JP3362176B2 - 印刷物の読み取り検査方法及びその装置 - Google Patents
印刷物の読み取り検査方法及びその装置Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偽造、変造防止を
必要とする印刷物が有する曲画線の集合模様に、通常は
肉眼で識別できない潜像を施し、施した潜像を機械的に
検知することによって、真偽判別ができる印刷物の読み
取り検査方法及びその装置に関するものである。
必要とする印刷物が有する曲画線の集合模様に、通常は
肉眼で識別できない潜像を施し、施した潜像を機械的に
検知することによって、真偽判別ができる印刷物の読み
取り検査方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】銀行券、株券、債券等の有価証券、各種
証明書及び重要書類等の印刷物において偽造、変造防止
策は重要な要素である。これら印刷物の偽造、変造防止
策は主に幾何学模様を多用化した図柄をデザインに用い
る方法と、印刷物に対し何等かの手段と作用を加えると
目視では認識できなかった潜像を現出するような方法が
ある。前者の代表的な例は、証券印刷物等のデザインに
広く用いられている地紋、彩紋模様、レリーフ模様等の
幾何学模様を用いたものであるが、前記幾何学模様を用
いた偽造、変造防止策としては、基本的に一定の画線幅
による曲画線の集合によって模様を構成しているもので
ある。これらの模様は印刷物のデザイン等の意匠性を加
味し、且つ写真製版装置による抽出または複写機では再
現されにくい色彩を用いたり、複雑な曲画線にして複写
機及びスキャナーの走査入出力に対し、モアレを発生さ
せたりすることで偽造防止策としての役割を高めている
が、最近では高機能化した写真製版装置または複写機の
出現によって充分な偽造、変造防止効果をもたらしてい
ないという欠点がある。
証明書及び重要書類等の印刷物において偽造、変造防止
策は重要な要素である。これら印刷物の偽造、変造防止
策は主に幾何学模様を多用化した図柄をデザインに用い
る方法と、印刷物に対し何等かの手段と作用を加えると
目視では認識できなかった潜像を現出するような方法が
ある。前者の代表的な例は、証券印刷物等のデザインに
広く用いられている地紋、彩紋模様、レリーフ模様等の
幾何学模様を用いたものであるが、前記幾何学模様を用
いた偽造、変造防止策としては、基本的に一定の画線幅
による曲画線の集合によって模様を構成しているもので
ある。これらの模様は印刷物のデザイン等の意匠性を加
味し、且つ写真製版装置による抽出または複写機では再
現されにくい色彩を用いたり、複雑な曲画線にして複写
機及びスキャナーの走査入出力に対し、モアレを発生さ
せたりすることで偽造防止策としての役割を高めている
が、最近では高機能化した写真製版装置または複写機の
出現によって充分な偽造、変造防止効果をもたらしてい
ないという欠点がある。
【0003】また前記の印刷物に対し何等かの手段と作
用を加える後者の代表的な例のうち、最も多く用いられ
ている偽造、変造防止策は、一般的にコピー防止画線と
称する一連の技術で、印刷物中に施された潜像が目視で
は認識できなく、複写機によって複写することにより潜
像が現出するもので、このような複写機による偽造防止
に適する印刷物においては、基紙表面に例えば85線
30%の網点である微細構成素子よりなる文字を表示し
た潜像を銀インキを用いて印刷し、次にこの潜像以外の
余白部に前記潜像より粗または密(例えば150線30
%)の網点で印刷を施すと共に、前記潜像の上面に彩紋
や地紋等の印刷模様を施す、複写による偽造防止に適す
る潜像入り印刷物(特開昭57−20395号公報)が
あり、また用紙の表面に網点で潜像を印刷し、万線で
潜像と同濃度の背景を同時印刷し、背景を含む潜像の上
面に装飾模様をコピーで再現されない程度の薄色の透明
性インキで重ね刷りすることにより、印刷物表面を体裁
よく仕上げ、コピーにかけると模様は見えなくなり、背
景は再現されると共に潜像は再現されず、背景と潜像の
濃度差が歴然となって複写物であることが一見して分か
る、複写防止に適する印刷物(特開昭60−79991
号公報)があり、更に150線10%の網点よりなる
潜像をそなえ、且つ潜像周囲の白地面に50〜60線1
0%程度の万線よりなる背景を備えた潜像版を用いて、
用紙の表面に濃色の印刷を施し、背景の万線と干渉した
時にモアレ模様を形成する平行線よりなる波形パターン
を備えたオーバープリント版を用いて、用紙表面に複写
機で再生されない淡色の重ね刷りを施すことにより、印
刷物の表面は肉眼を幻惑するモアレ模様が形成されるの
で潜像の存在は識別困難となり、複写機にかけると潜像
と波形パターンは再生されずに背景のみが再生されるの
で、潜像が背景と区別して認められる、印刷物における
複写防止用潜像カムフラージ法(特開昭60−8738
0号公報)等が開示されている
用を加える後者の代表的な例のうち、最も多く用いられ
ている偽造、変造防止策は、一般的にコピー防止画線と
称する一連の技術で、印刷物中に施された潜像が目視で
は認識できなく、複写機によって複写することにより潜
像が現出するもので、このような複写機による偽造防止
に適する印刷物においては、基紙表面に例えば85線
30%の網点である微細構成素子よりなる文字を表示し
た潜像を銀インキを用いて印刷し、次にこの潜像以外の
余白部に前記潜像より粗または密(例えば150線30
%)の網点で印刷を施すと共に、前記潜像の上面に彩紋
や地紋等の印刷模様を施す、複写による偽造防止に適す
る潜像入り印刷物(特開昭57−20395号公報)が
あり、また用紙の表面に網点で潜像を印刷し、万線で
潜像と同濃度の背景を同時印刷し、背景を含む潜像の上
面に装飾模様をコピーで再現されない程度の薄色の透明
性インキで重ね刷りすることにより、印刷物表面を体裁
よく仕上げ、コピーにかけると模様は見えなくなり、背
景は再現されると共に潜像は再現されず、背景と潜像の
濃度差が歴然となって複写物であることが一見して分か
る、複写防止に適する印刷物(特開昭60−79991
号公報)があり、更に150線10%の網点よりなる
潜像をそなえ、且つ潜像周囲の白地面に50〜60線1
0%程度の万線よりなる背景を備えた潜像版を用いて、
用紙の表面に濃色の印刷を施し、背景の万線と干渉した
時にモアレ模様を形成する平行線よりなる波形パターン
を備えたオーバープリント版を用いて、用紙表面に複写
機で再生されない淡色の重ね刷りを施すことにより、印
刷物の表面は肉眼を幻惑するモアレ模様が形成されるの
で潜像の存在は識別困難となり、複写機にかけると潜像
と波形パターンは再生されずに背景のみが再生されるの
で、潜像が背景と区別して認められる、印刷物における
複写防止用潜像カムフラージ法(特開昭60−8738
0号公報)等が開示されている
【0004】前記公報等による印刷物はいずれも網点も
しくは万線等の点及び線が一定周期で連続配置する画線
群(以下、スクリーンパターンと称する)の粗密によっ
て潜像が施され、印刷面全体の模様が均一濃度を持った
スクリーンパターンとなっている。前記潜像が施された
印刷物を複写機によって複写した際、再生されない密構
成のスクリーンパターンと、再生される粗構成のスクリ
ーンパターンとは濃度差が生じて、再生される粗構成の
スクリーンパターンに対し再生されない密構成のスクリ
ーンパターンの潜像部分を現出するようにして、複写物
であることが一目瞭然となるようにしたものである。し
かし前記公報はいずれも印刷面全体が均一濃度を持った
スクリーンパターンという特徴から、肉眼視においても
同一印刷面上の異なるスクリーンパターンによって、ス
クリーン形状の違いによる異別感及びスクリーンパター
ンゆえに生ずる潜像の境界線との干渉部により、潜像の
存在を識別できてしまう欠点を有している。従って前記
欠点を解決する方法として、前記公報等はいずれも潜像
をカムフラージするために別の模様や薄色の透明イン
キ、淡色の重ね刷りを施しているが、前記方法は潜像を
識別しにくくする点では有効であるが、工程数が増え経
済的でないという欠点を有している。
しくは万線等の点及び線が一定周期で連続配置する画線
群(以下、スクリーンパターンと称する)の粗密によっ
て潜像が施され、印刷面全体の模様が均一濃度を持った
スクリーンパターンとなっている。前記潜像が施された
印刷物を複写機によって複写した際、再生されない密構
成のスクリーンパターンと、再生される粗構成のスクリ
ーンパターンとは濃度差が生じて、再生される粗構成の
スクリーンパターンに対し再生されない密構成のスクリ
ーンパターンの潜像部分を現出するようにして、複写物
であることが一目瞭然となるようにしたものである。し
かし前記公報はいずれも印刷面全体が均一濃度を持った
スクリーンパターンという特徴から、肉眼視においても
同一印刷面上の異なるスクリーンパターンによって、ス
クリーン形状の違いによる異別感及びスクリーンパター
ンゆえに生ずる潜像の境界線との干渉部により、潜像の
存在を識別できてしまう欠点を有している。従って前記
欠点を解決する方法として、前記公報等はいずれも潜像
をカムフラージするために別の模様や薄色の透明イン
キ、淡色の重ね刷りを施しているが、前記方法は潜像を
識別しにくくする点では有効であるが、工程数が増え経
済的でないという欠点を有している。
【0005】そこで、本願発明者らは前記従来の技術が
有する欠点を解消する方法として、用紙表面に網点又
は万線等のパターンからなる潜像と、該潜像周囲に前記
潜像とは粗密が異なる白抜きの円形模様や、全面的なス
クリーンパターンに対する部分的なスクリーンパターン
の網点パーセントを増加した同心円模様等で、カムフラ
ージすることを特徴とする複写防止に適する印刷物(特
開平4−170569号公報)によって、潜像をカムフ
ラージするための別の模様や薄色の透明インキさらに
は、淡色の重ね刷りを施さず、かつ該潜像を施した潜像
模様が肉眼では識別されない印刷物を提供した。しか
し、前述のとおり前記〜の従来技術は何れもスクリ
ーンパターンにより潜像を施しているため、カムフラー
ジのために別の模様や薄色の透明インキさらには、淡色
の重ね刷りを必要としない、潜像を施した単色印刷画線
模様そのものを彩紋模様のごとく自由なデザイン化した
模様にしたり、装飾効果をもった美術的な印刷物にする
ことは不可能である。更に前記〜の従来技術の方法
はいずれも網点もしくは万線等の点及び線の粗密からな
るスクリーンパターンでなければならないため、地紋、
彩紋模様を多用している銀行券、株券、債券などの有価
証券等の既存製品に用いるには適さないという欠点があ
った。
有する欠点を解消する方法として、用紙表面に網点又
は万線等のパターンからなる潜像と、該潜像周囲に前記
潜像とは粗密が異なる白抜きの円形模様や、全面的なス
クリーンパターンに対する部分的なスクリーンパターン
の網点パーセントを増加した同心円模様等で、カムフラ
ージすることを特徴とする複写防止に適する印刷物(特
開平4−170569号公報)によって、潜像をカムフ
ラージするための別の模様や薄色の透明インキさらに
は、淡色の重ね刷りを施さず、かつ該潜像を施した潜像
模様が肉眼では識別されない印刷物を提供した。しか
し、前述のとおり前記〜の従来技術は何れもスクリ
ーンパターンにより潜像を施しているため、カムフラー
ジのために別の模様や薄色の透明インキさらには、淡色
の重ね刷りを必要としない、潜像を施した単色印刷画線
模様そのものを彩紋模様のごとく自由なデザイン化した
模様にしたり、装飾効果をもった美術的な印刷物にする
ことは不可能である。更に前記〜の従来技術の方法
はいずれも網点もしくは万線等の点及び線の粗密からな
るスクリーンパターンでなければならないため、地紋、
彩紋模様を多用している銀行券、株券、債券などの有価
証券等の既存製品に用いるには適さないという欠点があ
った。
【0006】従って、本願発明者らは更に前記〜に
記載の複写防止方法が有する欠点を充分補える方法とし
て、曲画線の集合模様を、潜像を施さない部分を一本
線、潜像を施した部分を二本線以上の画線で表現し、潜
像を施した部分の二本線以上の画線は、二本線以上の画
線の合計の画線幅が、潜像を施さない部分の一本線の画
線の画線幅と等しく、且つ、潜像を施さない部分の一本
線から分岐し、更に、潜像を施さない部分と潜像を施し
た部分の画線上の境界線が、曲画線の集合模様を構成す
る基本曲線と潜像の輪郭線の交点において基本曲線に接
する直線に対し、略直角に交わる直線となることを特徴
とする複写防止模様の作成方法及びその印刷物(特願平
6−206140号)を発明し出願した。更に、本願
出願と同日付けで、前記発明を更に改良した複写防止模
様の作成方法及びその印刷物を出願した。この発明の模
様を有する印刷物は、複写機によって複製すると、二本
線以上で表現した潜像を施した部分は複写機の解像度か
ら再生不能であり、一本線で表現した潜像を施さない部
分と濃淡差が生じることにより真偽判別が可能となる。
これにより、複写防止を必要とする銀行券、株券、債券
等の有価証券、各種証明書及び重要書類等の、地紋、彩
紋模様、レリーフ模様等の曲画線の集合模様に、カムフ
ラージのための重ね刷りも必要とせず、複写機による偽
造、変造防止効果を付与した複写防止模様の作成方法及
び印刷物を提供した。
記載の複写防止方法が有する欠点を充分補える方法とし
て、曲画線の集合模様を、潜像を施さない部分を一本
線、潜像を施した部分を二本線以上の画線で表現し、潜
像を施した部分の二本線以上の画線は、二本線以上の画
線の合計の画線幅が、潜像を施さない部分の一本線の画
線の画線幅と等しく、且つ、潜像を施さない部分の一本
線から分岐し、更に、潜像を施さない部分と潜像を施し
た部分の画線上の境界線が、曲画線の集合模様を構成す
る基本曲線と潜像の輪郭線の交点において基本曲線に接
する直線に対し、略直角に交わる直線となることを特徴
とする複写防止模様の作成方法及びその印刷物(特願平
6−206140号)を発明し出願した。更に、本願
出願と同日付けで、前記発明を更に改良した複写防止模
様の作成方法及びその印刷物を出願した。この発明の模
様を有する印刷物は、複写機によって複製すると、二本
線以上で表現した潜像を施した部分は複写機の解像度か
ら再生不能であり、一本線で表現した潜像を施さない部
分と濃淡差が生じることにより真偽判別が可能となる。
これにより、複写防止を必要とする銀行券、株券、債券
等の有価証券、各種証明書及び重要書類等の、地紋、彩
紋模様、レリーフ模様等の曲画線の集合模様に、カムフ
ラージのための重ね刷りも必要とせず、複写機による偽
造、変造防止効果を付与した複写防止模様の作成方法及
び印刷物を提供した。
【0007】また、前記〜の複写防止方法は画線が
単純なスクリーンパターンによって構成されているた
め、今日のデスク・トップ・パブリッシング(以下DT
Pと称する)技術の著しい進歩により、優れたDTPシ
ステムを所持した大掛かりな犯罪組織であれば、本物に
匹敵する偽造物を得ることができるが、本願発明者らに
よる前記の複写防止方法は前記〜の複写防止方法
に比べ高度な画線構成であるため、優れたDTPシステ
ムを用いたとしても、同じように潜像を有する複写防止
印刷物を作成することは困難である。しかし、不心得者
が前記の複写防止方法による印刷物が肉眼による潜像
の非視認性が高い特徴を利用し、始めから一本線の画線
で作成することで、肉眼視においては近似的な画線、即
ち従来のような一本線で表現した画線を有する地紋、彩
紋模様の偽造物を作製する恐れは十分考えられる。
単純なスクリーンパターンによって構成されているた
め、今日のデスク・トップ・パブリッシング(以下DT
Pと称する)技術の著しい進歩により、優れたDTPシ
ステムを所持した大掛かりな犯罪組織であれば、本物に
匹敵する偽造物を得ることができるが、本願発明者らに
よる前記の複写防止方法は前記〜の複写防止方法
に比べ高度な画線構成であるため、優れたDTPシステ
ムを用いたとしても、同じように潜像を有する複写防止
印刷物を作成することは困難である。しかし、不心得者
が前記の複写防止方法による印刷物が肉眼による潜像
の非視認性が高い特徴を利用し、始めから一本線の画線
で作成することで、肉眼視においては近似的な画線、即
ち従来のような一本線で表現した画線を有する地紋、彩
紋模様の偽造物を作製する恐れは十分考えられる。
【0008】即ち、前記偽造物の特徴は、画線の潜像成
分を失っていることである。しかし、潜像はあくまでも
肉眼視において識別できないのが常識であるため、印刷
物を特に注意して観察しないと偽造物を本物として誤認
識する恐れがあり、不正行為がまかり通ってしまう危険
性を有している。従って、有効な真偽判別法はその偽造
物を複写機を用い通常の複写条件で複写を行うことであ
る。即ち、これら偽造物は複写機によって複写しても既
に画線の潜像成分を失っているため、本物の印刷物を複
写したように潜像が発現することはない。但し、偽造物
の真偽判別は、複写機による複写物を肉眼視によって確
認することから、一度に大量の確認作業を容易に行うに
は不充分であった。
分を失っていることである。しかし、潜像はあくまでも
肉眼視において識別できないのが常識であるため、印刷
物を特に注意して観察しないと偽造物を本物として誤認
識する恐れがあり、不正行為がまかり通ってしまう危険
性を有している。従って、有効な真偽判別法はその偽造
物を複写機を用い通常の複写条件で複写を行うことであ
る。即ち、これら偽造物は複写機によって複写しても既
に画線の潜像成分を失っているため、本物の印刷物を複
写したように潜像が発現することはない。但し、偽造物
の真偽判別は、複写機による複写物を肉眼視によって確
認することから、一度に大量の確認作業を容易に行うに
は不充分であった。
【0009】このような問題の解決法として、真偽判別
において大量且つ高速処理できる機械読み取り検査方法
が広く採用されているが、今日の印刷物の機械読み取り
検査方法は、磁性インキ、赤外線反射吸収インキ、蛍光
インキ等の機能性インキや、印刷媒体を形成する繊維、
材質、薬品類等による素材を検知するといったこれらの
技術は、人間に感知できない特定の電磁波等に起因する
ものであり、印刷物を作製する上で材料適性に依存する
ものが多く、生産コスト面において経済性の見合う製品
にしか付与することができない。従って、印刷物の生産
コストを特に考慮しない方法は、可視できる一般印刷用
のインキのような印刷材料が適用可能な印刷物上の模様
に対する光学読み取り方法が望ましい。比較的適用が容
易な光学読み取り方法としては、OCR、OMR、バー
コード、二次元コード等が公知であるが、これらの光学
読み取り方法は符号化された印刷画像を用いなければな
らず、当然既存製品に用いる場合は、デザイン、仕様の
変更が要求される。また、これらの光学読み取り方法は
広く市中に出回っている方法でもあり、符号が印刷画線
として可視できるため、知能的犯罪者によって解読され
る危険性も予想され、偽造、変造防止方法としては不十
分である。従って、印刷物の材料適性に依存しない偽
造、変造防止方法で、例えば銀行券、株券、債券等の有
価証券、各種証明書及び重要書類等に適する複写防止適
性を有する模様を機械読み取りによって真偽判別できる
有効な検査方法の技術の開発が望まれている。
において大量且つ高速処理できる機械読み取り検査方法
が広く採用されているが、今日の印刷物の機械読み取り
検査方法は、磁性インキ、赤外線反射吸収インキ、蛍光
インキ等の機能性インキや、印刷媒体を形成する繊維、
材質、薬品類等による素材を検知するといったこれらの
技術は、人間に感知できない特定の電磁波等に起因する
ものであり、印刷物を作製する上で材料適性に依存する
ものが多く、生産コスト面において経済性の見合う製品
にしか付与することができない。従って、印刷物の生産
コストを特に考慮しない方法は、可視できる一般印刷用
のインキのような印刷材料が適用可能な印刷物上の模様
に対する光学読み取り方法が望ましい。比較的適用が容
易な光学読み取り方法としては、OCR、OMR、バー
コード、二次元コード等が公知であるが、これらの光学
読み取り方法は符号化された印刷画像を用いなければな
らず、当然既存製品に用いる場合は、デザイン、仕様の
変更が要求される。また、これらの光学読み取り方法は
広く市中に出回っている方法でもあり、符号が印刷画線
として可視できるため、知能的犯罪者によって解読され
る危険性も予想され、偽造、変造防止方法としては不十
分である。従って、印刷物の材料適性に依存しない偽
造、変造防止方法で、例えば銀行券、株券、債券等の有
価証券、各種証明書及び重要書類等に適する複写防止適
性を有する模様を機械読み取りによって真偽判別できる
有効な検査方法の技術の開発が望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の点に鑑
みなされたもので、曲画線の集合模様に、通常は肉眼で
識別できない潜像を施すことによって、カムフラージの
ための重ね刷りも必要とせず、複写機による偽造、変造
防止効果を有する複写防止印刷物の、地紋、彩紋模様に
施された目視では識別できない潜像を、画像処理によっ
て容易に検知することにより、印刷物の材料適性に依存
せず、且つ、一度に大量の真偽判別ができる印刷物の読
み取り検査方法及びその装置を提供することを目的とす
るものである。
みなされたもので、曲画線の集合模様に、通常は肉眼で
識別できない潜像を施すことによって、カムフラージの
ための重ね刷りも必要とせず、複写機による偽造、変造
防止効果を有する複写防止印刷物の、地紋、彩紋模様に
施された目視では識別できない潜像を、画像処理によっ
て容易に検知することにより、印刷物の材料適性に依存
せず、且つ、一度に大量の真偽判別ができる印刷物の読
み取り検査方法及びその装置を提供することを目的とす
るものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
曲画線の集合模様を、潜像を施さない部分を一本線、潜
像を施した部分を二本線以上の画線で表現し、潜像を施
した部分の二本線以上の画線は、二本線以上の画線の合
計の画線幅が、潜像を施さない部分の一本線の画線の画
線幅と等しく、且つ、潜像を施さない部分の一本線から
分岐し、更に、前記潜像を施した部分の二本線以上で一
組となっている画線において、一組ごとの前記画線同士
が交差する部分で、両者一組ごとの前記画線同士を、両
者一組ごとの画線の画線間の内側の範囲内で削除し、潜
像を施さない部分と潜像を施した部分の画線上の境界線
が、曲画線の集合模様を構成する基本曲線と潜像の輪郭
線の交点で基本曲線に接する直線に対し、略直角に交わ
る直線となる複写防止模様を有する印刷物を対象とし
て、前記複写防止模様を光学式画像入力装置で画像とし
て入力し、入力して得た画像信号を画像処理によって、
入力画像上の潜像を施した部分の画線が対応する画像情
報と、入力画像上の潜像を施さない部分の画線に対応す
る画像情報に、2値化による除去を行い、潜像を施した
部分の画線に対応した画素群が殆ど除去できた段階で、
潜像を施さない部分の画線に対応した部分に2値画像を
残存させ、更に、前記2値画像及び残存画素群に膨張を
行い、前記潜像を施さない部分の画線に対応した部分の
2値画像の画素が連結成分となり、前記潜像を施した部
分の画線に対応した部分の残存画素群が膨張画素群とな
り、前記連結成分及び膨張画素群に膨張を行ったときと
同じ量の収縮を行い、前記膨張画素群は元の前記残存画
素群と同じ大きさの収縮画素群に戻り、1つの連結成分
となった2値画像は、連結成分の周囲の画素が収縮され
るのみで、連結成分の顕像状態が変らぬまま収縮画像と
なり、前記収縮画像の2値画像形状の有無を確認するこ
とにより、真偽判別する印刷物の読み取り検査方法であ
る。
曲画線の集合模様を、潜像を施さない部分を一本線、潜
像を施した部分を二本線以上の画線で表現し、潜像を施
した部分の二本線以上の画線は、二本線以上の画線の合
計の画線幅が、潜像を施さない部分の一本線の画線の画
線幅と等しく、且つ、潜像を施さない部分の一本線から
分岐し、更に、前記潜像を施した部分の二本線以上で一
組となっている画線において、一組ごとの前記画線同士
が交差する部分で、両者一組ごとの前記画線同士を、両
者一組ごとの画線の画線間の内側の範囲内で削除し、潜
像を施さない部分と潜像を施した部分の画線上の境界線
が、曲画線の集合模様を構成する基本曲線と潜像の輪郭
線の交点で基本曲線に接する直線に対し、略直角に交わ
る直線となる複写防止模様を有する印刷物を対象とし
て、前記複写防止模様を光学式画像入力装置で画像とし
て入力し、入力して得た画像信号を画像処理によって、
入力画像上の潜像を施した部分の画線が対応する画像情
報と、入力画像上の潜像を施さない部分の画線に対応す
る画像情報に、2値化による除去を行い、潜像を施した
部分の画線に対応した画素群が殆ど除去できた段階で、
潜像を施さない部分の画線に対応した部分に2値画像を
残存させ、更に、前記2値画像及び残存画素群に膨張を
行い、前記潜像を施さない部分の画線に対応した部分の
2値画像の画素が連結成分となり、前記潜像を施した部
分の画線に対応した部分の残存画素群が膨張画素群とな
り、前記連結成分及び膨張画素群に膨張を行ったときと
同じ量の収縮を行い、前記膨張画素群は元の前記残存画
素群と同じ大きさの収縮画素群に戻り、1つの連結成分
となった2値画像は、連結成分の周囲の画素が収縮され
るのみで、連結成分の顕像状態が変らぬまま収縮画像と
なり、前記収縮画像の2値画像形状の有無を確認するこ
とにより、真偽判別する印刷物の読み取り検査方法であ
る。
【0012】第2の発明は、あらかじめ真偽判別部に記
録しておいた、潜像を施さない部分の画線に対応した位
置に残存する真正の2値画像形状と、前記画素群の除去
後の潜像を施さない部分の画線に対応した位置に残存す
る2値画像形状の適否を比較することにより、真偽判別
する印刷物の読み取り検査方法である。
録しておいた、潜像を施さない部分の画線に対応した位
置に残存する真正の2値画像形状と、前記画素群の除去
後の潜像を施さない部分の画線に対応した位置に残存す
る2値画像形状の適否を比較することにより、真偽判別
する印刷物の読み取り検査方法である。
【0013】第3の発明は、前記複写防止模様を画像化
するために画像入力を行うための光学式画像入力部と、
該光学式画像入力部で入力して得た画像信号を2値化
し、膨張、収縮することによって、入力画像上の潜像を
施した部分の画線に対応する画素群の除去を図る画像処
理部と、該画像処理部で得られた潜像を施さない部分の
画線に対応した位置に残存する2値画像形状を認識、又
は比較、照合することにより真偽を判定する真偽判定部
と、該真偽判定部で判定された結果を表示する表示部よ
りなる印刷物の読み取り検査装置である。
するために画像入力を行うための光学式画像入力部と、
該光学式画像入力部で入力して得た画像信号を2値化
し、膨張、収縮することによって、入力画像上の潜像を
施した部分の画線に対応する画素群の除去を図る画像処
理部と、該画像処理部で得られた潜像を施さない部分の
画線に対応した位置に残存する2値画像形状を認識、又
は比較、照合することにより真偽を判定する真偽判定部
と、該真偽判定部で判定された結果を表示する表示部よ
りなる印刷物の読み取り検査装置である。
【0014】第4の発明は、前記潜像を施した部分の二
本線以上の画線のうち、一本線の画線に対応する2値画
像の画線幅方向において、該画線幅が隣接画素距離未満
であり、且つ、潜像を施さない部分の画線に対応する2
値画像の画線幅方向において、該画線幅が隣接画素距離
以上の画素によって構成するように、前記光学式画像入
力部の解像度を設定した印刷物の読み取り検査装置であ
る。
本線以上の画線のうち、一本線の画線に対応する2値画
像の画線幅方向において、該画線幅が隣接画素距離未満
であり、且つ、潜像を施さない部分の画線に対応する2
値画像の画線幅方向において、該画線幅が隣接画素距離
以上の画素によって構成するように、前記光学式画像入
力部の解像度を設定した印刷物の読み取り検査装置であ
る。
【0015】第5の発明は、前記残存する2値画像形状
をCRTモニター上に顕像化することにより真偽判別す
る印刷物の読み取り検査方法である。
をCRTモニター上に顕像化することにより真偽判別す
る印刷物の読み取り検査方法である。
【0016】第6の発明は、前記残存する2値画像形状
をCRTモニターに出力を可能とする印刷物の読み取り
検査方法である。
をCRTモニターに出力を可能とする印刷物の読み取り
検査方法である。
【0017】第7の発明は、前記残存する2値画像形状
を可視像として出力するために、表示部にCRTモニタ
ーを設けた印刷物の読み取り検査装置である。
を可視像として出力するために、表示部にCRTモニタ
ーを設けた印刷物の読み取り検査装置である。
【0018】第8の発明は、前記可視像をプリンターに
より出力することにより真偽判別する印刷物の読み取り
検査方法である。
より出力することにより真偽判別する印刷物の読み取り
検査方法である。
【0019】第9の発明は、前記可視像を出力し、真偽
判別するために表示部にプリンターを設けた印刷物の読
み取り検査装置である
判別するために表示部にプリンターを設けた印刷物の読
み取り検査装置である
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の印刷物の読み取り検査方
法及びその装置は、曲画線の集合模様を、潜像を施さな
い部分を一本線、潜像を施した部分を二本線以上の画線
で表現し、潜像を施した部分の二本線以上の画線は、二
本線以上の画線の合計の画線幅が、潜像を施さない部分
の一本線の画線の画線幅と等しく、且つ、潜像を施さな
い部分の一本線から分岐し、更に、前記潜像を施した部
分の二本線以上で一組となっている画線において、一組
ごとの前記画線同士が交差する部分で、両者一組ごとの
前記画線同士を、両者一組ごとの画線の画線間の内側の
範囲内で削除し、潜像を施さない部分と潜像を施した部
分の画線上の境界線が、曲画線の集合模様を構成する基
本曲線と潜像の輪郭線の交点で基本曲線に接する直線に
対し、略直角に交わる直線となる複写防止模様を有する
印刷物を、CCDカメラまたは光学式スキャナで画像と
して入力し、入力して得た画像信号を画像処理によっ
て、入力画像上の潜像を施した部分の画線が対応する画
像情報と、入力画像上の潜像を施さない部分の画線に対
応する画像情報に、2値化による除去を行い、潜像を施
した部分の画線に対応した画素群が殆ど除去できた段階
で、潜像を施さない部分の画線に対応した部分に2値画
像が残存したものを真正とし、残存しないものを偽造と
判定する。また、視認性を有効に作用させるため、前記
2値画像及び残存画素群に膨張を行い、前記潜像を施さ
ない部分の画線に対応した部分の2値画像の画素が連結
成分となり、前記潜像を施した部分の画線に対応した部
分の残存画素群が膨張画素群となり、前記連結成分及び
膨張画素群に膨張を行ったときと同じ量の収縮を行う。
これによって、前記膨張画素群は元の大きさ、即ち前記
残存画素群と同じ大きさの収縮画素群に戻り、1つの連
結成分となった2値画像は、連結成分の周囲の画素が収
縮されるのみで、連結成分の顕像状態が変らぬまま収縮
画像となる。これによって、印刷物に施してあった潜像
が2値画像としてCRTモニターに可視像として写し出
すことができるから、目視でも容易に印刷物上の潜像を
視認でき、真偽判別ができる。更に、例えば偽造と判定
した場合の確認用など、必要に応じて前記可視像をプリ
ンターにより出力できるから、より確実な真偽判別がで
きる。
法及びその装置は、曲画線の集合模様を、潜像を施さな
い部分を一本線、潜像を施した部分を二本線以上の画線
で表現し、潜像を施した部分の二本線以上の画線は、二
本線以上の画線の合計の画線幅が、潜像を施さない部分
の一本線の画線の画線幅と等しく、且つ、潜像を施さな
い部分の一本線から分岐し、更に、前記潜像を施した部
分の二本線以上で一組となっている画線において、一組
ごとの前記画線同士が交差する部分で、両者一組ごとの
前記画線同士を、両者一組ごとの画線の画線間の内側の
範囲内で削除し、潜像を施さない部分と潜像を施した部
分の画線上の境界線が、曲画線の集合模様を構成する基
本曲線と潜像の輪郭線の交点で基本曲線に接する直線に
対し、略直角に交わる直線となる複写防止模様を有する
印刷物を、CCDカメラまたは光学式スキャナで画像と
して入力し、入力して得た画像信号を画像処理によっ
て、入力画像上の潜像を施した部分の画線が対応する画
像情報と、入力画像上の潜像を施さない部分の画線に対
応する画像情報に、2値化による除去を行い、潜像を施
した部分の画線に対応した画素群が殆ど除去できた段階
で、潜像を施さない部分の画線に対応した部分に2値画
像が残存したものを真正とし、残存しないものを偽造と
判定する。また、視認性を有効に作用させるため、前記
2値画像及び残存画素群に膨張を行い、前記潜像を施さ
ない部分の画線に対応した部分の2値画像の画素が連結
成分となり、前記潜像を施した部分の画線に対応した部
分の残存画素群が膨張画素群となり、前記連結成分及び
膨張画素群に膨張を行ったときと同じ量の収縮を行う。
これによって、前記膨張画素群は元の大きさ、即ち前記
残存画素群と同じ大きさの収縮画素群に戻り、1つの連
結成分となった2値画像は、連結成分の周囲の画素が収
縮されるのみで、連結成分の顕像状態が変らぬまま収縮
画像となる。これによって、印刷物に施してあった潜像
が2値画像としてCRTモニターに可視像として写し出
すことができるから、目視でも容易に印刷物上の潜像を
視認でき、真偽判別ができる。更に、例えば偽造と判定
した場合の確認用など、必要に応じて前記可視像をプリ
ンターにより出力できるから、より確実な真偽判別がで
きる。
【0021】
【実施例】本発明による印刷物の読み取り検査方法は、
図1のシステムフローチャートに示すように、印刷物上
の複写防止模様を画像として入力する光学式画像入力部
と、画像を2値化することによって、入力画像上の潜像
を施した部分の画像が位置する画像情報の除去及び画像
の膨張処理を図る画像処理部と、潜像を施さない部分に
残存する2値画像形状を認識する、又は比較、照合する
真偽判定部と、前記判定部での判定結果を表示したり、
必要に応じて前記2値画像形状をCRTモニターやプリ
ンターで可視像として表示する表示部からなる印刷物の
読み取り検査装置によって、検査対象である印刷物上の
複写防止模様の真偽を検査する方法であるが、本発明の
印刷物の読み取り検査装置に用いる光学式画像入力装置
(CCDカメラまたは光学式スキャナ)や画像処理装置
等の機器は特に限定するものではなく、汎用の機器で可
能である。又、真偽判定部での2値画像形状での認識や
比較照合のための画像処理方法は、一般的に用いられて
いるパターン認識法やいき値法等により可能である。以
下、本発明を銀行券、株券、債券等の有価証券等に多く
用いられている、曲画線の集合模様である彩紋模様を用
いた例によって詳細に説明するが、本実施例によって何
等限定されるものではない。
図1のシステムフローチャートに示すように、印刷物上
の複写防止模様を画像として入力する光学式画像入力部
と、画像を2値化することによって、入力画像上の潜像
を施した部分の画像が位置する画像情報の除去及び画像
の膨張処理を図る画像処理部と、潜像を施さない部分に
残存する2値画像形状を認識する、又は比較、照合する
真偽判定部と、前記判定部での判定結果を表示したり、
必要に応じて前記2値画像形状をCRTモニターやプリ
ンターで可視像として表示する表示部からなる印刷物の
読み取り検査装置によって、検査対象である印刷物上の
複写防止模様の真偽を検査する方法であるが、本発明の
印刷物の読み取り検査装置に用いる光学式画像入力装置
(CCDカメラまたは光学式スキャナ)や画像処理装置
等の機器は特に限定するものではなく、汎用の機器で可
能である。又、真偽判定部での2値画像形状での認識や
比較照合のための画像処理方法は、一般的に用いられて
いるパターン認識法やいき値法等により可能である。以
下、本発明を銀行券、株券、債券等の有価証券等に多く
用いられている、曲画線の集合模様である彩紋模様を用
いた例によって詳細に説明するが、本実施例によって何
等限定されるものではない。
【0022】まず、本発明の印刷物の読み取り検査方法
に適する印刷物は、図2に示す従来の印刷物(1)が、
彩紋模様(2)の一本線の画線(3)によって形成され
ているのに対し、一例として図3に示すように、印刷物
(4)の彩紋模様(5)は潜像を施した部分(6)の二
本線の画線(7)と、潜像を施さない部分の一本線の画
線(8)によって構成している。潜像を施した部分の二
本線の画線(7)の各々の画線幅は58μmであり、潜
像を施さない部分の一本線の画線(8)は116μmの
画線幅を有しており、前記潜像を施した部分の二本線の
画線(7)の内間隔は50μmである。前記印刷物
(4)は、用紙に市販のコート紙(SKコート)を用
い、インキのレオロジー適性を、一般的な適性である粘
度99ポアズ、タック値4.4とした市販のオフセット
インキ(グレー)でオフセット印刷を行い、作製するも
のであり、画線のベタ濃度は0.36、紙地の濃度は
0.09である。
に適する印刷物は、図2に示す従来の印刷物(1)が、
彩紋模様(2)の一本線の画線(3)によって形成され
ているのに対し、一例として図3に示すように、印刷物
(4)の彩紋模様(5)は潜像を施した部分(6)の二
本線の画線(7)と、潜像を施さない部分の一本線の画
線(8)によって構成している。潜像を施した部分の二
本線の画線(7)の各々の画線幅は58μmであり、潜
像を施さない部分の一本線の画線(8)は116μmの
画線幅を有しており、前記潜像を施した部分の二本線の
画線(7)の内間隔は50μmである。前記印刷物
(4)は、用紙に市販のコート紙(SKコート)を用
い、インキのレオロジー適性を、一般的な適性である粘
度99ポアズ、タック値4.4とした市販のオフセット
インキ(グレー)でオフセット印刷を行い、作製するも
のであり、画線のベタ濃度は0.36、紙地の濃度は
0.09である。
【0023】次に前記被検査体(印刷物)を、画像入力
部において400ppiの連続階調画像で画像入力を行
う。このときの解像度の隣接画素距離は64μmである
から、潜像を施した部分の二本線の画線(7)の各々の
画線幅は58μmで隣接画素距離よりも短く、潜像を施
さない部分の画線(8)の画線幅は116μmで隣接画
素距離よりも長い。これにより図4で示す入力画像
(9)は、分解能の影響によって前記潜像を施さない部
分の画線(8)に対応する画素群(10)と、前記潜像
を施した部分の二本線の画線(7)に対応する画素群
(11)に濃度差が生じ、画素群(10)は濃く、画素
群(11)は淡くなる。図5は図4の前記潜像を施さな
い部分の画線(8)に対応する画素群(10)の画像断
面(A)と、前記潜像を施した部分の二本線の画線
(7)に対応する画素群(11)の画像断面(B)の濃
度分布を示した図である。本例における入力画像(9)
の濃度レベルは、0〜255段階(0は高濃度で255
は低濃度である。)のうち、前記潜像を施した部分の二
本線の画線(7)に対応する画素群(11)の中央に位
置する画素の濃度レベルは210程度、前記潜像を施さ
ない部分の画線(8)に対応する画素群(10)の中央
に位置する画素の濃度レベルは190程度であった。よ
って、前記潜像を施した部分の二本線の画線(7)に対
応する画素群(11)を除去するため、2値化のしきい
値を200に設定することにより、200〜255の濃
度レベルの範囲に存在する、前記潜像を施した部分の二
本線の画線(7)に対応する画素群(11)、及び前記
潜像を施さない部分の画線(8)に対応する画素群(1
0)の、一部低濃度画素が全て255となり最低濃度と
なる。この入力画像(9)をしきい値200で2値化す
ると、図6のように、前記潜像を施した部分の二本線の
画線(7)に対応する画線群(11)、及び前記潜像を
施さない部分の画線(8)に対応する画素群(10)
の、一部低濃度画素が除去され、前記潜像を施さない部
分の画線(8)に対応する画素群(10)の高濃度画素
が除去されずに残存する。これにより、前記潜像を施さ
ない部分の画線(8)に対応した部分に2値画像(1
2)が得られる。従って、前記2値画像が残存したもの
を真正とし、残存しないものを偽造と判定する。更に、
潜像を施さない部分に残存する2値画像形状は、図6の
模式図に示したような形状が真正なものであるから、あ
らかじめ前記した真正な2値画像形状を、図1の真偽判
定部の真正画像ファイルに保存しておき、画像処理部か
ら送られてくる被検査体の画像形状と比較、照合するこ
とにより、本発明に適応する画像構成と類似した偽造品
の真偽判別も可能となる。
部において400ppiの連続階調画像で画像入力を行
う。このときの解像度の隣接画素距離は64μmである
から、潜像を施した部分の二本線の画線(7)の各々の
画線幅は58μmで隣接画素距離よりも短く、潜像を施
さない部分の画線(8)の画線幅は116μmで隣接画
素距離よりも長い。これにより図4で示す入力画像
(9)は、分解能の影響によって前記潜像を施さない部
分の画線(8)に対応する画素群(10)と、前記潜像
を施した部分の二本線の画線(7)に対応する画素群
(11)に濃度差が生じ、画素群(10)は濃く、画素
群(11)は淡くなる。図5は図4の前記潜像を施さな
い部分の画線(8)に対応する画素群(10)の画像断
面(A)と、前記潜像を施した部分の二本線の画線
(7)に対応する画素群(11)の画像断面(B)の濃
度分布を示した図である。本例における入力画像(9)
の濃度レベルは、0〜255段階(0は高濃度で255
は低濃度である。)のうち、前記潜像を施した部分の二
本線の画線(7)に対応する画素群(11)の中央に位
置する画素の濃度レベルは210程度、前記潜像を施さ
ない部分の画線(8)に対応する画素群(10)の中央
に位置する画素の濃度レベルは190程度であった。よ
って、前記潜像を施した部分の二本線の画線(7)に対
応する画素群(11)を除去するため、2値化のしきい
値を200に設定することにより、200〜255の濃
度レベルの範囲に存在する、前記潜像を施した部分の二
本線の画線(7)に対応する画素群(11)、及び前記
潜像を施さない部分の画線(8)に対応する画素群(1
0)の、一部低濃度画素が全て255となり最低濃度と
なる。この入力画像(9)をしきい値200で2値化す
ると、図6のように、前記潜像を施した部分の二本線の
画線(7)に対応する画線群(11)、及び前記潜像を
施さない部分の画線(8)に対応する画素群(10)
の、一部低濃度画素が除去され、前記潜像を施さない部
分の画線(8)に対応する画素群(10)の高濃度画素
が除去されずに残存する。これにより、前記潜像を施さ
ない部分の画線(8)に対応した部分に2値画像(1
2)が得られる。従って、前記2値画像が残存したもの
を真正とし、残存しないものを偽造と判定する。更に、
潜像を施さない部分に残存する2値画像形状は、図6の
模式図に示したような形状が真正なものであるから、あ
らかじめ前記した真正な2値画像形状を、図1の真偽判
定部の真正画像ファイルに保存しておき、画像処理部か
ら送られてくる被検査体の画像形状と比較、照合するこ
とにより、本発明に適応する画像構成と類似した偽造品
の真偽判別も可能となる。
【0024】また、本発明は、銀行、入国管理審査等の
窓口業務においては、検査担当者立会いによる目視の検
査も真偽判別における重要な要素であるため、印刷物の
読み取り検査を、潜像の顕像化を目視で確認することに
よって行うことも可能としているが、前記潜像を施さな
い部分の画線(8)に対応した部分に2値画像(12)
が得られ、真偽判別が可能となった段階で、前記印刷物
(4)の彩紋模様(5)を仮に可視化した場合は、図7
に示すように施した潜像が顕像化した状態となる。この
ような、本発明に用いる被検査体(印刷物)の画線の特
徴は、曲画線の集合模様を、潜像を施さない部分を一本
線、潜像を施した部分を二本線以上の画線で表現し、潜
像を施した部分の二本線以上の画線は、二本線以上の画
線の合計の画線幅が、潜像を施さない部分の一本線の画
線の画線幅と等しく、且つ、潜像を施さない部分の一本
線から分岐し、更に、前記潜像を施した部分の二本線以
上で一組となっている画線において、一組ごとの前記画
線同士が交差する部分で、両者一組ごとの前記画線同士
を、両者一組ごとの画線の画線間の内側の範囲内で削除
することにより、本発明の複写防止模様を全体で見た
際、前記模様中の曲画線に交差する部分が存在するよう
に見えても、実際には潜像を施した部分においては画線
同士の交差が存在していない。従って、交差した部分の
高濃度化並びに多画素化が防止されているので、2値化
したのち、図3の潜像を施した部分の二本線の画線
(7)が交差する部分(13)と対置する部分で除去で
きなかった残存画素群(13' )の数は、前記潜像を施
した部分の二本線以上で一組となっている画線におい
て、一組ごとの前記画線同士が交差する部分で、両者一
組ごとの前記画線同士を、両者一組ごとの画線の画線間
の内側の範囲内で削除しない印刷物を2値化し収縮す
る、先に発明し出願した複写防止模様の作成方法による
残像画素群の除去量に比べて顕著に少ないのが特徴であ
り、これにより更に視認性を高めることも可能である。
窓口業務においては、検査担当者立会いによる目視の検
査も真偽判別における重要な要素であるため、印刷物の
読み取り検査を、潜像の顕像化を目視で確認することに
よって行うことも可能としているが、前記潜像を施さな
い部分の画線(8)に対応した部分に2値画像(12)
が得られ、真偽判別が可能となった段階で、前記印刷物
(4)の彩紋模様(5)を仮に可視化した場合は、図7
に示すように施した潜像が顕像化した状態となる。この
ような、本発明に用いる被検査体(印刷物)の画線の特
徴は、曲画線の集合模様を、潜像を施さない部分を一本
線、潜像を施した部分を二本線以上の画線で表現し、潜
像を施した部分の二本線以上の画線は、二本線以上の画
線の合計の画線幅が、潜像を施さない部分の一本線の画
線の画線幅と等しく、且つ、潜像を施さない部分の一本
線から分岐し、更に、前記潜像を施した部分の二本線以
上で一組となっている画線において、一組ごとの前記画
線同士が交差する部分で、両者一組ごとの前記画線同士
を、両者一組ごとの画線の画線間の内側の範囲内で削除
することにより、本発明の複写防止模様を全体で見た
際、前記模様中の曲画線に交差する部分が存在するよう
に見えても、実際には潜像を施した部分においては画線
同士の交差が存在していない。従って、交差した部分の
高濃度化並びに多画素化が防止されているので、2値化
したのち、図3の潜像を施した部分の二本線の画線
(7)が交差する部分(13)と対置する部分で除去で
きなかった残存画素群(13' )の数は、前記潜像を施
した部分の二本線以上で一組となっている画線におい
て、一組ごとの前記画線同士が交差する部分で、両者一
組ごとの前記画線同士を、両者一組ごとの画線の画線間
の内側の範囲内で削除しない印刷物を2値化し収縮す
る、先に発明し出願した複写防止模様の作成方法による
残像画素群の除去量に比べて顕著に少ないのが特徴であ
り、これにより更に視認性を高めることも可能である。
【0025】そこで、視認性を有効に作用させるため
に、図1に示す画像処理部において、画像の膨張をおこ
ない、次に膨張したときと同じ量の収縮を行う。つま
り、図7の2値画像(12)及び残存画素群(13’)
に6画素膨張を行い、図8に示すような膨張画像を得
た。これにより、前記潜像を施さない部分の画線(8)
に対応した部分の2値画像(12)は画素が連結した2
値画像(14)となり、残存画素群(13’)は膨張画
素群(15)となった。更に、前記2値画像(14)及
びに膨張画素群(15)に6画素収縮を行う。これによ
って、図9のように膨張画素群(15)は元の大きさ、
即ち図8の残存画素群(13’)と同じ大きさの収縮画
素群(15’)に戻り、1つの連結成分となった2値画
像(14)は、連結成分の周囲の画素が収縮されるのみ
で、連結成分の顕像状態が変らぬまま収縮画像(16)
となる。これによって図3の印刷物(4)に施してあっ
た潜像が、図9のような収縮画像(16)即ち潜像が顕
像の2値画像となり、CRTモニターに出力することに
より、真偽判別を容易に行うことができる。更に、例え
ば偽造と判定した場合の確認用など、必要に応じて前記
顕像の2値画像をプリンターにより出力できるから、窓
口業務の検査担当者が容易に真偽判別することができ、
前述した機械による真偽判別と目視による真偽判別の二
重確認を可能にしている。
に、図1に示す画像処理部において、画像の膨張をおこ
ない、次に膨張したときと同じ量の収縮を行う。つま
り、図7の2値画像(12)及び残存画素群(13’)
に6画素膨張を行い、図8に示すような膨張画像を得
た。これにより、前記潜像を施さない部分の画線(8)
に対応した部分の2値画像(12)は画素が連結した2
値画像(14)となり、残存画素群(13’)は膨張画
素群(15)となった。更に、前記2値画像(14)及
びに膨張画素群(15)に6画素収縮を行う。これによ
って、図9のように膨張画素群(15)は元の大きさ、
即ち図8の残存画素群(13’)と同じ大きさの収縮画
素群(15’)に戻り、1つの連結成分となった2値画
像(14)は、連結成分の周囲の画素が収縮されるのみ
で、連結成分の顕像状態が変らぬまま収縮画像(16)
となる。これによって図3の印刷物(4)に施してあっ
た潜像が、図9のような収縮画像(16)即ち潜像が顕
像の2値画像となり、CRTモニターに出力することに
より、真偽判別を容易に行うことができる。更に、例え
ば偽造と判定した場合の確認用など、必要に応じて前記
顕像の2値画像をプリンターにより出力できるから、窓
口業務の検査担当者が容易に真偽判別することができ、
前述した機械による真偽判別と目視による真偽判別の二
重確認を可能にしている。
【0026】
【発明の効果】従来の印刷物の真偽判別において、大量
且つ高速処理できる機械読み取り検査方法としては、磁
性インキ、赤外線反射吸収インキ、蛍光インキ等の機能
性インキや、印刷媒体を形成する繊維、材質、薬品類等
による素材を検知するといった材料適性に依存したもの
であったが、本発明の印刷物の読み取り検査方法は、一
般的に用いられている印刷用インキに適用可能な印刷材
料に印刷された模様に対する光学読み取り方法であり、
銀行券、株券、債券等の有価証券、各種証明書及び重要
書類等の地紋、彩紋模様、レリーフ模様等の曲画線の集
合模様に、潜像が施されているのを識別できない特徴を
有効に活用し、複写機による偽造物作製の抑止効果だけ
でなく、容易に印刷物上の潜像を検知できる読み取り検
査方法及びその装置によって、印刷物の材料適性に依存
せず、且つ、一度に大量の真偽判別が可能となる。ま
た、印刷物中の潜像を顕像化した画像をCRTモニター
に出力することにより銀行、入国管理審査等の窓口業務
の検査担当者が容易に真偽判別でき、機械による真偽判
別と目視による真偽判別の二重確認を可能にしている。
更に、例えば偽造と判定した場合の確認用など、必要に
応じて前記顕像化した画像をプリンターにより出力でき
るから、より確実な真偽判別が可能であると共に、一般
的に低解像度と言われるシステムで対応できるので、安
価な読み取り検査装置が提供できる。
且つ高速処理できる機械読み取り検査方法としては、磁
性インキ、赤外線反射吸収インキ、蛍光インキ等の機能
性インキや、印刷媒体を形成する繊維、材質、薬品類等
による素材を検知するといった材料適性に依存したもの
であったが、本発明の印刷物の読み取り検査方法は、一
般的に用いられている印刷用インキに適用可能な印刷材
料に印刷された模様に対する光学読み取り方法であり、
銀行券、株券、債券等の有価証券、各種証明書及び重要
書類等の地紋、彩紋模様、レリーフ模様等の曲画線の集
合模様に、潜像が施されているのを識別できない特徴を
有効に活用し、複写機による偽造物作製の抑止効果だけ
でなく、容易に印刷物上の潜像を検知できる読み取り検
査方法及びその装置によって、印刷物の材料適性に依存
せず、且つ、一度に大量の真偽判別が可能となる。ま
た、印刷物中の潜像を顕像化した画像をCRTモニター
に出力することにより銀行、入国管理審査等の窓口業務
の検査担当者が容易に真偽判別でき、機械による真偽判
別と目視による真偽判別の二重確認を可能にしている。
更に、例えば偽造と判定した場合の確認用など、必要に
応じて前記顕像化した画像をプリンターにより出力でき
るから、より確実な真偽判別が可能であると共に、一般
的に低解像度と言われるシステムで対応できるので、安
価な読み取り検査装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の印刷物の読み取り検査装置のシステ
ムフローチャートを示す。
ムフローチャートを示す。
【図2】 従来の彩紋模様を有する印刷物及び前記模様
の拡大図を示す。
の拡大図を示す。
【図3】 本発明の複写防止彩紋模様を有する印刷物及
び前記模様の拡大図を示す。
び前記模様の拡大図を示す。
【図4】 印刷物の読み取り検査装置で入力した画像を
示した図。
示した図。
【図5】 潜像を施した部分と潜像を施さない部分の画
像断面を示した図。
像断面を示した図。
【図6】 画素が残存した状態の模式図を示す。
【図7】 残存画素群があるまま潜像が除去された2値
画像を示した図。
画像を示した図。
【図8】 残存画素群があるまま膨張処理した2値画像
を示した図。
を示した図。
【図9】 残存画素群があるまま膨張処理した2値画像
に収縮処理を行った図を示す。
に収縮処理を行った図を示す。
1 従来の彩紋模様を有する印刷物
2 従来の彩紋模様
3 従来の印刷物の彩紋模様の画線
4 潜像を施した彩紋模様の印刷物
5 潜像を施した彩紋模様
6 潜像を施した部分
7 潜像を施した部分の画線
8 潜像を施さない部分の画線
9 入力画像
10 潜像を施さない部分の画線に対応する画素群
11 潜像を施した部分の画線に対応する画素群
12 潜像を施さない部分の画線に対応する2値画像
13 潜像を施した画線が交差する部分
13’ 潜像を施した画線が交差する部分の残存画素群
14 潜像を施さない部分の画線に対応する2値画像
の画素の連結成分 15 膨張画素群 15’ 収縮画素群 16 収縮画像 A 潜像を施さない部分の画線に対応する画素群の画
像断面 B 潜像を施した部分の画線に対応する画素群の画像
断面
の画素の連結成分 15 膨張画素群 15’ 収縮画素群 16 収縮画像 A 潜像を施さない部分の画線に対応する画素群の画
像断面 B 潜像を施した部分の画線に対応する画素群の画像
断面
Claims (9)
- 【請求項1】 曲画線の集合模様を、潜像を施さない部
分を一本線、潜像を施した部分を二本線以上の画線で表
現し、潜像を施した部分の二本線以上の画線は、二本線
以上の画線の合計の画線幅が、潜像を施さない部分の一
本線の画線の画線幅と等しく、且つ、潜像を施さない部
分の一本線から分岐し、更に、前記潜像を施した部分の
二本線以上で一組となっている画線において、一組ごと
の前記画線同士が交差する部分で、両者一組ごとの前記
画線同士を、両者一組ごとの画線の画線間の内側の範囲
内で削除し、潜像を施さない部分と潜像を施した部分の
画線上の境界線が、曲画線の集合模様を構成する基本曲
線と潜像の輪郭線の交点で基本曲線に接する直線に対
し、略直角に交わる直線となる複写防止模様を有する印
刷物を対象として、前記複写防止模様を光学式画像入力
装置で画像として入力し、入力して得た画像信号を画像
処理によって、入力画像上の潜像を施した部分の画線が
対応する画像情報と、入力画像上の潜像を施さない部分
の画線に対応する画像情報に、2値化による除去を行
い、潜像を施した部分の画線に対応した画素群が殆ど除
去できた段階で、潜像を施さない部分の画線に対応した
部分に2値画像を残存させ、更に、前記2値画像及び残
存画素群に膨張を行い、前記潜像を施さない部分の画線
に対応した部分の2値画像の画素が連結成分となり、前
記潜像を施した部分の画線に対応した部分の残存画素群
が膨張画素群となり、前記連結成分及び膨張画素群に膨
張を行ったときと同じ量の収縮を行い、前記膨張画素群
は元の前記残存画素群と同じ大きさの収縮画素群に戻
り、1つの連結成分となった2値画像は、連結成分の周
囲の画素が収縮されるのみで、連結成分の顕像状態が変
らぬまま収縮画像となり、前記収縮画像の2値画像形状
の有無を確認することにより、真偽判別することを特徴
とする印刷物の読み取り検査方法。 - 【請求項2】 あらかじめ真偽判別部に記録しておい
た、潜像を施さない部分の画線に対応した位置に残存す
る真正の2値画像形状と、前記画素群の除去後の潜像を
施さない部分の画線に対応した位置に残存する2値画像
形状の適否を比較することにより、真偽判別することを
特徴とする特許請求の範囲第1項記載の印刷物の読み取
り検査方法。 - 【請求項3】 曲画線の集合模様を、潜像を施さない部
分を一本線、潜像を 施した部分を二本線以上の画線で表
現し、潜像を施した部分の二本線以上の画線は、二本線
以上の画線の合計の画線幅が、潜像を施さない部分の一
本線の画線の画線幅と等しく、且つ、潜像を施さない部
分の一本線から分岐し、更に、前記潜像を施した部分の
二本線以上で一組となっている画線において、一組ごと
の前記画線同士が交差する部分で、両者一組ごとの前記
画線同士を、両者一組ごとの画線の画線間の内側の範囲
内で削除し、潜像を施さない部分と潜像を施した部分の
画線上の境界線が、曲画線に集合模様を構成する基本曲
線と潜像の輪郭線の交点で基本曲線に接する直線に対
し、略直角に交わる直線となる複写防止模様を有する印
刷物を対象として、前記複写防止模様を画像化するため
に画像入力を行うための光学式画像入力部と、該光学式
画像入力部で入力して得た画像信号を2値化し、2値化
した画像を膨張、収縮することによって、入力画像上の
潜像を施した部分の画線に対応する画素群の除去を図る
画像処理部と、該画像処理部で得られた潜像を施さない
部分の画線に対応した位置に残存する2値画像形状を認
識、又は比較、照合することにより真偽を判別する真偽
判定部と、該真偽判定部で判定された結果を表示する表
示部よりなることを特徴とする印刷物の読み取り検査装
置。 - 【請求項4】 前記潜像を施した部分の二本線以上の画
線のうち、一本線の画線に対応する2値画像の画線幅方
向において、該画線幅が隣接画素距離未満であり、且
つ、潜像を施さない部分の画線に対応する2値画像の画
線幅方向において、該画線幅が隣接画素距離以上の画素
によって構成するように、前記光学式画像入力部の解像
度を設定したことを特徴とする特許請求の範囲第3項記
載の印刷物の読み取り検査装置。 - 【請求項5】 前記残存する2値画像形状をCRTモニ
ター上に顕像化することにより真偽判別することを特徴
とする特許請求の範囲第1項又は第2項記載の印刷物の
読み取り検査方法。 - 【請求項6】 前記残存する2値画像形状をCRTモニ
ターに出力を可能とすることを特徴とする特許請求の範
囲第1項、第2項又は第5項記載の印刷物の読み取り検
査方法。 - 【請求項7】 前記残存する2値画像形状を可視像とし
て出力するために、表示部にCRTモニターを設けたこ
とを特徴とする特許請求の範囲第3項又は第4項記載の
印刷物の読み取り検査装置。 - 【請求項8】 前記可視像をプリンターにより出力する
ことにより真偽判別することを特徴とする特許請求の範
囲第1項、第2項、第5項又は第6項記載の印刷物の読
み取り検査方法。 - 【請求項9】 前記可視像を出力し、真偽判別するため
に表示部にプリンターを設けたことを特徴とする特許請
求の範囲第3項、第4項又は第7項記載の印刷物の読み
取り検査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32129795A JP3362176B2 (ja) | 1995-11-16 | 1995-11-16 | 印刷物の読み取り検査方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32129795A JP3362176B2 (ja) | 1995-11-16 | 1995-11-16 | 印刷物の読み取り検査方法及びその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09147178A JPH09147178A (ja) | 1997-06-06 |
JP3362176B2 true JP3362176B2 (ja) | 2003-01-07 |
Family
ID=18131009
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32129795A Expired - Fee Related JP3362176B2 (ja) | 1995-11-16 | 1995-11-16 | 印刷物の読み取り検査方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3362176B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5747753B2 (ja) * | 2011-09-08 | 2015-07-15 | 大日本印刷株式会社 | 個体識別システム、個体識別方法、及びプログラム |
-
1995
- 1995-11-16 JP JP32129795A patent/JP3362176B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09147178A (ja) | 1997-06-06 |
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