JP2004233532A - 液晶表示素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】反射光の黄味着色の発生を抑制して、良好な視認性を確保した液晶表示素子を提供する。
【解決手段】視認側に位置する透明基板と背面側に位置する透明基板1との間に液晶層が配置された液晶セルの透明電極が対向配置されてなる各画素内に、前記背面側に位置する透明基板1の上面に銀系合金からなる反射層2が形成された領域Aを設け、前記反射層2が形成された領域の上面に赤、緑、青の各色カラーフィルタ層5が形成されており、前記各色のカラーフィルタ層5R,5G,5Bにそれぞれカラーフィルタ層5を構成しない開口部6を有する液晶表示素子において、前記各色カラーフィルタ層5R,5G,5Bの各開口部6R,6G,6Bを、前記赤のカラーフィルタ層5Rに形成された開口部6Rの面積をr、前記緑のカラーフィルタ層5Gに形成された開口部6Gの面積をg、前記青のカラーフィルタ層5Bに形成された開口部5Bの面積をbとした場合における前記r,g,bの関係が、(7/20)・(r+g)≧b≧0 となるように形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶を利用したディスプレイに使用される液晶表示素子に係り、特に、透明基板上に銀系合金からなる反射膜を配設した反射領域を有する(半透過の場合を含む)液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子として、外光を利用して表示を行なう反射型液晶表示素子や、液晶セルの内面における1画素内に前述の反射型液晶表示素子のように外光を利用して表示を行なう反射領域とバックライトユニットからの照射光を利用して表示を行なう透過領域の双方を有する構成の半透過反射型液晶表示素子は一般に知られている。
【0003】
この二つの液晶表示素子の共通点としては、いずれもその液晶セル内に、外光を利用して表示を行なうための反射領域が形成されていることがあげられる。
【0004】
ここで、その一例として、半透過反射型液晶表示素子の構成を簡単に説明する。
【0005】
半透過反射型液晶表示素子は、間隔を隔ててほぼ平行に配置された2枚のガラスのような材質からなる透明基板を有しており、これらの両透明基板間の外周は周辺シール材により密閉されている。
【0006】
このうち、視認側に位置する一方の透明基板の下面には、透明電極が密着するように配設されており、また、この透明電極の下方には、電極間に印加される電圧に応じて液晶分子の配向を制御する配向膜が密着するように配設されている。
【0007】
一方、背面側に位置する他方の透明基板の上面には、外光を利用して表示を行なう反射領域及びバックライトユニットからの照射光を利用して表示を行なう透過領域が形成されており、前記反射領域にはアルミニウム、銀等の金属膜からなる反射膜が配設されている。そして、前記反射領域および透過領域が形成された透明基板上には、赤、緑および青のカラーフィルタ層が配設されている。
【0008】
そして、前記カラーフィルタの上方には、ITO(酸化インジウム錫)等からなる透明電極が配設されており、透明電極の上方には配向膜が配設されている。
【0009】
前記両透明基板および周辺シール材により囲繞された密閉空間内には前記配向膜によって配向制御された液晶が封入されている。
【0010】
また、視認側に位置する一方の透明基板の上面、および、背面側に位置する他方の透明基板の下面には、光の振動方向を規制する役割を果たす偏光板が配設されている。
【0011】
【特許文献1】
特開2000ー338481号公報
【特許文献2】
特開2001ー125105号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成の半透過反射型の液晶表示素子においては、高透過輝度、透過高コントラスト、無彩色性など、良好な透過特性を確保することが要求されている。この要求に応じて透過特性を良好にしようとすれば、前記液晶層のリタデーション値を0.8以上とすることが必要になるが、その場合においては、外光を利用して表示を行なう反射表示の際に遮光度が低下することや白色に黄みがかかって無彩色化ができないという問題点があった。
【0013】
特に、透過特性を重視した液晶表示素子において、少しでも高反射を得るべく、前記反射膜を構成する材料として、良好な反射率を示し、高い輝度を得ることのできる、銀単体や、パラジウムなどの金属類と銀との合金、あるいは銀合金層と金属酸化物層との多層構造体(これらを銀系合金という)を用いたときに、その反射膜に反射する反射光の色が白色系から黄色系にシフトしてしまい(黄味着色という)、良好な視認性を得ることができなかった。
【0014】
前記反射光の黄味着色の問題点は、前述の構成の半透過反射型の液晶表示素子のもののみならず、銀系合金からなる反射膜を配設した領域を有する液晶表示素子に共通する問題である。
【0015】
そこで、本発明はこのような点に鑑み、前記反射光の黄味着色の発生を抑制して、良好な視認性を確保した液晶表示素子を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の液晶表示素子の特徴は、視認側に位置する透明基板と背面側に位置する透明基板との間に液晶層が配置された液晶セルの透明電極が対向配置されてなる各画素内に、前記背面側に位置する透明基板の内面に銀系合金からなる反射層が形成された領域を設け、前記反射層が形成された領域の上方に赤、緑、青の各色カラーフィルタ層が形成されており、前記各色カラーフィルタ層は少なくとも一つがカラーフィルタ層を構成しない開口部を有する液晶表示素子において、前記各色カラーフィルタ層の各開口部は、前記赤のカラーフィルタ層に形成された開口部の面積をr、前記緑のカラーフィルタ層に形成された開口部の面積をg、そして、前記青のカラーフィルタ層に形成された開口部の面積をbとした場合、前記bは少なくともrまたはgの何れかよりも小さい点にある。
【0017】
また、本発明の請求項二に記載の液晶表示素子の特徴亜h、前記r,g,bが、(7/20)・(r+g)≧b≧0 の関係にある点にある。
【0018】
本発明によれば、青のカラーフィルタ層に形成される開口部の面積を、赤のカラーフィルタ層に形成される開口部および緑のカラーフィルタに形成される開口部の平均以下の面積とすることで、常に、青のカラーフィルタを透過する光の影響が強い反射光を得ることができ、黄味着色を解消することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液晶表示素子について、半透過反射型の構成を有する液晶表示素子を例として、図1および図2を用いて説明する。
【0020】
本実施形態の液晶表示素子は、間隔を隔ててほぼ平行に配置された2枚の例えばガラスからなる透明基板1を有しており、これらの両透明基板間の外周は図示しない周辺シール材により密閉されている。
【0021】
このうち、視認側に位置する一方の透明基板(図示せず)の下面には、透明電極(図示せず)が密着するように配設されており、また、この透明電極の下方には、電極間に印加される電圧に応じて液晶分子の配向を制御する配向膜(図示せず)が密着するように配設されている。
【0022】
一方、背面側に位置する他方の透明基板1の上面には、銀系合金等の金属膜からなる高反射タイプの反射層2が配設されている。本実施形態において、前記反射層2は、銀(Ag)とパラジウム(Pd)の合金に、インジウム酸化物層、シリカ(SiO)層を積層した、85%以上の高反射率を得られる構成のものを使用する。この反射膜2上に透明樹脂からなる段差層3が形成された反射領域Aと、前記反射膜2が形成されていない透過領域Bとが形成されている。
【0023】
前記反射領域Aの段差層3及び透過領域Bの透明基板1の上面には、各ドットを格子状に区画して配置する遮光膜4が形成されており、この遮光膜4により区画された各ドット内の前記反射領域Aの段差層3及び透過領域Bの透明基板1の上面には、赤(R)、緑(G)および青(B)の各色のカラーフィルタ層5R,5G,5Bが上面を面一にして形成されている。なお、ここでドットとは、カラー画像を形成する1画素表示中における赤、緑、青の各1色単位をいう。
【0024】
また、この半透過反射型液晶表示パネルにおいては、各ドットの反射領域Aに形成される赤、緑、青の各色のカラーフィルタ層5の、隣位する異なる色のドットの配設側には開口部(以下、CF開口部)6が形成されている。
【0025】
前記赤のカラーフィルタ層5Rに形成されたCF開口部6R、および、緑のカラーフィルタ層5Gに形成されたCF開口部6Gおよび青のカラーフィルタ層5Bに形成されたCF開口部6Bは、前記赤のカラーフィルタ層5に形成されたCF開口部6Rの面積をr、前記緑のカラーフィルタ層5に形成されたCF開口部6Gの面積をg、そして、前記青のカラーフィルタ層5に形成されたCF開口部6Bの面積をbとした場合において、前記r,g,bの関係が、b<r、b<gであり、かつ、(7/20)・(r+g)≧b≧0となるように形成されている。なお、図1および図2に示す本実施形態においては、前記r=gとしたが、r≠gであっても構わない。
【0026】
そして、前記カラーフィルタ層5、前記CF開口部6に露出する段差層3及び遮光膜4の上にはカラーフィルタ層5の保護および平滑化のための保護膜7が形成されている。
【0027】
前記視認側に位置する一方の透明基板と背面側に位置する他方の透明基板1はシール材(図示せず)を介して貼り合わせられ、液晶注入口(図示せず)から液晶が注入されて、半透過反射型液晶表示素子が形成されることとなる。
【0028】
また、視認側に位置する一方の透明基板の上面および背面側に位置する他方の透明基板1の下面には、光の振動方向を規制する役割を果たす偏光板(図示せず)がそれぞれ配設されている。
【0029】
そして、本実施形態の半透過反射型の液晶表示素子において、視認側に位置する一方の透明基板と、この上面に配設された前記偏光板とを接着させる接着層(図示せず)には、粒状ビーズが分散されて拡散性を得るようになされており、外部拡散のための光拡散層として機能するように構成されている。
【0030】
さらに、内部拡散を得るべく、前記背面側に位置する他方の透明基板1とその上面に配設される反射層2との間に表面が微細な凹凸により粗面化された光拡散層(図示せず)を配設した構成とされている。これらの光拡散層は任意の構成となるが、光拡散層を配設した場合には、より、高反射、高輝度の特性を示す液晶表示素子を得ることができる。
【0031】
そして、当該半透過反射型液晶表示パネルにおいては、前記液晶セルの反射層2の背面側にバックライトユニット(図示しない)が設けられており、外光が十分入射される場合には前記反射領域Aにおいて外光を反射層2で反射させ、その反射光を反射領域Aに形成されたカラーフィルタ層5に透過させてカラー画像を表示し、外光が入射されにくい等の場合には、前記反射層2を遮光膜4として作用させ、前記透過領域Bにおいてバックライトユニットからの照射光を透過領域Bに形成されたカラーフィルタ層5に透過させてカラー画像を表示するようになっている。
【0032】
このような構成の半透過反射型液晶表示パネルにおいては、前記CF開口部6を通過する外光または反射光は、カラーフィルタ層5による光の吸収が生じることがないので、色調の点では本来の目的の色調とは異なるものの、その輝度は増すことになる。そして、前記色調の問題はカラー表示全体として見た場合に他の部分で補うことが可能であり、結果として、このようなCF開口部6を形成した場合のカラー表示の方が鮮明なものとすることができる。
【0033】
そして、本実施形態の液晶表示素子においては、前記赤のカラーフィルタ層5に形成されたCF開口部6Rの面積r、前記緑のカラーフィルタ層5に形成されたCF開口部6Gの面積g、および、青のカラーフィルタ層5に形成されるCF開口部6Bの面積bの関係について、(7/20)・(r+g)≧b≧0とし、さらには、r=gとして形成したことで、青のカラーフィルタ層5を透過する光の量が、赤のカラーフィルタ層5を透過する光の量や緑のカラーフィルタ層5を透過する光の量よりも多くなるので、得られる反射光を青色系の強い光とすることができ、銀系合金からなる反射層を配設した場合の反射光の黄味着色の問題を解消することができる。
【0034】
なお、仮に本実施形態のようにr=gとせずに、r>b>≧g、あるいは、g>b≧rとして前記各CF開口部6R,6G,6Bを形成したとしても、(7/20)・(r+g)≧b≧0の式を満たせば、前記青のカラーフィルタ層5に形成されるCF開口部6Bの面積bは、必ず、赤のカラーフィルタ層5に形成されるCF開口部6Rの面積rと緑のカラーフィルタ層5に形成されるCF開口部6Gの面積gの平均以下の面積となるので、CF開口部6の面積が小さく形成された赤または緑の何れかのカラーフィルタ層5を透過する光とともに、青のカラーフィルタ層5を透過する光の量は、赤、緑、青の各カラーフィルタ層5を透過する光の量の平均以上となり、得られる反射光を青色系の強い光とすることができ、銀系合金からなる反射層を配設した場合の反射光の黄味着色の問題を解消することができる。
【0035】
ここで、前記赤のカラーフィルタ層5に形成されたCF開口部6Rの面積r、前記緑のカラーフィルタ層5に形成されたCF開口部6Gの面積g、および、青のカラーフィルタ層5に形成されるCF開口部6Bの面積bの関係について、(7/20)・(r+g)≧b≧0 とする根拠を、次の表1乃至表4に示す反射色調の検査結果を用いて説明する。
【0036】
【表1】
Figure 2004233532
【0037】
表1は、液晶表示素子の各ドットを構成する赤および緑の各反射領域Aにおけるカラーフィルタ層5の形成領域と非形成領域との面積比を80:20とした場合において、青の各反射領域Aにおけるカラーフィルタ層5の形成領域と非形成領域との面積比を、CF開口部6Rの面積rおよびCF開口部6Gの面積gと同一に80:20とした場合(第1ケース)、85:15とした場合(第2ケース)、90:10とした場合(第3ケース)、95:5とした場合(第4ケース)、CF開口部6Bを形成せずに100:0とした場合(第5ケース)の5つのケースについて、赤、緑、青の各色および白色Wの視感度透過率Yおよび色度座標値(x,y)等を求めた結果を示している。なお、前記カラーフィルタ層は色材として三菱化学社製RE0404シリーズを用いて1.2μm厚に形成した。
【0038】
【表2】
Figure 2004233532
【0039】
また、表2は、液晶表示素子の各ドットを構成する赤および緑の各反射領域Aにおけるカラーフィルタ層5の形成領域と非形成領域との面積比を70:30とした場合において、青の各反射領域Aにおけるカラーフィルタ層5の形成領域と非形成領域との面積比を、CF開口部6Rの面積rおよびCF開口部6Gの面積gと同一に70:30とした場合(第1ケース)、75:25とした場合(第2ケース)、80:20とした場合(第3ケース)、85:15とした場合(第4ケース)、CF開口部6Bを形成せずに100:0とした場合(第5ケース)の5つのケースについて、赤、緑、青の各色および白色Wの視感度透過率Yおよび色度座標値(x,y)等を求めた結果を示している。なお、カラーフィルタ層5は色材として三菱化学社製RE0404シリーズを用い、1.2μm厚に形成した。
【0040】
【表3】
Figure 2004233532
【0041】
そして、表3は、液晶表示素子の、各ドットを構成する赤および緑の各反射領域Aにおけるカラーフィルタ層5の形成領域と非形成領域との面積比を75:25とした場合において、青の各反射領域Aにおけるカラーフィルタ層5の形成領域と非形成領域との面積比を、CF開口部6Rの面積rおよびCF開口部6Gの面積gと同一に75:25とした場合(第1ケース)、80:20とした場合(第2ケース)、85:15とした場合(第3ケース)、90:10とした場合(第4ケース)、CF開口部6Bを形成せずに100:0とした場合(第5ケース)の5つのケースについて、赤、緑、青の各色および白色Wの視感度透過率Yおよび色度座標値(x,y)等を求めた結果を示している。なお、カラーフィルタ層5は色材として三菱化学社製RE0408シリーズを用い、1.2μm厚に形成した。
【0042】
【表4】
Figure 2004233532
【0043】
さらに、表4は、液晶表示素子の各ドットを構成する赤および緑の各反射領域Aにおけるカラーフィルタ層5の形成領域と非形成領域との面積比を65:35とした場合において、青の各反射領域Aにおけるカラーフィルタ層5の形成領域と非形成領域との面積比を、CF開口部6Rの面積rおよびCF開口部6Gの面積gと同一に65:35とした場合(第1ケース)、70:30とした場合(第2ケース)、75:25とした場合(第3ケース)、80:20とした場合(第4ケース)、CF開口部6Bを形成せずに100:0とした場合(第5ケース)の5つのケースについて、赤、緑、青の各色および白色Wの視感度透過率Yおよび色度座標値(x,y)等を求めた結果を示している。なお、カラーフィルタ層5は色材として三菱化学社製RE0408シリーズを用い、1.2μm厚に形成した。
【0044】
この表1乃至表4の検査結果に示すように、いずれの表に示す検査においても、前記CF開口部6Bの面積bを、CF開口部6Rの面積r、CF開口部6Gの面積gよりも小さく形成するにしたがって、透過光のホワイトバランスは好ましいものとなっている。
【0045】
そして、白色Wの色度座標値について、それぞれ、第1ケースに示す、前記赤のカラーフィルタ層5に形成されたCF開口部6Rの面積r、前記緑のカラーフィルタ層5に形成されたCF開口部6Gの面積g、および、青のカラーフィルタ層5に形成されるCF開口部6Bの面積bを同一面積に形成した場合(従来の構成)の白色Wの色度座標値(x,y)の数値を約0.005ずつ改善し、黄味着色の問題を解消することができたケースは、いずれの表に示す検査結果においても第3ケースから第5ケースの場合であった。
【0046】
そして、この4つの表に示す検査における各5つのパターンの結果を前記赤のカラーフィルタ層5に形成されたCF開口部6Rの面積r、前記緑のカラーフィルタ層5に形成されたCF開口部6Gの面積g、および、青のカラーフィルタ層5に形成されるCF開口部6Bの面積bの関係で勘案することにより、(7/20)・(r+g)≧b≧0 の式を導くことができた。
【0047】
次に、本発明のより具体的な液晶表示素子(実施例)の反射表示に関する光学特性の検査結果について、表4を用いて従来の構成の液晶表示素子(比較例)と比較し、説明する。
【0048】
【表5】
Figure 2004233532
【0049】
本実施例は、前記反射層2を銀(Ag)とパラジウム(Pd)の合金に、インジウム酸化物層、シリカ(SiO)層を積層した、85%以上の高反射率を得られる構成のものを使用し、カラーフィルタ層5は色材として三菱化学社製RE0404シリーズを用い、1.1μm厚に形成した液晶表示素子において、各ドットを構成する赤および緑の各反射領域Aにおけるカラーフィルタ層5の形成領域と非形成領域との面積比を79:21とし、青の各反射領域Aにおけるカラーフィルタ層5については、前記CF開口部6Bを形成しない、つまり、前記形成領域と非形成領域との面積比を100:0とした試料を用いて、赤、緑、青の各色および白色Wの視感度透過率Yおよび色度座標値(x,y)等を求めた。
【0050】
その結果の白色Wの視感度透過率Yは46.2、色度座標値(x,y)は(0.298,0.301)であった。
【0051】
一方、比較例は、前述の本実施例の液晶表示素子において、各ドットを構成する赤、緑および青の各反射領域Aにおけるカラーフィルタ層5の形成領域と非形成領域との面積比をすべて同一に79:21とした試料を用いて、赤、緑、青の各色および白色Wの視感度透過率Yおよび色度座標値(x,y)等を求めた。
【0052】
その結果の白色Wの視感度透過率Yは52.2、色度座標値(x,y)は(0.308,0.312)であった。
【0053】
この結果に示すように、具体的な本実施例に示す液晶表示素子は、従来例の液晶表示素子に比して、白色Wの色度座標値を約0.01ずつ改善したものとなり、黄味着色を除去して、良好な視認性を有するものとなった。
【0054】
なお、本発明は、前述した実施形態および実施例に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、前記カラーフィルタ層は視認側の透明基板に配設してもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の液晶表示素子によれば、反射表示において、前記反射光の黄味着色の発生を抑制することができ、良好な表示特性を示す液晶表示素子を得ることができるなどの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示素子の基本的な構造を示す要部平面図
【図2】図1の液晶表示素子の要部断面図
【符号の説明】
1 透明基板
2 反射層
3 段差層
4 遮光膜
5 カラーフィルタ層
6 CF開口部
7 保護膜
A 反射領域
B 透過領域

Claims (2)

  1. 視認側に位置する透明基板と背面側に位置する透明基板との間に液晶層が配置された液晶セルの透明電極が対向配置されてなる各画素内に、前記背面側に位置する透明基板の内面に銀系合金からなる反射層が形成された領域を設け、前記反射層が形成された領域の上方に赤、緑、青の各色カラーフィルタ層が形成されており、前記各色カラーフィルタ層は少なくとも一つがカラーフィルタ層を構成しない開口部を有する液晶表示素子において、前記各色カラーフィルタ層の各開口部は、前記赤のカラーフィルタ層に形成された開口部の面積をr、前記緑のカラーフィルタ層に形成された開口部の面積をg、そして、前記青のカラーフィルタ層に形成された開口部の面積をbとした場合、前記bは少なくともrまたはgのいずれかよりも小さいことを特徴とする液晶表示素子。
  2. 前記r、g、bが、(7/20)・(r+g)≧b≧0 の関係である請求項1に記載の液晶表示素子。
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