JP2003196260A - 計算方法および計算装置 - Google Patents

計算方法および計算装置

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JP2003196260A
JP2003196260A JP2001392426A JP2001392426A JP2003196260A JP 2003196260 A JP2003196260 A JP 2003196260A JP 2001392426 A JP2001392426 A JP 2001392426A JP 2001392426 A JP2001392426 A JP 2001392426A JP 2003196260 A JP2003196260 A JP 2003196260A
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JP2001392426A
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Shinya Nagata
真也 永田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 計算対象(形状および計算条件)に対称性や
周期性が無い場合に対しても計算量が少なく短時間で計
算結果を得ること。 【解決手段】 計算対象領域の一部を計算すると判断さ
れた場合は(ST1:Yes)、計算対象領域の一部が
抽出され定義され(ST2)、定義された領域に対して
計算が実行される(ST3)。拡大すべき領域があると
判断された場合は(ST4:Yes)、計算結果を他の
計算対象領域の一部または全部に対して、コピーまたは
補間して拡大し(ST5)、ST1に戻る。拡大すべき
領域が無いと判断された場合は(ST4:No)、直接
ST1に戻る。計算対象領域全部を計算すると判断され
るまで、ST1〜ST5の処理を繰り返す。計算対象領
域の全部を計算すると判断された場合は(ST1:N
o)、計算対象領域全体にわたる計算が実行される(S
T6)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、有限要素法や有
限体積法、差分法等の数値解析(CAE解析(CAE:Comp
uter Aided Engineering))、画像処理、その他の計算
処理を実施する計算方法および計算装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】差分法や有限要素法を用いた解析では、
解(物理量の分布)の初期値(初期分布)を設定する必
要がある。一般に、定常解析の収束計算において初期値
を適当に採ることによって、解(定常解)を得るまでに
要する計算コスト(計算量、計算時間)をより小さくで
きることが知られている。例えば、解に近い初期値分布
を与えることができれば少ない計算量で解が得られる。
【0003】しかしながら実際には、解析領域の形状が
複雑な問題の場合、収束を早める初期値分布の予測が困
難であること、一様な分布や一次元的な線形分布を設定
するほうが容易であること、またはこれらの複合的な理
由のために、解析対象領域全体に単純な初期値分布を与
えるに留まっているのが殆どである。そのため、計算コ
ストを低減できる余地が大きく、解を得るまでの計算コ
ストを低減する技術の開発が望まれている。
【0004】従来、このような要求に応えるべく、種々
の提案がなされている(例えば特開平10−12589
5号公報、特開平5−174113号公報等)。特開平
10−125895号公報(シミュレーション方法及び
装置)では、解析領域が鏡映対称であるか否かを自動的
に判断し、鏡映対称である場合には、それを解析領域と
して抽出し、鏡映対称面の境界条件を反射型にし、抽出
された解析領域に数値シミュレーションを実行するとい
う方法が開示されている。これによって、解析領域が鏡
映対称の場合に計算が必要となる領域を少なくできるの
で、計算時間の短縮と使用メモリ量の低減化が図れると
するものである。
【0005】また、特開平5−174113号公報(軸
対象回転体構造物に好適な自動メッシュ分割方式)で
は、軸対称回転体構造物について断面形状で定義される
ブロックを自動的にメッシュ分割し、メッシュ分割した
そのブロックを回転コピー処理して解析対象全体をメッ
シュ分割し、作業の簡略化を図る方法が開示されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
収束計算では、初期値分布が単純であるために計算コス
ト(計算量、計算時間)を小さくできる余地が大きく、
特に大規模な計算では無視できない程度の余計な計算コ
ストが発生しているという問題がある。
【0007】また、上記特開平10−125895号公
報では、計算対象領域が鏡映対称である場合について示
されているが、計算対象領域が鏡映対称でない場合に計
算時間の短縮と使用メモリ量の低減化を図ることのでき
る計算方法は示されていない。
【0008】さらに、上記特開平5−174113号公
報では、軸対称回転体構造物のメッシュ分割作業を簡略
化できる方法について示されているが、対称でない計算
対象の計算コストを低減する方法については示されてい
ない。
【0009】この発明は、上記に鑑みてなされたもの
で、計算対象(形状および計算条件)に対称性や周期性
が無い場合に対しても計算量が少なく短時間で計算結果
を得ることができ、計算コストを低減することのできる
計算方法および計算装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明にかかる計算方法は、計算対象領域の一部
または全部を抽出する抽出工程と、前記抽出工程にて抽
出された領域について計算を実行する実行工程と、前記
実行工程にて得られた計算結果の一部または全部をコピ
ーまたは補間により他の領域に拡大する拡大工程と、前
記抽出工程と実行工程と拡大工程とを必要に応じて繰り
返すことによって計算対象領域全部について計算を実行
し最終的な結果を得る最終結果取得工程を備えたことを
特徴とする。
【0011】この発明によれば、抽出工程にて、計算対
象領域の一部が抽出され、実行工程にて、抽出された領
域について計算が実行され、拡大工程にて、得られた計
算結果の一部または全部がコピーまたは補間により他の
領域に拡大される。そして、最終結果取得工程にて、抽
出工程にて計算対象領域の全部が抽出されるまで、抽出
工程と実行工程と拡大工程とを繰り返すことによって計
算対象領域全部について計算が実行され、当初に目的と
していた結果が得られる。
【0012】つぎの発明にかかる計算方法は、上記の発
明において、前記拡大工程では、得られた計算結果を他
の領域に並進移動してコピーする並進移動コピー工程
と、得られた計算結果を他の領域に鏡映してコピーする
鏡映コピー工程と、得られた計算結果を軸まわりまたは
点まわりに回転して他の領域にコピーする回転コピー工
程と、得られた計算結果を直線または曲線に沿って押し
出して他の領域にコピーする押し出しコピー工程と、得
られた計算結果を他の領域に投影してコピーする投影コ
ピー工程と、得られた計算結果を内挿・外挿による補間
により他の領域に拡大する補間工程との少なくとも一つ
の工程が含まれることを特徴とする。
【0013】この発明によれば、上記の発明において、
拡大工程では、並進移動コピー工程と、鏡映コピー工程
と、回転コピー工程と、押し出しコピー工程と、投影コ
ピー工程と、補間工程との少なくとも一つの工程が実施
される。
【0014】つぎの発明にかかる計算装置は、計算対象
領域の一部または全部を抽出する抽出手段と、前記抽出
手段にて抽出された領域について計算を実行する実行手
段と、前記実行手段にて得られた計算結果の一部または
全部をコピーまたは補間により他の領域に拡大する拡大
手段と、前記抽出手段と実行手段と拡大手段とを必要に
応じて繰り返すことによって計算対象領域全部について
計算を実行し最終的な結果を得る最終結果取得手段とを
備えたことを特徴とする。
【0015】この発明によれば、抽出手段にて、計算対
象領域の一部が抽出され、実行手段にて、抽出された領
域について計算が実行され、拡大手段にて、得られた計
算結果の一部または全部をコピーまたは補間により他の
領域に拡大される。そして、最終結果取得手段にて、抽
出手段にて計算対象領域の全部が抽出されるまで、抽出
手段と実行手段と拡大手段とを繰り返すことによって計
算対象領域全部について計算が実行され、当初に目的と
していた結果が得られる。
【0016】つぎの発明にかかる計算装置は、上記の発
明において、前記拡大手段は、得られた計算結果を他の
領域に並進移動してコピーする並進移動コピー手段と、
得られた計算結果を他の領域に鏡映してコピーする鏡映
コピー手段と、得られた計算結果を軸まわりまたは点ま
わりに回転して他の領域にコピーする回転コピー手段
と、得られた計算結果を直線または曲線に沿って押し出
して他の領域にコピーする押し出しコピー手段と、得ら
れた計算結果を他の領域に投影してコピーする投影コピ
ー手段と、得られた計算結果を内挿・外挿による補間に
より他の領域に拡大する補間手段との少なくとも一つの
手段を備えていることを特徴とする。
【0017】この発明によれば、上記の発明において、
拡大手段は、並進移動コピー手段と、鏡映コピー手段
と、回転コピー手段と、押し出しコピー手段と、投影コ
ピー手段と、補間手段との少なくとも一つ手段を備えて
いる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明にかかる計算方法および計算装置の好適な実施の形
態を詳細に説明する。
【0019】図1は、この発明の実施の形態である計算
装置の構成を示すブロック図である。図1に示すよう
に、計算装置1は、計算対象領域の一部または全部を抽
出して定義する計算領域抽出部11と、抽出された領域
(計算対象領域の一部または全部)に対して計算を実行
する計算実行部12と、計算結果の一部または全部を他
の領域にコピーまたは補間により貼り付けることを行い
得られた計算結果を他の領域に拡大する計算結果拡大部
13と、計算領域抽出部11と計算実行部12と計算結
果拡大部13とを必要に応じて繰り返し動作させること
により計算対象領域全部について計算を実行し、最終的
な結果を得る最終結果取得部14とを備えている。
【0020】そして、計算結果拡大部13は、並進移動
コピー部131と、回転コピー部132と、鏡映コピー
部133と、押し出しコピー部134と、投影コピー部
135と、補間部136との全部または一部、つまり、
以上6個の要素の少なくとも1個の要素を備えている。
【0021】並進移動コピー部131では、抽出された
領域が有する計算結果を他の領域に並進移動してコピー
する操作が行われる。回転コピー部132では、抽出さ
れた領域が有する計算結果を他の領域に指定された軸ま
たは点のまわりに回転してコピーする操作が行われる。
鏡映コピー部133では、抽出された領域が有する計算
結果を他の領域に鏡映してコピーする操作が行われる。
押し出しコピー部134では、抽出された領域が有する
計算結果を他の領域に指定された曲線(直線を含む)に
沿って押し出して(引き伸ばして)コピーする操作が行
われる。投影コピー部135では、抽出された領域が有
する計算結果を他の領域に投影してコピーする操作が行
われる。補間部136では、抽出された領域が有する計
算結果を他の領域に内挿、外挿により補間して拡大する
操作が行われる。
【0022】以下に、図2〜図7を参照して、この実施
の形態による計算装置にて実施される計算方法について
説明する。なお、図2は、計算装置1において実施され
る計算方法の処理の流れを示したフローチャートであ
る。図3は、計算結果を回転コピーする場合の一例を示
す図である。図4は、計算結果を押し出しコピーする場
合の一例を示す図である。図5は、計算結果を補間する
場合の一例を示す図である。図6は、計算結果を投影コ
ピーする場合の一例を示す図である。図7は、計算手順
の具体例を示す図である。
【0023】図2において、ステップST1では、計算
対象領域の一部を計算するか全部を計算するかが判断さ
れる。計算対象領域の一部を計算すると判断された場合
は(ステップST1:Yes)、事前に適当と判断され
た領域が計算対象領域の一部として抽出され定義される
(ステップST2)。そして、その定義された領域に対
して適当な計算条件を付与した上で計算が実行される
(ステップST3)。
【0024】その後、計算結果を貼り付けるべき領域が
あるか否かが判断される(ステップST4)。つまり、
得られた計算結果の一部または全部を他の領域に拡大す
るか否かが判断される。拡大すべき領域があると判断さ
れた場合は(ステップST4:Yes)、計算結果を他
の計算対象領域の一部または全部に対して、コピーまた
は補間して拡大し(ステップST5)、ステップST1
に戻る。
【0025】一方、拡大すべき領域が無いと判断された
場合は(ステップST4:No)、計算結果保有領域拡
大処理(ステップST5)は実施せず、直接ステップS
T1に戻る。ステップST1において計算対象領域全部
を計算すると判断されるまで、ステップST1〜ステッ
プST5の処理を繰り返す。
【0026】処理開始当初のステップST1において、
計算対象領域の全部を計算すると判断された場合(ステ
ップST1:No)、または、ステップST1〜ステッ
プST5の処理を繰り返す過程で、計算対象領域の全部
を計算すると判断された場合は(ステップST1:N
o)、当初予定していた計算条件を付与した上で計算対
象領域全体にわたる計算が実行され、当初に目的として
いた結果を得ることが達成される(ステップST6)。
【0027】ここで、計算結果保有領域拡大処理(ステ
ップST5)では、他の領域に並進移動コピーする拡大
処理(図7(c)参照)と、鏡映コピーする拡大処理
(図7(e)参照)と、軸まわりまたは点まわりに回転
コピーする拡大処理(図3参照)と、直線または曲線に
沿って押し出しコピーする拡大処理(図4参照)と、内
挿・外挿による補間により拡大する拡大処理(図5参
照)と、投影コピーする拡大処理(図6参照)との、少
なくとも一つの拡大処理が実行される。これによって、
計算対象領域が複雑であっても柔軟に一部の領域の計算
結果を他の領域に拡大できるようになる。
【0028】図3において、回転コピーによる計算結果
保有領域拡大処理では、例えば、(a)に示すように、
計算結果が得られている領域31が長方形状をしている
とすれば、その長方形の例えば長辺を軸に180°回転
し、(b)に示すように、半円柱状の三次元領域32に
拡大される。このように、回転コピーによる計算結果保
有領域拡大処理では、任意の軸まわりでの回転操作、ま
たは、任意の点まわりでの回転操作によって、計算結果
が得られている領域(一次元領域、二次元領域)が三次
元領域に拡大される。
【0029】図4において、押し出しコピーによる計算
結果保有領域拡大処理では、(a)に示しように、計算
結果が得られている領域41を、直線を含む任意の曲線
で定義された方向42に押し出す、ないしは引き伸ばす
操作処理が行われる。その結果、(b)に示すように、
計算結果が得られている領域41が三次元領域43に拡
大される。なお、計算対象領域の形状によっては、ねじ
れを組み合わせた押し出し(引き伸ばし)操作も行われ
る。
【0030】図5において、内挿補間・外挿補間による
計算結果保有領域拡大処理では、例えば、計算結果が得
られている領域51が長方形状をしているとすれば、そ
の長方形の例えば二つの長辺の外側に設けた、結果が補
間される領域52,53に外挿による補間が行われる。
図5では、外挿による補間の方法を示すが、内挿による
補間も同様に行われ、またその他、補間処理一般を含め
た補間が行われる。
【0031】図6において、投影コピーによる計算結果
保有領域拡大処理では、例えば、計算結果が得られてい
る領域61が扇形形状をしているとすれば、その径方向
外側に設けた、結果が投影コピーされる領域62に、扇
形形状の計算結果が得られている領域61が投影され
る。図6では、1点を中心とした径方向への投影方法を
示すが、任意の投影方法が採用できることは言うまでも
ない。
【0032】次に、図7を参照して、計算手順を具体的
に説明する。(a)手順1:計算対象領域71の一部が
抽出され、抽出された領域72が定義される。図7
(a)では、計算対象領域71は、略台形状をしてお
り、底辺の左端側が抽出された領域72であるとしてい
る。(b)手順2:抽出された領域72に対して計算が
実行され、結果が取得される。
【0033】(c)手順3:得られた計算結果が他の領
域にコピーまたは補間して拡大される。その後は、さら
に他の領域に拡大するか、手順4または手順6の処理に
移行することになる。ここでのコピーには、並進移動コ
ピー、回転コピー、鏡映コピー、押し出しコピー、投影
コピーの全部または一部が含まれる。図7(c)では、
底辺の左端側から、底辺に沿って右方向に二回並進コピ
ーが行われ、計算結果保有領域が台形の底辺側に沿った
全領域に拡大され、上辺側の領域73が残った状態が示
されている。
【0034】(d)手順4:元の抽出された領域を含み
拡大処理によって得られた領域が、改めて抽出された領
域74として定義される。この改めて抽出された領域7
4について計算が実行され、結果が取得される。
【0035】(e)手順5:手順4の処理で得られた結
果が、さらに他の領域にコピーまたは補間して拡大され
る。図7(e)では、計算結果を保有する領域74内の
一部領域75が台形状の上辺側の領域73に対応し、上
辺側の領域73に鏡映コピーされる場合が示されてい
る。
【0036】(f)手順6:図7の例では、手順5によ
って元の計算対象領域71の全体を抽出し定義できたの
で、元の計算対象領域71の全体に対して計算を実行す
ることによって、当初に目的としていた結果が得られ
る。なお、この場合に、手順4,5を必要に応じて繰り
返し実行し、最終的な結果を得る場合もある。また、図
7の例では、手順3の状態から元の計算対象領域71の
全体に対して計算を実行することができる。
【0037】このように、この実施の形態によれば、計
算の対象となる領域の一部についてのみ計算を実行し、
その計算結果の一部または全部を計算対象領域の一部ま
たは全部にコピーまたは補間して貼り付け、計算結果を
有する領域を解析対象領域の一部または全体にまで拡大
できるようにしている。したがって、収束解を得るのに
好適な初期値分布の構築が可能となり、収束性を高める
ことができる。その結果、全体としての計算量が少なく
なるので、計算時間が削減でき、計算コストを低減する
ことができる。
【0038】また、計算対象(形状および計算条件)に
対称性が存在すれば、より計算コスト低減の効果が高ま
ると想定されるが、幾何形状や計算条件(例えばCAE
解析における境界条件)等の対称性や周期性が無い場
合、例えば画像処理など他の計算に対しても計算量が少
なく短時間で計算結果を得ることができる。これは、計
算の分野に限定されないことを意味している。
【0039】このとき、一部の領域の計算結果を他の領
域に拡大する手法として、並進移動コピーと鏡映コピー
と回転コピーと押し出し(引き伸ばし)コピーと投影コ
ピーと補間との少なくとも一つを採用するので、計算対
象領域が複雑であっても柔軟に一部の領域の計算結果を
他の領域に拡大できるようになる。
【0040】ところで、繰り返し計算(反復計算とも呼
ばれる)により定常解(収束解)を求めることは、CA
E解析等において多く実施されているが、一般に繰り返
し計算を実施する場合、計算の発散を招かない限り任意
の初期値分布設定が許されるので、繰り返し計算の後に
最終的に計算が収束して解が得られたならば、得られた
解は最終的な定常解(収束解)である。しかし、この発
明では、そのような「繰り返し計算」や「定常解析」と
いうような制約を加える必要がない。
【0041】また、この発明では、抽出された領域に対
する計算は、定常解析における収束計算のような最終的
な解が得られるまで計算を進める必要はない。つまり、
得られる結果はなんら物理的な意味をなさない結果で良
い。抽出された領域に対する計算結果は、一時的な計算
結果としての扱いであり、全体の計算からみれば初期値
に相当するので、定常解析における初期値を考えればわ
かるように、意味を持つ必要はないからである。
【0042】さらに、どの領域を抽出するか、抽出され
た領域にどのような計算条件を付与するか、結果拡大に
どの方法を用いるか、計算対象領域の一部を計算すべき
か全部を計算すべきか、などの判断方法についての言及
は、この発明では、不要である。つまり、作業者が適宜
判断することでも良い。この発明は、計算結果を得るた
めの作業を効率化することや計算精度を向上することが
目的ではないからである。
【0043】加えて 計算結果拡大の方法においては、
1次元の結果から1次元へ、1次元の結果から2次元
へ、1次元の結果から3次元へ、2次元の結果から2次
元へ、2次元の結果から3次元へ、3次元の結果から3
次元へ、などいずれの拡大の仕方でも良く、また、それ
ら以外の拡大の仕方でも良い。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、抽出工程にて、計算対象領域の一部が抽出され、実
行工程にて、抽出された領域について計算が実行され、
拡大工程にて、得られた計算結果の一部または全部がコ
ピーまたは補間により他の領域に拡大される。そして、
最終結果取得工程にて、抽出工程にて計算対象領域の全
部が抽出されるまで、抽出工程と実行工程と拡大工程と
を繰り返すことによって計算対象領域全部について計算
が実行され、当初に目的としていた結果が得られる。こ
のように、計算の対象となる領域の一部についてのみ計
算を実行し、その計算結果の一部または全部を計算対象
領域の一部または全部にコピーまたは補間して貼り付
け、計算結果を有する領域を解析対象領域の一部または
全体にまで拡大するようにしたので、対称性や周期性を
有しない場合であっても計算対象領域の一部の計算結果
を他の領域に拡大し流用することができ、全体としての
計算量を少なくして計算時間を短縮することができる。
【0045】つぎの発明によれば、上記の発明におい
て、拡大工程では、並進移動コピー工程と、鏡映コピー
工程と、回転コピー工程と、押し出しコピー工程と、投
影コピー工程と、補間工程との少なくとも一つの工程が
実施される。したがって、計算対象領域が複雑であって
も柔軟に一部の領域の計算結果を他の領域に拡大でき
る。
【0046】つぎの発明によれば、抽出手段にて、計算
対象領域の一部が抽出され、実行手段にて、抽出された
領域について計算が実行され、拡大手段にて、得られた
計算結果の一部または全部をコピーまたは補間により他
の領域に拡大される。そして、最終結果取得手段にて、
抽出手段にて計算対象領域の全部が抽出されるまで、抽
出手段と実行手段と拡大手段とを繰り返すことによって
計算対象領域全部について計算が実行され、当初に目的
としていた結果が得られる。このように、計算の対象と
なる領域の一部についてのみ計算を実行し、その計算結
果の一部または全部を計算対象領域の一部または全部に
コピーまたは補間して貼り付け、計算結果を有する領域
を解析対象領域の一部または全体にまで拡大するように
したので、対称性や周期性を有しない場合であっても計
算対象領域の一部の計算結果を他の領域に拡大し流用す
ることができ、全体としての計算量を少なくして計算時
間を短縮することができる。
【0047】つぎの発明によれば、上記の発明におい
て、拡大手段は、並進移動コピー手段と、鏡映コピー手
段と、回転コピー手段と、押し出しコピー手段と、投影
コピー手段と、補間手段との少なくとも一つ手段を備え
ている。したがって、計算対象領域が複雑であっても柔
軟に一部の領域の計算結果を他の領域に拡大できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態である計算装置の構成
を示すブロック図である。
【図2】 図1に示す計算装置において実施される計算
方法の処理の流れを示したフローチャートである。
【図3】 計算結果を回転コピーする場合の一例を示す
図である。
【図4】 計算結果を押し出しコピーする場合の一例を
示す図である。
【図5】 計算結果を補間する場合の一例を示す図であ
る。
【図6】 計算結果を投影コピーする場合の一例を示す
図である。
【図7】 計算手順の具体例を示す図である。
【符号の説明】
1 計算装置、11 計算領域抽出部、12 計算実行
部、13 計算結果拡大部、14 最終結果取得部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 計算対象領域の一部または全部を抽出す
    る抽出工程と、 前記抽出工程にて抽出された領域について計算を実行す
    る実行工程と、 前記実行工程にて得られた計算結果の一部または全部を
    コピーまたは補間により他の領域に拡大する拡大工程
    と、 前記抽出工程と実行工程と拡大工程とを必要に応じて繰
    り返すことによって計算対象領域全部について計算を実
    行し最終的な結果を得る最終結果取得工程と、 を備えたことを特徴とする計算方法。
  2. 【請求項2】 前記拡大工程では、 得られた計算結果を他の領域に並進移動してコピーする
    並進移動コピー工程と、 得られた計算結果を他の領域に鏡映してコピーする鏡映
    コピー工程と、 得られた計算結果を軸まわりまたは点まわりに回転して
    他の領域にコピーする回転コピー工程と、 得られた計算結果を直線または曲線に沿って押し出して
    他の領域にコピーする押し出しコピー工程と、 得られた計算結果を他の領域に投影してコピーする投影
    コピー工程と、 得られた計算結果を内挿・外挿による補間により他の領
    域に拡大する補間工程と、 の少なくとも一つの工程が含まれることを特徴とする請
    求項1に記載の計算方法。
  3. 【請求項3】 計算対象領域の一部または全部を抽出す
    る抽出手段と、 前記抽出手段にて抽出された領域について計算を実行す
    る実行手段と、 前記実行手段にて得られた計算結果の一部または全部を
    コピーまたは補間により他の領域に拡大する拡大手段
    と、 前記抽出手段と実行手段と拡大手段とを必要に応じて繰
    り返すことによって計算対象領域全部について計算を実
    行し最終的な結果を得る最終結果取得手段と、 を備えたことを特徴とする計算装置。
  4. 【請求項4】 前記拡大手段は、 得られた計算結果を他の領域に並進移動してコピーする
    並進移動コピー手段と、 得られた計算結果を他の領域に鏡映してコピーする鏡映
    コピー手段と、 得られた計算結果を軸まわりまたは点まわりに回転して
    他の領域にコピーする回転コピー手段と、 得られた計算結果を直線または曲線に沿って押し出して
    他の領域にコピーする押し出しコピー手段と、 得られた計算結果を他の領域に投影してコピーする投影
    コピー手段と、 得られた計算結果を内挿・外挿による補間により他の領
    域に拡大する補間手段と、 の少なくとも一つの手段を備えていることを特徴とする
    請求項3に記載の計算装置。
JP2001392426A 2001-12-25 2001-12-25 計算方法および計算装置 Pending JP2003196260A (ja)

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