JP2003200899A - 展開構造体及び展開方法 - Google Patents

展開構造体及び展開方法

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JP2003200899A JP2002002291A JP2002002291A JP2003200899A JP 2003200899 A JP2003200899 A JP 2003200899A JP 2002002291 A JP2002002291 A JP 2002002291A JP 2002002291 A JP2002002291 A JP 2002002291A JP 2003200899 A JP2003200899 A JP 2003200899A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は宇宙空間で展開し使用される展開構
造体に関する。従来の展開構造体では、展開パネル間に
段差が生じ発電効率又は送電効率が悪くなり、またパネ
ル間が十分に固定されてなく衝撃により振動が発生し、
姿勢制御が困難になり、また指向性が定まらぬ不具合が
あった。本発明は、この不具合を解消できる展開構造体
の提供を課題とする。 【解決手段】 本発明の展開構造体は、展開側パネルの
重ね合わせ状態からの展開により形成される展開構造体
が、軸回りの回転、軸方向の並進運動により、係合部が
固定側パネルの係合部に誘導、係合され同一面にするヒ
ンジピン、同一面の展開側パネルと固定側パネルの位置
を保持し固定する保持機構を設けた。これにより、段差
を無くし、また結合部の剛性を高め上述した不具合を解
消できる展開構造体が実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、宇宙空間において
展開して使用される構造体、又は地上実験において展開
させて作動確認する構造体が展開されたとき、表面の凹
凸が小さくされた展開構造体及び表面の凹凸を少くして
設置できるようにした構造体の展開方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、宇宙ロケット等の性能及び信頼性
が向上し、宇宙空間の利用に経済的なメリットが生まれ
て来ている。特に大型の展開アンテナ,レクテナは船
舶、車両等の移動体の通信用になくてはならず、これに
利用するための大面積展開構造体が開発されつつある。
【0003】また、科学利用の面でも巨大な宇宙基地を
作る計画があり、これらの宇宙基地に設置されて利用さ
れる反射鏡又は太陽電池パネルを構築するための大面積
展開構造体も必要となって来ている。
【0004】このように宇宙空間において設置される大
面積の構造体を指向した展開構造体の開発成果として、
これまで特開平5−221393号「展開トラス構造
物」、特開平5−294298号「宇宙構造物とその構
築方法」、特開平8−2500号「太陽電池パネル」、
特開平8−279715号「展開構造物」、特開200
1−116187号「連結殻構造物の連結及び収納方
法」等により、折り畳み、又は縮退させて収納している
トラス構造体を展開又は伸展させることにより、大面積
の展開構造体を形成するようにしたものが提案されてい
る。
【0005】また、特開昭59−20800号「宇宙船
の展開物展開機構」、特開昭62−244800号「展
開形宇宙用構造物」、特開平4−92799号「六角セ
グメント装置」等により、積層されて収納されている平
面構造物を前後、左右に展開することにより、積層状態
から単層状態にして、大面積のものにできるようにした
展開構造体も提案されている。
【0006】このような、展開構造体のうち、本願発明
とより類似すると考えられる、前述した特開昭62−2
44800号で提案されている、図12〜15に示す展
開形宇宙構造物をもとに従来の技術を説明する。図12
において、1は太陽電池セル又はアンテナ素子等の機能
材、2は機能材1をそれぞれの表面に設けて数mmの厚
さにされた2a〜2fからなるパネル、3は隣接して配
置されるパネル2a〜2f間を係合する3a,3b等か
らなるラッチ機構、4は展開形宇宙構造物8を保持し、
又は展開形宇宙構造物8に制御信号等を伝達する人工衛
星、5は人工衛星4とパネル2aとを連結する支持部
材、6は隣接して配置されるパネル2間を結合すると共
に、展開時の駆動力を発生させるヒンジピンである。
【0007】上述の部材から構成された展開形宇宙構造
物8は、打ち上げ時にはロケットの頂部に設けられたフ
ェアリングの収納区画内に人工衛星4本体とともに収容
するために、図12に示されているパネル2b以下の全
てのパネル2b〜2fが、パネル2aの下に重ねられた
状態に積層されて折り畳まれ、さらに支持部材5を人工
衛星4の側面と連結しているヒンジまわりに回転させる
ことによって、人工衛星4の側面側に折り畳まれ、小容
積化されて宇宙空間まで移送される。
【0008】宇宙空間に移送された展開形宇宙構造物
は、パネル2b〜2fがパネル2aに積層された状態の
まま、支持部材5と人工衛星4とを連結しているヒンジ
まわりの回転によって、パネル2a〜2fの平面がx−
z平面と平行になるように、人工衛星4の側面から張り
出された後、重なった状態にされているパネル2を、ヒ
ンジピン6回りに順次回転させて展開し、展開形宇宙構
造物を形成する。即ち、図14に示すように、隣接して
配置されているパネル2a,2bを相互に回転自在に結
合しているヒンジピン6には、両端が隣接しているヒン
ジピン6で結合されるパネル2a,2bのそれぞれに固
定され、予め巻き込んで回転力が付与されたバネ7が組
み込まれている。
【0009】この各バネ7に付与されている回転力は、
パネル2b〜2fがパネル2aの下方に重ねられ、人工
衛星4の側面に収納されているときは拘束されている
が、パネル2全体を人工衛星4の側面から張り出しx−
z面と平行状態にしたのち、まず、ヒンジピン6aに組
み込まれているバネ7の回転力を拘束している拘束装置
を、火工品の爆発力等により破壊して解除することによ
り、パネル2aは人工衛星4の側面から張り出された時
の姿勢を保持したまま、パネル2aの下方に重ねられて
いるパネル2b〜2fは一体となって、パネル2相互間
の状態を保ったままヒンジピン6a回りに回転する。
【0010】また、一体となって回転するパネル2b〜
2fが180°回転したとき、図13に示すようなパネ
ル2aに設けた雄型のラッチ機構3a′とパネル2bに
設けた雌型3a″のラッチ機構とが噛み合わせること
で、パネル2b〜2fのヒンジ6a回りの回転が規制さ
れ、パネル2b〜2fは、回転位置に保持され、パネル
2aからz軸方向に展開された状態になる。
【0011】続いて、ヒンジピン6bに組み込んだバネ
7の拘束力を同様にして解除することにより、パネル2
bはパネル2aから展開された時の姿勢を保持し、パネ
ル2bの下方に重ねられていたパネル2c〜2fは一体
となって、平行状態を保持してヒンジピン6b回りに回
転し、同様に180°回転したとき、パネル2bに設け
た雄型のラッチ機構とパネル2cに設けた雌型のラッチ
機構とが噛み合い、パネル2c〜2fのヒンジピン6b
回りの回転が規制され、パネル2c〜2fは回転位置に
保持されて、パネル2bからz軸方向に展開された状態
になる。
【0012】このように、パネル2aの下方に重ねら
れ、人工衛星4の側面に収納されて小容積化にされてい
たパネル2b〜2fは、順次展開されて図12に示すよ
うに、z軸方向に展開した長尺の展開形宇宙構造物8に
できる。なお、上述したものでは、パネル2a〜2fを
回転自在に結合しているヒンジピン6の取付け位置を各
パネル2のz軸方向端部にして、パネル2b〜2fの全
てをz軸方向に展開させるものにしているが、ヒンジピ
ン6の取付け位置を図15に示すように、パネル2のz
軸方向端部からx軸方向端部に変えたヒンジピン6c,
6dにすることにより、パネル2をx軸方向にも展開さ
せることができるようになる。
【0013】しかしながら、このような展開形宇宙構造
物8は、パネル2を積層状態からヒンジピン6回りの回
転運動をさせるだけで展開する構成にしているために、
展開後の隣接するパネルの間には、各パネル2の法線方
向にパネル2の厚さと隣接パネル2との間に生じる隙間
の和に相当する段差が生じ、理想的な平面又は曲面が形
成できないことによる不具合が生じる。
【0014】即ち、このような展開形宇宙構造物8を、
例えば、太陽電池パネルとして使用するようにした場合
には、展開形宇宙構造物を形成する各パネル2の法線方
向を正確に光源(太陽)に正対させないと、光源から遠
い方向に配置されているパネルには、近い方向に配置さ
れているパネルによって形成される段差による影が生じ
て発電効率が悪化するという不具合が生じ、また、電力
送電アンテナとして使用するようにした場合は、パネル
外周1〜2mの範囲の前方に障害物(送電方向に配置さ
れているパネル)があるために電波が干渉し、送電効率
が悪化するという不具合が生じ、さらにはアンテナをフ
ェイズアレイアンテナとして機能させる場合には、段差
を補正するための電波の位相制御回路が複雑になるとい
う不具合がある。
【0015】このような不具合は、前述した展開形宇宙
用構造物が採用されている太陽電池セル又はアンテナ素
子等の様に、パネル2の厚みが数mm程度の場合は軽微
であり、実用上の影響は少ない。しかしながら、近年、
図16に示すよう上面を太陽電池パネルとし、下面を電
力送電アンテナにして、宇宙空間において発電を行な
い、発電された電力を地上に送電するために、展開構造
体10で構成される太陽発電システムを宇宙空間に設置
する開発が進められているが、このような展開構造体1
0を形成するためのパネル11には、2つ以上の機能を
持たせることが必要となり、一枚当たりのパネル11の
厚さが10mm以上になり、隣接パネル間に形成される
段差が前述した展開形宇宙構造物8に使用されているパ
ネル2の場合よりもさらに大きくなり、上述した不具合
は顕著になり許容できないものとなる。
【0016】さらに、このような展開構造体10では発
電効率の向上に必要とする大きな展開面積を得るため
に、展開するパネル11の枚数を増やす必要があり、上
述した従来の構造のものでは、上述した段差により生じ
る問題に加えて、構造体の剛性上の問題が生じる。
【0017】即ち、図に示すように、パネル11の厚さ
が従来のパネルよりも数倍〜十数倍と厚くなり質量が大
きくなる上に、大きな展開面積を形成するパネル11同
士は、隣接するパネル11間のみで接続され、しかも、
図13に示すようなラッチ機構3等の係合により結合す
るようにしただけのものであるため、パネル11間の結
合力が小さく、構造体全体としての剛性が低く、このた
めに微小な衝撃によっても展開構造体が大きく振動し、
姿勢制御が困難になり、さらにはこれらの振動により指
向性が定まらなくなるという問題があった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の展開
構造体が有する上述した不具合を解消するために、隣接
して配置されるパネルを相互に連結するヒンジピンに回
転運動と並進運動をさせることによって、パネル間の展
開を行うことによって、展開後のパネル間に段差のない
展開構造体を実現すると共に、隣接するパネル間の結合
力を高めて振動の生じにくくした展開構造体、およびそ
の展開方法を提供することを課題とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】このため、第1番目の本
発明の展開構造体は、次の手段とした。 (1)重ね合わされ収納状態にされた複数のパネルのう
ち、相互に軸結合され回転自在にされている展開側パネ
ルを固定側パネルから順次回転展開させて形成される展
開構造体が、展開側パネルを軸まわりの回転運動及び軸
方向の並進運動をさせて、展開側パネルにブラケット等
で形成され、ヒンジピンを設けるようにしている係合部
を、固定側パネルに形成されている切欠部等の係合部に
誘導して係合させ、展開時の展開側パネルと固定側パネ
ルとの面を同一、又は段差の小さいものにできるヒンジ
ピンと、同一面に形成されている展開側パネルと固定側
パネルとの展開位置を保持して固定する保持機構とを設
けるものとした。
【0020】(a)これにより、パネルを順次展開させ
て形成される展開構造体は、パネルに複数の機能を持た
せる必要があり、パネル厚が大きく質量の大きいパネル
を使用して展開構造体を組み立てる場合においても、隣
接パネルとの間に段差がない、又は太陽電池パネル、電
力送電アンテナ等に使用する場合においても、段差が性
能、効率に軽微な影響しか生じない数mm程度のものに
することができ、宇宙空間に設置される太陽発電システ
ム等を高効率で作動できるものにできる。
【0021】また、隣接パネル間は保持機構により強固
に連結、固定されているために、パネル厚が大きくなり
質量が大きくなるにも拘わらず、展開構造体全体として
の剛性が高められ、宇宙空間において行われる展開構造
体の軌道修正時に発生する衝撃等による振動発生が軽減
でき、姿勢制御が容易になるとともに、指向性を高める
ことができる。
【0022】また、第2番目の本発明の展開構造体は、
(1)の手段に加え、次の手段とした。
【0023】(2)ヒンジピンが、固定側パネルに一端
が固着された円筒体からなり、軸方向に傾斜させて穿設
された斜溝及び軸方向に穿設された縦溝とからなるカム
スロット並びに外周面に突設されたガイドピンを設けた
カムシリンダと、外周面にピンを突設した円柱体からな
り、カムシリンダ内に設けた駆動装置に駆動されてカム
スロット形状にあわせたカムスロット内に挿入されてい
るピンのガイドにより、回転運動と並進運動との組み合
わせ運動若しくは並進運動をして、カムシリンダの軸心
部を軸方向に移動するインナスライダと、展開側パネル
が外周面に固着されカムシリンダの外周面を軸方向に摺
動する円筒体からなり、軸方向に穿設されてカムスロッ
トを貫通したピンの先端部が挿入されるアウタスロット
並びに内周面軸方向にカムスロット外周面から突出させ
たガイドピンを移動させることができるガイドスロット
を削成して設け、インナスライダの運動に対応して、ピ
ンとガイドスロットとの回転方向の位相が異なる時はカ
ムシリンダ外周を回転し、回転方向の位相一致時には軸
方向に移動するアウタスライダとを設けるものとした。
【0024】なお、インナスライダを作動させる駆動装
置としては、例えばバネ力、流体圧力、又は電動モータ
とねじを利用したもので形成でき、またその作動は衛星
等からの指示により行うことができる。
【0025】(b)これにより、上述した(a)に加
え、インナスライダを作動させる駆動装置を始動させる
だけで、ヒンジピンを構成する部材が展開側パネルを固
定側パネルから展開させて、パネルを順次展開させてい
き隣接して配置されているパネル間に段差のない又は小
さい段差の展開構造体が形成される。
【0026】また、第3番目の本発明の展開構造体は、
前記(1)の手段に加え、次の手段とした。
【0027】(3)保持機構が、固定側パネルの一側の
面と同一面をなし、側部から展開側パネルの展開される
方向に突設したアームから他側の面方向に向け突設さ
れ、軸方向中央部に切欠部を設けた固定ピンと、展開側
パネルが展開されたとき、固定ピンの立設位置上方に配
置される展開側パネル面に穿設され、固定ピンが挿入さ
れる係合孔と、係合孔と直交して展開側パネル内に穿設
された横穴から係合孔内への出入が自在にされて横穴内
に設置され、係合孔に挿入された固定ピンの切欠部内に
進入して固定ピンを係合孔内に固定するロックキーとを
設けるものとした。
【0028】(c)これにより、上述した(a)に加
え、隣接パネルとの間がヒンジピンのほかに保持機構に
より、強固に連結、固定され、展開構造体全体としての
剛性を高めたものにできるために、複数の機能を持たせ
る必要があり、パネル厚の大きいパネルを使用して質量
の大きい展開構造体を組み立てた場合においても、展開
構造体に発生する衝撃等による振動発生を軽減でき、姿
勢制御を容易にでき又指向性に優れるものにできる。
【0029】また、第4番目の本発明の展開構造体は、
前記(1)の手段に加え、次の手段とした。
【0030】(4)展開側パネル及び固定側パネルの平
面形が六角形にされ、六角形の対角部等に設けるように
したヒンジピンを中心に回転させることにより、重ね合
わされ収納状態にされている展開側パネルを固定側パネ
ルから順次展開させて、所定曲率の球面展開構造体を形
成できるものとした。
【0031】(d)これにより、上述した(a)に加
え、展開構造体が球面状に形成されるので、展開構造体
を太陽発電システム等に採用した場合、展開構造体の設
置又は設置後の姿勢制御により、展開構造体の光源(太
陽)側を凸面状にして太陽電池パネルを配置し、地上側
を凹面状にして電力送電アンテナを配置すれば、段差が
小さくなることと相俟って発電効率がより優れ、また展
開構造体の曲率半径を任意に選択することにより、地上
の所定位置への送電効率に優れた太陽発電システムにす
ることができる。
【0032】また、宇宙空間での太陽発電システムの設
置時には、展開構造体の曲率半径を小さくすることによ
り、設置位置の近傍で設置された太陽発電システムの性
能試験等が実施できるようになり、設置作業の効率化が
図れる。
【0033】また、本発明の展開構造体の展開方法は、
つぎの工程を採用して大面積の展開構造体を製作するも
のとした。
【0034】(5)・重ね合わされている展開側パネル
を固定側パネルから順次展開させて、展開構造体を構成
する複数の小面積のパネルブロックを組み立てる工程、 ・結合を行う側のパネルブロックAの結合部に配置され
たパネルと、結合される側のパネルブロックBの結合部
位置に配置したパネルとの間にテザーケーブルを掛け回
す工程、 ・掛け回されたテザーケーブルを手繰り寄せ、相互に対
向位置に配置されているパネルを相互当接させる工程、 ・当接しているパネルを相互に連結し固定する工程。
【0035】(e)これにより、上述した(a)と同様
な作用、効果が得られることに加え、宇宙空間において
も、現有のロケットを含む技術で一辺又は直径が数km
にもなる大型(大面積)の展開構造体が設置できるよう
になり、効率の良い宇宙空間の利用が可能になる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の展開構造体の実施
の一形態を図面に基づき説明する。従来の技術で説明し
たように、宇宙空間に太陽発電システム等を構成する大
きな面積の展開構造体を設置するためには、地上で製作
されたパネルを、鎖状に連結したものを折り畳み相互に
重ね合わせて、ロケット頂部に設けられているフェアリ
ング内に収容して移送する必要がある。即ち、現状のロ
ケットでは、最大の直径を有するH2ロケットでも、こ
のフェアリング内の横断面積は3m×5m程度であり、
パネル1枚の大きさはこれ以下にする必要があるために
3m×3mの面積にされ、またパネルには2つ以上の機
能を持たせるために20cm程度の厚さにされたパネル
を、20乃至30枚程度折り畳んだ状態でフェアリング
内に収容して、移送することが考えられている。
【0037】図1は、本発明の展開構造体の実施の第1
形態のパネルを、このような状況から折り畳み移送でき
る状態にしたもので、説明を簡単にするために折り畳ま
れたパネルのうちの2枚だけを取り出して示した鳥瞰
図、図2は、図1に示すパネルの折り畳み状態から展開
構造体にするための展開状況を示す鳥瞰図、図3は、展
開されたパネルの相互の面を平滑してパネル間に段差を
なくして結合するためのヒンジピンの作動を示す拡大断
面図である。
【0038】図1に示すように、同一寸法に形成された
2枚の正方形のパネル51a,51bには、重ね合わせ
たとき同一位置に配置される頂部から、それぞれのパネ
ル厚みの半分の厚さにされ、片面がパネル面と同一面を
形成するようにした円弧状のブラケット52a,52b
が、側方に向けて突出して設けられている。また、この
ブラケット52a,52bが対向して設けられているパ
ネル厚さ片側半分の箇所には、ブラケット52a,52
bの形状に合わせて切欠部が設けられ、この切欠部でブ
ラケット52a,52bが重ね合わされたときの厚さ
が、パネル51a,51bの厚さと同じになるようにし
ている。
【0039】また、ブラケット52bからはブラケット
52aに向けて、図12に示したヒンジピン6aと同様
の構造のヒンジピン53が突出して設けられ、その先端
はブラケット52aに穿設された孔に挿入され、パネル
51aとパネル51bとを連結するようにしている。
【0040】このような2枚のパネル51a,51b
は、パネル51bをヒンジピン53を中心として回転さ
せ、図に示すように重ね合わせられた状態にされ、小容
積化されて移送される。なお、図において54は、パネ
ル51bがパネル51aから展開されたとき、パネル5
1a,51bの展開位置を相互に固定するために、パネ
ル51aの側部から張り出して設けたアーム67から、
パネル51bの対向面に向けて立設されて保持機構の一
部を構成する固定ピンで、これについては後述する。
【0041】図2において、図12において説明したよ
うに、重ね合わせられた状態で人工衛星4の側面に沿っ
て収納され、フェアリング内に収容されて展開位置まで
移送されたパネル51は、図2(a)に示すように、図
12に示す支持部材5と同様の部材によって、収納状態
にされている人工衛星4の側面から張り出された後、図
2(b)、図2(c)に示すように、パネル51aの側
面が人工衛星4側面に沿った状態に保持されて、パネル
51bをヒンジピン53中心に回転させ、図2(d)に
示すように90°回転させ展開させると、ブラケット5
2b全体がパネル51aに設けられている切欠部上方に
位置することとなり、この状態でブラケット52bを下
降させると、図2(e)、図2(f)に示すようブラケ
ット52bはパネル51aの切欠部にはめ込まれ、パネ
ル51a,51bは結合部に段差が生じない同一面をな
して展開された状態にすることができる。
【0042】即ち、図3(a)に示すように、本実施の
形態で採用されているヒンジピン53では、ブラケット
52bから突出させたヒンジピン53の先端が、ブラケ
ット52aに穿設された孔に挿入され、ブラケット52
a,52bが重ね合わせられた状態から、展開させる側
のパネル51bを90°回転させると図3(b)に示す
ように、ブラケット52bがパネル51aの切欠部上方
で、はめ込みできる状態に配置されることになる。この
状態でヒンジピン53に図12に示したバネ7と同様に
設けている図示省略したバネが作動して、ブラケット5
2bを押し下げることにより、図3(c)に示すよう
に、ブラケット52bがパネル51aの切欠部に嵌まり
こみ、パネル51a,51bは同一面をなして展開され
ることになる。
【0043】次に、図4は前述した正方形パネル2に代
えて、六角形のパネルを展開して球面状に形成される本
発明の実施の第2形態の展開構造体を示す図である。図
5に示すように、折り畳まれた状態で移送された本実施
の形態の展開構造体を形成する六角形のパネル55は、
六角形の対向頂角部に交互に設けた後述するヒンジピン
56回りに、折り畳まれたパネルの一方側、例えば最上
方に折り畳まれているパネル55から回転させていくこ
とにより、順次展開していき図4に示す球面状の展開構
造体を形成することができる。
【0044】このようにして任意の曲率半径を有し、段
差のない球面に形成された展開構造体は、例えば、光源
に対向して設けられている図の左側の球面(凸面)に太
陽電池パネルを設けるようにし、地上に対向して設けら
れている図の右側の球面(凹面)に、太陽電池パネルで
発電された電力を地上等に送電する電力送電アンテナを
設けるようにすれば、パネル段差の影響を受けない発電
効率の高いものにでき、また、曲率半径を地上等の任意
の場所に焦点を形成できる所定の大きさにすることによ
り、地上に効率の良い送電ができる発電システムになる
とともに、宇宙空間への発電システムの設置時には展開
構造体の曲率半径を一時的に小さくすることにより、宇
宙空間の任意の場所、例えば展開構造体から数10m離
れた場所においても、発電システムの設置状態及び性能
を確認することができるようになる。
【0045】次に、図6は図5に示した本実施の形態で
採用しているヒンジピン56の構造の一例を示す詳細鳥
瞰図である。図に示すように、このヒンジピン56はイ
ンナスライダ57、カムシリンダ58、及びアウタスラ
イダ59からなり、円筒状のカムシリンダ58の内部に
は、円柱状のインナスライダ57が軸方向に移動自在に
されて収容されるとともに、外周面に沿って同様に軸方
向に移動自在にされた円筒状のアウタスライダ59が設
けられている。なお、以下の説明において説明を簡単に
するため、パネル55のうち、図1に示したパネル51
aのようにパネル展開時に展開前と同じ状態に保持され
るパネル55を固定側パネル55′と呼称し、展開前か
ら回転運動、並進運動をして固定側パネル55′から展
開するパネル55′を展開側パネル55″と呼称するこ
ととする。
【0046】固定側パネル55′のブラケット52aか
ら展開側パネル55″のブラケット52bに向けて突設
したカムシリンダ58には、インナスライダ57の外周
面から突出して設けられたピン60を貫通させて軸方向
に移動するインナスライダ57の動きをガイドする、軸
方向に対し傾斜させて設けた斜溝と、軸方向に平行に設
けられ斜溝の端部と一端部が連通された縦溝とからなる
カムスロット61が穿設されるとともに、外周面にはア
ウタスライダ59の軸方向の動きを制御するガイドピン
66が突設されている。
【0047】さらに、カムシリンダ58の軸心部には、
内部を移動自在にされたインナスライダ57の一端部に
端部が連結され、インナスライダ57に軸方向の駆動力
を発生させるバネ62と、インナスライダ57の他端部
に端部が連結され、バネ62力を拘束してインナスライ
ダ57を所定の位置に保持するとともに、パネルの展開
時にはバネ62力の拘束力を解除し、インナスライダ5
7をバネ力によって軸方向に移動させることができるよ
うにした火口品等で構成された始動装置63が設けられ
ている。
【0048】また、展開側パネル55″のブラケット5
2b内周面が、その外周面に固着されたアウタスライダ
59には、軸方向と平行に穿設されカムスロット61を
貫通したピン60の先端部が挿通されるアウタスロット
64が設けられ、さらに内周面にはカムシリンダ58の
外周面に突設したガイドピン66が通過できるようにし
たガイドスロット65が軸方向と平行に穿設されてい
る。
【0049】ヒンジピン56はこのように構成されてい
るので、パネル55の展開位置で始動装置63を作動さ
せてバネ62力の拘束を解除すると、インナスライダ5
7はバネ62力によりカムスロット61の斜溝に挿通さ
れているピン60にガイドされて回転しながら軸方向に
移動する。このピン60の移動に伴い、アウタスライダ
59もインナスライダ57と同様に回転するが、アウタ
スライダ59はカムシリンダ58外周面に突設したガイ
ドピン66が、ガイドスロット65とは異なる回転角度
に位置しているために、軸方向への移動がこのガイドピ
ン66によって阻止され、図7(a)、(a’)〜図7
(b)、(b’)に示すように、軸方向に移動すること
はない。即ち、展開側パネル55″は固定側パネル5
5′と平行状態で回転運動をするだけである。
【0050】次いで、図7(c)、(c’)に示すよう
に、アウタスライダ59が回転してガイドスロット65
とガイドピン66とが同一回転角度位置になると、ガイ
ドピン66によるアウタスライダ59の軸方向の移動阻
止が解除されるために、図7(d)、(d’)に示すよ
うに、アウタスライダ59は同一回転角度を保持してカ
ムシリンダ58の軸方向、換言すれば、展開側パネル5
5″のブラケット52bは、固定側パネル55′に設け
られた切欠部方向に移動し、図7(e)、(e’)に示
すように、ブラケット52bの底面がパネル55′の切
欠部に載置される位置まで移動し、展開側パネル55″
は固定側パネル55′との段差をなくして展開すること
ができる。
【0051】次に、図8は、図1に示した固定ピン54
と同様にして、固定側パネル55′に設けるようにした
保持機構を構成する固定ピンの詳細を示す図で、図8
(a)は平面図、図8(b)は側面図、図9は図8に示
された固定ピン54と係合し、固定ピン54と共に保持
機構を形成する係合孔で、図9(a)は平面図、図9
(b)は側面図である。図に示すように、一側の面(上
面)を固定側パネル55′の面と同一にして、パネル5
5′の側部から張り出して設けたアーム67の他側の面
からは、展開側パネル55″が展開されたとき、パネル
55′、55″の展開位置を相互に固定するために、パ
ネル55″の対向面に向けて、軸方向中央部に切欠を設
けた固定ピン54を立設させている。
【0052】この固定ピン54は、展開側パネル55″
を展開したとき固定ピン54が配置されている位置に、
図9に示すようパネル55″に穿設された係合孔68に
挿入され、係合孔68の側部から出入させるようにした
ロックキー69が切欠に嵌入され、パネル55′、5
5″の展開位置を相互に固定するようにしている。
【0053】即ち、図10(a)に示すように、展開側
パネル55″が展開され固定ピン54と係合孔68との
軸心が同一軸上に配置された後、前述したようにヒンジ
ピン56を作動させることにより、図10(b)〜図1
0(d)に示すように、展開側パネル55″を固定側パ
ネル55′に近づけていくと、固定ピン54は係合孔6
8に挿入されていく。図10(e)に示すように、固定
ピン54の円柱部が、係合孔68と直交して設けられロ
ックキー69を収容している横穴位置まで到達すると、
ロックキー69を係合孔68内に突出させているバネ7
0力に抗してピン69を横穴に押し戻して、さらに挿入
されていく。
【0054】次いで、固定ピン54が軸方向中央部に設
けた切欠と係合孔68に設けた横穴の位置とが一致する
まで挿入されると、それまで固定ピン54の円柱部で押
圧され縮退していたバネ70が伸展することにより、図
10(f)に示すように、ロックキー69が切欠内に進
入して、パネル55′と55″とを展開位置にして相互
に固定する。
【0055】以上、太陽発電システム等を宇宙空間に設
置する展開構造体について説明したが、前述したよう
に、現状の最大の直径を有するロケットでもペイロード
を収容するフェアリング内の容積は、少量のパネルを収
容して移送できるだけであるために、宇宙空間に形成で
きる展開構造体の展開面積は限定されたものになる。
【0056】一方、宇宙空間に設置される太陽発電シス
テム等において、発電効率、送電効率等を考慮した場合
は、より大量の電力を地上等に送電できるシステムにす
ることが好ましく、展開構造体の展開面積を大きくする
ことが要望されている。このような要望に対応するため
に、図11は上述のようにして形成された展開構造体の
各ブロックを順次つなぎ合わせて、大面積の展開構造体
を形成する展開構造体の展開方法を示す図である。
【0057】図11において、図11(a)は宇宙空間
に形成される展開構造体を構成するための小面積の各ブ
ロックを、テザーケーブルで繋ぐ工程を示す図、図11
(b)は各ブロックを繋いでいるテザーケーブル手繰り
寄せて各ブロックを相互に近づけている工程を示す図、
図11(c)は相互に近づけられた各ブロックを連結し
て、大面積の展開構造体を形成した状態を示す図であ
る。
【0058】図11(a)に示すように、前述したよう
にして形成され隣接するパネル間の段差をなくし、パネ
ル間が強固に固定されて剛性が高められたブロックA7
1とブロックB72との間には、複数本のテザーケーブ
ル73がブロックA71、ブロックB72の連結部にそ
れぞれ配置されたパネル55間に掛け回された後、図1
1(b)に示すように、このテザーケーブル73を手繰
り寄せることにより、ブロックA71とブロックB72
とを近接させて、ブロックA71、ブロックB72の連
結部にそれぞれ配置されているパネル間を、相互に連結
することにより図11(c)に示すように、大面積の集
合ブロック74にした展開構造体を形成することができ
る。
【0059】なお、図においては、ブロックA71とブ
ロックB72との2つのブロックを連結して行う展開構
造体の展開方法について示したが、3個以上のブロック
を同時に連結してより大きな展開構造体を形成すること
もできるものである。
【0060】以上、本発明の展開構造体及び展開方法の
実施の一形態を宇宙空間で実施する場合を想定して説明
したが、本発明は宇宙空間で実施する展開構造体及び展
開方法に限定されるものではなく、例えば地上での展開
構造体の製作においても適用できるものである。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の展開構造
体は、重ね合わされ収納状態にされた複数のパネルのう
ち展開側パネルの展開により形成される展開構造体が、
展開側パネルを軸回りの回転、軸方向の並進運動によ
り、展開側パネルの係合部を固定側パネルの係合部に誘
導し係合して展開時展開側パネルと固定側パネルとを同
一面にするヒンジピン、同一面が形成された展開側パネ
ルと固定側パネルの位置を保持し固定する保持機構を設
けた。
【0062】これにより、順次展開させて形成される展
開構造体は、パネルに複数の機能を持たせるためパネル
厚の大きいパネルを使用して展開構造体を組み立てる場
合でも、隣接パネルとのあいだに段差がなく、又はあっ
ても性能、効率に軽微な影響しか生じない数mm程度の
ものにでき、宇宙空間に設置される太陽発電システム等
を高効率できる。隣接パネル間は保持機構により連結、
固定されているために、展開構造体全体の剛性が高めら
れ展開構造体に発生する衝撃等による振動発生が軽減で
き、姿勢制御が容易になり、指向性を高めることができ
る。
【0063】本発明のヒンジピンは、固定側パネルに固
着された円筒体からなり、軸方向から傾斜した斜溝及び
同方向の縦溝からなるカムスロットおよび外周面に突設
したガイドピンを設けたカムシリンダ、外周面にピンを
突設した円柱体からなり、カムスロット内に挿入された
ピンを介しカムシリンダ内の駆動装置で駆動され、カム
スロット形状に合わせ回転運動及び/又は並進運動を
し、軸方向へ移動するインナスライダ、展開側パネルを
外周面に固着した円筒体からなり、カムスロットを貫通
したピンが挿入される軸方向のアウタスロット並びに内
周面軸方向にガイドピンが移動できるガイドスロットを
有し、インナスライダの運動に対応してピンとガイドス
ロットとの回転位相に応じてカムシリンダ外周を回転
し、又は軸方向に移動するアウタスライダとからなるも
のとした。
【0064】これにより、インナスライダの作動を行う
駆動装置を始動させるのみで、ヒンジピンを構成する部
材が展開側パネルを固定側パネルから順次展開させて、
隣接して配置されたパネル間に段差のない展開構造体が
形成できる。
【0065】また、本発明の保持機構は、固定側パネル
面と同一面をなし、側部から展開側パネルの展開側に突
設したアームから固定側パネルの他側面に向け突設さ
れ、中央部に切欠部を設けた固定ピン、展開側パネル展
開時、固定ピン位置に配置される展開側パネル面に穿設
され、固定ピンが挿入される係合孔と、係合孔と直交し
て穿設された横穴に設置され係合孔内の固定ピンの切欠
部内に進入し固定するロックキーとからなる。
【0066】これにより、隣接パネルとの間が保持機構
により強固に連結、固定され展開構造体全体の剛性が高
められ、複数の機能を持たせたパネル厚の大きいパネル
を使用して運動質量の大きい展開構造体の場合でも、衝
撃等による展開構造体の振動発生を軽減でき、姿勢制御
性、指向性に優れるものにできる。
【0067】また、本発明の展開側パネル及び固定側パ
ネルの平面形状は六角形にされ、ヒンジピンを中心に回
転により展開側パネルを固定側パネルから順次展開さ
せ、所定曲率の球面展開構造体を形成できるものにし
た。
【0068】これにより、球面状に形成された展開構造
体を太陽発電システム等に採用した場合、光源(太陽)
側を凸面状にして太陽電池パネルを配置し、地上側を凹
面状にして電力送電アンテナを配置して発電効率に優
れ、送電効率に優れた太陽発電システムにできる。ま
た、宇宙空間での太陽発電システムの設置時展開構造体
の曲率半径を小さくして、設置位置の近傍でシステムの
性能試験等が実施でき、設置作業の効率化が図れる。
【0069】また、本発明の展開構造体の展開方法は、
展開側パネルを固定側パネルから順次展開させた小面積
の展開構造体の複数のブロックを組み立てる工程、結合
を行うブロックAの結合部に配置したパネルと結合され
るブロックBの対向位置に配置したパネルとの間にテザ
ーケーブルを掛け回す工程、掛け回されたテザーケーブ
ルを手繰り寄せ、対向位置のパネルを相互当接させる工
程、当接しているパネルを相互に連結し固定する工程を
採用した。
【0070】これにより、宇宙空間においても、ロケッ
トを含む現有の技術で一辺又は直径が数kmにもなる大
型の展開構造体を設置でき、効率の良い宇宙空間の利用
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の展開構造体の実施の第1形態のパネル
を折り畳み移送できる状態にしたパネルを2枚だけを示
した鳥瞰図、
【図2】図1に示すパネルの折り畳み状態から展開構造
体を形成する展開状況を示す鳥瞰図、
【図3】展開されたパネルの相互の面を平滑してパネル
間を結合するためのヒンジ部の一例を示す拡大断面図、
【図4】本発明の展開構造体の実施の第2形態を示す鳥
瞰図、
【図5】図4に示す六角形のパネルを重ね合わせ移送で
きる状態を示す鳥瞰図、
【図6】図5に示す本発明のヒンジピンの構造の一例を
一部破断面で示す鳥瞰図、
【図7】図5に示すヒンジピンの作動状況を経時的に示
す図で、図7(a)〜図7(e)は縦断面図、図7
(a’)〜図7(e’)は横断面図、
【図8】本発明の保持装置を構成する固定ピンを示す図
で、図8(a)は側面図、図8(b)は平面図、
【図9】本発明の保持装置を図8に示す固定ピンととも
に構成する係合孔を示す図で、図9(a)は縦断面図、
図9(b)は平面図、
【図10】本発明の保持装置の作動状況を経時的に示す
図、
【図11】本発明の展開構造体の展開方法を経時的に示
す図、
【図12】パネルを使用して形成した従来の展開構造体
の一例を示す鳥瞰図、
【図13】図12に示すラッチ機構の拡大鳥瞰図、
【図14】図12に示すヒンジピンの拡大分解鳥瞰図、
【図15】パネルを使用して形成した従来の展開構造体
の他の例を示す鳥瞰図。
【図16】パネル厚の大きいパネルを使用して形成した
従来の展開構造体を示す鳥瞰図である。
【符号の説明】
1 機能材 2,2a〜2f パネル 3,3a,3a′,3a″,3b ラッチ機構 4 人工衛星 5 支持部材 6,6a,6b,6c,6d ヒンジピン 7 ばね 8 展開形宇宙構造物 10 展開構造体 11 パネル 51,51a,51b パネル 52,52a,52b ブラケット 53 ヒンジピン 54 固定ピン 55 パネル 55′ 固定側パネル 55″ 展開側パネル 56 ヒンジピン 57 インナスライダ 58 カムシリンダ 59 アウタスライダ 60 ピン 61 カムスロット 62 バネ 63 始動装置 64 アウタスロット 65 ガイドスロット 66 ガイドピン 67 アーム 68 係合孔 69 ロックキー 70 バネ 71 (パネル)ブロック
A 72 (パネル)ブロック
B 73 テザーケーブル 74 (集合)ブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J105 AA03 AC06 BA06 5J020 AA03 BA09 CA02 CA05 DA02 5J046 AA04 AA07 AA09 AB05 DA01 KA03 KA04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重ね合わされ収納状態にされた複数のパ
    ネルのうち、相互に軸結合されている展開側パネルを固
    定側パネルから回転展開させて形成される展開構造体に
    おいて、前記展開側パネルを前記軸まわりの回転運動及
    び前記軸方向の並進運動をさせて、前記展開側パネルの
    係合部を前記固定側パネルの係合部に誘導して係合さ
    せ、展開状態の前記展開側パネルと前記固定側パネルと
    の段差を低減できるヒンジピンと、前記展開側パネルと
    前記固定側パネルとの展開位置を保持して固定する保持
    機構とを設けていることを特徴とする展開構造体。
  2. 【請求項2】 前記ヒンジピンが、前記固定側パネルに
    一端が固着された円筒体からなり、軸方向に傾斜させて
    穿設された斜溝及び軸方向に穿設された縦溝とからなる
    カムスロット並びに外周面に突設されたガイドピンを有
    するカムシリンダと、外周面にピンを突設した円柱体か
    らなり、前記カムシリンダ内に設けた駆動装置に駆動さ
    れて前記カムスロット内に挿入されている前記ピンに誘
    導され、回転運動及び並進運動若しくは並進運動して前
    記カムシリンダの軸心部を軸方向に移動するインナスラ
    イダと、前記展開側パネルが外周面に固着された円筒体
    からなり、軸方向に穿設され前記カムスロットを貫通し
    た前記ピンが挿入されるアウタスロット並びに内周面軸
    方向に形成され、前記ガイドピンを移動させるガイドス
    ロットを設け、前記インナスライダの運動に対応して、
    前記ガイドピンと前記ガイドスロットとの回転角位相が
    異なるとき前記カムシリンダの外周を回転し、回転角位
    相が一致するとき軸方向を移動するアウタスライダとを
    設けていることを特徴とする請求項1の展開構造体。
  3. 【請求項3】 前記保持機構が、前記固定側パネルの一
    側の面と同一面をなし、側部から前記展開側パネルの展
    開される方向に突設したアームから他側の面方向に向け
    突設され、軸方向中央部に切欠部を設けた固定ピンと、
    前記展開側パネルが展開されたとき、固定ピンの立設位
    置上方に配置される前記展開側パネル面に穿設され、前
    記固定ピンが挿入される係合孔と、前記係合孔と直交し
    て前記展開側パネル内に穿設された横穴内に、前記係合
    孔内への出入が自在にされて設置され、前記係合孔に挿
    入された前記固定ピンの切欠部内に進入して前記固定ピ
    ンを固定するロックキーとを設けていることを特徴とす
    る請求項1の展開構造体。
  4. 【請求項4】 前記展開側パネル及び前記固定側パネル
    の平面形が六角形にされ、前記展開側パネルを前記固定
    側パネルから順次展開させて、所定曲率を有する球面展
    開構造体を形成できるようにしたことを特徴とする請求
    項1の展開構造体。
  5. 【請求項5】 重ね合わされ収納状態にされている複数
    のパネルのうち、展開側パネルを固定側パネルから展開
    させて形成する展開構造体の展開方法において、展開側
    パネルを固定側パネルから順次展開させて、展開構造体
    からなる複数の小面積のパネルブロックを組み立てる工
    程と、結合を行う側のパネルブロックAの結合部に配置
    されたパネルと結合される側のパネルブロックBの対向
    位置に配置されたパネルとの間にテザーケーブルを掛け
    回す工程と、掛け回された前記テザーケーブルを手繰り
    寄せ、対向位置に配置されているパネルを相互当接させ
    る工程と、当接したパネルを相互に連結し固定する工程
    とからなることを特徴とする展開構造体の展開方法。
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