JP2003202557A - 液晶表示装置および電子機器 - Google Patents

液晶表示装置および電子機器

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JP2003202557A
JP2003202557A JP2003030986A JP2003030986A JP2003202557A JP 2003202557 A JP2003202557 A JP 2003202557A JP 2003030986 A JP2003030986 A JP 2003030986A JP 2003030986 A JP2003030986 A JP 2003030986A JP 2003202557 A JP2003202557 A JP 2003202557A
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JP2003030986A
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Chiyoaki Iijima
千代明 飯島
Takeshi Hagiwara
武 萩原
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射モード時にも透過モード時にも発色が良
く、視認性の高い表示が得られる液晶表示装置を提供す
る。 【解決手段】 本発明の液晶表示装置は、下基板の内面
に設けられた反射膜8と、上基板上に設けられたカラー
フィルターとを有し、各ドット毎に反射領域Rと透過領
域Tとが設けられた半透過反射型の液晶表示装置であ
る。そして、反射膜8がストライプ状に形成されるとと
もに、各ドット毎に反射膜8の拡幅部8aが設けられ、
各ドット28R,28G,28B内の反射膜8の拡幅部
8aと平面的に重なる領域の内部に、カラーフィルター
の色素層13R,13G,13Bが存在しない非着色領
域31R,31G,31Bが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置およ
び電子機器に関し、特に反射モードのみならず、透過モ
ード時にも十分に明るい表示が可能な優れた視認性を有
する半透過反射型の液晶表示装置の構成に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】反射型の液晶表示装置は、バックライト
等の光源を持たないために消費電力が小さく、従来から
種々の携帯電子機器などに多用されている。ところが、
反射型の液晶表示装置は、自然光や照明光などの外光を
利用して表示を行うため、暗い場所では表示を視認する
のが難しいという問題があった。そこで、明るい場所で
は通常の反射型液晶表示装置と同様に外光を利用し、暗
い場所ではバックライト等の内部の光源により表示を視
認可能にした液晶表示装置が提案されている。つまり、
この液晶表示装置は、反射型と透過型を兼ね備えた表示
方式を採用しており、周囲の明るさに応じて反射モード
または透過モードのいずれかの表示方式に切り替えるこ
とにより、消費電力を低減しつつ周囲が暗い場合でも明
瞭な表示を行うことができるものである。以下、本明細
書では、この種の液晶表示装置のことを「半透過反射型
液晶表示装置」という。
【0003】また近年、携帯型電子機器やOA機器など
の発展に伴って、液晶表示のカラー化が要求されるよう
になっている。そして、上述の半透過反射型液晶表示装
置の分野においても、カラー化が要求される場合が多く
なっている。この要求を満足する半透過反射型カラー液
晶表示装置として、上基板、下基板のいずれかにカラー
フィルターを備えたものが提案されている。この種の半
透過反射型カラー液晶表示装置の場合、反射モードにお
いては上基板側から入射した外光は、カラーフィルター
を透過した後、反射層で反射され、再度カラーフィルタ
ーを透過するようになっている。一方、透過モードにお
いては、バックライト等の照明手段により下基板側から
入射した照明光がカラーフィルターを透過するようにな
っている。通常の構成では、反射モードでも透過モード
でも同一のカラーフィルターを用いて表示が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような半透過反射
型カラー液晶表示装置においては、上述したように、反
射モード時には2回、透過モード時には1回、入射光が
カラーフィルターを透過することにより、カラー表示が
得られるようになっている。このため、例えばカラーフ
ィルターを2回透過する反射モード時の色を重視して淡
い色のカラーフィルターを備えた場合には、カラーフィ
ルターを1回しか透過しない透過モード時に発色の良い
表示を得ることは困難である。しかしながら、この問題
を解決すべく、カラーフィルターを1回透過する透過モ
ード時の色を重視して濃い色のカラーフィルターを備え
た場合には、カラーフィルターを2回透過する反射モー
ドの表示が暗くなるため、充分な視認性が得られなくな
ってしまう。このように、従来の半透過反射型カラー液
晶表示装置では、反射モード時にも透過モード時にも同
様に発色が良く、視認性の高い表示を得ることは困難で
あった。
【0005】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、半透過反射型カラー液晶表示装置
において、反射モード時にも透過モード時にも発色が良
く、視認性の高い表示が得られる液晶表示装置を提供す
ることを目的とする。また、本発明は、優れた視認性を
有する上記液晶表示装置を備えた電子機器を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の液晶表示装置は、互いに対向配置された
上基板と下基板からなる一対の基板と、一対の基板間に
挟持された液晶層と、下基板の内面に設けられ、上基板
側からの入射光を反射する反射膜と、反射膜よりも上側
に設けられ、表示領域を構成する各ドットに対応して異
なる色の複数の色素層が配列されたカラーフィルター
と、下基板の外面側に設けられた照明手段とを有し、各
ドット毎に反射膜が存在する反射領域と反射膜が存在し
ない透過領域とにより表示を行う半透過反射型の液晶表
示装置であって、前記反射膜が、一方向に配列された複
数のドットからなるドット行毎もしくはドット列毎にこ
れら複数のドットの配列方向に延在するようにストライ
プ状に形成されるとともに、各ドット毎に反射膜の拡幅
部が設けられ、各ドットの反射膜の拡幅部と平面的に重
なる領域の少なくとも一部に、カラーフィルターの色素
層が存在しない非着色領域が設けられたことを特徴とす
る。
【0007】本発明者らは、1つの画素を構成する異な
る色に対応する各ドット内に反射膜が存在する領域(以
下、反射領域という)と反射膜が存在しない領域(以
下、透過領域という)とを設けるとともに、反射領域内
にカラーフィルターの色素層が存在しない領域(以下、
非着色領域という)を設けた構成の液晶表示装置を既に
提案している。
【0008】この構成においては、反射モード時に上基
板側から入射する光の一部は非着色領域を透過すること
になり、反射モード時にカラーフィルターを2回透過す
ることによって得られる光は、非着色領域を透過する着
色されない光と色素層が存在する領域(以下、着色領域
という)を透過する着色された光とが重畳されたものと
なる。一方、透過モード時に照明手段から出射されて透
過領域を透過する光は全て着色領域を透過することにな
り、透過モード時にカラーフィルターを1回透過するこ
とによって得られる光は全て着色された光となる。この
ようにして、反射モード時にカラーフィルターを2回透
過して得られる光と、透過モード時にカラーフィルター
を1回透過して得られる光との色の濃淡差を小さくする
ことができるので、カラーフィルターの色素層を最適化
することで反射モード時にも透過モード時にも発色が良
く、視認性の高い表示を得ることができる。
【0009】本発明の液晶表示装置は、基本的な構成は
上記のものと同様である。すなわち、各ドット内に反射
領域と透過領域とがあり、反射領域内に非着色領域があ
る構成となっているため、上述した通りの作用により、
反射モード時にも透過モード時にも発色が良く、視認性
の高い表示を得ることができる。
【0010】ところで、本発明者らが既に提案した液晶
表示装置の構成を普通に実現しようとすると、製造プロ
セスにおいて非着色領域の面積のバラツキが大きくなっ
たり、反射領域と非着色領域とのアライメントズレが生
じる等の問題が発生する恐れがあった。その結果、1つ
の液晶表示装置の表示面内で表示ムラや色ムラが発生す
る、あるいは複数の液晶表示装置間での表示特性のバラ
ツキが発生する、等の原因となることが考えられる。
【0011】そこで、本発明の液晶表示装置は、上記の
問題の解決策として、反射膜の形状を特有のものに限定
したことと、その反射膜に対する非着色領域の形成位置
を限定したことを特徴点とした。すなわち、既に提案さ
れたもの以外の本発明の特徴部分は、反射膜の形状を、
一方向に配列された複数のドットからなる行毎もしくは
列毎にこれら複数のドットの配列方向に延在するストラ
イプ状とするとともに各ドット毎にそれ以外の部分より
も幅広の拡幅部を設けたこと、および、非着色領域を各
ドットの反射膜の拡幅部と平面的に重なる領域に配置し
たことである。この構成によれば、製造プロセスにおい
て非着色領域の面積のバラツキや反射領域と非着色領域
とのアライメントズレを低減することができ、その結
果、表示特性のバラツキを抑えることができる。なお、
既に提案された液晶表示装置の構成において非着色領域
の面積のバラツキや反射領域と非着色領域とのアライメ
ントズレ等の問題が発生しやすい理由、および、本発明
の液晶表示装置の構成においてこの問題が解決できる理
由については、この後の[発明の実施の形態]の項で図
面を用いて詳しく説明する。
【0012】また、本発明の液晶表示装置においては、
前記反射領域と前記透過領域とに位置する透明導電膜を
前記反射膜の少なくとも上面を覆うように積層し、これ
ら透明導電膜と反射膜との積層膜で、前記ドット行方向
または前記ドット列方向に延在するストライプ状電極を
構成することができる。
【0013】この構成においては、透明導電膜と反射膜
の双方が協働してストライプ状電極を構成しているの
で、透過領域に位置する透明導電膜の存在により透過領
域上の液晶層に対しても電界印加が支障なく行われると
ともに、通常、透明導電膜よりも比抵抗が小さい金属か
らなる反射膜の存在により電極全体の抵抗値を下げられ
るという効果が得られる。このようにして、パッシブマ
トリクス方式の液晶表示装置、または薄膜ダイオード
(Thin Film Diode,以下、TFDと略記する)をスイッ
チング素子としたアクティブマトリクス方式の液晶表示
装置におけるストライプ電極を構成することができる。
【0014】また、異なる色に対応するドットのうち、
少なくとも一つの色に対応する各ドットにおける非着色
領域の面積が、他の色に対応する各ドットにおける非着
色領域の面積と異なるようにしてもよい。
【0015】この構成によれば、異なる色に対応するド
ット毎に反射率と各色光の彩度を調整することができる
ので、反射光全体としての反射率と色度(例えば白表示
時の色相)を適宜調整することができ、反射モード時の
表示の明るさ、色などの表示品位を高めることができ
る。
【0016】より具体的には、前記異なる色の複数の色
素層が赤色層と緑色層と青色層とからなる場合、緑色層
に対応する各ドットにおける非着色領域の面積を、赤色
層および青色層に対応する各ドットにおける非着色領域
の面積よりも大きくすることが望ましい。
【0017】緑色光は、赤色光や青色光と比べて人間の
目にとってはるかに高い視感度を持っている。したがっ
て、緑色の各ドットにおける非着色領域の面積を赤色や
青色の各ドットにおける非着色領域の面積よりも大きく
設定することによって、反射光全体として見たときの反
射率と色再現性を向上させることができる。
【0018】さらに上記の構成を採用した上で、異なる
色に対応するドットのうち、少なくとも一つの色に対応
する各ドットにおける透過領域の面積が、他の色に対応
する各ドットにおける透過領域の面積と異なるようにし
てもよい。
【0019】この構成によれば、異なる色に対応するド
ット毎に透過率と各色光の彩度を調整することができる
ので、透過光全体としての透過率と色度(例えば白表示
時の色相)を適宜調整することができる。したがって、
上記の非着色領域の面積の調整と合わせて行うことによ
って反射率、透過率、反射光の色度、透過光の色度等の
光学特性をそれぞれ調整することができるので、反射モ
ード時と透過モード時の表示品位をバランス良く最適化
することができる。
【0020】より具体的には、前記異なる色の複数の色
素層が赤色層と緑色層と青色層とからなる場合、緑色層
に対応するドットにおける透過領域の面積を、赤色層お
よび青色層に対応するドットにおける透過領域の面積よ
りも小さくすることが望ましい。
【0021】上述したように、緑色光は赤色光や青色光
と比べて高い視感度を持っているため、緑色の各ドット
における透過領域の面積を赤色や青色の各ドットにおけ
る透過領域の面積よりも小さく設定しても色バランスが
悪くなることがなく、その上で充分な透過率を維持する
ことができる。
【0022】本発明の他の液晶表示装置は、互いに対向
配置された上基板と下基板からなる一対の基板と、該一
対の基板間に挟持された液晶層と、前記下基板の内面に
設けられ、前記上基板側からの入射光を反射する反射膜
と、前記上基板の内面に設けられ、表示領域を構成する
各ドットに対応して異なる色の複数の色素層が配列され
たカラーフィルターと、前記下基板の外面側に設けられ
た照明手段とを有し、各ドット毎に前記反射膜が存在す
る反射領域と前記反射膜が存在しない透過領域とにより
表示を行う半透過反射型の液晶表示装置であって、前記
各ドットにおいて前記反射領域と平面的に重なる領域の
少なくとも一部に、前記カラーフィルターの色素層が存
在しない非着色領域が設けられ、前記反射領域の縁とそ
れに相対する前記非着色領域の縁との間の寸法が、15
μmよりも大きくされたことを特徴とする。
【0023】この構成によれば、反射領域の縁とそれに
相対する非着色領域の縁との間の寸法を15μmよりも
大きくしたことによって、非着色領域が透過領域側には
み出して所望の光学特性が得られないといったこともな
く、アライメント余裕が大きくなり、貼り合わせズレに
強い構造となるのと同時に所望の光学特性が得られやす
くなる。詳細は[実施例]の項で説明する。
【0024】本発明の電子機器は、上記本発明の液晶表
示装置を備えたことを特徴とする。この構成によれば、
反射モード時にも透過モード時にも発色が良く、視認性
に優れた液晶表示部を備えた電子機器を提供することが
できる。
【0025】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]以下、本発
明の第1の実施の形態を図1、図2を参照して説明す
る。
【0026】本実施の形態の液晶表示装置は、パッシブ
マトリクス方式の半透過反射型カラー液晶表示装置の例
である。
【0027】図1は本実施の形態の液晶表示装置の概略
構成を示す断面図、図2は表示領域を構成する複数の画
素を拡大視した平面図、である。なお、以下の図面にお
いては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や
寸法の比率などは適宜異ならせてある。
【0028】本実施の形態の液晶表示装置1は、図1に
示すように、液晶セル2とバックライト3(照明手段)
とを備えたものである。液晶セル2は、下基板4と上基
板5とがシール材6を介して対向配置され、これら上基
板5、下基板4、シール材6に囲まれた空間にSTN
(Super Twisted Nematic)液晶などからなる液晶層7
が封入されており、液晶セル2の後面側(下基板の外面
側)にバックライト3が配置されている。
【0029】ガラスやプラスチックなどの透光性材料か
らなる下基板4の内面側に、アルミニウムまたはその合
金、銀またはその合金等の光反射率の高い金属膜からな
る反射膜8上にインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxid
e, 以下、ITOと略記する)等の透明導電膜9が積層
された2層構造のセグメント電極10が紙面を貫通する
方向にストライプ状に形成されている。そして、その上
に例えば表面にラビング処理が施されたポリイミド等か
らなる配向膜11が形成されている。本実施の形態の場
合、セグメント電極10の構成は、反射膜8の上面のみ
に透明導電膜9が積層されただけではなく、透明導電膜
9が反射膜8の側面も覆うように反射膜8のパターン幅
よりも透明導電膜9のパターン幅の方が大きく設定され
ている。
【0030】一方、ガラス、プラスチックなどの透光性
材料からなる上基板5の内面側に、赤(R)、緑
(G)、青(B)の各色素層13R,13G,13Bと
これら異なる色の色素層13R,13G,13B間を区
画する遮光部14(ブラックマトリクス)とを有するカ
ラーフィルター15が形成されている。遮光部14は、
例えば樹脂ブラックや比較的反射率の低いクロム等の金
属などから形成されている。そして、カラーフィルター
15上には各色素層13R,13G,13B間の段差を
平坦化すると同時に各色素層13R,13G,13Bの
表面を保護するためのオーバーコート膜16が形成され
ている。このオーバーコート膜16はアクリル、ポリイ
ミド等の樹脂膜でもよいし、シリコン酸化膜等の無機膜
でもよい。さらに、オーバーコート膜16上にITO等
の単層膜からなるコモン電極17が紙面に平行な方向に
ストライプ状に形成されており、その上に例えば表面に
ラビング処理が施されたポリイミド等からなる配向膜1
8が形成されている。
【0031】下基板4の外面側に位相差板20、偏光板
21が基板側からこの順に設けられており、さらに、偏
光板21の外面側にはバックライト3が設けられてい
る。バックライト3は、冷陰極管、発光ダイオード(Li
ght Emitting Diode, LED)等の光源22と反射板2
3と導光板24とを有している。また、上基板5の外面
側には位相差板25、偏光板26が基板側からこの順に
設けられている。
【0032】各基板4,5上の電極の配置は図2に示す
通りであり、下基板4上に、図2の縦方向に延在する複
数のセグメント電極10がストライプ状に形成されてい
る。一方、上基板5上には、セグメント電極10と直交
するように図2の横方向に延在する複数のコモン電極1
7がストライプ状に形成されている。カラーフィルター
15のR、G、Bの各色素層13R,13G,13Bは
各セグメント電極10の延在方向に対応して配置されて
いる。すなわち、本実施の形態におけるカラーフィルタ
ー15はいわゆる縦ストライプと呼ばれるパターンのも
のであり、R、G、Bの色素層13R,13G,13B
のそれぞれがストライプ状に縦に同色で配置されてい
る。これにより、図2に示す横方向に並んだR、G、B
の3個のドット28R,28G,28Bで表示パターン
を構成する1個の画素29が構成されている。なお、ド
ットとは、各セグメント電極10と各コモン電極17が
交差した部分であって、表示の最小単位部分のことであ
る。
【0033】本実施の形態においては、反射膜8と透明
導電膜9からなる2層構造の積層膜がセグメント電極1
0を構成しているが、これらの膜のうち、反射膜8は反
射モード時に表示に寄与する反射膜として機能するもの
である。反射膜8と透明導電膜9はともに図2の縦方向
に延在しているが、反射膜8のパターンと透明導電膜9
のパターンとでは幅が異なり、上述したように、反射膜
8のパターン幅よりも透明導電膜9のパターン幅の方が
大きく形成されている。これにより、各ドット28R,
28G,28B内において、中央部は反射膜8と透明導
電膜9が存在する領域であり、この領域は半透過反射型
液晶表示装置において反射モードに係わる反射領域Rと
なる。また、反射領域Rの両側方は、透明導電膜9のみ
が存在する領域であり、この領域は半透過反射型液晶表
示装置において透過モードに係わる透過領域Tとなる。
すなわち、各ドット28R,28G,28B内に反射領
域Rと透過領域Tの双方が存在している。
【0034】さらに本実施の形態の場合、反射膜8のパ
ターン幅は一定ではなく、各ドット28R,28G,2
8Bの中央部に本線部分よりも幅広の拡幅部8aが設け
られている。一方、上基板5上のカラーフィルター15
のR、G、Bの各色素層13R,13G,13Bは、各
ドット28R,28G,28B内の全体にわたって設け
られているのではなく、各色素層13R,13G,13
Bには各ドット28R,28G,28B毎に開口部(図
2中の白抜きで示す部分)が設けられている。すなわ
ち、この開口部は非着色領域31R,31G,31Bで
あり、特に非着色領域31R,31G,31Bは反射膜
8の拡幅部8aと平面的に重なる領域内で拡幅部8aの
中に収まるように設けられている。すなわち、非着色領
域31R,31G,31Bは反射膜8と透明導電膜9の
みが存在する領域、非着色領域以外の反射領域Rは反射
膜8と透明導電膜9とカラーフィルターの色素層13
R,13G,13Bが存在する領域、透過領域Tは透明
導電膜9と色素層13R,13G,13Bが存在する領
域、である。本実施の形態においては、拡幅部8aの形
状は略長方形状であり、非着色領域31R,31G,3
1Bの形状も略長方形状となっている。
【0035】上記構成の液晶表示装置1においては、反
射モード時に上基板5側から入射する外光の一部は反射
領域R内の非着色領域31R,31G,31Bを透過す
ることになり、反射モード時にカラーフィルター15を
2回透過することによって得られる光は、非着色領域3
1R,31G,31Bを透過する着色されない光と着色
領域を透過する着色された光とが重畳されたものとな
る。一方、透過モード時にバックライト3から透過領域
Tを透過する光は全て着色領域を透過することになり、
透過モード時にカラーフィルター15を1回透過するこ
とによって得られる光は全て着色された光となる。この
ようにして、反射モード時にカラーフィルター15を2
回透過して得られる光と、透過モード時にカラーフィル
ター15を1回透過して得られる光との色の濃淡差を小
さくすることができ、カラーフィルター15の色素層1
3R,13G,13Bを最適化することで反射モード時
にも透過モード時にも発色が良く、視認性の高い表示を
得ることができる。
【0036】また本実施の形態の場合、透明導電膜9と
反射膜8との2層構造の積層膜でセグメント電極10を
構成しているので、透過領域Tに位置する透明導電膜9
の存在により透過領域T上の液晶層7に対しても電界印
加が支障なく行われるとともに、透明導電膜9よりも比
抵抗が小さい金属からなる反射膜8の存在によりセグメ
ント電極10全体の抵抗値を下げる効果が得られる。
【0037】ここで、本発明者らが既に提案した液晶表
示装置を普通に実施しようとした場合、非着色領域の面
積のバラツキや反射領域と非着色領域とのアライメント
ズレ等の問題が発生しやすくなる理由について説明す
る。
【0038】前提として、本実施の形態と同様、反射膜
がストライプ状の電極の一部を構成するものとする。そ
の場合、上述の通り、電極の抵抗値が下げられる等の効
果が得られるという点で好ましいものとなるが、当然な
がら反射膜もストライプ状にパターニングする必要が生
じることになる。既に提案済みの液晶表示装置は各ドッ
ト内に反射領域と透過領域とを設けるものであるから、
例えばドット全体を反射膜で覆うような形状とした上で
反射膜に光透過用の窓部(透過領域)を設けることも考
えられる。しかしながら、上述したように、いずれにし
ろ反射膜もストライプ状にパターニングするのであるか
ら、透明導電膜パターンの幅に対して金属膜パターンの
幅を狭く設計しておけばその両側が自ずと透過領域とな
るので、その方がわざわざ窓部を設けるよりも設計が簡
単になる。
【0039】すなわち、最も簡単なパターン設計によれ
ば、図16に示すように、セグメント電極110を構成
する帯状の透明導電膜109のパターン幅に対して帯状
の反射膜108のパターン幅を小さくすることになる。
さらに、既に提案済みの液晶表示装置は反射領域内に非
着色領域を設けるものであるから、反射膜108上にカ
ラーフィルターの色素層が存在しない非着色領域131
(色素層の開口部)を設けることになる。図11に示す
ように、カラー用の液晶表示装置では通常、ドット12
8自体が縦長の長方形状であるため、反射領域Rの形状
も縦長となり、さらに非着色領域131も縦長の長方形
状となる。
【0040】このように、既に提案済みの液晶表示装置
を実現しようとすると、色素層の開口部(非着色領域)
は縦長の長方形状をなすのが自然であり、開口部の面積
を大きくしようとすればする程、縦に細長い長方形とな
る。このような形状の開口部を有する色素層をフォトリ
ソグラフィー技術を用いて形成した場合、エッチング寸
法のバラツキが生じたときの開口部面積のバラツキが大
きくなってしまう。その理由は、例えば同一面積の正方
形パターンと長方形パターンを比べた場合、同一のエッ
チング寸法誤差が生じたとすると、正方形パターンより
も長方形パターンの方が面積の変化が大きくなり、長方
形パターンの中でも細長い長方形になる程、面積の変化
が大きくなるからである。その結果、反射モード時の明
るさや色相などの表示特性のバラツキが大きくなってし
まう。また、開口部の幅があまりにも細くなり過ぎ、フ
ォトリソグラフィー技術における解像度の限界を超える
と、開口部が形成できずにつぶれてしまうという問題も
ある。
【0041】また、例えば反射膜を下基板に形成し、カ
ラーフィルターを上基板に形成した場合、非着色領域を
反射領域内に確実に収まるように形成するためには、反
射膜のパターンとカラーフィルターのパターンとのアラ
イメント精度、すなわち、下基板と上基板との貼り合わ
せ時のアライメント精度が重要となる。ところが、長方
形状の反射領域の中にある程度の面積を持つ長方形状の
非着色領域を配置しようとすると、どうしても反射領域
の短手方向の縁と非着色領域の短手方向の縁との間の間
隔が狭くなり、アライメント余裕が小さくなってしま
う。このため、設計によっては上記の反射領域の縁と非
着色領域の縁との間隔が基板貼り合わせ時のアライメン
ト誤差よりも小さくなる場合も考えられ、その場合、非
着色領域が透過領域内にはみ出すようなことが起こる
と、所望の光学特性が全く得られなくなってしまう。
【0042】これに対して、本実施の形態の液晶表示装
置においては、各ドット28R,28G,28B毎に反
射膜8の拡幅部8aを設け、しかも非着色領域31R,
31G,31Bを拡幅部8aと平面的に重なる領域に配
置する構成としたことによって、非着色領域31R,3
1G,31Bを配置する反射領域Rの部分の形状が従来
よりも正方形に近い形状となる。これにより、一定のエ
ッチング寸法バラツキが生じたときの開口部面積のバラ
ツキを従来に比べて小さく抑えることができるので、反
射モード時の表示特性のバラツキを低減することができ
る。さらに、非着色領域31R,31G,31Bを配置
する反射領域Rの部分を従来よりも正方形に近い形状と
すると、反射領域Rの縁と非着色領域31R,31G,
31Bの縁との間隔Gを従来よりも広くすることができ
るので、アライメント余裕が大きくなり、貼り合わせズ
レに強い構造となるのと同時に所望の光学特性が得られ
やすくなる。
【0043】[第2の実施の形態]以下、本発明の第2
の実施の形態を図3を参照して説明する。
【0044】図3は本実施の形態の液晶表示装置の表示
領域を構成する複数の画素を拡大視した平面図であり、
第1の実施の形態の図2に相当する図である。本実施の
形態の液晶表示装置の基本構成は第1の実施の形態と同
様であり、反射領域と非着色領域の形状のみが第1の実
施の形態と異なっている。なお、図3において図2と同
じ構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省
略する。
【0045】第1の実施の形態では、R、G、Bの異な
る色に対応する各ドットにおいて反射領域の面積および
形状、非着色領域の面積および形状は同一であったのに
対し、本実施の形態では、R、G、Bの異なる色に対応
する各ドット間で少なくとも一つの反射領域の面積、非
着色領域の面積がそれぞれ異なり、それに伴って反射領
域の形状、非着色領域の形状が異なっている。
【0046】具体的には、図3に示すように、例えば異
なる色のドット28R,28G,28B間でGのドット
28Gにおける反射領域Rの面積が最も大きく、次いで
Bのドット28Bにおける反射領域R、Rのドット28
Rにおける反射領域Rの順に小さくなっている。言い換
えると、Gのドット28Gにおける透過領域Tの面積が
最も小さく、次いでBのドット28Bにおける反射領域
T、Rのドット28Rにおける反射領域Tの順に大きく
なっている。また、Gのドット28Gにおける非着色領
域31Gの面積が最も大きく、次いでRのドット28R
における非着色領域31R、Bのドット28Bにおける
非着色領域31Bの順に小さくなっている。
【0047】本実施の形態の液晶表示装置によれば、
R、G、Bの各色毎に反射率と反射モード時の各色光の
彩度、透過率と透過モード時の各色光の彩度を調整する
ことができるので、反射モード時の表示の明るさと色度
(例えば白表示時の色相)、透過モード時の表示の明る
さと色度(例えば白表示時の色相)を適宜調整すること
ができる。これにより、反射モード時と透過モード時の
表示品位をバランス良く最適化することができる。
【0048】より具体的には、Gのドット28Gにおけ
る透過領域Tの面積をR、Bのドット28R,28Bに
おける透過領域Tの面積よりも小さく設定しているが、
緑色光は、赤色光や青色光と比べて充分に高い視感度を
持っているため、このように設定しても色バランスが悪
くなることがなく、その上で充分な透過率を維持するこ
とができる。また、Gのドット28Gにおける非着色領
域31Gの面積をR、Bのドット28R,28Bにおけ
る非着色領域31R,31Bの面積よりも大きく設定し
ているので、反射モードにおける反射率と色再現性を向
上させることができる。
【0049】[電子機器]上記実施の形態の液晶表示装
置を備えた電子機器の例について説明する。
【0050】図4は、携帯電話の一例を示した斜視図で
ある。図4において、符号1000は携帯電話本体を示
し、符号1001は上記の液晶表示装置を用いた液晶表
示部を示している。
【0051】図5は、腕時計型電子機器の一例を示した
斜視図である。図5において、符号1100は時計本体
を示し、符号1101は上記の液晶表示装置を用いた液
晶表示部を示している。
【0052】図6は、ワープロ、パソコンなどの携帯型
情報処理装置の一例を示した斜視図である。図6におい
て、符号1200は情報処理装置、符号1202はキー
ボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本
体、符号1206は上記の液晶表示装置を用いた液晶表
示部を示している。
【0053】図4〜図6に示す電子機器は、上記実施の
形態の液晶表示装置を用いた液晶表示部を備えているの
で、反射モード時にも透過モード時にも発色が良く、視
認性に優れた液晶表示部を備えた電子機器を実現するこ
とができる。
【0054】なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態
に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない
範囲において種々の変更を加えることが可能である。例
えば上記第1、第2の実施の形態では、反射膜の拡幅部
の形状が略長方形状であり、非着色領域の形状も略長方
形状である例を示したが、これらの部分の形状は特に長
方形状に限ることはない。例えば図7に示すように、拡
幅部8bの形状を略六角形状とし、それに伴って非着色
領域31bの形状も略六角形状としたり、図8に示すよ
うに、拡幅部8cの形状を略楕円形状とし、それに伴っ
て非着色領域31cの形状も略楕円形状としてもよい。
【0055】また、上記実施の形態では反射膜上に透明
導電膜を積層し、2層構造の電極を構成する例を挙げた
が、本発明において反射膜として機能する金属膜は必ず
しも電極を構成しなくてもよく、金属膜と透明導電膜と
の間に絶縁膜が介在する構成として金属膜は専ら反射膜
としてのみ機能するものであってもよい。ただしその場
合でも、本発明においては金属膜がストライプ状に形成
されていることが必要である。また、上記実施の形態で
はカラーフィルターのパターンが縦ストライプである例
を挙げたが、その他、横ストライプ、モザイク、デルタ
配列等のカラーフィルターにも本発明が適用可能であ
る。さらに、上記実施の形態で例示したパッシブマトリ
クス型液晶表示装置に限らず、TFDをスイッチング素
子としたアクティブマトリクス型液晶表示装置に本発明
を適用することもできる。
【0056】
【実施例】次に、本発明者らは、本発明の液晶表示装置
において種々のパラメータを変えて、反射率、透過率、
表示色等の光学特性のシミュレーションを行い、本発明
の効果を実証した。以下、その結果を報告する。
【0057】シミュレーションの前提条件として、ドッ
ト数を120×3(R、G、B)(横)×160
(縦)、横方向のドットピッチを85μm、縦方向のド
ットピッチを255μmとした。図9〜図12は以下に
示す構成例1〜3のGのドットの各部の寸法、図13は
以下に示す構成例3の画素内の各部の寸法を示したもの
である。これらの図に符号Bで示す領域(網掛けの領
域)はドット間のブラックマトリクスであり、横方向に
延在するブラックマトリクス幅を13μm、縦方向に延
在するブラックマトリクス幅を9μmとした。これによ
り、ドットピッチ毎の面積(ブラックマトリクスを含
む)は21675μm2となり、ドット毎の面積(ブラ
ックマトリクスを含まない)は18392μm2とな
る。また、カラーフィルターには、図14に示す分光特
性を有するものを用いた。
【0058】(構成例1)構成例1では、1ドット内の
透過領域の面積を、R、G、B全てのドットにわたって
8712μm2と同一の値とした。また、1ドット内の
非着色領域の面積を、R、Bのドットで360μm2
したのに対し、Gのドットだけは2161μm2と大き
く設定した。この時の反射率、反射モード時の色域面積
および白表示色、透過率、透過モード時の色域面積(色
の彩度を示し、xy座標系で赤・緑・青表示の各座標を
結んだ三角形の面積である)および白表示色をシミュレ
ーションにより計算した。なお、色域面積、白表示色は
ともにxyY表色系色度図に基づいて表した値である。
上記光学特性値を下の「表1」に示す。
【0059】(構成例2)構成例2では、構成例1と異
なり、1ドット内の透過領域の面積をドット毎に変え
た。すなわち、Gのドットで6776μm2と最も小さ
くし、Bのドットで10406μm2、Rのドットで1
1130μm2と順次大きくした。また、1ドット内の
非着色領域の面積を、Rのドットで180μm2、Gの
ドットを3240μm2と設定した。Bのドットには非
着色領域を設けなかった。この時の反射率、反射モード
時の色域面積および白表示色、透過率、透過モード時の
色域面積および白表示色をシミュレーションにより計算
した。これら光学特性値を下の「表1」に示す。
【0060】(構成例3)構成例3では、図14の分光
特性を有するカラーフィルターに代えて、図15に示す
分光特性を有するカラーフィルターを使用することにし
た。図14と図15の分光特性を比較すると、各色の曲
線のピーク部分(透過領域)はほとんど変わらないが、
ピーク以外の領域(吸収領域)の透過率レベルが図14
は高く、図15の方が低くなっていることがわかる。言
い換えると、構成例3では構成例2に比べて色純度の高
いカラーフィルターを使用した。このカラーフィルター
の変更に伴って、1ドット内の透過領域の面積、非着色
領域の面積をそれぞれ各ドット毎に少しづつ変えてい
る。この時の反射率、反射モード時の色域面積および白
表示色、透過率、透過モード時の色域面積および白表示
色をシミュレーションにより計算した。これら光学特性
値を下の「表1」に示す。
【0061】
【表1】
【0062】各構成例毎の光学特性は表1に示す通りで
あるが、まず最初に、構成例1の各部の面積を実現する
ための反射領域および非着色領域のパターン寸法は、従
来の直線的な帯状の反射領域を用いた場合、例えば図9
に示すようになる。なお、以下の図9〜図13中の数値
はμm単位で表した寸法である。そして、構成例1の各
部の面積、すなわち図9と同じ各部の面積を、反射領域
が拡幅部を有する本発明の構成を用いて実現すると、例
えば図10に示すようになる。
【0063】ここで、縦方向に延びる反射領域の縁と非
着色領域の縁との間の間隔に着目すると、図9の構成で
は15μmである。液晶表示装置の製造プロセスにおい
て、上基板と下基板の貼り合わせ時のアライメント誤差
が現状レベルで15μm程度であるから、上基板と下基
板の貼り合わせ時に最大のズレが生じることを考える
と、アライメント余裕(マージン)は全くないことにな
る。これに対して、図10の構成では、反射領域の縁と
非着色領域の縁との間の間隔は18.7μmである。し
たがってこの場合、上基板と下基板の貼り合わせ時に最
大のズレが生じたとしても、まだ3.7μm程度のマー
ジンがあることになる。このように、本発明の構成によ
れば、貼り合わせズレに強い構造が実現できることが実
証された。さらに、非着色領域の横寸法に着目すると、
図9では10μm、図10では18.6μmとなる。例
えば、液晶表示装置の製造に用いるフォトリソグラフィ
ー技術における解像度が仮に10μm程度であったとす
ると、図9では開口部(非着色領域)が形成できるギリ
ギリの値であり、場合によってはつぶれてしまうことも
考えられる。これに対して、図10の構成では非着色領
域を確実に、しかも精度良く形成することができる。
【0064】また、表1中の構成例1の光学特性のう
ち、「透過モード時の白表示色」に着目すると、x=
0.314,y=0.347であり、白が少し黄色味が
かっていることを示している。そこで、透過モード時の
白表示色をより白くするように、各部の面積を調整した
ものが構成例2である。そのために、具体的にはGの透
過領域の面積を構成例1から大きく減らし、それでも構
成例1と同等の透過率を維持するためにRとBの透過領
域の面積をそれぞれ増やした。そして、逆にGの反射領
域の面積が増えたため、反射光中のGの成分を抑えるよ
うにGの非着色領域の面積を構成例1から増やした。こ
の変更に伴って、反射率や反射時の色を維持するように
RとBの非着色領域の面積を調整した。
【0065】構成例2の各部の面積を、反射領域が拡幅
部を有する本発明の構成を用いて実現すると、例えば図
11に示すようになる。この構成においても、反射領域
の縁と非着色領域の縁との間の間隔は18μmであり、
貼り合わせズレに強い構造を維持することができた。ま
た、非着色領域の横寸法も20μmを確保でき、非着色
領域のパターニングに問題が生じることはない。
【0066】次に、構成例3では構成例2よりも色純度
の高いカラーフィルターを用いた、言い換えると、色の
濃いカラーフィルターを用いたため、透過領域の面積を
大きくしないと構成例1,2と同等の透過率を保つこと
ができない。そこで、R、G、Bの全てのドットで透過
領域の面積を構成例2から増やしたものが構成例3であ
る。逆に、全てのドットで反射領域の面積が減ってしま
ったため、反射率を維持するために全てのドットで非着
色領域の面積を構成例2から増やしている。これによ
り、反射率や反射時の色域面積は若干減少しているもの
の、反射モードでは概ね構成例1、2と同等の光学特性
が得られた。透過モードについては、構成例1、2と同
じ4.5%の透過率を維持できた上、透過時の色域面積
を3.6×10-2に向上することができ、色純度の高い
カラーフィルターを用いたことにより透過時の表示色を
より鮮やかにすることができた。
【0067】構成例3の各部の面積を実現するための反
射領域および非着色領域のパターン寸法は、従来の直線
的な帯状の反射領域を用いた場合、例えば図12に示す
ようになる。そして、構成例3の各部の面積、すなわち
図12と同じ各部の面積を、反射領域が拡幅部を有する
本発明の構成を用いて実現すると、例えば図13に示す
ようになる。各構成例のうち、最も好ましい光学特性が
得られる構成例3を示す図13では、R、G、Bの全て
のドットについてパターン寸法を示した。
【0068】縦方向に延びる反射領域の縁と非着色領域
の縁との間の間隔に着目すると、図12の構成では横方
向で13.7μm、縦方向で14.14μmである。上
基板と下基板の貼り合わせ時のアライメント誤差が15
μmであったとすると、アライメント余裕がないどころ
か、非着色領域が反射領域外にはみ出し、所望の光学特
性が全く得られなくなる恐れが充分にある。これに対し
て、図13の構成では、例えばGのドットにおいて横方
向で15.5μm、縦方向で15.2μmである。構成
例3で各部の面積を実現する場合には本発明の構成を用
いてもマージンがかなり少なくなることは仕方ないが、
図12の構成に比べればマージンが広く取れ、貼り合わ
せズレに強い構造とすることができる。
【0069】以上のシミュレーション結果から、本発明
の構成によれば、液晶表示装置の製造プロセスにおける
貼り合わせズレに強い構造とすることができるのと同時
に、1ドット内の透過領域(反射領域)の面積や非着色
領域の面積を各色のドット毎に最適化することによっ
て、反射モードと透過モードのバランスを取りながら、
双方のモードで表示品位に優れた液晶表示装置を実現で
きることが実証された。
【0070】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、反射モード時にも透過モード時にも発色が良
く、視認性の高い表示が得られる半透過反射型のカラー
液晶表示装置を実現することができる。さらに、液晶表
示装置の製造プロセスにおいて上基板と下基板の貼り合
わせズレに強い構造が実現できるのと同時に、反射率、
透過率、表示色の色相などの所望の光学特性を安定して
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置の
概略構成を示す断面図である。
【図2】 同、液晶表示装置の表示領域を構成する複数
の画素を拡大視した平面図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態の液晶表示装置の
表示領域を構成する複数の画素を拡大視した平面図であ
る。
【図4】 本発明の電子機器の一例を示す斜視図であ
る。
【図5】 本発明の電子機器の他の例を示す斜視図であ
る。
【図6】 本発明の電子機器のさらに他の例を示す斜視
図である。
【図7】 本発明の液晶表示装置における反射膜の拡幅
部の他の例を示す平面図である。
【図8】 同、反射膜の拡幅部のさらに他の例を示す平
面図である。
【図9】 本発明の実施例における構成例1の各部の面
積を従来構造で実現した場合の平面パターンを示す図で
ある。
【図10】 同、構成例1の各部の面積を本発明の構造
で実現した場合の平面パターンを示す図である。
【図11】 同、構成例2の各部の面積を本発明の構造
で実現した場合の平面パターンを示す図である。
【図12】 同、構成例3の各部の面積を従来構造で実
現した場合の平面パターンを示す図である。
【図13】 同、構成例3の各部の面積を本発明の構造
で実現した場合の平面パターンを示す図である。
【図14】 同、構成例2で用いたカラーフィルターの
分光特性を示す図である。
【図15】 同、構成例3で用いたカラーフィルターの
分光特性を示す図である。
【図16】 本発明者らが既に出願済みの液晶表示装置
の表示領域を構成する複数の画素を拡大視した平面図で
ある。
【符号の説明】
1 液晶表示装置 2 液晶セル 3 バックライト(照明手段) 4 下基板 5 上基板 7 液晶層 8 反射膜 8a,8b,8c (反射膜の)拡幅部 9 透明導電膜 10 セグメント電極 13R,13G,13B 色素層 15 カラーフィルター 17 コモン電極 28R,28G,28B ドット 29 画素 31R,31G,31B,31b,31c 非着色領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H091 FA03Y FA14Y FA23Z FA35Y FA45Z FD04 GA03 HA10 LA15 LA16 2H092 GA13 GA17 HA04 HA05 NA01 PA08 PA12 PA13

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向配置された上基板と下基板か
    らなる一対の基板と、該一対の基板間に挟持された液晶
    層と、前記下基板の内面に設けられ、前記上基板側から
    の入射光を反射する反射膜と、前記反射膜よりも上側に
    設けられ、表示領域を構成する各ドットに対応して異な
    る色の複数の色素層が配列されたカラーフィルターと、
    前記下基板の外面側に設けられた照明手段とを有し、各
    ドット毎に前記反射膜が存在する反射領域と前記反射膜
    が存在しない透過領域とにより表示を行う半透過反射型
    の液晶表示装置であって、 前記反射膜が、一方向に配列された複数のドットからな
    るドット行毎もしくはドット列毎にこれら複数のドット
    の配列方向に延在するようにストライプ状に形成される
    とともに、各ドット毎に前記反射膜の拡幅部が設けら
    れ、前記各ドット内の前記反射膜の拡幅部と平面的に重
    なる領域の少なくとも一部に、前記カラーフィルターの
    色素層が存在しない非着色領域が設けられたことを特徴
    とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 前記反射領域と前記透過領域とに位置す
    る透明導電膜が前記反射膜の少なくとも上面を覆うよう
    に積層され、前記透明導電膜と前記反射膜との積層膜
    が、前記ドット行方向または前記ドット列方向に延在す
    るストライプ状電極を構成することを特徴とする請求項
    1に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記異なる色に対応するドットのうち、
    少なくとも一つの色に対応する各ドットにおける前記非
    着色領域の面積が、他の色に対応する各ドットにおける
    前記非着色領域の面積と異なることを特徴とする請求項
    1または2に記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記異なる色の複数の色素層は、赤色層
    と緑色層と青色層とからなり、前記緑色層に対応する各
    ドットにおける前記非着色領域の面積が、前記赤色層お
    よび前記青色層に対応する各ドットにおける前記非着色
    領域の面積よりも大きいことを特徴とする請求項3に記
    載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記異なる色に対応するドットのうち、
    少なくとも一つの色に対応する各ドットにおける前記透
    過領域の面積が、他の色に対応する各ドットにおける前
    記透過領域の面積と異なることを特徴とする請求項3ま
    たは4に記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記異なる色の複数の色素層は、赤色層
    と緑色層と青色層とからなり、前記緑色層に対応するド
    ットにおける前記透過領域の面積が、前記赤色層および
    前記青色層に対応するドットにおける前記透過領域の面
    積よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の液晶
    表示装置。
  7. 【請求項7】 互いに対向配置された上基板と下基板か
    らなる一対の基板と、該一対の基板間に挟持された液晶
    層と、前記下基板の内面に設けられ、前記上基板側から
    の入射光を反射する反射膜と、前記上基板の内面に設け
    られ、表示領域を構成する各ドットに対応して異なる色
    の複数の色素層が配列されたカラーフィルターと、前記
    下基板の外面側に設けられた照明手段とを有し、各ドッ
    ト毎に前記反射膜が存在する反射領域と前記反射膜が存
    在しない透過領域とにより表示を行う半透過反射型の液
    晶表示装置であって、 前記各ドットにおいて前記反射領域と平面的に重なる領
    域の少なくとも一部に、前記カラーフィルターの色素層
    が存在しない非着色領域が設けられ、前記反射領域の縁
    とそれに相対する前記非着色領域の縁との間の寸法が、
    15μmよりも大きくされたことを特徴とする液晶表示
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか一項に記載
    の液晶表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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