JP2003199179A - 情報配信装置並びにリモートエンジニアリングシステム - Google Patents

情報配信装置並びにリモートエンジニアリングシステム

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JP2003199179A
JP2003199179A JP2001390709A JP2001390709A JP2003199179A JP 2003199179 A JP2003199179 A JP 2003199179A JP 2001390709 A JP2001390709 A JP 2001390709A JP 2001390709 A JP2001390709 A JP 2001390709A JP 2003199179 A JP2003199179 A JP 2003199179A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ユーザが秘密にしたい情報を見せずに、監
視,保守に必要な情報を外部にむけて配信可能にするリ
モートエンジニアリングシステムを提供すること 【解決手段】 工場1内は、PLC10その他の装置が
ネットワーク15aから15cを介してデータ収集ユニ
ット20に接続され、各装置が持つデータはデータ収集
ユニットに集められる。データ収集ユニットは、IP網
3′を介してベンダー2側のモニタリング装置2aと接
続され、データの送受ができる。データ収集ユニット
は、外部に見せられない情報を識別するための定義情報
を持ち、情報収集手段で収集した装置が持つ情報に対
し、前記定義情報に基づき、モザイク処理を行い、前記
収集した情報を見せても問題ない内容に加工する。加工
後の情報を配信(見せても良い情報はそのまま配信)す
るので、ベンダーにノウハウなどが漏洩することが無く
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、情報配信装置並
びにリモートエンジニアリングシステムに関するもので
ある。
【0002】
【発明の背景】工場や各種現場にあっては、FAシステ
ムその他の設備機器が設置され、稼働している。係る場
合、FAシステム等を構成する各種装置に不具合が発生
すると、メンテナンスをする必要が生じる。従来の係る
メンテナンス(サポート)体制は、例えば、FAシステム
等を利用しているユーザが電話,FAXなどを用いてサ
ポートする人がいるセンタ(サポートセンタと呼ぶ。多
くの場合はベンダーが請負っている)へ連絡を取るとと
もに、故障状況等を伝える。そして、係る連絡を受けた
サポートセンタでは、必要に応じてメンテナンス要員を
現場に派遣し、必要なメンテナンス処理を行っている。
【0003】しかしながら、電話等によりユーザが装置
の状況を説明するため、正確な情報を迅速に伝えること
は困難である。さらに、係るメンテナンスシステムを実
現するためには、工場・現場とサポートセンタにそれぞ
れ人が存在している必要があり、24時間体制で監視・
メンテナンス等のサポートをするのは困難である。
【0004】一方、遠隔地で監視等をするリモートエン
ジニアリングを利用して上記サポートをすることが考え
られる。特に、FAシステム等では設備装置同士がネッ
トワークで接続されているので、そのネットワークをイ
ンターネットその他の通信網を介してサポートセンタ側
の監視システムと接続することにより、遠隔地からFA
システムの各装置の状態を監視することが可能となる。
そして、故障がプログラム,データなどのソフトウェア
に起因する場合には、プログラムやデータファイルをア
ップロードしたうえで、それらを修正したり、変更,書
替えしたりして、修正プログラムや修正データをサポー
トセンタからダウンロードすることにより、サポートセ
ンタなどの遠隔地から直接メンテナンスを行うことがで
き、効率が良い。また、遠隔地にてデータの解析が可能
となり、いわゆるサプライチェーンマネジメントを行う
ことも可能となる。
【0005】しかしながら、工場などにおいては、ノウ
ハウ,生産内容その他の秘密にすべき情報が、設備装置
のメモリ内に格納されている。従って、遠隔地が同一の
会社内であれば問題がないが、通常、ユーザとサポート
センタまたはベンダーとは別会社であるので、リモート
エンジニアリングを採用し、遠隔地から各種装置のメモ
リに格納された情報が自由に見ることができるようにな
ると、ユーザにとっては係る秘密にすべき情報までベン
ダーが見ることができる状態になるので好ましくない。
【0006】この発明は、ユーザが秘密にしたい情報を
見せることなく、監視,メンテナンス,保守などに必要
な情報を外部にむけて配信可能または外部からアクセス
可能にすることのできる情報配信装置並びにリモートエ
ンジニアリングシステムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明による情報配信
装置は、管理領域内の装置が持つ情報を外部に配信する
情報配信装置であって、前記情報のうちの外部に見せな
い情報を識別するための定義情報を記憶する定義情報記
憶部と、前記装置が持つ前記情報を収集する情報収集手
段と、前記定義情報に基づき、前記収集した情報に対
し、見せても問題ない内容に加工する情報加工手段と、
前記情報を外部に配信するに際し、前記見せられない情
報については、前記加工した情報を配信する手段とを備
えて構成した。
【0008】ここで、定義情報記憶部は、実施の形態で
は、メモリ23の定義エリアに対応する。また、加工
は、実施の形態ではモザイク処理のことを含めて言う。
また、情報は、実施の形態で言うデータやデータの内容
を特定するアドレスや名前やプログラムなどを含むもの
である。情報配信装置は、実施の形態ではデータ収集ユ
ニット20により実現されている。その管理領域は、工
場や現場等のある限られた範囲としていて、その管理領
域内の装置は、情報配信装置にネットワークなどの通信
設備により接続され、直接または間接的に情報の送受が
可能な装置である。また、情報配信装置は通信網を介し
て遠隔地とつながっている。
【0009】加工した情報を配信する手段は、情報配信
装置が直接的に自己が記憶保持している情報を配信する
場合と、実施の形態におけるメンテナンス時の処理のよ
うに、モザイク処理した加工情報(加工データ)を装置
に格納し、外部への見せたくないデータの配信は、その
加工データに基づき行う場合がある。
【0010】また、配信は、直接或いは間接を問わず、
最終的に目的とする相手に情報(加工データを含む)が
到達するようになっていればよい。さらに、配信は、送
信と称しても良く、実施の形態におけるメンテナンス時
に、遠隔地側の外部システム側がアップロードして情報
を吸い上げるようなものも本発明で言う配信に含まれ
る。さらに、配信するタイミングは、自発的に行っても
良いし、外部からのアクセス要求に応じて行うものでも
良い。
【0011】情報の中には、装置さらにはその装置に接
続された機器の状態を示すI/Oデータや測定値などの
情報や、原料の使用量,通電時間,現在の生産数,不良
品数等の稼働実績を示す情報や、ある物質の製造におけ
る原料名,その組成比,順番,動作時間,工程移動時間
などの製造に関する情報とがある。ここでは、これをま
とめて製造情報と言う。そしてこれら製造情報の中に
は、ノウハウでもあり、秘密にしたい情報が含まれてい
る。
【0012】この発明では、秘密にしたい情報、つまり
外部に見せたくない情報を予め定義情報として記憶させ
ておき、データを外部に配信する際に、見せても問題の
ない内容に加工するため、係る秘密が外部に漏れること
が無くなる。よって、安心してベンダーなど外部に管理
領域内の内部情報を配信して公開することができ、リモ
ート監視やリモートメンテナンスなどのリモートエンジ
ニアリングが可能となる。
【0013】そして、前記定義情報における前記外部に
見せられない情報は、情報毎に設定してもよいし、アド
レス範囲で設定することもできる。さらに他の要素とし
て、ベンダー,時間,データ収集ユニットにつながる機
器の組み合わせで、見せられない情報を設定しても良
い。すなわち、例えばベンダーAにはPLC10の中の
任意データを伏せる,ベンダーBには分散制御システム
12の中のデータの一部を伏せる,7時から9時はベン
ダーCには伏せないなどがある。
【0014】また、配信する情報としては各種のものが
あるが、その情報が格納されるアドレス情報を含み、そ
のアドレス情報は、前記見せない情報であるか否かを問
わず、配信するとよい。特に、メンテナンスをすること
を考慮すると、各情報(データ)が記憶されているアド
レスを知ることができるので好ましい。
【0015】さらに、リモートメンテナンスをすること
を考えると、情報配信装置は、前記情報加工手段で加工
された情報の加工前の情報を待避情報として一時的に格
納する待避記憶手段と、前記加工された情報を含む情報
に基づいて、外部システムで修正処理をして生成された
修正情報を前記管理領域内の装置にダウンロードするに
際し、前記待避記憶手段に格納した前記待避情報に基づ
き、前記加工された情報の一部を加工前の情報に復帰す
る復帰手段を備えるとよい。
【0016】ここで、「外部システム」とは、実施の形
態では、ベンダー2に対応する。1つの装置でもよい
し、複数の装置から構成されるものでも良い。また、
「待避記憶手段」は、実施の形態ではメモリ23のスタ
ックエリアに対応する。さらにまた、「ダウンロードす
る際」とは、ダウンロード前でもよいし、実際にダウン
ロードされた後でもよく、ダウンロード処理に関連し
て、与えられた修正情報の一部を書き換えするようにな
っていればよい。
【0017】外部システムに対しては、一部の情報を見
られても問題のない内容(加工データ)に変えているた
め、外部システム側で作成された修正情報は、係る加工
データを含んでいる。従って、その加工データを含んだ
修正情報をダウンロードしたままとすると、正常に動作
しなくなる。そこで、予め加工前の正しい情報を待避情
報として記憶保持しておき、取得した修正情報の内、待
避情報に対応する部分はその待避情報に更新する。この
とき、加工した情報のすべてを加工前の情報に戻すこと
が本来のねらいに合致するが、必要に応じて加工した情
報の一部を加工前の情報に戻すようにしても良いし、戻
すのを分割して一部ずつ数回に分けるように処理しても
良い。つまり、本発明における復帰対象となる「加工さ
れた情報」とは、配信の際に加工した情報の少なくとも
一部であれば良い。これにより、正常な状態に復帰され
る。なお、待避情報は、本来メンテナンスする際に必要
のない情報であるため、修正情報として実際に修正され
ることは余り考えられないので、待避情報に更新しても
修正内容への影響はない。
【0018】本発明に係るリモートエンジニアリングシ
ステムは、上記した情報配信装置と、外部システムが通
信網を介して接続されて構成されるリモートエンジニア
リングシステムである。そして、前記情報配信装置は、
所定の条件に合致した場合に、自己が管理する管理領域
内の装置が持つ情報を前記外部システムに向けて配信す
るに際し、前記見せられない情報に対しては前記情報加
工手段を稼働して見せても問題ない内容に加工した状態
で配信するようにした。外部システムは、実施の形態で
は、ベンダーに設置しているが、メンテナンス会社(図
示せず)にも設置しても良い。
【0019】また、上記した待避記憶手段や更新手段を
備えた情報配信装置と、外部システムが通信網を介して
接続されて構成されるリモートエンジニアリングシステ
ムとしては、前記情報配信装置は、所定の条件に合致し
た場合に、自己が管理する管理領域内の装置が持つ情報
を前記外部システムに向けて配信するに際し、前記見せ
られない情報に対しては前記情報加工手段を稼働して見
せても問題ない内容に加工した状態で配信し、かつ、前
記情報配信装置は、前記情報加工手段で加工された情報
の加工前の情報を待避情報として一時的に保持してお
く。そして、前記外部システムは、受信した情報に基づ
き、前記装置が正常に動作するための修正情報を生成す
るとともに、その生成した修正情報を前記情報配信装置
を介して前記装置にダウンロードする。さらに、そのダ
ウンロードの際に、前記情報配信装置は、前記待避情報
に基づき、前記加工された情報を加工前の情報に更新す
るようにするとよい。
【0020】上記した各構成を採ることにより、ベンダ
ーなどの外部システムとの間で、秘密漏洩のおそれがな
い、安全なリモート監視やリモートメンテナンス等のリ
モートエンジニアリングシステムを提供することができ
る。そして、装置の状態の監視やデータ分析は、遠隔地
にいる外部システム側で行え、故障の有無の判断や、故
障時のメンテナンスや通常時の保守メンテナンスも遠隔
地から行うことができ、また、仮に現地に行く場合で
も、予め装置の状態が分かっているので、エンジニア
は、適切な交換部品などを持って出かけることができ
る。従って、リアルタイム,迅速かつ高品質の対応(監
視,分析,メンテナンス等)が図れる。
【0021】さらに、前記情報配信装置と前記外部シス
テムとの間における情報の送受は、前記通信網に接続さ
れたデータベースを介して行うと効果が増す。ここで、
データベースは、実施の形態では、直接に接続するピア
toピアや個別のデータセンタ5の利用に対応する。こ
のデータベースとベンダー2とを合わせて外部システム
としても良い。
【0022】なお、上記した各発明では、見せない情報
は加工して配信するようにしたが、本発明はこれに限る
ことはなく、見せない情報を配信しなくても良い。具体
的には、情報配信装置としては、管理領域内の装置が持
つ情報を外部に配信する情報配信装置であって、前記情
報のうちの外部に見せない情報を識別するための定義情
報を記憶する定義情報記憶部と、前記装置が持つ前記情
報を収集する情報収集手段とを備え、その情報収集手段
で収集した前記情報を外部に配信するに際し、前記定義
情報に基づき前記見せない情報については、配信しない
ように構成することである。
【0023】そして、上記した発明を前提とし、前記配
信しない情報を待避情報として一時的に格納する待避記
憶手段と、前記配信した情報に基づいて、外部システム
で修正処理をして生成された修正情報を前記管理領域内
の装置にダウンロードするに際し、前記待避記憶手段に
格納した前記待避情報に基づき、前記加工された情報に
前記配信しなかった情報を追加する復帰処理をする復帰
手段を備えるようにしてもよい。
【0024】一方、本発明に係るリモートエンジニアリ
ングシステムでは、上記した情報配信装置と、外部シス
テムが通信網を介して接続されて構成されるリモートエ
ンジニアリングシステムであって、前記情報配信装置
は、所定の条件に合致した場合に、自己が管理する管理
領域内の装置が持つ情報を前記外部システムに向けて配
信するに際し、前記見せない情報を除いて配信するよう
にすることである。
【0025】さらに、待避記憶手段を備えた前記情報配
信装置と、外部システムが通信網を介して接続されて構
成されるリモートエンジニアリングシステムあって、前
記情報配信装置は、所定の条件に合致した場合に、自己
が管理する管理領域内の装置が持つ情報を前記外部シス
テムに向けて配信するに際し、前記見せない情報を除き
配信し、かつ、前記情報配信装置は、前記配信しなかっ
た情報を待避情報として一時的に保持しておき、前記外
部システムは、受信した情報に基づき、前記装置が正常
に動作するための修正情報を生成するとともに、その生
成した修正情報を前記情報配信装置を介して前記装置に
ダウンロードし、そのダウンロードの際に、前記情報配
信装置は、前記待避情報に基づき、前記加工された情報
に前記配信しなかった情報を追加する復帰処理をするよ
うにすることもできる。
【0026】このように、見せない情報は、加工して配
信しても良いし、配信処理辞退をしなくても良く、さら
にはそれらを混在させることもできる。そして、加工し
て配信するようにした場合には、外部システム側で、P
LCなどのデータ入力やデータの存在を確かめることが
できるというメリットを有する。つまり、何かしらの故
障でデータが未入力で「無し」になっているのか、デー
タは入力されているがモザイク処理で空白なのかを区別
することができる。
【0027】なお、この発明はFAシステムに限らず、
情報システム全般に利用できる。例えば、SGML,H
TML,XMLでデータを送るとき、タグとしての定義
内容のうち、外部に見せたくない情報にモザイク処理を
して見せないようにするものにも利用できる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は、本発明が適用されるシス
テムの一例を示している。FAシステム等が設置される
工場(現場)1と、その工場に設置されたシステムのメ
ンテナンスを行うベンダー2は、通信網3を経由して情
報の送受が行えるようになっている。より具体的には、
工場1側では、所定のプロバイダー4を介して通信網3
に接続を図り、さらに実際の情報の送受は、データセン
タ5を介して行うようにしている。
【0029】このデータセンタ5は、装置のベンダー2
がユーザである工場(現場)1の設備を遠隔でサポート
するために必要な機能を共有化するための環境を提供す
るもので、工場1からの情報は、一旦このデータセンタ
5に格納され、ベンダー2はデータセンタ5にアクセス
し、前記工場1からの情報を取得することにより、装置
の状態を監視したり、必要に応じてデータセンタ5を経
由して修正データ(プログラム)の更新等のメンテナン
スを行う環境が設定される。なお、このデータセンタ5
が自発的にデータをベンダー2へ配信するようにしても
良い。。
【0030】工場1内に設置されたネットワークシステ
ム(FAシステム)の一例としては、図1に示すよう
に、異なる種類のネットワークに接続され、通信プロト
コルの相違を吸収し、それら各ネットワークに接続され
た装置間でのデータの送受を可能にするとともに、各ネ
ットワークに接続された装置のデータを収集するデータ
収集ユニット20を備えている。このデータ収集ユニッ
ト20は、サーバ機能と、異種ネットワーク間における
通信ゲートウェイ機能とを備えている。
【0031】このデータ収集ユニット20は、イーサネ
ット(登録商標)等の情報系ネットワーク15aや、R
S232C等のシリアル系ネットワーク15b並びにD
eviceNet(登録商標)などの制御系ネットワー
クであるフィールドバス(フィールドネットワーク)1
5c等が接続されている。さらに、上記したプロバイダ
ー4とも通信をするようになっている。つまり、このデ
ータ収集ユニット20を介して、工場1の内部と、外部
との間でデータの送受を可能とするもので、ファイアウ
ォールの機能も実装している。図中ではプロバイダ4を
設けているが、省略しても良い。
【0032】さらに、工場1内のネットワークシステム
は、制御対象機器をコントロールするPLC10や、F
A機器の監視,制御や実績収集,帳票作成に適したデー
タ収集システム(SCADA:Supervisory
Control AndData Acquisit
ion)11,分散制御システム(DCS:Distr
ibuted Control System)12等
の各種装置を備え、それらの装置が情報系ネットワーク
15aに接続されている。また、シリアル系ネットワー
ク15bにはシリアルの通信機器13が接続され、フィ
ールドバス15cには、フィールド機器14が接続され
ている。なお、各ネットワーク15aから15cに接続
される各種装置の構成並びに、それらのネットワークシ
ステムにおける動作・役割などは、従来と同様であるの
でその詳細な説明を省略する。さらになお、データ収集
ユニット20に接続するネットワークは、上記のものに
限ることはなく、例えば、パラレル通信やUSB,GP
IB,セントロニクス,IEEE1394等のネットワ
ークとしても良い。もちろん符号15bのネットワーク
をそれら他のネットワークにした場合には、符号13は
それに対応した機器としても良い。
【0033】また、この図1に示すシステム構成では、
データセンタ5を介して工場(ユーザ)1とベンダー2
との間で情報の送受を行うようにしたが、本発明はこれ
に限ることはなく、直接両者間で情報の送受を行うよう
にしても良い。例えば、通信網3に接続されたベンダー
2のサーバなどを24時間稼働させておき、通信網3を
経由して、工場1の情報を係るサーバに書き込むことに
より、ベンダー2側では24時間監視し、必要に応じて
メンテナンスをすることができる。
【0034】さらには、情報の送受をする際に使用する
通信網として、インターネットや、例えば図2に示すよ
うなIP網3′を使用することもできる。係る場合、ベ
ンダー2側のモニタリング装置2aを用い、工場側から
指定されたIPアドレスにより、データ収集ユニット2
0を介して、PLC10やデータ収集システム(パソコ
ン)11のメモリに格納された情報を直接的に読み書き
することができる。これにより、状態の監視や、不具合
時の補修などのメンテナンスを遠隔地から行うことがで
きる。また、パソコン通信のように電話回線を利用した
ピアtoピア方式でも良い。
【0035】データ収集ユニット20の内部構造は図3
のようになっている。すなわち、各ネットワーク15a
から15cにそれぞれ接続され、所定の通信プロトコル
によりデータの送受をするための各インタフェース21
aから21cと、各種処理を実行するためのCPU22
並びにメモリ23を備え、それらは内部バス24を介し
て接続されている。ここで言うメモリ23は、ROMと
RAMを含む(フラッシュROMでも良い)。つまり、
データ収集ユニット20が実行するアプリケーションプ
ログラムや、そのプログラムを実行する際に必要なデー
タが格納される。さらに係るプログラムの実行時のワー
クエリアとしても利用される。なお、インタフェース2
1は、ここではシリアルインタフェースとしているが、
前述のようにシリアル以外でも良い。
【0036】上記アプリケーションプログラムとして
は、各ネットワーク15aから15cを介して情報の送
受を行ったり、必要なデータ収集を行ったり、外部シス
テムと通信する機能等がある。この機能は、従来からあ
る一般的なものであるので、その詳細な説明を省略す
る。
【0037】ここで本発明では、データ収集ユニット2
0は、PLC10,データ収集システム11,分散制御
システム12,通信機器13並びにフィールド機器14
などから収集したデータ(生データ)をメモリ23の所
定エリアに格納するが、自発的或いはベンダー2などの
外部からの要求に応じて前記データを配信(送信)する
に際し、秘密にしたい部分はモザイク処理(マスク処理
とも称する)を施し、生データを見ることのできない状
態にした後で、実際に配信を行うようにしている。ここ
でいう「見せることができない状態」とは、何かしらの
データがあることは分かるものの、真のデータを見るこ
とができないことを言い、偽のデータに書き換えたり、
「*」等に書き換えるといった伏せ字の状態にするなど
の各種の加工手法が採れる。さらに、係る秘密にしたい
部分は、配信しないようにすることもできる。なお、モ
ザイク処理の対象となるデータとは、PLC10などか
ら送られる実際の稼働状態を示すデータ(I/Oデー
タ,測定値等)はもちろんのこと、そのデータの意味を
示すコメント(温度,時間,生産数など)など、各種の
製造情報を含むものである。
【0038】なお、「偽のデータ」とは、真のデータ
(真データ)に対する「偽」であり、加工データのこと
を指す。換言すると、ダミーデータの意味である。この
点は、以下の説明でも同じであり、「偽情報」や「偽コ
メント」や「偽I/Oコメント」等における「偽」も同
様である。る。
【0039】また、本実施の形態では、単に工場1側の
状態を発信するのみでなく、不具合が生じている場合に
は、リモートエンジニアリングシステムにより、遠隔地
にあるベンダー2にて作成した修正プログラムや修正デ
ータ(各種条件・定義等)などを、所定の通信網3,
3′を介して工場1側に伝送し、ダウンロードすること
により所定の更新処理をするといったメンテナンスを実
行できるようにしている。
【0040】このメンテナンスの際には、データ収集ユ
ニット20の機能で、メモリ23に修正プログラム並び
に修正データを格納し、データ収集ユニット20から所
定の装置に対して上記修正プログラム等をダウンロード
する。また、係る機能がない場合には、データ収集ユニ
ット20はゲートウェイでもあるので、係るデータ収集
ユニット20を介して所定の装置(PLC10など)の
メモリにアクセスし、データの更新を行うことになる。
【0041】なお、上記した配信の際にも説明した通
り、所定のデータ等はモザイク処理が施されており、ベ
ンダー2側では、そのモザイク処理されたデータに従っ
て修正処理をするため、修正プログラムや修正データ
は、モザイク処理された偽のデータ等を含むものとな
る。よって、係る加工データ等を含んだ修正プログラム
等をそのまま対応する装置にダウンロードすることにな
るので、そのまま装置を稼働すると正常に動作しない。
そこで、データ収集ユニット20は、メンテナンスモー
ド(つまり、修正するためのダウンロードを行うモー
ド)にある場合、少なくともモザイク処理した加工デー
タ等に対し、モザイク処理する前の真のデータ(生デー
タ)をメモリ23に記憶保持(スタック)させておき、
修正プログラム等をダウンロードされた後で、上記記憶
保持させておいた真のデータに基づいて修正プログラム
等の更正(復帰,逆モザイク処理)を行う。つまり、真
のデータに置き換える処理を実施する。これにより、装
置を正常に動作させることができる。
【0042】そして、上記した各処理を実施するための
具体的な機能は、以下の通りである。まず、メモリ23
のデータ構造は、図4に示すように、OSや、その他の
基本的な処理を実行するプログラムを記憶するシステム
エリアと、モザイク処理をするために必要な情報(モザ
イクする情報の特定並びに表示・提供する偽情報等)を
記憶する定義エリアと、アクセスを許可する正規のベン
ダーを特定するための顧客(ベンダー)IP等を記憶す
る顧客IP設定エリアと、PLC10等の装置から収集
する生データを格納するデータエリアと、メンテナンス
モードの際に、生産情報やI/Oコメントなどのモザイ
ク処理の対象となった真の情報を待避させるスタックエ
リアなどがある。
【0043】本実施の形態では、工場1(データ収集ユ
ニット20)から配信される情報として、製造情報の具
体的なデータ(測定値,原料名など)と、そのデータが
格納されているアドレス情報並びにそのデータが何につ
いてのデータであるかを特定する名前を関連付けて行う
ようになっている。名前については、見せて良い名前を
それぞれユーザが登録する方式を採ることができる。ま
た、PLCの場合には、ラダープログラム中にはI/O
コメントが付記されるので、係るコメントをそのまま名
前として採用する。これにより、各データ毎の名前の登
録処理が不要となり、初期設定に係る処理が簡易化され
る。但し、係るコメントも隠したい場合もあるので、加
工コメントとして名前を登録できる機能を持たせると良
い。
【0044】次に、モザイク処理対象のデータの特定
(定義)方式について説明する。本実施の形態では、テ
ーブル方式(アドレス範囲指定,アドレス単位指定)
と、タグ設定方式と、フラグ方式を用意しておき(各方
式の具体的な内容は後述)、ユーザ側で何れかひとつの
方式か、または複数の方式の混合利用かを選択して設定
することができるようにしている。
【0045】*テーブル方式(アドレス範囲指定) PLCにおけるデータアドレス範囲に対し、そのまま見
せるデータと見せないデータを格納するエリアを予め設
定し、ユーザプログラム等を作成する際に、各データの
種類(モザイク処理の有無)を判断し、格納エリアを設
定する。例えば、図5に示すように、DM00からDM
50のエリア範囲を見せるデータと事前定義し、DM5
1からDM100のエリア範囲を見せない(モザイク処
理する)データと事前定義する。なお、実際の指定は一
方の種類のみ設定することにより、設定されなかった残
りの範囲は自動的の他方の種類とすることができる。ま
た、指定するエリア範囲は、必ずしも2分割するのでは
なく、例えば全体でDM00からDM100までの記憶
エリアが存在する場合に、DM00からDM10とDM
50からDM70までを見せるデータエリアとし、他の
部分を見せないデータエリアとするように、各種類を1
つ、または複数箇所に分割して設定することもかまわな
い。
【0046】また、PLCの場合、ラダープログラム上
でI/Oコメントが付記されることがあるので、このコ
メントもベンダー2のモニタリング装置2aに出力表示
される。このとき、データを見せるデータアドレス範囲
のものは、I/Oコメントをそのまま表示し、データを
見せないデータアドレス範囲のものは、I/Oコメント
を表示しないようにする。具体的には、全てのI/Oコ
メントを「*」としたり、表示しない(空欄、いわゆる
NULLデータやスペースデータを送る)とすることが
できる。図5に示す設定の場合、ベンダー2側の画面
は、例えば図6に示すように表示される。なお、以下の
例も同様であるが、図5中データの欄は、説明の便宜上
示したが、実際の稼働中にデータ収集し、メモリ23の
データエリアに格納するものであり、定義エリアに格納
するモザイク処理のための情報としては、少なくともデ
ータの欄は不要で、見せる/見せないデータのアドレス
範囲を特定する情報が有ればよい。そして、好ましくは
表示する真または偽のI/Oコメントも各アドレスと関
連付けて定義エリアに登録することである。
【0047】*テーブル方式 システム導入後ユーザが自由にアドレス単位毎にデータ
の配信について、モザイク処理をかけるか否かの設定を
行う方式である。つまり、図7に示すように、アドレス
毎に配信し、画面に表示するコメントと、データ表示の
有効/無効を関連付けたモザイク処理情報をテーブル形
式で生成し、メモリ23の定義エリアに格納する。具体
的には、ツール装置などの設定画面上に図7に示すよう
なテーブル(当初は表示コメント,有効/無効の欄は空
欄&データの欄は無し)を表示しておき、アドレスに対
応する真コメントの欄は、コメントを読み出して表示す
る。
【0048】この状態において、ユーザは、真コメント
を見てそのまま表示したくない場合には、表示コメント
の欄に偽コメント(つまり、加工コメント)を登録す
る。本実施の形態では、先頭に「*」を付加するように
している。また、見せて良いコメントの場合には、真コ
メントをそのまま登録する。さらに、有効/無効の欄に
は、見せて良いデータの場合には「○」を、見せていけ
ない場合には「×」を入力する。
【0049】コメント(名前)とデータのそれぞれにつ
いて、見せる/見せない(モザイク処理する/しない)
の設定ができる。よって、図7に示すように、コメン
トとデータの両方とも見せない(DM00,DM10
0),コメントは見せるがデータは見せない,コメ
ントは見せないがデータは見せる(DM10),コメ
ントとデータの両方とも見せる(DM05)のパターン
がある。さらに、見せない場合に、DM100のよう
に、全く表示しないものと、DM00のように関係のな
いコメントを表示させたり、DM10のように関連する
名称を表示するなど、ユーザ側の指定により各種の形態
を取ることができる。
【0050】そして、図7に示すように設定した場合、
ベンダー2側の表示画面は、図8に示すようになる。な
お、同じデータに対し、工場1内の現場での画面は、図
9に示すように真コメントと生データを表示するように
なる(アドレス非表示)。
【0051】*タグ設定方式 データ毎にタグを設定し、必要に応じてモザイク処理を
する。すなわち、例えばデータ収集システム11や分散
制御システム12のように、監視対象の装置がパソコン
のような場合、各データに対して名前を付加するため
に、Tagナンバーとデータアドレス並びに名前、さら
にデータの有効/無効(見せる/見せない)を関連付け
てユーザが登録する。
【0052】そして、係るタグ設定されたモザイク処理
情報は、メモリ23の定義エリアに格納され、実際のモ
ザイク処理をする場合には、アドレスで指定されるデー
タを抽出し、図11に示すような画面表示をする。な
お、図11中「データ」とは、実際にはアドレスで指定
された生データを出力表示することになる。なお、コメ
ントを備えている場合に対してこのタグ設定方式を適用
してももちろん良い。
【0053】*フラグ方式 各データの先頭にそのデータを見せるか否かを規定する
フラグ設定をする。具体的には、図12に示すように、
データとともに表示する名前をフラグとして兼用し、名
前の先頭に「*」を付加した場合にはデータを見せない
ようにする。
【0054】そして、係るフラグ設定されたモザイク処
理情報は、メモリ23の定義エリアに格納され、実際の
モザイク処理をする場合には、アドレスで指定されるデ
ータを抽出し、図13に示すような画面表示をする。こ
の例では、フラグが、そのまま画面の名前として使用さ
れる。そして、フラグに「*」が存在している場合に
は、データを見せたくないことを意味しているので、デ
ータ自体を出力しない。また、フラグの名前は、ユーザ
が自由に設定できるので、真コメントなどが存在する場
合、それを見せても良い場合には、フラグにそのまま格
納し、見せたくない場合には、偽コメントなどを格納す
ればよい。
【0055】次に、CPU22の具体的な機能について
説明する。このCPU22には、モザイク処理をするた
めに必要な各種定義(初期設定)を行う定義ファイル作
成機能と、システム稼働中において、所定の条件に合致
した場合にモザイク処理をしてデータを配信する機能を
備えている。さらに、データを配信する機能は、より具
体的には、ベンダー2側での監視のためにデータを出力
する通常配信モードと、工場1内の装置が持つプログラ
ムやデータ等の情報を修正(メンテナンス)するメンテ
ナンスモードがあり、各モードにより配信する際の前処
理並びに後処理が異なる。具体的な一例としては、図1
4以降に示すプログラムを実施するようになっている。
【0056】定義ファイル作成機能は、図14に示すよ
うに、ツール側(図示せず)でステップ1からステップ
7間での処理を順次実行して定義ファイルを作成する。
つまり、まず、モザイク処理する際の方式(テーブル方
式/タグ方式/フラグ方式)を選択する(ST1)。こ
れは、ツールのモニターに表示するメニュー画面から選
択する。
【0057】次に、必要情報を作成する(ST2)。つ
まり、配信先,メンテナンスを許可するベンダー2に関
する情報(ベンダーが持つモニタリング装置2aのI
P,IDやパスワード等の正規のベンダーを認識するた
めの情報等)や、データセンタ5へアクセスするための
情報や、自発的にデータを配信する場合には、その配信
処理をするイベント情報(配信時刻,異常時等の配信条
件)等を入力する。なお、イベント情報などは、以下の
モザイク定義情報として入力するようにしても良い。
【0058】次いで、モザイク定義情報(つまり定義フ
ァイル)を作成する(ST3)。すなわち、選択された
方式に応じた必要な情報を取得し、モザイク情報の入力
画面を表示する。つまり、監視・メンテナンス対象とな
る装置(PLC10,各種システムを搭載したパソコン
等)のメモリ情報(アドレスとそれに割り付けられたデ
ータに関する情報等)を読み出し、図5,図7,図1
0,図12のような入力画面を出力表示する(例えば、
表形式表示)。このとき、不明な部分は空欄のままとす
る。そして、ベンダー2に配信する情報の登録をする。
具体的には、前処理で表示した入力画面中の空欄の部分
に必要な情報を登録する。
【0059】一例を示すと、テーブル方式の場合には、
見せてもよいデータを登録するアドレス範囲と見せては
いけないデータを登録するアドレス範囲を指定し、テー
ブル方式の場合には、各データ毎にデータを見せて良い
か否かの設定(有効/無効の欄に○/×を入力)を行う
とともに、各データ毎に表示するコメント(真コメント
or偽コメント)を設定する。また、タグ方式の場合に
は、タグ名とそれに割り付けるアドレスがステップ2で
行われているので、各タグ毎に表示する名前,データの
有効/無効情報を登録する。さらに、フラグ方式の場合
には、フラグを付加する。また、配信先のベンダーを特
定するための情報(IP,ID,パスワードなど)も併
せて入力する。
【0060】定義ファイルを確定し、ツール側で係る定
義ファイルを記憶保持する(ST4,ST5)。そし
て、データ収集ユニットの動作を停止し(ST6)、そ
のデータ収集ユニットに対して前記確定した定義ファイ
ルや必要情報をダウンロードする(ST7)。ここまで
がツール側での処理である。
【0061】データ収集ユニット20のCPU22は、
上記ダウンロードされてきた必要情報並びに定義ファイ
ルをそれぞれメモリ23のIP設定エリアや定義エリア
などの所望の記憶領域に記憶させる(ST8)。そし
て、ツールの設定モードを解除し、データ収集ユニット
20の動作を開始する(ST9)ことにより、定義ファ
イル作成処理を終了する。
【0062】通常のシステム稼働時におけるデータ配信
機能は、図15以降に示すフローチャートを実行するよ
うになっている。すなわち、データ収集ユニット20が
運転モードで、データ収集機能やゲートウェイ機能など
の通常動作をする(ST10)。接続された各装置から
送られる情報に基づき異常の有無を判断する(ST1
1)。そして、異常があった場合には、その異常データ
を記憶する(ST12)。ここでは、異常をトリガとし
て配信イベントとしているが、常時か定時刻ごとに配信
イベントの処理をしたり、特定のPLCのI/Oの立上
がりなどをトリガとして配信イベント処理をしても良
い。
【0063】次いで、配信イベントになったか否かを判
断する(ST13)。つまり、リモート(ベンダー2や
データセンタ5等)からの要求の有無や、自発的に配信
する条件に合致したか否かを判断する。そして、配信イ
ベントでない場合には、ステップ10に戻り、上記処理
を繰り返し実行する。また、配信イベントになった場合
には、ステップ14に進み、モードを確認する(ST1
4)。つまり、単にデータを配信する通常配信モード
か、メンテナンスモードかを判断する。なお、メンテナ
ンスモードへの切替えは、実際には工場現場の人間が手
動で行うようにしたほうが望ましい。
【0064】通常配信モードの場合、ステップ16に進
み、配信先を確認し、PLCのデータメモリ(DM),
ユーザメモリ(UM)や、その他の装置の所定アドレス
に格納されたデータや、異常データ等の指定データを収
集し、収集したデータをメモリ23のデータエリアに一
時記憶する(ST16からST18)。
【0065】モザイク処理方式を確認し、メモリ23の
定義エリアを参照し、モザイク処理情報(定義ファイ
ル)を取得し、モザイク処理をするデータを確認する
(ST19,ST20)。そして、その定義ファイルに
従ってモザイク処理をし、見せてはいけないデータ等を
見せない状態(何かしらのデータがあることは分かる)
に加工する(ST21)。そして、モザイク処理(デー
タ加工)後の加工データをメモリ23に記憶させ(ST
22)、その加工データと、ステップ17で収集した異
常データを配信先へ送信する。
【0066】一方、ステップ14の分岐判断で、メンテ
ナンスモードの場合、図16に示すステップ24に飛
び、PLCなどの少なくともメンテナンス対象の装置を
一時停止する。実際には、工場にて現場の人間が制御シ
ステムを停止するようにしたほうが望ましい。そして、
メンテナンス対象の装置(PLCなど)から、生デー
タ,コメント等を読み出し、メモリ23のスタックエリ
アに格納(待避)する。ここで待避対象のデータ等とし
ては、少なくともベンダー2に対して見せないデータ
(コメントを含む)に対応する真のデータ(生データ,
真コメント等)とする。
【0067】次いで、モザイク処理を行い、隠しデータ
を作成する(ST27)。この隠しデータは、基本的に
は上記した通常配信モードの時に行ったモザイク処理に
伴う加工データと同じである。但し、本実施の形態で
は、この隠しデータをそのまま(データ収集ユニット2
0から)メンテナンス先のベンダー2(データセンタ5
経由を含む)に送るのではなく、一旦PLC10などの
メンテナンス対象の装置のメモリに格納し、その装置の
メモリに対してアクセスしてメンテナンスを行うため、
見せないデータについてモザイク処理をすればよい。
【0068】生成した隠しデータをPLC10などのメ
ンテナンス対象の装置へダウンロードする(ST2
7)。ダウンロードが完了したならば(ST28でYe
s)、PLC等への通信、つまり、データ収集ユニット
20のゲートウェイ機能による外部(ベンダー2のモニ
タリング装置2a等)からデータ収集ユニット20経由
での当該装置のメモリに対するアクセスを許可する(S
T29)。
【0069】これにより、ベンダー2は、メモリに記憶
されたモザイク処理後のデータ(プログラムを含む)を
アップロード(配信)してモニタリング装置2a等に取
り込み、必要な修正を行った(ベンダー2側の処理機能
は後述する)後、係る修正データ(修正プログラム)を
当該PLC等の装置にダウンロードする。従って、デー
タ収集ユニット20のCPU22では、係るPLC10
等とベンダー2のモニタリング装置2a間でのデータの
通信を行なう(ST30)。
【0070】そして、修正データ等のダウンロードが完
了したならば(ST31でYes)、通信を不許可にす
る(ST32)。次いで、メモリ23のスタックエリア
に格納しておいた待避データ(生データ,真コメント
等)を読み出し(ST33)、データの復帰(逆モザイ
ク処理)を行う(ST34)。つまり、ダウンロードさ
れたメンテナンス後のデータは、モザイク処理してベン
ダーに隠したデータ(加工データ)に基づいて行われて
いるので、係る隠したデータを生データ,真コメントに
戻す処理を行う。生データについては、アドレスが分か
っているので、係るアドレスに対して上書き処理をする
ことにより復帰処理ができる。コメントもモザイク処理
情報にて、真コメントと偽コメントが分かっているの
で、対応する真コメントに戻す。
【0071】このデータ復帰処理が終了したならば、ス
テップ24で一時停止したPLC10などを再起動させ
る(ST35)。これにより、メンテナンスされた修正
プログラム(隠しデータに基づく更正済み)等に基づ
き、安定したシステムの稼働を行うことができる。実際
には工場にて現場の人間が制御システム,PLCを再起
動させるようにするのが望ましい。
【0072】図17は、ベンダー2側の処理の一例を示
している。同図に示すように、モニタリングにより、デ
ータ収集ユニット20から直接或いはデータセンタ5経
由で監視対象の装置のデータを受信し(このとき、メモ
リに格納する)、モニタリング装置2aのモニタに表示
する(ST40,ST41)。そして、メンテナンスモ
ードでない場合(ST42でNo)には、その表示され
た内容を見て状態の監視と分析を行う。
【0073】一方、メンテナンスモードの場合(ST4
2でYes)、取得したデータ等に基づき、メンテナン
ス処理を行う(ST43)。つまり、プログラム,デー
タを検証し、不具合点を解消した修正プログラム,修正
データを作成する。そして、係る修正した内容(処理デ
ータ)を、モニタリング装置2a側で記憶保持し(ST
44)、その修正プログラム,修正データを、データ収
集ユニット20を経由して、メンテナンス対象の装置の
メモリにダウンロードする(ST45)。
【0074】なお、データ収集ユニット20側では、係
る修正データを受信すると、内部をスルーしてPLC1
0などのメンテナンス対象の装置にダウンロードし、そ
の後、隠しデータの復帰処理を行う。
【0075】
【発明の効果】以上のように、この発明では、定義情報
により、外部に見せたくない情報が定義されているた
め、その定義された情報は、外部に配信される際には、
適宜加工された状態になるので、ユーザが秘密にしたい
情報を見せることなく、監視,分析,メンテナンス,保
守などに必要な情報を外部にむけて配信可能(外部から
アクセス可能)にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるシステム全体の一例を示す
図である。
【図2】本発明が適用されるシステム全体の他の例を示
す図である。
【図3】データ収集ユニットの内部構成の一例を示す図
である。
【図4】データ収集ユニットにおけるメモリのデータ構
造の一例を示す図である。
【図5】テーブル方式を説明する図である。
【図6】図5で設定された場合のベンダー側に表示され
る画面の一例を示す図である。
【図7】テーブル方式を説明する図である。
【図8】図7で設定された場合のベンダー側に表示され
る画面の一例を示す図である。
【図9】図5で設定された場合の工場側に表示される画
面の一例を示す図である。
【図10】タグ方式を説明する図である。
【図11】図10で設定された場合のベンダー側に表示
される画面の一例を示す図である。
【図12】フラグ方式を説明する図である。
【図13】図12で設定された場合のベンダー側に表示
される画面の一例を示す図である。
【図14】定義ファイル作成の処理を示すフローチャー
トである。
【図15】データ収集ユニットのCPUの機能を示すフ
ローチャートである。
【図16】データ収集ユニットのCPUの機能を示すフ
ローチャートである。
【図17】ベンダーのモニタリング装置の機能を示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
1 工場 2 ベンダー 2a モニタリング装置 3 インターネット 3′ IP網 4 プロバイダー 5 データセンタ 10 PLC 11 データ収集システム(SCADA) 12 分散制御システム(DCS) 13 通信機器 14 フィールド機器 15a 情報系ネットワーク 15b シリアル系ネットワーク 15c フィールドバス 20 データ収集ユニット 21aから21c インタフェース 22 CPU 23 メモリ 24 内部バス
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06F 17/40 320 G06F 17/40 320G H04N 1/00 106 H04N 1/00 106C (72)発明者 鹿間 恵一郎 京都府京都市下京区塩小路通堀川東入南不 動堂町801番地 オムロン株式会社内 (72)発明者 横川 隆志 京都府京都市下京区塩小路通堀川東入南不 動堂町801番地 オムロン株式会社内 Fターム(参考) 5B089 GA11 GB02 JA35 JA36 JB17 JB22 KA17 KC57 KH04 MC02 5C062 AA14 AA29 AB38 AB42 AC41 AC42 AC43 AC56 AF00 BA04 BC03 5H223 AA05 DD07 DD09 EE30 5K048 AA15 BA23 DC07 EB12 HA02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管理領域内の装置が持つ情報を外部に配
    信する情報配信装置であって、 前記情報のうちの外部に見せない情報を識別するための
    定義情報を記憶する定義情報記憶部と、 前記装置が持つ前記情報を収集する情報収集手段と、 前記定義情報に基づき、前記収集した情報に対し、見せ
    ても問題ない内容に加工する情報加工手段と、 前記情報を外部に配信するに際し、前記見せない情報に
    ついては、前記情報加工手段で加工された情報を配信す
    る手段を備えた情報配信装置。
  2. 【請求項2】 前記配信する情報は、その情報が格納さ
    れるアドレス情報を含み、そのアドレス情報は、前記見
    せない情報であるか否かを問わず、情報加工をすること
    なく配信することを特徴とする請求項1に記載の情報配
    信装置。
  3. 【請求項3】 前記定義情報における前記外部に見せな
    い情報は、情報毎に設定するか、或いは、アドレス範囲
    で設定することを特徴とする請求項1または2に記載の
    情報収集装置。
  4. 【請求項4】 前記情報加工手段で加工された情報の加
    工前の情報を待避情報として一時的に格納する待避記憶
    手段と、 前記加工された情報を含む情報に基づいて、外部システ
    ムで修正処理をして生成された修正情報を前記管理領域
    内の装置にダウンロードするに際し、前記待避記憶手段
    に格納した前記待避情報に基づき、前記加工された情報
    を加工前の情報に復帰する復帰手段を備えたことを特徴
    とする請求項1から3の何れか1項に記載の情報配信装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1から4の何れか1項に記載の情
    報配信装置と、外部システムが通信網を介して接続され
    て構成されるリモートエンジニアリングシステムであっ
    て、 前記情報配信装置は、所定の条件に合致した場合に、自
    己が管理する管理領域内の装置が持つ情報を前記外部シ
    ステムに向けて配信するに際し、前記見せない情報に対
    しては前記情報加工手段を稼働して見せても問題ない内
    容に加工した状態で配信するリモートエンジニアリング
    システム。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の情報配信装置と、外部
    システムが通信網を介して接続されて構成されるリモー
    トエンジニアリングシステムあって、 前記情報配信装置は、所定の条件に合致した場合に、自
    己が管理する管理領域内の装置が持つ情報を前記外部シ
    ステムに向けて配信するに際し、前記見せない情報に対
    しては前記情報加工手段を稼働して見せても問題ない内
    容に加工した状態で配信し、 かつ、前記情報配信装置は、前記情報加工手段で加工さ
    れた情報の加工前の情報を待避情報として一時的に保持
    しておき、 前記外部システムは、受信した情報に基づき、前記装置
    が正常に動作するための修正情報を生成するとともに、
    その生成した修正情報を前記情報配信装置を介して前記
    装置にダウンロードし、 そのダウンロードの際に、前記情報配信装置は、前記待
    避情報に基づき、前記加工された情報を加工前の情報に
    復帰するようにしたことを特徴とするリモートエンジニ
    アリングシステム。
  7. 【請求項7】 管理領域内の装置が持つ情報を外部に配
    信する情報配信装置であって、 前記情報のうちの外部に見せない情報を識別するための
    定義情報を記憶する定義情報記憶部と、 前記装置が持つ前記情報を収集する情報収集手段とを備
    え、 その情報収集手段で収集した前記情報を外部に配信する
    に際し、前記定義情報に基づき前記見せない情報につい
    ては、配信しないようにすることを特徴とする情報配信
    装置。
  8. 【請求項8】 前記配信しない情報を待避情報として一
    時的に格納する待避記憶手段と、 前記配信した情報に基づいて、外部システムで修正処理
    をして生成された修正情報を前記管理領域内の装置にダ
    ウンロードするに際し、前記待避記憶手段に格納した前
    記待避情報に基づき、前記加工された情報に前記配信し
    なかった情報を追加する復帰処理をする復帰手段を備え
    たことを特徴とする請求項7に記載の情報配信装置。
  9. 【請求項9】 請求項7または8に記載の情報配信装置
    と、外部システムが通信網を介して接続されて構成され
    るリモートエンジニアリングシステムであって、 前記情報配信装置は、所定の条件に合致した場合に、自
    己が管理する管理領域内の装置が持つ情報を前記外部シ
    ステムに向けて配信するに際し、前記見せない情報を除
    いて配信するようにしたリモートエンジニアリングシス
    テム。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載の情報配信装置と、外
    部システムが通信網を介して接続されて構成されるリモ
    ートエンジニアリングシステムあって、 前記情報配信装置は、所定の条件に合致した場合に、自
    己が管理する管理領域内の装置が持つ情報を前記外部シ
    ステムに向けて配信するに際し、前記見せない情報を除
    き配信し、 かつ、前記情報配信装置は、前記配信しなかった情報を
    待避情報として一時的に保持しておき、 前記外部システムは、受信した情報に基づき、前記装置
    が正常に動作するための修正情報を生成するとともに、
    その生成した修正情報を前記情報配信装置を介して前記
    装置にダウンロードし、 そのダウンロードの際に、前記情報配信装置は、前記待
    避情報に基づき、前記加工された情報に前記配信しなか
    った情報を追加する復帰処理をするようにしたことを特
    徴とするリモートエンジニアリングシステム。
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