JP2003201701A - アスファルト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法 - Google Patents

アスファルト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期強度が高く鉄道道床の沈下を有効に防止
することができ、かつ工事費用の低廉なアスファルト系
構造材料を用いた鉄道道床の施工方法を提供する。 【解決手段】 120〜185゜Cまで加熱されたアス
ファルトに、強度を高める炭素繊維やマイカ粉末等の小
径混入部材を全体の30重量%以下の比率で、また流動
性を高める非晶質ポリオレフィン系樹脂やアニオン系ア
スファルト乳化剤を含む流動化材を全体の5重量%以下
の比率で混入させ撹拌して混成物を生成した後、混成物
を220〜260゜Cまで加熱し流動化させ、散布等に
より鉄道道床の骨材51間の間隙に填充させた後、冷却
により硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アスファルト系構
造材料を鉄道道床の骨材間に填充して硬化させるアスフ
ァルト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄道における有道床軌道は、かこ
う岩、安山岩、硬質砂岩等からなる稜角の多い砕石(骨
材)を路盤上に敷設して道床を形成し、その上にまくら
ぎを並設し、まくらぎ上に2本のレールを締結すること
により構成されていた。上記のうち、道床は、 走行する鉄道車両からレールとまくらぎを経て加えら
れる荷重を広い面積に分布させるとともに列車による衝
撃や振動を緩和させて路盤に伝達させることができるこ
と 軌道に弾性を与えるため列車の乗り心地が良好である
こと 路盤構造を変更することなく軌道の整正や変更等が容
易であること 構造が簡素であり建設費が低廉であること 等の長所を有していた。その反面、道床は、列車荷重の
繰り返しにより徐々に沈下していくため、所定の道床高
さ、道床形状等に維持するための保守作業が不可欠であ
り、そのために少なからぬ保守コストが必要である、と
いう問題があった。
【0003】列車走行により道床が沈下するのは、道床
砕石が細粒分の比較的少ない粒度分布(例えば粒径が1
5〜75mm程度)となっており、その初期には列車走
行により振動した上方の砕石が下方の砕石との間に存在
する間隙内に徐々に落ち込む過程(圧密過程)が生じる
ためであり、その後は列車振動によりまくらぎ下の砕石
が側方に移動する過程(側方流動過程)が生じるためで
ある。したがって、道床沈下を防止するための一つの対
策としては、砕石間の間隙を何らかの材料で填充し砕石
を固定することによりその移動を防止することが考えら
れる。これにより、道床の沈下を抑制することができれ
ば、有道床軌道の場合の鉄道の保守コストを低減するこ
とが可能となる。
【0004】このため、道床砕石間に加熱したアスファ
ルトを注入して硬化させる「アスファルト填充工法(例
えば、特許文献1参照)」、道床砕石間にセメントモル
タルを注入して硬化させる「モルタル填充工法」、道床
砕石間にポリエステルやエポキシ等の硬化性樹脂を注入
して硬化させる「樹脂填充工法」等の道床改良工法が考
えられ試みられていた。
【0005】
【特許文献1】特開平9−25605号公報(第1−6
頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の道床改良工法のうちアスファルト填充工法で
は、道床に要求される弾力性の点では良好であり、樹脂
填充工法よりも工事費用は低廉ではあったが、以下の短
所があった。
【0007】まず、アスファルトは、完全に硬化した後
での最終的な強度(以下、「最終強度」という。)は他
の填充材と遜色はないが、道床砕石間に注入可能な程度
に軟化させるため加熱された後に道床内に注入され冷却
により硬化して所定の強度を発現するまでにかなりの時
間が必要であり、注入後の初期の強度(以下、「初期強
度」という。)が低いことが挙げられる。一方、すでに
営業を開始した鉄道線路(以下、「営業線」という。)
においては、鉄道車両の走行の妨げにならないように、
道床改良等の工事は、その区間を列車の走行しない時間
帯(間合い)や夜間に行われ、短時間での施工完了が要
求され、アスファルト注入後1時間程度での列車走行の
開始等が要求される場合も少なくない。しかし、上記し
たように、アスファルトの初期強度はそれほど高くない
ため、注入後1時間程度の時間経過では道床砕石を固定
する力が弱く、道床沈下防止性能が不足する場合が多か
った。また、アスファルトは、周囲の温度が高温になる
と、自然に軟化する傾向があり、夏期に道床沈下防止性
能が低下する可能性もあった。
【0008】また、モルタル填充工法の場合は、アスフ
ァルトに比べて強度が高いと考えられ、道床沈下防止性
能の点では満足すべき結果が得られたが、耐凍結融解性
が低く、長期間の使用に伴い冬期にひび割れ等が発生す
る可能性があった。
【0009】また、樹脂填充工法の場合は、アスファル
トに比べて強度は高いと考えられ、道床沈下防止性能の
点では満足すべき結果が得られたが、工事単価が高く、
特に、施工延長距離の長い鉄道においては、全体の工事
費用が非常に高価になる、という問題があった。
【0010】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、初
期強度が高く鉄道道床の沈下を有効に防止することがで
き、かつ工事費用の低廉なアスファルト系構造材料を用
いた鉄道道床の施工方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の請求項1に係るアスファルト系構造材料を
用いた鉄道道床の施工方法は、アスファルトを120〜
185゜Cまで加熱した後、前記アスファルトに、強度
を高める小径混入部材と、流動性を高める流動化材を混
入させ撹拌して混成物を生成する工程と、次いで、前記
混成物を220〜260゜Cまで加熱して溶融させ流動
状態のアスファルト系構造材料を生成する工程と、次い
で、前記流動状態のアスファルト系構造材料を、鉄道の
道床の骨材のうち、まくらぎ側方から路盤直上までの骨
材間の間隙に填充させた後に冷却により硬化させる工程
を有するアスファルト系構造材料を用いた鉄道道床の施
工方法であって、前記小径混入部材としては、金属材
料、又はセラミックス系材料、又は岩石鉱物系材料、又
は炭素、又はガラス系材料、又は合成樹脂、又は植物性
材料、又は動物性材料からなり、長さが1〜10mmで
直径が0.01〜1mmの短尺小径繊維、若しくは、金
属材料、又はカルシウム系材料、又はセラミックス系材
料、又は岩石鉱物系材料、又は陶磁系材料、又は炭素、
又はガラス系材料、又はマイカ系材料、又は合成樹脂か
らなり直径が10〜100μmの微細粉末が用いられる
とともに、前記アスファルト系構造材料全体に対する重
量比率が30%以下であり、前記流動化材としては、非
晶質ポリオレフィン系樹脂及びアニオン系アスファルト
乳化剤が用いられ、前記アスファルト系構造材料全体に
対する重量比率が5%以下であることを特徴とする。
【0012】また、本発明の請求項2に係るアスファル
ト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法は、アスファ
ルトを120〜185゜Cまで加熱した後、前記アスフ
ァルトに、強度を高める小径混入部材と、流動性を高め
る流動化材を混入させ撹拌して混成物を生成する工程
と、次いで、前記混成物を220〜260゜Cまで加熱
して溶融させ流動状態のアスファルト系構造材料を生成
する工程と、次いで、前記流動状態のアスファルト系構
造材料を、鉄道の道床の骨材のうち、まくらぎ側方から
路盤直上までの骨材間の間隙に填充させた後に冷却によ
り硬化させる工程を有するアスファルト系構造材料を用
いた鉄道道床の施工方法であって、前記小径混入部材と
しては、金属材料、又はセラミックス系材料、又は岩石
鉱物系材料、又は炭素、又はガラス系材料、又は合成樹
脂、又は植物性材料、又は動物性材料からなり、長さが
1〜10mmで直径が0.01〜1mmの短尺小径繊
維、若しくは、金属材料、又はカルシウム系材料、又は
セラミックス系材料、又は岩石鉱物系材料、又は陶磁系
材料、又は炭素、又はガラス系材料、又はマイカ系材
料、又は合成樹脂からなり直径が10〜100μmの微
細粉末が用いられるとともに、前記アスファルト系構造
材料全体に対する重量比率が30%以下であり、前記流
動化材としてはアニオン系アスファルト乳化剤が用いら
れ、前記アスファルト系構造材料全体に対する重量比率
が5%以下であることを特徴とする。
【0013】また、本発明の請求項3に係るアスファル
ト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法は、請求項1
又は請求項2に記載のアスファルト系構造材料を用いた
鉄道道床の施工方法において、前記小径混入部材が導電
性を有する場合は、前記アスファルト系構造材料全体に
対する重量比率は5%以下に設定されることを特徴とす
る。
【0014】また、本発明の請求項4に係るアスファル
ト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法は、請求項1
記載のアスファルト系構造材料を用いた鉄道道床の施工
方法において、前記非晶質ポリオレフィン系樹脂は、1
個の炭素間二重結合を有する不飽和炭化水素であるオレ
フィンの重合により生成される樹脂状物質のうちアモル
ファス状又はゴム状のものであって、ポリエチレン、又
はポリプロピレン、又はポリブテンを含むことを特徴と
する。
【0015】また、本発明の請求項5に係るアスファル
ト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法は、請求項1
又は請求項2に記載のアスファルト系構造材料を用いた
鉄道道床の施工方法において、前記アニオン系アスファ
ルト乳化剤は、松の樹脂から抽出される粗製テレビン油
を蒸留して得られるロジン、又は植物の木質部を形成す
るリグニン、又は前記ロジンと脂肪酸とステロールと高
分子アルコールを有するトールオイルのカルボン酸又は
スルフォン酸のアルカリ金属塩、脂肪酸又は高級アルコ
ール硫酸エステル又はアルキルベンゼンスルフォン酸の
アルカリ金属塩を含むことを特徴とする。
【0016】また、本発明の請求項6に係るアスファル
ト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法は、アスファ
ルトを120〜185゜Cまで加熱した後、前記アスフ
ァルトに、強度を高める小径混入部材と、流動性を高め
る流動化材を混入させ撹拌して混成物を生成する工程
と、次いで、前記混成物を220〜260゜Cまで加熱
して溶融させ流動状態のアスファルト系構造材料を生成
する工程と、次いで、前記流動状態のアスファルト系構
造材料を、鉄道の道床の骨材のうち、まくらぎ側方から
前記まくらぎ下方までの骨材間の間隙に填充させた後に
冷却により硬化させる工程と、次いで、前記道床の側面
を舗装する工程を有するアスファルト系構造材料を用い
た鉄道道床の施工方法であって、前記小径混入部材とし
ては、金属材料、又はセラミックス系材料、又は岩石鉱
物系材料、又は炭素、又はガラス系材料、又は合成樹
脂、又は植物性材料、又は動物性材料からなり、長さが
1〜10mmで直径が0.01〜1mmの短尺小径繊
維、若しくは、金属材料、又はカルシウム系材料、又は
セラミックス系材料、又は岩石鉱物系材料、又は陶磁系
材料、又は炭素、又はガラス系材料、又はマイカ系材
料、又は合成樹脂からなり直径が10〜100μmの微
細粉末が用いられるとともに、前記アスファルト系構造
材料全体に対する重量比率が30%以下であり、前記流
動化材としては、非晶質ポリオレフィン系樹脂及びアニ
オン系アスファルト乳化剤が用いられ、前記アスファル
ト系構造材料全体に対する重量比率が5%以下であるこ
とを特徴とする。
【0017】また、本発明の請求項7に係るアスファル
ト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法は、アスファ
ルトを120〜185゜Cまで加熱した後、前記アスフ
ァルトに、強度を高める小径混入部材と、流動性を高め
る流動化材を混入させ撹拌して混成物を生成する工程
と、次いで、前記混成物を220〜260゜Cまで加熱
して溶融させ流動状態のアスファルト系構造材料を生成
する工程と、次いで、前記流動状態のアスファルト系構
造材料を、鉄道の道床の骨材のうち、まくらぎ側方から
前記まくらぎ下方までの骨材間の間隙に填充させた後に
冷却により硬化させる工程と、次いで、前記道床の側面
を舗装する工程を有するアスファルト系構造材料を用い
た鉄道道床の施工方法であって、前記小径混入部材とし
ては、金属材料、又はセラミックス系材料、又は岩石鉱
物系材料、又は炭素、又はガラス系材料、又は合成樹
脂、又は植物性材料、又は動物性材料からなり、長さが
1〜10mmで直径が0.01〜1mmの短尺小径繊
維、若しくは、金属材料、又はカルシウム系材料、又は
セラミックス系材料、又は岩石鉱物系材料、又は陶磁系
材料、又は炭素、又はガラス系材料、又はマイカ系材
料、又は合成樹脂からなり直径が10〜100μmの微
細粉末が用いられるとともに、前記アスファルト系構造
材料全体に対する重量比率が30%以下であり、前記流
動化材としてはアニオン系アスファルト乳化剤が用いら
れ、前記アスファルト系構造材料全体に対する重量比率
が5%以下であることを特徴とする。
【0018】また、本発明の請求項8に係るアスファル
ト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法は、請求項6
又は請求項7に記載のアスファルト系構造材料を用いた
鉄道道床の施工方法において、前記小径混入部材が導電
性を有する場合は、前記アスファルト系構造材料全体に
対する重量比率は5%以下に設定されることを特徴とす
る。
【0019】また、本発明の請求項9に係るアスファル
ト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法は、請求項6
記載のアスファルト系構造材料を用いた鉄道道床の施工
方法において、前記非晶質ポリオレフィン系樹脂は、1
個の炭素間二重結合を有する不飽和炭化水素であるオレ
フィンの重合により生成される樹脂状物質のうちアモル
ファス状又はゴム状のものであって、ポリエチレン、又
はポリプロピレン、又はポリブテンを含むことを特徴と
する。
【0020】また、本発明の請求項10に係るアスファ
ルト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法は、請求項
6又は請求項7に記載のアスファルト系構造材料を用い
た鉄道道床の施工方法において、前記アニオン系アスフ
ァルト乳化剤は、松の樹脂から抽出される粗製テレビン
油を蒸留して得られるロジン、又は植物の木質部を形成
するリグニン、又は前記ロジンと脂肪酸とステロールと
高分子アルコールを有するトールオイルのカルボン酸又
はスルフォン酸のアルカリ金属塩、脂肪酸又は高級アル
コール硫酸エステル又はアルキルベンゼンスルフォン酸
のアルカリ金属塩を含むことを特徴とする。
【0021】また、本発明の請求項11に係るアスファ
ルト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法は、アスフ
ァルトを120〜185゜Cまで加熱した後、前記アス
ファルトに、強度を高める小径混入部材と、流動性を高
める流動化材を混入させ撹拌して混成物を生成する工程
と、次いで、前記混成物を220〜260゜Cまで加熱
して溶融させ流動状態のアスファルト系構造材料を生成
する工程と、次いで、前記流動状態のアスファルト系構
造材料を、鉄道の道床の骨材のうち、まくらぎ直下から
路盤直上までの骨材間の間隙に填充させた後に冷却によ
り硬化させる工程を有するアスファルト系構造材料を用
いた鉄道道床の施工方法であって、前記小径混入部材と
しては、金属材料、又はセラミックス系材料、又は岩石
鉱物系材料、又は炭素、又はガラス系材料、又は合成樹
脂、又は植物性材料、又は動物性材料からなり、長さが
1〜10mmで直径が0.01〜1mmの短尺小径繊
維、若しくは、金属材料、又はカルシウム系材料、又は
セラミックス系材料、又は岩石鉱物系材料、又は陶磁系
材料、又は炭素、又はガラス系材料、又はマイカ系材
料、又は合成樹脂からなり直径が10〜100μmの微
細粉末が用いられるとともに、前記アスファルト系構造
材料全体に対する重量比率が30%以下であり、前記流
動化材としては、非晶質ポリオレフィン系樹脂及びアニ
オン系アスファルト乳化剤が用いられ、前記アスファル
ト系構造材料全体に対する重量比率が5%以下であるこ
とを特徴とする。
【0022】また、本発明の請求項12に係るアスファ
ルト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法は、アスフ
ァルトを120〜185゜Cまで加熱した後、前記アス
ファルトに、強度を高める小径混入部材と、流動性を高
める流動化材を混入させ撹拌して混成物を生成する工程
と、次いで、前記混成物を220〜260゜Cまで加熱
して溶融させ流動状態のアスファルト系構造材料を生成
する工程と、次いで、前記流動状態のアスファルト系構
造材料を、鉄道の道床の骨材のうち、まくらぎ直下から
路盤直上までの骨材間の間隙に填充させた後に冷却によ
り硬化させる工程を有するアスファルト系構造材料を用
いた鉄道道床の施工方法であって、前記小径混入部材と
しては、金属材料、又はセラミックス系材料、又は岩石
鉱物系材料、又は炭素、又はガラス系材料、又は合成樹
脂、又は植物性材料、又は動物性材料からなり、長さが
1〜10mmで直径が0.01〜1mmの短尺小径繊
維、若しくは、金属材料、又はカルシウム系材料、又は
セラミックス系材料、又は岩石鉱物系材料、又は陶磁系
材料、又は炭素、又はガラス系材料、又はマイカ系材
料、又は合成樹脂からなり直径が10〜100μmの微
細粉末が用いられるとともに、前記アスファルト系構造
材料全体に対する重量比率が30%以下であり、前記流
動化材としてはアニオン系アスファルト乳化剤が用いら
れ、前記アスファルト系構造材料全体に対する重量比率
が5%以下であることを特徴とする。
【0023】また、本発明の請求項13に係るアスファ
ルト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法は、請求項
11又は請求項12に記載のアスファルト系構造材料を
用いた鉄道道床の施工方法において、前記小径混入部材
が導電性を有する場合は、前記アスファルト系構造材料
全体に対する重量比率は5%以下に設定されることを特
徴とする。
【0024】また、本発明の請求項14に係るアスファ
ルト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法は、請求項
11記載のアスファルト系構造材料を用いた鉄道道床の
施工方法において、前記非晶質ポリオレフィン系樹脂
は、1個の炭素間二重結合を有する不飽和炭化水素であ
るオレフィンの重合により生成される樹脂状物質のうち
アモルファス状又はゴム状のものであって、ポリエチレ
ン、又はポリプロピレン、又はポリブテンを含むことを
特徴とする。
【0025】また、本発明の請求項15に係るアスファ
ルト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法は、請求項
11又は請求項12に記載のアスファルト系構造材料を
用いた鉄道道床の施工方法において、前記アニオン系ア
スファルト乳化剤は、松の樹脂から抽出される粗製テレ
ビン油を蒸留して得られるロジン、又は植物の木質部を
形成するリグニン、又は前記ロジンと脂肪酸とステロー
ルと高分子アルコールを有するトールオイルのカルボン
酸又はスルフォン酸のアルカリ金属塩、脂肪酸又は高級
アルコール硫酸エステル又はアルキルベンゼンスルフォ
ン酸のアルカリ金属塩を含むことを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。
【0027】(1)第1実施形態 本発明の第1実施形態としては、アスファルトを基材と
し、これに繊維を混合したアスファルト系構造材料が挙
げられる。これは、アスファルト内に繊維を分散混合さ
せることにより、アスファルトを母材とし繊維を強化部
材とする一種の複合材料を形成させ、硬化後の混成物全
体としての強度、例えば圧縮強度、曲げ強度、弾性率等
を向上させるとともに、硬化後の混成物全体に粘弾性を
付与し、じん性破壊強度を向上させるものである。ただ
し、アスファルトと繊維の各々の強度が高く、かつ繊維
がアスファルト内において均一に分散混合されないと、
強度の向上は発揮されない。このため、基材としてのア
スファルト、強化部材としての繊維の双方に所定の品質
や条件等が要求される。
【0028】まず、基材であるアスファルト自体につい
ては、硬化後の強度が高く硬いことが要求されるため、
針入度が小さく、軟化点が高いものが好適である。例え
ば、針入度としては0〜50程度、軟化点としては60
以上程度などが望ましい。
【0029】ここに、針入度とは、JIS K 2207
に規定する試験法により、規定の温度(例えば25°
C)、規定の荷重(例えば100グラム)、及び規定の
貫入時間(例えば5秒間)で、規定の形状の針をアスフ
ァルトに貫入させ、その貫入深度を1/10mm単位で
表わした値であり、一般に針入度の値が小さいほど硬い
アスファルトであることを示している。
【0030】また、軟化点とは、JIS K 2207に
規定する試験法により、規定の金属製環の内部に填充し
たアスファルトの上に質量3.5グラムの鋼球を載せて
水中に入れ、連続的に加熱した場合に、鋼球の自重によ
りアスファルトが25mmだけ降下したときの温度(°
C)で表わした値であり、規定の条件下でのアスファル
トのコンシステンシーを示す指標であり、一般に軟化点
の値が高いほど硬いアスファルトであることを示してい
る。
【0031】また、アスファルトの種類としては、舗装
用石油アスファルトのうち、ストレートアスファルトが
挙げられる。また、ストレートアスファルトに高温で空
気を吹き込み、脱水素重縮合反応を起こさせ高分子化さ
せる「ブローイング」という操作を施したブローンアス
ファルトやセミブローンアスファルト等も使用可能であ
る。このブローンアスファルトやセミブローンアスファ
ルト等は、ストレートアスファルトに比べ感温性が低く
改善されており、60°C粘度等も改善されている。ま
た、ストレートアスファルト、ブローンアスファルト、
セミブローンアスファルト単独のほか、これらを適宜混
合してもよく、あるいは、これらにプレパウダーアスフ
ァルト、天然アスファルトや改質アスファルトなどを混
合してもよい。
【0032】次に、繊維については、まず材料強度、特
に引張強度が高いことが要求される。また、繊維は、撹
拌混合等が可能な程度にまで軟化させるため所定の第1
温度(例えば120〜185°C程度)まで加熱された
アスファルト中に投入されるので、少なくともこの第1
温度で変質や溶解を生じない耐熱性が必要である。ま
た、加熱アスファルト中に混合された後、粘性体の状態
の加熱アスファルト中で沈澱や浮上等を生じずほぼ均一
な分散状態を保持する性能(以下、「分散性能」とい
う。)を有する必要があり、その長さ、直径、比重等が
ある範囲内にある繊維であることが望ましい。
【0033】例えば、繊維の材質としては、軟鉄、鋼、
アルミニウム等の金属材料、炭化物や窒化物等のセラミ
ックス系材料、石英等の岩石鉱物系材料、炭素、ガラス
系材料などが好適である。また、上記の条件を満足すれ
ば、ABS樹脂やアラミド樹脂(芳香族ポリアミド樹
脂)等の合成樹脂材料、麻等の植物性繊維、あるいは動
物性繊維等であっても使用可能である。また、繊維の寸
法としては、例えば、長さが1〜10mm程度、直径が
0.01〜1mm程度の寸法の短尺小径の繊維などが好
ましい。
【0034】また、アスファルト系構造材料全体に対す
る繊維の混合割合についても所定の制限が考えられる。
まず、混成物全体としての強度から見た場合、繊維の混
合量が少ないうちは、混合量の増大につれて混成物全体
の強度は高くなると考えられるが、繊維の混合量が所定
の値のときに強度は最大に達し、その値を越えると混成
物全体の強度は低下すると考えられる。繊維の混合率が
低い場合は繊維が強化部材として機能するのに対し、混
合率がある値を越えると、繊維が基材と同様の状態とな
ると考えられるからである。したがって、混成物の強度
の点から、繊維の混合率には所定の上限値があると考え
られる。その上限値は、例えば、アスファルト系構造材
料全体に対し、重量パーセントで30%程度である。
【0035】また、このアスファルト系構造材料を鉄道
道床の填充材として使用する場合には、別の観点から繊
維の混合割合に関する制限が考えられる。すなわち、鉄
道においては、レールのそれぞれに信号用電流が通電さ
れており、これらの電流の短絡は信号故障等の原因とな
るため、レール下面に接触する可能性のある道床は、電
気的に所定の絶縁度を有することが要求される。したが
って、アスファルトに混合される繊維が金属等の導電性
材料で形成されている場合には、繊維の混合率は、上記
したレール間に要求される絶縁性を維持し得る程度の値
より低い値である必要がある。すなわち、鉄道道床に使
用する場合には、電気絶縁度の点からも、導電性繊維の
混合率には所定の上限値があると考えられる。その上限
値は、例えば、アスファルト系構造材料全体に対し、重
量パーセントで5%程度である。
【0036】また、上記したような第1温度までの加熱
では、アスファルトは撹拌可能な程度までは軟化する
が、砕石等の骨材間へ填充するには粘度が高すぎる。し
たがって、骨材への填充材として使用するためには、さ
らにアスファルトを流動状態にする必要がある。このた
め、アスファルトに繊維を混合した混成物を、第1温度
よりも高温な第2温度(例えば220〜260°C程
度)まで加熱し、混成物を溶融状態とする。このよう
に、アスファルトと繊維の混成物を第2温度まで再加熱
すれば、混成物が流動状態となるため、混成物を骨材の
間に滑らかに流入させ、骨材の最深部まで効率良く填充
させることができる。
【0037】上記のようにアスファルトに繊維を混合さ
せると、図1(A)の曲線A1に示すように、アスファ
ルト単体の場合の曲線C1に比べ強度が向上する。図1
(A)において、従来のアスファルト単体の場合(強度
曲線C1)の注入後1時間経過時点の値が、填充材とし
て要求される強度の規格値σBを下まわっているのに対
し、本実施形態のアスファルト系構造材料の場合(強度
曲線A1)は、注入後1時間経過時点の値が強度規格値
σBを上まわっている。これにより、本実施形態のアス
ファルト系構造材料の場合は、最終強度だけでなく、初
期強度も向上することがわかる。したがって、道床を填
充した場合、注入後短時間経過時点においても、モルタ
ル填充工法や樹脂填充工法の場合に劣らず十分な道床沈
下防止性能を発揮すると考えられる。上記したアスファ
ルト系構造材料の強度規格値σBとしては、例えば、鉄
道用道床に用いる場合の値として0.1MPaを規定し
たものがある。
【0038】また、本実施形態の場合は、図1(B)の
曲線A2に示すように、アスファルト単体の場合の曲線
C2に比べ、高温時においても強度低下は少なく所定の
強度を維持することができる。図1(B)において、従
来のアスファルト単体の場合(強度曲線C2)の雰囲気
温度が60°C以上となると、ある温度以上で強度規格
値σBを下まわるのに対し、本実施形態のアスファルト
系構造材料の場合(強度曲線A2)は、の雰囲気温度6
0°C以上となっても強度の低下は少なく、現実の使用
環境においては強度規格値σBを下まわることはない。
これにより、本実施形態のアスファルト系構造材料の場
合は、夏期においても、モルタル填充工法や樹脂填充工
法の場合に劣らず十分な道床沈下防止性能を発揮すると
考えられる。
【0039】(2)第2実施形態 上記した第1実施形態のほか、本発明の第2実施形態と
して、以下に説明するものも有効である。これは、アス
ファルトを基材とし、これに粉末を混合した生成された
アスファルト系構造材料である。これは、上記したよう
なアスファルト内に、粉末を分散混合させることによ
り、アスファルトを母材とし粉末を強化部材とする一種
の複合材料を形成させ、繊維の場合と同様に、硬化後の
混成物全体としての強度をさらに向上させるものであ
る。また、粉末は、アスファルト系構造材料が硬化後に
低温状態となった場合でも柔軟性を失わないように粘弾
性を付与し、低温で「割れ」を生じないようにする働き
もある。ただし、強度や機能の点から、強化部材として
の粉末には所定の品質や条件等が要求される。
【0040】この粉末については、まず材料強度が高い
ことが要求される。また、粉末は、撹拌混合等が可能な
程度にまで軟化させるための第1温度(例えば120〜
185°C程度)まで加熱されたアスファルト中に投入
されるので、少なくともこの第1温度で変質や溶解を生
じない耐熱性が必要である。また、加熱アスファルト中
に混合された後、粘性体の状態の加熱アスファルト中で
沈澱や浮上等を生じずほぼ均一な分散状態を保持する分
散性能を有する必要があり、その直径、比重、粗さ等が
ある範囲内にある粉末であることが望ましい。
【0041】例えば、粉末の材質としては、軟鉄、鋼、
アルミニウム等の金属材料、炭化物や窒化物等のセラミ
ックス系材料、石英等の岩石鉱物系材料、雲母(マイ
カ)等の無機質鱗片状物、炭素(グラファイト)、ガラ
ス系材料などが好適である。また、上記の条件を満足す
れば、ABS樹脂等の合成樹脂材料などであっても使用
可能である。例えば、直径が10〜100μm程度の微
細粉末などである。
【0042】また、上記した繊維の場合とまったく同様
に、アスファルト系構造材料全体に対する粉末の混合割
合についても、混成物全体の強度、及び電気絶縁度の点
から、粉末の混合率に所定の上限値があると考えられ
る。強度の点から見た粉末の混合割合の上限値は、例え
ば、重量パーセントで、アスファルト系構造材料全体に
対し30%程度である。また、電気絶縁の点から見た導
電性粉末の混合割合の上限値は、例えば、重量パーセン
トで、アスファルト系構造材料全体に対し5%程度であ
る。
【0043】また、アスファルトと粉末を混合した混成
物を、第1温度よりも高温な第2温度(例えば220〜
260°C程度)まで加熱し、混成物を溶融状態として
骨材に填充する点については、上記した第1実施形態の
場合と同様である。
【0044】また、注入後短時間経過時点、あるいは高
温雰囲気下においても、モルタル填充工法や樹脂填充工
法の場合に劣らず十分な道床沈下防止性能を発揮する点
については、上記した第1実施形態の場合と同様であ
る。
【0045】(3)第3実施形態 上記した第1,2実施形態のほか、本発明の第3実施形
態として、以下に説明するものも有効である。これは、
上記した第1実施形態のアスファルト系構造材料である
アスファルトと繊維の混成物に、さらに流動化材を混合
したアスファルト系構造材料である。これは、繊維が混
合されたアスファルト内に、さらに流動化材を改質材と
して混合させることにより、流動物状態となった混成物
全体の流動性を改善させ、填充性能を向上させるもので
ある。ただし、その機能等の点から、流動化材には所定
の品質や条件等が要求される。
【0046】流動化材は、加熱アスファルト中に溶融
し、流動物状態となった混成物全体の流動性、特に低温
域(例えば第1温度程度)でのアスファルト自体の流動
性をさらに増大させ、填充材としての填充性能を一層向
上させる機能を有する必要がある。また、アスファルト
内の他の混合要素との親和性が高く、他の混合要素のア
スファルト内での分散混合や流動化を補助する機能を有
することも必要である。例えば、このような流動化材と
して、非晶質ポリオレフィン系樹脂が好適である。
【0047】オレフィンとは、一般に、1個の炭素間二
重結合を有し、反応性が高い不飽和炭化水素をいい、例
えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等が含まれる。
ポリオレフィンとは、オレフィンの重合により生成され
る樹脂状物質をいい、例えば、エチレンから生成される
ポリエチレン、プロピレンから生成されるポリプロピレ
ン、ブチレンから生成されるポリブテン等が含まれる。
非晶質とは、アモルファス状、あるいはゴム状であるこ
とをいう。したがって、非晶質ポリオレフィン系樹脂と
は、アモルファス状又はゴム状のポリオレフィンを含む
合成樹脂である。また、これらの単体だけでなく適宜の
ものを適宜の割合で組み合わせてもよい。
【0048】また、この非晶質ポリオレフィン系樹脂の
場合は、アスファルトの性質を改良するために混合され
る改質材であり、アスファルト系構造材料全体に対する
混合割合は、おのずと上限値があると考えられる。例え
ば、重量パーセントで、アスファルト系構造材料全体に
対し5%程度である。
【0049】また、アスファルトと繊維と非晶質ポリオ
レフィン系樹脂を混合した混成物を、第1温度よりも高
温な第2温度(例えば220〜260°C程度)まで加
熱し、混成物を溶融状態として骨材に填充する点につい
ては、上記した第1,2実施形態の場合と同様である。
そして、注入後短時間経過時点、あるいは高温雰囲気下
においても、モルタル填充工法や樹脂填充工法の場合に
劣らず十分な道床沈下防止性能を発揮する点について
も、上記した第1,2実施形態の場合と同様である。ま
た、この非晶質ポリオレフィン系樹脂は、予め基材のア
スファルトに混合させておいてもよいし(プレミックス
方式)、アスファルトに繊維又は粉末を混合する際に同
時添加してもよい(プラントミックス方式)。
【0050】(4)第4実施形態 上記した第1〜3実施形態のほか、本発明の第4実施形
態として、以下に説明するものも有効である。これは、
上記した第1実施形態のアスファルト系構造材料である
アスファルトと繊維の混成物に、さらに粘弾性化材を混
合したアスファルト系構造材料である。これは、繊維が
混合されたアスファルト内に、さらに粘弾性化材を改質
材として混合させることにより、硬化後の混成物の粘弾
性を改善し、じん性の高いものとするものである。ただ
し、機能等の点から、粘弾性化材には所定の品質や条件
等が要求される。
【0051】粘弾性化材は、加熱アスファルト中に溶融
し、硬化後の混成物全体に粘弾性を付与し、アスファル
ト系構造材料が硬化後に低温状態となった場合でも「割
れ」を生じないようにする機能を持つ必要がある。例え
ば、このような粘弾性化材として、ゴム系樹脂が好適で
ある。
【0052】このゴム系樹脂としては、スチレンブタジ
エンゴム(SBR)、天然ゴム(NR)、クロロプレン
ゴム(CR)等を含む樹脂が挙げられる。また、これら
の単体だけでなく適宜のものを適宜の割合で組み合わせ
てもよい。
【0053】また、このゴム系樹脂の場合は、アスファ
ルトの性質を改良するために混合される改質材であり、
アスファルト系構造材料全体に対する混合割合は、おの
ずと上限値があると考えられる。例えば、重量パーセン
トで、アスファルト系構造材料全体に対し5%程度であ
る。
【0054】また、アスファルトと繊維とゴム系樹脂を
混合した混成物を、第1温度よりも高温な第2温度(例
えば220〜260°C程度)まで加熱し、混成物を溶
融状態として骨材に填充する点については、上記した第
1〜3実施形態の場合と同様である。そして、注入後短
時間経過時点、あるいは高温雰囲気下においても、モル
タル填充工法や樹脂填充工法の場合に劣らず十分な道床
沈下防止性能を発揮する点についても、上記した第1〜
3実施形態の場合と同様である。また、このゴム系樹脂
は、予め基材のアスファルトに混合させておいてもよい
し(プレミックス方式)、アスファルトに繊維,粉末又
は非晶質ポリオレフィン系樹脂等を混合する際に同時添
加してもよい(プラントミックス方式)。
【0055】(5)第5実施形態 次に、本発明の第5実施形態であるアスファルト填充工
法について、図を参照しつつ詳細に説明する。図2は、
本発明の第5実施形態であるアスファルト填充工法に用
いるアスファルト填充装置の構成を示す概念図である。
図に示すように、このアスファルト填充装置1は、アス
ファルト加熱混合部2とアスファルト移送部3を備えて
構成されている。
【0056】アスファルト加熱混合部2は、加熱容器2
1と、モータ22と、撹拌羽根23を有している。加熱
容器21内には、ブローンアスファルトやプレパウダー
アスファルト等のアスファルト材料を投入する。加熱容
器21には電熱ヒータ等の加熱器(図示せず)が設けら
れており、投入された材料を加熱することができる。ま
た、加熱容器21内には撹拌羽根23が設けられ、撹拌
羽根23はモータ22により回転駆動されるように構成
されている。
【0057】アスファルト移送部3は、ポンプ32と移
送管路33,34を有しており、移送管路33は加熱容
器21内のアスファルト材料中に挿入されている。ま
た、ポンプ32はモータ31により駆動されるように構
成されている。
【0058】また、被填充体である道床5は、砕石等の
骨材51を路盤7上に敷設し、その断面形状が略台形状
をなす床状に予め形成されている。道床5の斜面の最下
端には枠板6が設けられている。骨材51は、従来の鉄
道道床用の砕石と同様の材質、形状、粒度のものとす
る。
【0059】上記のような構成により、投入されたアス
ファルト材料を第1温度(例えば120〜185°C)
まで加熱することによりアスファルト材料を軟化させ、
撹拌可能な粘度の粘性体状態にした後、上記した繊維、
粉末、非晶質ポリオレフィン系樹脂、又はゴム系樹脂の
うちの一つ又は適宜の組合わせを所定の量だけ加熱容器
21内に投入し、撹拌羽根23の回転により均一にかき
混ぜ、これらを軟化したアスファルト材料中に分散混合
させる(第1工程)。
【0060】次に、上記の混成物を第1温度よりも高温
な第2温度(例えば220〜260°C)まで加熱す
る。この第2温度まで加熱すると、上記の混成物は溶融
状態となり、粘度が低下し、図において4で示すよう
に、流動物(以下、「アスファルト系構造材料流動物」
という。)の状態となる(第2工程)。
【0061】次に、モータ31を作動させ、アスファル
ト系構造材料流動物4を加熱容器21から移送管路33
で吸引し、ポンプ32により送出し、移送管路34によ
り道床5の上方から散布し流し込む。アスファルト系構
造材料流動物4は、粘性が低い流動物状になっているの
で、骨材51の間に滑らかに流入し、道床5の最深部ま
で効率良く填充させることができる。その後、道床5の
最上部からアスファルト系構造材料流動物4が溢れてき
た状態となったら、アスファルト系構造材料流動物4の
散布を停止する(第3工程)。この際、枠板6は、アス
ファルト系構造材料流動物が道床5の最深部まで流下し
た後、道床5の側方へ流出しようとすることを防止す
る。
【0062】アスファルト系構造材料流動物4の填充を
停止した後は、道床5をそのまま放置し、冷却する。こ
の冷却により、流動物状のアスファルト系構造材料4は
硬化してアスファルト系構造材料硬化物となり、骨材5
1と協同して一種の複合構造物であるアスファルト系構
造材料填充構造物を形成する(第4工程)。
【0063】上記したアスファルト系構造材料填充構造
物においては、骨材51の相互間の間隙を填充したアス
ファルト系構造材料が硬化してアスファルト系構造材料
硬化物となることにより、所定の初期強度及び最終強度
と粘弾性を示す。したがって、各骨材51は、アスファ
ルト系構造材料硬化物により粘弾性的に支持される。こ
のため、上方からの荷重や振動が加えられても、骨材は
圧密や側方流動を起こさず、道床の沈下が防止される。
したがって、鉄道道床に使用した場合には、道床の保守
作業が不要となったり、道床保守の作業周期が非常に長
期化し、鉄道の保守コストを大幅に低減することが可能
となる。
【0064】上記のようにして形成するアスファルト系
構造材料填充構造物としては、図3に示すように、いく
つかの種類が考えられる。図3(A),(B),(C)
は、鉄道用の道床に用いた例を示している。
【0065】図3(A)に示す例は、路盤7の上に略台
形断面形状の床状に敷設された骨材51のうち、路盤7
の直上からまくらぎ8の側方の骨材までをもアスファル
ト系構造材料硬化物41によって填充した構造物であ
る。
【0066】このように構成すると、道床の沈下を防止
できるだけでなく、列車荷重や振動によるまくらぎ8の
水平方向へのずれや移動も規制することができ、さら
に、列車振動や風圧による道床の斜面からの骨材の転落
や飛散も防止することができる。
【0067】ただし、この場合には、アスファルト系構
造材料填充構造物の中にまくらぎ8が全部埋設されてい
るので、まくらぎ8及びレール9,9の位置変更や交換
を行おうとした場合には、まくらぎ8の側方のアスファ
ルト系構造材料填充構造物を一部除去しなければなら
ず、施工がやや困難となる、という問題を有している。
【0068】また、図3(B)に示す例は、路盤7の上
に略台形断面形状の床状に敷設された骨材51のうち、
まくらぎ8のやや下方にある骨材(上バラスト)とまく
らぎ8の側方の骨材までをアスファルト系構造材料硬化
物42によって填充し、上バラストよりも下方にある骨
材(下バラスト)は填充せず未填充部53として残し、
かつ道床の頂面及び側方斜面をアスファルトで舗装し舗
装部52とした構造物である。
【0069】このように、上部のみに填充を行い、下部
にはアスファルト系構造材料が行き渡らないようにする
ため、填充部と未填充部の境界付近に両者を区画するた
めのビニールシートや不織布等の区画部材(図示せず)
を配置するか、いったん未填充部の頂部まで道床を形成
し頂面に舗装等を行って下部への填充材の浸透を防止す
る対策を施した後に填充部の骨材を敷設してアスファル
ト系構造材料の填充を行う、などの対策を講じる必要が
ある。
【0070】この図3(B)に示す例のように構成する
と、道床沈下とまくらぎ8の水平移動の防止機能につい
ては、図3(A)に示す例ほどではないもののある程度
期待でき、列車振動や風圧による道床の斜面からの骨材
の転落や飛散も防止することができる。また、この図3
(B)に示す例の大きな利点は、填充に使用するアスフ
ァルト系構造材料の量を図3(A)に示す例に比べ大幅
に節約することができるため、全体の工事費用を非常に
低く抑えることができる点にある。
【0071】図3(C)に示す例は、路盤7の上に略台
形断面形状の床状に敷設された骨材51のうち、路盤7
の直上からまくらぎ8の直下の骨材までをアスファルト
系構造材料硬化物43によって填充し、まくらぎ8の側
方の骨材は填充せず未填充部54として残した構造物で
ある。
【0072】このように構成すると、道床沈下防止機能
については、図3(A)に示す例と同様の効果が期待で
き、列車振動や風圧による道床の斜面からの骨材の転落
や飛散も防止することができる。しかし、この場合に
は、まくらぎ8の水平移動の防止機能については、図3
(A)に示す例ほどではない。しかしながら、この場合
には、図3(A)に示す例とは逆に、まくらぎ8の側方
までアスファルト系構造材料が填充されてはいないた
め、まくらぎ8及びレール9,9の位置変更や交換を容
易に行うことができる、という利点がある。
【0073】
【実施例】上記の第1〜5実施形態に示したアスファル
ト系構造材料、及びアスファルト填充工法について、実
際に実験を行ったものの配合例を以下に示す。下記にお
いて、数値はアスファルト系構造材料全体に対する重量
パーセントである。
【0074】実施例A ブローンアスファルト 47.5% プレパウダーアスファルト 40.0% 炭素繊維 0.5% マイカ粉末 10.0% 非晶質ポリアルファオレフィン 2.0%
【0075】実施例B ブローンアスファルト 25.0% プレパウダーアスファルト 52.5% 炭素繊維 0.5% マイカ粉末 20.0% スチレンブタジエンゴム 2.0%
【0076】上記各実施例において、ブローンアスファ
ルトは、針入度が10〜20程度のものを使用した。ま
た、プレパウダーアスファルトは、針入度が0〜5程度
のものを使用した。また、炭素繊維は、長さ3mm以
下、直径1mm以下程度のものを使用した。また、マイ
カ粉末は、直径が62μm以下程度のものを使用した。
また、非晶質ポリアルファオレフィンは、非晶質ポリプ
ロピレンと非晶質ポリエチレンの配合体である。ここ
で、アルファは、高分子化合物において主要官能基の結
合している炭素原子の位置に置換基が結合することを表
わしており、ポリプロピレンとポリエチレンの結合では
大部分がアルファ結合となる。上記した各実施例では、
A,Bいずれの場合も、ブローンアスファルトとプレパ
ウダーアスファルトを混合しているが、これはいずれか
一方のみであってもよい。また、実施例A,Bのいずれ
の場合も、炭素繊維とマイカ粉末を混合しているが、こ
れについてもいずれか一方のみであってもよい。
【0077】上記した実施例A,Bのアスファルト系構
造材料、及び従来のアスファルト填充材について、1辺
が6cmの立方体状に形成した試験体を作成し、JIS
R2226(耐火レンガの圧縮強度の測定方法)に規
定する試験方法に準じて圧縮強度を測定した。従来のア
スファルト系構造材料は、ブローンアスファルトとスト
レートアスファルトを1:1の割合で混合したものであ
る。この場合の各経過時間における圧縮強度の値を以下
に示す。下記の測定結果において、経過時間は、アスフ
ァルト等の試験体鋳型への流し込み終了後の経過時間で
あり、単位は分である。また、圧縮強度の値の単位はM
Paである。
【0078】また、上記の結果を、横軸に経過時間(単
位:分)をとり、縦軸に圧縮強度(単位:MPa)をと
って示したものが図4(A)である。図4(A)におい
て、曲線A3は実施例Aの配合のアスファルト系構造材
料の場合を、曲線B3は実施例Bの配合のアスファルト
系構造材料の場合を、曲線C3は従来のアスファルトの
みの填充材の場合を、それぞれ示している。これらの数
値や図からわかるように、仮にアスファルト系構造材料
の強度規格値σBとして0.1MPaを採用すると、従
来のアスファルトのみの填充材の場合には、60分すな
わち1時間経過後の時点では、強度規格値σBの60%
であり、初期強度が低く、道床填充に用いた場合には道
床沈下防止性能が不足していることを示している。これ
に対し、実施例A,Bは、いずれの場合も、1時間経過
後の時点では、強度規格値σBを上まわっており、初期
強度が高く、道床填充に用いた場合、十分な道床沈下防
止性能を有することがわかる。特に、実施例Bの場合に
は、1時間経過時点の圧縮強度が0.21MPaと強度
規格値σBの2倍以上の値に達している。これは、マイ
カ粉末によるアスファルトの補強がかなり有効であると
も考えられる。
【0079】次に、実施例A,Bのアスファルト系構造
材料、及び上記と同様の配合のアスファルトのみの填充
材について、上記と同様の試験体を作成し、JIS R
2226に規定する試験方法に準じて圧縮強度を測定
した。最終強度に達した後の各雰囲気温度における圧縮
強度の値を以下に示す。下記の測定結果において、温度
の単位は°Cであり、圧縮強度の値の単位はMPaであ
る。
【0080】また、上記の結果を、横軸に雰囲気温度
(単位:°C)をとり、縦軸に圧縮強度(単位:MP
a)をとって示したものが図4(B)である。図4
(B)において、曲線A4は実施例Aの配合のアスファ
ルト系構造材料の場合を、曲線B4は実施例Bの配合の
アスファルト系構造材料の場合を、曲線C4は従来のア
スファルトのみの填充材の場合を、それぞれ示してい
る。これらの数値や図からわかるように、この場合に
も、仮にアスファルト系構造材料の強度規格値σBとし
て0.1MPaを採用すると、従来のアスファルトのみ
の填充材の場合には、もとになる最終強度自体が低いう
えに高温になると圧縮強度の低下度合が大きく、60°
Cにおける圧縮強度は0.15MPaしかなく、70〜
80°C程度になると圧縮強度が強度規格値σBを下ま
わる可能性があり、直射日光にさらされる盛夏期には道
床沈下防止性能が確保されないおそれがあることを示し
ている。これに対し、実施例A,Bのアスファルト系構
造材料は、いずれの場合も、最終強度及び強度低下率の
いずれにおいても余裕があることがわかる。特に、実施
例Bの場合には、60°Cにおける圧縮強度は0.4M
Paもあり、圧縮強度が強度規格値σBを下まわる温度
は150°C以上と考えられ、盛夏期等においても圧縮
強度が強度規格値σBを下まわるおそれはなく、つねに
十分な道床沈下防止性能が確保され得ることを示してい
る。
【0081】上記した各実施例A,Bの配合のアスファ
ルト系構造材料については、さらに、鉄道道床に対し試
験施工を行なった。すなわち、基材であるブローンアス
ファルト及びプレパウダーアスファルトの混成物に繊
維、粉末、添加材等を第1温度(例えば120〜185
°C)で混合し、その混成物を、第1温度よりも高温な
第2温度(例えば220〜260°C程度)まで加熱
し、填充材を流動状態とした。次に、この流動物を鉄道
道床形状に敷設した骨材の上から散布したところ、填充
材は骨材間に滑らかに流入し、骨材の最深部まで効率良
く填充させることができた。その後、道床最上部からア
スファルト系構造材料が溢れてきた状態で填充材散布を
停止し、放置冷却した。その後、冷却によりアスファル
ト系構造材料は硬化し、約1時間経過後には所定の強度
を発現した。この結果から、注入後短時間経過後での列
車走行開始が要求される鉄道の営業線においても、上記
のアスファルト系構造材料は十分使用可能であることが
わかる。
【0082】なお、本発明は、上記各実施形態に限定さ
れるものではない。上記各実施形態及び各実施例は、例
示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的
思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏
するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範
囲に包含される。
【0083】例えば、上記各実施形態においては、骨材
として、かこう岩、安山岩、硬質砂岩等からなる稜角の
多い砕石、あるいは細粒分の比較的少ない粒度分布(例
えば粒径が15〜75mm程度)の砕石を例に挙げて説
明したが、本発明はこれには限定されず、他の種類の骨
材、例えば他の材質の天然岩石を砕いた砕石、砂利、石
炭ガラ、高炉スラグ、セラミックス等の人工材料による
人工骨材などであってもよく、また粒度分布も他の粒度
であってもよく、稜角の少ないもの、あるいは稜角のな
い玉石状の骨材であってもよい。
【0084】また、上記各実施形態においては、アスフ
ァルト系構造材料として、アスファルトに繊維を適宜の
割合で混合したもの(第1実施形態)、アスファルトに
粉末を適宜の割合で混合したもの(第2実施形態)、ア
スファルトに繊維と流動化材をそれぞれ適宜の割合で混
合したもの(第3実施形態)、アスファルトに繊維と粘
弾性化材をそれぞれ適宜の割合で混合したもの(第4実
施形態)を例に挙げて説明したが、本発明はこれには限
定されず、他の構成のアスファルト系構造材料、例え
ば、第1実施形態の混成物(アスファルトに繊維を適宜
の割合で混合したもの)に粉末、流動化材、粘弾性化材
のいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを適宜の割合
で混合してもよいし、第2実施形態の混成物(アスファ
ルトに粉末を適宜の割合で混合したもの)に繊維、流動
化材、粘弾性化材のいずれか又はこれらの適宜の組み合
わせを適宜の割合で混合してもよい。
【0085】例えば、アスファルトに混合して強度向上
等に寄与させる粉末については、上述したもののほか、
石灰岩(石灰石)の粉末も有効である。石灰岩の主成分
は炭酸カルシウム(CaCO3)である。また、消石灰
(水酸化カルシウム:Ca(OH)2)の粉末、酸化カ
ルシウム(CaO)の粉末も有効である。これらは、い
ずれもカルシウム分を含んでいる。一般に、ポルトラン
ドセメント等のセメントに水と砂や砕石等の骨材を混合
すると、セメントと水が水和反応を行い、セメントの水
和反応生成物が骨材どうしを強固に固結させることによ
り強度の高いコンクリートとなる。この際、セメントの
水和反応生成物の主たるものは、カルシウム塩(カルシ
ウムケイ酸化物)である。したがって、アスファルトに
カルシウム分を含んだ物質の粉末を混合させた場合は、
コンクリートの場合と類似した生成物により強度向上が
図られるものと考えられる。これらの材料は、カルシウ
ム系材料に相当している。
【0086】また、アスファルトに混入させる繊維又は
粉末としては、珪砂等のシリカ(二酸化ケイ素:SiO
2)、アルミナ(Al23)、マグネシア(MgO)、
ジルコニア(ZrO2)、ムライト(3Al23・2S
iO2)、チタン酸アルミニウム(Al2TiO5又はA
23・TiO3)、LAS(Li2O−Al23−Si
2)、コーディエライト又はMAS(2MgO・2A
23・5SiO2)、窒化ホウ素(BN)、窒化アル
ミニウム(AlN)、窒化ケイ素(SiN)、炭化ケイ
素(SiC)等についても、強度向上に有効である。こ
れらは、セラミックスの主成分であり、アスファルト中
に混合された場合は、セラミックスと類似した生成物に
より強度向上が図られるものと考えられる。これらの材
料は、セラミックス系材料に相当している。
【0087】また、アスファルトに混入させる粉末とし
ては、石英、長石類やフッ石類についても、強度向上に
有効である。石英は、二酸化ケイ素(SiO2)を主成
分とする。長石類は、正長石(K〔AlSi38〕)、
曹長石(N〔AlSi38〕)、灰長石(Ca〔Al2
Si28〕)を含む鉱物である。また、フッ石類は、方
フッ石(Na〔AlSi26〕・H2O)、輝フッ石
(Ca2〔Al4Si143 6〕・12H2O)を含む鉱物
である。一般に、長石類やフッ石類は、岩石の成分であ
る。したがって、アスファルトに長石類やフッ石類の粉
末を混合させた場合は、岩石等の場合と類似した生成物
により強度向上が図られるものと考えられる。また、上
記と同様の理由から、アスファルトに混入させる粉末と
しては、岩石や砂を粉砕して生成した石粉等も強度向上
に有効である。これらの材料は、岩石鉱物系材料に相当
している。
【0088】また、アスファルトに混入させる粉末とし
ては、カオリン系粘土、陶石、タルクについても、強度
向上に有効である。カオリン系粘土は、カオリナイト
(Al 2Si25(OH)4)やハロイサイト(Al2
25(OH)4・2H2O)などのカオリン鉱物を主成
分とする粘土である。また、陶石は、セリサイトを主成
分とし、石英を含む材料である。また、タルクは、含水
マグネシウムケイ酸塩鉱物である。一般に、カオリン系
粘土、陶石、タルク等は、焼成により固化し陶磁材料や
耐火材料となる。したがって、アスファルトにカオリン
系粘土、陶石、タルク等の粉末を混合させた場合は、陶
磁器等の場合と類似した生成物により強度向上が図られ
るものと考えられる。これらの材料は、陶磁系材料に相
当している。
【0089】また、アスファルトの強度向上を目的とし
て混入させる繊維又は粉末としては、上述したようにガ
ラスも有効である。ガラスは、一般には、ケイ酸塩又は
硼酸塩若しくは燐酸塩と塩基性酸化物を混合溶融し非晶
質状態で固化させたものである。例えば、シリカ(二酸
化ケイ素:SiO2)と炭酸ナトリウム(Na2CO3
と炭酸カルシウム(CaCO3)を混合溶融させ急速冷
却させたソーダ石灰ガラス等が知られている。陶磁器に
おける釉薬や、七宝細工等の硬質成分はガラス質であ
る。したがって、アスファルトにガラス質物質の粉末を
混合させた場合は、ガラスや陶磁器等の場合と類似した
生成物により強度向上が図られるものと考えられる。こ
れらの材料は、ガラス系材料に相当している。
【0090】また、アスファルトに混入させる粉末とし
ては、上述したように雲母(マイカ)も有効である。雲
母は、フィロケイ酸塩鉱物であり、天然に産出する白雲
母(マスコバイト:KAl2(Si3Al)O10(OH)
2)、ソーダ雲母(パラゴナイト:NaAl2(Si3
l)O10(OH)2)、金雲母(フロゴパイト:KMg3
(Si3Al)O10(OH)2)、黒雲母(バイオタイ
ト:K(Mg,Fe)3(Si3Al)O10(OH)2
が含まれる。また、金雲母のOH基のかわりにフッ素
(F)が入ったフッ素金雲母が工業的に製造されてお
り、合成マイカと呼ばれている。これらのマイカは、ガ
ラスの脆性を改善しガラスの性質を有しながら機械加工
も可能としたマイカ結晶化ガラス等の材料として用いら
れている。したがって、アスファルトにマイカの粉末を
混合させた場合は、マイカセラミックス等の場合と類似
した生成物により脆性の改善、すなわち粘弾性向上が図
られ、かつ、アスファルト単体に比べ最終強度も向上す
るものと考えられる。したがって、これらのマイカは、
小径混入部材としても、粘弾性化材としても使用可能で
ある。また上記の各マイカは、マイカ系材料に相当して
いる。
【0091】上記した炭酸カルシウム、水酸化カルシウ
ム、二酸化ケイ素、ガラス等の粉末は、アスファルトに
比較して比重が相対的に大きい(以下、これらの粉末を
「大比重粉末」という。)。このため、これらを単独で
アスファルト中に混入させると、粉末分がアスファルト
底部に沈澱し、アスファルト分と粉末分との材料分離が
発生する場合がある。このような材料分離が生じると、
アスファルトの強度向上等は図れない。一方、マイカ粉
末は、アスファルトに比較して比重が相対的に小さいた
め、アスファルト中に混入させた場合、粉末分がアスフ
ァルト中に長時間浮遊し、アスファルト分と粉末分との
材料分離が発生することが少ない。このことを利用し、
上記した炭酸カルシウム等の大比重粉末をアスファルト
中に混入させる際に、マイカ粉末も混入させると、アス
ファルト中に浮遊するマイカ粉末が大比重粉末の沈澱を
防止するように作用する。この場合、大比重粉末とマイ
カ粉末の配分比率が、ほぼ1:1のときに、大比重粉末
の沈澱防止効果が最も良好であった。また、マイカ粉末
は、上記したようにアスファルトの粘弾性改良効果も有
するので、アスファルトの性質改良の観点から好まし
い。さらに、マイカ粉末は、大比重粉末に比べ、価格的
にも低廉であり、アスファルト系構造材料の低廉化にも
有効である。
【0092】また、上記した第2実施形態の説明におい
ては、アスファルト中での分散性能等の点から見た粉末
の直径として、10〜100μm程度の値を例に挙げて
説明したが、上記した岩石の粉砕粉末等をも考慮する
と、粉末の直径の範囲は、10μm〜1mm程度まで許
容可能である。
【0093】また、上記した第2実施形態の説明におい
ては、強度の点から見た粉末の混合割合の上限値は、重
量パーセントでアスファルト系構造材料全体に対し30
%程度の値を例に挙げて説明したが、上記した大比重粉
末をアスファルト中に混合することをも考慮すると、こ
の上限値は重量パーセントでアスファルト系構造材料全
体に対し50%程度まで許容可能である。
【0094】また、上記した第3実施形態の説明におい
ては、流動化されたアスファルト系構造材料の流動性を
高めるための流動化材として、非晶質ポリオレフィン系
合成樹脂を例に挙げて説明したが、本発明のアスファル
ト系構造材料における流動化材はこれには限定されな
い。一般に、熱可塑性樹脂は、上記の流動化材として使
用可能である。熱可塑性樹脂は、常温では固体である
が、加熱すると軟化し、さらに加熱すると溶融して流動
状態となる合成樹脂である。このため、アスファルト系
構造材料中に混入させれば、アスファルト系構造材料の
流動状態においては、熱可塑性樹脂も流動状態となり、
アスファルト系構造材料の流動性を高めると考えられ
る。熱可塑性樹脂には、上記したポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のほか、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化酢酸ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニル
アルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラ
ール、ポリビニルアセタール、エチレン酢酸ビニル共重
合樹脂(EVA樹脂)、ポリスチレン、ABS樹脂、A
S樹脂、フッ素樹脂、ポリメチルペンテン、ポリスルフ
ォン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイ
ミド、スチレン系共重合樹脂、ポリカーボネート、ポリ
メタクリル酸メチル、ポリウレタン、セルロースアセテ
ート、その他のセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレ
ンエーテル、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレ
ンスルファイド、シリコン樹脂、ポリスルフォン、ポリ
エーテルスルフォン、ポリアリレート、ポリイミド、ポ
リアリルエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ
ブチレン、ACS樹脂、ASA樹脂、MBS樹脂等が含
まれる。
【0095】本発明のアスファルト系構造材料における
流動化材としては、さらに他の物質も使用可能である。
一般に、アスファルト乳化剤は、加熱アスファルトの流
動性の向上に有効である。このアスファルト乳化剤は、
アニオン系乳化剤、カチオン系乳化剤、ノニオン系乳化
剤に分類され、アスファルトを微粒子として乳化させる
ための物質であり、このアスファルト乳化性能が加熱時
のアスファルトの流動化向上に寄与すると考えられる。
アニオン系乳化剤としては、ロジン、リグニン、トール
オイル等の木材製品の副産物のカルボン酸又はスルフォ
ン酸のアルカリ金属塩、脂肪酸や高級アルコール硫酸エ
ステル又はアルキルベンゼンスルフォン酸等のアルカリ
金属塩などが挙げられる。ロジンは、松の樹脂から抽出
される粗製テレビン油を蒸留することにより得られる黄
色から褐色の半透明の物質であり、アビチエン酸、パラ
ストリン酸等を主成分とする。リグニンは、セルロース
とともに植物の木質部を形成する無色から褐色の物質で
あり、紙パルプの亜硫酸溶液から得られる。トールオイ
ル(トール油)は、ロジン、脂肪酸、ステロール、高分
子量のアルコール等からなる黄色から黒色の樹脂状物質
であり、木材パルプ製造時の廃液から得られる。カチオ
ン系乳化剤としては、牛脂や椰子油を原料とする脂肪酸
誘導体のアミン(ジアミン、トリアミン、イミダゾリン
等)の塩酸塩又は酢酸塩が挙げられる。
【0096】また、上記の流動化材を使用すれば、同一
温度ではアスファルトの流動性を高めることができる。
したがって、流動化材を用いれば、同程度の流動性を得
るのに必要な加熱温度(第1温度)を低下させることが
できる。
【0097】また、本発明のアスファルト系構造材料に
熱硬化性樹脂を混合すれば、固化後のアスファルト系構
造材料の強度は向上すると考えられる。一般に、熱硬化
性樹脂は、加熱すると硬化する合成樹脂である。このた
め、アスファルト系構造材料中に混入させれば、アスフ
ァルト系構造材料の硬度の向上に寄与すると考えられ
る。熱硬化性樹脂には、フェノール樹脂、ユリア樹脂、
メラミン樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、フタル酸樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹
脂、フラン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、熱硬化ポリブ
タジエン等が含まれる。また、熱可塑性樹脂の場合も、
冷却後は固化するため、固化後のアスファルト系構造材
料の強度は向上すると考えられる。したがって、一般
に、合成樹脂(プラスチックス)は、アスファルト系構
造材料の強度向上に有効である。
【0098】また、上記した実施形態においては、アス
ファルト内に混合する部材として、繊維と粉末とを例に
挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、一般
に、小径の混入部材であれば、形状はどのようなもので
あってもよく、粉末よりも粒径の大きい粒子状であって
もよい。また、この小径混入部材は、金属材料のよう
に、溶融アスファルト内においてもアスファルトと融合
せず混合状態を保持し得る部材であってもよい。この場
合には、固化後のアスファルト系構造材料内において
は、混合された小径部材は、アスファルト内に分散され
ており、アスファルト内に融合して消失しているわけで
はないため、「混合物」ということができる。一方、本
発明における小径混入部材は、合成樹脂のように、高温
の溶融アスファルト内においては、アスファルトと融合
し、純粋のアスファルトとは異なる組成のアスファルト
系物質を生成するような部材であってもよい。この場合
には、固化後のアスファルト系構造材料内においては、
混合された小径部材は、アスファルト内に融合して消失
しており、新たな物質を合成しているため、「合成物」
ということができる。上記記載における「混成物」は、
混合物と合成物の2つの概念を併せた概念を表現する用
語として用いられたものである。また、上記記載におけ
る「改質材」は、流動化材と粘弾性化材の概念を含む上
位概念を表現する用語として用いられたものであり、流
動状態又は硬化後の混成物の性質を改良する物質に相当
している。
【0099】また、上記各実施形態においては、アスフ
ァルト系構造材料を骨材の填充材として用いた構造物と
して、鉄道用道床を例に挙げて説明したが、本発明はこ
れには限定されず、他の種類の構造物、例えば道路にお
ける床状部、ふ頭やその他の港湾構造物における床状
部、滑走路やエプロン等の空港構造物における床状部、
埋立地における床状部、建築物における床状部、又は農
業用構造物における床状部などであってもよい。
【0100】また、本発明に係るアスファルト系構造材
料は、骨材を床状に敷設して予め形成した被填充体に流
動状態で流し込んでアスファルト系構造材料填充構造物
を施工する填充工法以外に、他のアスファルト系構造物
の施工に利用することも可能である。例えば、本発明に
係るアスファルト系構造材料と、砂や砕石等の骨材とを
混合して、アスファルト骨材混成物を作り、これを敷き
ならして締め固めることにより、層状の構造を形成する
こともできる。本発明に係るアスファルト系構造材料
は、アスファルトに繊維又は粉末等が混合されており、
いわゆる天然アスファルトに類似した組成を有し、硬く
かつ耐摩耗性が高いという性質を有している。したがっ
て、本発明に係るアスファルト系構造材料は、新設道路
建設用舗装材料、既設道路舗装のひび割れ,穴等の補修
用材料、又は橋りょう上のジョイント部分の舗装の補修
用材料、あるいは橋りょう等における段差部のすり付け
用材料としても利用可能である。このように、天然アス
ファルト類似の材料として使用する場合には、耐摩耗性
能をさらに向上させるため、粒径が1〜5mm程度の粒
子状の天然砕石、人工砕石、砂等を混合するとよい。
【0101】また、本発明に係るアスファルト系構造材
料を用いた他の施工方法も可能である。例えば、アスフ
ァルトを第1温度(繊維等の混合素材の撹拌が可能とな
る温度)まで加熱して撹拌可能な粘度とした後、このア
スファルトに、所定の強度と所定の耐熱性とアスファル
ト中での所定の分散性能を有する材料からなる繊維、粉
末のいずれか又はこれらの適宜の組合わせを適宜の割合
で混入させ撹拌して混成物を生成したのち、これを冷却
して硬化させ、破砕して塊状にし、その後、骨材間への
填充、骨材との混合等の施工時に、現場等において、こ
の塊状材を第1温度よりも高温な第2温度(骨材等への
填充が可能な流動状態となる温度)まで加熱して流動化
させて使用する方法が挙げられる。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
120〜185゜Cまで加熱されたアスファルトに、強
度を高める小径混入部材と、流動性を高める流動化材を
混入させ撹拌して混成物を生成した後、混成物を220
〜260゜Cまで加熱し流動化させて骨材間の間隙に填
充させるようにしたので、アスファルト単体の場合より
も初期強度、最終強度及び填充性が改善され、骨材から
なる鉄道道床の沈下を有効に防止することができ、かつ
工事費用も低廉な価格に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるアスファルト系構造
材料の強度に関する特性を示す概念図である。
【図2】本発明の他の実施形態であるアスファルト填充
工法の構成を示す概念図である。
【図3】図2に示すアスファルト填充工法により施工さ
れた軌道構造の例を示す図である。
【図4】本発明の実施例であるアスファルト系構造材料
の強度に関する特性を示す図である。
【符号の説明】
1 アスファルト填充装置 2 アスファルト加熱混合部 3 アスファルト移送部 4 アスファルト系構造材料流動物 5 道床 6 枠板 7 路盤 8 まくらぎ 9 レール 21 加熱容器 22 モータ 23 撹拌羽根 31 モータ 32 ポンプ 33,34 移送管路 41〜43 アスファルト系構造材料硬化物 51 骨材 52 舗装部 53,54 未填充部
フロントページの続き (72)発明者 御船 直人 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 長藤 敬晴 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 江本 学 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 安藤 勝敏 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 長橋 孝次 富山県西砺波郡福光町高宮757 (72)発明者 梶谷 公美 富山県砺波市広上町1−20 (72)発明者 長橋 清 東京都武蔵野市西久保1−34−11 Fターム(参考) 2D056 AA03 AA09 2D057 BA31 CB00

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アスファルトを120〜185゜Cまで
    加熱した後、前記アスファルトに、強度を高める小径混
    入部材と、流動性を高める流動化材を混入させ撹拌して
    混成物を生成する工程と、 次いで、前記混成物を220〜260゜Cまで加熱して
    溶融させ流動状態のアスファルト系構造材料を生成する
    工程と、 次いで、前記流動状態のアスファルト系構造材料を、鉄
    道の道床の骨材のうち、まくらぎ側方から路盤直上まで
    の骨材間の間隙に填充させた後に冷却により硬化させる
    工程を有するアスファルト系構造材料を用いた鉄道道床
    の施工方法であって、 前記小径混入部材としては、 金属材料、又はセラミックス系材料、又は岩石鉱物系材
    料、又は炭素、又はガラス系材料、又は合成樹脂、又は
    植物性材料、又は動物性材料からなり、長さが1〜10
    mmで直径が0.01〜1mmの短尺小径繊維、 若しくは、金属材料、又はカルシウム系材料、又はセラ
    ミックス系材料、又は岩石鉱物系材料、又は陶磁系材
    料、又は炭素、又はガラス系材料、又はマイカ系材料、
    又は合成樹脂からなり直径が10〜100μmの微細粉
    末が用いられるとともに、前記アスファルト系構造材料
    全体に対する重量比率が30%以下であり、 前記流動化材としては、非晶質ポリオレフィン系樹脂及
    びアニオン系アスファルト乳化剤が用いられ、前記アス
    ファルト系構造材料全体に対する重量比率が5%以下で
    あることを特徴とするアスファルト系構造材料を用いた
    鉄道道床の施工方法。
  2. 【請求項2】 アスファルトを120〜185゜Cまで
    加熱した後、前記アスファルトに、強度を高める小径混
    入部材と、流動性を高める流動化材を混入させ撹拌して
    混成物を生成する工程と、 次いで、前記混成物を220〜260゜Cまで加熱して
    溶融させ流動状態のアスファルト系構造材料を生成する
    工程と、 次いで、前記流動状態のアスファルト系構造材料を、鉄
    道の道床の骨材のうち、まくらぎ側方から路盤直上まで
    の骨材間の間隙に填充させた後に冷却により硬化させる
    工程を有するアスファルト系構造材料を用いた鉄道道床
    の施工方法であって、 前記小径混入部材としては、 金属材料、又はセラミックス系材料、又は岩石鉱物系材
    料、又は炭素、又はガラス系材料、又は合成樹脂、又は
    植物性材料、又は動物性材料からなり、長さが1〜10
    mmで直径が0.01〜1mmの短尺小径繊維、 若しくは、金属材料、又はカルシウム系材料、又はセラ
    ミックス系材料、又は岩石鉱物系材料、又は陶磁系材
    料、又は炭素、又はガラス系材料、又はマイカ系材料、
    又は合成樹脂からなり直径が10〜100μmの微細粉
    末が用いられるとともに、前記アスファルト系構造材料
    全体に対する重量比率が30%以下であり、 前記流動化材としてはアニオン系アスファルト乳化剤が
    用いられ、前記アスファルト系構造材料全体に対する重
    量比率が5%以下であることを特徴とするアスファルト
    系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のアスファ
    ルト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法において、 前記小径混入部材が導電性を有する場合は、前記アスフ
    ァルト系構造材料全体に対する重量比率は5%以下に設
    定されることを特徴とするアスファルト系構造材料を用
    いた鉄道道床の施工方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のアスファルト系構造材料
    を用いた鉄道道床の施工方法において、 前記非晶質ポリオレフィン系樹脂は、1個の炭素間二重
    結合を有する不飽和炭化水素であるオレフィンの重合に
    より生成される樹脂状物質のうちアモルファス状又はゴ
    ム状のものであって、ポリエチレン、又はポリプロピレ
    ン、又はポリブテンを含むことを特徴とするアスファル
    ト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は請求項2に記載のアスファ
    ルト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法において、 前記アニオン系アスファルト乳化剤は、松の樹脂から抽
    出される粗製テレビン油を蒸留して得られるロジン、又
    は植物の木質部を形成するリグニン、又は前記ロジンと
    脂肪酸とステロールと高分子アルコールを有するトール
    オイルのカルボン酸又はスルフォン酸のアルカリ金属
    塩、脂肪酸又は高級アルコール硫酸エステル又はアルキ
    ルベンゼンスルフォン酸のアルカリ金属塩を含むことを
    特徴とするアスファルト系構造材料を用いた鉄道道床の
    施工方法。
  6. 【請求項6】 アスファルトを120〜185゜Cまで
    加熱した後、前記アスファルトに、強度を高める小径混
    入部材と、流動性を高める流動化材を混入させ撹拌して
    混成物を生成する工程と、 次いで、前記混成物を220〜260゜Cまで加熱して
    溶融させ流動状態のアスファルト系構造材料を生成する
    工程と、 次いで、前記流動状態のアスファルト系構造材料を、鉄
    道の道床の骨材のうち、まくらぎ側方から前記まくらぎ
    下方までの骨材間の間隙に填充させた後に冷却により硬
    化させる工程と、 次いで、前記道床の側面を舗装する工程を有するアスフ
    ァルト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法であっ
    て、 前記小径混入部材としては、 金属材料、又はセラミックス系材料、又は岩石鉱物系材
    料、又は炭素、又はガラス系材料、又は合成樹脂、又は
    植物性材料、又は動物性材料からなり、長さが1〜10
    mmで直径が0.01〜1mmの短尺小径繊維、 若しくは、金属材料、又はカルシウム系材料、又はセラ
    ミックス系材料、又は岩石鉱物系材料、又は陶磁系材
    料、又は炭素、又はガラス系材料、又はマイカ系材料、
    又は合成樹脂からなり直径が10〜100μmの微細粉
    末が用いられるとともに、前記アスファルト系構造材料
    全体に対する重量比率が30%以下であり、 前記流動化材としては、非晶質ポリオレフィン系樹脂及
    びアニオン系アスファルト乳化剤が用いられ、前記アス
    ファルト系構造材料全体に対する重量比率が5%以下で
    あることを特徴とするアスファルト系構造材料を用いた
    鉄道道床の施工方法。
  7. 【請求項7】 アスファルトを120〜185゜Cまで
    加熱した後、前記アスファルトに、強度を高める小径混
    入部材と、流動性を高める流動化材を混入させ撹拌して
    混成物を生成する工程と、 次いで、前記混成物を220〜260゜Cまで加熱して
    溶融させ流動状態のアスファルト系構造材料を生成する
    工程と、 次いで、前記流動状態のアスファルト系構造材料を、鉄
    道の道床の骨材のうち、まくらぎ側方から前記まくらぎ
    下方までの骨材間の間隙に填充させた後に冷却により硬
    化させる工程と、 次いで、前記道床の側面を舗装する工程を有するアスフ
    ァルト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法であっ
    て、 前記小径混入部材としては、 金属材料、又はセラミックス系材料、又は岩石鉱物系材
    料、又は炭素、又はガラス系材料、又は合成樹脂、又は
    植物性材料、又は動物性材料からなり、長さが1〜10
    mmで直径が0.01〜1mmの短尺小径繊維、 若しくは、金属材料、又はカルシウム系材料、又はセラ
    ミックス系材料、又は岩石鉱物系材料、又は陶磁系材
    料、又は炭素、又はガラス系材料、又はマイカ系材料、
    又は合成樹脂からなり直径が10〜100μmの微細粉
    末が用いられるとともに、前記アスファルト系構造材料
    全体に対する重量比率が30%以下であり、 前記流動化材としてはアニオン系アスファルト乳化剤が
    用いられ、前記アスファルト系構造材料全体に対する重
    量比率が5%以下であることを特徴とするアスファルト
    系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法。
  8. 【請求項8】 請求項6又は請求項7に記載のアスファ
    ルト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法において、 前記小径混入部材が導電性を有する場合は、前記アスフ
    ァルト系構造材料全体に対する重量比率は5%以下に設
    定されることを特徴とするアスファルト系構造材料を用
    いた鉄道道床の施工方法。
  9. 【請求項9】 請求項6記載のアスファルト系構造材料
    を用いた鉄道道床の施工方法において、 前記非晶質ポリオレフィン系樹脂は、1個の炭素間二重
    結合を有する不飽和炭化水素であるオレフィンの重合に
    より生成される樹脂状物質のうちアモルファス状又はゴ
    ム状のものであって、ポリエチレン、又はポリプロピレ
    ン、又はポリブテンを含むことを特徴とするアスファル
    ト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法。
  10. 【請求項10】 請求項6又は請求項7に記載のアスフ
    ァルト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法におい
    て、 前記アニオン系アスファルト乳化剤は、松の樹脂から抽
    出される粗製テレビン油を蒸留して得られるロジン、又
    は植物の木質部を形成するリグニン、又は前記ロジンと
    脂肪酸とステロールと高分子アルコールを有するトール
    オイルのカルボン酸又はスルフォン酸のアルカリ金属
    塩、脂肪酸又は高級アルコール硫酸エステル又はアルキ
    ルベンゼンスルフォン酸のアルカリ金属塩を含むことを
    特徴とするアスファルト系構造材料を用いた鉄道道床の
    施工方法。
  11. 【請求項11】 アスファルトを120〜185゜Cま
    で加熱した後、前記アスファルトに、強度を高める小径
    混入部材と、流動性を高める流動化材を混入させ撹拌し
    て混成物を生成する工程と、 次いで、前記混成物を220〜260゜Cまで加熱して
    溶融させ流動状態のアスファルト系構造材料を生成する
    工程と、 次いで、前記流動状態のアスファルト系構造材料を、鉄
    道の道床の骨材のうち、まくらぎ直下から路盤直上まで
    の骨材間の間隙に填充させた後に冷却により硬化させる
    工程を有するアスファルト系構造材料を用いた鉄道道床
    の施工方法であって、 前記小径混入部材としては、 金属材料、又はセラミックス系材料、又は岩石鉱物系材
    料、又は炭素、又はガラス系材料、又は合成樹脂、又は
    植物性材料、又は動物性材料からなり、長さが1〜10
    mmで直径が0.01〜1mmの短尺小径繊維、 若しくは、金属材料、又はカルシウム系材料、又はセラ
    ミックス系材料、又は岩石鉱物系材料、又は陶磁系材
    料、又は炭素、又はガラス系材料、又はマイカ系材料、
    又は合成樹脂からなり直径が10〜100μmの微細粉
    末が用いられるとともに、前記アスファルト系構造材料
    全体に対する重量比率が30%以下であり、前記流動化
    材としては、非晶質ポリオレフィン系樹脂及びアニオン
    系アスファ ルト乳化剤が用いられ、前記アスファルト系構造材料全
    体に対する重量比率が5%以下であることを特徴とする
    アスファルト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法。
  12. 【請求項12】 アスファルトを120〜185゜Cま
    で加熱した後、前記アスファルトに、強度を高める小径
    混入部材と、流動性を高める流動化材を混入させ撹拌し
    て混成物を生成する工程と、 次いで、前記混成物を220〜260゜Cまで加熱して
    溶融させ流動状態のアスファルト系構造材料を生成する
    工程と、 次いで、前記流動状態のアスファルト系構造材料を、鉄
    道の道床の骨材のうち、まくらぎ直下から路盤直上まで
    の骨材間の間隙に填充させた後に冷却により硬化させる
    工程を有するアスファルト系構造材料を用いた鉄道道床
    の施工方法であって、 前記小径混入部材としては、 金属材料、又はセラミックス系材料、又は岩石鉱物系材
    料、又は炭素、又はガラス系材料、又は合成樹脂、又は
    植物性材料、又は動物性材料からなり、長さが1〜10
    mmで直径が0.01〜1mmの短尺小径繊維、若しく
    は、金属材料、又はカルシウム系材料、又はセラミック
    ス系材料、又は岩石鉱物系材料、又は陶磁系材料、又は
    炭素、又はガラス系材料、又はマイカ系材料、又は合成
    樹脂からなり直径が10〜100μmの微細粉末が用い
    られるとともに、前記アスファルト系構造材料全体に対
    する重量比率が30%以下であり、 前記流動化材としてはアニオン系アスファルト乳化剤が
    用いられ、前記アスファルト系構造材料全体に対する重
    量比率が5%以下であることを特徴とするアスファルト
    系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法。
  13. 【請求項13】 請求項11又は請求項12に記載のア
    スファルト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法にお
    いて、 前記小径混入部材が導電性を有する場合は、前記アスフ
    ァルト系構造材料全体に対する重量比率は5%以下に設
    定されることを特徴とするアスファルト系構造材料を用
    いた鉄道道床の施工方法。
  14. 【請求項14】 請求項11記載のアスファルト系構造
    材料を用いた鉄道道床の施工方法において、 前記非晶質ポリオレフィン系樹脂は、1個の炭素間二重
    結合を有する不飽和炭化水素であるオレフィンの重合に
    より生成される樹脂状物質のうちアモルファス状又はゴ
    ム状のものであって、ポリエチレン、又はポリプロピレ
    ン、又はポリブテンを含むことを特徴とするアスファル
    ト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法。
  15. 【請求項15】 請求項11又は請求項12に記載のア
    スファルト系構造材料を用いた鉄道道床の施工方法にお
    いて、 前記アニオン系アスファルト乳化剤は、松の樹脂から抽
    出される粗製テレビン油を蒸留して得られるロジン、又
    は植物の木質部を形成するリグニン、又は前記ロジンと
    脂肪酸とステロールと高分子アルコールを有するトール
    オイルのカルボン酸又はスルフォン酸のアルカリ金属
    塩、脂肪酸又は高級アルコール硫酸エステル又はアルキ
    ルベンゼンスルフォン酸のアルカリ金属塩を含むことを
    特徴とするアスファルト系構造材料を用いた鉄道道床の
    施工方法。
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