JP2003199697A - 食器洗い機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】洗浄行程終了後に洗浄ポンプの運転を停止する
と、洗浄水のほとんどが洗浄槽の底部に溜まって洗浄槽
内の水位が上昇し、残菜フィルターの収納部に集められ
た残菜が水位の上昇と共に残菜フィルターの収納部から
溢れ出てしまうという問題があった。 【解決手段】洗浄槽内に洗浄水を噴出する空気穴を排水
管に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は食器洗い機に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の食器洗い機は、特開平6-62996号
公報に記載のように、洗浄ポンプ（吐出ポンプ）の吐出
管に回転自在に軸支されたアームノズルの側面あるいは
下面に洗浄水を吐出する孔部を形成し、この孔部から吐
出した洗浄水を洗浄槽の底面に配設した残菜フィルター
のフィルター部の表面に向けて吐出し、フィルター部に
捕集した残菜を残菜フィルターの収納部に集めて収納す
るようにした技術が提案されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平6-62996号公報に記載の技術においては、洗浄行程
において洗浄水の一部を残菜フィルターのフィルター部
の表面に向けて吐出しているので、この一部の洗浄水が
食器の洗浄に全く機能しておらず、洗浄性能が低下する
といった問題があった。

【０００４】また、洗浄行程終了後に洗浄ポンプの運転
を停止すると、洗浄水のほとんどが洗浄槽の底部に溜ま
って洗浄槽内の水位が上昇し、残菜フィルターの収納部
に集められた残菜が水位の上昇と共に残菜フィルターの
収納部から溢れ出てしまうという問題があった。

【０００５】さらに、洗浄行程終了後は、排水ポンプを
運転し排水ポンプに接続された排水ホースを介して洗浄
水を機外へ排水する。排水終了後は、給水弁を開いて新
たな水を洗浄槽内に注水し、すすぎ行程へと動作する。
この際、排水ポンプは運転を停止しているが、排水ホー
スを含む排水経路内が負圧となっているため、洗浄槽内
に供給された水がそのまま排水されるというサイホン現
象が発生し、洗浄槽内に規定水位まで水が溜まらず、次
の行程に移れないという問題があった。

【０００６】このサイホン現象の問題を解決するため
に、例えば特開平4-187132号公報に記載のように、洗浄
槽内の洗浄水を機外に排出する排水ポンプの吐出側に、
逆Ｕ字形となるよう上方に立ち上げた排水ホースを接続
し、この排水ホースの一部を洗浄槽に設けたバイパス孔
と連結した技術が提案されている。そして、特開平4-18
7132号公報に記載の技術においては、排水ホースの一部
を洗浄槽に設けたバイパス孔と連結させることにより、
排水運転を途中で止めた場合にサイホン現象によって起
こる洗浄水が連続して流れ出してしまうのを防止する空
気吸込口として機能させている。

【０００７】しかしながら、上記特開平4-187132号公報
に記載の技術においては、残菜の処理方法については一
切考慮されていなかった。

【０００８】そこで、本発明の目的は上記問題を解決
し、サイホン現象を防止すると共に残菜フィルターに収
納した残菜が残菜フィルターから溢れ出すの防止し、残
菜フィルターの掃除を容易に行える食器洗い機を提供す
ることにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の特徴とするところは、食器を収納する洗浄槽
と、該洗浄槽内に洗浄水を吐出する洗浄ポンプと、前記
洗浄水を排出する排水ポンプと、前記洗浄ポンプ及び前
記排水ポンプの上流側に位置し残菜を捕集する残菜フィ
ルターと、前記排水ポンプの吐出し側に接続された排水
管とを有し、前記排水管に、前記洗浄槽内に洗浄水を噴
出する空気穴を設けたことにある。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
の図面を用いて説明する。

【００１１】図１は本実施の形態に係る食器洗い機の横
断面図、図２は洗浄水が入っている状態で残菜が浮遊し
ている状態を示す横断面図、図３は空気穴からの排水を
噴射した状態を示す上面図、図４は排水経路を示す正面
図、図５は本実施の形態に係る食器洗い機の外観図、図
６は図５における内部構成を示す断面図である。

【００１２】図５において、本体前面には上端で軸支さ
れ中央部で折れながら上方にスライドする上ドア５１
と、下端で軸支され手前側に開く下ドア５２を設けてい
る。また、本体の下部には食器洗い機の運転を制御する
コントロールパネルが設けられている。

【００１３】次に内部構造について説明する。図１及び
図６において、１０は、食器洗い機本体の内部に配設さ
れた洗浄槽、１１は食器等に付着した残菜を濾過し、洗
浄ポンプ４０及び排水ポンプ１３の上流側に位置する残
菜フィルター、１２は食器等に付着した残菜を濾過し、
残菜を残菜フィルター１１に導くべくフィルター載置部
１２ａより残菜フィルター１１に接続される側が低くな
るように傾斜して配置された固定フィルター、１４は洗
浄水を溜める水溜め部、１５は水溜め部１４に溜まって
いる水を洗浄ポンプ６０排水ポンプ１３に洗浄水を供給
するダクト、１６は排水管路内に設けられ洗浄槽内と連
通した空気穴、１７は洗浄水を機外へ排出する排水ホー
ス、１８は排水管１９の上部を覆う注水カバー、１９は
排水ポンプ１３に接続された排水管である。６０は回転
ノズル６５，固定ノズル６６の洗浄水を供給する洗浄ポ
ンプ、６１は洗浄槽１０内の下部に設けられ大皿，中
皿，小皿及び箸等の小物を収納する下かご、６２は洗浄
槽１０内の上部に設けられ茶碗、汁椀、コップ等を収納
する上かご、６３は洗浄槽１０の側壁上部に設けられ前
後に可動するレールである。レール６３は上かご６２を
はめ込むことにより、上かご６２を自由に出し入れする
ことができる。下かご６１は前後に可動し、前に引き出
した際には、開いた下ドアに乗る構成としている。

【００１４】６４は洗浄水及び乾燥工程において送風ユ
ニット６９から供給させる空気を加熱するヒーター、６
５は洗浄槽１０の上下方向に軸支されると共に洗浄水を
噴出する複数の穴が設けられ、洗浄ポンプ６０から供給
させる洗浄水の圧力により回転する円板状の回転ノズ
ル、６６は洗浄水を噴出する複数の穴が設けられた固定
ノズル、６７は洗浄槽１０の幅方向に軸支されると共に
洗浄水を噴出する複数の穴が設けられ、洗浄ポンプ６０
から供給させる洗浄水の圧力により回転する棒状のロー
タリーノズル、６８は洗浄槽１０の上部に設けられ、洗
浄水を下方に向かって噴出するノズルである。６９は乾
燥工程において、洗浄槽１０内に空気を送風する送風ユ
ニットである。

【００１５】次に図１及び図２を用いて動作を説明す
る。洗浄する食器類を上かご６２，下かご６１に収納
し、コントロールパネル５３のスタートキーを押すと、
給水電磁弁（図示せず）を開いて洗浄槽１０内に水を供
給し、洗浄工程を実行する。供給させた水は予め投入さ
せた洗剤と混じり、洗浄水となり水溜め部１４に溜めら
れ、ヒーター６４により加熱され温水となる。そして、
洗浄水が所定の温度に達すると、洗浄ポンプ６０を駆動
し、配管を介して洗浄水を回転ノズル６５，固定ノズル
６６，ロータリーノズル６７，ノズル６８の供給し、各
ノズルにもうけた複数の穴から食器類に向けて洗浄水を
噴出する。食器類に噴出された洗浄水は、食器に付着し
た汚れと共に洗浄槽１０の下部に落下し、残菜フィルタ
ー１１で残菜が濾過され、再び洗浄ポンプ６０で加圧さ
れて回転ノズル６５，固定ノズル６６，ロータリーノズ
ル６７，ノズル６８から食器類に向けて噴出される。残
菜フィルター１１は、残菜が収納できるようかご状に形
成されると共に洗浄槽１０から着脱自在に設けられてお
り、食器洗い機の運転終了後、残菜フィルター１１に収
納された残菜を取り除き、再び洗浄槽１０に装着して使
用する。洗浄工程が終了すると、洗浄ポンプ４０を停止
し、排水ポンプ１３を駆動する。排水ポンプ１３の吸込
み側は、ダクト１５を介して水溜め部１４に接続されて
いる。排水ポンプ１３の吐出し側は、逆Ｕ字状に形成さ
れた排水管１９の一端側に接続されている。排水管１９
の他端側は排水ホース１７に接続され、排水された洗浄
水を機外へ排水する。排水管１９の上部には、排水され
た洗浄水を方向転換する注水カバー１８が設けられてい
る。洗浄水は、図１及ぶ図４の矢印に示すように排水ポ
ンプ１３により洗浄槽１０の上方に向かって吐き出され
て排水管１９に流入し、注水カバー１９で方向転換さ
れ、洗浄槽１０の下方に向かって排水管１９内を流れ
る。

【００１６】洗浄工程を終了し、洗浄ポンプ４０を停止
した状態では、図２に示すように洗浄水の液面は残菜フ
ィルター１１より上方に位置している。この状態では、
固定フィルター１２上や残菜フィルター１１に収納され
た残債が再び洗浄水に浮かび上がり、洗浄槽１０内に付
着してしまう虞がある。特にワカメのような海藻類は、
その状態が顕著に表れる。次にこの浮揚した残菜を残菜
フィルターに導く動作について説明する。

【００１７】図１〜図４において、注水カバー１９に
は、洗浄槽１０の上方に向かって隆起した隆起部１６が
形成され、さらにこの隆起部１６には排水管１９と洗浄
槽１０内とを連通する空気穴１６ａが設けられている。
この空気穴１６ａは、下方に位置する固定フィルター１
２に向かって洗浄水が噴出するように傾斜して設けられ
ている。そして、洗浄工程終了後、排水ポンプ１３を駆
動すると、排水ポンプ１３から吐き出された洗浄水が排
水管１９に導かれ、虫垂カバー１８で水の流れが方向転
換される。この時、注水カバー１８の隆起部１６に設け
られた空気穴１６ａから洗浄水の一部が洗浄槽１０内に
噴出される。空気穴１６ａから噴出される洗浄水は空気
穴１６ａの下方にある固定フィルター１２面に吹き付け
られる。固定フィルター１２は、フィルター載置部１２
ａより残菜フィルター１１に接続される側が低くなるよ
うに傾斜して配置されているので、固定フィルター１２
上にある残菜は空気穴１６ａから噴出された洗浄水によ
り残菜フィルター１１側へと押し流される。空気穴１６
ａから噴出された洗浄水は一箇所に集中して噴出するの
ではなく、図３に示すように洗浄槽の幅方向に渡って広
範囲に噴射するのが好ましい。

【００１８】次にすすぎ工程について説明する。排水運
転終了後、再び給水電磁弁を開き、洗浄槽１０内に水を
供給する。水が所定の水位に達したら、洗浄ポンプ４０
を運転し、洗浄ポンプ６０で加圧されたすすぎ水を回転
ノズル６５，固定ノズル６６，ロータリーノズル６７，
ノズル６８から食器類に向けて噴出される。そして、所
定時間運転した後、排水ポンプ１３を運転し、すすぎ水
の排水を行う。この場合においても、洗浄工程終了後の
排水工程と同様、空気穴１６ａから洗浄水が噴出され、
空気穴１６ａの下方にある固定フィルター１２面に吹き
付け、残菜を残菜フィルター１１へと導くよう動作す
る。この水によるすすぎ及び排水動作を１〜数回動作し
た後、再び洗浄槽１０内に水を供給し、ヒータ−６４に
通電し水を加熱する。そして、所定の温度に達したら、
洗浄ポンプ４０を運転し、洗浄ポンプ６０で加圧された
すすぎ水を回転ノズル６５，固定ノズル６６，ロータリ
ーノズル６７，ノズル６８から食器類に向けて噴出する
温水すすぎ工程を実行する。温水すすぎ終了後は、洗浄
工程，すすぎ工程終了後の排水工程と同様、空気穴１６
ａから洗浄水が噴出され、空気穴１６ａの下方にある固
定フィルター１２面に吹き付け、残菜を残菜フィルター
１１へと導くよう動作する。

【００１９】次に、送風ユニット６９を動作し、洗浄槽
１０内に空気を送り込む。洗浄槽１０内に流入した空気
は、温水すすぎ後によって洗浄槽１０内が高い温度にな
っているので、熱交換が行われ温風となり、食器類の乾
燥を行う。また同時にヒーター６４に通電し、温風状態
を維持する。温風運転を所定時間実行した後、ヒーター
６４への通電を切り、冷風運転を実行し食器洗い乾燥の
運転動作を終了する。

【００２０】食器洗い機の運転終了後、使用者は残菜フ
ィルター１１を食器洗い機から取外し、溜まった残菜を
捨てて、再び食器洗い機に装着し、次回の運転に備え
る。

【００２１】以上説明したように本実施の形態によれ
ば、排水ポンプ１３が運転し排水管１９内に洗浄水が通
水している間は、固定フィルターに向かって空気穴１６
ａから洗浄水を噴射しているので、食器洗い機の運転終
了後に残菜が残菜フィルター１１以外の所に付着するの
を防止することができ、残菜の処理を容易に行うことが
できる。また、空気穴１６ａは、洗浄槽１０と排水管１
９とを連通しているので、排水ポンプ１３の運転停止後
に排水管１９内が負圧になっていることによって生じる
サイホン現象（排水ポンプ停止時に排水動作を繰り返し
行う）を防止することができる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように本実施の形態によれ
ば、排水ポンプ運転時に洗浄槽内にある残菜を残菜フィ
ルターに向かって洗浄水を噴射する空気穴を設けている
ので、食器洗い機の運転終了後に残菜が残菜フィルター
１１以外の所に付着するのを防止することができ、残菜
の処理を容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施の形態に係る食器洗い機の横断面図であ
る。

【図２】洗浄水が入っている状態で残菜が浮遊している
状態を示す横断面図である。

【図３】空気穴からの排水を噴射した状態を示す上面図
である。

【図４】排水経路を示す正面図である。

【図５】本実施の形態に係る食器洗い機の外観図であ
る。

【図６】図５における内部構成を示す断面図である。

【符号の説明】

１０…洗浄槽、１１…残菜フィルター、１２…固定フィ
ルター、１３…排水ポンプ、１４…水溜め部、１５…ダ
クト、１６…空気穴、１７…排水ホース、１８…注水カ
バー、６０…洗浄ポンプ、６４…ヒーター、６５…回転
ノズル、６６…固定ノズル、６７…ロータリーノズル、
６８…上ノズル、６９…送風ユニット。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】食器を収納する洗浄槽と、該洗浄槽内に洗
   浄水を吐出する洗浄ポンプと、前記洗浄水を排出する排
   水ポンプと、前記洗浄ポンプ及び前記排水ポンプの上流
   側に位置し残菜を捕集する残菜フィルターと、前記排水
   ポンプの吐出し側に接続された排水管とを有し、 前記排水管に、前記洗浄槽内に洗浄水を噴出する空気穴
   を設けたことを特徴とする食器洗い機。
2. 【請求項２】食器を収納する洗浄槽と、該洗浄槽内に洗
   浄水を吐出する洗浄ポンプと、前記洗浄水を排出する排
   水ポンプと、前記洗浄槽内に固定して設けられ、残菜を
   濾過する固定フィルターと、前記洗浄槽から着脱自在に
   設けられ残菜を捕集する残菜フィルターと、前記排水ポ
   ンプの吐出し側に接続された排水管とを有し、 前記排水管に、前記残菜フィルターに向かって洗浄水を
   噴出する空気穴を設けたことを特徴とする食器洗い機。