JP2003196769A - 緊急通報装置 - Google Patents

緊急通報装置

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JP2003196769A JP2001394739A JP2001394739A JP2003196769A JP 2003196769 A JP2003196769 A JP 2003196769A JP 2001394739 A JP2001394739 A JP 2001394739A JP 2001394739 A JP2001394739 A JP 2001394739A JP 2003196769 A JP2003196769 A JP 2003196769A
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孝二 堀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乗車中における緊急事態が発生した際に消防
署等に緊急通報する緊急通報装置の抵抗感を減らし、迅
速、正確に使用できるようにする。 【解決手段】 緊急通報装置に、緊急通報モードを選択
する緊急通報スイッチと、練習モードを選択する練習モ
ードスイッチを配置する。練習モードでは、緊急事態が
発生した場合の操作を擬似体験するために、実際の緊急
事態に即した仮想的な状況を想定しての練習を可能にす
る。本実施形態における緊急通報モード及び練習モード
は、エージェント(代理人)の画像を車室内に出現さ
せ、「練習モードを立ち上げますか?」等文字表示やエ
ージェントの音声出力により、練習モードを開始しても
よいか否かについての確認を取る。この確認により、ユ
ーザーは本番の緊急通報の動作との混同をすることなく
安心して練習機能を利用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は緊急通報装置に係
り、緊急事態が発生した際に救援機関に通報を行う緊急
通報装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両内で運転者の具合が悪くなった場合
や、事故が発生した場合、通常は消防署や警察署等の救
援機関に通報することになる。しかし、運転者の具合が
悪くなり、同乗者がいないために緊急通報事態ができな
い場合がある。そこで、緊急事態が発生した場合に、緊
急連絡用のスイッチを用意しておき、緊急事態が発生し
たことを自動的に通報する緊急通報装置が提案されてい
る。例えば、特開平5−5626号公報に記載された緊
急通報装置では、車両の事故位置を推定すると共に、事
故発生を検知し、事故を解析するための情報を記憶し、
外部に連絡するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、事故や急病等
の緊急事態は日常的に体験するものではないため、緊急
事態に直面した際に、運転者や同乗者が必ずしも冷静に
対応できない場合がある。このため、緊急通報装置を配
置したとしても、実際に緊急事態発生という立場に置か
れた際に、冷静に装置を使用できない場合や、使用の際
に慌てずに操作ができないという場合がある。また、緊
急事態に対する緊張やショックによる極度の心神喪失状
態で、その装置そのものの存在を忘れてしまう可能性も
ある。
【0004】そこで本発明は上記課題を解決するために
なされたもので、乗車中における緊急事態が発生した際
に所定の機関に緊急事態の通報をするために配置された
緊急通報装置の使用に対する抵抗感を減らすと共に、迅
速、正確に使用できるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した発明
では、車両搭乗時の緊急事態に緊急事態情報を通報する
緊急通報装置であって、前記緊急事態情報の通報を擬似
体験する練習手段と、備えることで前記目的を達成す
る。請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の緊急
通報装置において、前記練習手段は、緊急事態に相当す
る項目を提案する提案手段と、該提案手段により提案さ
れた項目を選択する項目選択手段と、該項目選択手段に
より選択された項目に対応する1又は複数の質問を出力
する質問手段と、を備えることを特徴とする。請求項3
に記載の発明では、請求項2に記載の緊急通報装置にお
いて、前記質問手段による質問に対応する返答を受領す
る返答受領手段を備え、該返答受領手段により受領した
返答に対応する評価を出力する練習評価手段を備えるこ
とを特徴とする。請求項4に記載の発明では、請求項2
に記載の緊急通報装置において、現在地の情報を検出す
る現在地情報検出手段を備え、前記提案手段は、前記現
在地情報検出手段で検出された現在地情報に基づいて、
緊急事態に相当する項目を提案することを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、請求項2に記載の緊急通報
装置において、搭乗者の情報を記憶する搭乗者情報記憶
手段を備え、前記提案手段は、前記搭乗者情報記憶手段
より記憶された搭乗者情報に基づいて、緊急事態に相当
する項目を提案することを特徴とする。請求項6に記載
の発明では、請求項2に記載の緊急通報装置において、
前記練習手段による擬似体験の結果を記憶する結果記憶
手段を備え、前記提案手段は、前記結果記憶手段により
記憶された擬似体験の結果に基づいて、緊急事態に相当
する項目を提案することを特徴とする。請求項7に記載
の発明では、請求項1から6のいずれかに記載の緊急通
報装置において、所定の行動をとる仮想人格を車両内に
表示する仮想人格表示手段と、前記仮想人格の音声を出
力する音声出力手段と、前記提案手段による緊急事態に
相当する項目の提案、前記質問手段による1又は複数の
質問、前記評価手段による評価、のうち少なくとも1つ
を前記仮想人格の表示と音声の少なくとも一方で出力す
ることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の緊急通報装置にお
ける好適な実施の形態について、図1から図15を参照
して詳細に説明する。 (1)実施形態の概要 本実施形態では、エージェント装置が緊急通報装置とし
て機能するようになっている。緊急通報装置に、緊急通
報モードを選択する緊急通報スイッチと、緊急通報を擬
似体験する練習モードを選択する練習モードスイッチを
配置する。練習モードでは、緊急事態が発生した場合の
操作を擬似体験するために、実際の緊急事態に即した仮
想的な状況を想定しての練習を可能にする。本実施形態
における緊急通報モード及び練習モードは、エージェン
ト(代理人)を車室内に出現させ、「練習モードを立ち
上げますか?」等文字表示やエージェントの音声出力に
より、練習モードを開始してもよいか否かについての確
認を取る。この確認により、ユーザーは本番の緊急通報
の動作との混同をすることなく安心して練習機能を利用
することができる。練習モードによる練習中に、実際の
事故・急病等の緊急事態が発生した場合には、途中から
実際の緊急通報モードを割り込ませ、直ちに実際の(練
習モードでない)緊急通報機能を使用することができる
ようにする。緊急通報モードの割り込みは、練習モード
の実行中に緊急通報モードの選択スイッチを選択、また
は衝突センサ等が衝突と検知することで行われる。緊急
通報を行う機関としては、警察、病院、消防署等の公的
救援機関や、これら公的救援機関との連絡を行う情報セ
ンタが該当する。
【0007】なお、本実施形態におけるエージェント
は、人工的な仮想人格であり、その容姿(平面的画像、
ホログラフィ等の立体的画像等)が表示装置によって車
両内に出現される。このように、仮想人格であるエージ
ェントを表示装置に表示することをもって、本発明の仮
想人格表示手段とする。このエージェント装置では、車
室内や車両の各種状態(ユーザの状態を含む)、過去の
処理内容等を判断し、その判断結果に応じた処理を自律
的に行う機能(以下代理機能という)を備えている。そ
して、エージェント装置は、対話型インターフェースを
備えており、ユーザとの対話(ユーザに対する問いかけ
や、問いかけに対するユーザの回答の認識や判断、ユー
ザに対する提案、ユーザからの指示等)を行う。このよ
うに、エージェントがユーザとの対話による音声を出力
することをもって、本発明の音声出力手段とする。エー
ジェント装置は、このユーザとの対話を含む各種代理機
能を、車室内に出現させたエージェントの動き(表示)
や音声と連動させて実行する。例えば、ユーザにより緊
急連絡ボタンが押されたことを検出すると、エージェン
ト装置は、ユーザ対する緊急連絡の確認処理を、「緊急
連絡をしますか?」といった問いかけの音声出力と、電
話機を指示しながら問いかける表情と首を傾げる動作を
表す画像(動画又は静止画)を表示装置へ表示する。こ
のように、エージェント装置の代理機能によるユーザと
の対話や処理に連動して、エージェントの容姿が変化し
たり、音声が出力されるので、ユーザは、あたかも仮想
人格であるエージェントが車両内に存在しているような
体感をするようになる。以下の説明では、このようなエ
ージェント装置の一連の代理機能の実行を、エージェン
トの行為や動作として説明する。
【0008】この代理機能によるエージェントの処理と
しては、車両自体、搭乗者、対向車等を含む車両の状況
判断と学習(状況の学習だけでなく搭乗者の応答や反応
等も含む)をし、各時点での車両状況とそれまでの学習
結果に基づいて、エージェントが搭乗者や車両に対して
様々なバリエーションをもった対応(行為=行動と音
声)をする。これにより搭乗者は、複数のエージェント
を車両内に自由に呼びだしてつき合う(コミュニケーシ
ョンする)ことが可能になり、車両内での環境を快適に
することができる。ここで、本実施形態における人工的
な仮想人格(エージェント)とは、特定の人間、生物、
漫画のキャラクター等の同一性があり、その同一性のあ
る仮想人格が、主体の同一性・連続性を保つように出力
(動作、音声により応答)を行うものである。また、同
一性・連続性は特有の個性を持つものとして表現され、
車室内に出現させる本実施形態のエージェントは、同一
の車両状況であっても、過去の学習内容に応じて発声す
る音声や画像などが異なる。このエージェントの各種コ
ミュニケーション行為として、緊急時通報モードや練習
モードによる緊急時処理をを行わせる。そしてエージェ
ントが行う緊急時処理を含めた各行為を、複数のシナリ
オ(脚本)で構成する。各シナリオは、エージェントに
よる一連の連続した行為の内容を規定した複数のシナリ
オデータ(アプリケーションを含む)と、各シナリオデ
ータを起動するための起動条件とにより規格化する。
【0009】(2)実施形態の詳細 図1は、本実施形態にエージェント装置の構成を示すブ
ロック図である。本実施形態のエージェント装置では、
コミュニケーション機能全体を制御する全体処理部9を
備えている。この全体処理部1は、設定した目的地まで
の経路を探索して音声や画像表示により案内するナビゲ
ーション処理部10、エージェント処理部11、ナビゲ
ーション処理部10とエージェント処理部11に対する
外部I/F部12、エージェント画像や地図画像等の画
像出力や入力画像を処理する画像処理部13、エージェ
ント音声や経路案内音声等の音声出力や入力される音声
を制御する音声制御部14、車両や搭乗者に関する各種
状況の検出データを処理する状況情報処理部15、及び
入力制御部16を有している。
【0010】ナビゲーション処理部10とエージェント
処理部11は、データ処理及び各部の動作の制御を行う
CPU(中央処理装置)と、このCPUにデータバスや
制御バス等のバスラインで接続されたROM、RAM、
タイマ等を備えている。両処理部10、11はネットワ
ーク接続されており、互いの処理データを取得すること
ができるようになっている。本実施形態のエージェント
処理部11では、シナリオに従ってナビゲーション用の
データ(目的地データや走行経路データ等)を情報セン
タ等の外部装置から取得した場合や、シナリオに基づく
ユーザとのコミュニケーションにより目的地を取得した
場合に、これらのデータをナビゲーション処理部10に
供給するようになっている。ROMはCPUで制御を行
うための各種データやプログラムが予め格納されたリー
ドオンリーメモリであり、RAMはCPUがワーキング
メモリとして使用するランダムアクセスメモリである。
【0011】本実施形態のナビゲーション処理部10と
エージェント処理部11は、CPUがROMに格納され
た各種プログラムを読み込んで各種処理を実行するよう
になっている。なお、CPUは、記憶媒体駆動装置23
にセットされた外部の記憶媒体からコンピュータプログ
ラムを読み込んで、記憶装置29のエージェントデータ
30やナビゲーションデータ31、図示しないハードデ
ィスク等のその他の記憶装置に格納(インストール)
し、この記憶装置から必要なプログラム等をRAMに読
み込んで(ロードして)実行するようにしてもよい。ま
た、必要なプログラム等を記憶媒体駆動装置23からR
AMに直接読み込んで実行するようにしてもよい。
【0012】エージェント処理部11は、搭乗者との会
話を含めたエージェントの各種コミュニケーション動作
を、車両や搭乗者の各種状況(場面)を想定して予め作
成されたシナリオに従って行うようになっている。すな
わち、車速、時間、走行地域、気温、ガソリン残量、緊
急事態検出、(緊急事態に対応するための)練習モード
の選択、等の各種状況をシナリオ起動条件とし、各状況
におけるエージェントの行動が、各状況毎にシナリオと
して規定されている。各シナリオは、連続する複数のシ
ーン(場面)で構成されている。シーンは、シナリオの
なかの1つの場面であり、本実施形態における緊急通報
後の質問シナリオでは、エージェントが救急救命に基づ
く情報収集のための質問を行う各場面のシーンで構成さ
れている。各シーンは、タイトル、リスト、吹き出し、
背景、その他の小単位(パーツ)でまとまっている。各
シーンは、シナリオに従って順次進行していき、シナリ
オによっては、特定のシーンで出される質問に対する搭
乗者の回答や車両の状況等によって、選択される複数の
シーンが存在する。すなわち、途中の回答に応じてシー
ンが分岐するシナリオが存在する。シーンを含むシナリ
オのデータは後述するシナリオデータファイル302に
格納されている。いつどこでシナリオを実行するのかを
規定する情報(シーン起動条件)と、実行した場合にど
のような画面構成で、エージェントにどのような動作や
会話をさせ、ナビゲーション処理部10等のモジュール
に対してどのような指示を出し、イベントを受けとった
場合に次はどうするのか(どのシーンに移行するのか)
を規定するデータがシーン毎にまとまってシナリオデー
タファイル302のシナリオデータnとして格納されて
いる。本実施形態では、このように規格化されたシナリ
オデータにより、救急救命の知識に基づいて患者の状態
情報を収集するための各種質問が緊急質問としてシナリ
オデータ化されている。
【0013】図2は、エージェント処理部11の構成を
表したものである。この図2に示されるように、エージ
ェント処理部11は、状況判断部111、シナリオ実行
要求判断部112、シナリオ駆動部113、シナリオデ
ータ読み込み部114、描画処理部115、音声認識管
理部116、ユーザ入力受付部117を備えている。こ
れら各部111〜117は、エージェント処理部11が
備えるCPU及びROM等に格納された対応エンジン
(ソフトウェア)により実現されるようになっている。
状況判断部111等の各部を構成するエンジンは、他の
エンジンにデータを伝達する場合に、対応するイベント
を発行する。各部111〜117が発行するイベントの
中には、分岐した後のシーンを特定するイベントが含ま
れる。
【0014】状況判断部111は、時間、場所、各種入
力等の状況の変化に対しイベントを発行する。状況変化
の判断は、状況情報処理部15から供給される各種状況
検出装置40による検出結果等に基づいて行われ、その
結果のイベントをシナリオ実行要求判断部112に対し
て発行する。シナリオ実行要求判断部112は、状況判
断部111による状況判断結果のイベントを受け取って
シナリオを実行するか否かを判断する。シナリオを実行
する場合はシナリオ起動要求のイベントをシナリオ駆動
部113に対し発行する。
【0015】シナリオ駆動部113は、シナリオ実行要
求判断部112で発行されたシナリオ起動要求のイベン
トに対し、起動を行うか否かの判断をする。起動を行う
と判断した場合、シナリオ駆動部113は、シナリオデ
ータの読み込みをシナリオデータ読み込み部114に依
頼する。また、シナリオデータに従って、描画のリクエ
スト、エージェントの動作リクエストを描画処理部11
5に依頼する。また、シナリオデータに従って音声認識
に使用する辞書を音声認識管理部116に通知する。更
に、シナリオ駆動部113は、音声認識の結果や、ユー
ザ入力によってシナリオを駆動(シーンの推移を管理)
する。
【0016】シナリオデータ読み込み部114は、シナ
リオ駆動部113からの依頼に基づいて、シナリオデー
タファイル302から該当するシナリオデータの読み込
みを行う。描画処理部115は、シナリオ駆動部113
からの依頼に基づいて、該当する場面の描画や、キャラ
クタ(エージェント)の描画を行う。音声認識管理部1
16は、音声認識部142への指示を統括する。例え
ば、シナリオ駆動部113から通知される使用辞書の指
定を行う。音声認識部管理116は、音声認識部142
において、指定した使用辞書による音声認識の結果がで
たら、認識結果に対応するイベントをシナリオ駆動部1
13に対して発行する。ユーザ入力受付部117は、ユ
ーザからの入力があったら、入力内容に対応するイベン
トをシナリオ駆動部113に対して発行する。ユーザか
らの入力は、入力制御部16からの情報により判断され
る。
【0017】本実施形態では、緊急通報機能を実行する
モードとして緊急通報モードと練習モードがある。緊急
通報部21には、緊急通報スイッチと、練習モードスイ
ッチが配置されており、いずれかのスイッチを選択する
ことでモードが選択される。緊急通報モードは、事故や
搭乗者の健康上のトラブルなどが発生した場合に救援機
関に実際に通報を行うモードである。このモードは、状
況判断部111が緊急事態検出のイベント又は緊急通報
スイッチオンのイベントを発行した場合に、シナリオ実
行要求判断部112がシナリオ駆動部113に、救急質
問シナリオの実行を要求するイベントを発行することに
より起動する。練習モードは、ユーザが緊急通報装置の
使用を擬似体験するためのモードであり、ユーザ入力受
付部117がシナリオ駆動部113に練習キーのイベン
トを発行すると起動する。シナリオ駆動部113では、
救急質問シナリオの読み込みをシナリオデータ読み込み
部に要求するイベントを発行し、読み込まれたシナリオ
データに従って、描画処理部115に描画のリクエスト
を発行し、音声認識管理部116に音声認識のリクエス
トイベントを発行する。
【0018】図1において、外部I/F部12には、緊
急通報部21と記憶媒体駆動装置23と通信制御部24
が接続され、画像処理部13には表示装置27及び撮像
装置28が接続され、音声制御部14には音声出力装置
25及びマイク(音声取得手段)26が接続され、状況
情報処理部15には各種状況検出装置40が接続され、
入力制御部16には入力装置22が接続されてる。
【0019】各種状況検出装置40は、現在位置検出装
置41と状況検出部42と緊急事態検出装置43を備え
ている。現在位置検出装置41は、車両の絶対位置(緯
度、経度による)等の現在地情報を検出するためのもの
であり、人工衛星を利用して車両の位置を測定するGP
S(Global Positioning Syst
em)受信装置411と、方位センサ412と、舵角セ
ンサ413と、距離センサ414と、路上に配置された
ビーコンからの位置情報を受信するビーコン受信装置4
15等が使用される。GPS受信装置411とビーコン
受信装置415は単独で位置測定が可能であるが、GP
S受信装置411やビーコン受信装置415による受信
が不可能な場所では、方位センサ412と距離センサ4
14の双方を用いた推測航法によって現在位置を検出す
るようになっている。方位センサ412は、例えば、地
磁気を検出して車両の方位を求める地磁気センサ、車両
の回転角速度を検出しその角速度を積分して車両の方位
を求めるガスレートジャイロや光ファイバジャイロ等の
ジャイロ、左右の車輪センサを配置しその出力パルス差
(移動距離の差)により車両の旋回を検出することで方
位の変位量を算出するようにした車輪センサ、等が使用
される。舵角センサ413は、ステアリングの回転部に
取り付けた光学的な回転センサや回転抵抗ボリューム等
を用いてステアリングの角度αを検出する。距離センサ
414は、例えば、車輪の回転数を検出して計数し、ま
たは加速度を検出して2回積分するもの等の各種の方法
が使用される。距離センサ414と舵角センサ413は
運転操作状況検出手段としても機能する。緊急事態の擬
似体験を提案する際に、前記現在位置検出装置41によ
り検出された現在地情報を基に、例えば、車両が過密都
市に居ると判断した場合、衝突事故の擬似体験を提案す
る。
【0020】状況検出部42は、運転操作の状況を検出
する運転操作状況検出手段として機能するブレーキセン
サ421、車速センサ422、方向指示器検出器42
3、シフトレバセンサ424、サイドブレーキ(パーキ
ングブレーキ)センサ425を備えている。また、状況
検出部42は、機器操作の状況を検出する機器操作状況
検出手段として機能するエアコン検出器427、ワイパ
検出器428、オーディオ検出器429を備えている。
【0021】ブレーキセンサ421は、フットブレーキ
が踏み込み状態か否かを検出する。車速センサ422
は、車速を検出する。方向指示器検出器423は、運転
者が方向指示器の操作中であるか否か、及び方向指示器
が点滅中か否かを検出する。シフトレバセンサ424
は、運転者がシフトレバを操作中か否か、及びシフトレ
バ位置を検出する。サイドブレーキ(パーキングブレー
キ)センサ425は、運転者がサイドブレーキを操作中
か否か、及びサイドブレーキの状態(オンかオフか)を
検出する。エアコン検出器427は、搭乗者がエアコン
の各種スイッチ等を操作中か否かを検出する。ワイパ検
出器428は、運転者がワイパの操作中か否かを検出す
る。オーディオ検出器429は、搭乗者がラジオ、CD
プレーヤ、カセットプーヤー等のオーディオ機器を操作
中か否か、及びオーディオ機器による音声が出力中か否
かを検出する。状況検出部42は、その他、機器操作状
況検出手段として、ヘッドランプやルームランプ等のラ
ンプ類の操作状況を検出するライト検出センサ、運転
席、又は助手席のシートベルト着脱操作を検出するシー
トベルト検出センサ、その他のセンサを備えている。
【0022】緊急事態検出装置43は、ハザードスイッ
チセンサ431と衝突センサ432を備えている。ハザ
ードスイッチセンサ431は、ハザードスイッチのオ
ン、オフ状態を検出し、状況情報処理部15に供給する
ようになっている。状況情報処理部15では、ハザード
スイッチセンサ431からスイッチオン状態が所定時間
t以上継続した場合に緊急事態信号をエージェント処理
部11の状況判断部111に供給するようになってい
る。衝突センサ432は、車両が衝突したことを検出す
るセンサで、本実施形態では、エアバックが発火したこ
とを検出することで衝突を検出し、検出信号を状況情報
処理部15に供給するようになっている。
【0023】入力装置22は、搭乗者情報を入力する場
合や、本実施形態によるエージェントのその他全ての問
い合わせ等に対して搭乗者が応答するための1つの手段
でもある。入力装置22は、ナビゲーション処理におけ
る走行開始時の現在地(出発地点)や目的地(到達地
点)、情報提供局へ渋滞情報等の情報の請求を発信した
い車両の所定の走行環境(発信条件)、車内で使用され
る携帯電話のタイプ(型式)などを入力するためのもの
でもある。入力装置22には、タッチパネル(スイッチ
として機能)、キーボード、マウス、ライトペン、ジョ
イスティック、赤外線等によるリモコン、音声認識装置
などの各種の装置が使用可能である。また、赤外線等を
利用したリモコンと、リモコンから送信される各種信号
を受信する受信部を備えてもよい。リモコンには、画面
上に表示されたカーソルの移動操作等を行うジョイステ
ィックの他、メニュー指定キー(ボタン)、テンキー等
の各種キーが配置される。入力制御部16は、入力装置
22による入力内容に対応するデータを検出しエージェ
ント処理部11やナビゲーション処理部10に供給す
る。入力制御部16は、入力操作中か否かを検出するこ
とで機器操作状況検出手段として機能する。
【0024】緊急通報部21は、緊急通報スイッチを備
えており、搭乗者によりこのスイッチがオンされると、
救援機関との間で緊急の通信を確立する。救援機関との
通信は、電話回線、救急用の専用回線、インターネット
等の各種通信回線の確立による。また、緊急通報部21
は、練習スイッチも備えており、このスイッチがオンさ
れると、ユーザに対して緊急通報スイッチがオンされた
場合や緊急事態が検出された場合と同様に動作する。し
かし、この場合、緊急通報部21は、救援機関との通信
は確立せずに仮想的に緊急事態を再現する。なお、本実
施の形態では、緊急通報部21に緊急通報スイッチと練
習スイッチを備え、ユーザが何れかを選択してオンする
ように構成したが、この他に例えば、入力装置22に専
用ボタンやタッチパネルのキー配置などで緊急通報キー
と練習キーを設けても良い。また、緊急通報スイッチと
練習スイッチは必ずしも運転席付近に設ける必要はな
く、助手席や後部座席など必要と思われる個所に複数個
設置することができる。
【0025】記憶媒体駆動装置23は、ナビゲーション
処理部10やエージェント処理部11が各種処理を行う
ためのコンピュータプログラムを外部の記憶媒体から読
み込むのに使用される駆動装置である。記憶媒体に記録
されているコンピュータプログラムには、各種のプログ
ラムやデータ等が含まれる。ここで、記憶媒体とは、コ
ンピュータプログラムが記録される記憶媒体をいい、具
体的には、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードデ
ィスク、磁気テープ等の磁気記憶媒体、メモリチップや
ICカード等の半導体記憶媒体、CD−ROMやMO、
PD(相変化書換型光ディスク)等の光学的に情報が読
み取られる記憶媒体、紙カードや紙テープ等を用いた記
憶媒体、その他各種方法でコンピュータプログラムが記
録される記憶媒体が含まれる。
【0026】記憶媒体駆動装置23は、これらの各種記
憶媒体からコンピュータプログラムを読み込む他に、記
憶媒体がフロッピーディスクやICカード等のように書
き込み可能な記憶媒体である場合には、ナビゲーション
処理部10やエージェント処理部11のRAMや記憶装
置29のデータ等をその記憶媒体に書き込むことが可能
である。例えば、ICカードにエージェント機能に関す
る学習内容(学習項目データ、応答データ)や搭乗者情
報等のデータを記憶させ、他の車両に乗車する場合でも
これらを記憶させたICカードからデータを読み出させ
て使用することで、自分の過去の応対の状況に応じて学
習した状態のエージェントとコミュニケーションするこ
とが可能になる。これにより、車両毎のエージェントで
はなく、運転者毎もしくは搭乗者毎に固有な学習内容の
エージェントを車両内に出現させることが可能になる。
【0027】通信制御部24は、各種無線通信機器から
なる携帯電話が接続されるようになっている。通信制御
部24は、電話回線による通話の他、道路の混雑状況や
交通規制等の交通情報に関するデータなどを提供する情
報提供局との通信や、車内での通信カラオケのために使
用するカラオケデータを提供する情報提供局との通信を
行うことができるようになっている。また、通信制御部
24を介して、エージェント機能に関する学習データ等
を送受信することも可能である。本実施形態のエージェ
ント処理部11では、通信制御部24を介してシナリオ
が添付された電子メールを受信することができるように
なっている。また、エージェント処理部11は、インタ
ーネット上のホームページを表示するブラウザソフトを
備えており、通信制御部24を介してホームページから
シナリオを含めたデータをダウンロードすることができ
るようになっている。なお、通信制御部24は、携帯電
話等の無線通信機能を内蔵するようにしてもよい。
【0028】音声出力装置25は、車内に配置された複
数のスピーカで構成され、音声制御部14で制御された
音声、例えば、音声による経路案内を行う場合の案内音
声や、エージェントによる搭乗者との通常のコミュニケ
ーション用の会話や本実施形態の搭乗者情報取得のため
の質問による音声や音が出力されるようになっている。
この音声出力装置25は、オーディオ用のスピーカと兼
用するようにしてもよい。音声出力装置25と音声制御
部14はエージェント処理部11と共に質問手段を構成
し、緊急通報がされた場合に、救急質問シナリオで規定
された各シーン毎に、エージェントによる救急質問が出
力される。
【0029】マイク26は、音声制御部14における音
声認識の対象となる音声、例えば、ナビゲーション処理
における目的地等の入力音声や、エージェントとの搭乗
者の会話(搭乗者による応答を含む)等を入出力する音
声入力手段として機能する。このマイク26は、搭乗者
の音声を的確に収集するために指向性のある専用のマイ
クが使用される。尚、音声出力装置25とマイク26と
でハンズフリーユニットを形成させて、携帯電話を介さ
ずに、電話通信における通話を行えるようにしてもよ
い。マイク26と音声認識部142は、運転者が同乗者
と会話中か否かを検出する会話検出手段として機能し、
この場合のマイク26、音声認識部142は、車内の状
況を検出する状況検出手段として機能する。また、マイ
ク26と音声認識部142は、同乗者がいるか否かを会
話から検出することで同乗者検出手段として機能し、更
に、救急車両のサイレン音を認識して救急隊員が到着し
たことを認識する救急隊員到着検出手段として機能す
る。
【0030】表示装置27には、ナビゲーション処理部
10の処理による経路案内用の道路地図や各種画像情報
が表示されたり、エージェント処理部11によるエージ
ェントの各種行動(動画)が表示されたりするようにな
っている。また、撮像装置28で撮像された車両内外の
画像も画像処理部13で処理された後に表示されるよう
になっている。表示装置27では、本実施形態の救急質
問シナリオに従って、救急隊員の容姿をした救急隊員エ
ージェントが救急質問をする際に表示される複数の救急
質問シーン画像や、質問が終了した後救急隊員が到着す
るまでの間表示される呼びかけシーン画像や、救急隊員
に収集した患者の情報情報を告知する告知シーン画面な
どが表示されるようになっている。さらに、表示装置2
7は後述の提案手段により提案された項目を表示する表
示手段として機能する。表示装置27は、液晶表示装
置、CRT等の各種表示装置が使用される。なお、この
表示装置27は、例えばタッチパネル等の、前記入力装
置22としての機能を兼ね備えたものとすることができ
る。
【0031】撮像装置28は、画像を撮像するためのC
CD(電荷結合素子)を備えたカメラで構成されてお
り、車両内を撮像する車内カメラの他、車両前方、後
方、右側方、左側方を撮像する各車外カメラが配置され
ている。撮像装置28の各カメラにより撮像された画像
は、画像処理部13に供給され、画像認識等の処理が行
われ、各認識結果(同乗者の有無、運転者の認識等)を
エージェントのコミュニケーションに反映させるように
なっている。
【0032】記憶装置29には本実施形態による各種エ
ージェント機能やナビゲーション機能を実現するうえで
必要な各種データ(プログラムを含む)として、エージ
ェントデータ30とナビゲーションデータ31が格納さ
れている。この記憶装置29には、例えば、フロッピー
ディスク、ハードディスク、CD−ROM、光ディス
ク、磁気テープ、ICカード、光カード、DVD(di
gital versatile disc)等の各種
記憶媒体と、その駆動装置が使用される。この場合、例
えば、学習項目データ304、応答データ305、搭乗
者情報307を持ち運びが容易なICカードやフロッピ
ーディスクで構成し、その他のデータをDVDやハード
ディスクで構成するというように、複数種類の異なる記
憶媒体と駆動装置で構成し、駆動装置としてそれらの記
憶媒体を用いるようにしてもよい。
【0033】エージェントデータ30には、エージェン
トプログラム301、シナリオデータファイル302、
音声データ303、学習項目データ304、音声データ
で構成される応答データ305、エージェントの容姿や
行動を画像表示するための画像データ306、搭乗者情
報307、その他のエージェントによる処理に必要な各
種のデータが格納されている。
【0034】エージェントプログラム301には、エー
ジェント機能を実現するためのエージェント処理プログ
ラムが格納されている。例えば、各シナリオの起動条件
を満たしたか否かを判断する条件判断処理、条件判断処
理で起動条件を満たすと判断した場合に、当該起動条件
に対応するシナリオを起動し、そのシナリオデータに従
って前記エージェントに行為をさせるシナリオ実行処
理、その他の各種処理を実行する処理プログラムが格納
されている。
【0035】学習項目データ304及び応答データ30
5は、搭乗者の応答等によってエージェントが学習した
結果を格納するデータである。従って、学習項目データ
304と応答データ305は、各搭乗者毎にそのデータ
が格納・更新(学習)されるようになっている。学習項
目データ304には、例えば、イグニッションオンした
通算回数や1日のオン回数、前5回の燃料給油時の燃料
残量のデータ等のエージェントの学習対象となる項目が
格納される。この学習項目データ304に格納された学
習内容に従って、例えば、イグニッションオン回数に応
じてエージェント出現時の挨拶内容が変化したり、燃料
残量が前5回の燃料残量の平均値以下になった場合に、
エージェントが給油の提案をする。応答データ305に
は、エージェントの行為に対するユーザの応答の履歴が
所定のシナリオ毎に格納される。応答データ305に
は、応答日時と応答内容が、各応答項目毎に所定回数分
格納される。応答内容としては、無視された、拒絶され
た、受容(容認)された、の各場合が音声認識や入力装
置22の入力結果から判断され、格納される。また、緊
急事態を擬似体験する練習モードの際の質問に対する返
答や、擬似体験の結果もここに格納される。
【0036】シナリオデータファイル302には、各状
況、場面におけるエージェントの行為が規定されたシナ
リオのデータが格納されており、本実施形態の緊急通報
時または擬似体験時に起動される救急質問シナリオ(質
問手段)も格納されている。本実施形態におけるシナリ
オデータファイル302はDVDに格納されている。図
3は、シナリオデータファイル302のデータ構造とデ
ータ内容を概念的に表したものである。シナリオデータ
ファイル302は、各シーンを規定する複数のシナリオ
データがまとまって1つのファイルを構成している。シ
ナリオデータファイル302には、ファイルヘッダ、シ
ナリオ管理テーブル、自動起動条件テーブル、手動起動
可能シナリオ一覧、各シナリオデータ1〜n、及び追加
リソースデータから構成されている。
【0037】ファイルヘッダは、シナリオデータファイ
ルのヘッダで、ファイルに関する情報が格納されてい
る。シナリオ管理テーブルは、シナリオデータファイル
に収録されているシナリオデータを管理するためのデー
タ、例えば、各シナリオデータを実行する場合の優先順
位等のデータが格納されている。
【0038】自動起動条件テーブルは、シナリオデータ
ファイルに収録されているシナリオデータを自動で起動
する条件データが各シナリオデータ毎に規定され格納さ
れている。自動起動条件として、例えば、特定地点Aか
ら所定距離の地点に到達した場合に実行する特定シナリ
オについての特定地点と距離データや、起動時にエージ
ェントが挨拶するシナリオを実行するための条件として
のイグニッションオン、等の各種自動起動条件が格納さ
れている。また、自動起動を禁止する自動起動禁止条件
として、例えば、(A)手動起動を優先する、(B)別
のシナリオを実行中は自動起動しない、(C)例えば3
0分以内に実行したことがあるシナリオは起動しない、
(D)音楽を聞いている場合は起動しない、(E)カー
ブを右左折中(ステアリング操作中)には起動しない、
(F)急減速中もしくは急加速中は起動しない、(G)
同乗者と会話しているときは起動しない、(H)ナビゲ
ーション装置、オーディオ装置、エアコン装置、シフト
レバ、サイドブレーキ、ワイパー、方向指示器等の各種
機器の操作中は起動しない、(I)オーディオの使用中
は起動しない(音楽や放送を聞いている障害とならない
ための条件:オーディオがオンでないこと)、(J)ナ
ビゲーション処理部10による走行経路の案内ガイダン
ス中は起動しない等の自動起動禁止条件についても格納
されている。但し、これらの自動起動禁止条件を満たす
場合であっても、本実施形態による緊急通報時の救急質
問シナリオ等は自動起動するように、優先順位がシナリ
オ管理テーブルで規定されている。この自動起動禁止条
件は、各シナリオに共通して適用される条件と、個別の
シナリオに適用される条件とがある。
【0039】本実施形態における、搭乗者情報を収集す
るためにエージェントが質問をする場合の質問シナリオ
を起動するのは、運転者の負荷状態が低負荷状態である
と判断される場合である。このように判断できるための
条件として、以下の条件やその他の条件が規定されてい
る。 (a)1時間以内に質問をするシナリオを実行していな
い(頻繁に質問しすぎないようにするための条件) (b)イグニッションオンから15分以上経過している
(運転し始めた直後ではない) (c)車内に会話がない(マイク26からの集音によ
る) (d)直線道路(ナビゲーションデータ31と現在位置
から検出)で、速度変化が所定時間無い。 (e)信号待ちをしている(ナビゲーションデータ3
1、現在位置、車速から判定) これらの質問起動条件は、起動のための必須条件かいず
れか1つを満たせばよい条件かなどについて決められて
いる。例えば、上記(a)〜(e)の条件に限ると、
(a)〜(c)を全て満たし、(d)か(e)を満たし
た場合に質問シナリオの起動条件がみたされ、質問シナ
リオが起動される。この場合でも、上記自動起動禁止条
件(A)〜が該当する場合には、質問シナリオの起動は
禁止される。なお、質問起動条件を含め、自動起動条件
に基づく起動判定ルーチンは、例えば、1秒毎にポーリ
ング処理されるようになっている。
【0040】上記した各条件のうち、条件(E)、
(F)、(H)、(J)、(d)、(e)により運転操
作に対する負荷が判断され、条件(C)、(D)、
(G)、(I)、(J)、(a)、(b)、(c)、に
より運転者が感じる煩わしさの程度が判断される。
【0041】手動起動可能シナリオ一覧は、シナリオデ
ータファイルに収録されているシナリオデータの中の手
動で起動することが可能なシナリオの一覧データが格納
されている。追加リソースデータは、記憶装置の拡張用
としてシナリオデータに付加するための音声データや画
像データ等が格納されている。
【0042】各シナリオデータ1〜nは、シナリオヘッ
ダ、音声認識辞書DB、画像データ管理テーブル、シー
ン管理テーブル、各シーンデータ、実画像データで構成
されている。各シナリオは複数のシーンで構成される。
シナリオヘッダは、シナリオデータのヘッダセクション
で、シナリオに関する情報が格納されている。音声認識
辞書DBは、シナリオで使用する音声認識辞書のDB
で、音声認識辞書データが格納されている。画像データ
管理テーブルは、シナリオで使用する画像を指定するた
めのデータが格納されている。エージェントの画像は画
像データ306に格納され、シナリオに固有の画像はシ
ナリオデータ末尾の実画像データに格納されている。シ
ーン管理テーブルには、シナリオに収録されているシー
ンデータを管理するためのデータが格納されている。
【0043】各シーンデータ1〜mは、シーンヘッダ、
シーン構成データ、キャラクタ動作指示データ、各種処
理指示データ、シーン分岐テーブルから構成されてい
る。シーンヘッダは、シーンデータのヘッダセクション
で、シーンに関する情報とシーンデータに属する各デー
タセクションを管理するデータが格納されている。画面
構成データは、当該シーンで表示する画面構成を規定す
るセクションで、表示装置27上に表示する画面構成の
各パーツのデータが格納されている。キャラクタ動作指
示データは、当該シーンにおけるキャラクタの動作指示
と話す内容に関する指示データ(使用する音声データ3
03を指示するデータ)が格納されている。各種処理指
示データは、当該シーンで他モジュール(例えばナビ)
に処理指示依頼を行うデータが格納されている。シーン
分岐テーブルは、当該シーンから次のシーンへの分岐情
報が格納されているセクションで、あるシーンにおいて
イベントを受け取ったときの次のシーンを規定するデー
タが格納されている。
【0044】図4は、シーンデータに基づいて表示装置
27に表示されるシーン画面の一例を表したものであ
る。この図4に示されるシーン画面は、未入力の搭乗者
情報である趣味嗜好(食事)を取得するために搭乗者に
質問をする質問シナリオのシーン画面(シーン番号0x
0001)である。シーン画面は、図4に示されるよう
に、エージェントの画像(静止画、動画)が表示される
エージェント表示画面51、エージェントの音声に対応
した文字が表示される吹き出し画面52、タイトル画面
53、及び、各シーン固有の画像データ(実画像データ
の画像や回答選択ボタン等)が表示されるシーン表示画
面54から構成されている。
【0045】エージェント処理部11は、趣味嗜好(食
事)の質問シナリオを起動すると、最初にシーンヘッダ
で指定されるシーンの画面構成データをシナリオデータ
ファイル302から読み出してシーン画面を表示装置2
7に表示すると共に、質問文に相当する質問音声を音声
出力装置25から出力するようになっている。図4
(a)の質問シナリオのシーン画面では、吹き出し画面
52に「どのジャンルの食事が好きですか?」と表示さ
れる。なお、吹き出し画面52の表示に対応する音声を
音声出力装置25から出力されるようになっている。ま
た、図4(a)のシーン画面におけるシーン表示画面5
4には、4つの回答選択ボタン54aの「和食」、「洋
食」、「中華」、「特に無し」が表示されている。
【0046】この搭乗者に対する質問のシーンには、シ
ーン管理テーブルに従って、搭乗者の回答に応じた複数
のシーンが分岐して続くようになっている。すなわち、
図4(a)のシーン画面(シーン番号0x0001)で
搭乗者が回答選択ボタン「和食」を選択すると、エージ
ェント処理部11は、回答に応じたシーン画面(b)に
分岐して表示される。このシーン画面(b)では、選択
された「和食」がタイトル画面53に表示されると共
に、吹き出し画面には「和食が好きなのですね。」と表
示され、なお、分岐後の和食のシーン画面では、和食の
実画像がシナリオデータから読み出され、シーン表示画
面54に表示される。そしてエージェント処理部11に
より、搭乗者の回答、例えば、「和食」が搭乗者情報と
して、搭乗者情報307の趣味嗜好データに格納される
ようになっている。本実施形態の救急質問シナリオの場
合には、各シーン毎に搭乗者の状態等に関する救急質問
がされ、その質問に対する各回答が搭乗者情報307に
格納されるようになっている。このようにして、シナリ
オに規定された各シーン画像と音声が最後のシーンまで
連続的に順次表示、出力されることで、1シナリオにお
けるエージェントの行為が完了することになる。
【0047】記憶装置29(図1)の音声データ303
には、選択されたシナリオのシーンに従って、エージェ
ントが搭乗者と会話等を行うための音声データが格納さ
れている。エージェントによる会話の音声データは、本
実施形態による、エージェントの救急質問の音声データ
も格納されている。音声データ303の各データは、シ
ーンデータのキャラクタ動作指示データにより指定され
る。
【0048】画像データ306には、シナリオにより指
定された各シーンで使用されるエージェントの状態を表
す静止画像や、動作を表す動画(アニメーション)等が
格納されている。例えば、エージェントがお辞儀をする
動画、うなずく動画、右手を挙げる動画等が格納されて
いる。これらの各静止画像や動画には画像コードが付け
られている。画像データ306に格納されるエージェン
トの容姿としては、人間(男性、女性)的な容姿である
必要はない。例えば、非人間型のエージェントとして、
タコや、ひよこ、犬、猫、カエル、ネズミ等の動物自体
の容姿や、人間的に図案化(イラスト化)した動物の容
姿であってもよく、更にロボット的な容姿や、フロアス
タンドや木などの容姿や、特定のキャラクタの容姿等で
あってもよい。またエージェントの年齢としても一定で
ある必要がなく、エージェントの学習機能として、最初
は子供の容姿とし、時間の経過と共に成長していき容姿
が変化していく(大人の容姿に変化し、更に老人の容姿
に変化していく)ようにしてもよい。画像データ306
には、これらの各種エージェントの容姿の画像が格納さ
れており、運転者の好みによって入力装置22等から選
択することができるようになっている。
【0049】搭乗者情報307は、搭乗者に関する情報
で、エージェントによる行為をより搭乗者の希望や趣味
嗜好に合ったものとするため、また、緊急事態の擬似体
験を提案する際に利用される。図5は搭乗者情報307
の構成を概念的に表したものである。この図5に例示さ
れるように、搭乗者情報307には、搭乗者のID(識
別情報)、名前、年齢、性別、結婚(既婚か未婚か)、
子供(有無、人数、年齢)からなる搭乗者基礎データ
と、趣味嗜好データと、図示しない健康管理データが格
納されるようになっている。趣味嗜好データとしては、
スポーツ、飲食、旅行等の大項目と、これら大項目の概
念に含まれる詳細項目とから構成されている。例えば、
大項目スポーツには、好きなサッカーチーム、好きな野
球の球団、ゴルフに対する興味等の詳細なデータが格納
されるようになっている。健康管理データには、健康管
理上のデータで、持病がある場合にその病名や症状、か
かりつけの病院名等が格納され、擬似体験時の提案や、
擬似体験中の質問等に用いられる。このように、搭乗者
の情報を記憶することをもって、本発明の搭乗者情報記
憶手段とする。本実施形態では、これらの搭乗者情報に
は優先順位が決められており、エージェントは、未だ格
納されていない搭乗者情報のうち優先順位が高い順に搭
乗者に質問をするようになっている。搭乗者基礎データ
は、趣味嗜好データよりも優先順位が高くなっている。
【0050】搭乗者情報307は、搭乗者が複数存在す
る場合には、各搭乗者毎に作成される。そして、搭乗者
を特定して該当する搭乗者情報が使用される。搭乗者の
特定は、例えば、イグニッションオン時に、全搭乗者に
共通するエージェントが登場して搭乗者へ問い合わせを
し、その回答から特定する。搭乗者の問い合わせは、入
力済み搭乗者の氏名とその他を選択するボタンを表示装
置に表示し、選択を促す音声を出力する。その他が選択
された場合には新規ユーザ登録画面を表示する。なお、
体重、運転席(シート)の固定位置(前後位置、背もた
れの角度)、ルームミラーの角度、視線の高さ、顔写真
をデジタル化したデータ、音声の特徴パラメータ等の搭
乗者固有の情報を少なくとも1つ搭乗者情報307に格
納しておき、これらの情報から搭乗者を特定するように
してもよい。
【0051】ナビゲーションデータ31には、経路案内
等で使用される各種データファイルとして、通信地域デ
ータファイル、描画地図データファイル、交差点データ
ファイル、ノードデータファイル、道路データファイ
ル、探索データファイル、写真データファイル等の各種
データが格納されている。
【0052】通信地域データファイルには、通信制御部
24に接続され又は無接続で車内において使用される携
帯電話が、車内から通信できる地域を表示装置27に表
示したり、その通信できる地域を経路探索の際に使用す
るための通信地域データが、携帯電話のタイプ別に格納
されている。描画地図データファイルには、表示装置2
7に描画される描画地図データが格納されている。この
描画地図データは、階層化された地図、例えば最上位層
から日本、関東地方、東京、神田といった階層ごとの地
図データが格納されている。各階層の地図データは、そ
れぞれ地図コードが付されている。
【0053】交差点データファイルには、各交差点を特
定する交差点番号、交差点名、交差点の座標(緯度と経
度)、その交差点が始点や終点になっている道路の番
号、および信号の有無などが交差点データとして格納さ
れている。ノードデータファイルには、各道路における
各地点の座標を指定する緯度、経度などの情報からなる
ノードデータが格納されている。すなわち、このノード
データは、道路上の一地点に関するデータであり、ノー
ド間を接続するものをアークと呼ぶと、複数のノード列
のそれぞれの間をアークで接続することによって道路が
表現される。道路データファイルには、各道路を特定す
る道路番号、始点や終点となる交差点番号、同じ始点や
終点を持つ道路の道路番号、道路の太さ、進入禁止等の
禁止情報、後述の写真データの写真番号などが格納され
ている。交差点データファイル、ノードデータファイ
ル、道路データファイルにそれぞれ格納された交差点デ
ータ、ノードデータ、道路データからなる道路網データ
は、経路探索に使用される。
【0054】探索データファイルには、経路探索により
生成された経路を構成する交差点列データ、ノード列デ
ータなどが格納されている。交差点列データは、交差点
名、交差点番号、その交差点の特徴的風景を写した写真
番号、曲がり角、距離等の情報からなる。また、ノード
列データは、そのノードの位置を表す東経、北緯などの
情報からなる。写真データファイルには、各交差点や直
進中に見える特徴的な風景等を撮影した写真が、その写
真番号と対応してデジタル、アナログ、またはネガフィ
ルムの形式で格納されている。
【0055】次に、このように構成されたエージェント
装置(緊急通報装置)による、緊急通報機能の詳細につ
いて説明する。エージェント装置の緊急通報機能では、
実際に緊急事態が発生した場合に緊急連絡を行う緊急通
報モードの処理と、この緊急通報モードでの操作や対応
を練習する練習モードの処理がある。なお、練習モード
で使用するインターフェース類は、練習効果を効率的に
するため、緊急通報装置の実使用時と同一のインターフ
ェース類を使用している。
【0056】以下の説明では、エージェント装置の緊急
通報機能による処理動作について、(1)緊急通報モー
ドにおける処理動作、(2)練習モードにおける処理動
作、(3)練習モードで練習中に緊急事態が発生して緊
急通報モードに切替える場合の処理動作、のそれぞれに
ついて説明する。
【0057】(1)緊急通報モードにおける処理動作 緊急通報モードでは、運転中に運転者や乗客などが病気
になったり、走行中に崖崩れが発生した場合、衝突事故
に遭遇した場合など、何らかの緊急事態が実際に発生
し、救援機関に救助を求める場合である。図6は、自動
車と救援機関の関係を示した図である。自動車61は、
本実施の形態のエージェント装置を搭載した車両であ
る。救援機関63は、自動車61で何らかのトラブルが
発生した場合に救援業務を行う機関であって、例えば、
消防署、警察署、民間の救援機関などが該当する。自動
車61でトラブルが発生して運転者が緊急通報部21
(図1)の緊急通報スイッチをオンするとエージェント
処理部11が通信制御部24と救援機関63の間で無線
によって通信回線を確立する。緊急通報部21により確
立される通信回線は、専用の通信回線のほか、電話回線
を利用するようにしてもよい。救援機関63は、エージ
ェント装置からの通報を受けると、緊急事態の内容を通
報者から確認し、必要に応じて救援隊を自動車61に派
遣する。そして、エージェント装置は、救援隊が現場に
到着するまでの間に、搭乗者から救助隊に提供するため
の情報(名前、年齢、血液型などの個人情報その他)を
聞き出し、記憶装置29に格納しておく。
【0058】図7は、緊急通報モードにおける、ユー
ザ、緊急通報装置(エージェント装置のエージェント処
理部11)及び救援機関の各動作を表したフロー図であ
る。何らかの緊急事態が発生した場合、運転者あるいは
乗客(以下では運転者が操作を行うものとする)は緊急
通報部21の緊急通報スイッチをオン(選択)する。
(ステップ11)。緊急通報スイッチがオンされると、
エージェント装置は緊急通報モードでの動作を開始す
る。また、各種状況検出装置40により異常事態を検出
(例えば、衝突センサ432による衝突の検出)し、エ
ージェント処理部11が自動的に緊急通報モードでの動
作を開始する場合もある。
【0059】すると、エージェント処理部11は、例え
ば、消防署、警察署、特定の民間の救援機関などと、各
種トラブルに対応する救援機関を選択可能に表示装置2
7に表示する(ステップ12)。なお、救援機関の代わ
りに、急病、事故、災害、などトラブルの種類を選択可
能に表示しても良い。この場合、表示されるトラブルの
種類は、例えば、急病の場合は消防署、事故の場合は警
察署といったように、救援を求めるべき救援機関に対応
付けておき、トラブルの種類が選択されると対応する救
援機関が特定できるようにしておく。
【0060】搭乗者は表示された救援機関の中から、ト
ラブルの種類に対応する救援機関を判断して選択し、入
力装置22から入力する(ステップ13)。なお、救援
機関の選択をエージェント処理部11が自動的に行うよ
うにすることも可能である。この場合、エージェント処
理部11は、各種状況検出装置40の検出信号からトラ
ブルの種類を推測し、救援機関を特定する。例えば、車
両の衝突を検出した場合には、警察署に通報し、エージ
ェントによる「大丈夫ですか?」等の問いかけに対し
て、応答がない場合や救急車の要請に関連する応答が確
認された場合には、さらに消防署に通報する。あるい
は、搭乗者からの入力を所定の時間だけ待ち、運転者か
らの入力がない場合に、救援機関を自動選択するように
構成しても良い。これは、運転者の意識がある場合は搭
乗者に選択してもらい、搭乗者が意識を失っている場合
は、搭乗者の代わりにエージェント処理部11が選択す
るものである。
【0061】次に、エージェント処理部11は、通信制
御部24を用いて選択された救援機関との通信回線を確
立し、救援機関への通報を開始する(ステップ14)。
救援機関では、担当のオペレータが対応する。搭乗者は
マイク26を用いてオペレータに対して話しかけること
ができ、音声出力装置25を用いてオペレータからの問
いかけを聞くことができるようになっている。オペレー
タが搭乗者に対して行う、トラブルの内容、怪我・病気
の有無や現在位置の質問などの問合せは、通信回線を介
して救援機関からエージェント装置に送信さる。そし
て、エージェント装置では、エージェント処理部11が
音声出力装置25を用いてオペレータの問合せを車内放
送する(ステップ15)。
【0062】そして、エージェント処理部11は、オペ
レータの質問に対する、搭乗者による事故の内容や怪我
の有無などの返答をマイク26により取得し、通信制御
部24を用いて救援機関に送信する(ステップ16)。
エージェント処理部11は、オペレータが必要な情報を
得るまで上記ステップ15、16を繰り返す。オペレー
タは、搭乗者から必要な情報を聞き出すと、救急隊に出
動を指示すると共に(ステップ17)、搭乗者に対して
救急隊が出動したことを報告する(ステップ18)。
【0063】なお、以上の例では、搭乗者がオペレータ
と会話を行い、運転者が救急隊の出動を要請したが、搭
乗者が意識を失っており、オペレータと会話できない場
合も想定できる。そのため、エージェント処理部11が
現在位置検出装置41から搭乗者の現在位置を特定し、
これを合成音声によってオペレータに伝えるように構成
することもできる。このようにナビゲーションとの連携
を行うこともできる。また、この場合、緊急通報部21
は、搭乗者が意識を失っていることを推測すると共に、
各種状況検出装置40の検出信号から緊急事態を推測
し、例えば、「トラブル発生現場は〇△町3丁目交差点
付近です。衝突事故が発生した模様です。搭乗者は意識
不明と思われます」などと、合成音声によってオペレー
タに救援を求めるように構成することもできる。緊急事
態の発生位置は、現在位置検出装置41により検出され
る車両の現在位置が使用される。更に、撮像装置28を
用いて車内の様子や車外の様子を撮影して救援機関63
に送信するよう構成することもできる。
【0064】(2)練習モードにおける処理動作 次に、練習モードにおけるエージェント装置の処理動作
について説明する。緊急通報モードでは、救援機関のオ
ペレータが搭乗者との対応を行ったが、練習モードで
は、エージェント処理部11が所定のシナリオ(救援機
関のオペレータによる、搭乗者に対する対応を想定した
シナリオ)に従って、オペレータの代わりに搭乗者に質
問を行う。図8は、練習モードにおけるエージェント装
置の動作を説明するための図である。一方、図9は、練
習モード時に表示装置27に表示されるシーンの一例を
表したものである。これらのシーンは練習シナリオに含
まれているものである。以下に図8を、図9を用いなが
ら説明する。
【0065】まず、搭乗者は緊急通報部21の練習スイ
ッチをオンして選択することにより、練習モードを選択
する(ステップ21)。練習モードが選択されると、エ
ージェント装置は練習モードでの動作を開始する。この
ように、練習モードは搭乗者がエージェント装置に練習
モードの実行を要請することにより起動する図9(a)
は、練習キーを選択する際に、エージェント処理部11
が表示装置27に表示するシーン画面である選択画面の
1例を示した図である。選択画面では、エージェントが
表示されると共にエージェントの吹き出しが「練習モー
ドを立ち上げますか」などと表示される。更に、エージ
ェント処理部11はエージェントの吹き出しと同じ内容
を音声出力装置25から車内放送する。このように搭乗
者に確認を取ることにより、搭乗者は本番の緊急通報の
動作との混同をすることなく安心して練習機能を利用で
きる。
【0066】選択画面には、更に「はい」と「いいえ」
が、例えば一方がハイライトや反転表示されるなど、何
れが選択されているかが識別可能に表示されている。
「はい」と「いいえ」の選択は、搭乗者が入力装置22
から設定し、また音声により選択することができるよう
になっている。図示しないが搭乗者が入力装置22で確
定ボタンを押すと、エージェント処理部11は選択を確
定し、次の処理に移行する。「はい」が選択された場合
は、エージェント処理部11は、練習モードによる練習
を開始し、「いいえ」が選択された場合は、練習モード
を終了する。図示しないが、「はい」が選択されると表
示装置27にエージェントが表示されると共に、「練習
モードが選択されました」との音声が車内放送され、エ
ージェントが練習モードの開始を宣言する。
【0067】図8に戻り、練習モードが選択されると、
エージェント処理部11は、急病用、事故用などと想定
するトラブルの内容を選択式に複数提案し、その項目を
表示する(ステップ22)。また、提案する手段として
は、例えば、搭乗者情報307に格納された情報に、心
疾患の持病がある場合、心疾患の緊急事態を提案する。
このように、緊急事態の項目を提案することをもって、
本発明の提案手段とする。搭乗者は、複数表示されたト
ラブルの内容から所望のものを選択する(ステップ2
3)。上記提案し、表示されたものの中から所望の項目
を選択することをもって、本発明の項目選択手段とす
る。そして、選択したトラブルの種類により、練習内容
が急病用、事故用などと分岐するようになっている。な
お、トラブルの内容の代わりに救援機関を選択するよう
に構成しても良い。
【0068】図9(b)は、選択画面で「はい」が選択
された場合に、エージェント処理部11が表示装置27
に表示するシーン画面であるトラブル提案画面の1例を
示した図である。トラブル提案画面では、エージェント
が「どのような状況を想定して練習しますか」という吹
き出しと共に表示される。更に、エージェント処理部1
1はエージェントの吹き出しと同じ内容を音声出力装置
25から車内放送する。トラブル想定画面には、更に、
「急病」、「事故」、「災害」などと、トラブルの内容
が何れが選択されているかが識別可能に表示されてい
る。トラブルの種類は運転者が入力装置22から設定で
きるようになっている。図示しないが運転者が入力装置
22で確定ボタンを押すと、エージェント処理部11は
選択を確定し、次の処理に移行する。このように、搭乗
者は、どのような状況にあるのか想定する状況を設定す
ることができる。また、ナビゲーションと連携して現在
位置検出装置41より得られる情報を基に練習を行う地
点により、その場所で起こりうる事故を提案することも
できる。このように現在位置装置41より、現在地の情
報を検出することをもって、本発明の現在地情報検出手
段とする。車両の現在位置に応じた事項を想定して緊急
事態の項目を提案する場合の例として、例えば、高低差
のある場所の場合、転落、滑落などが考えられる。ま
た、過密都市の場合は衝突が、広い空間がある場所では
スピードの出しすぎによるスピンなどが考えられる。
【0069】図8に戻り、搭乗者がトラブル提案画面で
トラブルの内容を選択すると、エージェント処理部11
は、搭乗者に選択した内容でよいか再確認した後、緊急
通報の選択を指示する。搭乗者はエージェント処理部1
1の指示に従い、緊急通報装置を起動する(ステップ2
4)。このように、練習モードでは救援機関への通報が
禁止され、緊急通報スイッチをオンしても通報は行われ
ない。
【0070】図9(c)は、エージェント処理部11が
搭乗者に選択したトラブルの内容で処理を進めて良いか
否かを確認する場合に、表示装置27に表示するシーン
画面である内容確認画面の1例を示した図である。内容
確認画面では、エージェントが「事故を想定した練習モ
ードを開始します。よろしいですか」という吹き出しと
共に表示される。更に、エージェント処理部11はエー
ジェントの吹き出しと同じ内容を音声出力装置25から
車内放送する。
【0071】選択画面には、更に「はい」と「いいえ」
が、例えば一方がハイライトされるなど、何れが選択さ
れているかが識別可能に表示されている。「はい」と
「いいえ」の選択は、搭乗者が入力装置22から設定で
きるようになっている。図示しないが搭乗者が入力装置
22で確定ボタンを押すと、エージェント処理部11は
選択を確定し、次の処理に移行する。「はい」が選択さ
れた場合は、エージェント処理部11は、選択したトラ
ブルの内容で処理を進め、「いいえ」が選択された場合
は、トラブル選択画面を再表示し、搭乗者に再度の選択
を促す。
【0072】図9(d)は、エージェント処理部11が
搭乗者に緊急通報装置の起動を指示するシーン画面であ
る起動指示画面の1例を示した図である。起動指示画面
では、エージェントが「練習モードを開始しました。通
常通り緊急通報装置を起動してください」という吹き出
しと共に表示される。更に、エージェント処理部11は
エージェントの吹き出しと同じ内容を音声出力装置25
から車内放送する。このように、練習モードの開始を確
認した後、通常どおり緊急通報部21の起動ボタン、即
ち緊急通報スイッチを押す。
【0073】図8に戻り、搭乗者が緊急通報部21を緊
急通報スイッチをオンして起動すると、エージェント処
理部11は、例えば、「どうされましたか」とか、「け
が人はいますか」などと事故の内容や、怪我の有無、現
在位置などの救援機関のオペレータの質問を模した音声
を音声出力装置25から出力する(ステップ25)。上
記救援機関のオペレータの質問を模した音声を出力する
ことで、本発明の質問手段とする。また、質問に合わせ
て表示装置27にエージェントを吹き出しと共に表示す
る。音声出力装置25から車内放送されたエージェント
からの質問に対して搭乗者は、「発作がおきました」と
か、「ガードレールにぶつかりました」などと返答する
(ステップ26)。さらに、質問に対する返答を応答デ
ータ305に格納する。上記質問に対する返答をもっ
て、本発明の返答受領手段とする。緊急通報部21は、
マイク26から搭乗者の声を検出し、搭乗者が質問に答
え終わると次の質問を行うようになっている。なお、予
め想定される緊急事態の内容をリスト表示し、その中か
ら該当する緊急状態を選択するようにしてもよい。もち
ろん、このリスト表示からの選択と音声による返答(緊
急事態の内容を説明する返答)を併用するようにしても
よい。また、所定の間隔をおいて次の質問をするように
しても良い。そして、練習が終了すると、エージェント
処理部11は、音声出力装置25や表示装置27から練
習が終了したことを搭乗者に報告し、返答受領手段に格
納された返答を基に、実際時のアドバイス、例えば、声
が小さく聞きとりづらかった場合、「もっと大きな声で
答えてください。」というメッセージを出力するなどの
評価を行う(ステップ27)。上記実際時のアドバイス
などをすることをもって、本発明の練習評価手段とす
る。なお、本実施形態では、練習が終了した後に、練習
における応答に対するアドバイスを行うようにしたが、
各質問に対する搭乗者の応答毎にアドバイスを行うよう
にしてもよい。また、評価については各質問の終了から
返答までの時間を計測し、返答時間の長短を、望ましい
返答時間との比較において伝えることで、練習評価の1
指標とするようにしてもよい。望ましい返答時間は、質
問内容毎に設定し、各質問毎に返答時間の長短をグラフ
表示することで評価するようにし、また、平均返答時間
の長短により評価するようにしてもよく、これら両者を
採用してもよい。また、練習の開始から終了までの平均
的な対応時間を各緊急事態毎に予め設定しておき、計測
した練習開始から終了までの時間の長短を使用して評価
するようにしてもよい。
【0074】図9(e)は、エージェント処理部11が
搭乗者が緊急通報部21を起動した後に表示するシーン
画面である質問画面の1例を示した図である。なお、こ
の画面は事故がおきたことを想定したものである。質問
画面では、エージェントが「どうしましたか」などとい
った吹き出しと共に表示される。更に、エージェント処
理部11はエージェントの吹き出しと同じ内容を音声出
力装置25から車内放送する。図9(f)は、練習を終
了する際に、エージェント処理部11が表示するシーン
画面である終了画面の1例を示した図である。終了画面
では、エージェントが「お疲れ様でした」などといった
吹き出しと共に表示される。このように、練習モード上
で想定する状況下と同様の緊急通報部21の使用方法を
擬似体験することができる。上記緊急通報部の使用法を
擬似体験する一連の処理をもって、本発明の練習手段と
する。また、この擬似体験の結果を応答データ305に
格納することをもって、本発明の結果記憶手段とし、こ
の結果を基に、擬似体験の提案をすることができる。
【0075】(3)練習モードで練習中に緊急通報モー
ドに切替える場合 次に、練習モードで練習中に緊急事態が発生して緊急通
報モードに切替える場合におけるエージェント装置の動
作を説明する。練習モードで練習中に緊急事態が発生し
た場合は、緊急通報スイッチを再度選択すると緊急通報
モードに移行することができる。このように、練習モー
ド時に事故・急病等トラブルに見舞われた場合、途中か
ら実使用モードを割り込ませ、すぐさま緊急通報装置を
実使用することができる。
【0076】図10は、練習モードから緊急通報モード
に移行する場合のエージェント装置の動作を説明するた
めの図である。まず、練習モードで練習中に緊急事態が
発生した場合、搭乗者は緊急通報スイッチをオンして選
択する(ステップ31)。エージェント処理部11は、
緊急通報スイッチが選択され、緊急通報部21が再度作
動されたことを確認すると、練習モードを終了し、トラ
ブルの種類に該当する救援機関を提示する(ステップ3
2)。以降、エージェント処理部11は、図7の図と同
様に動作する。即ち、エージェント処理部11は、通信
制御部24により通信回線を確立し、救援機関に通報す
る(ステップ34)。次に、救援機関のオペレータがト
ラブルの内容、怪我・病気の有無などを搭乗者に質問し
(ステップ35)、これに対して搭乗者が返答する(ス
テップ36)。質問が終了するとオペレータは、救援隊
の出動を要請すると共に(ステップ37)、搭乗者に救
援隊が出動したことを報告する(ステップ38)。
【0077】以上に説明したように、実施の形態は救援
機関でオペレータが対応するように構成したが、これに
限定するものではなく、救援機関にエージェント装置か
らの緊急通報を受信するサーバ装置を設けてエージェン
ト装置からの緊急通報を自動処理するように構成するこ
ともできる。また、車両の現在位置の取得や各種状況検
出装置40で検出された信号などの各種データはサーバ
装置で受信し、搭乗者に対する細かな対応はオペレータ
が行うように構成しても良い。また、練習モードは、以
上のように車載の緊急通報装置上で行っても良いし、次
の変形例で説明するようにネットワークを介して緊急通
報センターなどを介しても良い。更に、状況の想定をす
る際も、搭乗者が過去にどのような練習を行ったか、応
答データ305に基づき、エージェントが管理し、ユー
ザーに「お勧め」の練習を促すことで、万遍なく種々の
練習をするように構成することもできる。次の変形例の
様なセンターを介さないクローズドな練習モードの場
合、エージェントとの対話形式で練習を行うため、普段
のナビシステムの操作と同じ感覚で機能を使用できる。
【0078】(実施の形態の変形例)次に、本実施の形
態の変形例について説明する。図11は、本変形例にお
けるネットワーク構成の1例を示した図である。本変形
例のネットワーク構成はエージェント装置を搭載した自
動車61、センター62、救援機関63などから構成さ
れている。本変形例では、センター62と自動車61が
無線通信を行うことにより、運転者に一例として以下の
様な各種サービスを提供している。
【0079】本変形例のエージェント装置は、記憶装置
29に格納してあるデータのうち、一部又は全部をセン
ター62に置いて無線回線を用いて取得するようになっ
ている。この点を除き、自動車62が搭載しているエー
ジェント装置は、先に説明した実施の形態のエージェン
ト装置と概略同じである。そのため、本変形例では先の
実施の形態で説明したエージェント装置の各構成要素に
付した番号を援用することにする。
【0080】本変形例では、自動車61で緊急事態が発
生して緊急通報スイッチが選択された場合、緊急通報は
センター62になされるようになっている。センター6
2では担当のオペレータが配属されており、搭乗者の対
応をするようになっている。オペレータは搭乗者から必
要な情報を聞き出すと、これを元に救援機関63に救援
の依頼を行う。本変形例における緊急通報機能では、実
際に緊急事態が発生した場合に緊急連絡を行う緊急通報
モードの処理と、この緊急通報モードでの操作や対応を
練習するする練習モードの処理があり、この場合も、練
習モードで使用するインターフェース類は緊急通報装置
の実使用時と同一のインターフェース類が使用される。
以下の説明では、エージェント装置の緊急通報機能によ
る処理動作について、(1)緊急通報モードにおける処
理動作、(2)練習モードにおける処理動作、(3)練
習モードで練習中に緊急事態が発生して緊急通報モード
に切替える場合の処理動作、のそれぞれについて説明す
る。
【0081】(1)緊急通報モードにおける処理動作 運転中に運転者や乗客などが病気になったり、走行中に
崖崩れが発生するなど、何らかの緊急事態が実際に発生
し、救援機関に救助を求める場合である。図12は、緊
急通報モードにおけるエージェント装置の動作を説明す
るための図である。何らかの緊急事態が発生した場合、
搭乗者は緊急通報部21の緊急通報スイッチをオンして
選択する。(ステップ41)。緊急通報スイッチが選択
されると、エージェント装置は緊急通報モードでの動作
を開始する。また、各種状況検出装置40が衝突の衝撃
などから異常事態を検出して自動的に緊急通報モードで
の動作を開始する場合もある。
【0082】するとエージェント処理部11は、通信制
御部24を用いてセンター62との間に通信回線を確立
する(ステップ42)。センター62ではオペレータ
が、搭乗者に応対してトラブルの内容、怪我・病気の有
無、現在位置などを質問する。センター62から送信さ
れたオペレータの質問は、通信制御部24を介してエー
ジェント処理装置11で受信される。エージェント処理
装置11は、受信したオペレータの音声を音声出力装置
25を用いて車内に放送する(ステップ43)。
【0083】次に、搭乗者は車内放送されたオペレータ
の質問に対してトラブルの内容や怪我の有無などの返答
を行う。エージェント処理部11は、マイク26を介し
て運転者の返答を取得する。エージェント処理部11
は、取得した搭乗者の返答を通信制御部24を介してセ
ンター62に送信する(ステップ44)。オペレータ
は、ステップ43、44を繰り返して、搭乗者から必要
な情報を聞き出す。次に、オペレータは搭乗者から聞き
出した情報からトラブルの種類に該当する救援機関を判
断し、救援機関63に通報する(ステップ45)。この
通報は、通常の電話回線などを用いて行われる。救援機
関63は、オペレータから取得した情報に基づき、救援
隊の出動を依頼すると共に(ステップ46)、オペレー
タに対して救援隊を派遣した旨を伝える(ステップ4
7)。オペレータは救援機関62から救援隊派遣の報告
を受けると、通信回線を用いて搭乗者に救援隊が派遣さ
れたことを報告する(ステップ48)。
【0084】(2)練習モードにおける処理動作、次
に、練習モードの場合のエージェント装置の動作を説明
する。図13は、、練習モードにおけるエージェント装
置の動作を説明するための図である。まず、搭乗者は練
習スイッチを選択し、練習モードを選択する(ステップ
51)。練習スイッチが選択されるとエージェント装置
は、練習モードにセットされる。エージェント処理部1
1は、練習モードになると、表示装置27に、例えば
「急病用」、「事故用」、「災害用」などと、想定する
トラブルの内容を選択式に複数提示する(ステップ5
2)。搭乗者は入力装置22を用いて何れかのトラブル
内容を選択する(ステップ53)。エージェント処理部
11は、搭乗者がトラブル内容を選択した後、表示装置
22と音声出力装置25を用いて緊急通報部21の作動
(緊急通報スイッチをオンすると作動する)を指示する
(ステップ54)。
【0085】搭乗がエージェント処理部11の指示に従
い、緊急通報部21を作動させると、エージェント処理
部11は、通信制御部24を介してセンター62との無
線回線を練習モードにて確立する(ステップ55)。セ
ンター62のオペレータには、回線確立の際に、この回
線の確立が練習用であること、及び搭乗者が想定したト
ラブルの内容が提示されるようになっている。オペレー
タは、トラブルの内容や怪我の有無などを搭乗者に質問
する(ステップ56)。オペレータの質問は無線回線を
介してエージェント装置に送られる。エージェント装置
では、エージェント処理部11が通信制御部24を介し
てオペレータの音声データを取得し、音声出力装置25
を用いて車内放送する。搭乗者はオペレータの質問に対
してトラブルの内容や怪我の有無などを答える(ステッ
プ57)。エージェント処理部11は、マイク26から
搭乗者の返答を取得し、通信制御部24を用いてこれを
センター62に送信する。オペレータはステップ56、
57を繰り返し、搭乗者から必要な情報を聞き出した
後、搭乗者に対して練習終了の報告をすると共に、その
練習に対する採点や実際時のアドバイスなどを行う(ス
テップ58)。
【0086】図14は、(2)の練習モードの場合のエ
ージェント装置の動作の他の例を説明するための図であ
る。まず、搭乗者が緊急通報部21の練習スイッチをオ
ンして練習モードを選択する(ステップ61)。する
と、エージェント処理部11は、通信制御部24を用い
て、センター62に設置された練習サーバに練習モード
で無線回線を確立する(ステップ62)。練習サーバ
は、想定するトラブルの内容を選択式に複数提示するた
めの提示データをエージェント装置に送信する(ステッ
プ64)。
【0087】エージェント処理部11は、通信制御部2
4を介して提示データを受信し、トラブルの内容を選択
する選択画面を表示装置27に表示する(ステップ6
4)。搭乗者は選択画面を参照し、入力装置22を用い
て所望のトラブルの内容を選択する(ステップ65)。
エージェント処理部11は、搭乗者が選択したトラブル
の内容を通信制御部24を介して練習サーバに送信す
る。練習サーバは、搭乗者にトラブルの内容や怪我・病
気の有無を質問する音声データをエージェント装置に送
信する(ステップ66)。また、このとき、表示装置2
7にエージェントや吹き出しなどを表示するための画像
データを共に送っても良い。
【0088】エージェント処理部11は、通信制御部2
4から音声データを受け取り、音声出力装置25を用い
て練習サーバからの質問事項を車内放送する。エージェ
ント処理部11は、搭乗者の返答をマイク26で取得
し、通信制御部24を用いて練習サーバに送信する(ス
テップ67)。練習サーバはステップ66、67を繰り
返し、練習が終了すると練習終了の報告と実際時のアド
バイスなどをエージェント装置に送信する(ステップ6
8)。
【0089】この例では、練習サーバが搭乗者に質問し
たが、質問はオペレータが行うようにしても良い。ま
た、練習サーバが行う質問を選択式にして表示装置27
にエージェントと共に表示し、搭乗者が入力装置22を
用いて選択するように構成しても良い。
【0090】(3)練習モードで練習中に緊急通報モー
ドに切替える場合 次に、図15を用いて、練習モードで練習中に緊急事態
が発生して緊急通報モードに切替える場合におけるエー
ジェント装置の動作を説明する。練習モードで練習中に
緊急事態が発生した場合は、緊急通報部21で緊急通報
スイッチを再度選択すると緊急通報モードに移行するこ
とができる。
【0091】エージェント装置が練習モードで作動して
いる最中に実際に緊急事態が発生した場合、搭乗者は緊
急通報部21で緊急通報スイッチを再度選択する(ステ
ップ71)。エージェント処理部11は、再度緊急通報
スイッチが選択され、緊急通報部21が再作動したこと
を確認すると練習モードを終了し、緊急通報モードに移
行する。そしてエージェント処理部11は、通信制御部
24を用いてセンター62との無線通信回線を確立する
(ステップ72)。以降、エージェント処理部11が行
う処理は、(1)の緊急通報モードの場合と同じであ
る。まず、センター62でオペレータが搭乗者に対して
トラブルの内容や怪我・病気の有無などの質問を行い
(ステップ73)、これに対して搭乗者が返答する(ス
テップ74)。オペレータはステップ73、74を繰り
返して必要な情報収集した後、トラブルの種類に該当す
る救援機関を判断し、当該救援機関に通報する(ステッ
プ75)。救援機関は、救急隊に出動を依頼すると共に
(ステップ76)、救援隊の出動をオペレータに報告す
る(ステップ77)。オペレータは、救援機関から救援
隊出動の報告を受けるとこれを運転者に伝える(ステッ
プ78)。
【0092】なお、本変形例では、通信回線を介してセ
ンター62から各種の緊急通報練習プログラムを送信し
てもらうことができる。
【0093】以上に説明した本実施の形態及び実施の形
態の変形例では以下の様な効果を得ることができる。救
援機関への通報を禁止することを付加することにより、
通報装置の練習が可能になり、通報装置を迅速、且つ正
確に使用することができるようになる。センタ等を介し
た通報装置の練習が可能になる。過去に練習した緊急事
態の種類を記憶しておくことにより、各種緊急事態の練
習が満遍なくできるようになる。また、使用者にとって
なりうる可能性が高い緊急事態を優先的に練習すること
ができる。周囲の環境を想定することにより、その環境
が、例えば高い位置にあった場合、転落事故の練習をす
る、過密都市にあった場合、衝突事故時の練習をする等
地点での起こりうる事故に対する練習をすることができ
る。使用者が行った通報装置の練習に対し、採点、アド
バイス等の評価を行うことにより、通報装置の使用方法
をより判りやすくすることができ、正確に使用できるよ
うになる。通報装置練習中に、実際の事故にあった場
合、実際の通報に切り換えることができる。通報装置に
エージェントを組み込むことにより、より通報装置を使
いやすくすることができる。外部からの通報装置の練習
に関するプログラムを取得することにより、より多くの
通報装置の練習をすることができる。緊急通報装置を使
用することの抵抗感を少なくすることができる。
【0094】なお、本発明の実施形態として次の(a)
〜(h)に記載した緊急通報装置を採用するようにして
もよい。これら(a)〜(h)の緊急通報装置によれ
ば、事故、急病等トラブル時における緊急通報を練習モ
ードで練習することができ、実際の緊急事態に備えるこ
とができる。 (a)緊急事態の発生を車両から車両外の所定機関に対
して通報を含めた一連の処理を行う緊急通報手段と、前
記緊急通報手段による一連の処理を開始する開始手段
と、前記緊急通報手段による一連の処理の練習をユーザ
に提供する練習手段と、を具備することを特徴とする緊
急通報装置。 (b)前記練習手段は、前記開始手段による開始を含め
た処理の練習を提供することを特徴とする(a)に記載
の緊急通報装置。 (c)前記緊急通報手段による一連の処理は、緊急事態
の複数の状況をユーザが選択する処理を含み、選択され
た状況に対応した機関に通報することを特徴とする
(a)又は(b)に記載の緊急通報装置。 (d)前記練習手段は、当該練習の開始をユーザに確認
する確認手段を更に具備することを特徴とする(a)、
(b)、又は(c)に記載の緊急通報装置。 (e)緊急通報を行う所定の機関は、警察、病院、消防
署等の公的救援機関、又は、当該公的救援機関との連絡
を行う情報センタであることを特徴とする(a)から
(d)のうちのいずれか1に記載の緊急通報装置。 (f)前記開始手段は、前記練習手段による練習の提供
中に、当該練習を中止して前記緊急通報手段による一連
の処理を開始可能であることを特徴とする(a)から
(e)のうちのいずれか1に記載の緊急通報装置。 (g)前記練習手段による練習をユーザに提案する提案
手段を更に備えたことを特徴とする(a)から(f)う
ちのいずれか1に記載の緊急通報装置。 (h)所定の容姿からなるエージェントの画像を車室内
に表示するエージェント表示手段と、音声を出力する音
声出力手段と、前記エージェントの画像と前記音声の少
なくとも一方を、前記通報手段、前記開始手段、及び前
記練習手段のうちの少なくとも1の処理に連動して出力
することを特徴とする(a)から(g)のうちのいずれ
か1に記載の緊急通報装置。
【0095】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、緊急事態
の通報を擬似体験することにより、実際の緊急時に的
確、かつ冷静に緊急通報装置を使用することが可能とな
る。また、擬似体験することにより、実際の緊急時に装
置の存在を忘れてしまうことを防ぐことが可能となる。
請求項2記載の発明によれば、緊急事態の状況を装置が
提案することにより、搭乗者自身が不安を抱いている項
目を重点的に擬似体験することが可能となる。請求項3
記載の発明によれば、擬似体験時における結果を格納
し、擬似体験結果に対する評価を行うことにより、実際
の緊急時において、より的確に装置を使用することが可
能となる。請求項4記載の発明によれば、現在地の情報
を取得し、その現在地の状況に適した緊急事態の擬似体
験をすることが可能となる。請求項5記載の発明によれ
ば、記憶された搭乗者の情報に基づいて、緊急事態の擬
似体験をすることができるため、実際に起こりやすい緊
急事態を擬似体験することが可能となる。請求項6記載
の発明によれば、記憶された過去に行った擬似体験に基
づき、他の擬似体験を提案するため、様々な緊急事態の
擬似体験を満遍なく練習することが可能となる。請求項
7記載の発明によれば、エージェントが救援機関のオペ
レータになり代わり、緊急事態を擬似体験することによ
って、より、リアルな擬似体験をすることが可能とな
る。さらに、装置に対する親近感を得ることにより、緊
急事態時に装置の存在を忘れてしまうことを防ぐことが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における緊急通報装置の構
成を示すブロック図である。
【図2】同上、緊急通報装置におけるエージェント処理
部の構成図である。
【図3】同上、緊急通報装置におけるシナリオデータフ
ァイルのデータ構造とデータ内容を概念的に表した説明
図である。
【図4】同上、シナリオのシーンデータ基づいて表示装
置に表示されるシーン画面を表した説明図である。
【図5】同上、緊急通報装置における運転者情報の構成
を概念的に表した説明図である。
【図6】同上、自動車と救援機関の関係を示した図であ
る。
【図7】同上、緊急通報モードにおける緊急通報装置の
動作を表した図である。
【図8】同上、練習モードにおけるエージェント装置の
動作を説明するための図である。
【図9】同上、練習モード時に表示装置に表示されるシ
ーンの一例を表したものである。
【図10】同上、練習モードから緊急通報モードに移行
する場合のエージェント装置の動作を説明するための図
である。
【図11】同上、実施の形態の変形例におけるネットワ
ーク構成の1例を示した図である。
【図12】同上、緊急通報モードにおけるエージェント
装置の動作を説明するための図である。
【図13】同上、練習モードにおけるエージェント装置
の動作を説明するための図である。
【図14】同上、練習モードの場合のエージェント装置
の動作の他の例を説明するための図である。
【図15】同上、練習モードから緊急通報モードに移行
する場合のエージェント装置の動作を説明するための図
である。
【符号の説明】
1 パーソナルコンピュータ 2 インターネット 3 シナリオ 4 緊急通報装置 9 全体処理部 10 ナビゲーション処理部 11 エージェント処理部 12 外部I/F部 13 画像処理部 14 音声制御部 15 状況情報処理部 16 入力制御部 17 記憶装置制御部 21 緊急通報装置 22 入力装置 24 通信制御部 25 音声出力装置 26 マイク 27 表示装置 28 撮像装置 29 記憶装置 30 エージェントデータ 31 ナビゲーションデータ 40 各種状況検出装置 41 現在位置検出装置 42 状況検出部 43 緊急事態検出装置 61 自動車 62 センター 63 救援機関
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04M 11/04 H04M 11/04 (72)発明者 窪田 智氣 東京都千代田区外神田2丁目19番12号 株 式会社エクォス・リサーチ内 (72)発明者 堀 孝二 東京都千代田区外神田2丁目19番12号 株 式会社エクォス・リサーチ内 (72)発明者 藤井 一彰 東京都千代田区外神田2丁目19番12号 株 式会社エクォス・リサーチ内 Fターム(参考) 5C087 AA02 AA03 AA09 AA10 AA24 AA25 AA37 AA44 BB12 BB18 BB74 DD03 DD08 DD14 EE05 EE08 EE20 FF01 FF02 FF04 FF17 FF19 FF20 GG02 GG12 GG23 GG28 GG32 GG66 GG67 GG70 GG71 GG83 5K101 KK14 LL00 NN00 NN18 NN21

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両搭乗時の緊急事態に緊急事態情報を
    通報する緊急通報装置であって、 前記緊急事態情報の通報を擬似体験する練習手段と、を
    備えることを特徴とする緊急通報装置。
  2. 【請求項2】 前記練習手段は、緊急事態に相当する項
    目を提案する提案手段と、 該提案手段により提案された項目を選択する項目選択手
    段と、 該項目選択手段により選択された項目に対応する1又は
    複数の質問を出力する質問手段と、を備えることを特徴
    とする請求項1に記載の緊急通報装置。
  3. 【請求項3】 前記質問手段による質問に対応する返答
    を受領する返答受領手段を備え、 該返答受領手段により受領した返答に対応する評価を出
    力する練習評価手段を備えることを特徴とする請求項2
    に記載の緊急通報装置。
  4. 【請求項4】 現在地の情報を検出する現在地情報検出
    手段を備え、 前記提案手段は、前記現在地情報検出手段で検出された
    現在地情報に基づいて、緊急事態に相当する項目を提案
    することを特徴とする請求項2に記載の緊急通報装置。
  5. 【請求項5】 搭乗者の情報を記憶する搭乗者情報記憶
    手段を備え、 前記提案手段は、前記搭乗者情報記憶手段より記憶され
    た搭乗者情報に基づいて、緊急事態に相当する項目を提
    案することを特徴とする請求項2に記載の緊急通報装
    置。
  6. 【請求項6】 前記練習手段による擬似体験の結果を記
    憶する結果記憶手段を備え、 前記提案手段は、前記結果記憶手段により記憶された擬
    似体験の結果に基づいて、緊急事態に相当する項目を提
    案することを特徴とする請求項2に記載の緊急通報装
    置。
  7. 【請求項7】 所定の行動をとる仮想人格を車両内に表
    示する仮想人格表示手段と、 前記仮想人格の音声を出力する音声出力手段と、 前記提案手段による緊急事態に相当する項目の提案、前
    記質問手段による1又は複数の質問、前記評価手段によ
    る評価、のうち少なくとも1つを前記仮想人格の表示と
    音声の少なくとも一方で出力することを特徴とする請求
    項1から6のいずれかに記載の緊急通報装置。
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