JP2003200647A - 真偽判別可能な印刷物及び判別方法、並びに該印刷物への情報の埋め込み方法 - Google Patents

真偽判別可能な印刷物及び判別方法、並びに該印刷物への情報の埋め込み方法

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JP2003200647A
JP2003200647A JP2002001519A JP2002001519A JP2003200647A JP 2003200647 A JP2003200647 A JP 2003200647A JP 2002001519 A JP2002001519 A JP 2002001519A JP 2002001519 A JP2002001519 A JP 2002001519A JP 2003200647 A JP2003200647 A JP 2003200647A
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JP2002001519A
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Masato Kiuchi
正人 木内
Kazuharu Saito
和春 斎藤
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Printing Bureau Ministry of Finance
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人間の視覚では認識できないが、スキャナ
等のデジタル機器で埋め込んだ情報を検知し、フーリエ
変換、特定周波数の抽出、逆フーリエ変換が可能で、こ
れにより真偽判別可能な印刷物を実現する。 【解決手段】 証券用線画を構成する細画線2は、基
本画線部及び分断画線部から成り、基本画線部5は複数
本集まって基本画線群となり背景部4を構成し、分断画
線部1は複数本集まって分断画線群となり画像部3を構
成して、背景部4と画像部3から情報が埋め込まれ、分
断画線部1は、夫々細画線2の長手方向に直交する方向
に延びる分断線6が、上記細画線2の長手方向に沿って
互いに所定の間隔をもって複数本並列されて構成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真偽判別可能な銀
行券、株券、債券等の有価証券、各種証明書及び重要書
類等の印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】銀行券、株券、債券等の有価証券、各種
証明書及び重要書類等の印刷物において偽造、変造防止
策は重要な要素である。これら印刷物の偽造、変造防止
策は主に幾何学模様を多用化した図柄をデザインに用い
る方法と、印刷物に対し何等かの手段と作用を加えると
目視では認識できなかった潜像を現出するような方法が
【請求項19】ある。
【0003】前者の代表的な例は、証券印刷物等のデザ
インに広く用いられている地紋、彩紋模様、レリーフ模
様等の幾何学模様を用いたものであるが、前記幾何学模
様を用いた偽造、変造防止策としては、基本的に一定の
画線幅による曲画線の集合によって模様を構成している
ものである。
【0004】これらの模様は印刷物のデザイン等の意匠
性を加味し、且つ写真製版装置による抽出または複写機
では再現されにくい色彩を用いたり、複雑な曲画線にし
て複写機及びスキャナの走査入出力に対し、モアレを発
生させたりすることで偽造防止策としての役割を高めて
いるが、最近では高機能化した写真製版装置または複写
機の出現によって充分な偽造、変造防止効果をもたらし
ていないという欠点がある。
【0005】また前記の印刷物に対し何等かの手段と作
用を加える後者の代表的な例のうち、最も多く用いられ
ている偽造、変造防止策は、一般的にコピー防止画線と
称する一連の技術で、印刷物中に施された潜像が目視で
は認識できなく、複写機によって複写することにより潜
像が現出するもので、このような複写機による偽造防止
に適する印刷物においては、すでに開示されている次の
〜の技術手段がある。
【0006】基紙表面に、例えば85線30%の網点
である微細構成素子よりなる文字を表示した複写による
偽造防止に適する潜像を付与した印刷物(特開昭57−
20395号公報)がある。
【0007】用紙の表面に網点で潜像を印刷し、万線
で潜像と同濃度の背景を同時印刷し、背景を含む潜像の
上面に装飾模様をコピーで再現されない程度の薄色の透
明性インキで重ね刷りすることにより、印刷物表面を体
裁よく仕上げた複写防止に適する印刷物(特開昭60−
79991号公報)がある。
【0008】背景の万線と干渉した時にモアレ模様を
形成する平行線よりなる波形パターンを備えたオーバー
プリント版を用いて、用紙表面に複写機で再生されない
淡色の重ね刷りを施すことにより、印刷物の表面は肉眼
を幻惑するモアレ模様が形成されるので潜像の存在は識
別困難となり、複写機にかけると潜像と波形パターンは
再生されずに背景のみが再生される複写防止用潜像カム
フラージ法(特開昭60−87380号公報)がある。
【0009】しかし、前述の方法はいずれも網点
もしくは万線等の点及び線の粗密からなるスクリーンパ
ターンでなければならないため、地紋、彩紋模様を多用
している銀行券、株券、債券などの有価証券等の既存製
品に用いるには適さないという欠点があった。
【0010】本願発明者らは前述の方法が有する
欠点を充分補える方法として、次の、の技術手段を
すでに紹介している。
【0011】曲画線の集合模様を、潜像を施さない部
分を一本線、潜像を施した部分を二本線以上の画線で表
現し、潜像を施した部分の二本線以上の画線は、二本線
以上の画線の合計の画線幅が、潜像を施さない部分の一
本線の画線の画線幅と等しく、且つ、潜像を施さない部
分の一本線から分岐し、更に、潜像を施さない部分と潜
像を施した部分の画線上の境界線が、曲画線の集合模様
を構成する基本曲線と潜像の輪郭線の交点において基本
曲線に接する直線に対し、略直角に交わる直線となるこ
とを特徴とする複写防止模様の作成方法及びその印刷物
(特願平6−206140号)を出願した。
【0012】曲画線の集合模様に、潜像を施さない部
分を実線、潜像を施した部分を定周期断絶線で表現し、
潜像を施した部分の定周期断絶線の合計上の実印刷され
る画線部と、画線部が断絶して欠落する非画線部の一周
期において、画線部の面積に非画線部の面積を加算し、
潜像を施した部分と潜像を施さない部分の曲線状方向の
同一長さで同一画線面積率とする印刷物(特願平7−1
38879)を発明し出願した。
【0013】これらの模様を有する印刷物によっ
て、複写防止を必要とする銀行券、株券、債券等の有価
証券、各種証明書及び重要書類等の、地紋、彩紋模様、
レリーフ模様等の曲画線の集合模様に複写機による偽
造、変造防止効果を付与した複写防止模様の作成方法及
び印刷物を提供することができた。
【0014】しかし、今日ではカラー複写機の高機能化
及びDTP(デスクトップパブリッシング)技術の高度
化によって、前述の方法のコピー防止策は十分な偽
造防止策に成り得なくなって来ているのが現状である。
【0015】そこで、このような問題の解決法として、
真偽判別において大量且つ高速処理できる機械読み取り
検査方法が広く採用されている。今日の印刷物の機械読
み取り検査方法は、磁性インキ、赤外線反射吸収イン
キ、蛍光インキ等の機能性インキや、印刷媒体を形成す
る繊維、材質、薬品類等による素材を検知するといった
これらの技術は、人間に感知できない特定の電磁波等に
起因するものであり、印刷物を作製する上で材料適性に
依存するものが多く、生産コスト面において経済性の見
合う製品にしか付与することができない。
【0016】また、印刷物の生産コストを特に考慮しな
い方法としては、可視できる一般印刷用のインキのよう
な印刷材料が適用可能な印刷物上の模様に対する光学読
み取り方法がある。比較的容易な光学読み取り方法とし
ては、OCR、OMR、バーコード、二次元コード等が
公知であるが、これらの光学読み取り方法を既存製品に
用いる場合は、デザイン、仕様の変更が要求される。
【0017】また、これらの光学読み取り方法は広く市
中に出回っている方法でもあり、符号が印刷画線として
可視できるため、解読、改竄の危険性も予想され、偽
造、変造防止方法としては不十分である。
【0018】更に、同じく光学読み取り方法でデザイン
等の意匠性を変えずに読み取り用情報を付与する方法と
して、一般に電子すかしと呼ばれる一連の技術がある。
電子すかしは、コンシールドイメージ、デジタルすかし
とも呼ばれ、主な用途として、高機能化したコピー技術
やDTP技術におけるドキュメントファイルもしくはそ
の印刷物に著作権情報を埋め込む技術である。印刷物に
おける公知の代表的な技術としては、周波数利用型と呼
ばれる方法である。
【0019】電子すかしは複製物においてもその周波数
特性の劣化が少ないと言われ、最近では著作権保護の目
的でインターネット上に配信されるデジタルイメージに
施されることが多い。また、印刷物においてもその効果
を奏することから、ポスターなどに利用されることも多
くなって来た。
【0020】電子すかしが最も効果を発揮できるのは連
続階調(写真階調)模様である。連続階調(写真階調)
模様は多値画像データであるから、十分な冗長度が存在
するので周波数利用型に限らず画素置換型、画素空間利
用型、量子化誤差拡散型等の多くの方法が提案され、文
献、特許出願も数多く、今日注目を集めている技術の一
つである。
【0021】しかしながら、有価証券に用いられる地
紋、彩紋模様、レリーフ模様等の曲画線の集合模様は基
本的に2値画像であるから冗長度が少ないので、電子す
かしの埋め込みは困難とされ、結果として読み取り用信
号が弱いために読み取り精度が低いのが課題となってい
る。
【0022】従って、印刷物の材料適性に依存しない偽
造、変造防止方法で、例えば銀行券、株券、債券等の有
価証券、各種証明書及び重要書類等に適する偽造防止適
性を有する模様を機械読み取りによって真偽判別できる
有効な技術の開発が望まれている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の点に鑑
みなされたもので、証券用線画等から構成されている証
券類等の芸術性を有する印刷物において、人間が視覚で
認識できないレベルで証券用線画に変調を与えることに
より、その美術的な効果を損なうことなく情報を埋め込
むことを目的としている。また、従来の情報埋め込み、
読み取技術において使用されている情報の信号をより強
くするために、規則性を有する証券用線画に分断、分岐
処理を施すことにより達成するものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、複数本の細画線から成る証券用線画を有
し、該細画線は、それぞれ一本の線である基本画線部及
び分断画線部の両方又はいずれか一方から成り、上記基
本画線部は複数本集まって基本画線群を構成し、上記分
断画線部は複数本集まって分断画線群を構成し、上記基
本画線群と分断画線部から成る情報が埋め込まれた真偽
判別可能な印刷物であって、上記分断画線部は、上記細
画線の長手方向に直交する方向に延びる分断線が、上記
細画線の長手方向に沿って互いに所定の間隔をもって複
数本並列されて構成されており、上記基本画線群と分断
画線部の夫々の画線の間隔の相関に基づき、上記情報
が、上記印刷物のデジタル画像データがフーリエ変換さ
れて得られるフーリエ変換パターンにおいて識別可能で
あることを特徴とする真偽判別可能な印刷物を提供す
る。
【0025】本発明は上記課題を解決するために、複数
本の細画線から成る証券用線画を有し、該複数本の細画
線は、夫々一本の線である基本画線部及び分断画線部の
両方又はいずれか一方から成り、上記基本画線部は複数
本集まって基本画線群となり背景部を構成し、上記分断
画線部は複数本集まって分断画線群となり画像部を構成
し、上記背景部と画像部から成る情報が埋め込まれた真
偽判別可能な印刷物であって、上記分断画線部は、上記
細画線の長手方向に直交する方向に延びる分断線が、上
記細画線の長手方向に沿って互いに所定の間隔をもって
複数本並列されて構成されており、上記基本画線群と分
断画線部の夫々の画線の間隔の相関に基づき、上記情報
が、上記印刷物のデジタル画像データがフーリエ変換さ
れて得られるフーリエ変換パターンのうち、バンドパス
フィルタで所定の周波数に相当する画像領域のみ抽出さ
れて得られる画像が逆フーリエ変換して得られる画像に
おいて識別可能であることを特徴とする真偽判別可能な
印刷物を提供する。
【0026】上記分断線は、基本画線部と分断画線部が
同じ濃度で視覚される程度の長さ及び線幅であることを
特徴とする。
【0027】本発明は上記課題を解決するために、複数
本の細画線から成る線画を有し、該複数本の細画線は、
二以上の種類の間隔から成る分断画線部から成り所定の
情報を構成している真偽判別可能な印刷物であって、上
記二以上の種類の間隔の分断画線部は、夫々上記細画線
の長手方向に直交する方向に延びる分断線が、上記細画
線の長手方向に沿って上記種類毎に異なる所定の間隔を
もって複数本並列されて構成されており、上記二以上の
種類の間隔の分断画線部の夫々の分断線の間隔の相関に
基づき、上記情報が、上記印刷物のデジタル画像データ
がフーリエ変換されて得られるフーリエ変換パターンに
おいて識別可能であることを特徴とする真偽判別可能な
印刷物を提供する。
【0028】上記細画線は、直線又は曲線である。
【0029】上記細画線は、一定の規則性を有し、且つ
美術的な波状の曲線であることを特徴とする。
【0030】上記細画線は、閉じた系の線であることを
特徴とする。
【0031】上記分断線は、通常照明下における可視反
射波長範囲となるようなインキで印刷されたものである
ことを特徴とする。
【0032】本発明は上記課題を解決するために、複数
本の細画線から成る証券用線画を有する印刷物を出力可
能なデジタル画像データを作成し、該デジタル画像デー
タにおける上記複数本の細画線の夫々について、その一
部又は全部を分断画線部で置き換え、上記細画線を、分
断画線部に置き換えない状態である基本画線部と上記分
断画線部との両方又はいずれか一方から成る構成に変換
することによって、上記基本画線部が複数本集まった基
本画線群と、上記分断画線部の複数本集まった分断画線
群とから成る情報を埋め込む真偽判別可能な印刷物の情
報埋め込み方法であって、上記分断画線部は、上記細画
線の長手方向に直交する方向に延びる分断線が、上記細
画線の長手方向に沿って互いに所定の間隔をもって複数
本並列するようにして形成し、上記基本画線群と分断画
線部の夫々の画線の間隔の相関に基づき、上記情報が、
上記印刷物のデジタル画像データがフーリエ変換されて
得られるフーリエ変換パターンにおいて識別可能である
ことを特徴とする真偽判別可能な印刷物の情報埋め込み
方法を提供する。
【0033】本発明は上記課題を解決するために、複数
本の細画線から成る証券用線画を有する印刷物を出力可
能なデジタル画像データを作成し、該デジタル画像デー
タにおける上記複数本の細画線の夫々について、その一
部又は全部を分断画線部で置き換え、上記細画線を、分
断画線部に置き換えない状態である基本画線部と上記分
断画線部との両方又はいずれか一方から成る構成に変換
することによって、上記基本画線部が複数本集まった基
本画線群から成る背景部と、上記分断画線部の複数本集
まった分断画線群から成る画像部とから成る情報を埋め
込む真偽判別可能な印刷物の情報埋め込み方法であっ
て、上記分断画線部は、上記細画線の長手方向に直交す
る方向に延びる分断線が、上記細画線の長手方向に沿っ
て互いに所定の間隔をもって複数本並列するようにして
形成し、上記基本画線群と分断画線部の夫々の画線の間
隔の相関に基づき、上記情報が、上記印刷物のデジタル
画像データがフーリエ変換されて得られるフーリエ変換
パターンのうち、バンドパスフィルタで所定の周波数に
相当する画像領域のみ抽出して得られる画像が逆フーリ
エ変換して得られる画像において識別可能であることを
特徴とする真偽判別可能な印刷物の情報埋め込み方法を
提供する。
【0034】本発明は上記課題を解決するために、複数
本の細画線から成る証券用線画を有する印刷物を出力可
能なデジタル画像データを作成し、該デジタル画像デー
タにおける上記複数本の細画線の夫々について、二以上
の種類の間隔の分断画線部から選択したいずれかの種類
の分断画線部で置き換え、上記複数本の細画線が二以上
の種類の間隔の分断画線部から成る情報を埋め込む真偽
判別可能な印刷物の情報埋め込み方法であって、上記二
以上の種類の間隔の分断画線部は、夫々上記細画線の長
手方向に直交する方向に延びる分断線が、上記細画線の
長手方向に沿って上記種類毎に異なる所定の間隔をもっ
て複数本並列するようにして形成し、上記二以上の種類
の間隔の分断画線部の夫々の分断線の間隔の相関に基づ
き、上記情報が、上記印刷物のデジタル画像データがフ
ーリエ変換されて得られるフーリエ変換パターンにおい
て識別可能であることを特徴とする真偽判別可能な印刷
物の情報埋め込み方法を提供する。
【0035】本発明は上記課題を解決するために、複数
本の細画線から成る証券用線画を有し、該細画線は、夫
々一本の線である基本画線部及び分断画線部の両方又は
いずれか一方から成り、上記基本画線部は複数本集まっ
て基本画線群を構成し、上記分断画線部は複数本集まっ
て分断画線群を構成し、上記基本画線群と分断画線群か
ら成る情報が埋め込まれ、上記分断画線部は、上記細画
線の長手方向に直交する方向に延びる分断線が、上記細
画線の長手方向に沿って互いに所定の間隔をもって複数
本並列されて成る真偽判別可能な印刷物の真偽判別方法
であって、上記印刷物のデジタル画像データを作成し、
該デジタル画像データをフーリエ変換してフーリエ変換
パターンを作成し、該フーリエ変換パターンにおいて、
上記基本画線群と分断画線部の夫々の画線の間隔の相関
に基づき、上記情報を識別することを特徴とする真偽判
別可能な印刷物の真偽判別方法を提供する。
【0036】本発明は上記課題を解決するために、複数
本の細画線から成る証券用線画を有し、該細画線は、夫
々一本の線である基本画線部及び分断画線部の両方又は
いずれか一方から成り、上記基本画線部は複数本集まっ
て基本画線群となり背景部を構成し、上記分断画線部は
複数本集まって分断画線群となり画像部を構成し、上記
背景部と画像部から成る情報が埋め込まれ、上記分断画
線部は、上記細画線の長手方向に直交する方向に延びる
分断線が、上記細画線の長手方向に沿って互いに所定の
間隔をもって複数本並列されて成る真偽判別可能な印刷
物の真偽判別方法であって、上記印刷物のデジタル画像
データを作成し、該デジタル画像データをフーリエ変換
してフーリエ変換パターンを作成し、上記フーリエ変換
パターンのうちバンドパスフィルタで所定の周波数に相
当する画像領域のみ抽出して得られる画像を逆フーリエ
変換して得られる画像において、上記基本画線群と分断
画線部の夫々の画線の間隔の相関に基づき、上記情報を
識別することを特徴とする真偽判別可能な印刷物の真偽
判別方法を提供する。
【0037】本発明は上記課題を解決するために、複数
本の細画線から成る証券用線画を有し、該複数本の細画
線は、二以上の種類の間隔の分断画線部から成り所定の
情報を構成し、上記二以上の種類の間隔の分断画線部
は、夫々上記細画線の長手方向に直交する方向に延び、
且つ上記細画線の幅と同じ長さの分断線が、上記細画線
の長手方向に沿って上記種類毎に異なる所定の間隔をも
って複数本並列されて成る真偽判別可能な印刷物の真偽
判別方法であって、上記印刷物を電子的に読み取りデジ
タル画像データを作成し、該デジタル画像データをフー
リエ変換してフーリエ変換パターンを作成し、該フーリ
エ変換パターンにおいて、上記二以上の種類の間隔の分
断画線部の夫々の分断線の間隔の相関に基づき、上記情
報を識別することを特徴とする真偽判別可能な印刷物の
真偽判別方法を提供する。
【0038】上記フーリエ変換パターンの異方性をなく
して、上記位置の相関に基づく強度を予め設定された基
準値と比較して上記情報を識別することを特徴とする。
【0039】本発明は上記課題を解決するために、複数
本の細画線から成る証券用線画を有し、該細画線は、夫
々一本の線である基本画線部及び分断画線部の両方又は
いずれか一方から成り、上記基本画線部は複数本集まっ
て基本画線群を構成し、上記分断画線部は複数本集まっ
て分断画線群を構成し、上記基本画線群と分断画線群か
ら成る情報を構成し、上記分断画線部は、夫々上記細画
線の長手方向に直交する方向に延びる分断線が、上記細
画線の長手方向に沿って互いに所定の間隔をもって複数
本並列されて構成されて成る真偽判別可能な印刷物の真
偽判別装置であって、上記印刷物のデジタル画像データ
を作成する手段と、該デジタル画像データをフーリエ変
換してフーリエ変換パターンを作成する手段と、を備え
ており、上記フーリエ変換パターンにおいて、上記基本
画線群と分断画線部の夫々の画線の間隔の相関に基づ
き、上記情報を識別可能とすることを特徴とする真偽判
別可能な印刷物の真偽判別装置を提供する。
【0040】本発明は上記課題を解決するために、複数
本の細画線から成る証券用線画を有し、該細画線は、夫
々一本の線である基本画線部及び分断画線部の両方又は
いずれか一方から成り、上記基本画線部は複数本集まっ
て基本画線群となり背景部を構成し、上記分断画線部は
複数本集まって分断画線群となり画像部を構成し、上記
背景部と画像部から成る情報を埋め込み、上記分断画線
部は、上記細画線の長手方向に直交する方向に延びる分
断線が、上記細画線の長手方向に沿って互いに所定の間
隔をもって複数本並列されて構成されて成る真偽判別可
能な印刷物の真偽判別装置であって、上記印刷物のデジ
タル画像データを作成する手段と、該デジタル画像デー
タをフーリエ変換してフーリエ変換パターンをする手段
と、上記フーリエ変換パターンのうち、バンドパスフィ
ルタで所定の周波数に相当する画像領域のみ抽出して、
これを逆フーリエ変換した画像を作成する手段と、を備
えており、上記逆フーリエ変換した画像において、上記
基本画線群と分断画線部の夫々の画線の間隔の相関に基
づき、上記情報を識別可能とすることを特徴とする真偽
判別可能な印刷物の真偽判別装置を提供する。
【0041】本発明は上記課題を解決するために、複数
本の細画線から成る証券用線画を有し、該複数本の細画
線は、二以上の種類の間隔から成る分断画線部から成り
所定の情報を構成し、上記二以上の種類の分断画線部
は、夫々上記細画線の長手方向に直交する方向に延び、
且つ上記細画線の幅と同じ長さの分断線が、上記細画線
の長手方向に沿って上記種類毎に異なる所定の間隔をも
って複数本並列されて構成されて成る真偽判別可能な印
刷物の真偽判別装置であって、上記印刷物を電子的に読
み取りデジタル画像データを作成する手段と、該デジタ
ル画像データをフーリエ変換してフーリエ変換パターン
を作成する手段と、を備えており、上記フーリエ変換パ
ターンにおいて、上記二以上の種類の分断画線部の夫々
の分断線の間隔の相関に基づき、上記情報を識別可能と
することを特徴とする真偽判別可能な印刷物の真偽判別
装置をを提供する。
【0042】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を実施例に基
づいて図面を参照して以下詳細に説明する。証券類、紙
幣等に使用されている証券用線画は、万線状の直線(直
万線)や曲線を含む画線が複数本集合して幾何学的なデ
ザインで構成されている。このような証券用線画を構成
する要素となる画線を本発明では「細画線」という。証
券用線画では、複数本の細画線の間隔等において非常に
高い規則性が存在する。本発明は、この規則性を評価す
る手段として、証券用線画の複数本の細画線の間隔の相
関を評価する手段が有効である点に着目した。
【0043】本発明は、特にこの規則性を有する証券用
線画の複数本の細画線は、スキャナ、複写機等のデジタ
ル機器では識別可能であるが、人間にとって視覚で認識
困難な微細且つ規則性を有する部分を付与し、得られた
印刷物に対してデジタル機器上で証券用線画の間隔の相
関を分析し、印刷物に埋め込まれた情報を識別すること
で真偽判別が可能であり、又その情報に基づき偽造等に
利用する複写機等デジタル機器の動作停止等のアクショ
ンを可能とするものである。
【0044】人間の視覚で認識できないレベルで証券用
線画に変調を与える構成として、本発明者らは、証券用
線画を構成する細画線を分断させ、人間の視覚的には分
断部と非分断部の濃度が同等と見えるように証券用線画
の細画線の中心線と直行する方向にその長さと幅を変更
した複数本の分断線を細画線方向に並列し情報を埋め込
む構成を、本発明において提案するものである。また、
証券用線画を並行方向に分岐させた分岐画線についても
同様な手法を用いることができる。
【0045】複数本の細画線から成る証券用線画を用い
て埋め込む情報は、証券用線画の規則性、言い換えれば
証券用線画の複数本の細画線の一定間隔及び埋め込む位
置という2つのパラメータを有する。このようにして埋
め込まれた情報を識別するには、フーリエ変換による証
券用線画の複数本の細画線の間隔の相関を得た後で、特
定の位置あるいは特定方向の相関のみを抽出し、或いは
さらに逆フーリエ変換を行うことによりなされる。した
がって、埋め込まれた情報は位置あるいは方向の相関に
応じて異なる情報が得られることとなる。これを以下実
施例1〜7で具体的に説明する。
【0046】(実施例1)図1〜7は、実施例1を説明
するための図である。図1は、単純な一定間隔d bを有
する直万線2(本発明の「細画線」に相当する)からな
る印刷物であり、この印刷物に対して、1種類の情報を
埋め込む方法、これによって形成された印刷物、並びに
この印刷物を認識する方法、装置について説明する。
【0047】図1に示す印刷物をスキャナ等のデジタル
機器で読み取ってビットマップデータ等のデジタル画像
データとされる。或いは、コンピュータにより直接デジ
タル画像データを作成してもよい。いずれにしろ、この
デジタル画像データは、それを印刷出力すれば複数本の
直万線2を有する(万線状に細画線を複数本有する)印
刷物が作成されるものである。これらの直万線は、xy
座標上で次の数式1で表される。
【0048】
【数式1】
【0049】ここで、n=…,−2,−1,0,1,
2,… dbは、直万線2相互の間隔である。
【0050】本発明では図1における数式1で表現され
る直万線2に、図2のような画像部3及び背景部4から
なる二値画像(情報)を埋め込む。具体的には、図3に
おいて、直万線2のうち画像部3の領域にある部分は分
断画線部1で構成するように置き換える。背景部4はも
との一定間隔dbを有する直万線2のままの部分(基本
画線部5)としておく。
【0051】この分断画線部1は、人間の視覚で認識困
難な、複数の分断線6が直万線3の方向に一定間隔dd
を保って直万線2の方向に並列されている。複数の分断
線6は、夫々直万線2の長手方向に対して直交する方向
に配列されており、分断線6の幅及び長さは人間の視覚
では、基本画線部5(直万線2)の濃度と同等となるよ
うに設定しておく。図3の直万線2及び分断線6は数式
2及び数式3で表される。
【0052】
【数式2】
【0053】
【数式3】
【0054】数式2及び式3のFb(x,y)及びF
d(x,y)は、画像部3となる情報を埋め込む領域で
は、Fb(x,y)=0、Fd(x,y)=1となり、一
方、背景部4となる領域では、Fb(x,y)=1、Fd
(x,y)=0となり、画像の形状因子を意味する。ま
た、nb及びndは夫々独立とした整数である。また、G
d(x,y)は分断線を表す関数であり、分断線部で
1、破断部で0を示す関数である。
【0055】以上のように複数本の直万線2の画像部3
の領域に相当する部分を、分断画線部1で置き換えるこ
とにより、直万線2(細画線)は、基本画線部5及び分
断画線部1の両方又はいずれか一方から成り、上記基本
画線部5は複数本集まって基本画線群となり背景部4を
構成し、上記分断画線部1は複数本集まって分断画線群
となり画像部3(図形)を構成する。
【0056】そして、基本画線群と分断画線群は、夫々
の画線間隔に基づく異なる周波数を有し、しかも背景部
4と画像部3とから成る情報が埋め込まれた証券用線画
を有する構成となり、これを印刷出力すれば、本発明に
係る真偽判別可能な印刷物が構成される。
【0057】このようにして情報を埋め込んだ印刷物の
情報を識別する手段、方法について説明する。上記印刷
物をスキャナ等の読み取装置で読み込み、読み取結果を
ビットマップデータ(本発明の「デジタル画像データ」
の一例である。)として保有する。そして、このビット
マップデータをフーリエ変換する。これを数式4で表す
と次の通りとなる。
【0058】
【数式4】
【0059】ここで、は基準点からの動径ベクトル
を、ρ()は画線の密度関数を、は逆空間ベクトル
を、I()は得られるフーリエ変換のにおける相関
強度を夫々意味する。
【0060】図4は、図3の印刷物がフーリエ変換され
て得られるフーリエ変換パターンである。図4には2種
類の強い相関が観測される。これらの周波数qb及び周
波数qdは、夫々直万線2の間隔db及び分断線6の間隔
d及び位置の相関に対応している。要するに、基本画
線群の間隔dbと分断画線群の間隔ddに基づく夫々の間
隔の相関が、フーリエ変換パターンにおいて周波数qb
及び周波数qdとして観測され、この強い相関として示
される画像によって埋め込まれた情報が識別できる。
【0061】そして、埋め込んだ情報は分断線6の間隔
ddの間隔の相関に対応することから、図4のフーリエ変
換パターンから次の数式5を用いて、図5のような周波
数q dのみを抽出するバンドパスフィルタを用いて情報
の抽出を行う。
【数式5】
【0062】ここで、f(q)はq=qdの場合、f
(q)=1となり、q≠qdの場合f(q)=0とな
る。また、If)はバンドパスフィルタによる画線
抽出後のフーリエパターンのにおける相関強度を意味
する。その抽出結果の逆フーリエ変換は次の式6で表現
さる。
【数式6】
【0063】このように逆フーリエ変換すると、その結
果は図6に示すように、一定間隔を有する複数の分断線
6が現出し、当初の図2における画像部3と類似したも
のが得られる。この逆フーリエ変換した画像によって、
埋め込んだ情報を識別することができることとなる。
【0064】図7は、上記真偽判別可能な印刷物をスキ
ャナ等で読み取って得られたビットマップデータのフー
リエ変換パターンから異方性をなくして得られる、背景
部と画像部の基本画線部及び分断線の間隔及び位置の相
違に基づく位置相関強度を示す図である。この図7
(2)により、位置相関強度Iによって一定以上の大き
な強度を一次元で評価し識別することで印刷物の真偽判
別が可能となる。これによると、上記のようなバンドパ
スフィルタによる特定周波数の抽出及び逆フーリエ変換
を行わなくても埋め込まれた情報の識別が可能となる。
【0065】(実施例2)図8〜12は、実施例2を説
明する図である。図8は、一定の周期で波状に振動する
複数の万線11(本発明の「細画線」に相当する。)か
らなる印刷物に、実施例1と同様の手段で、情報を埋め
込んで構成される真偽判別可能な印刷物を示す。
【0066】実施例2の印刷物では、背景部12が間隔
bの波状に振動する複数の万線14(基本画線部1
4)から成る基本画線群から構成されており、又画像部
15が万線11の長手方向に間隔ddの複数の分断線1
7から成る分断画線部10が複数集まった分断画線群で
構成されている。図8に示す波状に振動する万線14及
び分断線17は、次の数式7及び数式8で表現される。
【0067】
【数式7】
【0068】
【数式8】
【0069】ここで、A及びωは実施例1の印刷物の基
本単位である直万線に振動変調を与えるために付与する
振幅及びその周波数を意味する。図8に示す印刷物をス
キャナ等で読み取り、読み取結果をビットマップデータ
とし、これをフーリエ変換して得られる画像を図9に示
す。
【0070】図9を実施例1の図4と比較すると、振動
する万線14の間隔dbの位置相関に対応する周波数qb
及び分断線17の間隔ddの位置相関に対応する周波数
dから夫々qb〜qb+Δb及びqd−Δd-〜qd+Δd+
関のピークが幅広く拡大している。これは、万線14が
波状の曲線であり、そして分断線17が、この波状の曲
線である万線14上に配列することに起因する。
【0071】これを図8の要部拡大図10において説明
すると、例えば、分断線24と分断線25の凹曲側の間
隔26が基本となる間隔27(間隔dd)と比べて短く
なっている。図示はしないが、逆側、即ち凸曲側では分
断線と分断線の間隔が基本となる間隔(間隔dd)と比
べて長くなっている。
【0072】実施例2において埋め込んだ情報を識別す
るには、図9に示すフーリエ変換パターンの特徴で観察
してもよいが、フーリエ変換パターンに対して、周波数
dから周波数qdにΔd-減じた周波数及びqdにΔd+
加えた周波数の範囲(即ち、qd−Δd-からqd+Δd+
までの周波数範囲)で、数式9に示す特性のバンドパス
フィルタを利用して、図11に示すように抽出を行う。
【0073】
【数式9】
【0074】数式9において、f(q)は、qd−Δd-
≦q≦qd+Δd+の場合、f(q)=1となり、qd+Δ
d+<qあるいはq<qd−Δd-の場合f(q)=0とな
る。
【0075】上記バンドパスフィルタを通して得られた
画像を逆フーリエ変換を行うことにより、図12に示す
ような画像が得られる。この画像おいて、真偽判別可能
な印刷物に埋め込んだ情報が画像部15としてを読み取
ることが可能となる。なお、この逆フーリエ変換読によ
って得られた画像は、各ピクセルの強度に対して一定強
度以下の値を有するノイズを消去することにより、さら
に鮮明な情報を得ることができる。
【0076】(実施例3)図13は、本発明の実施例3
の真偽判別可能な印刷物を示す。実施例1に係る印刷物
は、両端が開いた系である複数の直万線(細画線)から
成る証券用線画において、直万線を複数の分断線から成
る分断画線部で置き換えて情報を埋め込んで得られる証
券用線画を示したが、実施例3に係る印刷物は、閉じた
系である複数の同心円28(本発明の細画線に相当す
る)から成る証券用線画において、同心円28を複数本
の分断線33から成る分断画線部34で置き換えて情報
を埋め込んだ証券用線画を示す。
【0077】即ち、図13に示す印刷物は、埋め込む情
報の背景部28は間隔dbの複数本の基本画線部30か
ら成る基本画線群から構成しており、画像部31は間隔
dの複数本の分断線33から成る分断画線部34の集
合である分断画線群で構成している。
【0078】この印刷物は、実施例1同様にスキャナ等
で読み取りビットマップデータとし、これをフーリエ変
換することにより図14に示すフーリエ変換パターンが
得られる。このフーリエ変換パターンの特徴によって印
刷物の埋め込まれた情報を識別できる。
【0079】さらに、図14において、分断線33の間
隔dd及び位置相関に対応する周波数qdから周波数qd
に周波数Δdを加減した範囲について、実施例2と同様
にバンドパスフィルタで抽出し、この抽出結果に対して
逆フーリエ変換を行う。その結果、図15に示すよう
な、間隔ddの複数本の分断線33が分断画線部、さら
に分断画線群を構成して成る、画像部31に相当する図
形をを有する画像を得ることができる。この画像で埋め
込んだ情報の識別が可能となる。
【0080】(実施例4)図19〜21は、実施例4を
説明する図である。この実施例4は、実施例3と同様に
閉じた系であるが、複数の同心円を、波状に振動する閉
じた系の万線(細画線)に変調して得られる証券用線画
に、情報を埋め込んで成る真偽判別可能な印刷物であ
る。
【0081】即ち、図19に示す印刷物では、背景部4
3は、間隔dbで配列された複数の基本画線部44から
成る基本画線群から構成され、画像部45は、間隔dd
で配列された複数本の分断線46から成る分断画線部4
2が集合してなる分断画線群から構成されており、これ
らの背景部43と画像部45から成る情報が埋め込まれ
た構成である。
【0082】この印刷物に係るフーリエ変換パターン
は、図20に示すとおりである。図20において、分断
線46の間隔dd及び位置の相関に対応する周波数qd
ら周波数qdに周波数Δd+を加えた範囲及びΔd-を減じ
た範囲で、実施例2と同様にバンドパスフィルタで抽出
し、この抽出結果に対して逆フーリエ変換を行う。その
結果、図21に示すように、間隔ddの複数本の分断線
46が分断画線部、さらに分断画線群を構成して成る画
像部45に相当する図形を有する画像を得ることができ
る。この画像で埋め込んだ情報の識別が可能となる。
【0083】(実施例5)図22〜26は、実施例5を
説明する図であり、実施例5は、2種類の画像が証券用
線画に対して情報として埋め込まれる構成を特徴とす
る。具体的には、実施例2では、図22に示すように、
画像部aには「A」という画像、画像部bには「B」と
いう画像を、埋め込み情報として埋め込む構成である。
【0084】図23は同心円(本発明の細画線に相当す
る。)から成る証券用線画において、背景部52には間
隔53を400μmに設定した基本画線部54、画像部
aには間隔47を163μmに設定した分断線48、画
像部bには間隔49を114μmに設定した分断線50
によって、同心円の証券用線画に交互に情報を配置し構
成したものである。
【0085】図23に示す印刷物をスキャナで読み取り
ビットマップデータとして、これをフーリエ変換して得
られるフーリエ変換パターンは、図24に示すとおりで
ある。このフーリエ変換パターンでは、基本画線部54
の間隔53の400μmに間隔の相関に対応する周波数
bと分断線48の間隔47の163μmの間隔の相関
に対応する周波数qd1と分断線50の間隔49の114
μmに対応する周波数qd2が観測される。
【0086】さらに図25に示すように、周波数qd1
ら周波数qd1に周波数Δd+を加えた範囲及びΔd-を減
じた範囲で、実施例4で説明したと同様に、バンドパス
フィルタa’を用いた抽出結果に対して逆フーリエ変換
を行うと、画像a”のように「A」という画像を認識す
ることができる。同様に、図26に示すように、周波数
d2から周波数qd2に周波数Δd+を加えた範囲及びΔd
-を減じた範囲で、バンドパスフィルタb’を用いた抽
出結果に対して逆フーリエ変換を行うと、画像b”のよ
うに「B」という画像を認識することができる。
【0087】(実施例6)上述の実施例では2次元の図
柄としての画像情報の付与を目的としているが、印刷物
特定方法を簡便にするには、読み取装置において印刷物
中の2次元の図柄としての情報として認識する必要はな
い。即ち、印刷物に特徴的な画線の間隔の相関を有する
時にその印刷物を特定し、真偽判別を可能とする構成と
してもよい。
【0088】例えば、一般的な図16に示すような証券
用線画の例である彩紋エレメント36を用いて複数の情
報を埋め込む方法及びその印刷物の構成について説明す
る。図17は図16の彩紋エレメント36を構成する複
数の細画線を、一本おきに、間隔37を163μmに設
定した複数の分断線38から成る分断画線部35と、間
隔39を114μmに設定した複数の分断線40から成
る分断画線部41とで置き換えて構成した。
【0089】図16に示す画像をビットマップデータと
し、これをフーリエ変換して得られたフーリエ変換パタ
ーンは図27に示すとおりである。さらに図17に示す
画像をビットマップデータとし、これをフーリエ変換し
て得られたフーリエ変換パターンは図18に示すとおり
である。この図18において図27と比較した場合、分
断線38の間隔37の163μmの間隔の相関に対応す
る周波数qd1と分断線の間隔39の114μmに対応す
る周波数qd2が観測される。
【0090】そして、印刷物読み取時のビットマップデ
ータに対するフーリエ変換パターンの異方性をなくし一
次元で評価した場合、図7に示すように、分断線38及
び分断線40を施していないフーリエ変換パターン図2
7の一次元評価の図7(1)と比較し、分断線38及び
分断線40を施しているフーリエ変換パターン図18の
一次元評価の図7(2)では、間隔及び位置相関強度I
によって一定以上の大きな強度を識別することで印刷物
の特定が可能となる。即ち、ビットマップデータのフー
リエ変換パターンの周波数qd1及び周波数qd2の間隔の
相関強度Iqが一定以上であれば、印刷物は特定の証券
類であることを認識し、偽造防止効果を発揮することが
できる。
【0091】また実施例5と同様に、フーリエ変換結果
の周波数qd1と、周波数qd2夫々の高次の間隔の相関に
よる周波数の影響を受けない場所に設定すると、より認
識精度を高めることができる。図7に示すような識別手
段によれば、バンドパスフィルタによる特定周波数の抽
出と、この抽出された画像の逆フーリエ変換というプロ
セスは不要となる。
【0092】(実施例7)印刷物に情報を埋め込むエレ
メントを通常照明下における反射波長範囲が600nm
から700nmとなるようなインキで印刷を行う。この
場合、読み取装置には600nmから700nmの光の
みを透過するフィルタを装着すれば、その他の印刷物上
の多くのエレメントはフィルタにより除去され、不必要
なノイズを除去することが可能となる。この結果、フー
リエ変換、バンドパスフィルタによる抽出、逆フーリエ
変換を経て得られる情報の強度とノイズの比を大きくす
ることが可能となる。
【0093】以上、本発明の実施の形態を実施例に基づ
いて説明したが、本発明はこのような実施例に限定され
るものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事
項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでも
ない。
【0094】
【発明の効果】以上の構成から成る本発明によれば、人
間の視覚では認識できないが、スキャナ、複写機等のデ
ジタル機器では埋め込んだ情報を検知することが可能で
あり、デジタル機器上でフーリエ変換、特定周波数の抽
出、逆フーリエ変換という演算を行うことにより、埋め
込んだ情報を解析することが可能となる。
【0095】また、本発明に用いられる画線では、単色
印刷においてもその情報を人間の視覚で認識することは
不可能であることから、印刷画線の持つ美術的な効果減
じることもない。
【0096】また、従来の技術で述べた不可視な情報を
埋め込み、読み取る技術と比べ、規則性の高い画線から
構成されているため、その情報の信号強度は非常に大き
なものとなり、読み取が容易となる。
【0097】これらの効果を有するので、本発明は、銀
行券、証券類、各種証明書及び重要書類等に与えた不可
視な情報をデジタル機器による読み取とその情報に基づ
くデジタル機器の作動停止等のアクションを起動させる
のに有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1を説明するための図であり、一定間隔
を有する直万線からなる印刷物を示す。
【図2】実施例1の印刷物の画像部の図形を説明する図
である。
【図3】実施例1の印刷物を説明する図である。
【図4】実施例1の印刷物のフーリエ変換パターンを示
す図である。
【図5】実施例1に係るバンドパスフィルタによる抽出
を説明する図である。
【図6】実施例1のフーリエ変換パターンをバンドパス
フィルタを通してから逆フーリエ変換によって得られた
画像を示す図である。
【図7】印刷物のフーリエ変換パターンから異方性をな
くして得られる間隔の相関強度を示す図である。
【図8】実施例2の印刷物を説明する図である。
【図9】実施例2の印刷物のフーリエ変換パターンを示
す図である。
【図10】図8の要部拡大図を示す。
【図11】実施例2に係るバンドパスフィルタによる抽
出を説明する図である。
【図12】実施例2のフーリエ変換パターンをバンドパ
スフィルタを通してから逆フーリエ変換読によって得ら
れた画像を示す図である。
【図13】実施例3の印刷物を説明する図である。
【図14】実施例3の印刷物のフーリエ変換パターンを
示す図である。
【図15】実施例3のフーリエ変換パターンをバンドパ
スフィルタを通してから逆フーリエ変換読によって得ら
れた画像を示す図である。
【図16】証券用線画として利用される一般的な彩紋エ
レメントを示す図である。
【図17】実施例6の印刷物を説明する図である。
【図18】実施例6の印刷物のフーリエ変換パターンを
示す図である。
【図19】実施例4の印刷物を説明する図である。
【図20】実施例4の印刷物のフーリエ変換パターンを
示す図である。
【図21】実施例4のフーリエ変換パターンをバンドパ
スフィルタを通してから逆フーリエ変換読によって得ら
れた画像を示す図である。
【図22】実施例5の印刷物を説明する図であり、埋め
込まれる異なる二つの図形を示す図である。
【図23】実施例5の印刷物を説明する図である。
【図24】実施例5のフーリエ変換パターンを示す図で
ある。
【図25】実施例5のフーリエ変換パターンのバンドパ
スフィルタのフィルタの抽出及び逆フーリエ変換して得
られた画像を示す図である。
【図26】実施例5のフーリエ変換パターンのバンドパ
スフィルタのフィルタの抽出及び逆フーリエ変換して得
られた画像を示す図である。
【図27】分断処理を施していない一般的な彩紋エレメ
ントのフーリエ変換パターンを示す図である。
【符号の説明】
1、10、34、35、41、42 分断画線部 2 直万線 3、15、31、45 画像部 4、12、43、52 背景部 5、14、30、44、54 基本画線部 6、17、24、25、33、38、40、46、4
8、50 分断線 11 万線 18 振幅 19 周波数 26、37、39、47、49、53 間隔 27 分断線の基本となる間隔 28 同心円(細画線) 36 彩紋エレメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HA02 HB10 JB25 KA40 2H113 AA06 BB02 BB22 CA39 2H134 NA01 NA15 3E041 AA01 AA02 BA11 BB03 CB03 DB01

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本の細画線から成る証券用線画を
    有し、該細画線は、それぞれ一本の線である基本画線部
    及び分断画線部の両方又はいずれか一方から成り、上記
    基本画線部は複数本集って基本画線群を構成し、上記分
    断画線部は複数本集って分断画線群を構成し、上記基本
    画線群と分断画線群から成る情報が埋め込まれた真偽判
    別可能な印刷物であって、 上記分断画線部は、上記細画線の長手方向に直交する方
    向に延びる分断線が、上記細画線の長手方向に沿って互
    いに所定の間隔をもって複数本並列されて構成されてお
    り、 上記基本画線群と分断画線部の夫々の画線の間隔の相関
    に基づき、上記情報が、上記印刷物のデジタル画像デー
    タがフーリエ変換されて得られるフーリエ変換パターン
    において識別可能であることを特徴とする真偽判別可能
    な印刷物。
  2. 【請求項2】 複数本の細画線から成る証券用線画を
    有し、該複数本の細画線は、夫々一本の線である基本画
    線部及び分断画線部の両方又はいずれか一方から成り、
    上記基本画線部は複数本集まって基本画線群となり背景
    部を構成し、上記分断画線部は複数本集まって分断画線
    群となり画像部を構成し、上記背景部と画像部から成る
    情報が埋め込まれた真偽判別可能な印刷物であって、 上記分断画線部は、上記細画線の長手方向に直交する方
    向に延びる分断線が、上記細画線の長手方向に沿って互
    いに所定の間隔をもって複数本並列されて構成されてお
    り、 上記基本画線群と分断画線部の夫々の画線の間隔の相関
    に基づき、上記情報が、上記印刷物のデジタル画像デー
    タがフーリエ変換されて得られるフーリエ変換パターン
    のうち、バンドパスフィルタで所定の周波数に相当する
    パターンのみを抽出し、その抽出結果を逆フーリエ変換
    して得られる画像において識別可能であることを特徴と
    する真偽判別可能な印刷物。
  3. 【請求項3】 上記分断線は、基本画線部と分断画線
    部が同じ濃度で視覚される程度の長さ及び線幅であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の真偽判別可能な印
    刷物。
  4. 【請求項4】 複数本の細画線から成る線画を有し、
    該複数本の細画線は、二以上の種類の間隔から成る分断
    画線部から成り所定の情報を構成している真偽判別可能
    な印刷物であって、 上記二以上の種類の間隔の分断画線部は、夫々上記細画
    線の長手方向に直交する方向に延びる分断線が、上記細
    画線の長手方向に沿って上記種類毎に異なる所定の間隔
    をもって複数本並列されて構成されており、 上記二以上の種類の間隔の分断画線部の夫々の分断線の
    間隔の相関に基づき、上記情報が、上記印刷物のデジタ
    ル画像データがフーリエ変換されて得られるフーリエ変
    換パターンにおいて識別可能であることを特徴とする真
    偽判別可能な印刷物。
  5. 【請求項5】 上記細画線は、直線又は曲線であるこ
    とを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の真偽判別
    可能な印刷物。
  6. 【請求項6】 上記細画線は、一定の規則性を有し、
    且つ美術的な波状の曲線であることを特徴とする請求項
    1、2、3又は4記載の真偽判別可能な印刷物。
  7. 【請求項7】 上記細画線は、閉じた系の線であるこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の真
    偽判別可能な印刷物。
  8. 【請求項8】 上記分断線は、通常照明下における所
    望の可視反射波長範囲となるようなインキで印刷された
    ものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1
    項に記載の真偽判別可能な印刷物。
  9. 【請求項9】 複数本の細画線から成る証券用線画を
    有する印刷物を出力可能なデジタル画像データを作成
    し、 該デジタル画像データにおける上記複数本の細画線の夫
    々について、その一部又は全部を分断画線部で置き換
    え、上記細画線を、分断画線部に置き換えない状態であ
    る基本画線部と上記分断画線部との両方又はいずれか一
    方から成る構成に変換することによって、上記基本画線
    部が複数本集まった基本画線群と、上記分断画線部が複
    数本集まった分断画線群から成る情報を埋め込む真偽判
    別可能な印刷物の情報埋め込み方法であって、 上記分断画線部は、上記細画線の長手方向に直交する方
    向に延びる分断線が、上記細画線の長手方向に沿って互
    いに所定の間隔をもって複数本並列するようにして形成
    し、 上記基本画線群と分断画線部の夫々の画線の間隔の相関
    に基づき、上記情報が、上記印刷物のデジタル画像デー
    タがフーリエ変換されて得られるフーリエ変換パターン
    において識別可能であることを特徴とする真偽判別可能
    な印刷物の情報埋め込み方法。
  10. 【請求項10】 複数本の細画線から成る証券用線画
    を有する印刷物を出力可能なデジタル画像データを作成
    し、 該デジタル画像データにおける上記複数本の細画線の夫
    々について、その一部又は全部を分断画線部で置き換
    え、上記細画線を、分断画線部に置き換えない状態であ
    る基本画線部と上記分断画線部との両方又はいずれか一
    方から成る構成に変換することによって、上記基本画線
    部が複数本集まった基本画線群から成る背景部と、上記
    分断画線部の複数本集まった分断画線群から成る画像部
    とから成る情報を埋め込む真偽判別可能な印刷物の情報
    埋め込み方法であって、 上記分断画線部は、上記細画線の長手方向に直交する方
    向に延びる分断線が、上記細画線の長手方向に沿って互
    いに所定の間隔をもって複数本並列するようにして形成
    し、 上記基本画線群と分断画線部の夫々の画線の間隔の相関
    に基づき、上記情報が、上記印刷物のデジタル画像デー
    タがフーリエ変換されて得られるフーリエ変換パターン
    のうち、バンドパスフィルタで所定の周波数に相当する
    パターンのみを抽出し、その抽出結果を逆フーリエ変換
    して得られる画像において識別可能であることを特徴と
    する真偽判別可能な印刷物の情報埋め込み方法。
  11. 【請求項11】 複数本の細画線から成る証券用線画
    を有する印刷物を出力可能なデジタル画像データを作成
    し、 該デジタル画像データにおける上記複数本の細画線の夫
    々について、二以上の種類の間隔の分断画線部から選択
    したいずれかの種類の分断画線部で置き換え、上記複数
    本の細画線が二以上の種類の間隔の分断画線部から成る
    情報を埋め込む真偽判別可能な印刷物の情報埋め込み方
    法であって、 上記二以上の種類の間隔の分断画線部は、夫々上記細画
    線の長手方向に直交する方向に延びる分断線が、上記細
    画線の長手方向に沿って上記種類毎に異なる所定の間隔
    をもって複数本並列するようにして形成し、 上記二以上の種類の間隔の分断画線部の夫々の分断線の
    間隔の相関に基づき、上記情報が、上記印刷物のデジタ
    ル画像データがフーリエ変換されて得られるフーリエ変
    換パターンにおいて識別可能であることを特徴とする真
    偽判別可能な印刷物の情報埋め込み方法。
  12. 【請求項12】 複数本の細画線から成る証券用線画
    を有し、該細画線は、夫々一本の線である基本画線部及
    び分断画線部の両方又はいずれか一方から成り、上記基
    本画線部は複数本集まって基本画線群を構成し、上記分
    断画線部は複数本集まって分断画線群を構成し、上記基
    本画線群と分断画線群から成る情報が埋め込まれ、上記
    分断画線部は、上記細画線の長手方向に直交する方向に
    延びる分断線が、上記細画線の長手方向に沿って互いに
    所定の間隔をもって複数本並列されて成る真偽判別可能
    な印刷物の真偽判別方法であって、 上記印刷物のデジタル画像データを作成し、 該デジタル画像データをフーリエ変換してフーリエ変換
    パターンを作成し、 該フーリエ変換パターンにおいて、上記基本画線群と分
    断画線部の夫々の画線の間隔の相関に基づき、上記情報
    を識別することを特徴とする真偽判別可能な印刷物の真
    偽判別方法。
  13. 【請求項13】 複数本の細画線から成る証券用線画
    を有し、該細画線は、夫々一本の線である基本画線部及
    び分断画線部の両方又はいずれか一方から成り、上記基
    本画線部は複数本集まって基本画線群となり背景部を構
    成し、上記分断画線部は複数本集まって分断画線群とな
    り画像部を構成し、上記背景部と画像部から成る情報が
    埋め込まれ、上記分断画線部は、上記細画線の長手方向
    に直交する方向に延びる分断線が、上記細画線の長手方
    向に沿って互いに所定の間隔をもって複数本並列されて
    成る真偽判別可能な印刷物の真偽判別方法であって、 上記印刷物のデジタル画像データを作成し、 該デジタル画像データをフーリエ変換してフーリエ変換
    パターンを作成し、 上記フーリエ変換パターンのうちバンドパスフィルタで
    所定の周波数に相当するパターンのみを抽出し、その抽
    出結果を逆フーリエ変換して得られる画像において、上
    記基本画線群と分断画線部の夫々の画線の間隔の相関に
    基づき、上記情報を識別することを特徴とする真偽判別
    可能な印刷物の真偽判別方法。
  14. 【請求項14】 複数本の細画線から成る証券用線画
    を有し、該複数本の細画線は、二以上の種類の間隔の分
    断画線部から成り所定の情報を構成し、上記二以上の種
    類の間隔の分断画線部は、夫々上記細画線の長手方向に
    直交する方向に延びる分断線が、上記細画線の長手方向
    に沿って上記種類毎に異なる所定の間隔をもって複数本
    並列されて成る真偽判別可能な印刷物の真偽判別方法で
    あって、 上記印刷物を電子的に読み取りデジタル画像データを作
    成し、 該デジタル画像データをフーリエ変換してフーリエ変換
    パターンを作成し、 該フーリエ変換パターンにおいて、上記二以上の種類の
    間隔の分断画線部の夫々の分断線の間隔の相関に基づ
    き、上記情報を識別することを特徴とする真偽判別可能
    な印刷物の真偽判別方法。
  15. 【請求項15】 上記フーリエ変換パターンの異方性
    をなくして、上記位置の相関に基づく強度を予め設定さ
    れた基準値と比較して上記情報を識別することを特徴と
    する請求項12又は14記載の真偽判別可能な印刷物の
    真偽判別方法。
  16. 【請求項16】 複数本の細画線から成る証券用線画
    を有し、該細画線は、夫々一本の線である基本画線部及
    び分断画線部の両方又はいずれか一方から成り、上記基
    本画線部は複数本集まって基本画線群を構成し、上記分
    断画線部は複数本集まって分断画線群を構成し、上記基
    本画線群と分断画線群から成る情報を構成し、上記分断
    画線部は、夫々上記細画線の長手方向に直交する方向に
    延びる分断線が、上記細画線の長手方向に沿って互いに
    所定の間隔をもって複数本並列されて構成されて成る真
    偽判別可能な印刷物の真偽判別装置であって、 上記印刷物のデジタル画像データを作成する手段と、 該デジタル画像データをフーリエ変換してフーリエ変換
    パターンを作成する手段と、 を備えており、 上記フーリエ変換パターンにおいて、上記基本画線群と
    分断画線部の夫々の画線の間隔の相関に基づき、上記情
    報を識別可能とすることを特徴とする真偽判別可能な印
    刷物の真偽判別装置。
  17. 【請求項17】 複数本の細画線から成る証券用線画
    を有し、該細画線は、夫々一本の線である基本画線部及
    び分断画線部の両方又はいずれか一方から成り、上記基
    本画線部は複数本集まって基本画線群となり背景部を構
    成し、上記分断画線部は複数本集まって分断画線群とな
    り画像部を構成し、上記背景部と画像部から成る情報を
    埋め込み、上記分断画線部は、上記細画線の長手方向に
    直交する方向に延びる分断線が、上記細画線の長手方向
    に沿って互いに所定の間隔をもって複数本並列されて構
    成されて成る真偽判別可能な印刷物の真偽判別装置であ
    って、 上記印刷物のデジタル画像データを作成する手段と、 該デジタル画像データをフーリエ変換してフーリエ変換
    パターンをする手段と、 上記フーリエ変換パターンのうち、バンドパスフィルタ
    で所定の周波数に相当するパターンのみを抽出し、これ
    を逆フーリエ変換した画像を作成する手段と、 を備えており、 上記逆フーリエ変換した画像において、上記基本画線群
    と分断画線部の夫々の画線の間隔の相関に基づき、上記
    情報を識別可能とすることを特徴とする真偽判別可能な
    印刷物の真偽判別装置。
  18. 【請求項18】 複数本の細画線から成る証券用線画
    を有し、該複数本の細画線は、二以上の種類の間隔から
    成る分断画線部から成り所定の情報を構成し、上記二以
    上の種類の間隔の分断画線部は、夫々上記細画線の長手
    方向に直交する方向に延びる分断線が、上記細画線の長
    手方向に沿って上記種類毎に異なる所定の間隔をもって
    複数本並列されて構成されて成る真偽判別可能な印刷物
    の真偽判別装置であって、 上記印刷物を電子的に読み取りデジタル画像データを作
    成する手段と、 該デジタル画像データをフーリエ変換してフーリエ変換
    パターンを作成する手段と、 を備えており、 上記フーリエ変換パターンにおいて、上記二以上の種類
    の間隔の分断画線部の夫々の分断線の間隔の相関に基づ
    き、上記情報を識別可能とすることを特徴とする真偽判
    別可能な印刷物の真偽判別装置。
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