JP2003200181A - 汚水の浄化方法、およびそれに使用する汚水浄化装置、ならびに浄化槽用混入異物分離機 - Google Patents

汚水の浄化方法、およびそれに使用する汚水浄化装置、ならびに浄化槽用混入異物分離機

Info

Publication number
JP2003200181A
JP2003200181A JP2001401208A JP2001401208A JP2003200181A JP 2003200181 A JP2003200181 A JP 2003200181A JP 2001401208 A JP2001401208 A JP 2001401208A JP 2001401208 A JP2001401208 A JP 2001401208A JP 2003200181 A JP2003200181 A JP 2003200181A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sewage
treatment tank
wastewater
tank
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001401208A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4117342B2 (ja
Inventor
Keisuke Komatsu
啓祐 小松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiden Co Inc
Daiden KK
Original Assignee
Daiden Co Inc
Daiden KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiden Co Inc, Daiden KK filed Critical Daiden Co Inc
Priority to JP2001401208A priority Critical patent/JP4117342B2/ja
Publication of JP2003200181A publication Critical patent/JP2003200181A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4117342B2 publication Critical patent/JP4117342B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Filtration Of Liquid (AREA)
  • Treatment Of Biological Wastes In General (AREA)
  • Physical Water Treatments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 保守管理や清掃作業を合理化することのでき
る新規な汚水の浄化方法、およびそれに使用する新規な
構造の汚水浄化装置、ならびに新規な構造の浄化槽用混
入異物分離機を提供する。 【解決手段】 流入口21直下に配されたフィルター籠
3によって固形状物を粗濾過して一般ゴミとして廃棄処
理可能に蓄積する一方、通過した汚水を貯溜して次第に
浄化処理すると共に、汚水浄化槽1中の汚水を定時的に
汲み上げ、遠心分離および油水分離を施した後の処理水
だけを当該汚水浄化槽1内に復帰するようにして極力固
形状物や沈殿物を除去して貯溜、浄化処理した上、その
上澄み水から徐々に排水するようにした汚水の浄化方法
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】この発明は、各種施設から排出される汚
水を自然環境に放流可能な状態まで浄化処理する汚染水
の浄化処理技術に関するものであって、特に、大量の固
形状物が混在する排水を効率的に浄化処理することによ
り、保守管理や清掃作業を合理化することのできる新規
な汚水の浄化方法、およびそれに使用する新規な構造の
汚水浄化装置、ならびに新規な構造の浄化槽用混入異物
分離機を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】我が国では、公共下水道の敷設政策を推
進する傍ら、未だ公共下水道が完備されない地域におけ
る各種施設や一般家庭に対し、暫くの間は、垂れ流しの
下水処理から単独処理浄化槽や合併処理浄化槽等の設置
処理への転換を盛んに推奨しており、こうした独立した
浄化槽設備は、その管理者(設置者)に常日頃からの保
守点検や清掃の責任が課せられ、定期的な法定検査が義
務付けられる等、保健所やその関連機関によって自然環
境に放出される排水の水質が適正に管理されるよう指導
が行われている。
【0003】特に、最近は都市間を結ぶ交通網の発展に
伴い、都心部の商店街に較べ、広い売場面積と駐車場と
を比較的容易に確保できる郊外型の大型ショッピングセ
ンターが、次々に出店して新たな市場の開拓が進められ
ており、こうした大型商業施設には、多種多様な商店が
軒を連ね、これらの店舗から発生する排水は、スーパー
マーケットの調理室から排出される大量の厨芥が混じっ
たものであったり、併設された理髪店の毛髪やコインラ
ンドリーの洗濯屑等が混入したものであったりと、一般
的な生活排水に比較して異物の混入量が格段に多く、一
般的な保守点検、清掃では対応しきれず、浄化槽内の排
水や汚泥の全量を回収して清掃した後であっても、比較
的早期の中に浄化槽内にスカムや汚泥が大量に蓄積され
てしまい、同様の大掛かりな清掃を頻繁に行わなければ
ならず、管理責任者にとって大きな経済的負担を強いら
れるものとなっていた。
【0004】そのため、浄化槽内に流入する排水中の固
形状物を含む汚物を、浄化槽内において効率的に除去し
てしまうようにする必要から、例えば、特開平8−10
792号公報発明として開示された厨芥含有汚水処理装
置や、特開平2−268805号公報発明の汚水等の濾
過装置及び汚泥等の脱水濾過装置、あるいは実公平2−
36640号公報考案に提案されている含水固形物の乾
燥装置等が相次いで開発されているが、こうした従前ま
でに開発が進められてきた汚水処理装置は、いずれも比
較的複雑な構造であり、従来型の浄化槽施設を基本設計
から見直して設置せざるを得ない構造であったといわざ
るを得ず、実施に当たっては比較的高額の投資が避けら
れないものとなっていて、未だ未だ普及を見るまでには
至っていないのが実情である。
【0005】この発明は、従前までの汚水浄化処理装置
の以上のような状況に鑑み、充分な浄化処理能力を確保
した上で、経済性に秀れた効率的な汚水浄化処理技術を
実現することはできないものかとの判断から、逸速くそ
の開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試
作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な汚
水の浄化方法、およびそれに使用する新規な構造の汚水
浄化装置、ならびに新規な構造の浄化槽用混入異物分離
機を実現化することに成功したものであり、以下では、
図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成
を詳述することとする。
【0006】
【発明の構成】図面に示すこの発明を代表する実施例か
らも明確に理解されるように、この発明に包含される汚
水の浄化方法は、基本的に次のような構成から成り立っ
ている。即ち、汚水浄化槽への汚水流入経路における流
入口直下に、脱着自在としたフィルター籠を配し、汚水
浄化槽へ流入直後の汚水中から、その中に混在する所定
サイズ以上の固形状物を粗濾過して蓄積し続け、適宜段
階に当該フィルター籠を取り外してその中の固形状物を
回収し、生ゴミとして廃棄処理する一方、該フィルター
籠を通過した小固形状物および汚水を汚水浄化槽内に貯
溜し、その過程でそれら汚水中の汚染物質を次第に浄化
処理すると共に、汚水浄化槽底部およびその近傍に滞留
する沈殿物を含む汚水を、吸上げ管路を通じて定時的に
汲み上げ、遠心分離を施して沈殿物を分離、回収し、さ
らに油水分離を施して油性分を除去した後の処理水だけ
を当該汚水浄化槽内に復帰するようにし、極力固形状物
や沈殿物を除去した汚水として貯溜、浄化処理するよう
にした上、その上澄み水から徐々に自然排水するように
してなる如くした構成を要旨とする汚水の浄化方法であ
る。
【0007】この基本的な構成からなる浄化方法を、表
現を変えて示すならば、汚水浄化槽に流入直後の汚水中
から、その中に混在する所定サイズ以上の固形状物を、
脱着自在に配してあるフィルター籠によって粗濾過して
蓄積し、適宜段階に当該フィルター籠を取り外してその
中の固形状物を回収し、生ゴミとして廃棄処理する一
方、該フィルター籠を通過した小固形状物および汚水を
汚水浄化槽内に貯溜し、その過程でそれら汚水中の汚染
物質を汚水浄化槽内に順次充溢、移動させながら、汚水
中に含まれる汚染物質を好気性または嫌気性微生物の作
用によって次第に浄化処理すると共に、汚水浄化槽底部
およびその近傍に滞留する沈殿物を含む汚水を、吸上げ
管路を通じて定時的に汲み上げ、遠心分離を施して沈殿
物を分離、回収し、さらに油水分離を施して油性分を除
去した後の処理水だけを当該汚水浄化槽内に復帰するよ
うにし、極力固形状物や沈殿物を除去した汚水として貯
溜、浄化処理するようにした上、その上澄み水から徐々
に自然排水するようにすることにより、汚水処理業者の
汲み取り回収による汚水浄化槽内固形状物や沈殿物の公
共処理施設への持ち込みを減少させるようにした汚水の
浄化方法であるということができる。
【0008】また、この基本的な構成は、より具体的に
は、汚水浄化槽に流入直後の厨房汚水中から、その中に
混在する所定サイズ以上の厨芥を、脱着自在に配してあ
るフィルター籠によって粗濾過して蓄積し、適宜段階に
当該フィルター籠を取り外してその中の比較的大型の厨
芥を回収し、生ゴミとして廃棄処理する一方、該フィル
ター籠を通過した小厨芥および汚水を汚水浄化槽内に貯
溜し、その過程でそれら汚水中の汚染物質を汚水浄化槽
内に順次充溢、移動させながら、汚水中に含まれる汚染
物質を好気性または嫌気性微生物の作用によって次第に
浄化処理すると共に、汚水浄化槽底部およびその近傍に
滞留する沈殿物を含む汚水を、吸上げ管路を通じて定時
的に汲み上げ、遠心分離を施して沈殿物を分離、回収
し、さらに油水分離を施して油性分を除去した後の処理
水だけを当該汚水浄化槽内に復帰するようにし、極力固
形状厨芥や沈殿物を除去した汚水として貯溜、浄化処理
するようにした上、その上澄み水から徐々に自然排水す
るようにした汚水の浄化方法となる。
【0009】フィルター籠による厨芥等の粗濾過には、
厨房からの汚水流入経路における流入口直下に厨芥専用
のフィルター籠を設置し、該フィルター籠内には、厨房
からの排水のみが流入するようにして厨芥のみを粗濾過
し、フィルター籠毎、取り出し、集積された厨芥を生ゴ
ミとして廃棄処理するものとすべきであり、例えば合併
処理浄化槽における洗濯排水や浴室排水あるいは屎尿排
水等の流入口を、厨房からの排水とは別の位置もしくは
別の処理槽に配置し、フィルター籠には厨房汚水だけが
流入するものとするのが望ましく、厨芥用の該フィルタ
ー籠の外にも排水の種類に応じて洗濯屑専用のフィルタ
ー籠や、毛髪専用のフィルター籠等を夫々設置すること
が可能である外、毛髪阻集器や砂阻集器、オイル阻集器
等を対応する排水流入口に適宜設置し、流入排水の種類
に応じて適宜浄化処理を行うものとすることが可能であ
る。
【0010】
【関連する発明1】上記した汚水の浄化方法に関連し
て、この発明には汚水の浄化方法に使用する汚水浄化装
置も包含しており、その構成は基本的に次のとおりのも
のである。即ち、汚水流入経路における流入口直下とな
る一次処理槽内上部に、流入する汚水を粗濾過可能なフ
ィルター籠を脱着自在に収容する一方、該一次処理槽内
底部付近に下端を没した汲上げ管路の上端と、同一次処
理槽、同一次処理槽の次の二次処理槽、または、該二次
処理槽以下の処理槽に下端部を配した放出管路の上端と
の間の適所に、沈殿物を含む汚水を汲み上げ可能なポン
プ、および汚水処理槽内底部付近から吸い上げた汚水の
沈殿物を遠心分離可能な遠心分離機構部、ならびに汚水
中の油性分を分離可能な油水分離機構部を介在、設置し
てなる構成とした、前記何れか記載の汚水の浄化方法に
使用する汚水浄化装置である。
【0011】また、この基本的な構成を、表現を変えて
示せば、汚水流入経路における流入口直下となる一次処
理槽内上部に、流入する汚水を粗濾過可能なフィルター
籠を脱着自在に収容する一方、該一次処理槽の次の二次
処理槽内底部付近、または該二次処理槽以下の処理槽内
底部付近に下端を没した吸上げ管路の上端と、同一次処
理槽、あるいは同二次処理槽以下の処理槽に下端部を配
した放出管路の上端との間の適所に、沈殿物を含む汚水
を汲み上げ可能なポンプ、および汚水処理槽内底部付近
から吸い上げた汚水の沈殿物を遠心分離可能な遠心分離
機構部、ならびに汚水中の油性分を分離可能な油水分離
機構部を介在、設置してなる構成とした、前記何れか記
載の汚水の浄化方法に使用する汚水浄化装置であるとい
うことができる。
【0012】汚水浄化槽は、汚染された排水を一時的に
貯水し、適宜浄化処理を施すことによって自然環境に影
響のない水準まで浄化した後に放流する機能を果たすも
のであって、屎尿汚水のみの単独処理浄化槽、屎尿汚水
の他に厨房排水、洗濯排水、浴室排水等の一般的な生活
排水を含む合併処理浄化槽、または、病院や実験室、研
究棟等から排出される放射性同位元素を含む排水、酸、
アルカリ排水等を減衰法、希釈法、濃縮法(凝集沈殿、
蒸発、イオン交換)等によって浄化処理する特殊排水処
理槽等を含み、汚水処理の実用に耐える機能を備えた処
理槽であれば足りるものであり、例えば、分離接触曝気
方式、分離曝気方式、散水ろ床方式等のものを例示する
ことができる。
【0013】一次処理槽は、汚水流入経路を通じて汚水
浄化槽に流入してくる汚染排水を最初に収容して一時的
に貯溜する機能を果たすものであり、主に激しい流動を
避けて汚染排水の沈殿分離を促し、処理槽内底部付近に
汚水中に含まれる混入固形物やその他の汚染物質等を蓄
積し、所定期間毎の清掃時に回収処理可能とするもので
あって、流入する汚染排水量に応じ、所定時間に渡って
一時的に貯溜することにより、充分な沈殿、分離を可能
とする容量を確保したものとしなければならず、混入異
物が分離されて上澄みとなった汚水を、二次処理槽に充
溢、移動させるよう形成するのが望ましいが、適宜ポン
プを設置して一定量に達した汚水を強制的に二次処理槽
に供給するように構成することも可能である。
【0014】二次処理槽は、一次処理槽に一時的に貯溜
されて混入異物を沈殿、分離させた汚水を収容し、さら
に好気性または嫌気性の微生物を用いた浄化や、中和、
凝集、沈殿等による浄化を施す機能を果たすものであ
り、例えば接触材と散気装置とを用いた分離接触曝気方
式、あるいはエアレータ等による分離曝気方式による好
気性の微生物を用いた浄化処理を行うものとすることが
可能であり、浄化処理によって発生した汚染物質を処理
槽内底部付近に蓄積して所定期間毎の清掃の際に回収処
理可能とし、一次処理槽から流入する汚染排水量に応じ
て充分な容量を確保したものとしなければならず、混入
異物が分離されて上澄みとなった汚水を、次の処理槽に
充溢、移動させるよう形成することができる。
【0015】二次処理槽以下の処理槽は、二次処理槽か
ら供給される汚水を一次的に貯溜し、さらに浄化処理を
促進させることにより、最終的に自然環境中に放出可能
な水準まで浄化する機能を果たすものであり、二次処理
槽から供給される汚水を一次的に貯溜し、二次処理槽と
略同様の沈殿、分離あるいは中和、凝集等の浄化を施す
ものとするか、あるいは最終的な消毒処理を施す処理槽
とすることが可能であり、一次処理槽および二次処理槽
と同様に、流入する汚水量に応じて充分な容量を確保し
たものとしなければならない。
【0016】フィルター籠は、汚水流入経路から汚水浄
化槽に流入してくる汚染水を、粗濾過して所定サイズ以
上の固形状物を漉し取り、蓄積し続け、浄化槽に流入す
る汚水を前処理することにより、設置の対象となる処理
槽内に沈殿する異物の量を減少させると共に、蓄積され
た固形状物を適宜回収して生ゴミとして廃棄処理できる
ものとする機能を果たすものであり、汚水流入経路にお
ける流入口直下に脱着自在に配したものとすべきであ
り、所定サイズ以上の固形状物を濾過可能な、ステンレ
スあるいは真鍮等の比較的耐食性に秀れた金属からなる
金網、スクリーン、パンチングメタル、あるいは合成樹
成型品からなる網籠等とすることが可能であり、目詰ま
りによる堰止めを防止するために、籠上側部を処理槽内
の汚水面よりも上側に浮上させると共に、下側部を同処
理槽内の汚水中に没した状態に設置し、回収した固形状
物を水中に没した状態に保持して腐敗臭等の発生を防止
できるものとすることができる外、当該フィルター籠全
体を水面上に浮上させた状態に設置して脱水、乾燥を促
す構造としたり、あるいは、排水の流入口が接続される
部分のみを開口し、その外の壁面を閉鎖状とした上、回
収した固形状物を取り出すための排出口を開閉可能に設
けたものとし、回収した固形状物の処理槽内への漏出を
確実に防止できる構造とすることもできる。
【0017】吸上げ管路は、フィルター籠を通過させる
ことによって濾過しきれなかった所定サイズ未満の小固
形状物および汚水を汚水浄化槽から強制的に汲み上げ、
浄化槽用混入異物分離機に供給可能とする機能を果たす
ものであり、その下端部が吸い上げの対象となる浄化槽
内の底部付近に開口され、沈殿分離されて密度が高まっ
ている汚水を不要に攪拌させてしまうことなく、優先的
に汲み上げ可能とする構造とすべきであり、管体を吸い
上げ対象の浄化槽上方から底部付近まで延伸させたもの
とすることが可能である外、管体を吸い上げ対象の浄化
槽外側上方から同浄化槽の外側を通って底部付近に接続
して、浄化槽内底部に開口させたものとすることが可能
である。
【0018】
【関連する発明2】更に、この発明の骨幹を成す汚水の
浄化方法と、上記した汚水浄化装置とに関連し、この発
明には、それら浄化方法および汚水浄化装置において必
要となる、以下のような構成からなる浄化槽用混入異物
分離機も、関連する発明として含まれている。即ち、一
次処理槽内底部付近に下端を没した汲上げ管路の上端
と、該一次処理槽、同一次処理槽の次の二次処理槽、ま
たは該二次処理槽以下の処理槽に下端部を配した放出管
路の上端との間の上流側に、当該一次処理槽内底部付近
から吸い上げた汚水中の混入沈殿物を遠心分離可能な遠
心分離機構部を、下流側に汚水中の油性分を分離可能な
油水分離機構部を順次介在、設置し、何れか適所に沈殿
物を含む汚水を汲み上げ可能とするポンプを配してなる
構成とした、前記何れか記載の汚水の浄化方法に使用す
る浄化槽用混入異物分離機である。
【0019】また、この発明に包含される浄化槽用混入
異物分離機を、表現を変えて示すならば、一次処理槽の
次の二次処理槽内底部付近、または該二次処理槽以下の
処理槽内底部付近に下端を没した汲上げ管路の上端と、
同二次処理槽または二次処理槽以下の処理槽に下端部を
配した放出管路の上端との間の上流側に、当該二次処理
槽内底部付近または二次処理槽以下の当該処理槽内底部
付近から吸い上げた汚水中の混入沈殿物を遠心分離可能
な遠心分離機構部を、下流側に汚水中の油性分を分離可
能な油水分離機構部を順次介在、設置し、何れか適所に
沈殿物を含む汚水を汲み上げ可能とするポンプを配して
なる構成とした、前記何れか記載の汚水の浄化方法に使
用する浄化槽用混入異物分離機ということができる。
【0020】ポンプは、フィルター籠を通過させること
によって濾過しきれなかった所定サイズ未満の小固形状
物および汚水を汚水浄化槽から強制的に汲み上げ、遠心
分離機構部および油水分離機構部に向けて圧送する機能
を果たすものであり、多少の固形状異物が混入している
汚水であっても支障なく汲み上げて圧送することのでき
る能力を有するものとしなければならず、具体的には、
プランジャポンプ、ピストンポンプ等の往復ポンプ、ベ
ーンポンプ、三葉ポンプ等の回転ポンプ、ボリュートポ
ンプ、タービンポンプ等の渦巻ポンプ、プロペラ形の羽
根車を有する軸流ポンプ、ウエスコポンプ、ジェットポ
ンプ等の特殊ポンプ等、適宜自由に選択したものを使用
することが可能である。
【0021】遠心分離機構部は、吸い上げ対象の汚水浄
化槽から汲み上げられた汚水に遠心力を加えることによ
って混在状となっている固形状物や沈殿物等を分離し、
汚水を浄化する機能を果たすものであり、汚水を収容し
て比較的高速で回転する網籠によって遠心力を加えて脱
水する構造とすることができる外、汲み上げた汚水の水
流に遠心力を加えて、水よりも比重の軽い異物を中心に
集合させて回収し、遠心側を流れる水のみを放出するよ
う構成したものとすることも可能である。
【0022】油水分離機構部は、汚水中に含まれている
油脂成分を、分離して汚水を浄化させる機能を果たすも
のであり、油脂分を吸着する各種フィルターや濾過器、
あるいは汚水が緩速で流通する間に冷却凝固し、水面上
に浮上した油脂固形物を分離、回収する阻集器等を用い
ることが可能であり、グリース阻集器やオイル阻集器を
使用することも可能である。
【0023】放出管路は、遠心分離機構部および油水分
離機構部を順次通過することによって浄化された排水
を、浄化槽内に供給して復帰させる機能を果たすもので
あり、下流端開口部を浄化処理槽の何れか適所に配し、
ポンプの圧送力あるいは排水の自重によって流下するよ
う形成されたものとし、吸上げ管路と略同等の管路口径
に形成したものとすべきであって、供給先となる処理槽
に貯溜されている水が逆流することのないよう、供給先
処理槽の水面よりも上側に開口された管路構造とするの
が望ましい。以下では、図面に示すこの発明を代表する
実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【0024】
【実施例1】図1の汚水浄化装置の断面図に示される事
例は、汚水流入経路における流入口21直下となる一次
処理槽2内の上部に、流入する汚水を粗濾過可能なフィ
ルター籠3を脱着自在に収容し、該一次処理槽2以降の
適所に、遠心分離機構部63および油水分離機構部64
を有する浄化槽用混入異物分離機6を配してなる基本的
構成からなるこの発明に包含される汚水浄化装置1にお
ける代表的な一実施例を示すものである。
【0025】当該汚水浄化装置1は、その基本的な構造
が、厨房から排出される汚水流入経路の流入口21が上
部に接続され、収容された汚水を一時的に貯溜して排水
内に含まれる汚染物質や混入異物等を沈殿分離可能な一
次処理槽2と、この一次処理槽2の上澄み水が充溢、移
動されると共に、収容された排水を好気性の微生物の働
きによって浄化処理を促進させる二次処理槽4、さら
に、該二次処理槽4から充溢、移動された上澄み水を収
容して塩素剤等に接触させることにより、自然環境中に
放流可能とするよう消毒処理を施して上澄み分から順
次、充溢するよう自然排水するか、あるいは所定量に達
したときにポンプによる強制的な汲み上げによって排水
するよう形成した三次処理槽5を有するものとなってい
る。
【0026】前記一次処理槽2内上部の流入口21付近
には、上部に開口を有する有底筒状であって、その周壁
面の略全面には数mm〜1cm程度の貫通孔が多数穿孔
されたステンレス製の網またはスクリーンからなるフィ
ルター籠3を、引き上げて一次処理槽2の外部に取り出
すことができる状態であり、下部を水中に没して上部を
水面上に浮上させた状態に仮固定し、該流入口21から
流入してくる厨房排水がフィルター籠3を通過するよう
に設置したものとし、適所に図示しない引き上げ用の金
具繋着部または把手等を設けたものとしている。
【0027】また、下端を一次処理槽2の内側底部付近
に没して、該一次処理槽2上側まで延伸された吸上げ管
路61の上端と、下端を三次処理槽5上に開放し、上方
に延伸された放出管路66との間には、一次処理槽2に
近い上流側から、遠心分離機構部63、ポンプ62およ
び油水分離機構部65が順次、接続されて浄化処理用混
入異物分離機6を形成している。
【0028】遠心分離機構部63は、天面の中央に吸上
げ管路61の上端が接続され、下部にポンプ62に通じ
る排水管路を接続してなる密閉状の容器内に、外部駆動
モータ64によって垂直軸心回りに回転駆動されるバス
ケットを収容したものであり、フィルター籠3に蓄積さ
れる異物よりも小さな固形状物をバスケット内に留め
て、水分のみをポンプ62側へ移動可能とするよう形成
されており、遠心力によって汚水中から分離、回収され
て蓄積された固形状物は、ある程度の量に達したとき
に、バスケットから取り出して、廃棄処理可能な構造と
なっている。
【0029】ポンプ62は、遠心分離機構部63および
油水分離機構部65の能力に応じた充分な吐出量を確保
できる回転ポンプであり、油水分離機構部65で発生す
る抵抗に抗して、吸上げ管路61および遠心分離機構部
63を通じて充分な吸引力を発揮し、一定の時間毎に自
動的に起動した上、一次処理槽2底部付近の沈殿物を含
む汚水を強制的に吸い上げるよう組み合わせられたもの
としている。
【0030】油水分離機構部65は、遠心分離機構部6
3によって殆どの固形状物を除去された汚水を通過させ
ることによって水中に溶け込み、あるいは浮遊する油脂
成分を吸着するフィルターを内蔵しており、油脂成分を
吸着する能力が低下したときには、内蔵されたフィルタ
ーを交換して、初期性能を回復させることができる構造
となっている。
【0031】
【実施例2】図2の汚水浄化装置1の断面図に示した事
例は、汚水流入経路における流入口21直下となる一次
処理槽2内上部に、フィルター籠3を脱着自在に収容
し、該一次処理槽2以降の適所に、遠心分離機構部63
および油水分離機構部64を有する浄化槽用混入異物分
離機6を配してなる基本的構成からなるこの発明に包含
される汚水浄化装置1における他の実施例を示すもので
ある。
【0032】当該汚水浄化装置1は、その一次処理槽
2、二次処理槽4、三次処理槽5およびフィルター籠3
の設置構造が前述の実施例と略同じなので、これらの箇
所に関する説明を省略し、構造の異なる浄化処理用混入
異物分離機6についてのみ以下に開示することとする。
【0033】浄化処理用混入異物分離機6は、下端を三
次処理槽5の内側底部付近に没して同三次処理槽5上側
まで延伸させた吸上げ管路61の上端に、ポンプ62を
接続し、このポンプ62の下流側に遠心分離機構部63
および油水分離機構部65を順次接続し、さらに油水分
離機構部65の下流型に、下端が三次処理槽5上に開放
された放出管路66の上端を接続したものに形成されて
いる。
【0034】ポンプ64は、遠心分離機構部63および
油水分離機構部65の通水能力に応じた充分な吐出量を
確保できる回転ポンプであり、吸上げ管路61を通じて
三次処理槽5内の底部付近にある沈殿物を含む汚水を、
間欠的且つ強制的に汲み上げて、後続の遠心分離機構部
63や油水分離機構部65によって発生する抵抗に抗
し、汚水を放出するように組み合わせられ、一定の時間
毎に起動するよう自動的に制御されるものとなってい
る。
【0035】遠心分離機構部63は、天面の中央にポン
プ64からの送水管路が接続され、下部に油水分離機構
部65に通じる排水管路を接続してなる密閉状の容器内
に、外部駆動モータ64によって垂直軸心回りに回転駆
動されるバスケットを収容し、フィルター籠3に蓄積さ
れる異物よりも小さな固形状物をバスケット内に留め
て、水分のみをポンプ62側へ移動可能とするよう形成
されて、汚水中から分離、回収されて蓄積された固形状
物を、ポンプ64による送水が停止された時に遠心力に
よって脱水乾燥させ、ある程度の量に達したときに、バ
スケットから取り出し、生ゴミとして処理することが可
能な構造となっている。油水分離機構部65は、通過す
る汚水中に溶け込み、あるいは浮遊する油脂成分を吸着
するフィルターを交換可能に内蔵したものとなってい
る。
【0036】
【作用】以上のとおりの構成からなるこの発明に包含さ
れる汚水浄化装置1は、併設されたこの発明に包含され
る浄化槽用混入異物分離機6と共に、この発明の根幹を
なす汚水の浄化処理方法に用いることが可能であり、図
1に示したものは、厨房から排出される厨芥を含む汚水
が流入口21を通じて一次処理槽2内に設置されている
フィルター籠3に供給され、該フィルター籠3によって
数mm〜1cm程度以上の固形状物である比較的大きな
厨芥を濾過して回収し、フィルター籠3を通過した汚水
が一次処理槽2内に一時的に貯溜されることとなり、次
々に流れ込んでくる厨房排水によって蓄積された厨芥が
洗われると共に、圧縮されて集積状となり厨芥の量を減
量化してしまう。
【0037】次第に厨芥の蓄積量が増加して一次処理槽
2の水面よりも上側にまで達した場合であっても、水面
上に浮上するように設置されたフィルター籠3は充分に
濾過機能を発揮するものとなり、このようにしてフィル
ター籠3内に蓄積された厨芥は、フィルター籠3を一次
処理槽2内から引き上げて水切りを行った後に、生ゴミ
として廃棄処理してしまい、空になったフィルター籠3
は、適宜清掃して再度、汚水浄化装置1の所定箇所に設
置され、厨芥の回収に用いることが可能となる。
【0038】また、フィルター籠3に回収されずに落下
した比較的小さな厨芥やその他の異物類は、次第に一次
処理槽2の底部付近に沈殿、分離されて堆積するが、こ
うした堆積物を含んだ汚染物は、そのまま放置すると汚
泥化して、汚水浄化装置1の管理委託業者による定期的
な清掃の際に全て回収、処理しなければならないものと
なるが、浄化槽用混入異物分離機6のポンプ62が一定
時間毎に自動的に起動し、吸上げ管路61を通じて堆積
物を含む排水を強制的に吸引して、遠心分離機構部63
内に圧送、供給し、このように排水の供給を受けた遠心
分離機構部63は、ポンプ62の起動に連動して動作す
る駆動モータ64の駆動力によって内蔵されたバスケッ
トを垂直軸心回りに回転駆動させ、比較的小さな固形状
物をバスケット内に留めて水分のみを遠心分離すること
となる。
【0039】遠心分離機構部63から送出された排水
は、ポンプ62によって油水分離機構部65に強制的に
供給されて、水中に含まれる油脂成分を内蔵されたフィ
ルターに吸着されることにより、油水が分離され、浄化
された後に放出管路66を通じて三次処理槽5に放流さ
れることとなり、一次処理槽2から充溢、移動した上澄
み水が、二次処理槽4で好気性の微生物によって浄化処
理され、さらに三次処理槽5に充溢、移動されてきた排
水と合流される。
【0040】三次処理槽5で合流された排水は、図示し
ない塩素剤によって自然環境に影響のない程度に消毒が
施されて充分に浄化された上澄み水が自然に充溢し、汚
水浄化装置1の外に放流されることとなる。また、図2
の汚水浄化装置1は、厨房から排出された汚水が汚水流
入経路の流入口21を通じて、一次処理槽2内に設置さ
れているフィルター籠3に供給され、比較的大きな厨芥
が回収され、通過した汚水が一次処理槽2内に貯溜され
る。そして、フィルター籠3内に蓄積された厨芥は、フ
ィルター籠3を引き上げて回収し、生ゴミとして廃棄処
理することが可能である。
【0041】一次処理槽2内に貯溜された排水は、小さ
な固形状物が次第に沈殿、分離して底部付近に堆積する
こととなり、上澄み水が隣接する二次処理槽4に充溢、
移動され、同二次処理槽4に移動した汚水は、微生物の
作用によって浄化処理され、さらに上澄み水が隣接する
三次処理槽5に充溢、移動するものとなる。
【0042】該三次処理槽5に対して設置された浄化槽
用混入異物分離機6は、一定時間毎にポンプ62が作動
して三次処理槽5内底部付近の汚水を強制的に吸引し、
遠心分離機構部63内に圧送し、排水の供給を受けた遠
心分離機構部63は、ポンプ62に連動する駆動モータ
64の駆動力によって内蔵するバスケットを垂直軸心回
りに回転駆動し、小さな固形状物をバスケット内に回収
して水分のみを遠心分離して後続の油水分離機構部65
へ向けて送出するものとなり、ポンプ62の作動後もし
ばらく遠心分離機構部65を駆動するよう制御すれば、
分離した固形状物を脱水した上、廃棄処理しなければな
らないゴミの減量化を可能とし、油水分離機構部65
は、供給された排水中に含まれる油脂成分を、内蔵した
フィルターに吸着、除去することによって油水を分離
し、浄化された排水を放出管路66を通じて三次処理槽
5に放流することとなる。
【0043】このように、二次処理槽から充溢、移動し
てきた排水は、三次処理槽5に貯溜されると、一定の時
間毎に浄化槽用混入異物分離機6に汲み上げられ、水中
に含有する沈殿物や油脂成分を含む厨芥等が分離、除去
された後に放流されるという循環を繰り返して清浄化さ
れると共に、図示しない塩素剤によって自然環境に影響
を及ぼさない程度に消毒された後に、浄化された上澄み
水が自然に充溢して、汚水浄化装置1の外に放流される
こととなる。
【0044】
【効果】以上のとおり、この発明の汚水の浄化方法によ
れば、汚染水が汚水流入経路から汚水浄化槽へ流入する
最初の段階において、所定ザイズ以上の固形状物をフィ
ルター籠を用いて粗濾過し、比較的大きく微生物等によ
って浄化することが困難な固形状物の殆どを予め除去し
てしまうと共に、汚水浄化槽内に貯溜された小さな固形
状物を定時的に汲み上げて遠心分離ならびに油水分離を
施し、汚水中に含まれている小固形状物や油脂成分等を
分離、除去してしまった後に、汚水浄化槽内に復帰させ
ることにより、汚水浄化槽内への異物の進入を徹底的に
排除し、フィルター籠や遠心分離、油水分離等によって
回収された固形状物や油脂成分等は、夫々個別に取り出
して一般ゴミとして適宜廃棄処理することを可能とし、
汚水浄化槽内に沈殿、堆積する汚泥量を大幅に低減させ
て、従前までであれば、大量の固形状物を含む排水を浄
化処理する場合には、比較的早期の中に汚水浄化槽内に
大量の汚泥が沈殿、堆積してしまい、専門の管理委託業
者による大掛りな清掃作業を頻繁に行わなければならな
かったが、こうした清掃作業の頻度を格段に軽減するこ
とができるという秀れた効果を発揮できるものである。
【0045】また、この発明の汚水浄化装置によれば、
汚水流入経路の流入口が配された処理槽内の上部にフィ
ルター籠を脱着自在に収容すると共に、処理槽内の底部
付近に下端を没した汲上げ管路を通じて汲み上げた汚水
を、処理槽外に設置された遠心分離機構部、油水分離機
構部に順次供給し、浄化された排水を放出管路を通じて
再び処理槽内に復帰させるよう構成したことにより、従
前までの一般的な汚水浄化槽施設の根本的な構造を、そ
のままの形で利用できるものとしたので、新設の場合に
も従前までの施工技術をそのまま利用することができる
上、既に使用中の既存の浄化処理施設に対してフィルタ
ー籠、遠心分離機構部および油水分離機構部等を取り付
けることにより、比較的容易に完成させることが可能で
あり、しかも主要構成部分が浄化槽のマンホール付近や
外側に配置されているので点検、整備や清掃、および老
朽後の交換作業が容易で、維持管理費を軽減できるので
経済的に有利であるという秀れた特徴を有するものとす
ることができる。
【0046】さらに、この発明の浄化槽用混入異物分離
機によれば、処理槽内底部付近に下端を没した吸上げ管
路によって処理槽内で静かに分離、沈殿している固形状
物や汚泥等を攪拌して荒らしてしまうことなく、静かに
吸い上げることができるので、設置対象となる処理槽の
上澄み水を清浄に保ち、浄化能力を高く維持することが
可能であり、遠心分離機構部で小固形状物を分離、除去
した後に、油水分離機構部で油脂成分を分離、除去して
しまうので、従前までであれば処理槽内にそのまま蓄積
されてしまう汚染物質の大部分を汲み上げて取り出し、
一般ゴミとして排気処理できるものとすることができ、
浄化槽の全ての汚水および汚泥を汲み上げて行わなけれ
ばならない、管理委託業者による大掛りな清掃作業の頻
度を格段に減少させることができると共に、処理槽内に
蓄積される汚染物質量を常に減少させて、浄化槽の浄化
処理能力を格段に向上することができるという秀れた効
果を発揮できる。
【0047】特に、実施例に説明した汚水浄化装置1
は、上記した特徴に加え、フィルター籠3の上側部を一
次処理槽2内の汚水面よりも上側に浮上させ、下側部を
一次処理槽2内の汚水中に没した状態に、着脱自在に設
置したことにより、フィルター籠3内に回収、蓄積され
た固形状物が汚水面よりも上側まで堆積してしまった場
合であっても、フィルター籠3の上側部を通じて排水可
能として、目詰まりによる堰止めの発生を防止して排水
の流れを正常に保つことができるものとなる。
【0048】また、大量の厨芥が発生する調理室から排
出される厨房汚水の排水経路の流入口に厨芥専用のフィ
ルター籠3を設置すれば、浄化処理能力を著しく低下さ
せる大量の厨芥を汚水中から予め分離、除去してしまう
ことができる一方、浄化槽用混入異物分離機6によって
一次処理槽2(三次処理槽5)から汲み上げた汚水を、
遠心分離機構部63や油水分離機構部65に供給、通過
させることによって厨芥に多く含まれる小さな固形状物
や油脂成分をも分離、除去してしまうことができるの
で、従前までの浄化処理施設に比較して、高い浄化処理
性能を長く維持することができる上、取り出した厨芥は
他の汚染物質を含まないので、一般の生ゴミとして通常
に廃棄処理することができるという効果を発揮する。
【0049】叙述の如く、この発明の汚水の浄化方法、
およびそれに使用する汚水浄化装置、ならびに浄化槽用
混入異物分離機は、その新規な構成によって所期の目的
を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易
で、従前までの浄化槽施設に比較して、特に大量の固形
状物を含む汚水を発生する大規模な工場、研究所、実験
室、調理室等において管理委託業者による汚泥の回収、
清掃作業の頻度を格段に削減して、遥かに経済的なもの
とすることができる上、浄化処理能力自体も大幅に高め
ることができることから、費用の削減と排水の浄化水準
の向上とを確実に達成可能にするものであり、郊外型の
大型ショッピングセンターや各種工場等、大量に発生す
る汚水の浄化処理の保守、管理する責任を負う管理者
(設置者)ならびに、その管理の委託を受ける保守、点
検業者等の下水処理に関連する各業界において高く評価
され、広範に渡って利用、普及していくものになると予
想される。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明の汚水の浄化方法、およびそれに使用
する汚水浄化装置、ならびに浄化槽用混入異物分離機の
技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示す
ものである。
【図1】汚水浄化装置の構造を示す断面図である。
【図2】他の実施例における汚水浄化装置の構造を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 汚水浄化装置 2 一次処理槽 21 同 流入口 3 フィルター籠 4 二次処理槽 5 三次処理槽(二次処理槽以下の処理槽) 6 浄化槽用混入異物分離機 61 同 吸上げ管路 62 同 ポンプ 63 同 遠心分離機構部 64 同 駆動モータ 65 同 油水分離機構部 66 同 放出管路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚水浄化槽への汚水流入経路における流
    入口直下に、脱着自在としたフィルター籠を配し、汚水
    浄化槽へ流入直後の汚水中から、その中に混在する所定
    サイズ以上の固形状物を粗濾過して蓄積し続け、適宜段
    階に当該フィルター籠を取り外してその中の固形状物を
    回収し、生ゴミとして廃棄処理する一方、該フィルター
    籠を通過した小固形状物および汚水を汚水浄化槽内に貯
    溜し、その過程でそれら汚水中の汚染物質を次第に浄化
    処理すると共に、汚水浄化槽底部およびその近傍に滞留
    する沈殿物を含む汚水を、吸上げ管路を通じて定時的に
    汲み上げ、遠心分離を施して沈殿物を分離、回収し、さ
    らに油水分離を施して油性分を除去した後の処理水だけ
    を当該汚水浄化槽内に復帰するようにし、極力固形状物
    や沈殿物を除去した汚水として貯溜、浄化処理するよう
    にした上、その上澄み水から徐々に自然排水するように
    したことを特徴とする汚水の浄化方法。
  2. 【請求項2】 汚水浄化槽に流入直後の汚水中から、そ
    の中に混在する所定サイズ以上の固形状物を、脱着自在
    に配してあるフィルター籠によって粗濾過して蓄積し、
    適宜段階に当該フィルター籠を取り外してその中の固形
    状物を回収し、生ゴミとして廃棄処理する一方、該フィ
    ルター籠を通過した小固形状物および汚水を汚水浄化槽
    内に貯溜し、その過程でそれら汚水中の汚染物質を汚水
    浄化槽内に順次充溢、移動させながら、汚水中に含まれ
    る汚染物質を好気性または嫌気性微生物の作用によって
    次第に浄化処理すると共に、汚水浄化槽底部およびその
    近傍に滞留する沈殿物を含む汚水を、吸上げ管路を通じ
    て定時的に汲み上げ、遠心分離を施して沈殿物を分離、
    回収し、さらに油水分離を施して油性分を除去した後の
    処理水だけを当該汚水浄化槽内に復帰するようにし、極
    力固形状物や沈殿物を除去した汚水として貯溜、浄化処
    理するようにした上、その上澄み水から徐々に自然排水
    するようにすることにより、汚水処理業者の汲み取り回
    収による汚水浄化槽内固形状物や沈殿物の公共処理施設
    への持ち込みを減少させるようにしたことを特徴とする
    汚水の浄化方法。
  3. 【請求項3】 汚水浄化槽に流入直後の厨房汚水中か
    ら、その中に混在する所定サイズ以上の厨芥を、脱着自
    在に配してあるフィルター籠によって粗濾過して蓄積
    し、適宜段階に当該フィルター籠を取り外してその中の
    比較的大型の厨芥を回収し、生ゴミとして廃棄処理する
    一方、該フィルター籠を通過した小厨芥および汚水を汚
    水浄化槽内に貯溜し、その過程でそれら汚水中の汚染物
    質を汚水浄化槽内に順次充溢、移動させながら、汚水中
    に含まれる汚染物質を好気性または嫌気性微生物の作用
    によって次第に浄化処理すると共に、汚水浄化槽底部お
    よびその近傍に滞留する沈殿物を含む汚水を、吸上げ管
    路を通じて定時的に汲み上げ、遠心分離を施して沈殿物
    を分離、回収し、さらに油水分離を施して油性分を除去
    した後の処理水だけを当該汚水浄化槽内に復帰するよう
    にし、極力固形状厨芥や沈殿物を除去した汚水として貯
    溜、浄化処理するようにした上、その上澄み水から徐々
    に自然排水するようにしたことを特徴とする汚水の浄化
    方法。
  4. 【請求項4】 汚水流入経路における流入口直下となる
    一次処理槽内上部に、流入する汚水を粗濾過可能なフィ
    ルター籠を脱着自在に収容する一方、該一次処理槽内底
    部付近に下端を没した汲上げ管路の上端と、同一次処理
    槽、同一次処理槽の次の二次処理槽、または、該二次処
    理槽以下の処理槽に下端部を配した放出管路の上端との
    間の適所に、沈殿物を含む汚水を汲み上げ可能なポン
    プ、および汚水処理槽内底部付近から吸い上げた汚水の
    沈殿物を遠心分離可能な遠心分離機構部、ならびに汚水
    中の油性分を分離可能な油水分離機構部を介在、設置し
    たことを特徴とする、請求項1ないし3何れか記載の汚
    水の浄化方法に使用する汚水浄化装置。
  5. 【請求項5】 汚水流入経路における流入口直下となる
    一次処理槽内上部に、流入する汚水を粗濾過可能なフィ
    ルター籠を脱着自在に収容する一方、該一次処理槽の次
    の二次処理槽内底部付近、または該二次処理槽以下の処
    理槽内底部付近に下端を没した吸上げ管路の上端と、同
    一次処理槽、あるいは同二次処理槽以下の処理槽に下端
    部を配した放出管路の上端との間の適所に、沈殿物を含
    む汚水を汲み上げ可能なポンプ、および汚水処理槽内底
    部付近から吸い上げた汚水の沈殿物を遠心分離可能な遠
    心分離機構部、ならびに汚水中の油性分を分離可能な油
    水分離機構部を介在、設置したことを特徴とする、請求
    項1ないし3何れか記載の汚水の浄化方法に使用する汚
    水浄化装置。
  6. 【請求項6】 フィルター籠が、その上側部を一次処理
    槽内の汚水面よりも上側に浮上されたものとし、下側部
    を該一次処理槽内の汚水中に没した状態に設置されてな
    るものとした、請求項4または5何れか記載の汚水浄化
    装置。
  7. 【請求項7】 一次処理槽内底部付近に下端を没した汲
    上げ管路の上端と、該一次処理槽、同一次処理槽の次の
    二次処理槽、または該二次処理槽以下の処理槽に下端部
    を配した放出管路の上端との間の上流側に、当該一次処
    理槽内底部付近から吸い上げた汚水中の混入沈殿物を遠
    心分離可能な遠心分離機構部を、下流側に汚水中の油性
    分を分離可能な油水分離機構部を順次介在、設置し、何
    れか適所に沈殿物を含む汚水を汲み上げ可能とするポン
    プを配してなるものとした、請求項1ないし4何れか記
    載の汚水の浄化方法に使用する浄化槽用混入異物分離
    機。
  8. 【請求項8】 一次処理槽の次の二次処理槽内底部付
    近、または該二次処理槽以下の処理槽内底部付近に下端
    を没した汲上げ管路の上端と、同二次処理槽または二次
    処理槽以下の処理槽に下端部を配した放出管路の上端と
    の間の上流側に、当該二次処理槽内底部付近または二次
    処理槽以下の当該処理槽内底部付近から吸い上げた汚水
    中の混入沈殿物を遠心分離可能な遠心分離機構部を、下
    流側に汚水中の油性分を分離可能な油水分離機構部を順
    次介在、設置し、何れか適所に沈殿物を含む汚水を汲み
    上げ可能とするポンプを配してなるものとした、請求項
    1ないし4何れか記載の汚水の浄化方法に使用する浄化
    槽用混入異物分離機。
JP2001401208A 2001-12-28 2001-12-28 汚水浄化装置 Expired - Fee Related JP4117342B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001401208A JP4117342B2 (ja) 2001-12-28 2001-12-28 汚水浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001401208A JP4117342B2 (ja) 2001-12-28 2001-12-28 汚水浄化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003200181A true JP2003200181A (ja) 2003-07-15
JP4117342B2 JP4117342B2 (ja) 2008-07-16

Family

ID=27640077

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001401208A Expired - Fee Related JP4117342B2 (ja) 2001-12-28 2001-12-28 汚水浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4117342B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009138333A (ja) * 2007-12-03 2009-06-25 Teral Inc 厨芥排水処理システム及び、該システムなどに使用される排水処理槽
JP2013234448A (ja) * 2012-05-07 2013-11-21 Penta Ocean Construction Co Ltd 土砂分離装置及びそれを使用した水中土砂分離方法
CN108002577A (zh) * 2018-01-09 2018-05-08 河南城建学院 一种含油工业废水处理系统
CN108408807A (zh) * 2018-05-15 2018-08-17 苏州凯新分离科技有限公司 一种用于废水处理的蒸发热回收装置
CN108793320A (zh) * 2018-08-13 2018-11-13 南智(重庆)能源技术有限公司 油气田胶乳状物环保处理新工艺装置
CN112443721A (zh) * 2019-09-03 2021-03-05 安徽省天易环境科技有限公司 一种多用途防堵管头
CN113289396A (zh) * 2021-07-16 2021-08-24 潍坊工商职业学院 一种污水处理用沉淀装置
CN113371878A (zh) * 2021-06-15 2021-09-10 亳州洁能电力有限公司 一种节能环保型的污水回用装置
CN113716726A (zh) * 2021-10-11 2021-11-30 浙江圣效化学品有限公司 处理对羟基苯甲酸生产污水的双分离式污水处理设备
CN113716729A (zh) * 2021-10-11 2021-11-30 浙江圣效化学品有限公司 对羟基苯甲酸制备污水处理方法
CN115321709A (zh) * 2022-08-15 2022-11-11 杭州达利富丝绸染整有限公司 一种环保型染整污水循环处理系统及多级水池
CN115403088A (zh) * 2022-11-01 2022-11-29 临沂市冠宇工业科技有限公司 一种肥料包膜剂生产污水处理设备

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009138333A (ja) * 2007-12-03 2009-06-25 Teral Inc 厨芥排水処理システム及び、該システムなどに使用される排水処理槽
JP2013234448A (ja) * 2012-05-07 2013-11-21 Penta Ocean Construction Co Ltd 土砂分離装置及びそれを使用した水中土砂分離方法
CN108002577A (zh) * 2018-01-09 2018-05-08 河南城建学院 一种含油工业废水处理系统
CN108408807A (zh) * 2018-05-15 2018-08-17 苏州凯新分离科技有限公司 一种用于废水处理的蒸发热回收装置
CN108793320A (zh) * 2018-08-13 2018-11-13 南智(重庆)能源技术有限公司 油气田胶乳状物环保处理新工艺装置
CN112443721A (zh) * 2019-09-03 2021-03-05 安徽省天易环境科技有限公司 一种多用途防堵管头
CN113371878A (zh) * 2021-06-15 2021-09-10 亳州洁能电力有限公司 一种节能环保型的污水回用装置
CN113289396A (zh) * 2021-07-16 2021-08-24 潍坊工商职业学院 一种污水处理用沉淀装置
CN113289396B (zh) * 2021-07-16 2021-10-01 潍坊工商职业学院 一种污水处理用沉淀装置
CN113716726A (zh) * 2021-10-11 2021-11-30 浙江圣效化学品有限公司 处理对羟基苯甲酸生产污水的双分离式污水处理设备
CN113716729A (zh) * 2021-10-11 2021-11-30 浙江圣效化学品有限公司 对羟基苯甲酸制备污水处理方法
CN115321709A (zh) * 2022-08-15 2022-11-11 杭州达利富丝绸染整有限公司 一种环保型染整污水循环处理系统及多级水池
CN115321709B (zh) * 2022-08-15 2023-10-17 杭州达利富丝绸染整有限公司 一种染整污水循环处理系统及多级水池
CN115403088A (zh) * 2022-11-01 2022-11-29 临沂市冠宇工业科技有限公司 一种肥料包膜剂生产污水处理设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP4117342B2 (ja) 2008-07-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10814257B2 (en) Household wastewater filter
CN103249897B (zh) 用于处理废水的设备
JP4117342B2 (ja) 汚水浄化装置
JP2009045562A (ja) 濾過フイルター式スラッジ脱水処理装置およびその方法
JP2002186997A (ja) 有機性廃棄物処理システム
JP2001079594A (ja) 排水の再生循環利用装置、及び、固液分離装置、並びに、消毒濾過装置
KR101390567B1 (ko) 하수 고액분리 집수정
JP3011932B1 (ja) 浄化システム
JP3145291B2 (ja) 油分離回収装置
JP2010184205A (ja) グリストラップの排液処理方法とその排液処理装置
KR20010097084A (ko) 슬러지와 유류를 분리하는 장치 및 방법
JP3651753B2 (ja) 油脂分除去システムと装置
KR101746832B1 (ko) 그리스 트랩의 오수 정화장치
JP7345848B2 (ja) グリストラップの排液処理方法及び排液処理装置
JP3975393B2 (ja) 汚水浄化槽
KR20140029698A (ko) 폐수 정화처리장치
JP2001149716A (ja) 作業液浄化方法
KR200340184Y1 (ko) 하수 정화용 트랩
JP4781510B2 (ja) 上向流濾過装置、濾過装置付き好気処理槽及び汚水浄化槽
JP4468735B2 (ja) 砂分離洗浄装置
KR200236069Y1 (ko) 고효율 기름제거장치
JP2002320983A (ja) 排水処理システム
JP2005226346A (ja) 油分分離除去装置
KR100392484B1 (ko) 고효율 기름제거장치와 제거방법
KR200199547Y1 (ko) 슬러지와 유류를 분리하는 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040601

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040615

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040728

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040921

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071009

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees