JP2003201630A - カーボンナノファイバーの後処理方法及び黒鉛化カーボンナノファイバーの製造方法 - Google Patents

カーボンナノファイバーの後処理方法及び黒鉛化カーボンナノファイバーの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機遷移金属化合物を原料にして気相成長法
で製造された粗カーボンナノファイバーから有機遷移金
属化合物、さらには遷移金属及びタール分を除去するこ
とのできる後処理方法、及び高結晶化した黒鉛化カーボ
ンナノファイバーの製造方法を提供すること。 【解決手段】 有機遷移金属化合物を使用して製造され
た粗カーボンナノファイバーを前記有機遷移金属化合物
の分解温度よりも低い温度に加熱する工程を少なくとも
有する後処理方法、及び前記後処理方法を経て得られた
カーボンナノファイバーを黒鉛化する工程を有すること
を特徴黒鉛化カーボンナノファイバーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はカーボンナノファ
イバーの後処理方法及び黒鉛化カーボンナノファイバー
の製造方法に関し、さらに詳しくは、高結晶性のカーボ
ンナノファイバーを製造することができるように粗なカ
ーボンナノファイバーから有機遷移金属化合物を除去
し、さらには有機遷移金属化合物と遷移金属及び/又は
タール成分とを除去することのできるカーボンナノファ
イバーの後処理方法、及び、高結晶性のカーボンナノフ
ァイバーを製造することのできる黒鉛化カーボンナノフ
ァイバーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】気相成長炭素繊維は、後処理である黒鉛
化処理が施されると、結晶性が向上し、炭素六角格子面
が年輪状に配向して、優れた特性を示すことが知られて
いる。また気相成長炭素繊維は、直径が小さいほど、結
晶性が低い。
【0003】気相成長炭素繊維の中で、直径が1〜10
0nmである細い気相成長炭素繊維は、特にカーボンナ
ノファイバー(黒鉛網面が年輪状に繊維軸を巻き中空形
状の時はカーボンナノチューブ)と称されている。
【0004】カーボンナノファイバーに黒鉛化処理を施
すと、結晶性が増大し、好ましい性質を発現すると期待
される。カーボンナノファイバーに黒鉛化処理を施すこ
とによって得られる黒鉛化カーボンナノファイバーは、
特に、その繊維径が小さいことから、これを含有する複
合材料を形成したときにその複合材料の導電性を著しく
向上させたり、先端放電特性を向上させたりするという
好ましい性質が発現すると考えられる。
【0005】ただし黒鉛化カーボンナノファイバーの前
記性質を発現させるためには、その純度が高いこと、つ
まり品質の高いことが条件になる。
【0006】気相成長炭素繊維の製造方法を利用してカ
ーボンナノファイバーを製造するためには、生成する繊
維の径を小さくする必要があり、そのためには繊維の太
さ成長を抑制することが必要である。そのようにするに
は、繊維を形成するに必要な炭素源の分解速度と、繊維
生成の核となる金属粒子(金属滴)の生成速度との比較
において、前記分解速度を小さくし、前記生成速度を大
きくすること、及び反応系内における生成繊維の滞留時
間を短くし、生成繊維が大きく太さ成長しないうちにこ
れを反応系外に排出することが必要である。
【0007】前記分解速度を小さくするには、反応温度
を低くする必要があり、そうするとタール分が増加す
る。気相成長炭素繊維は900〜1300℃で製造さ
れ、黒鉛化処理は、不活性ガス中において2000〜3
000℃で行われるのが普通である。気相成長炭素繊維
を製造する気相成長法を採用してカーボンナノファイバ
ーを製造するに際し、反応系中にタールが存在すると、
タールが接着剤の役割を果たし、反応工程中に繊維が飛
散しないというメリットがある一方、前記黒鉛化温度で
はタールはそのまま炭化し、配向のない黒鉛微結晶にな
る。したがってタール分が多くなると、黒鉛化カーボン
ナノファイバーの品質が低下する。
【0008】一方、前記生成速度を大きくするには、反
応に使用される有機遷移金属化合物の量を増やす必要が
ある。有機遷移金属化合物の量を増やし、反応系内にお
ける生成繊維の滞留時間を短くすると、残留する有機遷
移金属化合物の量が多くなる。残留した有機遷移金属化
合物は、カーボンナノファイバーに付着して、系外に取
り出される。カーボンナノファイバーに付着した有機遷
移金属化合物は除去しないと、加熱工程例えば黒鉛化工
程で分解して遷移金属粒子となる。この遷移金属粒子
は、黒鉛化工程中に気化蒸発するが、その際にカーボン
ナノファイバーを融かし、配向性のない微結晶炭素を増
加させる。したがって残留する有機遷移金属化合物の量
が多くなると、黒鉛化カーボンナノファイバーが生成す
るとしてもその品質が低下する。
【0009】以上から理解されるように、気相成長炭素
繊維を製造する方法を利用しても、高品質の黒鉛化カー
ボンナノファイバーを製造するのは困難であった。従来
の繊維径の大きい気相成長炭素繊維においては、使用す
る有機遷移金属化合物の量が少なかったので、このよう
な問題は小さかったが、繊維径の小さい気相成長炭素繊
維であるカーボンナノファイバーを製造する場合に、前
記問題は重大であり、その繊維径が小さいほどこの問題
は大きくなる。
【0010】したがって高品質の黒鉛化カーボンナノフ
ァイバーを得るためには、黒鉛化処理前にカーボンナノ
ファイバーに含有される不純物、すなわちタール成分及
び残存金属成分を除去しておく必要がある。
【0011】前記残存金属成分には、有機遷移金属化合
物が分解して生成した金属粒子等と未分解の有機遷移金
属化合物とがある。
【0012】前記残存金属成分における分解物の除去方
法としては、従来、酸洗いがあったが、この方法には、
処理に手間がかかる割に除去率が低いという欠点があっ
た。
【0013】前記残存金属成分の未分解物及びタール成
分の除去方法には、従来、溶媒抽出があったが、この方
法には、除去率が低く、溶媒抽出という加熱処理以外の
工程が必要であるので、コスト高になるという欠点があ
った。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】この発明は前記問題点
を解決することを目的とする。即ち、この発明の目的
は、高結晶化した黒鉛化カーボンナノファイバーを得る
ために、製造されたカーボンナノファイバーから残存す
る未反応の有機遷移金属化合物を除去することのできる
カーボンナノファイバーの後処理方法、カーボンナノフ
ァイバーから、残存する未反応の有機遷移金属化合物及
び反応後に生成する金属成分とタール成分とを除去する
ことのできるカーボンナノファイバーの後処理方法を提
供することにある。この発明の他の目的は、高結晶性の
黒鉛化カーボンナノファイバーを製造することのできる
方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
のこの発明の第1の手段は、(1) 有機遷移金属化合
物を使用した気相成長法により製造されたカーボンナノ
ファイバーを有機遷移金属化合物の分解温度よりも低い
温度に加熱する遷移金属除去工程を有することを特徴と
するカーボンナノファイバーの後処理方法であり、
(2) 前記カーボンナノファイバーの後処理方法にお
ける好適な態ようでは、前記遷移金属除去工程が、不活
性ガス雰囲気中で加熱する操作を含んでなり、(3)
前記カーボンナノファイバーの後処理方法における好適
な態ようでは、前記遷移金属除去工程が、塩素ガスを含
有する雰囲気中で加熱する操作を含んでなり、(4)
前記カーボンナノファイバーの後処理方法における好適
な態ようでは、前記遷移金属除去工程の後に、不活性ガ
ス雰囲気中で800〜1200℃にカーボンナノファイ
バーを加熱するタール除去工程を有し、(5) 前記カ
ーボンナノファイバーの後処理方法における好適な態よ
うでは、前記カーボンナノファイバーを酸性水で洗浄す
る洗浄工程を有してなり、(6) 前記カーボンナノフ
ァイバーの後処理方法における好適な態ようでは、前記
遷移金属除去工程は、平均嵩密度が0.05g/cm
を超えないカーボンナノファイバーを加熱する工程であ
り、(7) 前記課題を解決するための他の手段は、前
記(1)〜(6)のいずれかに記載のカーボンナノファ
イバーの後処理方法により得られた後処理済みカーボン
ナノファイバーを1600〜3000℃に加熱するカー
ボンナノファイバー黒鉛化工程を有することを特徴とす
る黒鉛化カーボンナノファイバーの製造方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明における黒鉛化カーボン
ナノファイバーは、(1)カーボンナノファイバーの後処
理方法(以下において、単に後処理方法と称することが
ある。)及び(2)カーボンナノファイバー黒鉛化工程を
有して製造される。
【0017】(1)カーボンナノファイバーの後処理方法 この発明に係る後処理方法においては、有機遷移金属化
合物を用いて製造されたカーボンナノファイバーを前記
有機遷移金属化合物の分解温度よりも低い温度に加熱す
る。
【0018】この後処理方法に供されるカーボンナノフ
ァイバーは、有機遷移金属化合物を用いて気相成長法で
製造される粗なカーボンナノファイバーであればよい。
【0019】カーボンナノファイバーを製造する装置と
しては、例えば、特開平8−301699号公報におけ
る図2、特開平11−107052公報における図2、
特願平11−198731に係る明細書に添付された図
2、特願平10−353628に係る明細書に添付され
た図2及び図3、特願平10−353629に係る明細
書に添付された図2及び図2、特開2001−7323
1号公報に記載された図2、特願平11−290505
に係る明細書に添付された図2等に示される装置を挙げ
ることができる。
【0020】この発明に係るカーボンナノファイバーの
後処理方法に供されるカーボンナノファイバーを製造す
ることのできる装置の一例を図1に示す。この図1に示
される装置構成は、特開2001−73231号公報に
記載された気相成長炭素繊維製造装置と同様である。
【0021】図1において、1はカーボンナノファイバ
ーを製造する気相成長炭素繊維製造装置、2は炭素源化
合物及び触媒金属源例えば有機金属化合物の混合物を収
容する原料タンク、3は原料タンク内の混合物を吸引吐
出し、その流量を調節するポンプ、4は前記混合物を所
定の温度に予熱する予熱器、5は予熱された混合物をさ
らに加熱して気化させる加熱気化器、6は気化した混合
物と共に流通するキャリヤーガスの流量を調整する第1
マスフローコントローラ、7は原料ガス供給ノズル内を
流通する混合ガスを冷却するために原料ガス供給ノズル
の周囲に供給される第1キャリヤーガスの流量を調整す
る第2マスフローコントローラ、8はキャリヤーガスの
流量を調整する第3マスフローコントローラ、9は加熱
された混合物のガスを所定温度に維持するヒートチュー
ブ、10は縦型炉芯管の頂部から内部に混合ガスを導入
する円筒管状の原料ガス供給ノズル、11は縦型炉芯管
(縦型反応管又は反応管とも称される。)、12は第1
キャリヤーガスを縦型炉芯管内に導入するところの、前
記原料ガス供給ノズルを囲繞する外筒管、13は前記外
筒管12と原料ガス供給ノズルとの間に介装されて、冷
却用ガスを導出する内筒管、13は冷却用ガス供給ノズ
ル、14は前記内筒管13の先端から導出された冷却ガ
スを縦型炉心管11の外に排出する冷却ガス排出管、1
4はキャリヤーガス供給ノズル、15は前記キャリヤー
ガス供給ノズルの先端部に装着されたガス整流手段、1
6は加熱手段である電気炉、17は原料ガス供給ノズル
における原料ガス供給口、18は分岐管、19は配管、
20はポンプから吐出された混合物を気化器に送り出す
原料供給管、21は配管、22は配管、24は排出手
段、25は排出管、26は排出管25における上方開口
部、27は駆動気体噴出ノズル、28はエジェクター
管、29は案内ガス流通手段、30はガス均一供給槽、
31は案内ガス供給管、32はフロー調整部である。
【0022】カーボンナノファイバーを製造する装置に
おいては、炭素源化合物と有機遷移金属化合物とを例え
ば900〜1300℃に加熱することにより有機遷移金
属化合物の分解によって発生した金属粒子を核として、
この金属粒子核から繊維が長さ方向及び太さ方向に成長
することにより、カーボンナノファイバーが形成され
る。既に述べたように、極細のカーボンナノファイバー
を製造するために、上記製造装置においては、有機遷移
金属化合物の分解速度小さくすると共に生成した繊維が
反応系内に滞留する時間を短くするように、反応条件が
適宜に設定される。
【0023】前記滞留時間と同様に、反応温度と各成分
濃度との条件も重要で、これらの要件の組み合わせで、
効率よくカーボンナノファイバーが生成する。
【0024】したがって、このような反応条件下で製造
されたカーボンナノファイバーは、未分解の有機遷移金
属化合物、分解後に生成した遷移金属、タール成分等を
不純物として含有する。これらの不純物をどのような割
合で含有するかは、反応条件によりよう々である。いず
れにしても、このような不純物を含有するカーボンナノ
ファイバーを、便宜上、粗カーボンナノファイバーと称
することがある。
【0025】なお、カーボンナノファイバーを製造する
際に使用される有機遷移金属化合物としては、例えば特
開昭60−54998号公報の第3頁左上欄第9行〜同
頁右上欄最下行に記載の有機遷移金属化合物、特開平9
−324325号公報の段落番号[0059]に記載さ
れた有機遷移金属化合物、特開平9−78360号公報
の段落番号[0049]に記載された有機遷移金属化合
物等を挙げることができ、これら有機遷移金属化合物と
共に助触媒として使用することができる化合物として、
特開平9−78360号公報の段落番号[0051]、
並びに特開平9−324325号公報の段落番号[00
61]に記載された含硫黄複素環式化合物及び硫黄化合
物を挙げることができる。
【0026】また、カーボンナノファイバーを製造する
際に使用される炭素源化合物として、熱分解により炭素
を発生させて炭素繊維質物例えば気相成長炭素繊維、特
にカーボンナノファイバー、カーボンナノチューブを生
成させることができる化合物であれば特に制限がなく、
特公昭60−54998号公報の第2頁左下欄第4行〜
同頁右下欄第10行に記載された炭素化合物、特開平9
−324325号公報の段落番号[0060]に記載さ
れた有機化合物、特開平9−78360号公報の段落番
号[0050]に記載された有機化合物等を挙げること
ができる。
【0027】粗カーボンナノファイバー中に含まれる有
機遷移金属化合物は、カーボンナノファイバーを製造す
る際の触媒金属源として使用された化合物であるから、
この発明に係る後処理方法における加熱温度は、使用さ
れる有機遷移金属化合物の種類に応じて相違することに
なる。一般的には、前記加熱温度は、粗カーボンナノフ
ァイバーを製造する際に使用された有機遷移金属化合物
の蒸発温度以上かつ前記有機遷移金属化合物の分解温度
以下の温度範囲内にある適宜の温度である、といえる。
具体的には、有機遷移金属化合物としてフェロセン等の
メタロセンが使用されたときには、前記「有機遷移金属
化合物の分解温度よりも低い温度」は常圧下において3
50〜500℃であり、特に400〜450℃である。
なお、有機遷移金属化合物によっては、その有機遷移金
属化合物が蒸発する前に分解する化合物もあるので、そ
のような有機遷移金属化合物が使用された場合には、減
圧下で蒸発を起こす温度が採用される。つまり、減圧下
で加熱処理をするのであり、減圧下においてその有機遷
移金属化合物の蒸発温度以上でありその有機遷移金属化
合物の分解温度以下に加熱するのである。
【0028】前記加熱温度に粗カーボンナノファイバー
を加熱すると、粗カーボンナノファイバーの表面に付着
する有機遷移金属化合物が蒸発して粗カーボンナノファ
イバーから離脱し、除去される。
【0029】また、加熱処理される前記粗カーボンナノ
ファイバーの平均嵩密度は、大きくとも0.05g/c
、特に0.001〜0.01g/cmであるの
が、好ましい。粗カーボンナノファイバーの平均嵩密度
が前記範囲内にあると前記加熱温度にこの粗カーボンナ
ノファイバーを加熱すると、粗カーボンナノファイバー
の繊維間から容易かつ迅速に有機遷移金属化合物が蒸発
除去される。また前記粗カーボンナノファイバーは、そ
の局所密度が大きくとも0.3g/cm、特に0.1
g/cmであるのが好ましい。局所密度が前記値を超
えると、粗カーボンナノファイバーにおける繊維同士の
固着が起こり、最終的なカーボンナノファイバーの品質
低下となることがある。なお、ここで粗カーボンナノフ
ァイバーの嵩密度は、一般的な言い方をすると単位体積
当たりの重量であるということができるが、この発明に
おいては、処理を加えられる間の全体としての密度であ
り、(装置内のカーボンナノファイバーの重量)÷(装
置の内容積)と言う計算により求めることができる。
【0030】一方、局所密度は、平均嵩密度測定領域内
における部分的密度であって、モデル実験や計算で求め
られる。例示すると、粗ナノファイバーで直径20mm
(体積4.19cm)の球(毛玉)を作り、その重量
が0.10gになるように調整したとすると、その嵩密
度(局所密度)は0.024g/cmである。この毛
球を直径100mm、有効加熱長500mmの加熱管
(体積3300cm)に、強制的に圧力をかけて詰め
込むのではなく、軽く押し込む程度に詰めて充填する。
このときの粗ナノファイバー重量が25gであると、そ
の嵩密度(平均嵩密度)は0.007g/cmであ
る。
【0031】有機遷移金属化合物の分解温度よりも低い
加熱温度に加熱する加熱処理の雰囲気は、通常、窒素及
び希ガス等の不活性ガス雰囲気である。
【0032】有機遷移金属化合物の分解温度よりも低い
加熱温度に粗カーボンナノファイバーを加熱する加熱時
間は、通常、0.5〜60分、好ましくは1〜30分で
ある。加熱時間が前記範囲よりも短いと、有機遷移金属
化合物の除去が不十分になり、前記範囲よりも長いと加
熱時間を長くするに比例する技術的効果を期待すること
が薄くなる。
【0033】この発明に係る後処理方法に供される粗カ
ーボンナノファイバーは、不純物である有機遷移金属化
合物の含有量につき特に限定はないが、効率的に有機遷
移金属化合物を除去することを目指すのであれば、有機
遷移金属化合物を含む全遷移金属の含有量が多くとも1
0重量%、好ましくは多くとも5重量%、さらに好まし
くは3重量%であることが好ましい。全遷移金属の含有
量が前記範囲内にある粗カーボンナノファイバーをこの
発明の後処理方法で処理すると、良好な結晶状態の黒鉛
化カーボンナノファイバーを好適に製造することができ
る。
【0034】この加熱処理をすると、例えば有機遷移金
属化合物が前記含有量で含有されている粗カーボンナノ
ファイバーにおける有機遷移金属化合物の含有量を、加
熱処理前の粗カーボンナノファイバーに存在する未反応
の有機遷移金属化合物の多くとも5重量%までに低減す
ることができる。
【0035】加熱処理における加熱手段としては、粗カ
ーボンナノファイバーを前記温度範囲に加熱することの
できる手段を採用することができ、一例として、図2に
示される遷移金属除去装置40を挙げることができる。
【0036】図2に示されるように、遷移金属除去装置
40は、供給部41と、加熱処理部42と、捕集タンク
43とを有する。
【0037】供給部41は、加熱処理部42に粗カーボ
ンナノファイバー44を供給する。供給部41は、ホッ
パー45とプッシャー46とを有する。
【0038】ホッパー45は、処理対象である粗カーボ
ンナノファイバー44を収容する。ホッパー45の下部
側面部には、加熱炉47が設けられている。ホッパー4
5の下部には、その中に収容された粗カーボンナノファ
イバー44を加熱処理部42に送り込むプッシャー46
が設けられている。プッシャー46は、押圧板とこの押
圧板に結合された押圧ロッドと、この押圧ロッドを例え
ば流体圧で前進後進させるシリンダーとを備えたシリン
ダー形式である。
【0039】加熱処理部42は、粗カーボンナノファイ
バー44を加熱処理し、その中に含まれる有機遷移金属
化合物を蒸発除去させる。加熱処理部42は、ホッパー
45の側面に設けられ、水平方向に延在する。加熱処理
部42は、加熱炉47と、その内を水平方向に延びる長
尺円筒状の加熱室49とを有する。加熱室49と加熱炉
47との間には、加熱手段48が配設される。加熱室4
9は、ホッパー45の内部空間と連通している。ホッパ
ー45からプッシャー46により送り出された粗カーボ
ンナノファイバー44は加熱室49に供給される。
【0040】加熱炉47は、加熱手段48により加熱室
49内に熱を供給する例えば電熱炉又は燃焼炉である。
加熱室49は、その一端開口部においてホッパー45に
接合されている。加熱手段48は、加熱室49内に送り
込まれた粗カーボンナノファイバー44に熱を供給し、
粗カーボンナノファイバー44に含有される有機遷移金
属化合物を蒸発させて除去する。加熱室49としては、
例えばセラミック管及び耐熱金属管を挙げることができ
る。前記セラミック管に使用されるセラミックとして
は、例えばアルミナ、ムライト、SiC、石英及びサイ
アロンを挙げることができる。前記耐熱金属管に使用す
る耐熱金属としては、例えばSUS、ハステロイC及び
インコネルを挙げることができる。加熱室49のホッパ
ー45側の開口部には入口側開閉弁50が設けられ、捕
集タンク43側の開口部には出口側開閉弁51が設けら
れている。
【0041】捕集タンク43は、加熱処理部42によっ
て、粗カーボンナノファイバー44から有機遷移金属化
合物を蒸発除去することにより生成された処理生成物5
2を収容する容器である。この処理生成物52は、有機
遷移金属化合物の含有量の低減されたカーボンナノファ
イバーを含む。捕集タンク43は、加熱室49におけ
る、ホッパー45が設けられた開口部とは反対側の開口
部に設けられている。捕集タンク43の下端部には、取
出用開閉弁53が設けられている。
【0042】ホッパー45の底部及び上部には、それぞ
れガス導入口54及びガス導出口55が設けられてい
る。加熱室49には、その両端部にガス導入口56及び
ガス導出口57が設けられている。捕集タンク43に
は、その上端部及び下端部にそれぞれガス導入口58及
びガス導出口59が設けられている。ホッパー45、加
熱室49及び捕集タンク43の内部は、これらの空間内
に前記ガス導入口54,56,58から特定のガスを送
入することによって、粗カーボンナノファイバーの存在
する空間を特定のガス雰囲気にすることができる。
【0043】遷移金属除去装置40は、以下のように使
用される。
【0044】入口側開閉弁50、出口側開閉弁51及び
取出用開閉弁53を閉じた状態にする。窒素ガスをガス
導入口54からホッパー45内に供給し、ガス導出口5
5から排出する。窒素ガスをガス導入口56から加熱室
49に供給し、ガス導出口57から排出する。窒素ガス
をガス導入口58から捕集タンク43内に供給し、ガス
導出口59から排出する。このようにしてホッパー4
5、加熱室49及び捕集タンク43内を窒素ガスで置換
する。
【0045】加熱手段48により、加熱室49を上記に
示した温度範囲の温度にする。
【0046】入口側開閉弁50及び出口側開閉弁51を
開の状態にする。
【0047】ホッパー45内に収容された粗カーボンナ
ノファイバー44は、プッシャー46によって加熱室4
9の一端開口から加熱室49に送り込まれる。プッシャ
ー46は、この送り込み操作を繰り返す。粗カーボンナ
ノファイバー44がプッッシャー28によって加熱室4
9に順次送り込まれることにより、粗カーボンナノファ
イバー44は、加熱室49内をホッパー45側から捕集
タンク43側に移動する。
【0048】粗カーボンナノファイバー44は、加熱室
49内を移動している間に上記温度範囲に加熱され、そ
の中に含まれる有機遷移金属化合物が蒸発し、処理生成
物52が生成される。粗カーボンナノファイバー44の
加熱室49内の移動速度、すなわちプッシャー46によ
る粗カーボンナノファイバー44の供給速度は、遷移金
属化合物の蒸発除去が完了するのに必要な時間だけ粗カ
ーボンナノファイバー44の加熱室49内における滞留
が確保されるように決定される。プッシャー46で加熱
室に送り込みに際しては、加熱室49の壁と粗カーボン
ナノファイバーとの間の摩擦が大きいので、加熱室の長
さを短くして、摩擦抵抗をできるだけ低減するのが良
い。
【0049】生成された処理生成物52は、捕集タンク
43に送られ、そこに収容される。取出用開閉弁53を
開の状態にして、捕集タンク43に収容された処理生成
物52を遷移金属除去装置20から排出する。
【0050】上記処理操作によって有機遷移金属化合物
の含有量が低減したカーボンナノファイバーを処理生成
物52として得ることができる。一方、粗カーボンナノ
ファイバーから有機遷移金属化合物及び遷移金属を除去
するには、次に示す後処理をするのが良い。
【0051】すなわち、この発明に係る後処理方法にお
いては、前記(a)粗カーボンナノファイバーを製造する
のに使用された有機遷移金属化合物の分解温度よりも低
い加熱温度に不活性雰囲気中で加熱する加熱処理(以下
において、単に(a)加熱処理と称することがある。)に
代えて、(b)粗カーボンナノファイバーを製造するのに
使用された有機遷移金属化合物の分解温度よりも低い加
熱温度に塩素ガスを含有する雰囲気中で加熱する加熱処
理(以下において、単に(b)加熱処理と称することがあ
る。)をする。また、この発明に係る後処理方法におい
ては、前記(a)加熱処理の前後、好ましくは前記(a)加熱
処理の後に前記(b)加熱処理をすることもできる。
【0052】塩素ガスを含有する雰囲気として、塩素ガ
ス100容量%の雰囲気を挙げることができるが、通
常、塩素ガス濃度が20〜50容量%の雰囲気であり、
残りが不活性ガスである塩素ガス含有不活性ガス雰囲気
を挙げることができる。
【0053】この(b)加熱処理に供される粗カーボンナ
ノファイバーの平均嵩密度及び局所嵩密度は、前記(a)
加熱処理の場合と同様である。
【0054】この(b)加熱処理における加熱温度は、前
記(a)加熱処理における加熱温度と同様である。この(b)
加熱処理において、塩素ガスを粗カーボンナノファイバ
ーに作用させ、前記加熱温度に粗カーボンナノファイバ
ーを加熱すると、粗カーボンナノファイバーに含まれて
いる前記遷移金属が蒸発可能な化合物に変化して、加熱
温度によりこの化合物が蒸発除去されてしまい、また粗
カーボンナノファイバーに含まれている有機遷移金属化
合物も加熱温度により蒸発して除去される。
【0055】特に、有機遷移金属化合物の一例であるメ
タロセン例えばフェロセンから生じた鉄粒子を含む粗カ
ーボンナノファイバーを400〜500℃、好ましくは
430〜460℃と言った450℃付近において窒素と
塩素との混合ガス雰囲気下で加熱処理すると、例えば鉄
が塩化鉄になり、これが蒸発することによって、鉄粒子
が除去される。このような塩素含有ガスを使用した場合
には、粗カーボンナノファイバーに含有される鉄等の遷
移金属を多くとも1%、さらには多くとも0.1%にま
で除去することができる。
【0056】(b)加熱処理は、図2に示される遷移金属
除去装置20を利用することにより実行可能である。た
だし、塩素ガスを使用するので、加熱手段48にSUS
管をそのまま使用するのは得策ではない。加熱手段48
にSUS管を使用する必要があるときには、SUS管に
塩素に対する耐腐食性の処置を施しておくのが良い。
【0057】この(b)加熱処理においては、図2に示さ
れる装置であって、塩素に対する耐腐食性の処置を施さ
れた加熱室49を装備した遷移金属除去装置20を使用
する場合、粗カーボンナノファイバー44をホッパー4
5内に収容し、プッシャー46によりこれを上記温度に
加熱された加熱室49に送る。加熱室49が処理生成物
52で満たされた状態にする。入口側開閉弁50及び出
口側開閉弁51を閉じて、ガス導入口56から加熱室4
9に塩素ガスを一定時間送り、粗カーボンナノファイバ
ーに存在する遷移金属を塩素処理し、これにより生成さ
れた揮発性物質を蒸発除去する。その後、ガス導入口5
6から加熱室49に窒素ガスを送りこみ、加熱室49内
の塩素ガスを窒素ガスで置換する。入口側開閉弁50及
び出口側開閉弁51を開けて、加熱処理された生成物を
捕集タンク43に送る。
【0058】図2に示される遷移金属除去装置20は、
横型であるが、これを縦型にしてもよい。
【0059】なお、前記加熱処理により得られたカーボ
ンナノファイバー中に残存する遷移金属の含有量を更に
低減させるには、前記加熱処理の前後においてカーボン
ナノファイバーを酸性水で洗浄する操作を施すのも良
い。
【0060】酸性水としては、濃塩酸または希塩酸、濃
硝酸または希硝酸、希硫酸等を挙げることができる。
【0061】このように加熱処理をして得られた処理生
成物(以下において、金属成分除去粗カーボンナノファ
イバーと称することがある。)を、次のカーボンナノフ
ァイバー黒鉛化工程に送り込むこともできるが、前記金
属成分除去カーボンナノファイバーからタール成分を除
去して、これにより得られたタール除去生成物を不純物
除去生成物として、カーボンナノファイバー黒鉛化工程
に送り込むことが好ましい。
【0062】タール除去工程は、金属除去粗カーボンナ
ノファイバーを、不活性ガス雰囲気中で800〜120
0℃まで除々に加熱し、タール成分を蒸発除去する工程
である。
【0063】加熱時間は、0.5〜60分間、特に1〜
30分間であることが好適である。
【0064】タール除去工程に供する金属除去粗カーボ
ンナノファイバーについても、その嵩密度は、前述の範
囲内であること好ましい。
【0065】タール除去工程においてタール成分を効率
的に除去するには、タール成分を蒸発させて気化したタ
ール成分を迅速に拡散させる必要があるので、タール除
去工程に供されるカーボンナノファイバーの相互間隔が
大きい方が好ましい。したがって本発明では、被処理物
である粗カーボンナノファイバー又は金属除去粗カーボ
ンナノファイバーの嵩密度は小さい方が、効果的にター
ル等を除去することができ、高品質の黒鉛化カーボンナ
ノファイバーを得ることができる。
【0066】また嵩密度が小さいと、被処理物の処理体
積が大きくなるが、その一方被処理物の熱容量が小さい
ので、処理速度を大きくすることができる。その結果、
嵩密度を小さくしても、実質的に処理コストの変動はな
い。
【0067】かくして本発明の後処理方法を経て得られ
たカーボンナノファイバー(以下、これを後処理済みカ
ーボンナノファイバーと称することがある。)は、次の
カーボンナノファイバー黒鉛化工程に提供される。
【0068】(2)カーボンナノファイバー黒鉛化工程 カーボンナノファイバー黒鉛化工程では、不純物除去生
成物が、1600〜3000℃に、好ましくは1800
〜2800℃に加熱される。
【0069】1600〜2400℃の加熱温度である
と、特に、屈曲した黒鉛化カーボンナノファイバーの生
成が少なくなる。屈曲のない黒鉛化カーボンナノファイ
バーは樹脂と混合して導電性部材を得ようとする場合、
導電性の低下と言った問題の発生が少ない。したがっ
て、導電性と言う観点からすると前記加熱温度に調節す
るのが好ましいと言える。
【0070】加熱時間は、0.5〜60分間、特に1〜
30分間であることが好適である。
【0071】なおここでいう「黒鉛化処理」とは、高結
晶化構造を得ることを目的とする処理である。
【0072】加熱処理は、上記温度範囲に粗カーボンナ
ノファイバーを加熱することができるのであれば、種々
の公知の加熱装置を採用することができる。
【0073】前記温度に加熱することにより、得られる
黒鉛化生成物には塊状黒鉛が殆ど含まれず、またタール
が変質したと思われる微細黒鉛異物の量が著しく減少す
る。したがって、この黒鉛化生成物は、殆ど黒鉛化カー
ボンナノファイバーの集合体である。
【0074】この黒鉛化カーボンナノファイバーは、通
常黒鉛化カーボンナノチューブあるいは黒鉛化極細気相
成長炭素繊維と当業者に考えられているのと同様であ
る。
【0075】また、このカーボンナノファイバー黒鉛化
処理工程により得られる黒鉛化カーボンナノファイバー
は、黒鉛化度が向上しているので、樹脂に混合して複合
材料にするとその複合材料の導電性が著しく向上する。
【0076】複合材料における母材としては、例えばエ
ポキシ樹脂・ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂、ナイロ
ン・ポリエチレンやスーパーエンプラ(PEEK、PP
S)等の熱可塑性樹脂等を挙げることができる。
【0077】
【実施例】(実施例1)図1に示される気相成長炭素繊
維製造装置を用いて、以下の条件でカーボンナノファイ
バーを製造した。
【0078】図1において、 縦型炉心管:内径170mm、外径190mm、及び長
さ2800mmの炭化珪素製パイプ。 原料ガス供給ノズルから炉心管下端までの長さ:200
0mm。 原料ガス供給ノズルから排出管上方開口部迄(均熱部)
の長さ:1800mm。 同上均熱部の温度:1190℃ 原料ガス組成:フェロセン0.26モル%、チオフェン
0.57モル%、トルエン25.15%、水素74.0
1モル%。 原料ガス供給ノズルのガス供給量:15.54リットル
/分(20℃)。 原料ガス供給ノズル以外ガス供給量:水素82.5リッ
トル/分(20℃)。 反応領域でのガス組成:フェロセン0.04モル%、チ
オフェン0.09モル%、トルエン3.99モル%、水
素95.88モル%。 排出管用案内窒素:60リットル/分。 上記条件で1時間運転し、平均直径20nmの粗カーボ
ンナノファイバーを250g得た。この粗カーボンナノ
ファイバーを後処理試験に供した。 有機遷移金属化合物除去 使用装置概要:内径80mm長さ1500mmのステン
レス管の中に、直径50mmのステンレスシャフトにリ
ボン状ステンレス板を溶接した外径79mmのスクリュ
ーが取り付けられたスクリューコンベアーであって、入
り側端に容量200リットルのホッパーを持ち、スクリ
ューはホッパー下部を貫通して、外部で駆動モーターに
接続している。スクリューのピッチは10cmである。
ステンレス管は長さ方向中央1000mmを加熱用ヒー
ターで覆われ(均熱部600mm)、他端(出側)に容
量200リットルの受け容器が接続した装置となってい
る。ホッパーにはパッキン付き蓋が取り付けられ、密閉
雰囲気を保てる装置で、ホッパー内を窒素置換できる上
に、ホッパー側から流した窒素ガスがステンレス管出側
で排気口より放出されるようになった装置である。
【0079】粗カーボンナノファイバーの平均嵩密度は
約0.002g/cmであった。綿菓子状で、力を加
えられた処(局所嵩密度)は最大約0.01g/cm
程度であった。
【0080】この粗カーボンナノファイバー250gを
ホッパーに投入し、閉蓋後ホッパーより窒素ガスを50
リットル/分流して、ホッパー・粗カーボンナノファイ
バー・スクリューコンベアー・受け容器を窒素ガスに置
換した。同時にヒーターの加熱を開始した。1時間後、
ヒーター温度(スクリューコンベアー外表面温度)が4
20℃に到達した時に、窒素ガス流量を10リットル/
分とし、ステンレス管出側(受け容器より上流)の排気
口から窒素ガスが放出されるように、放出口バルブを開
いた。また、受け容器から5リットル/分の窒素ガスを
流し、ステンレス管出側排気口でホッパーからの10リ
ットル/分の窒素ガスと共に放出した。
【0081】スクリューを1回転/分で回転させて、粗
カーボンファイバーを処理した。処理量は1.2g/分
であったので、スクリューコンベアー内での平均嵩密度
は0.004g/cmであったと算出された。また、
処理されたカーボンナノファイバーは、直径数mmの毛
玉状のものやもっと小さいフレーク状をしたものになっ
ていたが、毛玉状のものの重さと体積から計算された嵩
密度(局所嵩密度)の最大値は0.010g/cm
あった。
【0082】処理後の重量は240gで、4重量%減で
あった。排気口とその周辺には、フェロセンの黄色い結
晶が付着して、フェロセンが除去されたことが判った。
【0083】(実施例2) タール除去 使用装置概要:内径200mm長さ2500mmで、約
7度の角度に傾斜させたロータリーキルンである。実施
例1と同様、入り側ホッパーから出側受け容器まですべ
て窒素雰囲気にできる。キルンの周囲は長さ1mの電気
炉により加熱される。200リットルホッパーからキル
ンへのカーボンナノファイバー投入はスクリューフィー
ダーで行われる。処理されたカーボンナノファイバーは
200リットル受け容器で冷却後取り出される。
【0084】実施例1と同様に、先ず系内を窒素ガス雰
囲気とした後、20リットル/分の窒素ガスを流した状
態で電気炉を昇温して、キルン温度を1000℃にし
た。
【0085】実施例1における処理後のカーボンナノフ
ァイバー240gをホッパーから装置に投入し、タール
除去処理をした。処理量は5g/分で、処理後の嵩密度
が0.004g/cmであるように、処理前のカーボ
ンナノファイバーと変わっていないことから処理中の嵩
密度変化は殆どないものと推定した。処理後のカーボン
ナノファイバー重量は225gであった。粗カーボンナ
ノファイバー重量に対し、実施例1と合わせて10重量
%減量となった。
【0086】(実施例3) 黒鉛化処理 外径が120mm、内径が100mm、及び長さが20
00mmである黒鉛筒内に、直径60mmのシャフト上
に外径99mmの黒鉛帯を巻き付けた形状(実際は99
mmの黒鉛棒から切り出して作成)で長さ2500mm
のスクリューが内蔵されたスクリューコンベアーを有
し、このスクリューコンベアーを鉛直にして周囲に高周
波コイルを巻き付けた誘導加熱炉を製作した。誘導加熱
炉全体が石英管内に配置されることで、不活性雰囲気化
できる装置となっている。黒鉛製スクリュー上部にステ
ンレス製スクリューが接続された後に駆動用モーターに
接続している。黒鉛筒上部は水冷されたステンレス筒と
接続しており、上部のホッパーからスクリューフィーダ
ーを介してカーボンナノファイバーがスクリューコンベ
アー上部に供給される。スクリューコンベアーの中心4
0cmの長さは高周波誘導加熱により、1600〜30
00℃の任意温度に加熱される。黒鉛製スクリュー下部
はステンレス製スクリューと接続された後に軸受けで固
定される。黒鉛筒下部は水冷されたステンレス筒と接続
しており、スクリューフィーダーを介して処理後のカー
ボンナノファイバーが受け容器に送られる。実施例1と
同様、入り側ホッパーから出側受け容器まですべて不活
性(アルゴン・窒素など)雰囲気にできる。
【0087】実施例1と同様に、先ず系内をアルゴンガ
ス雰囲気とした後、20リットル/分のアルゴンガスを
流した状態で高周波誘導加熱炉を昇温して、スクリュー
フィーダー温度を2200℃にした。
【0088】実施例2における処理をした後のカーボン
ナノファイバー220gをホッパーから装置に投入し、
黒鉛化処理をした。カーボンナノファイバーの処理量は
5g/分で、処理後の嵩密度が0.004〜0.005
g/cmと、処理前のカーボンナノファイバーとほと
んど変わらなかったことから、処理中の嵩密度変化は殆
どないものと推定した。処理後のカーボンナノファイバ
ー重量は218gであった。粗カーボンナノファイバー
重量に対し、実施例1および実施例2と合わせて13重
量%減量となった。
【0089】粗カーボンナノファイバーと黒鉛化カーボ
ンナノファイバーの結晶性の違いをX線回折で測定した
結果は次のようであった。
【0090】
【表1】
【0091】
【発明の効果】この発明によると、通常の気相成長法に
より有機遷移金属化合物を用いて製造された粗カーボン
ナノファイバーから有機遷移金属化合物を除去し、さら
には遷移金属及びタール成分を除去して、高結晶の黒鉛
化カーボンナノファイバーを製造するのに好適な後処理
方法を提供することができる。
【0092】この発明によると、通常の気相成長法によ
り有機遷移金属化合物を用いて製造された粗カーボンナ
ノファイバーを原料にして、高結晶の黒鉛化カーボンナ
ノファイバーを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、気相成長炭素繊維製造装置を示す概略
説明図である。
【図2】図2は、遷移金属除去装置を示す概略説明図で
ある。
【符号の説明】
1・・・気相成長炭素繊維製造装置、2・・・原料タン
ク、3・・・ポンプ、4・・・予熱器、5・・・加熱気
化器、6・・・第1マスフローコントローラ、7・・・
第2マスフローコントローラ、8・・・第3マスフロー
コントローラ、9・・・ヒートチューブ、10・・・原
料ガス供給ノズル、11・・・縦型炉芯管、12・・・
外筒管、13・・・内筒管、13・・・冷却用ガス供給
ノズル、14・・・冷却ガス排出管、14・・・キャリ
ヤーガス供給ノズル、15・・・ガス整流手段、16・
・・電気炉、17・・・原料ガス供給口、18・・・分
岐管、19・・・配管、20・・・原料供給管、21・
・・配管、22・・・配管、24・・・排出手段、25
・・・排出管、26・・・上方開口部、27・・・駆動
気体噴出ノズル、28・・・エジェクター管、29・・
・案内ガス流通手段、30・・・ガス均一供給槽、31
・・・案内ガス供給管、32・・・フロー調整部、40
・・・遷移金属除去装置、41・・・供給部、42・・
・加熱処理部、43・・・捕集タンク、44・・・粗カ
ーボンナノファイバー、45・・・ホッパー、46・・
・プッシャー、47・・・加熱炉、48・・・加熱手
段、49・・・加熱室、50・・・入口側開閉弁、51
・・・出口側開閉弁、52・・・処理生成物、53・・
・取出用開閉弁、54・・・ガス導入口、55・・・ガ
ス導出口、56・・・ガス導入口、57・・・ガス導出
口、58・・・ガス導入口、59・・・ガス導出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新山 正徳 静岡県榛原郡榛原町静谷498−1 日機装 株式会社静岡製作所内 Fターム(参考) 4G046 CA04 CB01 CC02 CC03 CC06 CC10 EB02 EB04 EC01 4L037 AT02 AT05 CS03 CS04 FA02 FA20 PA09 PA13 PG04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機遷移金属化合物を使用して気相成長法
    により製造されたカーボンナノファイバーを有機遷移金
    属化合物の分解温度よりも低い温度に加熱する遷移金属
    除去工程を有することを特徴とするカーボンナノファイ
    バーの後処理方法。
  2. 【請求項2】前記遷移金属除去工程が、不活性ガス雰囲
    気中で加熱する操作を含んでなる前記請求項1に記載の
    カーボンナノファイバーの後処理方法。
  3. 【請求項3】前記遷移金属除去工程が、塩素ガスを含有
    する雰囲気中で加熱する操作を含んでなる前記請求項1
    又は2に記載のカーボンナノファイバーの後処理方法。
  4. 【請求項4】前記遷移金属除去工程の後に、不活性ガス
    雰囲気中で800〜1200℃にカーボンナノファイバ
    ーを加熱するタール除去工程を有する前記請求項1〜3
    のいずれか1項に記載のカーボンナノファイバーの後処
    理方法。
  5. 【請求項5】前記カーボンナノファイバーを酸性水で洗
    浄する洗浄工程を有する前記請求項1〜4のいずれか1
    項に記載のカーボンナノファイバーの後処理方法。
  6. 【請求項6】前記遷移金属除去工程は、平均嵩密度が
    0.05g/cmを超えないカーボンナノファイバー
    を加熱する工程である前記請求項1〜5のいずれか1項
    に記載のカーボンナノファイバーの後処理方法。
  7. 【請求項7】前記請求項1〜6のいずれか1項に記載の
    カーボンナノファイバーの後処理方法により得られた後
    処理済みカーボンナノファイバーを1600〜3000
    ℃に加熱するカーボンナノファイバー黒鉛化工程を有す
    ることを特徴とする黒鉛化カーボンナノファイバーの製
    造方法。
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