JP2003199855A - ゴルフクラブシャフト - Google Patents

ゴルフクラブシャフト

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JP2003199855A
JP2003199855A JP2002001468A JP2002001468A JP2003199855A JP 2003199855 A JP2003199855 A JP 2003199855A JP 2002001468 A JP2002001468 A JP 2002001468A JP 2002001468 A JP2002001468 A JP 2002001468A JP 2003199855 A JP2003199855 A JP 2003199855A
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亘男 鈴木
Kazuyuki Kabe
和幸 加部
Masahiko Miyamoto
昌彦 宮本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シャフト全体の曲げ剛性の分布を適切にコン
トロールすることで、スイング時の安定性を確保しなが
らヘッドスピードを増加させることを可能にするゴルフ
クラブシャフトを提供する。 【解決手段】 バット端側にグリップ2が装着されるグ
リップ領域を有し、該グリップ領域よりチップ端側が撓
み領域となるシャフト1において、撓み領域を、チップ
端側からバット端側に向かって順に、長さが撓み領域の
41%の細径部LAと、長さが撓み領域の30%の中間部L
Bと、長さが撓み領域の29%の太径部LCとに区分した
とき、細径部LAに曲げ剛性の極小値が存在し、中間部
LBに曲げ剛性の極大値が存在し、太径部LCに曲げ剛
性の極大値が存在する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘッドスピードが
比較的速いハードヒッターのゴルファーに好適なゴルフ
クラブシャフトに関し、更に詳しくは、シャフト全体の
曲げ剛性の分布を適切にコントロールすることにより、
スイング時の安定性を確保しながらヘッドスピードを増
加させるようにしたゴルフクラブシャフトに関する。
【0002】
【従来の技術】ゴルフクラブにおいては、シャフトの曲
げ剛性分布を適正化することにより、シャフトの撓み効
果に基づいてヘッドスピードを増加させることが可能で
ある。しかしながら、シャフト軸に直交する方向への撓
み量が大き過ぎると、スイング時に違和感を生じるため
プレーヤーの調子を乱し、確実なミートを阻害するとい
う問題があった。一方、撓み量が小さ過ぎると、上述し
たヘッドスピードの改善効果が得られなかった。
【0003】従来、曲げ剛性分布の適正化に着目したゴ
ルフクラブシャフトとして、例えば、特許公報第270
8369号や特開平10−127838号公報に開示さ
れるものがある。前者はシャフトの中央部分に曲げ剛性
が低い区域を設定することにより、ボール初速とバック
スピンを制御するものである。一方、後者はシャフトの
握り部よりも先端部側に曲げ剛性が最大となる部分を設
けることにより、スイング時の握り感を改善するもので
ある。
【0004】しかしながら、上述のような曲げ剛性を備
えたゴルフクラブシャフトでは、シャフト全体の曲げ剛
性分布に対する考慮が不十分であるため、スイング時の
安定性を確保しながらヘッドスピードを改善することは
できなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、シャ
フト全体の曲げ剛性の分布を適切にコントロールするこ
とにより、スイング時の安定性を確保しながらヘッドス
ピードを増加させることを可能にしたゴルフクラブシャ
フトを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、シャフト
全体の曲げ剛性の分布を種々異ならせた多数のゴルフク
ラブシャフトを試作し、これらゴルフクラブシャフトの
スイング時の撓り具合及びそれによって発生するヘッド
スピードをゴルファーのタイプ毎に調べることで最適な
曲げ剛性分布を探究し、本願発明に至ったのである。
【0007】即ち、上記目的を達成するための本発明の
ゴルフクラブシャフトは、バット端側にグリップが装着
されるグリップ領域(バット端から長さ 260mm)を有
し、該グリップ領域よりチップ端側が撓み領域となるゴ
ルフクラブシャフトにおいて、前記撓み領域を、チップ
端側からバット端側に向かって順に、長さが撓み領域の
41%の細径部と、長さが撓み領域の30%の中間部と、長
さが撓み領域の29%の太径部とに区分したとき、前記細
径部に曲げ剛性の極小値が存在し、前記中間部に曲げ剛
性の極大値が存在し、前記太径部に曲げ剛性の極大値が
存在することを特徴とするものである。
【0008】シャフト全体の曲げ剛性の分布を上記の如
く設定したゴルフクラブシャフトによれば、スイング時
のシャフト全体の撓りを抑えながら、その撓み形態に起
因する撓み効果を最大限に活かしてヘッドスピードを増
加させることができる。しかも、チップ端側やバット端
側の剛性が高いため、スイング時の安定性を確保するこ
とができる。
【0009】上記ゴルフクラブシャフトにおいて、ヘッ
ドスピードを最大限に増加させるために、細径部におけ
る曲げ剛性の極小値がチップ端からバット端に向かって
撓み領域の 7〜13%の位置にあり、中間部における曲げ
剛性の極大値がチップ端からバット端に向かって撓み領
域の46〜77%の位置にあり、太径部における曲げ剛性の
極大値がチップ端からバット端に向かって撓み領域の80
〜95%の位置にあることが好ましい。
【0010】また、細径部における曲げ剛性の極小値を
EIA とし、中間部における曲げ剛性の極大値をEIB
とし、太径部における曲げ剛性の極大値をEIC とした
とき、極小値EIA と極大値EIB との比(EIB /E
A )が 3〜6 であり、極小値EIA と極大値EIC
の比(EIC /EIA )が 6〜11であることが好まし
い。但し、細径部における曲げ剛性の極小値EIA は 8
〜15N・m2 である。
【0011】更に、細径部における曲げ剛性の極小値を
EIA とし、細径部の最もチップ端側の位置での曲げ剛
性値をEIt とし、細径部と中間部との境界での曲げ剛
性値をEIA-B とし、中間部と太径部との境界での曲げ
剛性値をEIB-C とし、太径部の最もバット端側の位置
での曲げ剛性値をEIb としたとき、極小値EIA と曲
げ剛性値EIt との比(EIt /EIA )が 1.8〜3.2
であり、極小値EIAと曲げ剛性値EIA-B との比(E
A-B /EIA )が 1.9〜3.2 であり、極小値EIA
曲げ剛性値EIB-C との比(EIB-C /EIA )が 2.8
〜4.7 であり、極小値EIA と曲げ剛性値EIb との比
(EIb /EIA )が 6.1〜10.2であることが好まし
い。
【0012】本発明において、曲げ剛性EIは、長さL
(m)のスパンを有する一対の支点の上にシャフトを配
置し、その中間位置の測定点においてシャフト軸に直交
する方向に任意の撓み量δ(m)を生じさせる時の荷重
W(N)を測定することにより、下記(1)式から求め
ることができる。
【0013】 EI=(1/48)×WL3 /δ ・・・(1)
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について添付
の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】図1は本発明を適用するゴルフクラブを例
示するものである。図1に示すように、このゴルフクラ
ブは繊維強化樹脂製のシャフト1のバット端側にグリッ
プ2を装着し、チップ端側にヘッド3を取り付けた構成
になっている。
【0016】繊維強化樹脂製のシャフト1は、補強繊維
の種類、マトリクス樹脂の種類、補強層の積層枚数、補
強層の形状などを変化させることにより、曲げ剛性を部
位に応じて任意に設定することが可能である。補強繊維
としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロ
ン繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維などを使用するこ
とができる。より好ましくは、比強度と比弾性率に優れ
た炭素繊維を用いるのが良い。また、マトリクス樹脂と
しては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン
樹脂などの熱硬化性樹脂、或いはポリプロピレン樹脂、
ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ABS樹脂、ナイロ
ン樹脂などの熱可塑性樹脂を使用することができる。よ
り好ましくは、エポキシ樹脂を用いるのが良い。
【0017】図2は本発明の実施形態からなるゴルフク
ラブシャフトを曲げ剛性分布と共に示すものである。但
し、この曲げ剛性分布はグリップが装着されるグリップ
領域Xを除いた撓み領域Yにおける曲げ剛性分布であ
る。図2に示すように、シャフト1の撓み領域は、チッ
プ端側からバット端側に向かって順に、長さが撓み領域
の41%の細径部LAと、長さが撓み領域の30%の中間部
LBと、長さが撓み領域の29%の太径部LCとに区分し
たとき、細径部LAに曲げ剛性の極小値が存在し、中間
部LBに曲げ剛性の極大値が存在し、太径部LCに曲げ
剛性の極大値が存在している。
【0018】より具体的には、細径部LAにおける曲げ
剛性の極小値がチップ端からバット端に向かって撓み領
域の 7〜13%の位置にあり、中間部LBにおける曲げ剛
性の極大値がチップ端からバット端に向かって撓み領域
の46〜77%の位置にあり、太径部LCにおける曲げ剛性
の極大値がチップ端からバット端に向かって撓み領域の
80〜95%の位置にある。
【0019】このような曲げ剛性分布を有するシャフト
を備えたゴルフクラブでは、シャフトの撓み形態に起因
する撓み効果を最大限に活かしてヘッドスピードを増加
させることができる。しかも、チップ端側やバット端側
の剛性が高いため、スイング時の安定性を確保すること
ができる。また、最先端部の剛性が高いので、インパク
ト時のしっかり感や打球方向の正確さやランの延びが得
られ、その結果として、飛距離を延ばすことができる。
【0020】上記ゴルフクラブシャフトにおいて、細径
部LAにおける曲げ剛性の極小値をEIA とし、中間部
LBにおける曲げ剛性の極大値をEIB とし、太径部L
Cにおける曲げ剛性の極大値をEIC としたとき、極小
値EIA と極大値EIB との比(EIB /EIA )が 3
〜6 であり、極小値EIA と極大値EIC との比(EI
C /EIA )が 6〜11である。但し、細径部LAにおけ
る曲げ剛性の極小値EIA は 8〜15N・m2 である。こ
れら比(EIB /EIA )及び(EIC /EI A )を上
記範囲に設定することで、より優れた撓み効果を得るこ
とができる。
【0021】更に、細径部LAにおける曲げ剛性の極小
値をEIA とし、細径部LAの最もチップ端側の位置で
の曲げ剛性値をEIt とし、細径部LAと中間部LBと
の境界での曲げ剛性値をEIA-B とし、中間部LBと太
径部LCとの境界での曲げ剛性値をEIB-C とし、太径
部LCの最もバット端側の位置での曲げ剛性値をEI b
としたとき、極小値EIA と曲げ剛性値EIt との比
(EIt /EIA )が 1.8〜3.2 であり、極小値EIA
と曲げ剛性値EIA-B との比(EIA-B /EIA)が 1.
9〜3.2 であり、極小値EIA と曲げ剛性値EIB-C
の比(EIB-C /EIA )が 2.8〜4.7 であり、極小値
EIA と曲げ剛性値EIb との比(EIb/EIA )が
6.1〜10.2である。これら比(EIt /EIA )、(E
A-B /EIA )、(EIB-C /EIA )及び(EIb
/EIA )を上記範囲に設定することで、より優れた撓
み効果を得ることができる。
【0022】上述した実施形態のゴルフクラブシャフト
は、ヘッドスピードが46m/s程度、ハンデキャップ
が5程度であって、上級者や30歳前後のゴルファーに
好適である。このようなクラスのゴルファーが上記ゴル
フクラブシャフトを備えたゴルフクラブを使用した場
合、ヘッドスピードの改善効果が顕著に現れるのであ
る。
【0023】
【実施例】繊維強化樹脂製のシャフトを用いたゴルフク
ラブにおいて、図3に示す曲げ剛性分布を有するシャフ
トを用いた実施例と、一般的な曲げ剛性分布(図3に併
記)を有するシャフトを用いた比較例とをそれぞれ製作
した。
【0024】これらゴルフクラブについて、固有振動数
とヘッドスピードとの関係を図4に示した。固有振動数
はゴルフクラブのグリップ側を固定し、ヘッド側を振動
させたときの振動数(Hz)である。ヘッドスピード
は、各ゴルフクラブを同一のゴルファーがスイングした
ときのヘッドスピード(m/s)である。
【0025】この図4から判るように、実施例のゴルフ
クラブは、比較例に比べて固有振動数が僅かに大きいも
のであった。そして、比較例のゴルフクラブをスイング
した際のヘッドスピードが45m/sであるゴルファー
は、実施例のゴルフクラブをスイングした際にヘッドス
ピードが約1.3m/s増加し、ボール初速が増加して
いた。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ゴ
ルフクラブシャフトにおいて、シャフト全体の曲げ剛性
の分布を適切にコントロールすることにより、スイング
時の安定性を確保しながら従来よりもヘッドスピードを
増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するゴルフクラブを例示する側面
図である。
【図2】本発明の実施形態からなるゴルフクラブシャフ
トを曲げ剛性分布と共に示す説明図である。
【図3】実施例と比較例に係るゴルフクラブシャフトの
曲げ剛性分布を示すグラフである。
【図4】実施例と比較例に係るゴルフクラブの固有振動
数とヘッドスピードとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 シャフト 2 グリップ 3 ヘッド LA 細径部 LB 中間部 LC 太径部 X グリップ領域 Y 撓み領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 昌彦 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内 Fターム(参考) 2C002 AA05 CS05 SS03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バット端側にグリップが装着されるグリ
    ップ領域を有し、該グリップ領域よりチップ端側が撓み
    領域となるゴルフクラブシャフトにおいて、前記撓み領
    域を、チップ端側からバット端側に向かって順に、長さ
    が撓み領域の41%の細径部と、長さが撓み領域の30%の
    中間部と、長さが撓み領域の29%の太径部とに区分した
    とき、前記細径部に曲げ剛性の極小値が存在し、前記中
    間部に曲げ剛性の極大値が存在し、前記太径部に曲げ剛
    性の極大値が存在するゴルフクラブシャフト。
  2. 【請求項2】 前記細径部における曲げ剛性の極小値が
    チップ端からバット端に向かって撓み領域の 7〜13%の
    位置にあり、前記中間部における曲げ剛性の極大値がチ
    ップ端からバット端に向かって撓み領域の46〜77%の位
    置にあり、前記太径部における曲げ剛性の極大値がチッ
    プ端からバット端に向かって撓み領域の80〜95%の位置
    にある請求項1に記載のゴルフクラブシャフト。
  3. 【請求項3】 前記細径部における曲げ剛性の極小値を
    EIA とし、前記中間部における曲げ剛性の極大値をE
    B とし、前記太径部における曲げ剛性の極大値をEI
    C としたとき、極小値EIA と極大値EIB との比(E
    B /EIA)が 3〜6 であり、極小値EIA と極大値
    EIC との比(EIC /EIA )が 6〜11である請求項
    1又は請求項2に記載のゴルフクラブシャフト。
  4. 【請求項4】 前記細径部における曲げ剛性の極小値を
    EIA とし、前記細径部の最もチップ端側の位置での曲
    げ剛性値をEIt とし、前記細径部と前記中間部との境
    界での曲げ剛性値をEIA-B とし、前記中間部と前記太
    径部との境界での曲げ剛性値をEIB-C とし、前記太径
    部の最もバット端側の位置での曲げ剛性値をEIb とし
    たとき、極小値EIA と曲げ剛性値EIt との比(EI
    t /EIA )が 1.8〜3.2 であり、極小値EIA と曲げ
    剛性値EIA-B との比(EIA- B /EIA )が 1.9〜3.
    2 であり、極小値EIA と曲げ剛性値EIB-C との比
    (EIB-C /EIA )が 2.8〜4.7 であり、極小値EI
    A と曲げ剛性値EIb との比(EIb /EIA )が 6.1
    〜10.2である請求項1〜3のいずれかに記載のゴルフク
    ラブシャフト。
  5. 【請求項5】 前記細径部における曲げ剛性の極小値E
    A が 8〜15N・m 2 である請求項3又は請求項4に記
    載のゴルフクラブシャフト。
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