JP2003201815A - エンジンオイルのリターン通路 - Google Patents

エンジンオイルのリターン通路

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JP2003201815A JP2002276460A JP2002276460A JP2003201815A JP 2003201815 A JP2003201815 A JP 2003201815A JP 2002276460 A JP2002276460 A JP 2002276460A JP 2002276460 A JP2002276460 A JP 2002276460A JP 2003201815 A JP2003201815 A JP 2003201815A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数や製造工数の増大を招かずに形成す
ることができ、また車両姿勢や運転状況の変化に影響さ
れ難い位置にエンジンを大型化せずに排油口を形成し得
るように構成されたエンジンオイルのリターン通路を提
供する。 【解決手段】 シリンダヘッド側からオイルパン(5)
へとエンジンオイルを戻すためのエンジンオイルのリタ
ーン通路の一部(下流部42)を、バランサシャフト
(13L・13R)を回転自在に受容すべくクランクシ
ャフト(1)の下方に設けられたハウジング(14U・
14L)に内設するものとする。これにより、エンジン
自体の部品点数や製造工数の増大を招かずに、オイルパ
ン内の油面下に開口したエンジンオイルのリターン通路
を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バランサシャフト
を回転自在に受容したハウジングをクランク軸の下方に
備えたエンジンに設けられたエンジンオイルのリターン
通路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シリンダヘッドに設けられた動弁機構を
潤滑し且つ冷却したエンジンオイルは、シリンダブロッ
クなどに内設されたリターン通路を経てオイルパンに戻
されるが、ミスト化した油分がブローバイガス中に混入
しないようにするために、クランクケース内で高速回転
しているクランクシャフトにリターンオイルが触れない
ようにすることが好ましい。
【0003】このための手法として、シリンダブロック
に内設されたリターン通路の下流端にオイルパン内の油
面下まで延びるパイプを接続した構造や、油面付近まで
延びるリターン通路をクランクケースに内設した構造
が、実開昭61−113910号公報に提案されてい
る。
【0004】
【特許文献1】実開昭61−113910号公報(第1
図、第2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構造による
と、パイプを用いるものは、別部材からなるパイプが必
要なために部品点数が増大する上、パイプを取り付ける
ための作業工数も増大する。またクランクケースにリタ
ーン通路を内設したものは、クランクケースの金型が複
雑化するためにこれも製造工数の増大を招く上、排油口
の位置設定自由度が低く、クランクケースの大型化を招
かずに車両姿勢や運転状況の変化に対して常に油面下に
没入する位置に排油口を設けることは困難である。
【0006】本発明は、このような従来技術の問題点を
解消すべく案出されたものであり、その第1の目的は、
部品点数や製造工数の増大を招かずに形成し得るように
構成されたエンジンオイルのリターン通路を提供するこ
とにある。
【0007】また本発明の第2の目的は、車両姿勢や運
転状況の変化に影響され難い位置にエンジンを大型化せ
ずに排油口を設けることができるように構成されたエン
ジンオイルのリターン通路を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、請求項1の発明においては、シリンダヘッド
側からオイルパン(5)へとエンジンオイルを戻すため
のエンジンオイルのリターン通路の少なくとも一部(下
流部42)を、バランサシャフト(13L・13R)を
回転自在に受容すべくクランクシャフト(1)の下方に
設けられたハウジング(14U・14L)に内設するも
のとした。
【0009】このようにすれば、エンジン自体の部品点
数や製造工数の増大を招かずに、オイルパン内の油面下
に開口したエンジンオイルのリターン通路を形成するこ
とができる。
【0010】また請求項2の発明においては、ハウジン
グを、上下に分割されたアッパハウジング及びロワハウ
ジングからなるものとし、これら両ハウジング同士の接
合面に当該リターン通路の少なくとも一部(溝42b・
42c)を形成するものとした。これにより、エンジン
の大型化を招くことなく任意の位置に排油口を位置させ
るように通路を引き回すことが比較的容易にできる上、
リターンオイルの勢いを減殺することができるので、オ
イルパン内のエンジンオイルが撹拌されずに済む。
【0011】また請求項3の発明においては、当該リタ
ーン通路の少なくとも一部(縦孔42a)を、バランサ
シャフト(13L・13R)の軸線と直交し且つバラン
サシャフトの軸受孔(22c)が通る平面上に設けるも
のとした。これにより、比較的剛性の高い軸受部の近傍
にリターン通路が設けられるので、ハウジングの剛性低
下を招かずに済む。
【0012】また請求項4の発明においては、当該リタ
ーン通路の少なくとも一部(縦孔42d)を、ハウジン
グをシリンダブロック或いはロワブロックに締結するボ
ルト挿通孔(45)よりも内側に、ボルト挿通孔の軸線
に沿って設けられるものとした。これにより、リターン
通路を設けることによるハウジングの大型化を回避し得
る。
【0013】さらに請求項5の発明においては、当該リ
ターン通路の排油口(43)と前記ハウジングの底面に
設けられたオイルストレーナ(25)の吸入口(29)
とを、バランサシャフトの軸線と直交する平面上に設け
るものとした。これにより、車両姿勢や運転状況が変化
しても油面下に没入する位置に排油口を設けることがで
きる。
【0014】特に排油口の開口する部分(筒状部44)
を、ハウジングの底面に一体形成されたオイルストレー
ナの取付部(28)に直接連結するもの(請求項6)と
すれば、車両姿勢や運転状況の変化に影響されないばか
りでなく、排油口が開口する部分の剛性を高めることが
できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に添付の図面を参照して本発
明について詳細に説明する。
【0016】図1及び図2は、本発明が適用されたエン
ジンを示している。このエンジンEは、クランクシャフ
ト1を水平方向に延在させた直列4気筒エンジンであ
り、シリンダブロック2、ロワブロック3、つり合い装
置4、及びオイルパン5を備えており、クランクシャフ
ト1の軸線に直交する方向についてシリンダ軸線を傾斜
させて車体に搭載される。
【0017】つり合い装置4は、ピストンの往復運動に
起因して発生するエンジンEの二次振動を低減するため
のものであり、その左右両側端部に下方から挿通される
複数の通しボルトB1により、オイルパン5に内包され
た状態でロワブロック3の下面(クランクシャフト1の
下方)に締結される。このつり合い装置4は、クランク
シャフト1の前端部(以下、クランクプーリ側を前側と
する)のクランクプーリ6の背面側に固定された大スプ
ロケット7と、左側(以下、左右方向はクランクプーリ
に向かってのこととする)のバランサシャフト(後に詳
述する)の前端に固定された小スプロケット8と、大・
小両スプロケット6・7間に掛け渡されたリンクチェー
ン9とを介して伝達されるクランクシャフト1の回転力
により、回転駆動されるようになっている。
【0018】つり合い装置4は、実質的に同一形状をな
す左右一対のバランサシャフト13L・13Rと、これ
ら2本のバランサシャフト13L・13Rを互いに平行
に支持し且つ収容すべく、両バランサシャフト13L・
13Rの中心を通る平面に沿って上下に2分割されたア
ッパハウジング14U及びロワハウジング14Lとを備
えている。
【0019】両バランサシャフト13L・13Rは、各
バランサシャフト13L・13Rに一体結合されたヘリ
カルギヤ15(一方のみを図示する)によって互いに連
動連結されている。ここで左バランサシャフト13Lに
は、上記の通り、大スプロケット7、小スプロケット
8、及びリンクチェーン9を介してクランクシャフト1
の駆動力が伝達され、これにより、クランクシャフト1
の2倍の回転速度でクランクシャフト1と同一方向へ左
バランサシャフト13Lが回転駆動される。そしてヘリ
カルギヤ15同士の噛合により、右バランサシャフト1
3Rがそれとは逆向きに回転駆動される。
【0020】両バランサシャフト13L・13Rには、
比較的小径の第1、第2ジャーナル部16a・16bが
ヘリカルギヤ15の前方に一体形成され、比較的大径の
第3、第4ジャーナル部16c・16dがヘリカルギヤ
15の後方に一体形成されている。また、各バランサシ
ャフト13L・13Rの後側部分には、回転中心から径
方向外側に重心位置を偏倚させ、且つ第3ジャーナル部
16cを挟んで前後に2分割されたカウンタウェート部
17が一体形成されている。
【0021】前後カウンタウェート部17の第3ジャー
ナル部16cを挟む対向端部には、拡径されたフランジ
部18がそれぞれ形成されている。これらフランジ部1
8の互いの対向端面には、スラスト受面19が形成され
ている。
【0022】カウンタウェート部17をできるだけ小さ
くした上で所期の等価回転質量を得るために、カウンタ
ウェート部17の軸部20は比較的細径とされている。
そして径を細くしたことによる剛性低下を補うために、
ヘリカルギヤ15の取付部と第3ジャーナル部16cの
前側に設けられたフランジ部18との間、並びに第3ジ
ャーナル部16cの後側に設けられたフランジ部18と
第4ジャーナル部16dとの間を軸線方向について接続
するリブ21が、両軸部20の反ウェート側の全長に渡
る部分に設けられている。これらのリブ21は、リブ2
1を設けたことによる重量増大を最小限に抑え、かつ応
力分布を最適化するために、各カウンタウェート部17
の軸線方向中央へ行くに従って高さ寸法が小さくなるテ
ーパ形状とされている。
【0023】他方、両バランサシャフト13L・13R
の各ジャーナル部16a〜16dは、アッパ、ロワ両ハ
ウジング14U・14Lを互いに接合させることによっ
て形成される2つ割の第1〜第4軸受孔22a〜22d
に支持される。
【0024】各軸受孔22a〜22dにおけるロワハウ
ジング14L側の半割部分に両バランサシャフト13L
・13Rの各ジャーナル部16a〜16dをそれぞれ載
置し、更にこの状態で各軸受孔22a〜22dにおける
アッパハウジング14U側の半割部分を両バランサシャ
フト13L・13Rの各ジャーナル部16a〜16dに
整合させた上でアッパ、ロワ両ハウジング14U・14
Lを互いに接合させることにより、両バランサシャフト
13L・13Rが両ハウジング14U・14L内に回転
自在に収容されることとなる。そして前記したスラスト
受面19は、第3軸受孔22cを形成した軸受壁23c
の前後両端面に当接してスラスト力を受け止めるように
なっている。
【0025】図3に併せて示すように、アッパ、ロワ両
ハウジング14U・14Lは、適宜な位置に上方から挿
通された複数のボルトB2と、第3、第4軸受孔22c
・22dが設けられた各軸受壁23c・23dを貫通し
て下方から挿通された各3本のボルトB3とで締結され
ており、特にカウンタウェート部17の回転による径方
向の加速度が作用する軸受壁23c・23dの部分に緩
みが生じ難くなるように配慮されている。
【0026】ロワハウジング14Lの前端面には、エン
ジン各部へ潤滑油を圧送するためのトロコイド式の潤滑
油ポンプ(図示せず)を内設したポンプハウジング24
がボルト止めされている。この図示されていない潤滑油
ポンプは、右バランサシャフト13Rの軸端に設けられ
ており、右バランサシャフト13Rが回転すると、ロワ
ハウジング14Lの底壁に取り付けられたオイルストレ
ーナ25からロワハウジング14Lの一側壁に内設され
た管状通路26を経てオイルパン5内の潤滑油を吸引
し、エンジン各部へと圧送するようになっている。
【0027】オイルストレーナ25を保持するストレー
ナカバー27の取付部28は、ロワハウジング14Lに
おける2つのバランサシャフトのうちの低い側、つまり
左バランサシャフト13Lの下方位置に一体形成されて
いる。このストレーナカバー取付部28は、概ね円筒状
をなし、アッパハウジング14Uとロワハウジング14
Lとを相互に締結するためのボルトB3のうちの2つの
バランサシャフト13L・13R同士間に設けられたボ
ルトと低い側の左バランサシャフト13Lの外側方に設
けられたボルトとの間にその中心を配すると共に、ロワ
ハウジング14Lの前後方向中間部における第3軸受孔
22cの半割部が設けられた軸受壁23cにその外周部
が連結されている。これにより、アッパハウジング14
Uとロワハウジング14Lとを締結する軸受壁23cの
剛性の増強を図っている。また、ロワハウジング14L
の一側壁に一体形成された管状通路26は、ポンプハウ
ジング24の接合面へとその終端が至っている。
【0028】管状通路26の終端部の側方に隣接する位
置には、ロワブロック3に対する締結ボルトB1のうち
の1つを挿通する締結ボス30が設けられており、ロワ
ブロック3に対するつり合い装置4の締結剛性を高める
のに寄与している。
【0029】上記の如く、オイルストレーナ25は、ロ
ワハウジング14Lの底壁における2つのバランサシャ
フトのうちの低い側の左バランサシャフト13Lの下方
に直接取り付けられており、クランクシャフト1の中心
を通る垂直面に近接する位置、即ちエンジンEの重心位
置の概ね直下にその中心部を配している。このようにし
て、ストレーナカバー取付部28を下方へ大きく延出せ
ずに、オイルパン5の最下底部における最も液面変動が
少ない位置にストレーナカバー27の吸入口29を位置
させている。従って、走行中の前後加速度や遠心力で潤
滑油の液面が変動しても、オイルの吸い込みが悪化せず
に済む。
【0030】アッパ、ロワ両ハウジング14U・14L
の左側壁31U・31Lにおける互いの接合面のそれぞ
れには、図4及び図5に示したように、バランサシャフ
トの軸線に概ね平行に延在する軸方向油路32が凹設さ
れている。そしてこの軸方向油路32からバランサシャ
フトの径方向に沿って分岐して第2〜第4軸受孔22b
〜22dへと至る径方向油路33b〜33dが、各軸受
孔に対応する第2〜第4軸受壁23b〜23dの接合面
に凹設されている。
【0031】アッパハウジング14Uの第2軸受壁23
bには、アッパ、ロワ両ハウジング14U・14Lを締
結するボルトB2の挿通孔H2同士間を左右の軸受孔2
2bの内周面を経て連結するように、前側径方向油路3
3bが凹設されている。そして第3軸受壁23cには、
アッパ、ロワ両ハウジング14U・14Lを締結するボ
ルトB3が螺合する雌ねじ孔T3同士間を左右の軸受孔
22cの内周面を経て連結するように、中央径方向油路
の上側半分33c/Uが凹設されている。
【0032】ロワハウジング14Lの第3軸受壁23c
には、アッパ、ロワ両ハウジング14U・14Lを締結
するボルトB3の挿通孔H3同士間を、左右両軸受孔2
2cの内周面を経て連結するように、中央径方向油路の
下側半分33c/Lが凹設されている。そして第4軸受
壁23dには、左側の軸受孔22dの内周面と中央のボ
ルト挿通孔H3とを経て右側の軸受孔22dの内周面の
一部にかけて後側径方向油路33dが凹設されている。
【0033】これらの油路は、それぞれの断面形状が例
えば半円形をなすように、各ハウジング14U・14L
の鋳造工程で形成されており、特に軸方向油路32の全
ての部分並びに径方向油路33b〜33dの一部分は、
アッパ、ロワ両ハウジング14U・14Lを接合すると
概ね真円輪郭の孔となるようにされている。
【0034】アッパハウジング14Uの第3軸受壁23
cに設けられた中央径方向油路33cの右側の端末に
は、ロワブロック3の下面にアッパハウジング14Uを
接合した際にロワブロック3に設けられたエンジンオイ
ル供給通路(図示せず)に連通するように、シリンダ軸
線に沿う貫通孔34が穿設されており、ロワブロック3
から中央径方向油路33cに流入したエンジンオイル
は、図6に示したように、第3軸受孔22cに装着され
たメタル軸受け35に開けられた油孔36から第3ジャ
ーナル部16cとの摺接面にその一部が供給され、残り
が軸方向油路32に流入し、そこから前後の第2軸受壁
23b並びに第4軸受壁23dの径方向油路33b・3
3dへと分流する。
【0035】前側径方向油路33bへと流れたエンジン
オイルは、上記と同様の要領にて、アッパハウジング1
4U側の第2軸受孔22bに装着されたメタル軸受けに
開けられた油孔から第2ジャーナル部16bとの摺接面
にその一部が供給された後、第2軸受壁23bにおける
左側の軸受孔22b/Lからドリル孔で形成された連結
路37を経て、第1軸受孔22aにも供給される。また
その残りは、前側径方向油路33bの端末Enに連通す
るようにロワハウジング14Lにおけるポンプハウジン
グ24との接合面から穿設されたドリル孔38から流出
し、この先に設けられた図示されていないチェーンテン
ショナ装置などへと供給される。
【0036】後側径方向油路33dへと流れたエンジン
オイルは、上記と同様の要領にて、ロワハウジング14
L側の第4軸受孔22dに装着されたメタル軸受けに開
けられた油孔から第4ジャーナル部16dとの摺接面に
供給される。
【0037】他方、エンジンEのシリンダブロック2及
びロワブロック3におけるクランクシャフト1の軸線方
向の中央部には、シリンダヘッド側からオイルパン5内
へとエンジンオイルを戻すためのリターン通路41が鋳
抜きにて形成されている。このリターン通路41は、ロ
ワブロック3の下面に開口し、ロワブロック3の下面に
接合されたつり合い装置4のアッパハウジング14U及
びロワハウジング14Lに内設されたリターン通路(後
に詳述する)に接続される。
【0038】アッパハウジング14Uには、図7に併せ
て示すように、第3軸受壁23cの左端と左側壁31U
との接続部にて上下に貫通する縦孔42aと、この縦孔
42aの下端に端を発してロワハウジング14Lとの接
合面上にて前方へ延出された断面形状が半円形の溝42
bとが形成されている。
【0039】縦孔42aは、上記ロワブロック3のリタ
ーン通路41の下端開口に接続する位置に設けられてい
るが、これはバランサシャフトの軸線と直交し且つ第3
軸受壁23cが含まれる平面上に位置している。つま
り、バランサシャフトの軸受孔が設けられた軸受壁は剛
性が比較的高いので、この部分にリターン通路の一部を
設けることにより、アッパハウジング14Uの剛性低下
を抑制するようにしている。
【0040】ロワハウジング14Lの左側壁31Lに
は、アッパハウジング14Uの溝42bに整合する断面
形状が半円形の溝42cがアッパハウジング14Uとの
接合面に形成され、この溝42cの前端に端を発して上
下に貫通する縦孔42dが、左側壁31Lの肉厚内に形
成されている。この縦孔42dの開口、つまり排油口4
3は、ロワハウジング14Lに一体形成されたストレー
ナカバー取付部28の左側部に直接連結された筒状部4
4の下端面、換言すると、オイルストレーナ25を保持
したストレーナカバー27に設けられた吸入口29の左
側方に隣接する位置に開口するように設けられている。
つまり、エンジンオイルの吸入口29と排油口43と
は、バランサシャフトの軸線と直交する概ね同一の平面
上に設けられており、車両姿勢や運転状況の変化に影響
されることなく、排油口43が油面下に没入するように
している。
【0041】排油口43は、ロワハウジング14Lをシ
リンダブロック或いはロワブロックに締結するボルトB
1のうちの1つが挿通される挿通孔45よりも内方(バ
ランサシャフト側)で、挿通孔45(ボルトB1)の軸
線に沿って設けられている。また排油口43は、ボルト
B1の締結部、即ち挿通孔45が設けられた部分とロワ
ハウジング14L底面のストレーナカバー取付部28と
の間に設けられ、その中心は、真円輪郭のストレーナカ
バー取付部28の中心に対してバランサシャフトの軸線
方向について後方へずらされている。
【0042】このようにすることにより、ボルトB1の
締結部とストレーナカバー取付部28との間のスペース
を有効活用し得るので、バランサシャフトの軸線と直交
する方向、つまりロワハウジング14Lの外方へのリタ
ーン通路の張り出し量を低減してロワハウジング14L
の大型化を抑制することができる。しかもリターン通路
を設けても、ロワハウジング14Lに剛性低下が生じな
いようにすることができる。
【0043】また、排油口43は、オイルストレーナと
オイルポンプ間を連通する管状通路26の始端に対し、
バランサシャフトの軸線方向について後方へオフセット
した位置に設けられている。これにより、オイルを供給
する管状通路26とオイルを戻すリターン通路とがバラ
ンサシャフトの軸線と直交する平面上で互いに重なり合
わないので、リターン通路の構成が複雑化せずに済み、
しかもロワハウジング14Lの剛性が低下せずに済む。
【0044】これらの縦孔42a・42dと溝42b・
42cとは、アッパ、ロワ両ハウジング14U・14L
を接合すると、クランク状に曲折してつり合い装置4内
を上下に連通するオイルリターン通路の一部としての下
流部42を形成するようになっており、ロワブロック3
に内設されたリターン通路41を経てシリンダヘッド側
から流入したエンジンオイルは、このリターン通路の下
流部42を経てオイルパン5内へと戻されるようになっ
ている。
【0045】上記のように構成することにより、アッパ
ハウジング14Uの縦孔42aをロワブロック3のリタ
ーン通路41の開口に接続する位置に設けた上で、ロワ
ハウジング14Lの縦孔42dの開口端、つまり排油口
43を適宜な位置に配置することができ、特に、オイル
パン5の最下底部における最も液面変動が少ない位置に
設けられたストレーナカバー27の吸入口29に隣接さ
せることにより、車両姿勢や運転状況の変化に関わら
ず、油面OLの下方に常に没入する位置に排油口43を
設けることができるので、オイルパン5内のエンジンオ
イルへのエア混入を防止できる。しかも筒状部44はス
トレーナカバー取付部28と一体なので高い剛性が得ら
れる上、その下端面がストレーナカバー取付部28と同
一位置まで延出されているので、ストレーナカバー取付
部28と筒状部44の開口面とを同時加工できるため、
加工工数を増大させずに済む。また、溝42b・42c
をバランサシャフト13L・13Rの軸線に沿って延在
させることにより、アッパ・ロワ両ハウジング14U・
14Lの側方への張り出し量を最小限に抑えている。
【0046】これらに加えて、エンジンオイルがロワブ
ロック3側から勢いよく流入しても、ロワハウジング1
4Lの溝42cに当たることでその勢いが減殺され、排
油口43からの流出速度が低くなるので、オイルパン5
内に貯要されたエンジンオイルが撹拌されずに済み、油
面OLの下方に排油口43が常に没入していることと相
俟って、空気を巻き込んでエンジンオイルが泡立ったり
する不都合が生じないようにすることができる。
【0047】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、シリンダヘッド側からオイルパンへとエンジンオ
イルを戻すためのリターン通路の一部をつり合い装置の
ハウジングに内設するものとしたので、エンジン自体の
部品点数や製造工数を削減する上に大きな効果を奏する
ことができる。
【0048】また請求項2の発明によれば、アッパ、ロ
ワ両ハウジング同士の接合面にリターン通路の一部を形
成するものとしたので、排油口の位置設定自由度が高め
られる上、リターンオイルの流出速度を低下させること
ができる。
【0049】また請求項3の発明によれば、バランサシ
ャフトの軸線と直交し且つバランサシャフトの軸受孔が
通る平面上、つまり比較的剛性の高い軸受部の近傍にリ
ターン通路の一部を設けるものとしたので、ハウジング
の剛性低下を招かずに済む。
【0050】また請求項4の発明によれば、ハウジング
をシリンダブロック或いはロワブロックに締結するボル
ト挿通孔よりも内側に、ボルト挿通孔の軸線に沿ってリ
ターン通路の一部を設けるものとしたので、リターン通
路を設けることによるハウジングの大型化を回避し得
る。
【0051】さらに請求項5の発明によれば、リターン
通路の排油口とハウジングの底面に設けられたオイルス
トレーナの吸入口とを、バランサシャフトの軸線と直交
する平面上に設けるものとしたので、車両姿勢や運転状
況の変化の影響を受け難くする上に大きな効果が得られ
る。特に、排油口の開口する部分をハウジングの底面に
一体形成されたオイルストレーナの取付部に直接連結す
るものとした請求項6の発明によれば、車両姿勢や運転
状況の変化の影響を受け難くなるばかりでなく、排油口
の開口する部分の剛性を高める上に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたエンジンの要部を一部切除
して表した正断面図
【図2】図1中のII−II線に沿う部分的な側断面図
【図3】つり合い装置のロワハウジングの底面図
【図4】つり合い装置のアッパハウジングの下面図
【図5】つり合い装置のロワハウジングの上面図
【図6】第3軸受壁の部分的な断面図
【図7】図2中のVII−VII線に沿う部分的な断面図
【符号の説明】
1 クランクシャフト 4 つり合い装置 5 オイルパン 13L・13R バランサシャフト 14U アッパハウジング 14L ロワハウジング 22c 軸受孔 28 ストレーナカバー取付部 42 リターン通路の下流部 42a・42d 縦孔 42b・42c 溝 43 排油口 44 筒状部 45 ボルト挿通孔
フロントページの続き (72)発明者 村上 修 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3G013 AA07 BD04 BD41 BD47

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッド側からオイルパンへとエ
    ンジンオイルを戻すためのエンジンオイルのリターン通
    路であって、 当該エンジンは、バランサシャフトを回転自在に受容し
    たハウジングをクランクシャフトの下方に備えるもので
    あり、 当該リターン通路は、前記ハウジングにその少なくとも
    一部が内設されるものであることを特徴とするエンジン
    オイルのリターン通路。
  2. 【請求項2】 前記ハウジングは、上下に分割されたア
    ッパハウジング及びロワハウジングからなるものであ
    り、これら両ハウジング同士の接合面に当該リターン通
    路の少なくとも一部が形成されていることを特徴とする
    請求項1に記載のエンジンオイルのリターン通路。
  3. 【請求項3】 当該リターン通路の少なくとも一部は、
    前記バランサシャフトの軸線と直交し、且つ前記バラン
    サシャフトの軸受孔が通る平面上に設けられるものであ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンオ
    イルのリターン通路。
  4. 【請求項4】 当該リターン通路の少なくとも一部は、
    シリンダブロック或いはロワブロックに前記ハウジング
    を締結するボルト挿通孔よりも内側に、ボルト挿通孔の
    軸線に沿って設けられるものであることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載のエンジンオイルのリタ
    ーン通路。
  5. 【請求項5】 当該リターン通路の排油口と前記ハウジ
    ングの底面に設けられたオイルストレーナの吸入口と
    は、前記バランサシャフトの軸線と直交する平面上に設
    けられるものであることを特徴とする請求項1乃至4の
    いずれかに記載のエンジンオイルのリターン通路。
  6. 【請求項6】 前記排油口が開口する部分は、前記ハウ
    ジングの底面に一体形成されたオイルストレーナの取付
    部に直接連結されるものであることを特徴とする請求項
    5に記載のエンジンオイルのリターン通路。
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