナー粒子は、従来から公知のト
ナーの製造方法を用いて製造することができる。一般的
には、上述したようなトナー粒子構成材料を、ボールミ
ル、ヘンシェルミキサーなどの混合機により十分混合し
たのち、熱ロールニーダー、一軸あるいは二軸のエクス
トルーダーなどの熱混練機を用いて良く混練し、冷却固
化後、ハンマーミルなどの粉砕機を用いて機械的に粗粉
砕し、次いで機械式粉砕機または気流式粉砕機などによ
り微粉砕した後、分級する方法が挙げられる。このとき
微粉砕の条件を適宜設定することにより、フロー式粒子
像測定装置にて得られた円相当径で3μm以上のトナー
粒子の平均円形度が0.88〜0.95のトナー粒子を
得ることができる。分級されたトナーは、外添剤ととも
にヘンシェルミキサー等の混合機を用いて十分に混合さ
れ、本発明のトナーとされる。
【0052】上記平均円形度0.88〜0.95の範囲
を満足するトナー粒子を製造するには、トナーの微粉砕
工程が重要である。微粉砕工程に用いる粉砕機として
は、ジェットミル等のジェット気流を用いて衝突板に衝
突させて粉砕する気流型粉砕機や、ターボミル、KT
M、MVM、ACM等の機械式衝撃粉砕機が知られてい
るが、本発明においては、気流式においては衝突板にカ
ラーコーン型を使用すること、あるいは機械式粉砕機を
用いることが好ましい。機械式粉砕機の一例(概略断面
図)を図1〜2に,また気流式粉砕機の一例を図3〜6
に示す。
【0053】図1において、機械式粉砕機の回転部は回
転軸(1)、ディストリビュータ(3)、硬質金属からなるブ
レード(4)が多数ついたロータ(2)、および仕切円盤(5)
より構成され、他方固定部はケーシング(6)からなり、
その内側には多数の溝がついたライナー(7)が取り付け
られている。混練工程を終了し、粗粉砕したトナー粗砕
物を圧縮空気と一緒に原料フィード口(11)より定量フィ
ーダ等を用いて投入し、高速に回転する上記回転部によ
り、入口渦巻室(9)で投入物の旋回を開始させ、(3)によ
り加速されて粉砕室(8)に送り込まれる。(8)では上記回
転部が高速に回転しているため、上記(2)に取り付けら
れた(4)と、(6)に取り付けられた(7)の狭い間隙を通過
するに伴い、粉砕され、出口渦巻室(10)を通過して粉砕
物排出口(12)より排出される。このときトナー粒子の粒
径および円形度を決める要因としては、A.ブレード
(4)とライナー(7)とからなる粉砕室(8)の間隙、B.ブ
レード(4)およびライナー(7)の形状、C.粉砕機の回転
数、および、D.供給速度(フィード量)等が挙げられ
る。一般的に、粉砕室(8)の間隙が広くなるほど排出粒
径は大きくなり、逆に狭くなれば小さくなることが知ら
れている。本発明においては0.5〜3mm、好ましく
は1〜2mmである。またブレード(4)およびライナー
(7)の形状としては主に図2に示した2つの形状があり
(13)は凸型、(14)は波形のブレードである。これらは磁
性、非磁性、あるいはトナーを構成する樹脂の硬さ等に
より、粉砕性、効率(使用電力量,供給速度,粉砕収
率)等を考慮して選定される。本発明では(14)の波形が
より好ましい。また、上記図1中の回転部の回転数によ
り粒径や形状を制御し、一般的に回転数が大きいほど粉
砕粒径が小さくなり、円形度は大きくなる。本発明では
粉砕機の回転数を調整することにより、トナーの円形度
および粒径を調整する手段の一つとした。通常3000
〜8000rpmで用いることが一般的である。また、
トナー粗砕物の供給速度は粉砕機の容積、長さ、上記ブ
レードやライナーの形状および要求する粒径により調整
をする。一般的に供給量が少なくなれば粉砕室内の見か
け上の容量が増加して、対流や回転するための運動エネ
ルギーを受けやすくなり,更にトナー粒子同士の衝突に
起因する凝集の確率が減少するため粒径は小さくなる。
また円形度は大きくなる傾向である。本発明において
は、これら粉砕室の間隙、ブレードおよびライナーの形
状、粉砕機回転数、および粗砕物の供給量を適宜選択或
いは調節して、トナー粒子のフロー式粒子像測定装置に
て得られた円相当径で3μm以上の平均円形度が0.8
8〜0.95になるようにすれば良い。
【0054】また図3は一般的なジェット気流を用いた
衝突型粉砕機の説明図である。(15)は圧縮空気の噴出口
であり、(16)は衝突板である。ホッパー(17)から供給さ
れ粗粉砕された粒子は圧縮空気噴出口(15)から噴出され
たジェット流により衝突板(16)に衝突され、微粉砕され
る。まず、衝突板の形状としては、図4に示されるカラ
ーコーン型、図5に示される90°平板型、及び図6に
示される45°型の3種類が通常用いられる。本発明に
おいては、カラーコーン型を用いるものが好ましい。9
0°平板型を用いると円形度は小さくなる傾向がある。
また、粉砕圧力は、一般的には3〜8kg/cm2の範
囲で調節すれば良いが、4〜6kg/cm2であること
が好ましい。粉砕圧力が高いと円形度は小さくなり、一
方、粉砕圧力が低いと円形度が大きくなる傾向がある。
更に、粉砕ノズル出口から衝突板までの距離は、通常、
60〜80mmとされ、原料の融点が低く、融着し易い
場合は100mm以上に離して用いればよい。本発明に
おいては、これら衝突板の形状、粉砕圧力、粉砕ノズル
と衝突板の距離を適宜選択或いは調節して、トナー粒子
のフロー式粒子像測定装置にて得られた円相当径で3μ
m以上の平均円形度が0.88〜0.95になるように
すれば良い。また、粉砕工程において円形度が調整され
たトナー粒子を分級して、粒度分布の調節されたトナー
粒子を得るため、各種分級機を用いることができる。粉
砕粒子の凝集をほぐすことを考慮すればDS分級機(デ
ィスパージョン・セパレータ)、DSX分級機を用いる
ことが好ましい。
【0055】本発明のトナーは、キャリアと混合して二
成分系現像剤としても用いられる。本発明のトナーとと
もに用いることのできるキャリアとしては、従来公知の
キャリアのいずれのものも用いることができる。使用す
ることができるキャリアの具体例としては、例えば、鉄
粉、フェライト粉、ニッケル粉のような磁性粉体やガラ
スビーズなどが挙げられる。これらのキャリア粒子は、
必要に応じ表面を樹脂などで被覆処理したものであって
もよい。キャリア表面を被覆する樹脂としては、スチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリ
ル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル共重合体、
メタクリル酸エステル共重合体、フッ素含有樹脂、シリ
コン含有樹脂、ポリアミド樹脂、アイオノマー樹脂、ポ
リフェニレンサルファイド樹脂など、あるいはこれらの
混合物があげられる。これらのなかでは、スペントトナ
ーの形成が少ないためフッ素含有樹脂、シリコン含有樹
脂が特に好ましいものである。
【0056】本発明のトナーは、従来公知の電子写真、
静電記録或いは静電印刷法などにより形成された静電荷
像を乾式現像するための複写方法および複写装置の現像
剤として用いることができる。これら複写法および複写
装置としては、アナログ方式であってもデジタル方式で
あってもよく、また単色、マルチカラー、あるいはフル
カラー複写方式のいずれであってもよい。現像法として
は、現像部位での電位差を利用したジャンピングプロセ
スや、キャリアとして磁性粉を用いる磁気ブラシ現像法
が好ましく、また定着法としては、加熱体を内包する加
熱ローラと、加熱ローラに圧接する加圧ローラからなる
定着器でトナーを加熱定着する方式、或いは加熱体が定
着ベルトを介して加圧ローラと対向圧接している定着器
でトナーを加熱定着する方式などが、好ましい方法とし
て挙げられる。
【0057】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例により何等限定されるもの
ではない。なお、以下の実施例および比較例中などにお
ける「部」は特に指定がない場合は重量部である。
【0058】高分子化ポリエステル樹脂(A)の製造例 15リットルの四つ口フラスコに、還流冷却器、水分離
装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を取り付
け、ポリオール(ビスフェノールA・プロピレンオキサ
イド付加物)40.6モル%、トリメチロールプロパン
10.2モル%、ステアリン酸4.8モル%、イソフタ
ル酸44.4モル%の量仕込み、フラスコ内に窒素を導
入しながら、180〜240℃で脱水縮合を行った。反
応生成物の酸価及び水酸基価が所定の値に達したところ
で反応生成物をフラスコより抜き出し、冷却、粉砕し
て、高分子化用ポリエステル樹脂Aを得た。ポリエステ
ル樹脂Aの酸価は、13mgKOH/gであり、Mwは
9,100、Tgは41℃であった。
【0059】低分子化ポリエステル樹脂(B)の製造例 上記製造装置に、ポリオール(ビスフェノールA・プロ
ピレンオキサイド付加物)44.9モル%、安息香酸2
0.5モル%、テレフタル酸34.6モル%を上記樹脂
Aの製造法に従い、低分子ポリエステル樹脂Bを製造し
た。得られた低分子ポリエステル樹脂Bの酸価は、4.
4mgKOH/gであり、Mwは4,700、Tgは4
6℃であった。
【0060】結着ポリエステル樹脂(C)の製造例 上記高分子化ポリエステル樹脂A及び低分子化ポリエス
テル樹脂Bを、Aが40重量%、Bが60重量%の割合
で用い、かつ低分子ポリエステル樹脂Bをまず6kg/
hrの流量で二軸混練機に供給し、これに高分子化用ポ
リエステル樹脂Aを4kg/hrの流量で供給して溶融
混練搬送し、この混練搬送中の樹脂混合物に、更にトリ
レンジイソシアネートを320g/hrの流量で供給し
て、混練を続けて反応を行い、押出後冷却することによ
りウレタン変性ポリエステル樹脂Cを得た。このウレタ
ン変性ポリエステル樹脂Cの酸価は、8.1mgKOH
/gで、Mwは19,000、Mnは2,700、また
Tgは59℃であった。
【0061】結着ポリエステル樹脂(D)の製造例 テレフタル酸75モル、トリメリット酸25モル、ポリ
オキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン(ポリオキシプロピレンの付加モル数:
2.3)118モル、エチレングリコール2モルを上記
樹脂Aの製造例同様の装置に仕込み、原料化合物100
部に対し0.08部のジブチル錫オキシドを、蒸留塔を
有する反応容器に投入し、常圧下、260℃で攪拌し、
水を留出させて、エステル化反応を行った後、減圧下、
220℃でジオール成分を留去させながら、縮合反応を
行い、ポリエステル樹脂Dを得た。ポリエステル樹脂D
の酸価は、12mgKOH/gであり、Mwは10,0
00、Mnは1,600で、Tgは47℃であった。
【0062】電荷制御剤(1)の製造例 500ccのビーカーに水450gおよびNaOH
7.2gを入れ、加温、攪拌して NaOHを完全に
溶解させた。このNaOH水溶液を65℃にまで加熱し
た後、攪拌下に3,5−ジ−tert−ブチルサリチル
酸(以下DTBSAとする)45gを加え、65℃の温
度を保持した状態で更に攪拌を行い、DTBSAを溶解
させた。溶解溶液のpHが6.8となったとき加熱、攪
拌を中止し、溶液を濾過することにより、不溶のDTB
SAを除去して、茶褐色の濾液を得た 40%CrCl3 溶液37.2gと水120gを5
00ccのビーカーに入れ、pH2.1の塩化第二クロ
ム溶液を作成し、この塩化第二クロム溶液に1%NaO
H水溶液120gを時間をかけゆっくりと加えることに
より、pH3.95の溶液を得た。次いでこの液を2L
のビーカーに移し、水を加えて希釈し、全量を350g
としたこの塩化第二クロム溶液を60℃に加温し攪拌を
続けた。上記溶液に60℃に保持された上記のDT
BSAの水溶液を1.5から2時間かけて滴下した。滴
下終了後更に60〜65℃の温度で1時間攪拌を行った
のち、吸引濾過し、水洗して反応生成物170gを得
た。濾液のpHは、4.00であった。濾取された反応
生成物を50℃で約14時間乾燥させ、乾燥後粉砕する
ことにより、約70gの電荷制御剤(1)を得た。
【0063】電荷制御剤(2)の製造例 同様にクロムをカルシウムに換える事以外、電荷調整剤
(1)の製造例と同様にして電荷制御剤(2)を得た。
【0064】電荷制御剤(3)の製造例 同様にクロムを亜鉛に換える事以外、電荷調整剤(1)
の製造例と同様にして電荷制御剤(3)を得た。
【0065】電荷制御剤(4)の製造例 水1800gに水酸化ナトリウム32gを溶解し、次
いでDTBSA100gと3−ヒドロキシ−2−ナフト
エ酸75.3gを液温60〜65℃で溶解した。溶解後
のpHは8.82であった。 水1400gに塩化カルシウム2水和物69.2gを
60〜65℃で溶解した。溶解後のpHは7.39であ
った。上記の溶液をに液温60〜65℃にて、2時
間かけて滴下し、その後液温70〜80℃で1時間攪拌
して沈殿物を得た。その時の溶液のpHは7.53であ
った。攪拌後、熱時濾過を行い、水2000gで水洗し
た。水洗終了時ではpHは6.60であった。得られた
濾過物の重量は423.3gで最終的に、110℃で1
5時間乾燥し168gの電荷制御剤(4)を得た。
【0066】 実施例1 ポリエステル樹脂 C 52.5部 磁性体(マグネタイト) 45.0部 ポリプロピレンワックス 1.5部 電荷調整剤(1) 1.0部 をヘンシェルミキサーにより予備混合した後、二軸押出
機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて粗粉砕
し、次いで機械式粉砕機を用い、粉砕回転数7000r
pm、供給速度20kg/hの条件で微粉砕した後、風
力分級機(日本ニューマチック製、DS−3)で分級
し、体積平均粒径10.5μmのトナー粒子を得た。得
られたトナー粒子100部に対し流動化剤としてBET
比表面積250m2/gの疎水化したシリカ微粒子(疎
水化度43%)を0.3部、研磨剤として平均粒径1.
09μmの窒化珪素微粒子(BET比表面積2.09m
2/g)を1.0部添加し、ヘンシェルミキサーで混合
してトナーを調製した。このときトナーのフロー式粒子
像測定装置にて得られた円相当径で3μm以上の粒子の
平均円形度は0.901であった。また円形度が0.8
5より小さい粒子の割合は14.65%であった。
【0067】さらに該トナー5部と平均粒径50μmの
フェライトキャリア(F−100、パウダーテック社
製)95部とをボールミルにて30分混合して現像剤を
得た。この現像剤の摩擦帯電量をブローオフ帯電量測定
装置(東芝ケミカル社製)で測定したところ帯電量は−
20.9μc/gであった。
【0068】上記で得られたトナーを用いて、市販の複
写機であるキャノン社製NP6045にて23℃、50
RH%の環境下で画像試験を行い、画像特性の評価を行
ったところ、濃度の安定した、かぶりの少ない画像が得
られた。さらに該トナーを補給しながら、23℃、50
RH%環境下で1万枚の耐刷試験を行ったところ、初期
画像と同様に良好な画像が得られた。また、10℃、2
0RH%にて定着試験を行った。即ち、コダックグレー
スケールを1000枚複写し、その際、各100枚毎を
サンプリングし、その画像部をクロックメータ(アメリ
カ アトラス社製、CM−5)のアーム先端に消しゴム
(トンボ社製、モノPE−07A)を取り付けて10回
往復で擦り、擦り前後の画像濃度計(マクベスRD−9
18)での測定値の比から以下の(3)式に従い求め
る。
【数2】 各グレースケール部の定着率から平均値を求め、これを
トナーの定着率とした。この定着試験を行ったところ、
定着性が良好で、オフセットによる印字物の汚れのない
画像が得られた。
【0069】実施例2 また、上記機械式粉砕機への供給速度を30kg/hと
する事以外、実施例1と同様にして得られたトナーの、
フロー式粒子像測定装置にて得られた円相当径で3μm
以上の粒子の平均円形度は0.883であった。また円
形度が0.85より小さい粒子の割合は26.81%で
あった。実施例1同様に帯電量を測定したところ−2
1.8μc/gであった。また実施例1と同様の画像試
験、耐刷試験および定着試験を行ったところ、同様に良
好な結果が得られた。
【0070】実施例3 また、上記機械式粉砕機の粉砕回転数を7500rp
m、供給速度を15kg/hとする事以外、実施例1と
同様にし、得られたトナーのフロー式粒子像測定装置に
て測定された円相当径で3μm以上の粒子の平均円形度
は0.943であった。また円形度が0.85より小さ
い粒子の割合は8.03%であった。実施例1同様に帯
電量を測定したところ−20.2μc/gであった。ま
た実施例1と同様の画像試験、耐刷試験および定着試験
を行ったところ、同様に良好な結果が得られた。
【0071】実施例4 また、実施例1の電荷調整剤を電荷調整剤(1)から電
荷調整剤(2)とする事以外、実施例1と同様にして得
られたトナーの、フロー式粒子像測定装置にて得られた
円相当径で3μm以上の粒子の平均円形度は0.915
であった。また円形度が0.85より小さい粒子の割合
は14.03%であった。実施例1同様に帯電量を測定
したところ−18.8μc/gであった。また実施例1
と同様に画像試験、耐刷試験および定着試験を行ったと
ころ、同様に良好な結果が得られた。
【0072】実施例5 また、実施例1の電荷調整剤を電荷調整剤(1)から電
荷調整剤(3)とする事以外、実施例1と同様にして得
られたトナーの、フロー式粒子像測定装置にて得られた
円相当径で3μm以上の粒子の平均円形度は0.907
であった。また円形度が0.85より小さい粒子の割合
は15.13%であった。帯電量は−19.2μc/g
であった。また実施例1と同様の画像試験、耐刷試験お
よび定着試験を行ったところ、同様に良好な結果が得ら
れた。
【0073】実施例6 また、実施例1の電荷調整剤を電荷調整剤(1)から電
荷調整剤(4)とする事以外、実施例1と同様にして得
られたトナーの、フロー式粒子像測定装置にて得られた
円相当径で3μm以上の粒子の平均円形度は0.897
であった。また円形度が0.85より小さい粒子の割合
は20.33%であった。帯電量は−18.2μc/g
であった。また実施例1と同様の画像試験、耐刷試験お
よび定着試験を行ったところ、同様に良好な結果が得ら
れた。
【0074】 実施例7 スチレン−アクリル樹脂(Tg:52℃) 53.0部 磁性体(マグネタイト) 45.0部 パラフィンワックス 1.0部 電荷調整剤(1) 1.0部 を実施例1同様に混練した後、機械式粉砕機の粉砕回転
数7200rpm、供給速度20kg/hの条件で微粉
砕し、分級して体積平均粒径10.5μmのトナー粒子
を得た。得られたトナー粒子100部に対し流動化剤と
してBET比表面積250m2/gの疎水化したシリカ
微粒子(疎水化度43%)と、BET比表面積100m
2/gの疎水化したシリカ微粒子(疎水化度68%)を
それぞれ0.2部、また研磨剤として平均粒径1.27
μmの炭化タングステン微粒子(BET比表面積0.5
6m2/g)と、平均粒径4.01μmの疎水化した炭
酸カルシウム微粒子(BET比表面積4.03m2
g)をそれぞれ1.0部添加し、ヘンシェルミキサーで
混合してトナーを調製した。このときトナーのフロー式
粒子像測定装置にて得られた円相当径で3μm以上の粒
子の平均円形度は0.922で、円形度が0.85より
小さい粒子の割合は12.58%であった。
【0075】 実施例8 ポリエステル樹脂 D 87.0部 カーボンブラック(比表面積:150m2/g) 8.0部 ポリプロピレンワックス 2.0部 ポリエチレンワックス 1.0部 電荷調整剤(1) 2.0部 を同様に、粉砕回転数7500rpm、供給速度20k
g/hの条件で微粉砕し、体積平均粒径9.5μmのト
ナー粒子を得た。得られたトナー粒子100部に対し流
動化剤として比表面積260m2/gの疎水化したシリ
カ微粒子(疎水化度58%)0.3部と、比表面積45
2/gの疎水化したシリカ微粒子(疎水化度64%)
を0.2部、また平均粒径0.70μmの窒化珪素微粒
子(BET比表面積12.58m2/g)を2.0部添
加し、ヘンシェルミキサーで混合してトナーを調製し
た。このときトナーのフロー式粒子像測定装置にて得ら
れた円相当径で3μm以上の粒子の平均円形度は0.9
09であり、円形度が0.85より小さい粒子の割合は
17.11%で、帯電量は−35.1μc/gであっ
た。得られたトナーを市販の複写機東芝社製6550に
添加して、画像試験および耐刷試験を行ったところ、良
好な画像が得られた。また同様の方法で定着試験を行っ
たところ、定着性が良好で、オフセットによる印字物の
汚れのない画像が得られた。
【0076】 実施例9 ポリエステル樹脂 D 96.0部 フタロシアニン顔料(β−銅フタロシアニン) 2.5部 カルナウバワックス 1.0部 電荷調整剤(2) 0.5部 を二軸押出機で溶融混練し、機械式粉砕機の粉砕回転数
7500rpm、供給速度20kg/hの条件で微粉砕
し、体積平均粒径10.0μmのシアントナー粒子を得
た。得られたシアントナー粒子100部に対し流動化剤
として比表面積110m2/gの疎水化したシリカ微粒
子(疎水化度55%)を0.5部、研磨剤として平均粒
径0.59μmの炭化珪素微粒子(BET比表面積3
8.32m2/g)を0.5部添加し、ヘンシェルミキ
サーで混合してシアントナーを調製した。このとき円相
当径で3μm以上の粒子の平均円形度は0.914であ
った。また円形度が0.85より小さい粒子の割合は1
3.92%であった。帯電量は−32.4μc/gであ
った。得られたトナーを用いて、市販のプリンタである
エプソン社製LP−8200Cにて、画像試験および耐
刷試験を行ったところ、良好な画像が得られ、また定着
性が良好で、オフセットによる印字物の汚れはなかっ
た。
【0077】比較例1 実施例1の電荷調整剤1を、市販の含金属アゾ化合物
(オリエント化学社製、S−34)に変更して同様にし
て体積平均粒径10.5μmのトナー粒子を得た。得ら
れたトナー粒子を実施例1同様に後処理を行ってトナー
を調製した。トナーの円相当径で3μm以上の粒子の平
均円形度は0.908であり、円形度が0.85より小
さい粒子の割合は13.92%であった。同様に現像剤
を調整し摩擦帯電量を測定したところ−7.6μc/g
であった。実施例1同様に、市販の複写機であるキャノ
ン社製NP6045にて画像試験を行い、画像特性の評
価を行ったところ、初期から画像濃度が低く、かぶりが
多い画像が得られたため、以降の実験を中止した。また
機内はトナーの飛散が多く見られた。
【0078】比較例2 実施例1で用いた、溶融混練後の粗粉砕物を、衝突板に
90°平板型衝突板を使用した気流式粉砕機を用い、粉
砕圧力を8.0kg/cm2として微粉砕した後、風力
分級機で分級し、体積平均粒径10.5μmのトナー粒
子を得て、実施例1同様に後処理を行ってトナーを調製
した。このときトナーのフロー式粒子像測定装置にて得
られた円相当径で3μm以上の粒子の平均円形度は0.
868であった。また円形度が0.85より小さい粒子
の割合は47.09%であった。更に摩擦帯電量を測定
したところ−38.2μc/gであった。該トナーを用
いて、同様に画像試験を行ったところ、初期は画像濃度
が高く、かぶりも多かったが、2000枚くらいで画像
濃度の低下が見られた。また7000枚位でトナーホッ
パー内のトナーの凝集により、搬送スクリューにより現
像器に送り出されずにブリッジを形成し、画像が白抜け
したため以降の実験を中止した。
【0079】比較例3 実施例1で得られた粗砕物を機械式粉砕機で、粉砕回転
数8500rpm、供給速度10kg/hの条件で微粉
砕し、分級して体積平均粒径10.5μmのトナー粒子
を得て、実施例1同様に後処理を行ってトナーを調製し
た。このときトナーの円相当径で3μm以上の粒子の平
均円形度は0.967、円形度が0.85より小さい粒
子の割合は5.14%、また帯電量は−16.3μc/
gであった。同様に画像試験を行ったところ、初期は良
好な画像が得られたが、徐々に画像濃度が下がり、それ
に伴いかぶりが増加していった。また5000枚を過ぎ
た頃から現像スリーブの端からトナーの盛り上がりが発
生して徐々に成長し、画像が汚れてしまったため以降の
実験を中止した。またその後、現像器を掃除した際現像
スリーブ上にフィルミングが見られた。
【0080】以上の実施例及び比較例について、表1に
処方、表2に粉砕条件および物性、表3に画像特性およ
び定着性の結果を示す。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
【発明の効果】芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属化合
物を使用し、円相当径3μm以上のトナーの平均円形度
を0.88〜0.95にする事により、画像特性および
耐久性に優れたトナーを得ることができた。
【0085】
【図面の簡単な説明】
【図1】機械式粉砕機の粉砕部の一例の概略断面図であ
る。
【図2】機械式粉砕機の粉砕部ローターに取り付けられ
るブレードの一例の概略図である。
【図3】ジェット気流を用いた衝突型粉砕機の粉砕部の
一例の概略断面図である。
【図4】ジェット気流を用いた衝突型粉砕機の衝突板の
一例の斜視図である。
【図5】ジェット気流を用いた衝突型粉砕機の衝突板の
他の例の斜視図である。
【図6】ジェット気流を用いた衝突型粉砕機の衝突板の
更に他の例の斜視図である。
【0086】
【符号の説明】
(1) 回転軸 (2) ロータ (3) ディストリビュータ (4) ブレード (5) 仕切円盤 (6) ケーシング (7) ライナー (8) 粉砕室 (9) 入口渦巻室 (10) 出口渦巻室 (11) 原料フィード口 (12) 粉砕物排出口 (13) 凸型ブレード (14) 波形ブレード (15) 圧縮空気の噴出口 (16) 衝突板 (17) ホッパー
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/087 G03G 9/08 381 331

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂、着色剤、および電
    荷調整剤からなる静電荷像現像用トナー粒子と外添剤と
    を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、該電荷調整
    剤として芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属化合物を含
    有し、フロー式粒子像測定装置にて得られた円相当径で
    3μm以上のトナーの平均円形度が0.88〜0.95
    であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 フロー式粒子像測定装置にて得られた円
    相当径で、3μm以上のトナー粒子の円形度0.85以
    下の割合が5%以上、45%未満であることを特徴とす
    る請求項1記載の静電荷現像用トナー。
  3. 【請求項3】 少なくとも外添剤が流動化剤と研磨剤で
    あることを特徴とする請求項1または2記載の静電荷現
    像用トナー。
  4. 【請求項4】 BET法により求められる比表面積が4
    0〜300m2/gである疎水化処理された無機微粒子
    を流動化剤として含有していることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 【請求項5】 BET法により求められる比表面積が
    0.5〜40m2/gの無機微粒子を研磨剤として含有
    していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項
    に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 【請求項6】 流動化剤のメタノール法にて求めた疎水
    化度が40%以上であることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 【請求項7】 研磨剤が無機炭化物、無機窒化物、塩化
    合物のいずれかであることを特徴とする請求項1〜6の
    いずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 【請求項8】 結着樹脂がポリエステル樹脂であって、
    該ポリエステル樹脂の酸価が3〜17mg/gであるこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の静
    電荷像現像用トナー。
  9. 【請求項9】 着色剤として磁性体を含有していること
    を特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の静電
    荷像現像用トナー。
  10. 【請求項10】 トナーの4mm針入度が150℃以
    上、210℃以下であることを特徴とする請求項1〜9
    のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  11. 【請求項11】 トナー粒子が、機械式粉砕機により粉
    砕され、その後気流式分級機にて分級されて得られたも
    のであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一
    項に記載の静電荷像現像用トナー。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7422832B2 (en) * 2003-07-30 2008-09-09 Canon Kabushiki Kaisha Magnetic toner
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CN106608891A (zh) * 2016-12-09 2017-05-03 广西壮族自治区化工研究院 一种含取代基的邻羟基苯甲酸铬的制备方法
EP4201881A1 (en) * 2021-12-23 2023-06-28 SENIC Inc. Silicon carbide powder and method for manufacturing silicon carbide ingot using the same
WO2024085855A1 (en) * 2022-10-17 2024-04-25 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Calcium carbonate toner surface additives

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