JP2003198214A - 基板上に作成される擬似同軸伝送装置 - Google Patents

基板上に作成される擬似同軸伝送装置

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 基板上に形成された擬似同軸伝送線を、基板
上において直角に交差させることを可能とする擬似同軸
伝送装置を提供する。 【解決手段】 基板2と基板2上に、アース面3,KQ
誘電材料の下半分層4,中心導体5,KQ誘電材料の上
半分層6及び上半分アースシールド7より構成された第
一の擬似同軸伝送線と基板2上で直角に交差する擬似同
軸伝送線で、アース面3,KQ誘電材料の下半分層9,
中心導体10,KQ誘電材料の上半分層11及び上半分
アースシールド12より構成される第二の擬似同軸伝送
線とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に作成され
る擬似同軸伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】関連特許の参照 米国特許第6,255,730B1(Dove、Cas
ey及びBlume;2001年7月3日発行)は、最
近の誘電体材料の出現により可能となった様々な圧膜技
術について記載したものである。これらはHeraeu
s Cermalloy社(24 Union Hil
l Road,West Conshohocken,
Pa)の製品であるKQ−120及びKQ−CL907
406である。以下、これらについて本願においては、
「KQ誘電体」又は単に「KQ」と呼ぶものとする。具
体的に説明すると、この特許は「被包性(encapsulate
d)」のマイクロストリップ伝送線について記載してい
る。本開示は、これまで実用化することができなかった
「被包性」マイクロストリップ伝送線に関連した、新規
性及び有用性が更に高い厚膜技術に関するものであり、
これらのKQ誘電体材料と共に用いることができるもの
である。よって米国特許第6,255,730B1号は
この参照により本願に含まれるものである。基板と、そ
の上の様々な厚膜構造から成り、これらの構造が複数の
ICへと相互接続される「ハイブリッド」回路は、「コ
ンポーネント」ICから機能的に複雑な高周波組立部品
を作成する為の技術として関心を惹いている。これらの
ICの相互接続、或いは外部環境への接続においては、
伝送線の使用が必要となる、或いは望ましい場合が多々
ある。特に興味深いケースは、伝送線が先の特許に記載
された被包性のマイクロストリップタイプのものである
場合である。先の特許においては、「被包性」という語
を使用した場合、伝送線(実施例においてはマイクロス
トリップとも呼ばれている)が、完全にシールドされて
いるということを意味し、アース部分により中心導体の
周囲が完全に覆われているものである。これは、その断
面が軸を中心に対称を成すものでは無い為、我々が通常
「同軸」伝送線と呼ぶものと全く同じものであるとは言
えない。これは、その断面を見た場合、円と大きな点で
はなく、線と台形を呈しているのである。しかしながら
利便性の面から、これ(‘730B1特許の「被包性」
伝送線)を「擬似同軸(quasi-coaxial)」伝送線(こ
れは幅0.050x長さ0.010又は0.015イン
チ程のものである)と呼ぶことは適切であると判断す
る。
【0003】以下において擬似同軸伝送線の各部分を説
明する際、実用的な用語を使用するものとする。これは
下半分(bottom-half)のアースシールド有している(ア
ース面全体のうち、擬似同軸伝送線に覆われた部分、又
は擬似同軸伝送線が辿る経路に沿って曲がりくねる帯状
の金属部分に相当する)。その上には、KQ誘電材料層
の下半分があり、その上には中心導体である(より細
い)金属層があり、その上にKQ誘電材料層の上半分
(KQ誘電材料層の下半分よりも細く、中心導体よりも
常に太いことが望ましい)があり、これら全てがアース
シールドの上半分(top-half)により封止されており、ア
ースシールドの上半分の端部はアースシールドの下半分
と接触している。これらのような用語は、先に述べた
‘730B1特許にはみられないものであり、オプショ
ンの負荷抵抗(210)も省略してあるが、この特許の
図2及びこれに関する説明と完全に同じものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】よって、ここに相互接
続を行う擬似同軸伝送線を持つハイブリッド回路が設け
られている。更に、プリント回路基板のレイアウトを考
えるものにとってはよく知られている古い問題がある。
即ち、2本のトレースを交差させる必要があり、レイア
ウトの容量の問題から、これを回避する他の方法が無い
場合である。本擬似同軸伝送線においても基板上で同じ
状況が生じる場合がある。即ち、その中の1つを1つ以
上の他の伝送線と交差させる必要が生じた場合である。
「ポップスルー(pop-thru)」およびバイア(via)は
信号を基板の一方の側から他方へとルーティングする方
法であり、2つの経路が基板の反対側にあるお陰で交差
が可能となっている。この解決策は多くの理由から、高
価なものであり(取り付け及び熱の除去という目的にお
いては、基板の一方の側にはなにも設けないことが非常
に好ましいこと等から、セラミック基板に開口を設ける
ことは最後の手段である)、伝送線自体への影響も大き
いことは言うまでも無い。即ち、基板の一方の側から他
方へと転移させるということは、あらゆる可能性におい
て厳しい不連続性を生じることになりかねない為であ
る。他の解決法として、短い導体(例えば小さな同軸ケ
ーブル)を用いてブリッジすることにより1つの伝送線
に他の伝送線上をジャンプさせるという方法があるが、
これにも独特の大きな欠点がある。どうするべきか?
【0005】
【課題を解決するための手段】基板上に設けられた擬似
同軸伝送線を交差させるという問題の解決策は、まず、
基板レベルに維持すべき全ての擬似同軸伝送線を製作
し、そして「交差」させるというものである。これには
2つの場合が考えられる。本質的な金属性のアース面で
基板を覆う場合と、各擬似同軸伝送線が、それぞれ独自
の曲折した下半分のアースシールドを持っている場合で
ある。いずれの場合においても、交差された擬似同軸伝
送線が完成すると、アースである基板に設けられた金属
に上半分のアースシールドが接続することになる。本質
的なアース面を使用した場合、虫の来襲(infestation
of worms)のように見えることになる。アース面が無い
場合、上を交差させる擬似同軸伝送線の「交差部」に
は、その下半分アースシールドが適用されることにな
る。これは、その経路にある交差させるべき擬似同軸伝
送線の上半分アースシールドの上を通すことができる。
アース面が存在する場合、アースは既に全ての箇所に存
在しているため、このステップは必要ない。ここで、K
Q誘電材料の下半分の層が、交差する擬似同軸伝送線の
経路に沿って設けられる(交差される全ての擬似同軸伝
送線の直上を含む)。このKQ誘電材料の下半分の層上
には、交差する擬似同軸伝送線の中心導体となる金属層
が設けられる。その後、KQ誘電材料の上半分層が設け
られ、これを覆う、上半分のアースシールドである金属
層が設けられることにより交差する擬似同軸伝送線が完
成する。この上半分アースシールドの端部はアース面、
又は下半分アースシールドの外延部に接続するものであ
り、該下半分アースシールドは、この為に充分な幅に形
成される。
【0006】
【発明の実施の形態】図1を参照すると、ここには、従
来技術により基板2(例えばアルミナ96%、0.04
0インチ厚)上に設けられた擬似同軸伝送線の概略図1
が示されている。擬似同軸伝送線は通常、‘730B1
特許に記載される厚膜技術に基づいて形成される。具体
的に基板2の「上(top)」(例えば擬似同軸伝送線と
同じ側)に形成されたアース面3に注目して説明する
と、これはアース面として必要される全ての方向に自由
に伸びている。アース面は、金属(望ましくは金)から
成り、パターニングを要する場合、Heraeus K
Q−500等のようにエッチング可能な厚膜Au処理を
実施することができる。擬似同軸伝送線自体は、伝送線
の所望の経路に応じて曲折する下半分の層、即ちKQ誘
電材料のストリップ4を含んでいる(「曲折する」と言
う場合、必ずしも蛇行経路を取るという意味ではなく、
必要な方向に伸びるということを意味する)。この下半
分の層4が設けられると、その上面に好適な層、即ち金
属ストリップ5(望ましくはAu)が設けられる。この
金属ストリップ5は擬似同軸伝送線の中心導体である。
その後、下半分層4上に上半分層、即ちKQ誘電体のカ
バー用ストリップ6が設けられ、中心導体5を封止す
る。最後に、金属製(できればAu)の封止用上半分ア
ースシールド7が組み合わせられたKQ層4及び5上に
設けられ、中心導体5は完全にアースによって覆われて
いて、これにより擬似同軸伝送線が完成する。擬似同軸
伝送線の特性インピーダンスは、KQ材料の誘電率及び
KQ層4及び5の寸法により周知の方法で決まる。従っ
て、擬似同軸伝送線は、例えば50Ω、或いは75Ω等
のように、所望通りに特定された特性インピーダンスを
持つように製造することができるのである。しかしなが
ら一方で、特定の、即ち一定の特性インピーダンスが必
要とされない場合も考えられるが、この場合に形成され
るのは、電源やバイアス又は制御電圧を搬送する為の単
にシールドされた導体である。
【0007】説明を進める前に、アース面3について簡
単に述べる。これは、実質的なアース面として広い金属
製シートであった場合、最も高い性能を提供することが
できるものであり、図においてはそのようなアース面と
なっている。一方、このようなアース面のうち、擬似同
軸伝送線の下にない部分は、伝送線に対して何らの利益
をももたらしていない(ここで想定した伝送線は絶縁さ
れていることを仮定している為)。伝送線の一方の側に
強いRF電流をアース面で搬送することを要する他の回
路があった場合、状況はより複雑となる。これに対応す
る良い方法とは、このような電流を伝送線のシールドの
外に維持することである。
【0008】最大の努力を払っても、2つの異なる伝送
線のシールドがアースから(及び互いから)離れ、これ
らが両方の端部で接触していた場合、有害なRF電流が
これらのシールド中を流れてしまうという不思議な状況
も考えられる。いずれの場合においても、金属面全体を
基板上の全ての擬似同軸伝送線に対するアースとして使
用するのは避けたほうが望ましい。極端な事例において
は、擬似同軸伝送線を設ける前に伝送線の経路のみに充
分に広いアース(下半分アースシールド)が設けられ
る。これは良好な整合性とその後の上半分アースシール
ドとの電気接触を可能とする為に充分な広さを持ってい
なければならない。また更に、擬似同軸伝送線が他の擬
似同軸伝送線と交差する場合、これらのシールドに電気
接触が生じないようにすることが望ましい。
【0009】よってアース面全体のうち、擬似同軸伝送
線の直下に位置する部分、或いはアース金属の充分に広
い折れ曲がった帯状領域のいずれかが、ここで下半分ア
ースシールドと呼ばれるものを形成するのである。図1
の凡例を図3及び図4の要素14と比較してほしい。
【0010】図2の説明に進む前に、図1について短い
補足を加える。これは基本的に‘730B1特許の図2
に手を加えたものである。しかしながら、比較すれば分
かるとおり、光学負荷抵抗210が示されていない。こ
れは単に、図を分かりやすくする為に単純化したもので
ある。本願の実施例においてこれらの抵抗がまったく必
要無いことを説明しようというものではない。むしろ本
願の説明においては、これらを設けるか否かは状況に応
じた設計者の判断にゆだねられるべきであるという立場
からこのようにしたものである。
【0011】ここで図2を参照すると、この図2には、
紙面を直交方向に伸びる「交差される(crossed)」擬
似同軸伝送線(3、4、5、6、7)が紙面を平行に伸
びる「交差する(crossing)」擬似同軸伝送線(3、
9、10、11、12)により交差されている状態を示
す断面図8である。この断面図は、これらの交差の中間
点を含む位置のものであり、両方の擬似同軸伝送線が断
面に示されている。要素9はKQ誘電材料の下半分層で
あり、要素10は金属製の中心導体であり、要素11は
KQ誘電材料の上半分層であり、要素12は上半分アー
スシールドである。基板2は広域のアース面3により覆
われており、従ってこれが「交差する」及び「交差され
た」擬似同軸伝送線両方に対する下半分アースシールド
として機能している。
【0012】ここで図3を参照するが、これは図2とは
若干異なる状況13を示すものであり、同様の要素には
同じ符号がふられている。異なる状況とは、交差する擬
似同軸伝送線(14、4、5、6、7)及び交差された
擬似同軸伝送線(15、9、10、11、12)が、そ
れぞれに下半分アースシールドを持っている為、アース
面を共有していないという点である。この場合、これら
の下半分アースシールド(14、15)は交差位置にお
いて電気接触はしているが、独立している。即ち、交差
する擬似同軸伝送線の下半分アースシールド15の下側
が、交差される擬似同軸伝送線の上半分アースシールド
7の上面と電気接触している(まさに、その上に形成さ
れている)のである。要素15もまた、要素14の端部
において要素14と接触している。
【0013】図3においては、要素15が端部に見られ
るアース面であると見られないこともない。そのように
考えられないこともないが、そうではない。図3の状況
は、基板2のその領域が実際の広いアース面を必要とし
ていない、又は持つべきではない状況である。また或い
は、この状況は、擬似同軸伝送線がまったく絡んでおら
ず、非RF電圧用の単にシールドされた導体だけでしか
無い状況である。図3においては、下半分アースシール
ド15が帯状であるにしても、実際のアース面であるに
しても、要素14は帯状の下半分アースシールドなので
ある。
【0014】次に図4を参照すると、これは交差する擬
似同軸伝送線(14、4、5、6、7及び15、9、1
0、11、12)の他の構成16を描いたものである。
この場合、何らかの理由により、これらの擬似同軸伝送
線のアースシールドが、その交差位置において電気接触
をしないようになっているという点が異なる。こうする
為に、交差される擬似同軸伝送線(14、4、5、6、
7)上の、交差する擬似同軸伝送線(15、9、10、
11、12)が交差している位置に好適な量の非導電性
材料17(KQ誘電体材料又は他の好適な絶縁体)が設
けられている点が注目される。所望であれば、材料17
の形成形状を左右の水平方向(図から見て)に伸ばすこ
とにより(恐らくは、更にテーパリングすることによ
り)一層緩やかな隆起として、その変移の急峻性を小さ
くし、それによって交差する擬似同軸伝送線(15、
9、10、11、12)に一定な特性インピーダンスを
もたらすことができる。
【0015】最後に、図に示し、本明細書に説明した構
造を作る為に必要な清浄化、形成、プリント、マスク、
エッチング、トリミング等の各工程を個々に説明しては
いないが、厚膜技術の当業者にとっては、本願に含まれ
る‘730B1特許の教示内容と、厚膜技術における従
来の慣習を考慮することによりどのようにこれらを実施
することができるのは明らかである。更に、本願に開示
した技術は、3つ以上の擬似同軸伝送線を交差させたも
のの製造にも使用できるものである。どのような順序で
どれがどれを交差するのかに関するトポロジー、そして
これが1箇所で生じるのか、或いは幾つかの交差が近接
位置で生じ、1つのユニットとして交差しているのか等
については、全て本発明の範囲内における選択の問題で
ある。これに付随して、隣接する擬似同軸伝送線間の
「谷間」をKQ誘電材料で埋めることにより、より平坦
な表面を作り、その上に交差する擬似同軸伝送線が形成
される場合もある。これら、及び他の変更形態も、個々
に本発明の精神及び範囲に含まれることは言うまでもな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術に基づいて基板上に形成された擬似同
軸伝送線の概念的な部分図である。
【図2】本発明の一態様に基づいて、基板上で相互に交
差させた2つの擬似同軸伝送線を示す概念的な部分図で
ある。
【図3】本発明の他の態様に基づいて、基板上で相互に
交差させた2つの擬似同軸伝送線を示す概念的な部分図
である。
【図4】本発明の更に他の態様に基づいて、基板上で相
互に交差させた絶縁された2つの擬似同軸伝送線を示す
概念的な部分図である。
【符号の説明】
2 基板 3 アース面 4 KQ誘電材料の下半分層 5 中心導体 6 KQ誘電材料の上半分層 7 上半分アースシールド 3、14、4〜7 第一の擬似同軸伝送線 15〜12 第二の擬似同軸伝送線 17 絶縁層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ルイス・アール・ダブ アメリカ合衆国コロラド州80132,モニュ メント,イースト・トップ・オブ・ザ・ム ア・ドライブ 19855 (72)発明者 ジョン・エフ・ケイシー アメリカ合衆国コロラド州80918,コロラ ド・スプリングス,サファイア・ドライブ 5135 (72)発明者 アンソニー・アール・ブルーム アメリカ合衆国コロラド州80919,コロラ ド・スプリングス,フロント・ローヤル・ ドライブ 2910 Fターム(参考) 5J014 BA04 CA57

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、 前記基板上に形成された第一の擬似同軸伝送線と、 前記基板上に、前記第一の擬似同軸伝送線の上を交差す
    るように形成された第二の擬似同軸伝送線と、を備える
    擬似同軸伝送装置。
  2. 【請求項2】 前記基板上に設けられたアース面を更に
    備え、前記第一及び第二の擬似同軸伝送線が、各々に前
    記アース面の一部である下半分アースシールド部分を含
    んでいる請求項1に記載の擬似同軸伝送装置。
  3. 【請求項3】 前記第一の擬似同軸伝送線が上半分アー
    スシールド部分を含むとともに、前記第二の擬似同軸伝
    送線が下半分アースシールド部分を含み、更に前記第二
    の擬似同軸伝送線が、前記第一の擬似同軸伝送線上を交
    差する位置において、前記上半分アースシールド層を前
    記下半分アースシールド層から絶縁する絶縁層を更に備
    える請求項1に記載の擬似同軸伝送装置。
JP2002310804A 2001-10-29 2002-10-25 基板上に作成される擬似同軸伝送装置 Pending JP2003198214A (ja)

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US10/020,486 US6573597B2 (en) 2001-10-29 2001-10-29 Cross-over for quasi-coaxial transmission lines fabricated on a substrate
US10/020486 2001-10-29

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